JP2011171446A - Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の研磨液と比較して酸化ケイ素膜に対する研磨速度を向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を向上させることが可能なCMP用研磨液、及び、これを用いた研磨方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るCMP用研磨液は、砥粒と、第1の添加剤と、水とを含有し、第1の添加剤として所定の条件を満たす化合物を含有し、表面張力が25℃で68dyn/cm未満である。本発明に係る研磨方法は、表面に酸化ケイ素膜を有する基板を研磨する方法であって、上記CMP用研磨液を酸化ケイ素膜と研磨パッドとの間に供給しながら、研磨パッドによって酸化ケイ素膜の研磨を行う工程を備える。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウエハ材料のケミカルメカニカルポリッシンング(CMP)に使用する研磨液に関する。特に、半導体ウエハの表面に設けられた酸化ケイ素膜を研磨するための研磨液に関する。
半導体製造の分野では、超LSIデバイスの高性能化に伴い、従来技術の延長線上の微細化技術では高集積化及び高速化を両立することは限界になってきている。そこで、半導体素子の微細化を進めつつ、垂直方向にも高集積化する技術、すなわち配線を多層化する技術が開発されている。
配線が多層化されたデバイスを製造するプロセスにおいて、最も重要な技術の一つにCMP技術がある。CMP技術は、化学気相蒸着(CVD)などによって基板上に薄膜を形成した後、その表面を平坦化する技術である。例えば、リソグラフィの焦点深度を確保するには、CMPによる処理が不可欠である。基板表面に凹凸があると、露光工程における焦点合わせが不可能となることや、微細な配線構造を十分に形成できなくなるなどの不都合が生じる。CMP技術は、デバイスの製造過程において、プラズマ酸化膜(例えばBPSG、HDP−SiO、p−TEOS)の研磨によって素子分離領域を形成する工程、層間絶縁膜を形成する工程、あるいは、酸化ケイ素を含む膜を金属配線に埋め込んだ後にプラグ(例えば、Al・Cuプラグ)を平坦化する工程などにも適用される。
CMPは、通常、研磨パッド上に研磨液を供給することができる装置を用いて行われる。基板表面と研磨パッドとの間に研磨液(以下、本明細書で研磨液とはCMP用研磨液のことを指す)を供給しながら、基板を研磨パッドに押し付けることによって、基板表面が研磨される。CMP技術においては、高性能の研磨液が要素技術の一つであり、これまでにも種々の研磨液の開発がなされている(例えば、下記特許文献1を参照)。
CMPの研磨工程では、表面に微細な凹凸が存在する研磨パッドを使用することができる。このような研磨パッドでは、凹部に研磨液が入り込み、研磨パッドの全面に研磨液が拡がることにより、基板(ウエハ)全体を研磨する効果がある。
特開2008−288537号公報
ところで、基板上に素子分離領域を形成する工程においては、予め基板表面に溝を設け、この溝を埋めるように絶縁膜(例えば、酸化ケイ素膜)がCVDなどによって形成される。溝などの素子分離構造が表面に設けられた基板上に絶縁膜を形成する場合、絶縁膜の表面にも素子分離構造の凹凸に応じた凹凸が生じる。その後、絶縁膜の表面をCMPによって平坦化することによって素子分離領域が形成される。凹凸を有する表面は、凸部が優先的に除去される一方、凹部がゆっくりと除去されることによって平坦化がなされる。
半導体生産のスループットを向上するためには、基板上に形成した絶縁膜の不要な部分を可能な限り速く除去することが好ましい。例えば、素子分離領域の狭幅化に対応すべく、シャロー・トレンチ分離(STI)を採用した場合、絶縁膜として基板上に設けた酸化ケイ素膜の不要な部分を高い研磨速度で取り除くことが要求される。
しかし、酸化ケイ素膜に対する研磨速度が速い研磨液は、一般に研磨終了後の被研磨面の平坦性に劣る傾向がある。このため、絶縁膜の研磨処理を二段階に分け、種類の異なる研磨液をそれぞれの工程で使用することによって、生産効率の向上を図る場合がある。例えば、第1の工程(荒削り工程)では、酸化ケイ素膜に対する研磨速度が高いCMP用研磨液を使用して酸化ケイ素膜の大部分を除去する。第2の工程(仕上げ工程)では、酸化ケイ素膜をゆっくりと除去し、被研磨面が十分に平坦となるように仕上げる。
第1の工程においては、上記の通り、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度が要求される。しかし、基板表面の状態によっては、同一の研磨液を使用した場合であっても十分に高い研磨速度を達成できない場合がある。例えば、平坦な基板と、その表面に設けられた平坦な酸化ケイ素膜とを備えるウエハ(酸化ケイ素膜のブランケットウエハ)を研磨する場合は酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度を達成できるのに対し、表面に凹凸を有するウエハを研磨する場合には、期待した研磨速度を達成できないことがある。なお、酸化ケイ素膜がCMPによって研磨されるメカニズムについては未解明の部分が多く、このような現象の原因も明らかではない。
また、基板表面に形成される凹凸は様々な態様がある。例えば、配線幅に起因する凹凸の幅、凹凸の高さ又は配線の方向が各工程やデバイスの用途によって相違する。従来の研磨液は、ある基板は良好に研磨できたとしても、別のタイプの基板で必ずしも同様に研磨できるとは限らないのが現状である。特に、上記のように、酸化ケイ素膜に対するCMPを二段階以上に分ける場合、第1の工程では平坦性よりも研磨速度が優先されるため、研磨速度の低下は生産性の低下を招来する。
そのため、本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の条件を満たす有機化合物を添加剤として使用することにより高研磨速度を達成することができることを見出した。また、本発明者らは、これらの研磨液は高研磨速度を達成可能であるものの、被研磨面の面内均一性の点で従来の研磨液よりも劣ることを見出した。
本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、従来の研磨液と比較して酸化ケイ素膜に対する研磨速度を向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を向上させることが可能な研磨液、及び、これを用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、研磨液の諸特性について鋭意検討を重ねた結果、研磨液の表面張力を低くすることにより、高研磨速度を達成しつつ面内均一性に優れた研磨液とすることができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、砥粒と、第1の添加剤と、水とを含有し、第1の添加剤として下記条件i−vのすべてを満たす化合物を含有し、表面張力が25℃で68dyn/cm未満である、CMP用研磨液を提供する。
i)少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む環状構造を、分子内に少なくとも1つ有し、炭素−炭素二重結合は共鳴構造を形成する炭素同士の結合をも含むものである;
ii)分子内に1つ以上4つ以下の−OH構造を有し、−OH構造は、−COOH基が有する−OH構造をも含むものである;
iii)分子内の−COOH基は1つ以下である;
iv)分子内に下記の第1の構造又は第2の構造の少なくとも一方を有する;
第1の構造:炭素原子Cと、当該炭素原子Cに隣接する炭素原子Cとを有し、炭素原子Cには−OH基が結合し、炭素原子Cには−OX基、=O基、−NX基、−NX(C)基及び−CH=N−OH基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基が結合しており、Xは水素原子又は炭素原子であり、Cは窒素原子に結合した炭素原子であり、炭素原子C、C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意であり、Xが炭素原子の場合、Xにおいて不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である;
第2の構造:炭素原子Cと、当該炭素原子Cに隣接する炭素原子Cとを有し、炭素原子Cには−CH=N−OH基が結合し、炭素原子Cには−CH=N−OH基が結合しており、炭素原子C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である;
v)条件ivにおける炭素原子C又は炭素原子Cの少なくとも一方は、条件iにおける環状構造の一部をなすものであるか、あるいは、条件iにおける環状構造に結合したものである。
