JP2011172159A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザの操作負担を軽減させつつ、秘密文書や秘密文書を表す画像データの機密性を適切に確保することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ユーザの指紋に関する情報を取得する指紋読取部14と、指紋読取部14によって取得された指紋に関する情報に基づいて、ユーザの指紋が正当であるか否かを判断する指紋照合部16と、予め設定された複数の、指紋に関する情報と対応付けて複数種類の機能を記憶する記憶部13と、指紋照合部16により指紋が正当であると判断されたときに、記憶部13によって、指紋読取部14により読み取られた指紋に関する情報と対応付けて記憶されている機能の実行を開始する制御部10と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】ユーザの指紋に関する情報を取得する指紋読取部14と、指紋読取部14によって取得された指紋に関する情報に基づいて、ユーザの指紋が正当であるか否かを判断する指紋照合部16と、予め設定された複数の、指紋に関する情報と対応付けて複数種類の機能を記憶する記憶部13と、指紋照合部16により指紋が正当であると判断されたときに、記憶部13によって、指紋読取部14により読み取られた指紋に関する情報と対応付けて記憶されている機能の実行を開始する制御部10と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、画像形成装置に関するものである。
秘密文書そのものや秘密文書の内容を表す画像データの機密性を確保するため、種々の技術が開発されている。
例えば、特許文献1記載の画像形成装置は、ユーザにより入力された指紋を表す指紋画像が、予め設定された指紋画像と一致するか否かを判定することにより、当該ユーザを特定する。
そして、当該画像形成装置は、ユーザを特定したときに、当該ユーザに応じて予め設定された操作制限を行う。これにより、ユーザは、制限された操作を行うことが不可能となる。
また、特許文献2記載の画像形成装置は、ユーザにより画像形成装置の機能が利用されるに際し、ユーザの属性情報を受け付け、受け付けた属性情報が予め登録された属性情報と一致するときに、画像形成装置の機能の利用を許可している。
ところで、特許文献1及び特許文献2記載の画像形成装置では、ユーザを認証した後、ユーザに対して複数の機能のうち所望の機能を選択させている。そのため、ユーザは、画像形成装置を利用するに際し、ユーザは、個人情報を入力して認証処理を行わせ、その後、複数の機能のうち所望の機能を選択する必要がある。
このように、特許文献1及び特許文献2記載の画像形成装置は、ユーザに対して面倒な二重の操作を求めるため、ユーザにとっての使い勝手が良くなく、さらには、待機状態からユーザの認証処理を経て或る機能の実行が開始されるまでの時間がかかる。
本発明は、上記問題を解決するために提案されるものであり、ユーザの操作負担を軽減させつつ、秘密文書や秘密文書を表す画像データの機密性を適切に確保することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る画像形成装置は、ユーザの指紋に関する情報を取得する指紋読取部と、前記指紋読取部によって取得された指紋に関する情報に基づいて、前記ユーザの指紋が正当であるか否かを判断する指紋照合部と、予め設定された複数の、指紋に関する情報とそれぞれ対応付けて複数種類の機能を記憶する記憶部と、前記指紋照合部により前記指紋が正当であると判断されたときに、前記記憶部によって、前記指紋読取部により読み取られた前記指紋に関する情報と対応付けて記憶されている機能の実行を開始する制御部と、を備えることを特徴とする(請求項1)。
この構成によれば、ユーザの指紋に関する情報が読み取られ、且つ、当該ユーザの指紋が正当であると判断されたときには、ユーザの指紋に関する情報と対応付けて記憶部に記憶されている機能の実行を開始する。
これにより、画像形成装置は、当該画像形成装置の正当な使用権限を有するユーザの指紋に関する情報が読み取られたときに、当該情報に応じた種々の機能を実行することができる。
その結果、従来のように、認証操作と所望の機能を選択する操作とを行う場合と比較して、認証操作と同時に機能を選択できるので、ユーザの操作負担を軽減させつつ、秘密文書や秘密文書を表す画像データの機密性を適切に確保することができる。
上記構成において、前記指紋に関する情報は、前記指紋読取部の表面上におけるユーザの指紋の移動方向を示す情報を含み、前記記憶部は、複数の、前記指紋の移動方向とそれぞれ対応付けて前記複数種類の機能を記憶し、前記制御部は、前記指紋照合部により前記指紋が正当であると判断されたとき、前記指紋読取部で取得された指紋に関する情報が示す指紋の移動方向と対応付けて、前記記憶部により記憶されている機能の実行を開始することが好ましい(請求項2)。
この構成によれば、指紋照合部により指紋が正当であると判断したときに、指紋読取部で取得された指紋に関する情報が示す指紋の移動方向と対応付けて記憶部に記憶されている機能の実行を開始する。
これにより、画像形成装置を使用する権限のあるユーザが指紋を読み取らせた際に、当該指紋の移動方向の違いに応じて種々の機能の実行を開始することができる。その結果、ユーザは指を動かすだけで機能を選択できるので、ユーザにとっての利便性を高くすることができる。
上記構成において、正当なユーザの指紋を、複数のブロックに区分したものである各指紋ブロックを示すデータを記憶する指紋データ記憶部をさらに備え、前記指紋読取部は、ユーザがその表面に指を対向させながら移動させた場合に、指紋を1ラインずつ順次読み取って、当該1ライン毎の指紋データを順次出力することにより前記指紋に関する情報を出力するラインセンサを含み、前記ラインセンサによって出力された1ライン毎の指紋データを順次合成して二次元の画像を生成し、当該生成された画像と前記指紋データ記憶部に記憶されている各指紋ブロックを示すデータとが一致するか否かを判定し、当該各指紋ブロックが前記生成された画像と一致した順番に基づいて、前記ユーザの指紋の移動方向を判断する方向判断部をさらに備え、前記制御部は、前記指紋照合部により前記指紋が正当であると判断されたとき、前記方向判断部によって判断された移動方向と対応付けて、前記記憶部により記憶されている機能の実行を開始することが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、ラインセンサによって出力された1ライン毎の指紋データを順次合成して生成された二次元の画像が、予め指紋データ記憶部に記憶されている各指紋ブロックを表すデータと一致した順番に基づいて、ユーザの指紋の移動方向を判断し、判断された移動方向に応じて予め記憶部に記憶されている機能の実行を開始する。
これにより、安価なラインセンサを用いて指紋読取部を構成した場合に、当該指紋読取部におけるユーザの指紋の移動方向が判る。
上記構成において、前記ユーザから見て表示が正しい向きに見える方向として設定された基準方向に沿って表示を行う表示部を備えており、前記指紋読取部は、前記ラインセンサとして、前記基準方向に対して斜交する方向に配置された第1ラインセンサを備えることが好ましい(請求項4)。
この構成によれば、第1ラインセンサが、表示部における表示部がユーザから見て正しい向きに見えるように設定された基準方向に対して斜交する方向に配置されている。
これにより、ユーザが自身の指を、指紋読取部の表面上において、表示部の表示に対して上向き方向に移動させたときには、ユーザの指紋が、当該指紋の上部から下部の方向に読み取られる一方で、表示部の表示に対して下向き方向に移動させたときには、当該指紋の下部から上部の方向に読み取られる。
また、ユーザが自身の指を、指紋読取部の表面上において、表示部の表示に対して右向き方向に移動させたときには、ユーザの指紋が、当該指紋の右部から左部の方向に読み取られる一方で、表示部の表示に対して左方向に移動させたときには、当該指紋の左部から右部の方向に読み取られる。
その結果、画像形成装置は、安価なラインセンサを1つ用いるだけで、指紋読取時におけるユーザの指紋の移動方向が、表示部の表示に対して、縦方向であるか横方向であるかを判断することができる。
上記構成において、前記第1ラインセンサは、右上から左下に向かって配置されており、前記指紋データ記憶部には、前記正当なユーザの指紋を、裏から見て右上、右下、左上、左下の4ブロックに区分した各指紋ブロックが記憶されており、前記方向判断部は、前記生成された画像と前記各指紋ブロックを示すデータとが一致した場合、当該一致した前記画像における位置が、前記第1ラインセンサにおける右側に対応する右側位置であるか左側に対応する左側位置であるかを検出し、前記一致した順番が、右側位置における右下のブロック、右側位置における右上のブロック及び左側位置における左下のブロック、左側位置における左上のブロックの順であった場合、前記移動方向は下方向であると判断し、前記一致した順番が、左側位置における左上のブロック、左側位置における左下のブロック及び右側位置における右上のブロック、右側位置における右下のブロックの順であった場合、前記移動方向は上方向であると判断し、前記一致した順番が、右側位置における左上のブロック、右側位置における右上のブロック及び左側位置における左下のブロック、左側位置における右下のブロックの順であった場合、前記移動方向は左方向であると判断し、前記一致した順番が、左側位置における右下のブロック、左側位置における左下のブロック及び右側位置における右上のブロック、右側位置における左上のブロックの順であった場合、前記移動方向は右方向であると判断することが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、第1ラインセンサによって出力された1ライン毎の指紋データを順次合成して生成された二次元の画像が、予め記憶されている指紋ブロックを表すデータと一致した順番が、右側位置における右下のブロック、右側位置における右上のブロック及び左側位置における左下のブロック、左側位置における左上のブロックの順であった場合、前記移動方向は下方向であると判断し、前記一致した順番が、左側位置における左上のブロック、左側位置における左下のブロック及び右側位置における右上のブロック、右側位置における右下のブロックの順であった場合、移動方向は上方向であると判断し、一致した順番が、右側位置における左上のブロック、右側位置における右上のブロック及び左側位置における左下のブロック、左側位置における右下のブロックの順であった場合、移動方向は左方向であると判断し、一致した順番が、左側位置における右下のブロック、左側位置における左下のブロック及び右側位置における右上のブロック、右側位置における左上のブロックの順であった場合、移動方向は右方向であると判断する。
