JP2011170981A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異なる高さの隔壁の配置を工夫することにより画素内での発光ムラ及び混色、並びに画素間での発光ムラの無い高光学特性の有機EL素子を提供すること。
【解決手段】少なくとも基板と、前記基板上に形成された第一電極と、前記第一電極上に形成された有機発光媒体層と、前記有機発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向するように設けられた第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記第一電極の端部周囲に形成された第一隔壁と、前記第一電極及び前記第一隔壁を離間して囲うように形成された第二隔壁と、前記第一隔壁と前記第二隔壁とで囲まれるインキ溜りと、を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報表示端末などのディスプレイへの用途が期待される有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とする)とその製造方法に関する。
有機EL素子は、ふたつの対向する電極の間に有機発光材料からなる有機発光層が形成され、有機発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率よく発光させるには有機発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには各画素が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)となるように、有機発光層を高精細にパターニングする必要がある。
有機発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等の乾式成膜法により薄膜形成し、このときに微細パターンのマスクを用いてパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出難いという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料に高分子材料を用い、有機発光材料を溶剤に分散または溶解させて塗工液にし、これを湿式成膜法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するための湿式成膜法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けるためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
さらに、各種印刷法のなかでも、ガラスを基板とする有機EL素子やディスプレイでは、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷法や同じく弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる凸版印刷法が適当である。実際にこれらの印刷法による試みとして、オフセット印刷による方法(特許文献1)、凸版印刷による方法(特許文献2)などが提唱されている。
有機発光層の形成材料である有機発光材料は、水、アルコール系の溶剤に対する溶解性が悪く、塗工液(以下インキと記す)化するには、有機溶剤を用いて溶解、分散させる必要があり、中でも、トルエンやキシレンといった有機溶剤が好適である。したがって、有機発光材料のインキ(以下有機発光インキと記す)は有機溶剤のインキとなっている。
ところが、オフセット印刷に用いるゴムブランケットはトルエンやキシレン有機溶剤によって膨潤や変形を起こしやすいという問題がある。ブランケットに使用されるゴムの種類はオレフィン系のゴムからシリコン系のゴムまで多様であるが、いずれのゴムもトルエン、キシレンその他の溶剤に対して耐性がなく、膨潤や変形が起こりやすく、よって有機発光インキの印刷には不適当である。
また、弾性を有する凸版を使用する凸版印刷法には、ゴム製の版を用いるフレキソ印刷方式と樹脂性の版を用いる樹脂凸版方式があるが、このうち水現像タイプの樹脂凸版を用いる方式であれば、トルエン、キシレンといった有機溶剤に対する耐性も高く、有機発光インキの印刷に使用可能である。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報
一般にアクティブマトリックス方式の基板に対して凸版印刷法を用いて有機発光層を形成する場合、ラインパターンを有する樹脂凸版の凸部は、第一電極間にある隔壁をまたぐようにしてインキを連続的に供給し、印刷される。したがって、有機発光インキは、パターン化された第一電極と隔壁の両方に供給される。このような場合に、第一電極間にある隔壁上に供給されたインキが第一電極上へと流れ込むことにより、第一電極上の隔壁近傍の有機発光層の膜厚が第一電極中央の有機発光層の膜厚と比較して厚くなってしまう(図5)。また、従来の高さの隔壁で囲まれた画素に凸版印刷法により有機発光層を形成する場合には、隔壁の高さによって凸版と基板との接触が妨げられて画素ごとのインキの供給量にバラツキが発生し、画素内での発光ムラ(発光領域の偏りなど)や、画素間での発光ムラ(画素間の発光面積のバラツキ)が発生してしまうという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、異なる高さの隔壁の配置を工夫することにより画素内での発光ムラ及び混色、並びに画素間での発光ムラの無い高光学特性の有機EL素子を提供することである。