本発明に係るCMP用研磨液では、従来の研磨液と比較して酸化ケイ素膜に対する研磨速度を向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を向上させることができる。また、本発明に係るCMP用研磨液では、被研磨面の凹凸形状に大きく依存することなく、高い研磨速度を達成することができる。
このように従来の研磨液と比較して酸化ケイ素膜に対する研磨速度を向上させつつ、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を向上させることができる原因は詳細には不明であるが、本発明者らは以下のように推測している。すなわち、本発明に係るCMP用研磨液は、条件i〜vを満たす化合物を含有することから、酸化ケイ素膜に対する十分に高い研磨速度を達成しつつ研磨液の表面張力の低下を引き起こす。このように表面張力が低下することにより、ロータス効果によって研磨パッドの微細な凹部にも研磨液が入り込むことができる。これにより、研磨パッドの凹部を介する研磨液の液まわりが良好となることから、研磨パッド全面に研磨液が供給され、表面に酸化ケイ素膜を有する基板を均一に研磨できると推測される。但し、CMP研磨のメカニズムは未解明な部分が多く、他の原因により、本発明の効果が発揮されることも十分に考えられる。
なお、研磨液の使用量を減らした場合、所望の高研磨速度を達成できなくなる傾向がある。また、微細な凹部は、微細であるほど表面積が大きくなり、この微細な凹部に研磨液が入ることで研磨液の液まわりが格段に向上する。
また、条件ivにおける第1の構造は、下記式a)〜m)で表される構造から選ばれることが好ましい。この場合、酸化ケイ素膜に対する研磨速度を更に向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を更に向上させることができる。
Figure 2011171446

式中、一組の実線及び点線で表された結合は、共鳴構造を形成する結合を示し、炭素原子C、C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意であり、Xが炭素原子の場合、Xにおいて不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である。
また、条件ivにおける第2の構造は、下記式n)〜p)で表される構造から選ばれることが好ましい。この場合、酸化ケイ素膜に対する研磨速度を更に向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を更に向上させることができる。
Figure 2011171446

式中、一組の実線及び点線で表された結合は、共鳴構造を形成する結合を示し、炭素原子C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である。
また、本発明に係るCMP用研磨液の表面張力は、67dyn/cm以下であることが好ましい。
また、本発明に係るCMP用研磨液は、第1の添加剤として、ウラシル−6−カルボン酸、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4H−ピラン−4−オン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピラン−4−オン、2−エチル−3−ヒドロキシ−4−ピロン、マンデル酸、サリチルアルドキシム、アスコルビン酸、カテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、1,4−ベンゾキノンジオキシム、2−ピリジンメタノール、4−イソプロピルトロポロン、2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン、5−アミノ−ウラシル−6−カルボン酸及びベンジル酸からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。この場合、酸化ケイ素膜に対する研磨速度を更に向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を更に向上させることができる。
本発明に係るCMP用研磨液は、当該CMP用研磨液の表面張力を下げる第2の添加剤を更に含有することが好ましい。本発明に係るCMP用研磨液は、第2の添加剤として、飽和モノカルボン酸、ノニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有することがより好ましく、飽和モノカルボン酸を含有することが更に好ましい。これらの場合、酸化ケイ素膜に対する研磨速度を更に向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を更に向上させることができる。
本発明に係るCMP用研磨液は、第2の添加剤として炭素数が2〜6の飽和モノカルボン酸を含有することが好ましい。本発明に係るCMP用研磨液は、飽和モノカルボン酸として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヒドロアンゲリカ酸、カプロン酸、2−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸及び3,3−ジメチルブタン酸からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有することがより好ましい。この場合、酸化ケイ素膜に対する研磨速度を更に向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を更に向上させることができる。
本発明に係るCMP用研磨液のpHは8.0未満であることが好ましく、7.0未満であることがより好ましい。本発明に係るCMP用研磨液のpHが8.0未満であることにより、研磨液と酸化ケイ素膜との濡れ性が向上するなどの効果が奏される。また、研磨液の安定性が向上する観点からも、pHは8.0未満であることが好ましい。本発明に係るCMP用研磨液は、pH調整剤を更に含有してもよい。
本発明に係るCMP用研磨液では、第1の添加剤の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。この場合、研磨速度が更に効率的に向上し、表面張力を容易に低くすることができる。
本発明に係るCMP用研磨液では、砥粒の含有量がCMP用研磨液100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましい。
砥粒の平均粒径は50〜500nmであることが好ましい。砥粒は、セリウム系化合物を含むことが好ましい。砥粒は、セリウム系化合物として酸化セリウムを含むことがより好ましい。また、砥粒は、結晶粒界を持つ多結晶酸化セリウムを含むことが好ましい。砥粒に関するこれらの構成のうち、少なくとも1つの構成を採用することにより、酸化ケイ素膜に対する研磨速度が更に向上する。
本発明は、上記CMP用研磨液を使用した研磨方法を提供する。すなわち、本発明に係る研磨方法は、表面に酸化ケイ素膜を有する基板を研磨する方法であって、上記CMP用研磨液を酸化ケイ素膜と研磨パッドとの間に供給しながら、研磨パッドによって酸化ケイ素膜の研磨を行う工程を備える。
本発明に係る研磨方法では、従来の研磨液と比較して酸化ケイ素膜に対する研磨速度を向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を向上させることができる。また、このような効果を研磨対象の基板の表面形状に大きく依存することなく達成することができる。したがって、本発明に係る研磨方法は、従来の研磨液を用いた方法では高い研磨速度を達成することが困難であった基板に対しても適用できる。本発明に係るCMP用研磨液は、例えば酸化ケイ素膜の荒削りやメモリセルを有する半導体基板の研磨に好適である。
本発明によれば、従来の研磨液と比較して酸化ケイ素膜に対する研磨速度を向上させることができると共に、表面に酸化ケイ素膜を有する基板の面内均一性を向上させることが可能なCMP用研磨液、及び、これを用いた研磨方法を提供することができる。また、本発明によれば、このような効果を研磨対象の基板の表面形状に大きく依存することなく達成することができる汎用性の高いCMP用研磨液、及び、これを用いた研磨方法を提供することができる。
酸化ケイ素膜が研磨されて半導体基板にシャロー・トレンチ分離構造が形成される過程を示す模式断面図である。 CMP研磨工程に用いられる研磨装置の概略斜視図である。 表面張力と面内均一性の相関性を示すグラフである。
<研磨液>
本実施形態に係るCMP用研磨液(以下、単に「研磨液」という)は、添加剤と、砥粒(研磨粒子)と、水とを含有し、添加剤として特定の条件を満たす化合物を使用することを特徴とする。以下、研磨液の各成分について説明する。
(添加剤)
本実施形態に係る研磨液は、第1の添加剤として下記条件i−vのすべてを満たす化合物を少なくとも含有し、その他の添加剤を任意に含有する。本実施形態に係る研磨液によれば、条件i〜vのすべてを満たす化合物を添加剤として使用することにより、従来の研磨液と比較して基板表面の状態に依存することなく、酸化ケイ素膜に対する十分に高い研磨速度を達成できる。
