JP2011168735A - 放射線硬化型インク組成物、ならびにインクジェット記録方法および記録物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)5質量%以上15質量%以下のN−ビニルカプロラクタムと、(B)70質量%以上90質量%以下のアクリル酸エステルモノマーと、(C)前記N−ビニルカプロラクタムの含有量に対して2000ppm以上7000ppm以下のp−ベンゾキノンおよびその誘導体から選択される少なくとも1種と、(D)前記アクリル酸エステルモノマーの含有量に対して500ppm以上2500ppm以下のハイドロキノンモノメチルエーテルと、を含有することを特徴とする放射線硬化型インク組成物。
【選択図】なし
Description
本発明に係る放射線硬化型インク組成物の一態様は、
(A)5質量%以上15質量%以下のN−ビニルカプロラクタムと、
(B)70質量%以上90質量%以下のアクリル酸エステルモノマーと、
(C)前記N−ビニルカプロラクタムの含有量に対して2000ppm以上7000ppm以下のp−ベンゾキノンおよびその誘導体から選択される少なくとも1種と、
(D)前記アクリル酸エステルモノマーの含有量に対して500ppm以上2500ppm以下のハイドロキノンモノメチルエーテルと、
を含有することを特徴とする。
適用例1において、
前記(C)p−ベンゾキノン誘導体は、メチル−p−ベンゾキノンまたは2−tert−ブチル−p−ベンゾキノンであることができる。
適用例1または適用例2において、
前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、20質量%以上50質量%以下のフェノキシエチルアクリレートを含有することができる。
適用例1ないし適用例3のいずれか一例において、
前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、35質量%以上65質量%以下の脂環式構造を有する単官能アクリレートを含有することができる。
適用例4において、
前記脂環式構造を有する単官能アクリレートは、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、およびジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートから選択される少なくとも1種であることができる。
適用例1ないし適用例5のいずれか一例において、
前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、1質量%以上15質量%以下の脂環式構造を有する多官能アクリレートを含有することができる。
適用例6において、
前記脂環式構造を有する多官能アクリレートは、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートであることができる。
適用例1ないし適用例7のいずれか一例において、
前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、1質量%以上5質量%以下のアミノアクリレートを含有することができる。
適用例1ないし適用例8のいずれか一例において、
測定温度20℃における粘度が10mPa・s以上40mPa・s以下であり、かつ、測定温度20℃における表面張力が20mN/m以上30mN/m以下であることができる。
本発明に係るインクジェット記録方法の一態様は、
(a)記録媒体上に適用例1ないし適用例9のいずれか一例に記載の放射線硬化型インク組成物を吐出する工程と、
(b)吐出された放射線硬化型インク組成物に対して、活性放射線光源から350nm以上430nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する活性放射線を照射する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明に係る記録物の一態様は、
適用例10に記載のインクジェット記録方法によって記録されたことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る放射線硬化型インク組成物は、(A)5質量%以上15質量%以下のN−ビニルカプロラクタムと、(B)70質量%以上90質量%以下のアクリル酸エステルモノマーと、(C)前記N−ビニルカプロラクタムの含有量に対して2000ppm以上7000ppm以下のp−ベンゾキノンおよびその誘導体から選択される少なくとも1種と、(D)前記アクリル酸エステルモノマーの含有量に対して500ppm以上2500ppm以下のハイドロキノンモノメチルエーテルと、を含有することを特徴とする。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、(A)N−ビニルカプロラクタムを含有する。本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、反応成分中に(A)N−ビニルカプロラクタムを含有することにより、記録媒体とその上に記録した画像との密着性を向上させることができる。また、(A)N−ビニルカプロラクタムは、良好な硬化性を有しており、他の重合性モノマーに対する希釈性も良好であり、(B)アクリル酸エステルモノマーが有する機能を阻害することがない。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、重合性モノマーとして(A)N−ビニルカプロラクタムに加え、(B)アクリル酸エステルモノマーを含有する。(B)アクリル酸エステルモノマーの含有量は、放射線硬化型インク組成物の全質量を100質量%とした場合、70質量%以上90質量%以下であり、好ましくは75質量%以上85質量%以下である。(B)アクリル酸エステルモノマーは、主成分となる重合性モノマーであり、その種類によって記録媒体上に記録した記録物に様々な機能を付与することができる。(B)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば以下に示す化合物が挙げられる。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、フェノキシエチルアクリレートを含有することが好ましい。本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、フェノキシエチルアクリレートを含有することにより、記録媒体上に記録された画像の柔軟性や伸張耐久性を向上させることができる。