JP2017178972A - Cmp用研磨液及びこれを用いた研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機絶縁材料に対する高い研磨速度及び段差除去性を両立できるCMP用研磨液を提供する。
【解決手段】本発明に係るCMP用研磨液は、砥粒と、第一の添加剤と、第二の添加剤と、水と、を含有し、前記第一の添加剤が、下記一般式(1)で表される4−ピロン系化合物であり、前記第二の添加剤が、酸性官能基及び塩基性官能基を有する化合物である。
Figure 2017178972

[式中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)に使用するためのCMP用研磨液、及び、これを用いた研磨方法に関する。本発明は、例えば、半導体ウェハ材料を研磨するためのCMP用研磨液、及び、これを用いた研磨方法に関する。本発明は、特に、半導体ウェハの表面に設けられた酸化ケイ素を研磨するためのCMP用研磨液、及び、これを用いた研磨方法に関する。
半導体製造の分野では、超LSIデバイスの高性能化に伴い、従来技術の延長線上の微細化技術では高集積化及び高速化を両立することは限界になってきている。そこで、半導体素子の微細化を進めつつ、垂直方向にも高集積化する技術、すなわち配線を多層化する技術が開発されている。
配線が多層化されたデバイスを製造するプロセスにおいて、最も重要な技術の一つにCMP技術がある。CMP技術は、化学気相蒸着(CVD)等によって基板上に薄膜を形成した後、その表面を平坦化する技術である。例えば、リソグラフィの焦点深度を確保するためには、CMPによる処理が不可欠である。基板表面に凹凸があると、露光工程における焦点合わせが不可能となったり、微細な配線構造を充分に形成できなかったり等の不都合が生じる。CMP技術は、デバイスの製造過程において、プラズマ酸化物材料(BPSG、HDP−SiO、p−TEOS等)の研磨によって素子分離領域を形成する工程、層間絶縁材料を形成する工程、又は、酸化ケイ素を含む部材(例えば酸化ケイ素膜)を金属配線に埋め込んだ後にプラグ(例えばAl・Cuプラグ)を平坦化する工程などにも適用される。
CMPは、通常、研磨パッド上に研磨液を供給できる装置を用いて行われる。基板表面と研磨パッドとの間に研磨液を供給しながら、基板を研磨パッドに押し付けることによって、基板表面が研磨される。CMP技術においては、高性能の研磨液が要素技術の一つであり、これまでにも種々の研磨液が開発されている。
ところで、基板上に素子分離領域を形成する工程においては、予め基板表面に溝を設け、この溝を埋めるように無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)がCVD等によって形成される。その後、無機絶縁材料の表面をCMPによって平坦化することによって素子分離領域が形成される。表面に溝等の素子分離構造が設けられた基板上に無機絶縁材料を形成する場合、無機絶縁材料の表面にも素子分離構造の凹凸に応じた凹凸が生じる。凹凸を有する表面の研磨では、凸部が優先的に除去される一方、凹部がゆっくりと除去されることによって表面の平坦化がなされる。
半導体生産のプロセスマージン及び歩留りを向上するためには、基板上に形成した無機絶縁材料の不要な部分をウェハ面内で可能な限り均一に且つ高速に除去することが好ましい。例えば、素子分離領域の狭幅化に対応すべく、シャロー・トレンチ分離(STI)を採用した場合、基板上に設けられた無機絶縁材料の段差及び不要な部分を高い研磨速度で取り除くことが要求される。
一般に、無機絶縁材料の研磨処理を二段階に分け、生産効率の向上を図る場合がある。第一の工程(荒削り工程)では、基板上に設けられた無機絶縁材料を高速に除去する。第二の工程(仕上げ工程)では、無機絶縁材料を任意の厚みとなるように仕上げる。
無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)を除去するためのCMP用研磨液は種々知られている。例えば、第一の工程(荒削り工程)に用い得る研磨液として、特定の化学構造を有する化合物を含有する研磨液が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
国際公開第2010/067844号
近年、第一の工程においては、無機絶縁材料に対する高い研磨速度だけではなく、高い段差除去性が要求されてきている。特に、無機絶縁材料に対するCMPを二段階以上に分ける場合、第一の工程では研磨速度よりも段差除去性が優先されるようになってきている。なお、段差除去性は、表面に無機絶縁材料を有するブランケットウェハにおける前記無機絶縁材料の研磨量(研磨速度)に対する、凸部表面に無機絶縁材料を有するパターンウェハにおける前記無機絶縁材料(凸部表面)の研磨量(研磨速度)の比率(パターンウェハにおける研磨量/ブランケットウェハにおける研磨量)で評価することができる。当該比率が高い場合には、パターンウェハにおける凸部表面の無機絶縁材料の除去率が高く、段差を優先的に除去することができる。
しかし、単に無機絶縁材料に対する研磨速度が高いCMP用研磨液を用いると、段差除去性が低いことがある。段差除去性の低下は、第二の工程における無機絶縁材料の除去時間を増大させスループットの悪化を招くことに加え、研磨後の平坦性を低下させる。研磨後の平坦性が低下すると、リソグラフィの焦点深度を確保できずデバイスの形成が難しくなる。
本発明は、前記課題を解決しようとするものであり、無機絶縁材料に対する高い研磨速度及び段差除去性を両立できるCMP用研磨液、及び、これを用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく、CMP用研磨液に配合する添加剤について鋭意検討を重ねた。本発明者らは、種々の有機化合物を添加剤として使用してCMP用研磨液を多数調製した。これらのCMP用研磨液を用いて無機絶縁材料を研磨し、研磨速度及び段差除去性の評価を行った。その結果、特定の化学構造を有する4−ピロン系化合物と、酸性官能基及び塩基性官能基を有する化合物とを添加剤として使用することが、無機絶縁材料に対する高い研磨速度及び段差除去性を両立することに有効であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に係るCMP用研磨液は、砥粒と、第一の添加剤と、第二の添加剤と、水と、を含有し、前記第一の添加剤が、下記一般式(1)で表される4−ピロン系化合物であり、前記第二の添加剤が、酸性官能基及び塩基性官能基を有する化合物である。
Figure 2017178972

[式中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基である。]
本発明に係るCMP用研磨液によれば、無機絶縁材料に対する高い研磨速度及び段差除去性を両立できる。これらの効果が奏される要因は必ずしも明らかではないが、特定の化学構造を有する4−ピロン系化合物を第一の添加剤として使用することで、CMP用研磨液と無機絶縁材料との相互作用が大きくなり、その結果、研磨速度が高くなると推測される。また、酸性官能基及び塩基性官能基を有する化合物を第二の添加剤として使用(第一の添加剤と併用)することで、第二の添加剤の前記官能基が無機絶縁材料と反応することにより、強い荷重依存性が生じると推測される。これにより、荷重が強くかかる段差凸部の除去性が高くなり、その結果、段差除去性が高くなると推測される。