条件iは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む環状構造を、分子内に少なくとも1つ有するというものである。ここでいう「炭素−炭素二重結合」は、通常の二重結合だけではなく、共鳴構造を形成する炭素同士の結合をも包含する。すなわち、分子内の電子が非局在化した共鳴構造を有し、化学式で表す際にC=C構造として表現される化合物も条件iを満たす化合物である。炭素−炭素二重結合を含む環状構造の具体例としては、ベンゼン環やピリジン環を有する化合物が挙げられる。環の種類は特に制限はなく、単環、縮合環、架橋化合物であってもよい。また、環状構造は、炭素環でも、複素環でもよい。以下、上記炭素−炭素二重結合を単にC=Cと表記する場合がある。
条件iiは、分子内に1つ以上4つ以下の−OH構造を有するというものである。ここでいう「−OH構造」は、−OH基(ヒドロキシル基)だけではなく、−OH基以外の置換基に含まれる−OH構造をも包含し、例えば、−COOH基(カルボキシル基)に含まれる−OH構造も包含する。−OH構造が1つ以上4つ以下という条件を満たす限り、当該構造が分子内のどこに存在していてもよい。
条件iiiは、分子内の−COOH基(カルボキシル基)が1つ以下であるというものである。すなわち、分子内にカルボキシル基が存在しないか、あるいは、カルボキシル基を1つ有する化合物が当該条件を満たす。
条件ivは、隣接する二つの炭素原子が特定の置換基を有するというものである。すなわち、一方の炭素原子には置換基として−OH基又は−CH=N−OH基が結合している。当該一方の炭素原子にOH基が結合している場合、他方の炭素原子には−OX基、=O基、−NX基、−NX(C)基又は−CH=N−OH基が結合している。他方、当該一方の炭素原子に−CH=N−OH基が結合している場合、他方の炭素原子には−OH基又は−CH=N−OH基が結合している。
上記条件ivは、換言すれば、分子内に下記の第1の構造又は第2の構造の少なくとも一方の骨格を有するというものである。
第1の構造:炭素原子Cと、炭素原子Cに隣接する炭素原子Cとを有し、炭素原子Cには−OH基が結合し、炭素原子Cには−OX基、=O基、−NX基、−NX(C)基及び−CH=N−OH基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基が結合した構造(Xは水素原子又は炭素原子であり、Cは窒素原子に結合した炭素原子である。炭素原子C、C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意であり、Xが炭素原子の場合、Xにおいて不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である。また、−NX基中のNの結合様式及び結合原子は任意である。)
第2の構造:炭素原子Cと、炭素原子Cに隣接する炭素原子Cとを有し、炭素原子Cには−CH=N−OH基が結合し、炭素原子Cには−CH=N−OH基が結合した構造(炭素原子C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である)。
上記第1の構造及び第2の構造における任意の結合様式として、単結合や二重結合が挙げられる。任意の結合原子としては、例えば、水素原子、酸素原子、窒素原子等が挙げられる。第1の構造及び第2の構造において、炭素原子Cと炭素原子Cとの結合は、単結合、二重結合、三重結合のいずれでもよく、共鳴構造を形成する結合であってもよい。更に、上記第1の構造及び第2の構造は、分子中に複数含まれていても良い。
上記第1の構造は、具体的には、下記式a)〜m)で表される構造から選ばれることが好ましい。
Figure 2011171446

式中、一組の実線及び点線で表された結合は、共鳴構造を形成する結合を示す。炭素原子C、C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意であり、Xが炭素原子の場合、Xにおいて不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である。
上記第2の構造は、具体的には、下記式n)〜p)で表される構造から選ばれることが好ましい。
Figure 2011171446

式中、一組の実線及び点線で表された結合は、共鳴構造を形成する結合を示す。炭素原子C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である。
条件vは、上記条件ivにおける炭素原子C又は炭素原子Cの少なくとも一方は、条件iにおける環状構造の一部をなすものであるか、あるいは、条件iにおける環状構造に結合しているというものである。この条件は、特定の置換基が結合した炭素原子C及び炭素原子Cと、少なくとも1つのC=C結合を有する環状構造とが所定の位置関係にあることを意味する。例えば、複数の環を含む複雑な化合物が、上記条件ivを満たす炭素原子C,Cを有するが、条件iに係る環状構造との位置関係が条件vを満たしていない場合、当該化合物を添加剤として使用しても十分に高い研磨速度を達成できない。
条件i−vのすべてを満たす化合物としては、例えば、ウラシル−6−カルボン酸、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4H−ピラン−4−オン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピラン−4−オン、2−エチル−3−ヒドロキシ−4−ピロン、マンデル酸、サリチルアルドキシム、アスコルビン酸、カテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、1,4−ベンゾキノンジオキシム、2−ピリジンメタノール、4−イソプロピルトロポロン、2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン、5−アミノ−ウラシル−6−カルボン酸及びベンジル酸が好ましい。これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
条件i−vのすべてを満たす化合物は、水溶性であることが好ましい。水への溶解度が高い化合物を使用することで、所望の量の上記化合物を研磨液中に溶解させることができ、本発明の効果をより一層高水準に達成し得る。上記化合物の溶解度は、常温(25℃)の水100gに対して0.001g以上であることが好ましく、0.005g以上であることがより好ましく、0.01g以上であることが更に好ましく、0.05g以上であることが特に好ましい。なお、溶解度の上限は特に制限はない。
上記化合物の中でも、水溶性に優れるとの観点から、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4H−ピラン−4−オン、アスコルビン酸、サリチルアルドキシム、カテコール、2−ピリジンメタノール、2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オンが好ましい。なお、水100gに対する溶解度が0.001g未満の化合物であっても、水とともに有機溶媒を併用する等の方法により可溶化することができる。有機溶媒は、添加剤として使用する化合物の種類に応じて適宜選択すればよい。
条件i−vのすべてを満たす化合物は、研磨液中において砥粒の分散性を良好に維持できるものが好ましい。砥粒の分散安定性が良好であると、長期間にわたって高い研磨速度を安定的に維持できる。かかる観点からすると、上記化合物のうち、ウラシル−6−カルボン酸、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4H−ピラン−4−オン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピラン−4−オン、サリチルアルドキシム、1,4−ベンゾキノンジオキシム、2−ピリジンメタノール、4−イソプロピルトロポロン、2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン、及び5−アミノ−ウラシル−6−カルボン酸が好ましい。
なお、「砥粒の分散安定性が良好である」とは、砥粒の含有量の調整等を行って研磨液をそのまま使用できる状態にした後、研磨液中において砥粒が分散している時間が長いことを意味する。この時間は、1時間以上が好ましく、3時間以上がより好ましく、10時間以上が更に好ましく、24時間以上が特に好ましい。ただし、時間の経過により砥粒が沈降したとしても、砥粒の再分散処理を行うことで当該研磨液を使用してCMPを実施できる。
上記分散性の評価としては、超音波分散機を用いて上記研磨液の分散処理を1分間行い、砥粒の平均粒径の測定を行う。その後、所定の時間研磨液を室温で放置し、再度砥粒の平均粒径の測定を行う。放置前後の粒径の変化量が±5%以下である場合、分散安定性が良好であると判断することができる。なお、砥粒の平均粒径の測定方法については後述する。