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、少なくとも基板と、前記基板上に形成された第一電極と、前記第一電極上に形成された有機発光媒体層と、前記有機発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向するように設けられた第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記第一電極の端部周囲に形成された第一隔壁と、前記第一電極及び前記第一隔壁を離間して囲うように形成された第二隔壁と、前記第一隔壁と前記第二隔壁とで囲まれるインキ溜りと、を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また、請求項2に記載の発明は、前記第二隔壁の高さは前記第一隔壁の高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また、請求項3に記載の発明は、前記第一隔壁の高さが0.1μm以上0.5μm以下であり、前記第二隔壁の高さが1.0μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また、請求項4に記載の発明は、前記第二隔壁は格子状に形成され、前記第一隔壁及び前記第一電極は前記格子状の第二隔壁に囲まれる領域に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また、請求項5に記載の発明は、前記第二隔壁は複数の第一電極及び第一隔壁を囲むように形成され、該第二隔壁に囲まれる複数の第一電極上には同一材料からなる有機発光媒体層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また、請求項6に記載の発明は、基板上に第一電極を形成する工程と、前記第一電極の端部周囲に第一隔壁を形成する工程と、前記第一隔壁と離間して該第一隔壁を囲むように第二隔壁を形成し、前記第一隔壁と前記第二隔壁で囲まれたインキ溜りを形成する工程と、前記第一電極上に有機発光媒体層を形成する工程と、前記有機発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向するように第二電極を形成する工程と、からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、前記有機発光媒体層を形成する工程は、湿式成膜法であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
また、請求項7に記載の発明は、前記湿式成膜法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
本発明によれば、第一隔壁及び第二隔壁及びインキ溜りを形成したことにより、画素間での混色が無く、第一電極上の有機発光層の平坦性が向上した発光ムラのない有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法を提供することができる。
本発明の有機EL素子の構造を示す断面図。 本発明の有機EL素子の一実施例の俯瞰図。 本発明の有機EL素子の他の実施例の俯瞰図。 本発明の有機EL素子の製造に用いる凸版印刷装置の概略図。 従来の有機EL素子の構造を示す断面図。
以下に、本発明における有機EL素子について図に基づいて説明するが、これに限るものではない。
図1は本発明の有機EL素子9の図2のA−B線での断面を示した図である。本発明はパッシブマトリックス方式の有機EL素子、アクティブマトリックス方式の有機EL素子のどちらにも適用可能である。
図1に示すように、本発明の有機EL素子は、ガラス基板1の上に、第一電極2を有している。パッシブマトリックス方式の場合、この第一電極2はストライプ状のパターンを有している。アクティブマトリックス方式の場合、第一電極2は画素ごとのパターンを有している。
そして、本発明の有機EL素子は、第一電極2上であって、第一隔壁51で区画された領域(画素部)に有機発光媒体層を有している。有機発光媒体層は、有機発光層単独から構成されたものであってもよいし、有機発光層と発光補助層との積層構造から構成されたものでもよい。図1では発光補助層である正孔輸送層3と有機発光層(41、42、43)との積層構造から構成された有機発光媒体層を示している。第一電極2上に正孔輸送層3が設けられ、正孔輸送層3上に有機発光層41(赤色)、有機発光層42(緑色)、有機発光層43(青色)がそれぞれ設けられている。かつ、画素隔壁51と第二隔壁52の間にはインキ溜り44(図1の破線で囲まれる部分)が設けられている。
有機発光層上には第二電極6が配置される。パッシブマトリックス方式の場合、ストライプ状を有する第一電極2と直交する形で第二電極6はストライプ状に設けられる。アクティブマトリックス方式の場合、第二電極6は、有機EL素子全面に形成される。第二電極6上には封止樹脂7及び封止基板8が形成される。
また、図2及び図3にアクティブマトリックス方式の場合の本発明の有機EL素子を俯瞰した図を示した(第二電極6、封止樹脂7及び封止基板8は省略)。アクティブマトリックス方式の有機EL素子では第一電極2は画素毎に形成される。赤色、緑色、青色という発光色の異なる有機発光インキを用いて凸版印刷法により有機発光層を形成しようとした場合、凸版印刷法に用いられる樹脂版はストライプ状であり、第一電極間にもインキは供給される。凸版印刷法における印刷方向を矢印Yで示した。このとき、印刷方向Yに対して図2のように第一電極間に隔壁を3列設けることにより、不要なインクはインク溜り44へと流れる。
次に、本発明に係る有機EL素子の製造方法を説明する。本発明にかかる基板としては、絶縁性を有する基板であればいかなる基板も使用することができる。この基板側から光を出射するボトムエミッション方式の有機EL素子とする場合には、基板として透明なものを使用する必要がある。
