JP2011168788A - 水性感圧接着剤組成物とその利用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る水性感圧接着剤組成物は、アルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとしアクリル酸およびメタクリル酸を共に含むモノマー原料を重合してなるアクリル系ポリマーを主体とする。該アクリル系ポリマーのTHF可溶分の質量平均分子量は65×104〜100×104であることが好ましい。上記モノマー原料は、シラノール基形成性モノマーを含み且つ該モノマーを除いた組成で重合された場合に酢酸エチル不溶分の質量割合が7%〜17%のポリマーを与えるモノマー原料であることが好ましい。架橋後の感圧接着剤に占める酢酸エチル不溶分の質量割合は20%〜55%であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
このようにアクリル酸(AA)とメタクリル酸(MAA)とを共に含む組成のモノマー原料を用いて得られた粘着剤組成物は、例えば該モノマー原料中のMAAを同量のAAに置き換えた組成のモノマー原料を用いて得られた粘着剤組成物に比べて、より良好なフォーム耐反撥性を示すものであり得る。また、AAとMAAとを共に含む組成のモノマー原料を用いて得られた粘着剤組成物は、例えば該モノマー原料中のAAを同量のMAAに置き換えた組成のモノマー原料を用いて得られた粘着剤組成物に比べて、より良好なフォーム耐反撥性を示すものであり得る。
アルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとしAAおよびMAAのいずれか一方のみ(例えばAAのみ)とシラノール基形成性モノマーとを含む組成のモノマー原料を重合(典型的にはエマルジョン重合)してなるアクリル系ポリマーを主体とし、且つ上記Mw,GaおよびGbを満たす粘着剤組成物によると、接着性(剥離強度等)、高温環境下における凝集性(高温凝集性)および後述する端末剥がれ防止性の3つの特性を高度なレベルでバランス良く発揮する高性能な粘着剤(典型的には粘着剤層)が形成され得る。かかる粘着剤組成物に対し、モノマー原料がAAおよびMAAを共に含む上記本発明の構成を適用することにより、これら3つの特性を高レベルに維持しつつフォーム耐反撥性がより改善された、さらに高性能な粘着剤(典型的には粘着剤層)が形成され得る。
CH2=C(R1)COOR2 ・・・(1);
で表される化合物から選択される一種または二種以上であり得る。ここで、上記式(1)中のR1は水素原子またはメチル基である。また、該式(1)中のR2は炭素原子数1〜20のアルキル基である。上記R2の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基等が挙げられる。これらのうち炭素原子数が2〜14(以下、このような炭素原子数の範囲を「C2-14」と表すことがある。)のアルキル基が好ましく、C2-10のアルキル基(例えばブチル基、2−エチルヘキシル基等)がより好ましい。
上記「その他のモノマー」として採用し得るモノマーとして、例えば、以下のような各種官能基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「官能基含有モノマー」ということもある。)が挙げられる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ビニルアルコール、アリルアルコール、N−メチロールアクリルアミド;等の、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体。
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体。
AAおよびMAA以外の、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体。例えば、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸およびその無水物;等。
上記質量平均分子量(Mw)は、次の方法により測定される。
測定サンプルとしてのアクリル系ポリマーを室温(典型的には23℃)にてTHFに7日間浸漬してTHF可溶分を溶出させる。その後、THF不溶分を濾別し、その濾液を必要に応じて濃縮または希釈して(いったん乾燥させた後、THFに再溶解させてもよい。)、THF可溶分を適当な濃度(例えば凡そ0.1〜0.3質量%程度。後述する実施例では0.2質量%とした。)で含むTHF溶液を調製する。このTHF溶液を平均孔径0.45μmのフィルターで濾過した濾液(分子量測定用の試料溶液)につき、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)装置により標準ポリスチレン基準の質量平均分子量を求め、その値をTHF可溶分の質量平均分子量(Mw)とする。GPC装置としては、例えば、東ソー株式会社から入手可能な機種名「HLC−8120GPC」(カラム:TSKgel GMH−H(S))を用いることができる。上記測定に使用する測定サンプルとしては、例えば、上記アクリル系ポリマーの水性エマルジョンを130℃で2時間乾燥させたものを用いるとよい。
上記「指標ポリマーのゲル分率(Ga)」は、次の方法により測定される。
測定サンプルとしての指標ポリマー約0.1g(質量:Wa1mg)を、平均孔径0.2μmのテトラフルオロエチレン樹脂製多孔質膜(質量:Wa2mg)で巾着状に包み、口を凧糸(質量:Wa3mg)で縛る。この包みを容量50mLのスクリュー管に入れ(1個の包みにつきスクリュー管1本を使用する。)、該スクリュー管に酢酸エチルを満たす。これを室温(典型的には23℃)で7日間放置した後、上記包みを取り出して130℃で2時間乾燥させ、該包みの質量(Wa4mg)を測定する。該ポリマーのゲル分率(Ga)は、各値を以下の式:
Ga[%]=[(Wa4−Wa2−Wa3)/Wa1]×100;
に代入することにより求められる。
上記「粘着剤のゲル分率(Gb)」は、次の方法により測定される。
剥離ライナー上に粘着剤組成物を付与(典型的には塗布)する。これを100℃で2分間乾燥させて上記剥離ライナー上に厚み約50μm〜100μmの粘着剤層を形成し、さらにこれを50℃の環境下に3日間保存する。その後、該粘着剤層から約0.1g(質量:Wb1mg)の粘着剤サンプルを採取し、それを平均孔径0.2μmのテトラフルオロエチレン樹脂製多孔質膜(質量:Wb2mg)で巾着状に包み、口を凧糸(質量:Wb3mg)で縛る。この包みを容量50mLのスクリュー管に入れ(1個の包みにつきスクリュー管1本を使用する。)、該スクリュー管に酢酸エチルを満たす。これを室温(典型的には23℃)で7日間放置した後、上記包みを取り出して130℃で2時間乾燥させ、該包みの質量(Wb4mg)を測定する。粘着剤のゲル分率(Gb)は、各値を以下の式:
Gb[%]=[(Wb4−Wb2−Wb3)/Wb1]×100;
に代入することにより求められる。
測定サンプルとしてのアクリル系ポリマー約0.1g(質量:Wc1mg)を、平均孔径0.2μmのテトラフルオロエチレン樹脂製多孔質膜(質量:Wc2mg)で巾着状に包み、口を凧糸(質量:Wc3mg)で縛る。この包みを容量50mLのスクリュー管に入れ(1個の包みにつきスクリュー管1本を使用する。)、該スクリュー管に酢酸エチルを満たす。これを室温(典型的には23℃)で7日間放置した後、上記包みを取り出して130℃で2時間乾燥させ、該包みの質量(Wc4mg)を測定する。アクリル系ポリマーのゲル分率(Gc)は、各値を以下の式:
Gc[%]=[(Wc4−Wc2−Wc3)/Wc1]×100;
に代入することにより求められる。
かかる粘着付与剤は、典型的には、アクリル系ポリマーの水性エマルジョンに添加して用いられる。粘着付与剤の添加態様は特に限定されない。通常は、該粘着付与剤が水に分散された水分散液(粘着付与剤エマルジョン)の形態で添加することが適当である。
このようなポリマー成分は、例えば、該ポリマー成分が水に分散したエマルジョンの形態で、上記アクリル系ポリマーの水性エマルジョンに配合して用いられ得る。該ポリマー成分の含有量(配合割合)は、不揮発分(固形分)基準で、アクリル系ポリマー100質量部に対して通常は凡そ50質量部以下(例えば凡そ5〜50質量部)とすることが適当である。かかるポリマー成分の配合割合を5質量部以下としてもよく、該ポリマー成分を実質的に含有しない組成の粘着剤組成物であってもよい。
図3,図4は、基材レスの粘着テープの構成例である。図3に示す粘着シート13は、基材レスの粘着剤層2の両面が、少なくとも該粘着剤層側が剥離面となっている剥離ライナー3によってそれぞれ保護された構成を有する。図4に示す粘着シート14は、基材レスの粘着剤層2の一面が、両面が剥離面となっている剥離ライナー3により保護された構成を有し、これを巻回すると粘着剤層2の他面が剥離ライナー3に当接して該他面もまた剥離ライナー3で保護された構成とできるようになっている。
図5,図6は、片面粘着タイプの基材付き粘着シートの構成例である。図5に示す粘着シート15は、基材1の片面に粘着剤層2が設けられ、その粘着剤層2の表面(接着面)が、少なくとも該粘着剤層側が剥離面となっている剥離ライナー3によって保護された構成を有する。図6に示す粘着シート16は、基材1の一面に粘着剤層2が設けられた構成を有する。その基材1の他面は剥離面となっており、粘着シート16を巻回すると該他面に粘着剤層2が当接して該粘着剤層の表面(接着面)が基材1の他面で保護された構成とできるようになっている。
[GPC測定条件]
試料溶液注入量:10μL(濃度0.2質量%のTHF溶液)
溶離液:THF
流速:0.6mL/分
測定温度:40℃
カラム:TSKgel GMH−H(S)
検出器:示差屈折計
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機を備えた反応容器に、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(和光純薬工業株式会社から入手可能な商品名「VA−057」を使用した。)0.1部およびイオン交換水35部を投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。これを60℃に保ち、ここにブチルアクリレート30部、2−エチルヘキシルアクリレート70部、アクリル酸(AA)4部、シラノール基形成性モノマーとしての3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社から入手可能な商品名「KBM−503」を使用した。)0.02部、ドデカンチオール(連鎖移動剤)0.033部およびポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(乳化剤)2部をイオン交換水40部に添加して乳化したもの(すなわち、モノマー原料のエマルジョン)を3時間かけて徐々に滴下して乳化重合反応を進行させた。モノマー原料エマルジョンの滴下終了後、さらに3時間同温度に保持して熟成させた。これに10%アンモニウム水を添加して液性をpH7.5に調整した。このようにして、アクリル系ポリマーの水分散液(エマルジョン)を得た。以下、このアクリル系ポリマーエマルジョンを「エマルジョンe1」ということがある。このエマルジョンe1を構成するアクリル系ポリマーにつき、上記のようにして質量平均分子量(Mw)および酢酸エチル不溶分の質量割合(ゲル分率)(Gc)を測定した。
例1で使用したモノマー原料において、AA4部に代えて、AA3部およびMAA1部を使用した。その他の点については例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe2」ともいう。)を得た。上記エマルジョンe2に対し、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例2に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