本実施形態に係る研磨液は、上記第1の添加剤に加えて、研磨液の表面張力を下げる第2の添加剤を含有することが好ましい。研磨液の表面張力を下げる第2の添加剤としては、飽和モノカルボン酸、ノニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、飽和モノカルボン酸がより好ましい。
飽和モノカルボン酸としては、炭素数2〜6の飽和モノカルボン酸が好ましく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヒドロアンゲリカ酸、カプロン酸、2−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、3,3−ジメチルブタン酸等がより好ましい。なお、これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
飽和モノカルボン酸としては、研磨速度が高いとの観点から、炭素数3以上の飽和モノカルボンがより好ましい。また、水溶性が良好でスラリに使用しやすく、安価で入手しやすいという点から、炭素数2又は3の飽和モノカルボン酸が好ましく、具体的には酢酸、プロピオン酸が好ましい。
本実施形態に係る研磨液は、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の界面活性剤を含有することにより、効果的に表面張力を低下させると共に、砥粒の分散安定性及び/又は被研磨面の平坦性を向上させることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル誘導体、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、アセチレン系ジオールのオキシエチレン付加体等のエーテル型界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアミノエーテル型界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等のエーテルエステル型界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド等のアルカノールアミド型界面活性剤、アセチレン系ジオールのオキシエチレン付加体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
本実施形態に係る研磨液は、飽和モノカルボン酸、ノニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤とは別に、研磨液の表面張力を下げる第2の添加剤として、水溶液中で解離する塩を含有してもよい。水溶液中で解離する塩を研磨液に添加することにより、研磨液中でイオンが発生するため、研磨液の表面張力を下げることができる。
水溶液中で解離する塩としては、陽イオンと陰イオンとを有する塩が挙げられる。水溶液中で解離する塩としては、塩化カリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、フッ化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、塩化銀等が好ましい。
陽イオンとしては、例えば、水素イオンH、リチウムイオンLi、カリウムイオンK、銀イオンAg、オキソニウムイオンH、アンモニウムイオンNH 、ジアンミン銀イオン[Ag(NH、ビオレオ[CoCl(NH、マグネシウムイオンMg2+、カルシウムイオンCa2+、ストロンチウムイオンSr2+、バリウムイオンBa2+、ニッケル(II)イオンNi2+、亜鉛イオンZn2+、鉄(II)イオンFe2+、コバルト(II)イオンCo2+、スズ(II)イオンSn2+、マンガン(II)イオンMn2+、テトラアンミン亜鉛(II)イオン[Zn(NH2+、ヘキサアンミンニッケル(II)イオン[Ni(NH2+、プルプレオ[CoCl(NH2+、アルミニウムイオンAl3+、鉄(III)イオンFe3+、クロム(III)イオンCr3+、ヘキサアンミンコバルト(III)イオン[Co(NH3+、ヘキサアクアコバルト(III)イオン[Co(HO)3+、ヘキサアンミンクロム(III)イオン[Cr(NH3+、ローゼオ[Co(NH(HO)3+、スズ(IV)イオンSn4+、パラジウム(II)イオンPd2+、白金(II)イオンPt2+及びテトラメチルアンモニウムイオン(CHからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。上記陽イオンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記陽イオンの中でも、水素イオン、カリウムイオン、リチウムイオン、銀イオン、アンモニウムイオン及びこれらの混合物が好ましい。
水溶液中で解離する塩の陰イオンとしては、例えば、水素化物イオンH、フッ化物イオンF、塩化物イオンCl、ヨウ化物イオンI、水酸化物イオンOH、硝酸イオンNO 、亜硝酸イオンNO 、次亜塩素酸イオンClO、亜塩素酸イオンClO 、塩素酸イオンClO 、過塩素酸イオンClO 、過マンガン酸イオンMnO 、リン酸二水素イオンHPO 、硫酸水素イオンHSO 、硫化水素イオンHS、テトラヒドロキソアルミン酸イオン[Al(OH)、[Al(OH)(HO)、テトラヒドロキソクロム(III)酸イオン[Cr(OH)、テトラクロロ金(III)酸イオン[AuCl?、酸化物イオンO2−、硫化物イオンS2−、過酸化物イオンO 2−、硫酸イオンSO 2−、亜硫酸イオンSO 2−、チオ硫酸イオンS 2−、炭酸イオンCO 2−、炭酸水素イオンHCO ?、クロム酸イオンCrO 2−、二クロム酸イオンCr 2−、リン酸一水素イオンHPO 2−、テトラヒドロキソ亜鉛(II)酸イオン[Zn(OH)2−、リン酸イオンPO 3−、及び、ビス(チオスルファト)銀(I)酸イオン[Ag(S3−からなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。上記陰イオンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記陰イオンの中でも、フッ化物イオン、水酸化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸二水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン及びこれらの混合物が好ましい。
(砥粒)
砥粒としては、例えば、セリウム系化合物、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ムライト、窒化ケイ素、α−サイアロン、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素等を含む粒子を挙げることができる。これらの粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、上記添加剤の添加効果を良好に発揮でき、酸化ケイ素膜に対して更に高い研磨速度が得られる点で、セリウム系化合物を含む粒子を使用することが好ましい。
セリウム系化合物を含む粒子を砥粒として用いた研磨液は、被研磨面に生じる研磨傷が比較的少ないという特長を有する。一方、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度を達成しやすい点から、従来、砥粒としてシリカ粒子を含む研磨液が広く用いられていた。しかし、シリカ粒子を用いた研磨液は、一般に被研磨面に研磨傷が生じやすいという課題がある。配線幅が45nm世代以降の微細パターンを有するデバイスにおいては、従来問題にならなかったような微細な傷であっても、デバイスの信頼性に影響するおそれがある。
なお、セリウム系化合物を含む粒子を使用した研磨液は、従来、シリカ粒子を使用したものと比較し、酸化ケイ素膜の研磨速度がやや低い傾向があった。しかし、本実施形態においては、上述の添加剤とセリウム系化合物を含む粒子とを併用することで、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度が達成される。このことは、セリウム系化合物と上記添加剤との組み合わせが、特に研磨に有効であることを示唆している。
セリウム系化合物としては、例えば、酸化セリウム、水酸化セリウム、硝酸アンモニウムセリウム、酢酸セリウム、硫酸セリウム水和物、塩化セリウム、シュウ酸セリウム、硝酸セリウム及び炭酸セリウム等が挙げられる。これらの中でも酸化セリウム粒子を砥粒として用いることが好ましい。酸化セリウム粒子を使用することで、更に高い研磨速度を達成できるとともに、傷が少なく平坦性に優れた被研磨面が得られる。
砥粒として使用する酸化セリウムは、結晶粒界に囲まれた複数の結晶子を持つ多結晶酸化セリウムを含むことが好ましい。かかる構成の多結晶酸化セリウム粒子は、単結晶粒子が凝集した単なる凝集体とは異なっており、研磨中の応力により細かくなると同時に、活性面(細かくなる前は外部にさらされていない面)が次々と現れるため、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度を高度に維持できると考えられる。このような多結晶酸化セリウム粒子については、国際公開公報WO99/31195号に詳しく説明されている。