これにより、画像形成装置は、安価なラインセンサを1つ用いるだけで、指紋読取部におけるユーザの指紋の移動方向が、下向き方向、上向き方向、右方向、及び、左方向のいずれの方向であるかを判断することができる。
上記構成において、前記第1ラインセンサは、左上から右下に向かって配置されており、前記指紋データ記憶部には、前記正当なユーザの指紋を、裏から見て右上、右下、左上、左下の4ブロックに区分した各指紋ブロックが記憶されており、前記方向判断部は、前記生成された画像と前記各指紋ブロックを示すデータとが一致した場合、当該一致した前記画像における位置が、前記第1ラインセンサにおける右側に対応する右側位置であるか左側に対応する左側位置であるかを検出し、前記一致した順番が、左側位置における左下のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、右側位置における右上のブロックの順であった場合、前記移動方向は下方向であると判断し、前記一致した順番が、右側位置における右上のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、左側位置における左下のブロックの順であった場合、前記移動方向は上方向であると判断し、前記一致した順番が、右側位置における左下のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、左側位置における右上のブロックの順であった場合、前記移動方向は左方向であると判断し、前記一致した順番が、左側位置における右上のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、右側位置における左下のブロックの順であった場合、前記移動方向は右方向であると判断することが好ましい(請求項6)。
この構成によれば、第1ラインセンサによって出力された1ライン毎の指紋データを順次合成して生成された二次元の画像が、予め記憶されている指紋ブロックを表すデータと一致した順番が、左側位置における左下のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、右側位置における右上のブロックの順であった場合、移動方向は下方向であると判断し、一致した順番が、右側位置における右上のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、左側位置における左下のブロックの順であった場合、移動方向は上方向であると判断し、一致した順番が、右側位置における左下のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、左側位置における右上のブロックの順であった場合、移動方向は左方向であると判断し、一致した順番が、左側位置における右上のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、右側位置における左下のブロックの順であった場合、移動方向は右方向であると判断する。
これにより、画像形成装置は、安価なラインセンサを1つ用いるだけで、指紋読取部におけるユーザの指紋の移動方向が、下向き方向、上向き方向、右方向、及び、左方向のいずれの方向であるかを判断することができる。
上記構成において、前記ユーザから見て表示が正しい向きに見える方向として設定された基準方向である縦方向に沿って表示を行う表示部を備えており、前記指紋読取部は、前記基準方向に対して直交する方向である横方向に配置された第2ラインセンサを備え、前記指紋データ記憶部には、前記正当なユーザの指紋を、裏から見て、上、下の2ブロックに区分した各指紋ブロックが記憶されており、前記方向判断部は、前記生成された画像と前記各指紋ブロックを示すデータとが一致した場合、当該一致した前記画像における位置が、前記第2ラインセンサにおける右側に対応する右側位置であるか左側に対応する左側位置であるかを検出し、前記一致した順番が、右側位置及び下側位置における上のブロック、右側位置及び下側位置における下のブロックであった場合、前記移動方向は上方向であると判断し、前記一致した順番が、右側位置及び下側位置における下のブロック、右側位置及び下側位置における上のブロックであった場合、前記移動方向は下方向であると判断することが好ましい(請求項7)。
この構成によれば、第2ラインセンサによって出力された1ライン毎の指紋データを順次合成して生成された二次元の画像が、予め記憶されている指紋ブロックを表すデータと一致した順番が、右側位置及び下側位置における上のブロック、右側位置及び下側位置における下のブロックであった場合、移動方向は上方向であると判断し、一致した順番が、右側位置及び下側位置における下のブロック、右側位置及び下側位置における上のブロックであった場合、移動方向は下方向であると判断する。
これにより、指紋読取部における指紋の移動方向が、ユーザから見て上方向であるか下方向であるかを判断することができる。
上記構成において、前記ユーザから見て表示が正しい向きに見える方向として設定された基準方向である縦方向に沿って表示を行う表示部を備えており、前記指紋読取部は、前記基準方向に沿う方向に配置された第3ラインセンサを備え、前記指紋データ記憶部には、前記正当なユーザの指紋を、右、左の2ブロックに区分した各指紋ブロックが記憶されており、前記方向判断部は、前記生成された画像と前記各指紋ブロックを示すデータとが一致した場合、当該一致した前記画像における位置が、前記第3ラインセンサにおける上側に対応する上側位置であるか下側に対応する下側位置であるかを検出し、前記一致した順番が、上側位置における左ブロック、下側位置における右ブロックであった場合、前記移動方向は左方向であると判断し、前記一致した順番が、上側位置における右ブロック、下側位置における左ブロックであった場合、前記移動方向は右方向であると判断することが好ましい(請求項8)。
この構成によれば、第3ラインセンサによって出力された1ライン毎の指紋データを順次合成して生成された二次元の画像が、予め記憶されている指紋ブロックを表すデータと一致した順番が、上側位置における左ブロック、下側位置における右ブロックであった場合、移動方向は左方向であると判断し、一致した順番が、上側位置における右ブロック、下側位置における左ブロックであった場合、移動方向は右方向であると判断する。
これにより、指紋読取部における指紋の移動方向が、ユーザから見て右方向であるか左方向であるかを判断することができる。
上記構成において、前記指紋に関する情報は、前記ユーザの指の種類を表す情報を含むことが好ましい(請求項9)。
この構成によれば、指紋読取部によりユーザの指の種類を表す情報が読み取られたときには、当該ユーザの指の種類を表す情報に対応して予め設定された種々の機能の実行を開始する。
これにより、画像形成装置の使用権限を有するユーザの指紋を読み取るだけで、当該指紋が読み取られた指の違いに応じた機能を開始することができる。
上記構成において、正当なユーザの、親指、人差し指、中指、薬指、及び小指の指紋のうち、少なくとも二つの指紋の画像を記憶する指紋記憶部をさらに備え、前記指紋に関する情報は、前記指紋の画像であり、前記指紋照合部は、前記指紋読取部によって取得された指紋の画像と、前記指紋記憶部に記憶されている画像とを比較し、一致した場合に前記ユーザの指紋が正当であると判断すると共に当該指紋がどの指の指紋であるかを判定し、前記記憶部は、前記少なくとも二つの指紋に対応する指と対応付けて前記複数種類の機能を記憶し、前記制御部は、前記指紋照合部により前記指紋が正当であると判断されたとき、前記指紋照合部で判定された指とそれぞれ対応付けて、前記記憶部により記憶されている機能の実行を開始することが好ましい(請求項10)。
この構成によれば、指紋読取部により取得した正当なユーザの指紋が、どの指の指紋であるかを予め指紋記憶部に記憶された指紋の画像と比較することにより判定し、判定された指と対応して予め記憶部に記憶されている機能の実行を開始する。
これにより、正当なユーザの指の種類に応じて種々の機能の実行を開始することを具現化することができる。
本発明によれば、認証操作と所望の機能を選択する操作とを行う場合と比較して、認証操作と同時に機能を選択できるので、ユーザの操作負担を軽減させつつ、秘密文書や秘密文書を表す画像データの機密性を適切に確保することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符合を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を表す斜視図である。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の外観を表す斜視図である。
図1に示されるように、画像形成装置1は、画像読取部200と装置本体3とを備える。装置本体3の上面には、表示部5及び操作部18を有するユーザインタフェース部Iが設けられている。ユーザインタフェース部Iには、ユーザの指紋に関する情報を読み取る指紋読取部14が、ユーザインタフェース部Iの表面に露出した状態で設けられている。
ユーザインタフェース部Iの表示部5には、文字や操作ボタン等、ユーザが画像形成装置1を使用するために視認できる画像が表示される。このような画像は、ユーザから見て当該画像が正しい向きに見える方向として設定された縦方向、つまり基準方向(α−β方向)に沿って表示される。
尚、図1において、α方向は画像形成装置1に対向するユーザから見て手前方向、β方向は画像形成装置1に対向するユーザから見て奥行き方向、γ方向は画像形成装置1に対向するユーザから見て左方向、δ方向は画像形成装置1に対向するユーザから見て右方向を意味する。
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構成について説明する。図2は、図1に示す画像形成装置の概略断面図である。
図2に示されるように、画像読取部200は、原稿給紙部210と、スキャナ部220と、CIS231と、ユーザインタフェース部Iと、後述する反転機構を備えてなる。
原稿給紙部210は、ADF(Automatic Document Feeder)を備え、原稿トレイ211、ピックアップローラ212、プラテン213、排紙ローラ214及び排紙トレイ215を有する。原稿トレイ211には、読取対象とされる原稿が載置される。原稿トレイ211に載置された原稿は、1枚ずつピックアップローラ212によって取り込まれ、間隙を介して順次プラテン213へ搬送される。プラテン213を経由した原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215へ順次排出される。