前記の通り、本発明に係るCMP用研磨液は、高い研磨速度及び高い段差除去性を両立できるという特長を有するため、凹凸を有する無機絶縁材料の研磨に適している。また、本発明に係るCMP用研磨液は、従来のCMP用研磨液では段差除去が比較的困難な半導体材料を研磨する場合であっても高い研磨速度及び高い段差除去性を両立できるという利点がある。例えば、メモリセルを有する半導体基板のように、T字形状又は格子形状の凹部又は凸部を有する表面の無機絶縁材料を研磨する場合であっても高い研磨速度及び高い段差除去性を両立できる。
前記第一の添加剤を含有するCMP用研磨液によれば、無機絶縁材料に対する高い研磨速度を達成できることに加えて、砥粒の凝集を抑制することができる。かかる効果が奏される要因は必ずしも明らかではないが、上述した特定構造を有する4−ピロン系化合物が、CMP用研磨液と無機絶縁材料との相互作用を大きくし得る添加剤であるにもかかわらず、砥粒同士の静電的反発力等の反発力を弱める効果がないため、砥粒の凝集を抑制することができると推測される。
第一の添加剤は、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4−ピロン、及び、2−エチル−3−ヒドロキシ−4−ピロンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。これにより、更に高い研磨速度が得られる。
第二の添加剤の酸性官能基は、スルホン酸基であることが好ましい。また、第二の添加剤の塩基性官能基は、アミノ基であることが好ましい。これらの場合、高い段差除去性が容易に得られる。同様の観点から、第二の添加剤は、スルファミン酸及びアミノベンゼンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。
第一の添加剤の含有量は、当該CMP用研磨液100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましい。これにより、研磨速度の向上効果が更に効率的に得られる。
第二の添加剤の含有量は、当該CMP用研磨液100質量部に対して0.0001〜1質量部であることが好ましい。これにより、凹凸を有する基板(例えば半導体基板)の段差凸部に対する除去性の向上効果が更に効率的に得られる。
砥粒は、セリウム系化合物を含むことが好ましい。セリウム系化合物は、酸化セリウムであることが好ましい。
本発明に係るCMP用研磨液は、無機絶縁材料を研磨するために用いられてもよい。すなわち、本発明は、前記CMP用研磨液の、表面に無機絶縁材料を有する基板の研磨への応用を提供する。
本発明は、前記CMP用研磨液を用いた研磨方法を提供する。すなわち、本発明に係る研磨方法は、表面に無機絶縁材料を有する基板を研磨する研磨方法であって、本発明に係るCMP用研磨液が無機絶縁材料と研磨パッドとの間に供給された状態で研磨パッドによって無機絶縁材料を研磨する工程を備える。このような研磨方法によれば、無機絶縁材料に対する高い研磨速度及び段差除去性を両立できる。また、研磨対象の基板の表面形状に大きく依存することなく高い研磨速度が達成されるため、前記研磨方法は、無機絶縁材料の荒削り、及び、メモリセルを有する半導体基板の研磨に適している。
本発明によれば、無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)に対する高い研磨速度及び段差除去性を両立できる。特に、本発明によれば、凹凸を有する無機絶縁材料に対する高い研磨速度及び段差除去性を両立できる。
酸化ケイ素膜が研磨されて半導体基板にシャロー・トレンチ分離構造が形成される過程を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<CMP用研磨液>
本実施形態に係るCMP用研磨液は、砥粒(研磨粒子)と、第一の添加剤と、第二の添加剤と、水と、を含有し、第一の添加剤が、4−ピロン系化合物であり、第二の添加剤が、酸性官能基及び塩基性官能基を有する化合物であることを特徴とする。以下、CMP用研磨液の調製に使用する各成分等について説明する。
(砥粒)
砥粒は、例えば、セリウム系化合物、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ムライト、窒化ケイ素、α−サイアロン、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素等を含むことができる。これらの砥粒の構成成分としては、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも、第一の添加剤及び第二の添加剤の添加効果を良好に発揮でき、凹凸を有する無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)に対する高い研磨速度及び段差除去性が更に高度に両立される観点から、セリウム系化合物が好ましい。
セリウム系化合物を含む砥粒を用いたCMP用研磨液は、研磨面(研磨後の表面を言う。以下同じ)に生じる研磨傷が比較的少ないという特長を有する。従来、無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)に対する高い研磨速度を達成しやすい観点から、砥粒としてシリカ粒子を含むCMP用研磨液が広く用いられている。しかし、シリカ粒子を用いたCMP用研磨液は、一般に研磨面に研磨傷が生じやすいという課題がある。配線幅が45nm世代以降の微細パターンを有するデバイスにおいては、従来問題にならなかったような微細な傷であっても、デバイスの信頼性に影響するおそれがある。
なお、セリウム系化合物を含む砥粒を使用した従来のCMP用研磨液は、シリカ粒子を使用したCMP用研磨液と比較し、無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)に対する研磨速度がやや低い傾向があった。しかし、本実施形態においては、セリウム系化合物を含む砥粒と、第一の添加剤と、第二の添加剤とを併用することで、無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)に対する高い研磨速度及び段差除去性が両立される。このことは、セリウム系化合物と、第一の添加剤と、第二の添加剤との組み合わせが、特に研磨に有効であることを示唆している。
セリウム系化合物としては、酸化セリウム、セリウム水酸化物、硝酸アンモニウムセリウム、酢酸セリウム、硫酸セリウム水和物、臭素酸セリウム、臭化セリウム、塩化セリウム、シュウ酸セリウム、硝酸セリウム、炭酸セリウム等が挙げられる。これらの中でも、酸化セリウムが好ましい。酸化セリウムを使用することで、高い研磨速度及び高い段差除去性を両立しつつ、研磨傷が少ない優れた研磨面が得られる。