酸化セリウム粒子の製造方法としては、特に制限はないが、例えば、液相合成、焼成又は過酸化水素等による酸化する方法等が挙げられる。上記結晶粒界を持つ多結晶酸化セリウムを得る場合には、炭酸セリウム等のセリウム源を焼成する方法が好ましい。上記焼成時の温度は、350〜900℃が好ましい。製造された酸化セリウム粒子が凝集している場合は、機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法としては特に制限はないが、例えば、ジェットミル等による乾式粉砕や遊星ビーズミル等による湿式粉砕方法が好ましい。ジェットミルは、例えば、「化学工学論文集」、第6巻第5号、(1980)、527〜532頁に説明されているものを使用することができる。
砥粒の平均粒径は、50nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましく、80nm以上が更に好ましい。砥粒の平均粒径が50nm以上であると、50nm未満の場合と比較して酸化ケイ素膜に対する研磨速度を更に高くできる。他方、砥粒の平均粒径は、500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、280nm以下が更に好ましく、250nm以下が特に好ましく、200nm以下がより一層好ましい。平均粒径が500nm以下であると、500nmを越える場合と比較して研磨傷を抑制できる。上記砥粒の平均粒径を制御するためには、従来公知の方法を使用することができ、上記酸化セリウム粒子を例にすると、上記焼成温度、焼成時間、粉砕条件等の制御、濾過、分級等の適用などが挙げられる。
ここでいう砥粒の平均粒径は、砥粒が分散したスラリサンプルを、動的光散乱式粒度分布計で測定した体積分布の中央値を意味し、堀場製作所製のLB−500(商品名)等を用いて測定される値である。例えば、スラリサンプルにおける砥粒の含有量がスラリサンプル100質量部に対して0.5質量部になるように調整し、これをLB−500にセットして体積分布の中央値の測定を行う。なお、LB−500によってメジアン径(累積中央値)を測定することによって、砥粒の凝集の程度を評価することもできる。なお、研磨液中の砥粒の粒径を測定する場合は、上記研磨液を濃縮又は水で希釈することによって、スラリサンプルにおける砥粒の含有量がスラリサンプル100質量部に対して0.5質量部になるように調整してから、同様の方法で測定することができる。
(水)
研磨液の調製に用いる水は、特に制限されるものではないが、脱イオン水、イオン交換水又は超純水が好ましい。なお、更に必要に応じて、エタノール、酢酸、アセトン等の極性溶媒等を水と併用してもよい。
(他の成分)
本実施形態に係る研磨液は、上記各成分以外に、所望とする特性に合わせてその他の成分を更に含有していてもよい。このような成分としては、後述するようなpH調整剤や、pHの変動を抑えるためのpH緩衝剤、アミノカルボン酸、環状モノカルボン酸等が挙げられる。これらの成分の添加量は、研磨剤による上記効果を過度に低下させない範囲とすることが望ましい。
<研磨液の調製法及び使用法>
上述した各成分を組み合わせて含有する研磨液は、(A)通常タイプ、(B)濃縮タイプ及び(C)2液タイプに分類でき、タイプによってそれぞれ調製法及び使用法が相違する。(A)通常タイプは、研磨時に希釈等の前処理をせずにそのまま使用できる研磨液である。(B)濃縮タイプは、保管や輸送の利便性を考慮し、(A)通常タイプと比較して含有成分を濃縮した研磨液である。(C)2液タイプは、保管時や輸送時には、一定の成分を含む液Aと他の成分を含む液Bとに分けた状態としておき、使用に際してこれらの液を混合して使用する研磨液である。
(A)通常タイプは、上記特定の化合物を含む添加剤、砥粒及び必要に応じてその他の成分を、主な分散媒である水に溶解又は分散させることによって得ることができる。例えば、研磨液100質量部に対する砥粒の含有量0.5質量部、添加剤の含有量0.1質量部の研磨液1000gを調製するには、研磨液全量に対して砥粒5g、添加剤1gとなるように配合量を調整すればよい。
研磨液の調製は、例えば、攪拌機、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を使用して行うことができる。なお、砥粒の平均粒径が所望の範囲となるように、研磨液の調製過程において砥粒を微粒子化する処理を行ってもよい。砥粒の微粒子化処理は、沈降分級法や高圧ホモジナイザを用いた方法によって実施できる。沈降分級法は、砥粒を含むスラリを遠心分離機で強制的に沈降させる工程と、上澄み液のみ取り出す工程とを有する方法である。一方、高圧ホモジナイザを用いた方法は、分散媒中の砥粒同士を高圧で衝突させる方法である。
研磨液における第1の添加剤の含有量は、研磨液100質量部に対して0.01質量部以上が好ましく、0.02質量部以上がより好ましく、0.03質量部以上が更に好ましい。第1の添加剤の含有量が0.01質量部以上であると、0.01質量部未満の場合と比較して安定した研磨速度を達成しやすい。他方、第1の添加剤の含有量は、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、1質量部以下が更に好ましく、0.5質量部以下が特に好ましい。第1の添加剤の含有量が5質量部以下であると、5質量部を超える場合と比較して砥粒の凝集を抑制しやすく、更に高い研磨速度が達成される。
また、研磨液における第2の添加剤の含有量は、研磨液100質量部に対して0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上が更に好ましく、0.2質量部以上が一層好ましい。第2の添加剤の含有量が0.01質量部以上であると、0.01質量部未満の場合と比較して安定した研磨速度及び更に良好な面内均一性を達成しやすい。他方、第2の添加剤の含有量は、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下が更に好ましく、1質量部以下が特に好ましい。第2の添加剤の含有量が5質量部以下であると、5質量部を超える場合と比較して砥粒の凝集を抑制しやすく、更に高い研磨速度及び更に良好な面内均一性が達成される。
砥粒の含有量(粒子濃度)は、研磨液100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.15質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上が更に好ましく、0.25質量部以上が特に好ましい。砥粒の含有量が0.1質量部以上であると、0.1質量部未満の場合と比較して高い研磨速度が達成される。他方、砥粒の含有量は、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下が更に好ましく、2.0質量部以下が特に好ましく、1.0質量部以下がより一層好ましい。添加剤の含有量が10質量部以下であると、10質量部を越える場合と比較して砥粒の凝集を抑制しやすく、高い研磨速度が達成される。
研磨液の表面張力は、25℃で68dyn/cm未満であり、67dyn/cm以下が好ましく、66dyn/cm以下がより好ましい。研磨液の表面張力が68dyn/cm未満であると、面内均一性を向上させることができる。研磨液の表面張力は、25℃で45dyn/cm以上が好ましい。なお、研磨液の表面張力は、例えば砥粒の含有量を研磨液全体に対して0.5質量%に調整し、デュヌイ表面張力計(TOMBO BORL、古河製作所製)を用いて測定することができる。
研磨液のpHは、8.0未満が好ましく、7.0未満がより好ましく、6.5未満が更に好ましく、6.0以下が特に好ましい。研磨液のpHが8.0未満であると、8.0以上である場合と比較して砥粒の凝集などを抑制しやすくなり、上記添加剤を添加した効果が得られやすい。他方、研磨液のpHは、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。研磨液のpHが1.5以上であると、1.5未満の場合と比較して酸化ケイ素膜のゼータ電位の絶対値を大きな値とすることができ、研磨液と酸化ケイ素膜との相互作用を大きくすることができる。
また、研磨液のpHを1.5以上8.0未満の範囲内に調整することによって、上記効果に加えて、次の2つの効果も得られると考えられる。
(1)プロトンやヒドロキシアニオンが、添加剤として配合した化合物に作用して当該化合物の化学形態が変化し、基板表面の酸化ケイ素膜、あるいは、ストッパ膜である窒化ケイ素膜に対する濡れ性や親和性が向上し、これによっても高い研磨速度が得られる。
(2)砥粒が酸化セリウムである場合、上記pH範囲において砥粒と酸化ケイ素膜との接触効率が向上し、高い研磨速度が達成される。これは、酸化セリウムはゼータ電位の符号が正であるのに対し、酸化ケイ素膜はゼータ電位の符号が負であり、両者の間に静電的引力が働くためである。