前記プラテン213の周面に対向する位置のうち、原稿の搬送方向において読取位置Pより手前の予め定められた位置には、用紙を検出する図略のタイミングセンサが設置されており、該タイミングセンサの出力信号に基づき、前記読取位置Pへの原稿の搬送タイミングが図られる。前記タイミングセンサは、例えばフォトインタラプタにより構成される。
スキャナ部220は、原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するものである。スキャナ部220は、ガラス221、光源222、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227、結像レンズ228、CCD(Charged Coupled Device)229を備える。
このスキャナ部220は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプが用いられ、前記第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227及び結像レンズ228により、原稿からの光をCCD229に導く。スキャナ部220は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプを用いて構成されていることから、光源として3色LED等が用いられる後述のCIS231よりも色再現性に優れる。
ガラス221には、前記原稿給紙部210によらない原稿読取時に、ユーザの手動により原稿が載置される。光源222及び第1ミラー223は第1キャリッジ226によって支持され、第2ミラー224及び第3ミラー225は第2キャリッジ227によって支持されている。
画像読取部200の原稿読取方式として、ガラス221上に載置された原稿をスキャナ部220が読み取るフラットベッド読取モードと、原稿を原稿給紙部210(ADF)によって取り込み、その搬送途中で原稿を読み取るADF読取モードがある。
フラットベッド読取モードでは、光源222がガラス221上に載置された原稿を照射し、主走査方向1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。
CCD229は一次元のイメージセンサであり、1ライン分の原稿の画像データを同時に処理する。第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、主走査方向と直交する方向(副走査方向、矢印Y方向)に移動可能に構成されており、1ライン分の読み取りが終了すると、副走査方向に第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227が移動し、次のラインの読み取りが行われる。
ADF読取モードでは、原稿給紙部210が原稿トレイ211に載置された原稿をピックアップローラ212によって1枚ずつ取り込む。このとき、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、読取窓230の下方に位置する予め定められた読取位置Pに配置される。
原稿給紙部210による原稿搬送で、原稿がプラテン213から排紙トレイ215への搬送経路に設けられた読取窓230上を通過するとき、光源222が原稿を照射し、主走査1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。続いて原稿は原稿給紙部210によって搬送され、次のラインが読み取られる。
更に、原稿給紙部210は、切換ガイド216、反転ローラ217及び反転搬送路218を備えた原稿反転機構を有する。この原稿反転機構が、1回目のADF読み取りによって表面が読み取られた原稿を表裏反転させて読取窓230に再搬送することで、再度CCD229によって裏面の読み取りが行われる。
この原稿反転機構は、両面読み取り時にのみ動作し、片面読み取り時は動作しない。片面読み取り時及び両面読み取り時において裏面の読み取り後、切換ガイド216は上側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215に排紙される。
両面読み取り時における表面読み取り後、切換ガイド216は下側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿は反転ローラ217によって反転搬送路218へ搬送される。その後、切換ガイド216は上側へ切り替わり、反転ローラ217が逆回転して原稿をプラテン213へ再給紙する。以下、原稿反転機構を用いて原稿の両面を読み取らせるモードを両面反転読取モードと表記する。
更に、本実施形態の画像読取部200は、ADF読取モード時において、前述したように原稿の搬送途中でCCD229(スキャナ部220)によって原稿の表面の読み取りを行わせると略同時に(略並行して)、CIS231によって原稿の裏面の読み取りを行わせることが可能である。この場合、原稿トレイ211から原稿給紙部210により搬送された原稿は、読取窓230上を通過するときにCCD229によって表面が読み取られ、更にCIS231の配置箇所を通過する際に裏面が読み取られる。なお、CIS231では、光源としてRGBの3色LED等が用いられる。
このようにCCD229とCIS231を用いることで、原稿給紙部210による原稿トレイ211から排紙トレイ215までの一回の原稿搬送操作(ワンパス)によって原稿の表裏両面の読み取りが可能となる。以下、このようにCCD229とCIS231を用いて原稿の両面を読み取らせるモードを両面同時読取モードと表記する。
この両面反転読取モード及び両面同時読取モードは、ADF読取モードを用いて原稿の両面読み取りを行う際の読取モードとして備えられている。両面反転読取モードは、両面の印刷画像の画質を揃えたい場合に利用される一方、両面同時読取モードは、両面の印刷画像の画質に差があっても、読取時間の短縮化を優先させたい場合に利用される。なお、本実施形態における画像形成装置1は、両面同時読取モードに初期設定されており、前記読取モードのモード設定操作が何も行われないまま画像形成指示が入力された場合には、両面同時読取モードで原稿の画像読取動作が行われるようになっている。
画像形成装置1は、装置本体3と、装置本体3の左方に配設されたスタックトレイ6とを有している。装置本体3は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する画像形成部40とを備える。また、装置本体3は、給紙トレイ471と該給紙トレイ471に載置された原稿を1枚ずつ画像形成部40に向けて繰り出す繰り出しローラ472とを備える。
画像形成部40は、感光体ドラム43の表面から残留電荷を除電する除電装置421と、除電後の感光体ドラム43の表面を帯電させる帯電装置422と、スキャナ部220で取得された画像データに基づいてレーザ光を出力して感光体ドラム43の表面を露光し、当該感光体ドラム43の表面に静電潜像を形成する露光装置423と、前記静電潜像に基づいて感光体ドラム43上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のトナー像を形成する現像装置44K,44Y,44M,44Cと、感光体ドラム43に形成された各色のトナー画像が転写されて重ね合わせされる転写ドラム49と、転写ドラム49上のトナー像を用紙に転写させる転写装置41と、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着装置45とを備えている。
なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色に対するトナーの供給は、図略のトナーカートリッジから行われる。また、画像形成部40を通過した記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等が設けられている。
記録紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って画像形成部40の上流域に再度搬送し、画像形成部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48に排出する。
また、装置本体3の前方には、タッチパネルなどで構成された表示部5、及び、各種の操作ボタンを有する操作部18が組み込まれたユーザインタフェース部Iが、装置本体3の前方に露出するように設けられている。
図3は、図1に示す画像形成装置の機能モジュールの一例を示したブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置1は、ユーザインタフェース部I、画像形成装置1を統括的に制御するコントローラ(制御部)10、画像データを処理する画像処理部11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Ramdom Access Memory;記憶部及び指紋記憶部)13、指紋読取部14、指移動方向判断部(方向判断部)15、指紋照合部16、公衆回線を通じてファクシミリ通信を行うためのFAX通信部17、機能判断部19、画像形成部40、及び、画像読取部200を備える。
尚、図3に示す画像形成装置1では、コントローラ10、指移動方向判断部15、指紋照合部16、及び、機能判断部19は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を用いて構成されている。
このような構成の画像形成装置1において、ユーザインタフェース部Iは後述する設定受付部を構成する。また、ユーザインタフェース部I及び指紋読取部14は、互いに協働することにより、後述する変更指示操作受付部を構成する。
指紋読取部14は、後述するラインセンサで構成されており、ユーザがその表面に指を対向させながら移動させた場合に、指紋を1ラインずつ順次読み取って、当該1ライン毎の画像データを、指紋に関する情報として順次出力する。
ROM12及びRAM13は、画像形成装置1が動作するための各種のデータを記憶する。特に、RAM13には、後述する各種のテーブルを備えるほか、指紋読取部14により取得された指紋ブロック(後述)に関する情報に基づいて、指移動方向判断部15がユーザの指紋の移動方向を判断するため、指紋ブロックを表すデータの複数を予め記憶している。
指移動方向判断部15は、指紋読取部4によって出力された1ライン毎の指紋データを順次合成することにより、後述する指紋ブロックを表す2次元の画像を生成し、当該生成された画像と予めRAM13に記憶されている、指紋ブロックを表すデータと一致するか否かを判定する。