酸化セリウムを使用する場合、砥粒は、結晶粒界を有する多結晶酸化セリウム(例えば、結晶粒界に囲まれた複数の結晶子を有する多結晶酸化セリウム)を含むことが好ましい。かかる構成の多結晶酸化セリウム粒子は、単結晶粒子が凝集した単なる凝集体とは異なっており、研磨中の応力により細かくなると同時に、活性面(細かくなる前は外部にさらされていない面)が次々と現れるため、無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)に対する高い研磨速度を高度に維持できると考えられる。このような多結晶酸化セリウム粒子については、例えば、国際公開公報WO99/31195号に詳しく説明されている。
酸化セリウムを含む砥粒の製造方法としては、特に制限はないが、液相合成;焼成又は過酸化水素等により酸化する方法などが挙げられる。前記結晶粒界を有する多結晶酸化セリウムを含む砥粒を得る場合には、炭酸セリウム等のセリウム源を焼成する方法が好ましい。前記焼成時の温度は、350〜900℃が好ましい。製造された酸化セリウム粒子が凝集している場合は、機械的に粉砕することが好ましい。粉砕方法としては、特に制限はないが、例えば、ジェットミル等による乾式粉砕;遊星ビーズミル等による湿式粉砕が好ましい。ジェットミルは、例えば、「化学工学論文集」、第6巻、第5号、(1980)、527〜532頁に説明されている。
砥粒の平均粒径は、50nm以上が好ましく、70nm以上がより好ましく、80nm以上が更に好ましい。平均粒径が50nm以上であると、50nm未満の場合と比較して無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)に対する研磨速度を高くできる。砥粒の平均粒径は、500nm以下が好ましく、300nm以下がより好ましく、280nm以下が更に好ましく、250nm以下が特に好ましく、200nm以下が極めて好ましい。平均粒径が500nm以下であると、500nmを超える場合と比較して研磨傷を抑制できる。砥粒の平均粒径を制御するためには、従来公知の方法を使用することができる。平均粒径の制御方法としては、前記酸化セリウム粒子を例にすると、前記焼成温度、焼成時間、粉砕条件等の制御;濾過、分級等の適用などが挙げられる。
「砥粒の平均粒径」とは、砥粒が分散したスラリサンプルを動的光散乱式粒度分布計で測定した体積分布の中央値を意味する。具体的には、株式会社堀場製作所製のLB−500(商品名)等を用いて測定される値である。砥粒の含有量がスラリサンプルの全質量基準で0.5質量%になるようにスラリサンプルの砥粒の含有量を調整し、これをLB−500にセットして体積分布の中央値の測定を行う。LB−500によってメジアン径(累積中央値)を測定することによって、砥粒の凝集の程度を評価することもできる。CMP用研磨液中の砥粒の平均粒径を測定する場合は、前記CMP用研磨液を濃縮又は水で希釈することによって砥粒の含有量がスラリサンプルの全質量基準で0.5質量%になるようにスラリサンプルの砥粒の含有量を調整してから、同様の方法で測定することができる。
砥粒の含有量(粒子含有量)は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.10質量部以上が好ましく、0.15質量部以上がより好ましく、0.20質量部以上が更に好ましい。砥粒の含有量が0.10質量部以上であると、0.10質量部未満の場合と比較して高い研磨速度が達成される傾向がある。砥粒の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下が更に好ましく、2.0質量部以下が特に好ましく、1.0質量部以下が極めて好ましい。砥粒の含有量が10質量部以下であると、10質量部を超える場合と比較して砥粒の凝集を抑制しやすく、高い研磨速度を達成しやすい傾向がある。
(第一の添加剤)
第一の添加剤は、下記一般式(1)で表される4−ピロン系化合物である。本実施形態に係るCMP用研磨液によれば、一般式(1)で表される4−ピロン系化合物を第一の添加剤として使用することにより、従来のCMP用研磨液と比較して、無機絶縁材料に対する高い研磨速度を達成できる。
Figure 2017178972
式(1)中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基である。1価の置換基としては、アルデヒド基、ヒドロキシ基(水酸基)、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、フッ素原子、ニトロ基、ヒドラジン基、炭素数1〜8のアルキル基(OH、COOH、Br、Cl、I又はNOで置換されていてもよい)、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜8のアルケニル基等が挙げられる。1価の置換基としては、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基が好ましい。
前記4−ピロン系化合物がX11、X12及びX13として1価の置換基を有する場合、1価の置換基は、合成が簡易である観点から、オキシ基に隣接する炭素原子に結合していることが好ましい。すなわち、X11及びX12の少なくとも一方が1価の置換基であることが好ましい。さらに、砥粒の研磨能力の向上効果が得られやすい観点から、X11、X12及びX13のうち少なくとも2つは水素原子であることが好ましく、X11、X12及びX13のうち2つが水素原子であることがより好ましい。
前記4−ピロン系化合物は、少なくともカルボニル基の炭素原子に隣接している炭素原子にヒドロキシ基が結合した構造を有する。ここで、「4−ピロン系化合物」とは、オキシ基及びカルボニル基が含まれるとともに、オキシ基に対してカルボニル基が4位に位置している6員環(γ−ピロン環)構造を有する複素環式化合物である。本実施形態の4−ピロン系化合物は、このγ−ピロン環におけるカルボニル基に隣接している炭素原子にヒドロキシ基が結合しており、それ以外の炭素原子には、水素原子以外の置換基が置換していてもよい。
このような4−ピロン系化合物としては、更に高い研磨速度を得る観点から、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン(別名:3−ヒドロキシ−2−メチル−4H−ピラン−4−オン、マルトール)、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4−ピロン(別名:5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4H−ピラン−4−オン、コウジ酸)、及び、2−エチル−3−ヒドロキシ−4−ピロン(別名:2−エチル−3−ヒドロキシ−4H−ピラン−4−オン)からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましい。
第一の添加剤としては、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。第一の添加剤を二種以上組み合わせて使用することによっても高い研磨速度が得られる。
第一の添加剤は、水溶性であることが好ましい。水への溶解度が高い化合物を使用することにより、所望の量の第一の添加剤を良好にCMP用研磨液中に溶解させることができ、研磨速度の向上効果、及び、砥粒の凝集の抑制効果をより一層高水準に達成し得る。室温(25℃)の水100gに対する第一の添加剤の溶解度は、0.001g以上が好ましく、0.005g以上がより好ましく、0.01g以上が更に好ましく、0.05g以上が特に好ましい。なお、溶解度の上限は特に制限はない。