AA4部に代えてAA2部およびMAA2部を使用した点以外は例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe3」ともいう。)を得た。上記エマルジョンe3に、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例3に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
AA4部に代えてAA1部およびMAA3部を使用した点以外は例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe4」ともいう。)を得た。上記エマルジョンe4に、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例4に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
両面粘着シートの一面を覆う剥離ライナーを剥がして粘着剤層を露出させ、これを厚さ25μmのPETフィルムに貼り付けて裏打ちした。この裏打ちされた粘着シートを幅20mm、長さ100mmのサイズにカットして試験片を作製した。上記試験片の他面から剥離ライナーを剥がし、該試験片を被着体としてのSUS304ステンレス板に、2kgのローラを1往復させる方法で圧着した。これを23℃に30分間放置した後、JIS Z0237に準じ、温度23℃、相対湿度50%の測定環境下、引張試験機を使用して引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件で剥離強度(N/20mm幅)を測定した。
両面粘着シートの一面を覆う剥離ライナーを剥がして粘着剤層を露出させ、これを厚さ25μmのPETフィルムに貼り付けて裏打ちした。この裏打ちされた粘着シートを幅10mm、長さ100mmのサイズにカットして試験片を作製した。上記試験片の他面から剥離ライナーを剥がし、該試験片を被着体としてのベークライト板に、幅10mm、長さ20mmの接着面積にて、2kgのローラを1往復させる方法で圧着した。このベークライト板を80℃の環境下に垂下して30分間放置した後、試験片の自由端に500gの荷重を付与し、JIS Z0237に準じて、該荷重が付与された状態で80℃の環境下に1時間放置した後における試験片のずれの大きさ(距離)を測定した。
両面粘着シートの一面を覆う剥離ライナーを剥がして粘着剤層を露出させ、これを厚さ0.5mm、幅10mm、長さ90mmのアルミニウム板に貼り合わせて試験片を作製した。その試験片の長手方向をφ50mmの丸棒に沿わせて弧状に曲げた後、該試験片の他面から剥離ライナーを剥がし、ラミネータを用いてポリプロピレン板に圧着した。これを23℃の環境下に24時間放置し、次いで70℃で2時間加温した後に、ポリプロピレン板表面から浮きあがった試験片端部の高さ(mm)を測定した。
両面粘着シートの一面を覆う剥離ライナーを剥がして粘着剤層を露出させて厚さ10mmのウレタンフォーム(イノアック株式会社から入手可能な商品名「ECSフォーム」)にハンドローラーで貼り合わせ、これを幅10mm、長さ50mmに裁断して試験片を作製した。該試験片の他面から剥離ライナーを剥がして粘着剤層を露出させ、厚さ2mmのアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂板(ABS板)の一方の面に上記試験片を、幅10mm、長さ10mmの接着面積となるように、2kgのローラーを一往復させて圧着した。次いで、該試験片の残りの部分(幅10mm、長さ40mm)をABS板の他方の面に折り曲げて貼り合わせた。これを23℃の環境下に24時間放置し、さらに70℃の環境下に2時間放置した後に、上記一方の面側(接着面積が幅10mm、長さ10mmの側)において、ABS板から浮き上がった試験片の端部の高さ(mm)を測定した。
例4と同じ組成のモノマー原料を使用し、ただし例4では該モノマー原料のエマルジョンを3時間かけて滴下したところ、本例では該エマルジョンを4時間かけて滴下した。その他の点については例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe5」ともいう。)を得た。このエマルジョe50に、例1と同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例5に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
AA4部に代えてAA2部およびMAA3部を使用した点以外は例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe6」ともいう。)を得た。このエマルジョンe6に、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例6に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
AA4部に代えてAA3部およびMAA3部を使用した点以外は例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe7」ともいう。)を得た。このエマルジョンe7に、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例7に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