例えば、ガラス基板や石英基板が使用できる。また、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシートであっても良い。また、有機発光媒体層への水分の侵入を防ぐことを目的として、上記材料のフィルムやシートに金属酸化物薄膜、金属弗化物薄膜、金属窒化物薄膜、金属酸窒化膜薄膜、あるいは高分子樹脂膜を積層したものを基板として利用してもよい。
また、これらの基板は、あらかじめ加熱処理を行うことにより、基板内部や表面に吸着した水分を極力低減することがより好ましい。また、基板上に積層される材料に応じて、密着性を向上させるために、超音波洗浄処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理などの表面処理を施してから使用することが好ましい。
また、上記の基板に薄膜トランジスタ(TFT)を形成して、アクティブマトリックス方式の有機EL素子用の基板とすることが可能である。薄膜トランジスタとしては、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
活性層は、特に限定されるものではなく、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料又はチオフエンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)等の有機半導体材料により形成することができる。
これらの活性層は、例えば、アモルファスシリコンをプラズマCVD法により積層し、イオンドーピングする方法、SiHガスを用いてLPCVD法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法、Siガスを用いてLPCVD法により、また、SiHガスを用いてPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピング法によりイオンドーピングする方法(低温プロセス)、減圧CVD法又はLPCVD法によりポリシリコンを積層し、1000℃以上で熱酸化してゲート絶縁膜を形成し、その上にnポリシリコンのゲート電極を形成し、その後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法(高温プロセス)等が挙げられる。
ゲート絶縁膜としては、通常、ゲート絶縁膜として使用されているものを用いることができ、例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiO;ポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等を用いることができる。
ゲート電極としては、通常、ゲート電極として使用されているものを用いることができ、例えば、アルミ、銅等の金属、チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属、ポリシリコン、高融点金属のシリサイド、ポリサイド等が挙げられる。
また、薄膜トランジスタは、シングルゲート構造、ダブルゲート構造、ゲート電極が3つ以上のマルチゲート構造であってもよい。また、LDD構造、オフセット構造を有していてもよい。さらに、1つの画素中に2つ以上の薄膜トランジスタが配置されていてもよい。本発明の有機EL素子は薄膜トランジスタが有機EL素子のスイッチング素子として機能するように接続されている必要があり、トランジスタのドレイン電極と有機EL素子の第一電極2が電気的に接続されている。薄膜トランジスタとドレイン電極と有機EL素子の第一電極2との接続は、平坦化膜を貫通するコンタクトホール内に形成された接続配線を介して行われる。
基板上には第一電極2が設けられる。第一電極2を陽極とした場合、その材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の金属複合酸化物や金、白金、クロムなどの金属材料を単層または積層したものをいずれも使用できる。第一電極2の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法を用いることができる。
なお、低抵抗であること、溶剤耐性があること、また、ボトムミッション方式としたときには透明性が高いことなどからITOが好ましく使用できる。ITOはスパッタ法によりガラス基板上1に形成され、フォトリソ法によりパターニングされて第一電極2となる。
第一電極2を形成後、第一電極縁部を覆うようにして第一隔壁51及び第二隔壁52が形成される。第一隔壁51及び第二隔壁52は絶縁性を有する必要があり、感光性材料等を用いることができる。感光性材料としては、ポジ型であってもネガ型であってもよく、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることができる。また、隔壁形成材料として、SiO、TiO等を用いることもできる。必要に応じて撥水剤を添加したり、プラズマやUVを照射して形成後にインクに対する撥液性を付与したりすることもできる。
隔壁形成材料が感光性材料の場合、形成材料溶液をスリットコート法やスピンコート法により全面コーティングしたあと、露光、現像といったフォトリソ法によりパターニングがおこなわれる。スピンコート法の場合、隔壁の高さは、スピンコートするときの回転数等の条件でコントロールできるが、1回のコーティングでは限界の高さがあり、それ以上高くするときは複数回スピンコートを繰り返す手法を用いる。また、隔壁形成材料がSiO、TiOの場合、スパッタリング法、CVD法といった乾式成膜法で形成可能である。隔壁のパターニングはフォトマスクを用いたフォトリソ法により行うことができる。