第一の添加剤の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.005質量部以上がより好ましく、0.01質量部以上が更に好ましく、0.02質量部以上が特に好ましく、0.03質量部以上が極めて好ましい。第一の添加剤の含有量が0.001質量部以上であると、0.001質量部未満の場合と比較して安定した研磨速度を達成しやすい傾向がある。第一の添加剤の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、1質量部以下が更に好ましく、0.5質量部以下が特に好ましく、0.3質量部以下が極めて好ましい。第一の添加剤の含有量が5質量部以下であると、5質量部を超える場合と比較して砥粒の凝集を抑制しやすく、高い研磨速度を達成しやすい傾向がある。
(第二の添加剤)
本実施形態に係るCMP用研磨液は、第二の添加剤として、酸性官能基及び塩基性官能基を有する化合物(第一の添加剤に該当する化合物を除く)を含有している。これにより、高い研磨速度に加え、高い段差除去性を得ることができる。
酸性官能基とは、水溶液中で酸性を示す官能基である。酸性官能基としては、スルホン酸基、スルホン酸塩基、カルボキシル基、カルボン酸塩基、リン酸基、リン酸塩基等が挙げられ、スルホン酸基が好ましい。塩基性官能基とは、水溶液中で塩基性を示す官能基である。塩基性官能基としては、アミノ基等が挙げられる。
室温(25℃)における第二の添加剤の酸解離定数pKa(平衡定数Kaの負の常用対数(逆数の対数)、pKaが2つ以上ある場合は、一番低い第一段階のpKa1)は、4未満が好ましく、3.5以下がより好ましく、3.3以下が更に好ましい。これにより、CMP用研磨液中で第二の添加剤の少なくとも一部がイオン化して水素イオンが放出され、第二の添加剤と被研磨材料とが容易に反応する。前記酸解離定数pKaの下限は特に制限はなく、例えば−10以上である。
第二の添加剤としては、アミノ基含有スルホン酸化合物が好ましい。「アミノ基含有スルホン酸化合物」とは、スルホン酸基(スルホ基、−SOH)及びスルホン酸塩基(−SOM:Mは金属原子)からなる群より選ばれる少なくとも一種と、アミノ基(−NH)とを1分子内に有する化合物である。スルホン酸塩基の金属原子Mとしては、Na、K等のアルカリ金属、Mg、Ca等のアルカリ土類金属などが挙げられる。
アミノ基含有スルホン酸化合物としては、スルファミン酸(別名:アミド硫酸)、アミノメタンスルホン酸、アミノエタンスルホン酸(1−アミノエタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸等)、アミノプロパンスルホン酸、アミノベンゼンスルホン酸(オルタニル酸(別名:2−アミノベンゼンスルホン酸)、メタニル酸(別名:3−アミノベンゼンスルホン酸)、スルファニル酸(別名:4−アミノベンゼンスルホン酸)等)、アミノナフタレンスルホン酸、これらの塩(例えば、前記金属原子Mを含む塩)などが挙げられる。第二の添加剤としては、高い段差除去性が容易に得られる観点から、スルファミン酸及びアミノベンゼンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、スルファミン酸及びスルファニル酸からなる群より選ばれる少なくとも一種がより好ましい。
第二の添加剤としては、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
第二の添加剤の分子量は、第二の添加剤の前記官能基が無機絶縁材料と容易に反応する観点から、500以下が好ましく、300以下がより好ましく、250以下が更に好ましく、200以下が特に好ましい。分子量の下限は、例えば50以上である。
第二の添加剤の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、0.0001質量部以上が好ましく、0.0005質量部以上がより好ましく、0.001質量部以上が更に好ましい。第二の添加剤の含有量が0.0001質量部以上であると、高い研磨速度及び高い段差除去性を安定して両立しやすい傾向がある。第二の添加剤の含有量は、CMP用研磨液100質量部に対して、1質量部以下が好ましく、0.5質量部以下がより好ましく、0.2質量部以下が更に好ましく、0.1質量部以下が特に好ましく、0.05質量部以下が極めて好ましく、0.01質量部以下が非常に好ましく、0.007質量部以下がより一層好ましい。第二の添加剤の含有量が1質量部以下であると、1質量部を超える場合と比較して砥粒の凝集を抑制しやすく、高い研磨速度及び高い段差除去性を両立しやすい傾向がある。第二の添加剤の含有量は、第一の添加剤の種類に応じて調整することができる。
(水)
本実施形態に係るCMP用研磨液が含有する水は、特に制限されるものではないが、脱イオン水、イオン交換水及び超純水が好ましい。なお、必要に応じて、エタノール、アセトン等の極性溶媒などを水と併用してもよい。
(他の成分)
本実施形態に係るCMP用研磨液は、砥粒の分散安定性及び/又は研磨面の平坦性を向上させる観点から、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、非イオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤としては、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
非イオン性界面活性剤として、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル誘導体、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリエチレングリコールのオキシエチレン付加体、メトキシポリエチレングリコールのオキシエチレン付加体、アセチレン系ジオールのオキシエチレン付加体等のエーテル型界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアミノエーテル型界面活性剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等のエーテルエステル型界面活性剤;脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド等のアルカノールアミド型界面活性剤;ポリビニルピロリドン;ポリアクリルアミド;ポリジメチルアクリルアミド;ポリビニルアルコールなどが挙げられる。非イオン性界面活性剤としては、一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るCMP用研磨液は、界面活性剤以外に、所望とする特性に合わせてその他の成分を含有していてもよい。このような成分としては、後述するようなpH調整剤、pHの変動を抑えるためのpH緩衝剤、アミノカルボン酸、環状モノカルボン酸等が挙げられる。これらの成分の含有量は、研磨液の前記効果を過度に低下させない範囲とすることが望ましい。
(pH)