研磨液のpHは、添加剤として使用する化合物の種類によって変化し得るため、pHを上記の範囲に調整するために、pH調整剤を添加剤に含有させてもよい。pH調整剤としては、特に制限はないが、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、酢酸等の酸、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の塩基等が挙げられる。なお、生産性を向上させる観点から、pH調整剤を使用することなく研磨液を調製し、この研磨液をそのままCMPに適用してもよい。
なお、研磨液のpHは、pHメーター(例えば、電気化学計器株式会社製、型番PHL−40)で測定することができる。pHの測定値としては、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.01(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を採用する。
(B)濃縮タイプは、含有成分が所望の含有量となるように使用直前に水で希釈される。希釈後には、(A)通常タイプと同程度の液状特性(例えばpHや砥粒の粒径等)及び研磨特性(例えば酸化ケイ素膜の研磨速度や窒化ケイ素との選択比)が再現できるまで、任意の時間にわたって攪拌や砥粒の分散処理を行ってもよい。このような(B)濃縮タイプでは、濃縮の度合いに応じて容積が小さくなるため、保管及び輸送にかかるコストを減らすことができる。
濃縮倍率は、1.5倍以上が好ましく、2倍以上がより好ましく、3倍以上が更に好ましく、5倍以上が特に好ましい。濃縮倍率が1.5倍以上であると、1.5倍未満の場合と比較して保管及び輸送に関するメリットが得られやすい傾向にある。他方、濃縮倍率は、40倍以下が好ましく、20倍以下がより好ましく、15倍以下が特に好ましい。濃縮倍率が40倍以下であると、40倍を超える場合と比較して砥粒の凝集を抑制しやすい傾向にある。
(B)濃縮タイプの研磨液を使用する際には、水による希釈の前後でpHが変化する。そこで、(A)通常タイプと同じpHの研磨液を(B)濃縮タイプから調製するには、水との混合によるpH上昇を考慮に入れ、濃縮タイプの研磨液のpHを予め低めに設定しておけばよい。例えば、二酸化炭素が溶解した水(pH:約5.6)を使用し、pH4.0の(B)濃縮タイプの研磨液を10倍に希釈した場合、希釈後の研磨液はpHが4.3程度にまで上昇する。
(B)濃縮タイプのpHは、水による希釈後に適したpHの研磨液を得る観点から、1.5〜7.0が好ましい。pHの下限は2.0がより好ましく、2.5が更に好ましい。また、砥粒の凝集を抑制する観点から、pHの上限は6.7がより好ましく、6.0が更に好ましく、5.5が特に好ましい。
(C)2液タイプは、上記液Aの含有成分と液Bの含有成分とを適切に分けることで、(B)濃縮タイプと比較して砥粒の凝集等を回避できるという利点がある。ここで、液A及び液Bの含有成分のそれぞれは任意である。例えば、砥粒と必要に応じて配合される界面活性剤等とを含むスラリを液Aとし、他方、添加剤と必要に応じて配合される他の成分とを含む溶液を液Bとすることができる。この場合、液Aにおける砥粒の分散性を高めるため、任意の酸又はアルカリを液Aに配合し、pH調整を行ってもよい。
(C)2液タイプの研磨液は、各含有成分が混合された状態では、砥粒の凝集等によって研磨特性が比較的短時間で低下する場合に有用である。なお、保管及び輸送にかかるコスト削減の観点から、液A又は液Bを少なくとも一方を濃縮タイプとしてもよい。この場合、研磨液を使用する際に、液Aと液Bと水とを混合すればよい。液A又は液Bの濃縮倍率、pHは任意であり、最終的な混合物が液状特性及び研磨特性の点で(A)通常タイプの研磨液と同程度にできればよい。
(研磨方法)
本実施形態に係る研磨方法は、各成分の含有量及びpH等が調整された研磨液を使用し、表面に酸化ケイ素膜を有する基板をCMP技術によって平坦化するものである。具体的には、表面に酸化ケイ素膜を有する基板における酸化ケイ素膜と所定の研磨用の部材(研磨部材)との間に、上述した実施形態の研磨液を供給し、その状態で研磨部材によって酸化ケイ素膜を研磨する工程を含む。
本実施形態に係る研磨方法は、以下のようなデバイスの製造過程において表面に酸化ケイ素膜を有する基板を研磨するのに適している。デバイスとしては、例えば、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリ等の記憶素子、マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子等が挙げられる。
本実施形態に係る研磨方法は、表面に段差(凹凸)を有する被研磨面の平坦化に適している。このような被研磨面を有する基板としては、例えば、ロジック用の半導体デバイスが挙げられる。また、この研磨方法は、上から見たときに凹部又は凸部がT字形状又は格子形状になっている部分を含む表面を研磨するのに適している。例えば、メモリセルを有する半導体デバイス(例えば、DRAM、フラッシュメモリ)の表面に設けられた酸化ケイ素膜も高い速度で研磨できる。これらは、従来の研磨液を用いた方法では高い研磨速度を達成することが困難であったものであり、本発明の研磨液が、被研磨面の凹凸形状に大きく依存することなく、高い研磨速度を達成できることを示している。
なお、当該研磨方法を適用できる基板は、基板表面全体に酸化ケイ素膜のみが形成されたものに限らず、基板表面に酸化ケイ素膜の他に窒化ケイ素膜、多結晶シリコン膜等を更に有したものであってもよい。また、当該研磨方法は、所定の配線を有する配線板上に、酸化ケイ素膜、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜が形成された基板に対しても適用できる。
基板表面に酸化ケイ素膜を形成する方法としては、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法による酸化ケイ素膜の形成は、Si源としてモノシラン(SiH)、酸素源として酸素(O)を用いる。このSiH−O系酸化反応を400℃以下の低温で行わせることによって酸化ケイ素膜が形成される。場合によっては、CVD後に1000℃又はそれ以下の温度での熱処理が実施される。
プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガスや、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250〜400℃が好ましく、反応圧力は67〜400Paが好ましい。
高温リフローによる表面平坦化を図るために、酸化ケイ素膜にリン(P)をドープしてもよい。この場合、SiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。このように、研磨対象の酸化ケイ素膜は、リン、ホウ素等の元素がドープされたものであってもよい。
窒化ケイ素膜も酸化ケイ素膜と同様、低圧CVD法、プラズマCVD法等により形成することができる。低圧CVD法では、Si源としてジクロルシラン(SiHCl)、窒素源としてアンモニア(NH)を用いる。このSiHCl−NH系酸化反応を900℃の高温で行わせることによって窒化ケイ素膜が形成される。プラズマCVD法では、Si源としてSiH、窒素源としてNHを用いたSiH−NH系ガスが反応ガスとして挙げられる。この場合、基板温度は300〜400℃が好ましい。
以下、図1を参照しながら、本実施形態に係る研磨方法の一例として、CMPによってシャロー・トレンチ分離(STI)構造を形成するプロセスについて説明する。本実施形態に係る研磨方法は、酸化ケイ素膜3を高い速度で研磨する第1の工程(荒削り工程)と、残りの酸化ケイ素膜3を比較的低い速度で研磨する第2の工程(仕上げ工程)とを有する。
図1は、酸化ケイ素膜が研磨されて半導体基板にシャロー・トレンチ分離構造が形成される過程を示す模式断面図である。図1(a)は、研磨前の基板を示す模式断面図である。図1(b)は、第1の工程後の基板を示す模式断面図である。図1(c)は、第2の工程後の基板を示す模式断面図である。
これらの図に示すように、STI構造を形成する過程では、シリコン基板1上に成膜した酸化ケイ素膜3の段差Dを解消するため、部分的に突出した不要な箇所をCMPによって優先的に除去する。なお、表面が平坦化した時点で適切に研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜3の下には、研磨速度の遅い窒化ケイ素膜2(ストッパ膜)を予め形成しておくことが好ましい。第1及び第2の工程を経ることによって酸化ケイ素膜3の段差Dが解消され、埋め込み部分5を有する素子分離構造が形成される。
本実施形態に係る研磨液は、第1及び第2の工程のいずれにも適用できるが、高い研磨速度を達成し得る点で第1の工程において使用することが特に好ましい。なお、ここでは、研磨工程を2段階に分けて実施する場合を例示したが、図1(a)に示す状態から図1(c)に示す状態まで一段階で研磨処理することも可能である。