指移動方向判断部15は、指紋読取部4から出力された指紋データを合成することにより取得した指紋ブロックを表すデータが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番を判断して当該順番を表すデータを取得する。指移動方向判断部は、取得された、順番を表すデータに基づいて、指紋読取部14におけるユーザの指(つまり指紋)の移動方向を判断する。
機能判断部19は、指移動方向判断部15により判断された、ユーザの指紋移動方向に対応する機能を判断する。指紋照合部16は、指紋読取部14により取得されたユーザの指紋全体の画像が、予めRAM13に記憶されたユーザの指紋全体の画像と一致するか否かを判断することにより、ユーザの指紋が正当であるか否かを照合する。
図4は、ユーザインタフェース部Iの構成の一例を示した正面図である。尚、図4では、表示部5には、初期画面が表示されている。
ユーザインタフェース部Iは、操作部18として、操作ボタン18A〜18Hを備える。操作ボタン18A〜18Dは、まとまった状態で機能選択ボタン群180を構成している。操作ボタン18Aから18Dの各々は、コピー、プリンタ、スキャナ、及びFAXのいずれか1つの機能を画像形成装置1に実行させるためにユーザが操作する操作ボタンである。
操作ボタン18Hは、複数まとまった状態で数字キー群を構成している。この数字キー群は、例えば、画像形成装置1にコピー機能を動作させる際はコピー枚数を、ファクシミリ機能を動作させる際は送信先の電話番号等を入力するためのものである。
操作ボタン18Eは、リセットボタンを構成しており、表示部5の表示や各種設定を初期状態又は標準動作状態にするボタンである。
操作ボタン18Fは、ストップ/クリアボタンを構成しており、コピー動作やスキャナ動作等の停止、入力操作の取り消しを行うボタンである。操作ボタン18Gは、スタートボタンを構成しており、コピー動作やスキャナ動作等を開始させるボタンである。
また、ユーザインタフェース部Iは、先述したように、指紋読取部14が、ユーザインタフェース部Iの表面に露出した状態で設けられている。
指紋読取部14は、指移動方向判断部15による方向判断を可能とする必要があるため、例えば、以下に示される構成とされている。図5は、指紋読取部の構成の一例を示した図である。図5に示されるように、指紋読取部14は、先述した基準方向(α−β方向)、及び、基準方向に直交する方向(γ−δ方向)の双方に対して斜交するラインセンサ(第1ラインセンサ)140を備えている。
尚、図5では、ラインセンサ140は、ユーザから見て右上から左下に向けて配置されているが、この例には限られず、ユーザから見て左上から右下に向けて配置されていてもよい。
以下、指紋読取部14の基本機能について、図6を用いて説明する。
図6は、図5に示す指紋読取部14の基本機能を説明するための模式図である。指紋読取部14において、ラインセンサ140は、表面140A上に、ユーザの指Fの指紋面と対向する読取面140Bを有している。ラインセンサ140は、基準方向(α−β方向)及び当該基準方向と直交する方向(γ−δ方向)の双方に対して、45度の斜交角をなすようにして配置されている。
このようなラインセンサ140において、ユーザが自身の指Fを、当該指Fの先端を図示するように上方向、つまり、装置本体3の奥行き方向(方向β)に向けたまま、上方向、つまり、装置本体3の奥行き方向(方向β)に移動させると、指Fの指紋が、上部Uから下部Dの方向に読み取られる。
また、ユーザが自身の指Fを、当該指Fの先端を図示するように上方向、つまり、装置本体3の奥行き方向(方向β)に向けたまま、下方向、つまり、装置本体3の手前方向(α方向)に移動させると、指Fの指紋が、下部Dから上部Uの方向に読み取られる。
さらに、ユーザが自身の指Fを、当該指Fの先端を図示するように上方向、つまり、装置本体3の奥行き方向(方向β)に向けたまま、装置本体3の右方向(δ方向)に移動させると、指Fの指紋が、右部Rから左部Lの方向に読み取られる。
さらに、ユーザが自身の指Fを、当該指Fの先端を図示するように上方向、つまり、装置本体3の奥行き方向(方向β)に向けたまま、装置本体3の左方向(γ方向)に移動させると、指Fの指紋が、左部Lから右部Rの方向に読み取られる。
このような構成の指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を手前方向(α方向)、奥行き方向(β方向)、右方向(δ方向)、及び、左方向(γ方向)の各々の方向へ移動させたときには、指紋読取部14は指紋ブロックを以下のようにして読み取る。
図7は、指紋ブロックについて説明するための図である。図8は、基準方向(α−β方向)に斜交する方向に配置されている指紋読取部14の表面上において、自身の指を、手前方向(α方向)、奥行き方向(β方向)、右方向(δ方向)、及び、左方向(γ方向)の各々の方向に移動させたときにおける、指紋ブロックの読み取り処理について説明するための図である。
ここにおいて、図8(a)は、指紋読取部14が右上から左下に向けて配置されている例を示しており、図8(b)は、指紋読取部14が左上から右下に向けて配置されている例を示している。
図7に示すように、ユーザの指Fの指紋面FAの指紋は、複数のブロックに区分することができる。例えば、指紋は、指Fの表(指紋面FA側)から見て上部左側(裏から見て上部右側)の指紋ブロックA、指Fの表(指紋面FA側)から見て上部右側(裏からみて上部左側)の指紋ブロックB、指Fの表(指紋面FA側)から見て下部左側(裏から見て下部右側)の指紋ブロックC、及び、指Fの表(指紋面FA側)から見て下部右側(裏から見て下部左側)の指紋ブロックDの4つのブロックに分割される。
尚、表から見た右側とは、ユーザが自身の指Fの指紋面FAを見た状態における自身の指紋の右側を意味し、表から見た左側とは、ユーザが自身の指Fの指紋面FAを見た状態における自身の指紋の左側を意味する。
図8に示されるように、指紋読取部14では、ラインセンサ140は、等間隔に区分された2つの読取位置r1(左側位置)及び読取位置r2(右側位置)を有している。
尚、図8において、指紋ブロックA〜Dの配置は、指紋ブロックA〜Dが存在するユーザの指Fの裏面から見た状態における配置である。すなわち、指紋ブロックA〜Dの配置は、指紋面FAがラインセンサ140に正対している状態において指を爪側から見た状態の配置である。
図8(a)に示す指紋読取部14において、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て下方向、つまり、手前方向(α方向)に移動させたときには、ラインセンサ140は、当該移動に伴って、指紋ブロックCを読取位置r2で読み取り、次に、指紋ブロックDを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックAを読取位置r2で読み取り、最後に、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r1における指紋ブロックBであると判別する。
そして、指移動方向判断部15は、当該一致した順番が、読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r1における指紋ブロックBであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(下方向、つまり手前方向)を表すデータとして得る。
また、指紋読取部14において、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て上方向、つまり奥行き方向(β方向)に移動させたときには、ラインセンサ140は、当該移動に伴って、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取り、次に、指紋ブロックDを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックAを読取位置r2で読み取り、最後に、指紋ブロックCを読取位置r2で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックB、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r2における指紋ブロックCであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(上方向、つまり奥行き方向)を表すデータとして得る。
さらに、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て右方向(δ方向)に移動させたときには、ラインセンサ140は、当該移動に伴って、指紋ブロックCを読取位置r1で読み取り、次に、指紋ブロックDを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックAを読取位置r2で読み取り、最後に、指紋ブロックBを読取位置r2で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r2における指紋ブロックBであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(右方向)を表すデータとして得る。
さらに、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て左方向(γ方向)に移動させたときには、ラインセンサ140は、当該移動に伴って、指紋ブロックBを読取位置r2で読み取り、次に、指紋ブロックDを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックAを読取位置r2で読み取り、最後に、指紋ブロックCを読取位置r1で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r2における指紋ブロックB、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r1における指紋ブロックCであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(左方向)を表すデータとして得る。
尚、ラインセンサ140を、図8(b)に示すように、左上から右下に向けて配置した場合には、当該ラインセンサ140は、ユーザの指紋を以下のようにして読み取る。この場合においても、ラインセンサ140では、等間隔に区分された2つの読取位置(左側位置)r1及び読取位置(右側位置)r2を有している。