本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは、8.0以下が好ましく、8.0未満がより好ましく、7.0以下が更に好ましく、6.0以下が特に好ましく、5.0以下が極めて好ましく、4.5以下が非常に好ましく、4.0以下がより一層好ましい。pHが8.0以下であると、8.0を超える場合と比較して砥粒の凝集等を抑制しやすく、第一の添加剤及び第二の添加剤の添加効果が得られやすい。本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましく、3.0以上が特に好ましい。pHが1.5以上であると、1.5未満の場合と比較して無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)のゼータ電位の絶対値を大きな値とすることができ、更に高い研磨速度が達成される。なお、pHは、液温25℃におけるpHと定義する。
本実施形態に係るCMP用研磨液のpHは、pHメータ(例えば、電気化学計器株式会社製の型番PHL−40)で測定することができる。例えば、フタル酸塩pH緩衝液(pH4.01)と中性リン酸塩pH緩衝液(pH6.86)とを標準緩衝液として用いてpHメータを2点校正した後、pHメータの電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。このとき、標準緩衝液と研磨液の液温は共に25℃とする。
また、CMP用研磨液のpHを1.5〜8.0の範囲内に調整することで、次の2つの効果が得られると考えられる。
(1)添加剤として配合した化合物にプロトン又はヒドロキシアニオンが作用して、当該化合物の化学形態が変化し、基板表面の無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)及び/又はストッパ材料(例えば窒化ケイ素)に対する濡れ性及び親和性が向上する。
(2)砥粒が酸化セリウムを含む場合、砥粒と無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)との接触効率が向上し、更に高い研磨速度が達成される。これは、酸化セリウムのゼータ電位の符号が正であるのに対し、無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)のゼータ電位の符号が負であり、両者の間に静電的引力が働くためである。
CMP用研磨液のpHは、添加剤として使用する化合物の種類によって変化する。CMP用研磨液は、pHを前記の範囲に調整するためにpH調整剤を含有していてもよい。pH調整剤としては、特に制限はないが、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、ホウ酸、酢酸等の酸;水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の塩基などが挙げられる。なお、生産性が向上する観点から、pH調整剤を使用することなくCMP用研磨液を調製し、このようなCMP用研磨液をCMPにそのまま適用してもよい。
<CMP用研磨液の調製法及び使用法>
CMP用研磨液は、(A)通常タイプ、(B)濃縮タイプ及び(C)2液タイプに分類でき、タイプによって調製法及び使用法が相違する。(A)通常タイプは、研磨時に希釈等の前処理をせずにそのまま使用できる研磨液である。(B)濃縮タイプは、保管又は輸送の利便性を考慮し、(A)通常タイプと比較して含有成分を濃縮した研磨液である。(C)2液タイプは、保管又は輸送に際して、一定の成分を含む液Aと、他の成分を含む液Bとに分けた状態としておき、使用時に液A及び液Bを混合して使用する研磨液である。
(A)通常タイプは、砥粒、第一の添加剤、第二の添加剤、及び、必要に応じてその他の成分を、主な分散媒である水に溶解又は分散させることによって得ることができる。例えば、砥粒の含有量0.5質量部、第一の添加剤の含有量0.1質量部、第二の添加剤の含有量0.001質量部を有するCMP用研磨液100質量部を1000g調製するには、CMP用研磨液1000gが砥粒5g、第一の添加剤1g、第二の添加剤0.01gを含有するように調整すればよい。
CMP用研磨液は、例えば、攪拌機、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を使用して調製することができる。なお、砥粒の平均粒径が所望の範囲となるように、CMP用研磨液の調製過程において砥粒の微粒子化処理を行ってもよい。砥粒の微粒子化処理は、沈降分級法又は高圧ホモジナイザを用いた方法によって実施できる。沈降分級法は、砥粒を含むスラリの粗大粒子を遠心分離機で強制的に沈降させる工程と、上澄み液のみを取り出す工程とを有する方法である。高圧ホモジナイザを用いた方法は、分散媒中の砥粒同士を高圧で衝突させる方法である。
(B)濃縮タイプは、使用直前に、含有成分の含有量が所望の含有量となるように水で希釈される。希釈後、(A)通常タイプと同程度の液状特性(pH、砥粒の粒径等)及び研磨特性(無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)に対する研磨速度、ストッパ材料(例えば窒化ケイ素)に対する無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)の研磨選択比等)を再現できるまで、任意の時間にわたって攪拌又は砥粒の分散処理を行ってもよい。(B)濃縮タイプでは、濃縮の度合いに応じて容積が小さくなるため、保管及び輸送にかかるコストを減らすことができる。
濃縮倍率は、1.5倍以上が好ましく、2倍以上がより好ましく、3倍以上が更に好ましく、5倍以上が特に好ましい。濃縮倍率が1.5倍以上であると、1.5倍未満の場合と比較して保管及び輸送に関するメリットを得ることができる。濃縮倍率は、40倍以下が好ましく、20倍以下がより好ましく、15倍以下が更に好ましい。濃縮倍率が40倍以下であると、40倍を超える場合と比較して砥粒の凝集を抑制しやすい。
(B)濃縮タイプの使用に際して注意すべき点は、水による希釈の前後でpHが変化する点である。(A)通常タイプと同じpHの研磨液を(B)濃縮タイプから調製するには、水との混合によるpH上昇を考慮に入れ、濃縮タイプの研磨液のpHを予め低めに設定しておけばよい。例えば、二酸化炭素が溶解した水(pH:約5.6)を使用し、pH4.0の(B)濃縮タイプの研磨液を10倍に希釈した場合、希釈後の研磨液のpHは4.3程度にまで上昇する。
(B)濃縮タイプのpHは、水による希釈後において適したpHの研磨液を得る観点から、1.5〜7.0が好ましい。pHの下限は、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましい。pHの上限は、砥粒の凝集を抑制する観点から、7.0以下が好ましく、6.7以下がより好ましく、6.0以下が更に好ましく、5.5以下が特に好ましい。
(C)2液タイプは、(B)濃縮タイプと比較して砥粒の凝集等を回避できるという利点がある。液A及び液Bがそれぞれ含有する成分は任意である。例えば、砥粒と、必要に応じて配合される界面活性剤等とを含むスラリを液Aとして調製し、添加剤と、必要に応じて配合される他の成分とを含む溶液を液Bとして調製することができる。この場合、液Aにおける砥粒の分散性を高めるため、任意の酸又はアルカリを液Aに配合し、pHを調整してもよい。