また、フェノキシエチルアクリレートは、良好な硬化性を有しており、他の重合性モノマーに対する希釈性も良好であるため、非常に使いやすいという特徴を有している。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、脂環式構造を有する単官能アクリレートを含有することが好ましい。本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、脂環式構造を有する単官能アクリレートの含有量を適宜増減することにより、放射線硬化型インク組成物の粘性をインクジェット記録方式に適した低い値(20℃/10mPa・s以上40mPa・s以下)に調節することができる。単官能アクリレートは、総じて粘度が低いからである。さらに嵩高い脂環式構造を有することで、記録媒体の上に記録した画像に強靱性を付与することができ、これにより耐擦性を向上させることもできる。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、脂環式構造を有する多官能アクリレートを含有することが好ましい。このような多官能アクリレートは、通常架橋剤として機能して光重合による硬化時間を短縮することができ、さらに多官能アクリレートが脂環式構造のような嵩高い構造を有することで、形成されるポリマーの強度を向上させることもできる。すなわち、本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、脂環式構造を有する多官能アクリレートを含有することにより、記録媒体上に記録した画像に強靱性を付与することができ、これにより耐擦性を向上させることができる。また、脂環式構造を有する多官能アクリレートは、他の重合性モノマーに対する希釈性も良好であり、N−ビニルカプロラクタムや他のアクリル酸エステルモノマーが有する機能を阻害することがない。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、アミノアクリレートを含有することが好ましい。本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、アミノアクリレートを含有することにより、共重合反応を促進させることができる。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、前記例示したアクリル酸エステルモノマーを含有することが好ましいが、これら以外の他のアクリル酸エステルモノマーを含有してもよい。他のアクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、以下に示すようなガラス転移点が0℃以下のアクリル酸エステルモノマーが挙げられる。このようなアクリル酸エステルモノマーは、記録媒体上に記録された画像の柔軟性や伸張耐久性を損なわないからである。
長鎖アルキルアクリレートとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ラウリルアクリレート、n−トリデシルアクリレート、n−セチルアクリレート、n−ステアリルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート等が挙げられる。
ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド付加単官能アクリレートとしては、例えば、(ポリ)エチレングリコールモノアクリレート、(ポリ)エチレングリコールアクリレートメチルエステル、(ポリ)エチレングリコールアクリレートエチルエステル、(ポリ)エチレングリコールアクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコールモノアクリレート、(ポリ)プロピレングリコールモノアクリレートフェニルエステル、(ポリ)プロピレングリコールアクリレートメチルエステル、(ポリ)プロピレングリコールアクリレートエチルエステル、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。
フェノキシエチルアクリレート変性品としては、例えば、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレート等が挙げられる。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、(C)p−ベンゾキノンおよびその誘導体から選択される少なくとも1種を含有する。本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、(C)成分を含有することにより、特に(A)N−ビニルカプロラクタムの分解を抑制することができる。これにより、放射線硬化型インク組成物の長期保存による粘度の上昇を防ぎ、長期安定性を確保することができる。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、(D)ハイドロキノンモノメチルエーテルを含有する。本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、(D)成分を含有することにより、特に(B)アクリル酸エステルモノマーの分解を抑制することができる。これにより、放射線硬化型インク組成物の長期保存による粘度の上昇を防ぎ、長期安定性を確保することができる。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、前述した成分の他に、さらに光重合開始剤を含有してもよい。光重合開始剤とは、記録媒体の上に吐出された放射線硬化型インク組成物に活性放射線を照射することによって、前述した重合性モノマーの共重合反応を開始させる機能を有する化合物の総称である。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物は、必要に応じて、顔料、分散剤、スリップ剤、光増感剤等の添加剤を含有することができる。