ラインセンサ140が、左上から右下に向けて配置されている場合において、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て下方向、つまり、手前方向(α方向)に移動させたときには、ラインセンサ140は、当該移動に伴って、指紋ブロックDを読取位置r1で読み取り、次に、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックCを読取位置r2で読み取り、最後に、指紋ブロックAを読取位置r2で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックD、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r2における指紋ブロックAであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(下方向、つまり手前方向)を表すデータとして得る。
また、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て上方向、つまり奥行き方向(β方向)に移動させたときには、ラインセンサ140は、当該移動に伴って、指紋ブロックAを読取位置r2で読み取り、次に、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックCを読取位置r2で読み取り、最後に、指紋ブロックDを読取位置r1で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックDであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(上方向、つまり奥行き方向)を表すデータとして得る。
また、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て右方向(δ方向)に移動させたときには、ラインセンサ140は、当該移動に伴って、指紋ブロックAを読取位置r1で読み取り、次に、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックCを読取位置r2で読み取り、最後に、指紋ブロックDを読取位置r2で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックA、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r2における指紋ブロックDであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(右方向)を表すデータとして得る。
また、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て左方向(γ方向)に移動させたときには、ラインセンサ140は、当該移動に伴って、指紋ブロックDを読取位置r2で読み取り、次に、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックCを読取位置r2で読み取り、最後に、指紋ブロックAを読取位置r1で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r2における指紋ブロックD、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックAであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(左方向)を表すデータとして得る。
指移動方向判断部15は、ラインセンサ140の読取位置r1及びr2において指紋ブロックを読み取った順番に基づいて、指紋読取部14の表面上におけるユーザの指紋の移動方向を判断する。このような判断を可能とするため、RAM13には、移動方向判断用テーブルが設けられている。
図9は、移動方向判断用テーブルの構成の一例を示した図である。図9に示す移動方向判断用テーブル131は、読取位置r1及びr2において指紋ブロックを読み取った順番に応じてユーザの指紋の移動方向を判断するために設けられている。
図9に示されるように、移動方向判断用テーブル131には、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r1における指紋ブロックBであることを表すデータ131Aが記憶されている。
また、移動方向判断用テーブル131には、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックB、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r2における指紋ブロックCであることを表すデータ131Bが記憶されている。
さらに、移動方向判断用テーブル131には、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r2における指紋ブロックBであることを表すデータ131Cが記憶されている。
さらに、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r2における指紋ブロックB、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r1における指紋ブロックCであることを表すデータ131Dが記憶されている。
移動方向判断用テーブル131には、データ131Aに対応してα方向(下方向、つまり手前方向)を表すデータ131Eが記憶されている。また、データ131Bに対応してβ方向(上方向、つまり奥行き方向)を表すデータ131Fが記憶されている。
さらに、データ131Cに対応してδ方向(右方向)を表すデータ131Gが記憶されている。さらに、データ131Dに対応してγ方向(左方向)を表すデータ131Hが記憶されている。
指移動方向判断部15は、先述したように、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番を表すデータを、ユーザの指紋の移動方向を表すデータとして得るので、取得した当該データと一致するデータの有無をデータ131A〜131Dの中から探し出す。
そして、指移動方向判断部15は、データ131A〜131Dの中から探し出したデータと対応する指の移動方向をデータ131E〜131Hの中から探し出し、データ131E〜131Hの中から探し出したデータで表される方向が、指の移動方向であると判断する。
このように、指移動方向判断部15により、指紋読取部14より読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番に基づいて、指紋の移動方向が判断されるため、安価なラインセンサ140を用いて指紋読取部14を構成した場合に、指紋読取部14におけるユーザの指紋の移動方向が、基準方向(α−β方向)であるのか当該基準方向と直交する方向(γ−δ方向)であるのかが判る。
また、画像形成装置1では、指移動方向判断部15により指紋の移動方向が判断された後、機能判断部19により、指移動方向判断部15により判断された移動方向に対応する機能が判断される。これを可能とするため、RAM13には、機能判断用テーブルが設けられている。
図10は、機能判断用テーブルの構成の一例を示した図である。図10に示す機能判断用テーブル132には、ユーザ別に、指紋の移動方向に対応する機能を表すデータが記憶されている。例えば、機能判断用テーブル132には、図10に示されるように、ユーザID「aaa」のユーザに対応して、当該ユーザの指紋の移動方向を表すデータと、当該移動方向に対応する機能を表すデータとからなる組み合わせが記憶されている。
すなわち、機能判断用テーブル132では、下方向、つまり手前方向(α方向)を表すデータ132Aに対応する機能を表すデータとして、コピーを表すデータ132Eが記憶されている。また、上方向、つまり奥行き方向(β方向)を表すデータ132Bに対応する機能を表すデータとして、プリントを表すデータ132Fが記憶されている。
さらに、δ方向(右方向)を表すデータ132Cに対応する機能を表すデータとして、スキャンを表すデータ132Gが記憶されている。さらに、γ方向(左方向)を表すデータ132Dに対応する機能を表すデータとして、FAXを表すデータ132Hが記憶されている。
ユーザは、以上に示す機能判断用テーブル132において、指紋の移動方向を表すデータ及び機能を表すデータを新規に登録させることができる。
例えば、ユーザは、自身のユーザIDを操作部18の操作により入力する。次に、ユーザは、指紋の移動方向を表すデータ及び機能を表すデータを、操作部18の操作により入力する。
すると、コントローラ10は、入力された、指紋の移動方向を表すデータ及び機能を表すデータの組み合わせを、入力されたユーザIDに対応させて機能判断用テーブル132に記憶させる。
また、ユーザは、機能判断用テーブル132に既に記憶されている、指紋の移動方向を表すデータ及び機能を表すデータのいずれかを適宜変更することができる。
例えば、ユーザは、自身のユーザIDを操作部18の操作により入力する。すると、コントローラ10は、入力されたユーザIDに対応して登録されている、指紋の移動方向を表すデータ及び機能を表すデータの組み合わせを全て読み出して、表示部5に表示する。
次に、ユーザは、操作部18の操作により、表示部5に表示されている、指紋の移動方向を表すデータ及び機能を表すデータの組み合わせのうち所望の組み合わせを選択し、選択された組み合わせにおいて、指紋の移動方向を表すデータ及び機能を表すデータのいずれかを書き換える操作を行う。
すると、コントローラ10は、選択された組み合わせをなす、指紋の移動方向を表すデータ及び機能を表すデータにおいて、指紋の移動方向を表すデータ及び機能を表すデータのいずれかを、ユーザが書き換えたデータに変更する。
画像形成装置1では、移動方向判断用テーブル131を備えることにより、指移動方向判断部15は、指紋読取部14の表面上におけるユーザの指紋の移動方向を判断することができる。また、機能判断用テーブル132を備えることにより、機能判断部19は、指移動方向判断部15により判断された指紋の移動方向に対応する機能を判断することができる。
図11は、図1に示す画像形成装置の基本動作の一例を示したフローチャートである。
画像形成装置1では、ユーザが指紋読取部14の表面上において自身の指を移動させたときには、当該ユーザの指の移動に応じて、以下の処理が行われる。
すなわち、画像形成装置1では、コントローラ10は、指紋読取部14により、ユーザの指紋を、当該指紋を複数のブロックに区分したときにおける指紋ブロック単位で読み取ることにより、指紋ブロックを表すデータを読み取る(ステップS1)。
次に、コントローラ10は、指移動方向判断部15により、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックを表すデータが、予めRAM13に記憶されているデータと一致するか否かを判断する(ステップS2)。