第一隔壁51の形状は、基板上の複数の第一電極2を画素に対応した発光領域となるよう、第一電極2の端部を覆うように形成する。そのため、図2の様に、第一隔壁51は基板上の第一電極2の数と同じ数だけ形成される。第二隔壁52の形状は、図2の様に、隣接する第一電極2の間で、第一隔壁51を覆う格子状に形成され、第一隔壁51と第二隔壁52との間は離間されており、第一隔壁上に供給されたインクが画素内に流れ込むのを防ぐインキ溜り44となっている。また、第一隔壁51及び第二隔壁の断面の形状はテーパー形状、逆テーパー形状、四角形、半円形などの形状でよい。
なお、第二隔壁52は異なる有機発光媒体層インキの混色を防ぐために設けるため、図3の様に、同じ有機発光媒体層インキを供給する第一電極2の間には第二隔壁52は形成せずに第一隔壁51のみでインキ溜り44を形成し、異なる有機発光媒体層インキを供給する第一電極2の間にのみ第二隔壁52を形成してもよい。この場合、第二隔壁52は同一の有機発光媒体層が形成される第一隔壁51を囲う長方形として形成される。
有機発光媒体層を印刷で形成する場合に、有機発光媒体層インキの混色を防止するためには第一隔壁51及び第二隔壁52の各々の高さが重要なポイントとなる。図5に示すような従来の有機EL素子では、画素間でのインキの混色を防ぐ為に隔壁を高くしており、一般的な隔壁高さは0.5μmより高く、有機発光層の平坦性に問題があった。一方、本願発明では第二隔壁52及びインキ溜りによりインキの混色を防いでいるため、第一隔壁51の高さを低くして有機発光層の平坦性を上げることができる。そのため、第一隔壁の高さとしては0.5μm以下が好ましく、画素上のインキをパターニング形成するためには0.1μm以上あればよい。
また、第二隔壁52の高さは1.0μm以上1.5μm以下の範囲が好ましい。第二隔壁52の高さは混色を防ぐためには高い方がよいが、有機発光層を凸版印刷法で形成する場合、第二隔壁の高さが1.5μmを上回ると版の凸部と基板との接触が第二隔壁52により妨げられ、版から画素へのインキの転写に不良が起こりやすくなる。また、1.0μmを下回ると、第二隔壁52を挟んで隣接するインク溜り44に供給されたインキが第二隔壁を越えて混ざり、混ざったインキが第一電極上に流れ込むことによって画素内で混色が発生するおそれがある。
インキ溜り44の幅は10μm以上15μm以下あれば隔壁上のインキが画素内に流れ込むのに十分な面積を確保でき、10μm未満では画素内に隔壁上のインキが流れ込む恐れがあり、15μmより大きいと画素の開口部がディスプレイとして用いるには小さくなってしまう。
そのため、高さの低い第一隔壁51を形成する場合にはコーティングを1回行なえば十分であるが、高さのより高い第二隔壁52を形成する場合には、コーティングを複数回行なって形成する必要がある。高さの異なる第一隔壁51及び第二隔壁52の形成方法としては、例えば、第一隔壁51と第二隔壁52となる部分をコーティングし、第一隔壁51となる部位のみ露光・硬化し、その上に第二隔壁52となる部分をコーティングして第二隔壁52となる部位を露光・硬化した後、現像して高さの異なる第一隔壁51と第二隔壁52を形成することができる。なお、第一隔壁51が0.1μm以上0.5μm以下、第二隔壁52の高さが1.0μm以上1.5μm以下の高さに形成できる方法であれば、上記の方法に限るものではない。
次に、有機発光媒体層を形成する。有機発光媒体層は、有機発光層41、42、43単独から構成されたものでもよいし、有機発光層41、42、43と正孔輸送層3、その他正孔注入層、電子輸送層、電子注入層といった発光を補助するための発光補助層との積層構造としてもよい。なお、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層は必要に応じて適宜選択される。
有機発光層41、42、43は電流を流すことにより発光する層である。有機発光層41、42、43の形成する有機発光材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラートシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレンなどの低分子系発光材料が使用できる。
また、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポリフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光対等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料を、高分子中に分散させたものが使用できる。高分子としてはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等が使用できる。
また、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt3)ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)などの高分子発光材料であってもよい。PPV前駆体、PNV前駆体、PPP前駆体などの高分子前駆体が挙げられる。また、これら高分子材料に前記低分子発光材料の分散又は共重合した材料や、その他既存の発光材料を用いることもできる。
また、正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料としては、銅フタロシアニンやその誘導体、1,1−ビス(4−ジーp−トリアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニルーN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニルー4,4’−ジアミンなどの芳香族アミンなどの低分子材料、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOT)や、PEDOTとポリスチレンスルホン酸(以下、PSS)との混合物(PEDOT/PSS)などの高分子材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、CuO、Mn、NiO、AgO、MoO、ZnO、TiO、Ta、MoO、WO、MoOどの無機材料化合物などが挙げられる。