本実施の形態に係る放射線硬化型インク組成物の20℃における粘度は、好ましくは10〜40mPa・sであり、より好ましくは15〜25mPa・sである。放射線硬化型インク組成物の20℃における粘度が前記範囲内にあると、ノズルから放射線硬化型インク組成物が適量吐出され、放射線硬化型インク組成物の飛行曲がりや飛散を一層低減することができるため、インクジェット記録装置に好適に使用することができる。なお、粘度は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、20℃の環境下でShear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録方法は、(a)記録媒体上に前述した放射線硬化型インク組成物を吐出する工程と、(b)吐出された放射線硬化型インク組成物に対して、活性放射線光源から350nm以上430nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する活性放射線を照射する工程と、を含むことを特徴とする。
本工程は、記録媒体上に前述した放射線硬化型インク組成物を吐出する工程である。
本工程は、吐出された放射線硬化型インク組成物に対して、活性放射線光源から350nm以上430nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する活性放射線を照射する工程である。本工程によれば、記録媒体上に吐出された放射線硬化型インク組成物に特定波長の活性放射線を照射することにより、該放射線硬化型インク組成物が硬化されて、記録媒体上に画像を記録することができる。
本発明の一実施形態に係る記録物は、前述したインクジェット記録方法によって記録されたものである。記録媒体の上に記録した画像は、前述した放射線硬化型インク組成物を用いて形成されたものであるから、柔軟性に優れていると共に、硬化性および記録媒体に対する密着性にも優れている。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
着色剤としてシアン顔料(チバ・ジャパン株式会社製、商品名「IRGALITE BLUE GLVO」)20質量部、分散剤としてSolsperse36000(LUBRIZOL社製)1質量部に、単官能モノマーとしてのフェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社、商品名「V#192」)を加えて全体を100質量部とし、混合撹拌して混合物とした。この混合物を、サンドミル(安川製作所株式会社製)を用いて、ジルコニアビーズ(直径1.5mm)と共に6時間分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズをセパレータで分離することにより、シアン顔料分散液を得た。
表1または表2に記載の組成(質量%)となるように、N−ビニルカプロラクタム、アクリル酸エステルモノマー、光重合開始剤、スリップ剤を混合し完全に溶解させた。そこに、2−tert−ブチル−p−ベンゾキノンをN−ビニルカプロラクタムに対して表1または表2の記載の濃度(ppm)となるように添加し、ハイドロキノンモノメチルエーテルをアクリル酸エステルモノマーに対して表1または表2に記載の濃度(ppm)となるように添加して完全に溶解させた。その後、これに前記シアン顔料分散液をシアン顔料の濃度が表1または表2に記載の組成(質量%)となるように撹拌しながら滴下した。滴下終了後、常温で1時間混合撹拌し、さらに5μmのメンブランフィルターでろ過して、各放射線硬化型インク組成物を得た。
・N−ビニルカプロラクタム(BASF社製、商品名「N−ビニルカプロラクタム」)
・フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社、商品名「V#192」)
・ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(日立化成工業株式会社製、商品名「FA512AS」)
・ジシクロペンテニルアクリレート(日立化成工業株式会社製、商品名「FA511AS」)
・ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(ダイセル・サイテック株式会社製、商品名「EBECRYL IRR214K」)
・アミノアクリレート(ダイセル・サイテック株式会社製、商品名「EBECRYL 7100」)
・IRGACURE 819(チバ・ジャパン株式会社製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、光重合開始剤)
・DAROCUR TPO(チバ・ジャパン株式会社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、光重合開始剤)
・DETX(日本化薬株式会社製、光重合開始剤)
・BYK−UV3500(ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン、スリップ剤)
・IRGALITE BLUE GLVO(チバ・ジャパン株式会社製、シアン顔料)
・Solsperse36000(LUBRIZOL社製、分散剤)
・2−tert−ブチル−p−ベンゾキノン(東京化成工業株式会社製、重合禁止剤)
・ハイドロキノンモノメチルエーテル(関東化学株式会社製、重合禁止剤)
インクジェットプリンターPX−G5000(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、前記放射線硬化型インク組成物をそれぞれのノズル列に充填した。常温、常圧下でPVCフィルム(住友スリーエム株式会社製、商品名「IJ−180」)上に、インクのドット径が中ドットで印刷物の膜厚が10μmとなるようなベタパターン画像を印刷すると共に、キャリッジの横に搭載した紫外線照射装置内のUV−LEDから照射強度がそれぞれ60mW/cm2の365nm、395nmの2波長の紫外線を照射してベタパターン画像を硬化させた。以上のようにして、PVCフィルム上にベタパターン画像が印刷された記録物を作製した。なお、積算光量が400mJ/cm2となるような硬化条件で硬化処理を行った。
得られた記録物について、下記の評価試験を行った。なお、下記の評価試験は、全て室温環境下で行った。
前記放射線硬化型インク組成物をサンプル瓶に入れ、完全に密閉した。このサンプル瓶を60℃で1週間保存した後、20℃に戻したときの粘度を測定した。保存前の20℃における粘度と保存後の20℃における粘度とを測定し、その粘度の変化率により保存安定性を評価した。粘度の測定は、サンプル瓶を20℃の恒温槽に1時間入れた後、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)により測定した。なお、評価基準の分類については、以下のとおりである。