コントローラ10は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックを表すデータが、予めRAM13に記憶されているデータと一致するときには(ステップS3のYES)、指移動方向判断部15により、ステップS1で読み取られた指紋ブロックを表すデータが、指紋読取部14における左側位置r1で読み取られたものであるか、右側位置r2で読み取られたものであるかを判断する(ステップS4)。
コントローラは、以上のステップS1〜S4の処理を、指紋ブロックの全ての照合が終了するまでの間繰り返す(ステップS5)。その結果、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番を表すデータ(先述)が得られる。
一方で、指移動方向判断部15による判断結果により、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックを表すデータが、予め設定されたデータと一致しないことが判ったときには(ステップS3のNO)、コントローラ10は、所定のエラー処理を行う。
以上のように、指移動方向判断部15による判定結果により、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックを表すデータが、予め設定されたデータと一致することが判ると、次の指紋ブロックの照合が行われ、その反面、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックを表すデータが、予め設定されたデータと一致しないことが判ると、所定のエラー処理が行われる。
したがって、指移動方向判断部15は、ユーザの指紋が正当であるか否かを判断する指紋照合部として機能する。
コントローラ10は、ステップS1〜S4の処理を、全ての指紋ブロックについて行った後には(ステップS5のYES)、指移動方向判断部15により、ステップS1〜S4の処理により得られた、読取位置r1及びr2において指紋ブロックが読み取られた順番を表すデータに基づいて、指紋の移動方向を判断する(ステップS6)。
そして、コントローラ10は、機能判断部19により、ステップS6で判断した移動方向に対応する機能を判断し(ステップS7)、判断した機能を実行する(ステップS8)。
画像形成装置1は、以上のステップS1〜S8に示される処理を行うことにより、以下に示される効果が奏される。
図12及び13は、画像形成装置1において図11に示される処理が行われることによる効果を説明するための図である。
図12(a)に示されるように、指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を下方向、つまり、手前方向(α方向)に移動させたときには、画像形成装置1においてコピー機能の実行が開始される。このとき、表示部5の表示は、初期画面からコピー画面に切り替わる。
また、図12(b)に示されるように、指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を上方向、つまり奥行き方向(β方向)に移動させたときには、画像形成装置1においてプリント機能の実行が開始される。このとき、表示部5の表示は、初期画面からプリント画面に切り替わる。
さらに、図13(a)に示されるように、指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を右方向(δ方向)に移動させたときには、画像形成装置1においてスキャン機能の実行が開始される。このとき、表示部5の表示は、初期画面からスキャン画面に切り替わる。
さらに、図13(b)に示されるように、指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を左方向(γ方向)に移動させたときには、画像形成装置1においてFAX機能の実行が開始される。このとき、表示部5の表示は、初期画面からFAX画面に切り替わる。
以上のように、ユーザは、自身の指を、指紋読取部14に自身の指紋を読み取らせるに際し、指紋読取部14の表面上において、下方向(α方向)、上方向(β方向)、右方向(δ方向)、及び、左方向(γ方向)のいずれに移動させるかに応じて、異なる機能の実行を開始させることができる。これにより、ユーザの操作性を高めつつ、セキュリティ性を高めることができる。
図14は、指紋読取部の構成の他の例を示した図である。図14に示される指紋読取部14は、基準方向(α−β方向)に対して垂直なラインセンサ(第2ラインセンサ)141と、基準方向(α−β方向)に沿ったラインセンサ(第3ラインセンサ)142とを組み合わせることにより構成されている。
以下、このような構成の指紋読取部14の基本機能について、図15及び図16を用いて説明する。図15及び図16は、図14に示す指紋読取部14の基本機能を説明するための模式図である。
図15に示すように、指紋読取部14において、ラインセンサ141は、表面141A上に、ユーザの指Fの指紋面FAと対向する読取面141Bを有している。また、図16に示すように、指紋読取部14において、ラインセンサ142は、表面142A上に、ユーザの指Fの指紋面FAと対向する読取面142Bを有している。
図15に示すラインセンサ141において、ユーザが自身の指Fを、当該指Fの先端を図示するように上方向、つまり装置本体3の奥行き方向(β方向)に向けたまま、上方向、つまり装置本体3の奥行き方向(β方向)に移動させると、指Fの指紋が、上部Uから下部Dの方向に読み取られる。
また、同図に示すラインセンサ141において、ユーザが自身の指Fを、当該指Fの先端を図示するように上方向、つまり装置本体3の奥行き方向(β方向)に向けたまま、下方向、つまり装置本体3の手前方向(α方向)に移動させると、指Fの指紋が、下部Dから上部Uの方向に読み取られる。
一方で、図16に示すラインセンサ142において、ユーザが自身の指Fを、当該指Fの先端を図示するように上方向、つまり装置本体3の奥行き方向(β方向)に向けたまま、装置本体3の右方向(δ方向)に移動させると、指Fの指紋が、右部Rから左部Lの方向に読み取られる。
また、同図に示すラインセンサ142において、ユーザが自身の指Fを、当該指Fの先端を図示するように上方向、つまり装置本体3の奥行き方向(方向β)に向けたまま、装置本体3の左方向(γ方向)に移動させると、指Fの指紋が、左部Lから右部Rの方向に読み取られる。
このような構成の指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を下方向、つまり手前方向(α方向)、上方向、つまり奥行き方向(β方向)、右方向(δ方向)、及び、左方向(γ方向)の各々の方向へ移動させたときには、指紋読取部14は指紋ブロックを以下のようにして読み取る。
図17は、図14に示す指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を、手前方向(α方向)、奥行き方向(β方向)、右方向(δ方向)、及び、左方向(γ方向)の各々の方向に移動させたときにおける、指紋読取部14による指紋ブロックの読み取り処理について説明するための図である。
図17(a)に示されるように、指紋読取部14では、ラインセンサ141には、ユーザから見て左右方向(γ−δ方向)に等間隔に区分された2つの読取位置(左側位置)r1及び読取位置(右側位置)r2を有している。
また、図17(b)に示されるように、ラインセンサ142には、図17に示されるように縦方向、つまり、基準方向(α−β方向)に等間隔に区分された2つの読取位置(上側位置)r1及び読取位置(下側位置)r2を有している。
尚、図17において、指紋ブロックA〜Dの配置は、指紋ブロックA〜Dが存在するユーザの指Fの裏面から見た状態における配置である。すなわち、指紋ブロックA〜Dの配置は、指紋面FAがラインセンサ141及び142に正対している状態において指を爪側から見た状態の配置である。
図17(a)に示すように、指紋読取部14において、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て下方向、つまり手前方向(α方向)に移動させたときには、ラインセンサ141は、当該移動に伴って、指紋ブロックDを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックCを読取位置r2で読み取り、次に、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックAを読取位置r2で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックAであることを表すデータを、指紋の移動方向(下方向、つまり手前方向)を表すデータとして得る。
また、図17(a)に示すように、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て上方向、つまり奥行き方向(β方向)に移動させたときには、ラインセンサ141は、当該移動に伴って、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックAを読取位置r2で読み取り、次に、指紋ブロックDを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックCを読取位置r2で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックCであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(上方向、つまり奥行き方向)を表すデータとして得る。
一方で、図17(b)に示すように、指紋読取部14において、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て右方向(δ方向)に移動させたときには、ラインセンサ142は、当該移動に伴って、指紋ブロックAを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックCを読取位置r2で読み取り、次に、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックDを読取位置r2で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックA及び読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックDであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(右方向)を表すデータとして得る。