(C)2液タイプの研磨液は、各成分が混合された状態では、砥粒の凝集等によって研磨特性が比較的短時間で低下する場合に有用である。なお、保管及び輸送にかかるコスト削減の観点から、液A及び液Bを少なくとも一方を濃縮タイプとしてもよい。この場合、研磨液を使用する際に、液Aと液Bと水とを混合すればよい。液A又は液Bの濃縮倍率及びpHは任意であり、最終的な混合物の液状特性及び研磨特性が(A)通常タイプの研磨液と同程度であればよい。
<研磨方法>
本実施形態に係る研磨方法は、本実施形態に係るCMP用研磨液を用いて無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)を研磨する研磨工程を備える。例えば、研磨工程では、本実施形態に係るCMP用研磨液を用いて、表面に無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)を有する基板をCMP技術によって研磨して平坦化する。本実施形態に係る研磨方法は、具体的には、本実施形態に係るCMP用研磨液が、表面に無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)を有する基板における無機絶縁材料と、所定の研磨部材(例えば研磨パッド)との間に供給された状態で研磨部材によって無機絶縁材料を研磨する工程を備える。本実施形態に係る研磨方法では、無機絶縁材料を研磨して無機絶縁材料の少なくとも一部を除去する。研磨対象である無機絶縁材料は、膜状(無機絶縁膜。例えば酸化ケイ素膜)であってもよい。本実施形態に係る研磨方法において、CMP用研磨液の各成分の含有量及びpH等は適宜調整される。
本実施形態に係る研磨方法は、以下のようなデバイスの製造過程において、表面に無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)を有する基板を研磨することに適している。デバイスとしては、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体;DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリー)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリー)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリー)、フラッシュメモリ等の記憶素子;マイクロプロセッサー、DSP、ASIC等の理論回路素子;MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体等の集積回路素子;混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子等の光電変換素子などが挙げられる。
本実施形態に係るCMP用研磨液は、高い研磨速度及び高い段差除去性を両立できる。そのため、当該CMP用研磨液を用いた研磨方法は、従来のCMP用研磨液を用いた方法では高い研磨速度を達成することが困難であった基板に対しても適用できる。
本実施形態に係る研磨方法は、表面に段差(凹凸)を有する被研磨面の平坦化に特に適している。このような被研磨面を有する基板としては、例えば、ロジック用の半導体基板が挙げられる。また、基板の表面は、T字形状又は格子形状の凹部又は凸部を有していてもよく、本実施形態に係る研磨方法は、上(基板の前記表面に対向する方向)から見たときに凹部又は凸部がT字形状又は格子形状に設けられた部分を表面に有する基板を研磨することに適している。例えば、メモリセルを有する半導体基板(DRAM及びフラッシュメモリ等のデバイス)の表面に設けられた無機絶縁材料(例えば酸化ケイ素)も高い速度で研磨できる。これらは、従来のCMP用研磨液を用いた方法では高い研磨速度を達成することが困難であったものであり、本実施形態に係るCMP用研磨液が、高い研磨速度及び高い段差除去性を両立できることを示している。
なお、本実施形態に係る研磨方法を適用できる基板は、基板表面全体が酸化ケイ素膜によって形成された基板に限らず、基板表面に酸化ケイ素膜の他に窒化ケイ素膜、多結晶シリコン膜等を更に有する基板であってもよい。また、本実施形態に係る研磨方法は、所定の配線を有する配線板上に、酸化ケイ素膜、ガラス膜、窒化ケイ素等の無機絶縁膜;ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜などが形成された基板に対しても適用できる。
基板表面に酸化ケイ素膜を形成する方法としては、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。低圧CVD法による酸化ケイ素膜の形成方法では、例えば、Si源としてモノシラン(SiH)、酸素源として酸素(O)を用いる。このSiH−O系酸化反応を400℃以下の低温で行うことによって酸化ケイ素膜が形成される。場合によっては、CVD後に1000℃又はそれ以下の温度での熱処理が実施される。
プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型及び誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、例えば、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガス、及び、テトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250〜400℃が好ましい。反応圧力は67〜400Paが好ましい。
高温リフローによる表面平坦化を図るために、酸化ケイ素膜にリン(P)をドープする場合、SiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。このように、研磨対象の酸化ケイ素膜は、リン、ホウ素等の元素がドープされたものであってもよい。
窒化ケイ素膜も酸化ケイ素膜と同様、低圧CVD法、プラズマCVD法等により形成することができる。低圧CVD法では、例えば、Si源としてジクロルシラン(SiHCl)、窒素源としてアンモニア(NH)を用いる。このSiHCl−NH系酸化反応を900℃の高温で行うことによって窒化ケイ素膜が形成される。プラズマCVD法では、例えば、Si源としてSiH、窒素源としてNHを用いたSiH−NH系ガスが反応ガスとして挙げられる。この場合、基板温度は300〜400℃が好ましい。
図1を参照して、本実施形態に係る研磨方法においてCMPによって基板(ウェハ)にSTI構造を形成するプロセスについて説明する。本実施形態に係る研磨方法は、酸化ケイ素膜3を高い研磨速度と高い段差除去性とで研磨する第一の工程(荒削り工程)、及び、残りの酸化ケイ素膜3を任意の膜厚となるように高い研磨速度で研磨する第二の工程(仕上げ工程)とを備える。