A:粘度の変化率が±5%未満である。
B:粘度の変化率が5%以上10%未満である。
C:粘度の変化率が10%以上である。
まず、前記記録物を所定の大きさ(このときの長さをL0とする。)にカットし、引張試験機(A&D株式会社製)にセットした。引張試験機の引張速度を100mm/分と設定し、前記記録物を引張試験機により引っ張り、前記記録物にクラックまたは剥がれ(以下、「クラック等」という。)が発生した時点を目視により確認した。引張開始時からクラック等が発生した時点までの時間から引っ張られた記録物の長さを算出し、これをLとした。下記式(1)からPVCフィルム上に形成された画像のクラック等発生伸度(%)を算出し、記録物の柔軟性について評価した。
画像のクラック等発生伸度(%)={(L−L0)/L0}×100 …(1)
なお、評価基準の分類については、以下のとおりである。
A:前記伸度が120%以上である。
B:前記伸度が100%以上120%未満である。
C:前記伸度が100%未満である。
紫外線照射装置内のUV−LEDから照射強度を1000mW/cm2としたこと以外は、前記「4.3.記録物の作製」と同様にして、PVCフィルム上にベタパターン画像が印刷された記録物を作製した。この記録物の表面がタックフリーの状態となるまでに要した積算光量を求めて、硬化性の評価を行った。タックフリーの状態であるか否かの判断は、記録物の表面を綿棒で擦り、記録物の表面および深部の双方に擦り痕がない状態であればタックフリーの状態であると判断した。なお、評価基準の分類については、以下のとおりである。
A:積算光量が200mJ/cm2未満である。
B:積算光量が200mJ/cm2以上300mJ/cm2未満である。
C:積算光量が300mJ/cm2以上400mJ/cm2未満である。
D:積算光量が400mJ/cm2以上である。
JIS K5600−5−6(塗料一般試験法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法))に準じて、PVCフィルムと画像との密着性の評価を行った。なお、評価基準の分類については、以下のとおりである。
0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがない。
1:カットの交差点における塗膜の小さな剥がれが認められる。
2:塗膜がカットの縁に沿って、および/または交差点において剥がれている。
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大剥がれを生じており、および/または目のいろいろな部分が、部分的または全面的に剥がれている。
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的または全面的に大剥がれを生じており、および/または数か所の目が部分的または全面的に剥がれている。
5:剥がれの程度が分類4を超えている。
以上の評価試験の結果について、表1および表2に併せて記載した。
Claims (11)
- (A)5質量%以上15質量%以下のN−ビニルカプロラクタムと、
(B)70質量%以上90質量%以下のアクリル酸エステルモノマーと、
(C)前記N−ビニルカプロラクタムの含有量に対して2000ppm以上7000ppm以下のp−ベンゾキノンおよびその誘導体から選択される少なくとも1種と、
(D)前記アクリル酸エステルモノマーの含有量に対して500ppm以上2500ppm以下のハイドロキノンモノメチルエーテルと、
を含有する、放射線硬化型インク組成物。 - 請求項1において、
前記(C)p−ベンゾキノン誘導体は、メチル−p−ベンゾキノンまたは2−tert−ブチル−p−ベンゾキノンである、放射線硬化型インク組成物。 - 請求項1または請求項2において、
前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、20質量%以上50質量%以下のフェノキシエチルアクリレートを含有する、放射線硬化型インク組成物。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、35質量%以上65質量%以下の脂環式構造を有する単官能アクリレートを含有する、放射線硬化型インク組成物。 - 請求項4において、
前記脂環式構造を有する単官能アクリレートは、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、およびジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートから選択される少なくとも1種である、放射線硬化型インク組成物。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項において、
前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、1質量%以上15質量%以下の脂環式構造を有する多官能アクリレートを含有する、放射線硬化型インク組成物。 - 請求項6において、
前記脂環式構造を有する多官能アクリレートは、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレートである、放射線硬化型インク組成物。 - 請求項1ないし請求項7のいずれか一項において、
前記(B)アクリル酸エステルモノマーとして、1質量%以上5質量%以下のアミノアクリレートを含有する、放射線硬化型インク組成物。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか一項において、
測定温度20℃における粘度が10mPa・s以上40mPa・s以下であり、かつ、測定温度20℃における表面張力が20mN/m以上30mN/m以下である、放射線硬化型インク組成物。 - (a)記録媒体上に請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の放射線硬化型インク組成物を吐出する工程と、
(b)吐出された放射線硬化型インク組成物に対して、活性放射線光源から350nm以上430nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する活性放射線を照射する工程と、
を含む、インクジェット記録方法。 - 請求項10に記載のインクジェット記録方法によって記録された、記録物。
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