また、図17(b)に示すように、指紋読取部14において、ユーザが自身の指を、当該ユーザから見て左方向(γ方向)に移動させたときには、ラインセンサ142は、当該移動に伴って、指紋ブロックBを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックDを読取位置r2で読み取り、次に、指紋ブロックAを読取位置r1で読み取るとともに指紋ブロックCを読取位置r2で読み取る。
その結果、指移動方向判断部15は、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックD、読取位置r1における指紋ブロックA及び読取位置r2における指紋ブロックCであることを表すデータを、ユーザの指紋の移動方向(左方向)を表すデータとして得る。
このような構成の指紋読取部14の表面上におけるユーザの指紋の移動方向を、指移動方向判断部15が判断するため、図18に示す移動方向判断用テーブルが、RAM13に設けられている。
図18は、移動方向判断用テーブルの構成の他の例を示した図である。図18に示す移動方向判断用テーブル133には、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックAであることを表すデータ133Aが記憶されている。
また、移動方向判断用テーブル133には、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックA、読取位置r1における指紋ブロックD及び読取位置r2における指紋ブロックCであることを表すデータ133Bが記憶されている。
さらに、移動方向判断用テーブル133には、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックA及び読取位置r2における指紋ブロックC、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックDであることを表すデータ133Cが記憶されている。
さらに、移動方向判断用テーブル133には、指紋読取部14により読み取られた指紋ブロックが予めRAM13に記憶されているデータと一致した順番が、読取位置r1における指紋ブロックB及び読取位置r2における指紋ブロックD、読取位置r1における指紋ブロックA及び読取位置r2における指紋ブロックCであることを表すデータ133Dが記憶されている。
移動方向判断用テーブル133には、データ133Aに対応して、α方向(下方向、つまり手前方向)を表すデータ133Eが記憶されており、データ133Bに対応してβ方向(上方向、つまり奥行き方向)を表すデータ133Fが記憶されており、データ133Cに対応してδ方向(右方向)を表すデータ133Gが記憶されており、データ133Dに対応してγ方向(左方向)を表すデータ133Hが記憶されている。
このような構成の移動方向判断用テーブル133を備えることにより、指移動方向判断部15は、指紋読取部14の表面上におけるユーザの指紋の移動方向を判断することができる。指移動方向判断部15により指紋の移動方向が判断された後は、先述したように、機能判断部19により、指紋の移動方向に対応する機能が判断される。
以上のように、画像形成装置1が、指紋読取部14及び移動方向判断用テーブル133を備えることにより、指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を下方向、つまり手前方向(α方向)に移動させたときには、当該ユーザの指紋がラインセンサ141により読み取られてコピー機能が実行される。
また、指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を上方向、つまり奥行き方向(β方向)に移動させたときには、当該ユーザの指紋がラインセンサ141により読み取られてプリント機能が実行される。
さらに、指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を右方向(δ方向)に移動させたときには、当該ユーザの指紋がラインセンサ142により読み取られてスキャン機能が実行される。
さらに、指紋読取部14の表面上において、ユーザが自身の指を左方向(γ方向)に移動させたときには、当該ユーザの指紋がラインセンサ142により読み取られてFAX機能が実行される。
以上のように、ユーザは、自身の指を、指紋読取部14に自身の指紋を読み取らせるに際し、指紋読取部14の表面上において、下方向(α方向)、上方向(β方向)、右方向(δ方向)、及び、左方向(γ方向)のいずれに移動させるかに応じて、異なる機能の実行を開始させることができる。これにより、ユーザの操作性を高めつつ、セキュリティ性を高めることができる。
尚、以上の説明では、指紋読取部14は、ラインセンサにより構成されているが、本発明ではこの例には限られず、2次元CCDセンサや、静電センサで構成してもよい。
2次元CCDセンサや、静電センサで構成した場合には、ユーザの指の動きを二次元的にとらえることができるため、ユーザが自身の指を、基準方向(α−β方向)、基準方向とは直交する方向(γ−δ方向)、及び、基準方向及び当該基準方向と直交する方向の双方と斜交する方向のいずれの方向に移動させたかが判る。
これにより、画像形成装置1は、各方向を表すデータに対応する機能を予め記憶しておけば、ユーザが自身の指を、基準方向(α−β方向)、基準方向とは直交する方向(γ−δ方向)、及び、基準方向及び当該基準方向と直交する方向の双方と斜交する方向のいずれの方向に移動させたのかに応じて、種々の機能を実行することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について、図19及び図20を用いて説明する。尚、第2実施形態に係る画像形成装置は、RAM13には、以下に示す指紋画像データ−機能対応テーブル134を備えた点と、この指紋画像データ−機能対応テーブル134を用いて正当なユーザの指の種類に応じて種々の機能の実行を開始する点とが、第1実施形態に係る画像形成装置とは異なる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置について、図19及び図20を用いて説明する。尚、第2実施形態に係る画像形成装置は、RAM13には、以下に示す指紋画像データ−機能対応テーブル134を備えた点と、この指紋画像データ−機能対応テーブル134を用いて正当なユーザの指の種類に応じて種々の機能の実行を開始する点とが、第1実施形態に係る画像形成装置とは異なる。
その他の構成は第1実施形態に係る画像形成装置と同様であるため説明及び図示を省略しており、以下、本実施形態の特徴的な点について説明する。
図19は、指紋画像データ−機能対応テーブルの構成の一例を示した図である。図19に示す指紋画像データ−機能対応テーブル134は、ユーザのユーザID毎に、当該ユーザの指の指紋画像を表す指紋画像データを、当該ユーザの指の種類を表す情報として、当該ユーザの複数の指の各々について記憶している。
また、指紋画像データ−機能対応テーブル134は、各指紋画像データに対応して、実行されるべき機能の種類を表すデータを記憶している。
例えば、指紋画像データ−機能対応テーブル134は、図19に示されるように、ユーザID「aaa」のユーザに対応して、指紋画像データ100A〜100Dを記憶している。指紋画像データ100Aは、例えば、ユーザの親指の指紋を表す画像データである。この指紋画像データ100Aに対応する機能を表すデータとして、コピーを表すデータ134Aが記憶されている。
また、指紋画像データ100Bは、例えば、ユーザの人差し指の指紋を表す画像データである。この指紋画像データ100Bに対応する機能を表すデータとして、プリントを表すデータ134Bが記憶されている。
さらに、指紋画像データ100Cは、例えば、ユーザの中指の指紋を表す画像データである。この指紋画像データ100Cに対応する機能を表すデータとして、スキャンを表すデータ134Cが記憶されている。
さらに、指紋画像データ100Dは、例えば、ユーザの薬指の指紋を表す画像データである。この指紋画像データ100Dに対応する機能を表すデータとして、FAXを表すデータ134Dが記憶されている。
ユーザは、指紋画像データ−機能対応テーブル134において、指紋画像データ及び機能を表すデータを、新規に登録させることができる。
例えば、ユーザは、自身のユーザIDを操作部18の操作により入力する。次に、ユーザは、指紋読取部14により自身の指紋を読み取らせ、これにより生成される指紋画像データに対応する機能(例えばコピー)を表すデータを、操作部18の操作により入力する。
すると、ユーザ自身の指紋画像を表す指紋画像データと、当該指紋画像データに対応する機能を表すデータが得られるので、コントローラ10は、得られた指紋画像データ及び機能を表すデータの組み合わせを、入力されたユーザIDに対応させて指紋画像データ−機能対応テーブル134に記憶させる。
また、ユーザは、このような指紋画像データ−機能対応テーブル134に既に記憶されている、指紋画像データ及び機能を表すデータのいずれかを適宜変更することができる。
例えば、ユーザは、自身のユーザIDを操作部18の操作により入力する。すると、コントローラ10は、入力されたユーザIDに対応して登録されている指紋画像データ及び機能を表すデータの組み合わせを全て読み出して、表示部5に表示する。
次に、ユーザは、操作部18の操作により、表示部5に表示されている指紋画像データ及び機能を表すデータの組み合わせのうち所望の組み合わせを選択し、選択された組み合わせにおいて、指紋画像データ及び機能を表すデータのいずれかを書き換える操作を行う。
すると、コントローラ10は、選択された組み合わせをなす指紋画像データ及び機能を表すデータにおいて、指紋画像データ及び機能を表すデータのいずれかを、ユーザが書き換えたデータに変更する。
図20は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の基本動作の他の例を示したフローチャートである。
画像形成装置1では、コントローラ10は、指紋読取部14により得られた指紋ブロックを表す画像を順次合成することにより、指紋全体を表す2次元の画像(以下、指紋画像データという)を生成する(ステップS10)。
次に、コントローラ10は、指紋照合部16により、指紋読取部14により取得された指紋画像データが、予めRAM13に記憶されているデータと一致するか否かを照合する(ステップS11)。
コントローラ10は、指紋読取部14により取得された指紋画像データが、予め設定されたデータと一致するときには(ステップS12のYES)、ステップS13の処理を行う。
一方で、コントローラ10は、指紋読取部14により取得された指紋画像データが、予め設定されたデータと一致しないときには(ステップS12のNO)、所定のエラー処理を行う。