また、電子輸送層の材料としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等を用いることができる。
有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メチル−(t−ブチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、ペンチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、1,3,5−トリ−イソプロピルベンゼン等を単独又は混合して用いることができる。また、有機発光インキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
正孔輸送材料、電子輸送材料を溶解または分散させる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独またはこれらの混合溶剤などが挙げられる。特に、正孔輸送材料をインキ化する場合には水またはアルコール類が好適である。
有機発光媒体層は湿式成膜法により形成される。湿式成膜法としては、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、吐出コート法、プレコート法、ロールコート法、バーコート法等の塗布法と、凸版印刷法、インクジェット印刷法、オフセット印刷法、グラビア印刷法等の印刷法が挙げられる。特に、有機発光層41、42、43を形成する場合、印刷法によって画素部に選択的に適用することができる。このため、各画素に、互いに異なる色彩に発光する発光層を印刷して、カラー表示のできる有機EL素子を製造することが可能となる。
なお、有機発光媒体層が積層構造から構成される場合にはその各層の全てを湿式成膜法により形成する必要はなく、特に積層構造の一部が無機材料からなる場合などは、公知の乾式成膜法により形成することができ、真空蒸着法やスパッタリング法などが挙げられる。
有機発光層41、42、43の形成方法は凸版印刷法によって特に好適に形成される。凸版印刷法の場合には、版の凸部と基板が直接的に接するようにしてインキが転移されるため、凸部と基板が接し易いように隔壁は低くすることが望ましい。本発明の有機EL素子を凸版印刷法により製造する場合、用いる凸版は水現像タイプの樹脂凸版を用いることが好ましく、樹脂凸版を構成する水現像タイプの感光性樹脂としては、例えば親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマーいわゆる架橋性モノマー及び光重合開始剤を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは、親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が用いられる。また、架橋性モノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類が挙げられ、光重合開始剤としては例えば芳香族カルボニル化合物が挙げられる。中でも、印刷適性の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が好適である。
有機発光層41、42、43の形成に用いる印刷装置は、平板に印刷する方式の凸版印刷装置であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷装置が望ましい。図4に本発明の有機EL素子の製造に用いる凸版印刷装置の概略図を示した。この印刷装置は、インクタンク10とインキチャンバー11とアニロックスロール12と樹脂凸版13を取り付けした版胴14を有している。インクタンク10には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー11にはインクタンク10より有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール12は、インキチャンバー11のインキ供給部及び版胴14に接して回転するようになっている。
アニロックスロール12の回転にともない、インキチャンバー11から供給された有機発光インキはアニロクスロール12表面に均一に保持されたあと、版胴14に取り付けされた樹脂凸版13の凸部に均一な膜厚で転移する。さらに、被印刷基板15は摺動可能な基板固定台上に固定され、版のパターンと基板のパターンの位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴14の回転に合わせて樹脂凸版13の凸部が基板に接しながらさらに移動し、ステージ16上にある被印刷基板15の所定位置にパターニングしてインキを転移する。
次に、第二電極6を形成する。第二電極6を陰極とした場合その材料としては電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg、AL、Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li、LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いる。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数の低いLi、Mg、Ca、Sr、La、Ce、Er、Eu、Sc、Y、Yb等の金属1種以上と、安定なAg、Al、Cu等の金属元素との合金系が用いられる。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。また、トップエミッション方式の有機EL素子とする場合は、陰極は透明性を有する必要があり、例えば、これら金属とITO等の透明導電層の組み合わせによる透明化が可能となる。