表4に示されるように、AAとMAAとの合計量が5部以上ではフォーム反撥性が低下傾向となる場合があった。また、モノマー原料に含まれるAAの量を4部から2部に変更した点以外は例1と同様にして作製した粘着シートは、例1に係る粘着シートに比べて高温凝集性が低いことが確認された。これらの結果は、アルキル(メタ)アクリレート100部に対してAAおよびMAAを合計で3部〜4.5部程度含有するモノマー原料の使用が特に好ましいことを示すものである。
例1と同じ組成のモノマー原料を使用し、例1と同様にしてアクリル系ポリマーのエマルジョン(以下、「エマルジョンe8」ともいう。)を得た。このエマルジョンe8に、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例8に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
例1で使用したモノマー原料において3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの使用量を0.015部に変更し、ドデカンチオールの使用量を0.03部に変更した。その他の点については例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe9」ということがある。)を得た。このエマルジョンe9に、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例9に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
例1と同じ組成のモノマー原料を使用し、ただし例1では該モノマー原料のエマルジョンを3時間かけて滴下したところ、本例では該エマルジョンを4時間かけて滴下した。その他の点については例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe10」ということがある。)を得た。このエマルジョンe10に、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例10に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により基材レスの粘着シートおよび両面粘着シートを作製した。
例1で使用したモノマー原料において3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの使用量を0.04部に変更し、ドデカンチオールの使用量を0.036部に変更した。その他の点については例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe11」ということがある。)を得た。このエマルジョンe11に、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例11に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
例1で使用したモノマー原料において3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランの使用量を0.06部に変更し、ドデカンチオールの使用量を0.036部に変更した。その他の点については例1と同様にしてアクリル系ポリマーエマルジョン(以下、「エマルジョンe12」ということがある。)を得た。このエマルジョンe12に、例1で用いたものと同じ粘着付与剤エマルジョンを同割合で添加して、例12に係る粘着剤組成物を得た。該組成物を用いて例1と同様の手法により両面粘着シートを作製した。
これに対して、例11,12に係る粘着シートは、剥離強度および高温凝集性は例8〜10と概ね同程度であるが、端末剥がれ防止性が大きく劣るものであった。すなわち、例8〜10に係る粘着シートに比べて上記3特性(接着性、高温凝集性および端末剥がれ防止性)のバランスに欠けるものであった。
すなわち、例8に係る粘着シートを作製から7日間70℃の環境下に保存した後、上記と同様にしてゲル分率(Gb)、剥離強度測定、高温凝集性試験および端末剥がれ性試験を行った。その結果、剥離強度、高温凝集性および端末剥がれ防止性のいずれについても表5に示される結果(3日間50℃の環境下に保存した粘着シートを用いた評価結果)と同程度の性能が維持されており、またGbの低下も認められなかった。
2:粘着剤層
3:剥離ライナー
11,12,13,14,15,16:粘着シート
Claims (5)
- アクリル系ポリマーを主体とし、該アクリル系ポリマーが水に分散している水性感圧接着剤組成物であって、
前記アクリル系ポリマーはアルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとするモノマー原料を重合してなり、
前記モノマー原料はアクリル酸およびメタクリル酸を含むことを特徴とする、水性感圧接着剤組成物。 - 前記モノマー原料に含まれるアクリル酸とメタクリル酸との質量比(AA:MAA)が1:10〜10:1である、請求項1に記載の組成物。
- 以下の条件:
前記アクリル系ポリマーのテトラヒドロフラン可溶分の質量平均分子量が65×104〜100×104である;
前記モノマー原料はシラノール基形成性モノマーを含む;
前記モノマー原料は、該モノマー原料から前記シラノール基形成性モノマーを除いた組成で重合された場合において酢酸エチル不溶分の質量割合が7〜17%のポリマーを与えるモノマー原料である;および、
前記感圧接着剤組成物から形成される架橋後の感圧接着剤に占める酢酸エチル不溶分の質量割合が20〜55%である;
をいずれも満たす、請求項1または2に記載の組成物。 - 前記アクリル系ポリマー100質量部に対して5〜40質量部の粘着付与剤をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の水性感圧接着剤組成物を用いて形成された感圧接着剤層を備える、感圧接着シート。
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