CMP研磨に用いる研磨装置としては、例えば、基板を保持するホルダーと、研磨パッドが貼り付けられる研磨定盤と、研磨パッド上に研磨液を供給する手段とを備える装置が好適である。例えば、荏原製作所株式会社製の研磨装置(型番:EPO−111、EPO−222、FREX200、FREX300)、AMAT製の研磨装置(商品名:Mirra3400、Reflexion研磨機)等が挙げられる。
図2に、CMP研磨工程に用いられる研磨装置の概略斜視図を示す。研磨装置10は、研磨定盤13と、パッドドレッサー19と、基板25を保持するホルダー27と、研磨液供給口29とを備える。
研磨定盤13の下面は軸15に固定されている。研磨定盤13の上面には研磨パッド17が貼り付けられている。研磨定盤13は、駆動装置(図示せず)により方向Aに回転することができる。研磨パッド17の表面には微細な凹凸が形成されている。
パッドドレッサー19には、ダイヤモンド砥粒等が埋め込まれている。パッドドレッサー19は、研磨定盤13の側面に固定された回動支点21に揺動腕23を介して結合されている。パッドドレッサー19は、駆動装置(図示せず)により回動支点21に動力を与えることによって、研磨パッド17の内周部と外周部との間を矢印Bの方向に揺動移動する。
研磨パッド17の表面の凹凸は、研磨の進行に伴い削られて減少する。しかし、研磨前又は研磨中にパッドドレッサー19を上記のように揺動移動させて研磨パッド17の表面を切削することにより、研磨パッド17の表面に再度凹凸を形成することができる。これにより研磨パッド17のドレッシングを行うことができる。
ホルダー27は、方向C1に移動することが可能であり、基板25を研磨パッド17に押圧することができる。ホルダー27は、駆動装置(図示せず)により方向C2に回転することができる。
被研磨膜(例えば図1の酸化ケイ素膜3)が形成された基板25の該被研磨膜を研磨するには、被研磨膜と研磨パッド17とが当接するように研磨パッド17上に基板25を配置し、この研磨パッド17によって被研磨膜の表面を研磨する。より具体的には、被研磨膜を研磨定盤13の研磨パッド17に押圧した状態で、研磨液供給口29から研磨液31を被研磨膜と研磨パッド17との間に供給しながら、基板25と研磨定盤13とを相対的に動かして被研磨膜を研磨する。
研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。また、研磨パッドは、研磨液が溜まるような溝加工が施されたものが好ましい。なお、研磨部材として研磨パッドを例示したが、研磨部材としては、研磨の機能を有するものであれば特に制限なく適用できる。
研磨条件としては、特に制限はないが、基板が飛び出さないようにする見地から、研磨定盤の回転速度は200min−1以下が好ましい。また、基板にかける圧力(加工荷重)は、被研磨面の傷を抑制するという見地から、100kPa以下が好ましい。研磨している間は、ポンプ等によって研磨パッドに研磨液を連続的に供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われるようにすることが好ましい。
研磨終了後、流水中で基板を十分に洗浄し、更にスピンドライヤ等を用いて基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このように研磨することによって、表面の凹凸を解消し、基板全面にわたって平滑な面を得ることができる。また、膜の形成及びこれを研磨する工程を所定の回数繰り返すことによって、所望の層数を有する基板を製造することができる。
このようにして得られた基板は、種々の電子部品として使用することができる。具体例としては、半導体素子、フォトマスク・レンズ・プリズム等の光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(砥粒の作製)
炭酸セリウム水和物40kgをアルミナ製容器に入れ、830℃で2時間、空気中で焼成して黄白色の粉末を20kg得た。この粉末についてX線回折法で相同定を行い、当該粉末が多結晶体の酸化セリウムを含むことを確認した。焼成によって得られた粉末の粒子径をSEMで観察したところ、20〜100μmの範囲であった。次いで、酸化セリウム粉末20kgを、ジェットミルを用いて乾式粉砕を行った。粉砕後の酸化セリウム粉末をSEMで観察したところ、結晶粒界を有する多結晶酸化セリウム粒子を含むものであった。粉砕後の酸化セリウム粉末は比表面積が9.4m/gであった。比表面積の測定はBET法によって実施した。
(砥粒を含むスラリの調製)
容器内に、上記で得られた酸化セリウム粉末15.0kg及び脱イオン水84.7kgを入れて混合し、さらに1Nの酢酸を0.3kg添加して、10分間撹拌し、酸化セリウム混合液を得た。得られた酸化セリウム混合液を、別の容器に30分かけて送液した。その間、送液する配管内で、酸化セリウム混合液に対し、超音波周波数400kHzにて超音波照射を行った。
超音波照射を経て送液された酸化セリウム混合液を、1000mLビーカー4個に各800g±8gずつ入れた。各ビーカー内の酸化セリウム混合液に対し、外周にかかる遠心力が500Gとなるような条件で、20分間遠心分離を行った。遠心分離後、ビーカーの上澄み画分を採取し、スラリ(A)を得た。得られたスラリ(A)には、スラリ全質量基準で約10.0質量%の酸化セリウム粒子が含まれていた。
このようにして得られたスラリ(A)を、スラリ全質量基準で砥粒含有量が0.5質量%となるように純水で希釈して、これを粒径測定用のサンプルとした。このサンプルについて、動的光散乱式粒度分布計(株式会社堀場製作所社製、商品名:LB−500)を用いて砥粒の平均粒径を測定した結果、平均粒径は150nmであった。
(研磨液の作製)
サンプルNo.1〜5に係る研磨液は、実施例1〜5として調製されたものである。他方、サンプルNo.6〜12に係る研磨液は、比較例1〜7として調製されたものである。サンプル調製の方法を以下に示す。
まず、最終的に表1の含有量となるように表1に示す各添加剤を所定量の脱イオン水に溶解させて、添加剤溶液(B)を得た。次に、上述のスラリ(A)と添加剤溶液(B)とを同量混合し、10分間にわたって攪拌した。これにより、濃縮状態の異なる研磨液(C)を得た。濃縮状態の研磨液(C)には、研磨液全質量基準で5質量%の砥粒と、表1に記載した含有量の10倍の添加剤が含まれている。
このようにして得られた研磨液(C)を、研磨液全質量基準で砥粒含有量が0.5質量%となるように純水で希釈して、これを粒径測定用のサンプルとした。このサンプルについて、動的光散乱式粒度分布計(株式会社堀場製作所社製、商品名:LB−500)を用いて砥粒の平均粒径を測定した結果、平均粒径は150nmであった。
そして、上記方法で調製した12種類の濃縮状態の研磨液(C)をそれぞれ10倍に希釈した。次いで、希釈した研磨液(C)に、2.5%アンモニア水(NHOH)又は1N希硝酸(HNO)をpH調整剤として添加し、表1に記載のpHとなるように調整して、サンプルNo.1〜12の研磨液を得た。なお、上記のpH調整剤の添加量は微量であるので、pH調整剤を添加した後の研磨液についても、砥粒の含有量は研磨液全質量基準で0.5質量%であり、添加剤の含有量は表1に示した含有量である。
[特性評価]
サンプルNo.1〜12の研磨液を用いて、表面張力測定及び研磨特性評価を行った。
(表面張力測定)
デュヌイ表面張力計(TOMBO BORL、古河製作所製)により、研磨液の表面張力を測定した。砥粒の含有量が0.5質量%となるように研磨液を調整し、当該研磨液を25℃に温度調節した。デュヌイ表面張力計に直径4cmのポリカップを設置し、温度調節した50mlの研磨液をポリカップに入れ、表面張力の測定を行った。測定結果を表1に示す。
(研磨特性評価)
各研磨液を用いて、表面に酸化ケイ素膜を有するφ200mmのDRAMパターンテストウエハ(Praesagus製、型番:PCW−STI−811)(PTW)をAMAT製の研磨装置(商品名:Mirra 3400)を使用して研磨した。研磨荷重はおよそ20kPaで、研磨定盤の回転速度は100min−1の条件で研磨を行った。研磨前の酸化ケイ素膜の膜厚と研磨後の酸化ケイ素膜の膜厚の差から研磨速度を求めた。
なお、このDRAMウエハの酸化ケイ素膜は、表面に微細な凹凸を有している。酸化ケイ素膜の凸部は凹部に対して約500nm高い初期段差をもち、酸化ケイ素膜の初期膜厚は約600nmであった。配線は、格子形状と平行なラインで形成されている。酸化ケイ素膜は、この形状に応じた凹凸形状を有している。
また、パターンを有さず表面に凹凸のないウエハとして、初期膜厚1000nmの酸化ケイ素膜を有するφ200mmのブランケットSiOウエハ(BLW)を研磨した。ウエハ面内の35点について、ウエハ端→中央→端の順に膜厚を測定し、研磨前の酸化ケイ素膜の膜厚と研磨後の酸化ケイ素膜の膜厚の差から研磨速度を求めた。また、研磨速度の差が局所的に異なることなく、ウエハ面内で均一に研磨されているかどうか判定した。ウエハ面内の35点の平均研磨速度を算出し、当該平均研磨速度と35点の研磨速度との差の平均値を算出した。平均研磨速度に対する上記差の平均値の割合(%)を面内均一性として評価した。なお、ウエハ端から3mmを除き面内均一性(EE(Edge Exclusion)=3mm)を求めた。