第二電極6の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法を用いることができる。厚さは10nm〜1μm程度が望ましい。なお、本発明では第一の電極を陰極、第二の電極を陽極とすることも可能である。
有機発光材料は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため、基板1は封止樹脂7を介して封止基板8により封止される。封止樹脂7は封止基板8上に形成することが好ましいが、直接基板1上に形成することもできる。
封止基板8としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、耐湿性フィルムなどを挙げることができるが、本発明ではこれらに限定されるわけではない。
耐湿性フィルムとしては、プラスチック基材の片面又は両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤とを塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/mday以下であることが好ましい。
封止樹脂7の材料としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができるが、本発明ではこれらに限定されるわけではない。
封止樹脂7を封止基板8の上に形成する方法としては、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止基板に形成する封止樹脂16の厚みは、封止する有機ELディスプレイの大きさや形状により任意に決定されるが、5μm〜500μm程度が望ましい。
最後に、基板1と封止基板8との貼り合わせを行う。封止樹脂7に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。封止樹脂7に熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。封止樹脂7に光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。
封止樹脂7を介して基板1と封止基板8とを貼り合わせる工程は、封止樹脂7中に有機ELディスプレイの劣化の原因となる酸素や水分が含まれないように真空中、又は不活性ガス雰囲気中で行なう。不活性ガスを用いる場合は、アルゴンなどの希ガスを用いることもできるが、取り扱い易さや経済的な理由から窒素が好適に用いられる。
次に、本発明を実施例に従って説明するが、これに限るものではない。
(実施例1)
薄膜トランジスタがスイッチング素子として機能するために平坦化膜に作製されたコンタクトホールを介して第一電極2と接続されるように形成されたトップエミッション用バックプレーンを用い、画素数240×320ドットでサブピクセル数720×320ドットとした。そして、120μm×360μmピッチでサブピクセル間スペースは縦40μm、横100μmとなるようにクロム(Cr)をスパッタリング法によりパターン形成し、第一電極2とした。
次に、ポジ型の感光性材料であるTELRシリーズ(東京応化社製)をスピンコート法にて有効面全面に塗布した。そして、10秒間露光して現像処理を行い図2に示したような配置を有する第一隔壁51を複数形成した。得られた隔壁の高さは0.5μmであった。各第一隔壁51において第一電極2との重なり部分の幅は5μmであり、第一電極2のエッジを被覆し、第一電極2の4辺を囲むようにしてある。さらに同様の手法を繰り返して第二隔壁52を高さが1.0μmと成るように形成した。また、第一隔壁51と第二隔壁52とで囲まれるインク溜り44の幅は10μmである。
次に、第一電極2上に正孔輸送層3として、厚さ0.1μmのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸の混合物(以下PEDOT/PSSという)を水に分散させ、スピンコート法により成膜した。
次に、赤色、緑色、青色の発光色を有する有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体らを、水現像タイプの感光性樹脂凸版を用いた凸版印刷法で各色についておこない、有機発光層41、42、43を形成した。このとき、150線/インチのアニロックスロールを使用して、得られた有機発光層41、42、43の膜厚は80nmであった。
次に、第二電極6として真空蒸着法でBaを5nm、その上にAlを20nm成膜した。その後スパッタリング法をもちいてITO膜を成膜し、大気暴露することなく露点−80度、酸素濃度1ppmの窒素下で熱硬化型接着剤を用いてガラス板をはりつけることによって封止をおこない、有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子に対し、パネルの点灯表示確認をおこない、発光状態のチェックをしたところ、画素内での発光域の偏りおよび画素間での輝度差が異なるといった発光ムラはもとより混色も確認されなかった。このとき画素面積を100%として発光面積割合は93%であった。
(比較例1)
<第一隔壁が高い場合>
実施例1と同様に薄膜トランジスタを形成の後に、第一隔壁パターンを高さ1.5μm、縦の隔壁幅を10μm、横の隔壁幅を10μmとし、第一電極2との重なり部分は5μmとし、第一電極2間に1列ずつの格子状パターンを有する隔壁を形成した。その後の工程は実施例1と同様に行い、有機EL素子を製造した。得られた有機EL素子に対し、パネルの表示確認をおこない、発光状態のチェックをしたところ、一部の有機発光層41からなる画素内において、電極中央の膜厚と比較して隔壁近傍の膜厚が高くなっていることにより平坦性が悪く、発光域の偏りに由来する発光ムラが確認された。このとき画素面積を100%として発光面積割合は33%であった。