図1(a)は研磨前の基板を示す断面図である。図1(b)は第一の工程後の基板を示す断面図である。図1(c)は第二の工程後の基板を示す断面図である。これらの図に示すように、STI構造を形成する過程では、シリコン基板1上に成膜した酸化ケイ素膜3の段差Dを解消するため、部分的に突出した不要な箇所をCMPによって優先的に除去する。なお、表面が平坦化した時点で適切に研磨を停止させるため、酸化ケイ素膜3の下には、研磨速度の遅い窒化ケイ素膜(ストッパ膜)2を予め形成しておくことが好ましい。第一の工程及び第二の工程を経ることによって酸化ケイ素膜3の段差Dが解消され、埋め込み部分5を有する素子分離構造が形成される。
酸化ケイ素膜3を研磨するには、酸化ケイ素膜3の表面と研磨パッドとが当接するように、研磨パッド上に基板(ウェハ)を配置し、研磨パッドによって酸化ケイ素膜3の表面を研磨する。より具体的には、研磨定盤の研磨パッドに酸化ケイ素膜3の被研磨面側を押し当て、被研磨面と研磨パッドとの間にCMP用研磨液が供給された状態で両者を相対的に動かすことによって酸化ケイ素膜3を研磨する。
本実施形態に係るCMP用研磨液は、第一の工程及び第二の工程のいずれにも適用できるが、高い研磨速度及び高い段差除去性を両立し得るので、第一の工程において使用されることが特に好ましい。なお、ここでは、研磨工程を2段階に分けて実施する場合を例示したが、図1(a)に示す状態から図1(c)に示す状態まで一段階で研磨処理することもできる。
研磨装置としては、例えば、基板を保持するホルダーと、研磨パッドが貼り付けられる研磨定盤と、研磨パッド上に研磨液を供給する手段とを備える装置が好適である。研磨装置としては、株式会社荏原製作所製の研磨装置(型番:EPO−111、EPO−222、FREX200、FREX300)、APPLIED MATERIALS社製の研磨装置(商品名:Mirra3400、Reflexion研磨機)等が挙げられる。研磨パッドとしては、特に制限はなく、例えば、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等を使用することができる。また、研磨パッドは、研磨液が溜まるような溝加工が施されたものが好ましい。
研磨条件としては、特に制限はないが、基板が飛び出すことを抑制する観点から、研磨定盤の回転速度は200min−1以下が好ましく、基板にかける圧力(加工荷重)は、研磨面の傷を抑制する観点から、100kPa以下が好ましい。研磨している間、ポンプ等によって研磨パッドに研磨液を連続的に供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
研磨終了後、流水中で基板を充分に洗浄し、さらに、基板上に付着した水滴をスピンドライヤ等により払い落としてから乾燥させることが好ましい。このように研磨することによって、表面の凹凸を解消し、基板全面にわたって平滑な面を得ることができる。膜の形成及びこれを研磨する工程を所定の回数繰り返すことによって、所望の層数を有する基板を製造することができる。
このようにして得られた基板は、種々の電子部品及び機械部品として使用することができる。具体例としては、半導体素子;フォトマスク、レンズ、プリズム等の光学ガラス;ITO等の無機導電膜;ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路;光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶;固体レーザ単結晶;青色レーザLED用サファイヤ基板;SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶;磁気ディスク用ガラス基板;磁気ヘッドなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[砥粒の作製]
炭酸セリウム水和物40kgをアルミナ製容器に入れ、830℃で2時間、空気中で焼成して黄白色の粉末を20kg得た。この粉末についてX線回折法で相同定を行い、当該粉末が多結晶体の酸化セリウムを含むことを確認した。焼成によって得られた粉末の粒子径をSEMで観察したところ、20〜100μmであった。次いで、ジェットミルを用いて酸化セリウム粉末20kgを乾式粉砕した。粉砕後の酸化セリウム粉末をSEMで観察したところ、結晶粒界を有する多結晶酸化セリウム粒子が含まれていることが確認された。また、酸化セリウム粉末の比表面積は9.4m/gであった。比表面積の測定はBET法によって実施した。
[CMP用研磨液の調製]
(実施例1〜7及び比較例1〜6)
前記で得られた酸化セリウム粉末15.0kg及び脱イオン水84.98kgを容器内に入れて混合した。さらに、70質量%の硝酸水溶液を添加することによりpHを4.5未満に調整すると共に最終的なスラリの質量を100.00kgに調整した後、10分間攪拌してスラリを得た。得られたスラリを別の容器に30分かけて送液した。その間、送液する配管内で、スラリに対して超音波周波数400kHzにて超音波照射を行った。得られたスラリにおける砥粒の含有量は15.0質量%であった。
砥粒の平均粒径を測定するために、500mLビーカー4個にそれぞれ500g±20gのスラリを採取し、遠心分離を行った。遠心分離は、外周にかかる遠心力が500Gになる条件で2分間実施した。ビーカー内の液相を回収した。液相は、酸化セリウムを含む砥粒を含有していた。液相の水量を調整して、液相の全質量基準で砥粒の含有量を0.5質量%に調整した。その後、動的光散乱式粒度分布計(株式会社堀場製作所製、商品名:LB−500)を用いて砥粒の平均粒径を測定した結果、平均粒径は150nmであった。
上述の遠心分離後の液相を脱イオン水で希釈し、砥粒の含有量を5.0質量%に調整した。また、研磨直前に、砥粒の含有量が5.0質量%に調整された前記液相に、表1又は表2に示す各化合物を各表に記載の含有量となるように添加すると共に、有機酸又はアンモニアを用いてpHを3.4に調整した。その後、10分間攪拌してCMP用研磨液を得た。CMP用研磨液における砥粒の含有量は、表に示すとおりであった。
なお、CMP用研磨液のpHは下記の手順及び条件で求めた。
測定温度:25±5℃
測定器:電気化学計器株式会社製、型番:PHL−40
なお、このようにして得られた実施例1〜7に係るCMP用研磨液を、サンプルの全質量基準で砥粒の含有量が0.5質量%となるように純水で希釈して粒径測定用のサンプルを得た。このサンプルを用いて、動的光散乱式粒度分布計(株式会社堀場製作所製、商品名:LB−500)により砥粒の平均粒径を測定したところ、いずれも150±5nmであった。
実施例1〜7に係るCMP用研磨液は、第一の添加剤及び第二の添加剤を使用して調製された研磨液である。比較例1〜3に係るCMP用研磨液は、第二の添加剤を使用せずに調製された研磨液である。比較例4に係るCMP用研磨液は、第一の添加剤及び第二の添加剤を使用せずに調製された研磨液である。比較例5及び比較例6に係るCMP用研磨液は、第一の添加剤を使用せずに調製された研磨液である。表1及び表2中の第一の添加剤に関して、「A」は、5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−ピロン(別名:コウジ酸)であり、「B」は、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン(別名:マルトール)である。
[研磨特性評価]
(ウェハの準備)
表面に酸化ケイ素膜を被研磨膜として有するブランケットウェハを準備した。ブランケットウェハは、直径300mmのシリコン基板上に配置された膜厚1000nmの酸化ケイ素膜を有するウェハである。