PTW及びBLWについての研磨速度の測定結果、及び、BLWについての面内均一性(EE=3mm)の測定結果を表1に示す。また、表面張力と面内均一性(EE=3mm)の相関性を示すグラフを図3に示す。
Figure 2011171446
表1より、実施例の研磨液では、いずれも表面張力が低く、面内均一性は良好であることが確認された。また、実施例の研磨液では、いずれも研磨速度が良好であることが確認された。一方、比較例の研磨液では、いずれも高研磨速度と良好な面内均一性を両立することができないことが確認された。
また、図3より、表面張力と面内均一性には相関があることが確認された。すなわち、表面張力が高い(68dyn/cm超)グループの研磨液は面内均一性が悪く、一方で表面張力が低い(68dyn/cm未満)グループの研磨液は面内均一性が良好であることが確認された。
本発明者等は発明を実施する最良の形態を明細書に記述している。上記の説明を同業者が読んだ場合、これらに似た好ましい変形形態が明らかになる場合もある。本発明者等は、本発明の異なる形態の実施、並びに、本発明の根幹を適用した類似形態の発明の実施についても十分意識している。また、本発明にはその原理として、特許請求の範囲中に列挙した内容の全ての変形形態、更に、様々な上記要素の任意の組み合わせが利用できる。その全てのあり得る任意の組み合わせは、本明細書中において特別な限定がない限り、あるいは、文脈によりはっきりと否定されない限り、本発明に含まれる。
1…シリコン基板、2…窒化ケイ素膜(ストッパ膜)3…酸化ケイ素膜、5…埋め込み部分、D…酸化ケイ素被膜の膜厚の標高差(段差)、17…研磨パッド、25…基板、31…研磨液。

Claims (20)

  1. 砥粒と、第1の添加剤と、水とを含有し、
    前記第1の添加剤として下記条件i−vのすべてを満たす化合物を含有し、
    表面張力が25℃で68dyn/cm未満である、CMP用研磨液。
    i)少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む環状構造を、分子内に少なくとも1つ有し、前記炭素−炭素二重結合は共鳴構造を形成する炭素同士の結合をも含むものである;
    ii)分子内に1つ以上4つ以下の−OH構造を有し、前記−OH構造は、−COOH基が有する−OH構造をも含むものである;
    iii)分子内の−COOH基は1つ以下である;
    iv)分子内に下記の第1の構造又は第2の構造の少なくとも一方を有する;
    第1の構造:炭素原子Cと、当該炭素原子Cに隣接する炭素原子Cとを有し、前記炭素原子Cには−OH基が結合し、前記炭素原子Cには−OX基、=O基、−NX基、−NX(C)基及び−CH=N−OH基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基が結合しており、Xは水素原子又は炭素原子であり、Cは窒素原子に結合した炭素原子であり、前記炭素原子C、C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意であり、Xが炭素原子の場合、Xにおいて不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である;
    第2の構造:炭素原子Cと、当該炭素原子Cに隣接する炭素原子Cとを有し、前記炭素原子Cには−CH=N−OH基が結合し、前記炭素原子Cには−CH=N−OH基が結合しており、前記炭素原子C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である;
    v)条件ivにおける前記炭素原子C又は前記炭素原子Cの少なくとも一方は、前記条件iにおける前記環状構造の一部をなすものであるか、あるいは、前記条件iにおける前記環状構造に結合したものである。
  2. 前記条件ivにおける前記第1の構造は、下記式a)〜m)で表される構造から選ばれる、請求項1に記載のCMP用研磨液。
    Figure 2011171446

    式中、一組の実線及び点線で表された結合は、共鳴構造を形成する結合を示し、炭素原子C、C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意であり、Xが炭素原子の場合、Xにおいて不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である。
  3. 前記条件ivにおける前記第2の構造は、下記式n)〜p)で表される構造から選ばれる、請求項1又は2に記載のCMP用研磨液。
    Figure 2011171446

    式中、一組の実線及び点線で表された結合は、共鳴構造を形成する結合を示し、炭素原子C及びCにおいて、不足している残りの結合の結合様式及び結合原子は任意である。
  4. 前記表面張力が67dyn/cm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  5. 前記第1の添加剤として、ウラシル−6−カルボン酸、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4H−ピラン−4−オン、3−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピラン−4−オン、2−エチル−3−ヒドロキシ−4−ピロン、マンデル酸、サリチルアルドキシム、アスコルビン酸、カテコール、3−メチルカテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール、1,4−ベンゾキノンジオキシム、2−ピリジンメタノール、4−イソプロピルトロポロン、2−ヒドロキシ−2,4,6−シクロヘプタトリエン−1−オン、5−アミノ−ウラシル−6−カルボン酸及びベンジル酸からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  6. 前記CMP用研磨液の表面張力を下げる第2の添加剤を更に含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  7. 前記第2の添加剤として飽和モノカルボン酸、ノニオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する、請求項6に記載のCMP用研磨液。
  8. 前記第2の添加剤として飽和モノカルボン酸を含有する、請求項6に記載のCMP用研磨液。
  9. 前記第2の添加剤として炭素数2〜6の飽和モノカルボン酸を含有する、請求項6に記載のCMP用研磨液。
  10. 前記飽和モノカルボン酸として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヒドロアンゲリカ酸、カプロン酸、2−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸及び3,3−ジメチルブタン酸からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する、請求項9に記載のCMP用研磨液。
  11. 前記CMP用研磨液のpHが8.0未満である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  12. 前記CMP用研磨液のpHが7.0未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  13. pH調整剤を更に含有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  14. 前記第1の添加剤の含有量が、CMP用研磨液100質量部に対して0.01〜5質量部である、請求項1〜13のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  15. 前記砥粒の含有量がCMP用研磨液100質量部に対して0.01〜10質量部である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  16. 前記砥粒の平均粒径が50〜500nmである、請求項1〜15のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  17. 前記砥粒がセリウム系化合物を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  18. 前記砥粒が前記セリウム系化合物として酸化セリウムを含む、請求項17に記載のCMP用研磨液。
  19. 前記砥粒が、結晶粒界を持つ多結晶酸化セリウムを含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  20. 表面に酸化ケイ素膜を有する基板を研磨する方法であって、
    請求項1〜19のいずれか一項に記載のCMP用研磨液を前記酸化ケイ素膜と研磨パッドとの間に供給しながら、前記研磨パッドによって前記酸化ケイ素膜の研磨を行う工程を備える研磨方法。
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