ステップS13の処理では、コントローラ10は、ステップS1で取得された指紋画像データに対応する機能を表すデータを、指紋画像データ−機能対応テーブル134から得る。そして、コントローラ10は、ステップS13で得られたデータで表される機能を実行する(ステップS14)。
以上のように、ユーザは、指紋読取部14に自身の指紋を読み取らせる指の違いに応じて、異なる機能の実行を開始させることができる。これにより、ユーザの操作性を高めつつ、セキュリティ性を高めることができる。
1 画像形成装置
5 表示部
10 コントローラ
13 RAM
14 指紋読取部
15 指移動方向判断部
16 指紋照合部
18 操作部
19 機能判断部
100A〜100C 指紋画像データ
131、133 移動方向判断用テーブル
132 機能判断用テーブル
134 指紋画像データ−機能対応テーブル
140、141、142 ラインセンサ
140B 読取面
A〜D 指紋ブロック
I ユーザインタフェース部
α−β 基準方向
5 表示部
10 コントローラ
13 RAM
14 指紋読取部
15 指移動方向判断部
16 指紋照合部
18 操作部
19 機能判断部
100A〜100C 指紋画像データ
131、133 移動方向判断用テーブル
132 機能判断用テーブル
134 指紋画像データ−機能対応テーブル
140、141、142 ラインセンサ
140B 読取面
A〜D 指紋ブロック
I ユーザインタフェース部
α−β 基準方向
Claims (10)
- ユーザの指紋に関する情報を取得する指紋読取部と、
前記指紋読取部によって取得された指紋に関する情報に基づいて、前記ユーザの指紋が正当であるか否かを判断する指紋照合部と、
予め設定された複数の、指紋に関する情報とそれぞれ対応付けて複数種類の機能を記憶する記憶部と、
前記指紋照合部により前記指紋が正当であると判断されたときに、前記記憶部によって、前記指紋読取部により読み取られた前記指紋に関する情報と対応付けて記憶されている機能の実行を開始する制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記指紋に関する情報は、前記指紋読取部の表面上におけるユーザの指紋の移動方向を示す情報を含み、
前記記憶部は、複数の、前記指紋の移動方向とそれぞれ対応付けて前記複数種類の機能を記憶し、
前記制御部は、前記指紋照合部により前記指紋が正当であると判断されたとき、前記指紋読取部で取得された指紋に関する情報が示す指紋の移動方向と対応付けて、前記記憶部により記憶されている機能の実行を開始することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 正当なユーザの指紋を、複数のブロックに区分したものである各指紋ブロックを示すデータを記憶する指紋データ記憶部をさらに備え、
前記指紋読取部は、ユーザがその表面に指を対向させながら移動させた場合に、指紋を1ラインずつ順次読み取って、当該1ライン毎の指紋データを順次出力することにより前記指紋に関する情報を出力するラインセンサを含み、
前記ラインセンサによって出力された1ライン毎の指紋データを順次合成して二次元の画像を生成し、当該生成された画像と前記指紋データ記憶部に記憶されている各指紋ブロックを示すデータとが一致するか否かを判定し、当該各指紋ブロックが前記生成された画像と一致した順番に基づいて、前記ユーザの指紋の移動方向を判断する方向判断部をさらに備え、
前記制御部は、前記指紋照合部により前記指紋が正当であると判断されたとき、前記方向判断部によって判断された移動方向と対応付けて、前記記憶部により記憶されている機能の実行を開始することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記ユーザから見て表示が正しい向きに見える方向として設定された基準方向に沿って表示を行う表示部を備えており、
前記指紋読取部は、前記ラインセンサとして、前記基準方向に対して斜交する方向に配置された第1ラインセンサを備えることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記第1ラインセンサは、
右上から左下に向かって配置されており、
前記指紋データ記憶部には、
前記正当なユーザの指紋を、裏から見て右上、右下、左上、左下の4ブロックに区分した各指紋ブロックが記憶されており、
前記方向判断部は、
前記生成された画像と前記各指紋ブロックを示すデータとが一致した場合、当該一致した前記画像における位置が、前記第1ラインセンサにおける右側に対応する右側位置であるか左側に対応する左側位置であるかを検出し、
前記一致した順番が、右側位置における右下のブロック、右側位置における右上のブロック及び左側位置における左下のブロック、左側位置における左上のブロックの順であった場合、前記移動方向は下方向であると判断し、
前記一致した順番が、左側位置における左上のブロック、左側位置における左下のブロック及び右側位置における右上のブロック、右側位置における右下のブロックの順であった場合、前記移動方向は上方向であると判断し、
前記一致した順番が、右側位置における左上のブロック、右側位置における右上のブロック及び左側位置における左下のブロック、左側位置における右下のブロックの順であった場合、前記移動方向は左方向であると判断し、
前記一致した順番が、左側位置における右下のブロック、左側位置における左下のブロック及び右側位置における右上のブロック、右側位置における左上のブロックの順であった場合、前記移動方向は右方向であると判断すること
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記第1ラインセンサは、
左上から右下に向かって配置されており、
前記指紋データ記憶部には、
前記正当なユーザの指紋を、裏から見て右上、右下、左上、左下の4ブロックに区分した各指紋ブロックが記憶されており、
前記方向判断部は、
前記生成された画像と前記各指紋ブロックを示すデータとが一致した場合、当該一致した前記画像における位置が、前記第1ラインセンサにおける右側に対応する右側位置であるか左側に対応する左側位置であるかを検出し、
前記一致した順番が、左側位置における左下のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、右側位置における右上のブロックの順であった場合、前記移動方向は下方向であると判断し、
前記一致した順番が、右側位置における右上のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、左側位置における左下のブロックの順であった場合、前記移動方向は上方向であると判断し、
前記一致した順番が、右側位置における左下のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、左側位置における右上のブロックの順であった場合、前記移動方向は左方向であると判断し、
前記一致した順番が、左側位置における右上のブロック、左側位置における左上のブロック及び右側位置における右下のブロック、右側位置における左下のブロックの順であった場合、前記移動方向は右方向であると判断すること
を特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記ユーザから見て表示が正しい向きに見える方向として設定された基準方向である縦方向に沿って表示を行う表示部を備えており、
前記指紋読取部は、前記基準方向に対して直交する方向である横方向に配置された第2ラインセンサを備え、
前記指紋データ記憶部には、
前記正当なユーザの指紋を、裏から見て、上、下の2ブロックに区分した各指紋ブロックが記憶されており、
前記方向判断部は、
前記生成された画像と前記各指紋ブロックを示すデータとが一致した場合、当該一致した前記画像における位置が、前記第2ラインセンサにおける右側に対応する右側位置であるか左側に対応する左側位置であるかを検出し、
前記一致した順番が、右側位置及び下側位置における上のブロック、右側位置及び下側位置における下のブロックであった場合、前記移動方向は上方向であると判断し、
前記一致した順番が、右側位置及び下側位置における下のブロック、右側位置及び下側位置における上のブロックであった場合、前記移動方向は下方向であると判断すること
を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記ユーザから見て表示が正しい向きに見える方向として設定された基準方向である縦方向に沿って表示を行う表示部を備えており、
前記指紋読取部は、前記基準方向に沿う方向に配置された第3ラインセンサを備え、
前記指紋データ記憶部には、
前記正当なユーザの指紋を、右、左の2ブロックに区分した各指紋ブロックが記憶されており、
前記方向判断部は、
前記生成された画像と前記各指紋ブロックを示すデータとが一致した場合、当該一致した前記画像における位置が、前記第3ラインセンサにおける上側に対応する上側位置であるか下側に対応する下側位置であるかを検出し、
前記一致した順番が、上側位置における左ブロック、下側位置における右ブロックであった場合、前記移動方向は左方向であると判断し、
前記一致した順番が、上側位置における右ブロック、下側位置における左ブロックであった場合、前記移動方向は右方向であると判断することを
を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記指紋に関する情報は、前記ユーザの指の種類を表す情報を含むこと
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 正当なユーザの、親指、人差し指、中指、薬指、及び小指の指紋のうち、少なくとも二つの指紋の画像を記憶する指紋記憶部をさらに備え、
前記指紋に関する情報は、前記指紋の画像であり、
前記指紋照合部は、
前記指紋読取部によって取得された指紋の画像と、前記指紋記憶部に記憶されている画像とを比較し、一致した場合に前記ユーザの指紋が正当であると判断すると共に当該指紋がどの指の指紋であるかを判定し、
前記記憶部は、
前記少なくとも二つの指紋に対応する指とそれぞれ対応付けて前記複数種類の機能を記憶し、
前記制御部は、
前記指紋照合部により前記指紋が正当であると判断されたとき、前記指紋照合部で判定された指と対応付けて、前記記憶部により記憶されている機能の実行を開始することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
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- 2010-02-22 JP JP2010036179A patent/JP2011172159A/ja active Pending
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