(比較例2)
<第二隔壁が無い場合>
実施例1と同様に薄膜トランジスタを形成の後に、第一隔壁パターンを高さ0.5μm、縦の隔壁幅を10um、横の隔壁幅を10umとし、第一電極2との重なり部分は5μmとし、第一電極2間に1列ずつの格子状パターンを有する隔壁を形成した。その後の工程は実施例1と同様に行い、有機EL素子を製造した。得られた有機EL素子に対し、パネルの表示確認をおこない、発光状態のチェックをしたところ、一部の有機発光層41からなる画素内において、発光域の偏りといった異常は見られなかったが、混色という色ムラ異常が発生してしまった。
(比較例3)
<第二隔壁が低い場合>
実施例1と同様に薄膜トランジスタを形成の後に、第一隔壁パターンを高さ0.5μm、縦の隔壁幅を10μm、横の隔壁幅を10μmとし、第一電極2との重なり部分は5μmとし、第一電極2間に1列ずつの格子状パターンを有する隔壁を形成した。さらに第一隔壁と同様の手法・条件にて第二隔壁52を作成した。このとき第二隔壁52の高さは0.8μmであり、縦の隔壁幅は10μmである。また、横の隔壁幅は10μmであった。この結果インク溜り44として幅10μmを設けた。その後の工程は実施例1と同様に行い、有機EL素子を製造した。得られた有機EL素子に対し、パネルの表示確認をおこない、発光状態のチェックをしたところ、一部の有機発光層41からなる画素内において、混色という色ムラ異常が発生してしまった。
(比較例4)
<第二隔壁が高い場合>
実施例1と同様に薄膜トランジスタを形成の後に、第一隔壁パターンを高さ0.5μm、縦の隔壁幅を10μm、横の隔壁幅を10μmとし、第一電極2との重なり部分は5μmとし、第一電極2間に1列ずつの格子状パターンを有する隔壁を形成した。さらに第一隔壁と同様の手法・条件にて第二隔壁52を作成した。このとき第二隔壁52の高さは1.6μmであり、縦の隔壁幅は10μmである。また、横の隔壁幅は10μmであった。この結果インク溜り44として幅10μmを設けた。その後の工程は実施例1と同様に行い、有機EL素子を製造した。得られた有機EL素子に対し、パネルの表示確認をおこない、発光状態のチェックをしたところ、一部の有機発光層41からなる画素内において、第二隔壁が高すぎることに起因するインキの転写不良が起こり画素の抜けが確認された。
本発明によれば、第一電極間に第二隔壁を有することにより混色を防ぎかつ第一電極縁部上の隔壁に囲まれた有機発光層の平坦性を向上することで、画素内での発光ムラ及び混色の無い、画素間での発光ムラの無い高光学特性を有する有機EL素子を得ることができる。
1・・・基板
2・・・第一電極
3・・・正孔輸送層
41・・・赤色有機発光層
42・・・緑色有機発光層
43・・・青色有機発光層
44・・・インク溜り
51・・・第一隔壁
52・・・第二隔壁
6・・・第二電極
7・・・封止樹脂
8・・・封止基板
9・・・有機EL素子
10・・・インクタンク
11・・・インキチャンバー
12・・・アニロックスロール
13・・・樹脂凸版
14・・・版胴
15・・・被印刷基板
16・・・ステージ

Claims (7)

  1. 少なくとも基板と、前記基板上に形成された第一電極と、前記第一電極上に形成された有機発光媒体層と、前記有機発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向するように設けられた第二電極とを具備する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記第一電極の端部周囲に形成された第一隔壁と、前記第一電極及び前記第一隔壁を離間して囲うように形成された第二隔壁と、前記第一隔壁と前記第二隔壁とで囲まれるインキ溜りと、を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記第二隔壁の高さは前記第一隔壁の高さよりも高いことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記第一隔壁の高さが0.1μm以上0.5μm以下であり、前記第二隔壁の高さが1.0μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記第二隔壁は格子状に形成され、前記第一隔壁及び前記第一電極は前記格子状の第二隔壁に囲まれる領域に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記第二隔壁は複数の第一電極及び第一隔壁を囲むように形成され、該第二隔壁に囲まれる複数の第一電極上には同一材料からなる有機発光媒体層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 基板上に第一電極を形成する工程と、
    前記第一電極の端部周囲に第一隔壁を形成する工程と、
    前記第一隔壁と離間して該第一隔壁を囲むように第二隔壁を形成し、前記第一隔壁と前記第二隔壁で囲まれたインキ溜りを形成する工程と、
    前記第一電極上に有機発光媒体層を形成する工程と、
    前記有機発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向するように第二電極を形成する工程と、
    からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記有機発光媒体層を形成する工程は、湿式成膜法であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  7. 前記湿式成膜法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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