また、凹凸のある酸化ケイ素膜を被研磨膜として有するパターンウェハ(ADVANTECH社製、商品名:SEMATECH764)を準備した。このパターンウェハは、直径300mmのシリコン基板上の一部にストッパ膜として窒化ケイ素膜(膜厚:1500nm)を形成した後、窒化ケイ素膜のない部分のシリコン基板を350nmエッチングして凹部を形成し、次いで、プラズマCVD法で600nmの酸化ケイ素膜をストッパ膜上及び凹部内に成膜して得られたウェハである。パターンウェハは、線幅がLine/Space=50/50μmのパターンを有している。
(ウェハの研磨)
研磨装置(APPLIED MATERIALS社製、商品名:Reflexion LK)を使用し、前記ブランケットウェハ及びパターンウェハを研磨した。ウェハ取り付け用の吸着パッドを有するホルダーに、前記ウェハをセットした。また、直径800mmの研磨定盤に多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッド(k−groove溝、ロデール社製、型番:IC−1010)を貼り付けた。
前記ウェハの酸化ケイ素膜形成面を下に向けて前記ホルダーを研磨パッド上に載せた。ウェハ押付け圧力は、28kPaに設定した。
そして、前記方法で調製した各CMP用研磨液を、研磨定盤に貼り付けた研磨パッド上に250mL/minの流量で滴下しながら、研磨定盤とウェハとをそれぞれ回転数93min−1、87min−1で回転させて、酸化ケイ素膜を研磨した。その後、PVAブラシ(ポリビニルアルコールブラシ)を使用して研磨後のウェハを純水でよく洗浄した後、乾燥させた。
(研磨速度の評価)
光干渉式膜厚測定装置(大日本スクリーン製造株式会社製、商品名:RE−3000)を用いて、ブランケットウェハにおける研磨前後の酸化ケイ素膜の膜厚変化を測定し、膜厚変化量の平均から研磨速度を算出した。表1及び表2に結果を示す。なお、研磨速度の単位は「nm/min」である。
(段差除去性の評価)
前記で測定されたブランケットウェハの研磨速度に基づき、各CMP用研磨液について、パターンウェハを研磨するための時間として、酸化ケイ素膜を300nm研磨するために要する時間Xを算出した。次に、各CMP用研磨液を用いて、パターンウェハを前記時間X研磨した。パターンウェハの凸部における酸化ケイ素膜の研磨前後の膜厚変化量を光干渉式膜厚測定装置(大日本スクリーン製造株式会社製、商品名:RE−3000)を用いて測定した。このときの膜厚変化量をパターンウェハ研磨量(PTW)として求めた。また、パターンウェハ研磨量を300nm(ブランケットウェハ研磨量(BKT))で除した数値を段差除去性として算出した。表1及び表2に結果を示す。
Figure 2017178972
Figure 2017178972
表1及び表2の結果から、第一の添加剤及び第二の添加剤を使用した実施例1〜7では、比較例1〜6と比較し、高い段差除去性を有していた。また、実施例1〜7では、高い研磨速度及び高い段差除去性を両立しつつ酸化ケイ素膜を研磨できることが示された。
また、実施例及び比較例において用いた各CMP用研磨液について、研磨液の各含有成分を混合して研磨液を調製してから1日経過後に砥粒の平均粒径を測定したところ、平均粒径は150nmであり、砥粒作製時の粒径と同じであった。これにより、粒径の凝集が抑制されていることが確認された。
本発明者等は発明を実施する最良の形態を明細書に記述している。前記の説明を同業者が読んだ場合、これらに似た好ましい変形形態が明らかになる場合もある。本発明者等は、本発明の異なる形態の実施、並びに、本発明の根幹を適用した類似形態の発明の実施についても充分意識している。また、本発明にはその原理として、特許請求の範囲中に列挙した内容の全ての変形形態、さらに、様々な前記要素の任意の組み合わせが利用できる。その全てのあり得る任意の組み合わせは、本明細書中において特別な限定がない限り、あるいは、文脈によりはっきりと否定されない限り、本発明に含まれる。
本発明によれば、酸化ケイ素膜に対する高い研磨速度及び段差除去性を両立できるCMP用研磨液が提供される。また、本発明によれば、前記CMP用研磨液を用いた研磨方法が提供される。
1…シリコン基板、2…ストッパ膜(窒化ケイ素膜)3…酸化ケイ素膜、5…埋め込み部分、D…酸化ケイ素膜の膜厚の標高差(段差)。

Claims (11)

  1. 砥粒と、第一の添加剤と、第二の添加剤と、水と、を含有し、
    前記第一の添加剤が、下記一般式(1)で表される4−ピロン系化合物であり、
    前記第二の添加剤が、酸性官能基及び塩基性官能基を有する化合物である、CMP用研磨液。
    Figure 2017178972

    [式中、X11、X12及びX13は、それぞれ独立に、水素原子又は1価の置換基である。]
  2. 前記第一の添加剤が、3−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピロン、5−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−4−ピロン、及び、2−エチル−3−ヒドロキシ−4−ピロンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載のCMP用研磨液。
  3. 前記第二の添加剤の前記酸性官能基がスルホン酸基である、請求項1又は2に記載のCMP用研磨液。
  4. 前記第二の添加剤の前記塩基性官能基がアミノ基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  5. 前記第二の添加剤が、スルファミン酸及びアミノベンゼンスルホン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  6. 前記第一の添加剤の含有量が当該CMP用研磨液100質量部に対して0.001〜5質量部である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  7. 前記第二の添加剤の含有量が当該CMP用研磨液100質量部に対して0.0001〜1質量部である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  8. 前記砥粒がセリウム系化合物を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  9. 前記セリウム系化合物が酸化セリウムである、請求項8に記載のCMP用研磨液。
  10. 無機絶縁材料を研磨するために用いられる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のCMP用研磨液。
  11. 表面に無機絶縁材料を有する基板を研磨する研磨方法であって、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のCMP用研磨液が前記無機絶縁材料と研磨パッドとの間に供給された状態で前記研磨パッドによって前記無機絶縁材料を研磨する工程を備える、研磨方法。
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