JP2011168437A - 中空粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】芯粒子表面へのアルコキシドの加水分解・縮重合反応による被覆段階で、粗大粒子の生成と凝集、殻化合物被覆芯粒子の粗大化及び凝集体の形成を防止するとともに、これらの粗大な粒子及び凝集体による湿式粒子分散装置の細孔流路の閉塞を防止して、所望の大きさの中空粒子を連続的に得ること。
【解決手段】炭酸カルシウム微粒子2をエタノール3及び蒸留水4に混合し、超音波分散処理し(S10)、TEOS5、尿素6、ウレアーゼ7を添加して、25℃において振盪攪拌する(S11)。これによって、TEOS5が加水分解・縮重合してシリカとなり、炭酸カルシウム微粒子2の表面を被覆するが、TEOS5の縮重合を触媒するアンモニアが尿素6の分解によって徐々に発生するため、粗大粒子の生成と凝集及び殻化合物被覆芯粒子同士の凝集体の形成が防止される。炭酸カルシウム微粒子2を酸処理で除去して(S16)、シリカ殻からなる中空粒子1が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、中空粒子の製造方法に関するものであり、特に、アルコキシドに塩基性化合物を作用させて縮重合反応を進行させ、殻化合物を生成させて芯粒子の表面を覆い、その後に芯粒子を溶解除去することによる中空粒子の製造方法に関する。
近年、ナノテクノロジー研究の一環として、数百ナノメートル以下の粒子径を有する微粒子についての応用研究が盛んに行われている。その一例として、特許文献1に記載の高分散シリカナノ中空粒子及びそれを製造する方法の発明がある。このシリカナノ中空粒子は、緻密なシリカ殻からなるナノ中空粒子であって、細孔分布において2nm〜20nmの細孔が検出されないものであり、炭酸カルシウム微粒子を調製して溶媒に分散させる第1工程、分散した炭酸カルシウム微粒子にシリコンアルコキシドのゾル−ゲル反応(ゾル−ゲル法)によってシリカをコーティングする第2工程、炭酸カルシウムを溶解させてシリカナノ中空粒子とする第3工程によって製造される。
ここで、「ゾル−ゲル法」とは、一般に『溶液からゾル及びゲルの状態を経た後、加熱してガラスを作る方法。アルコキシドを出発原料に用いることが多い。』(長倉三郎他・編「岩波理化学辞典(第5版)」777頁,1998年2月20日株式会社岩波書店発行)であり、ここでは、テトラエトキシシラン(TEOS)を始めとするシリコンアルコキシドを塩基性条件下で水と反応させて、SiO2 分子が縮重合したゲル状のシリカ殻を形成する方法をいう。なお、このゲル状のシリカ殻は、炭酸カルシウムを溶解させた後に、200℃〜1000℃の温度範囲で加熱されることによって、ガラス状のシリカ殻となる。
この特許文献1に係る高分散シリカナノ中空粒子は、中空で、かつ、シリカ殻が薄いため、断熱性及び透明性に優れ、中実の粒子と比較して低密度、低熱伝導率、高比表面積であることから、特許文献2に示されるように、塗料・フィルム・合成繊維中に均一に分散させることによって、断熱塗料・断熱フィルム・断熱繊維を得ることができて幅広い技術分野に応用することができる。その他にも、中空粒子は、軽量充填材としての利用や、医療分野におけるドラッグデリバリー用の担体としての利用を始めとして、多方面に亘る応用が期待されている。
一般に、シリカに代表される無機酸化物の殻から構成される中空粒子は、噴霧熱分解法のような発泡によって中空構造を得る方法や、特許文献1に示されるように、芯(コア)となる物質の表面を目的の無機酸化物の膜で被覆した後に、芯物質を除去する方法である「テンプレート法」によって製造される。
テンプレート法では、芯物質の形状を反映した形状の中空粒子を得ることができる。代表的な芯(コア)粒子としては、エマルジョン、ラテックス等の有機物微粒子、無機物微粒子が挙げられる。エマルジョン、ラテックスを芯粒子として用いた場合には、通常、中空粒子形状は球形に限定されるが、特許文献1に記載されているように、炭酸カルシウムに代表される無機物微粒子を芯粒子とした場合には、その結晶形状を反映した様々な形状の中空粒子を得ることができる。
ここで、特許文献1に記載の中空シリカ粒子の製造法においては、上記第1工程、第2工程、第3工程をそれぞれ回分式(バッチ式)操作によって行っているが、かかる中空シリカ粒子の製造法を始めとするテンプレート法による中空粒子の製造方法を量産化に適したものとするためには、上記第1工程、第2工程、第3工程を連続式操作によって実施する必要がある。そのための一つの手段として、上記第1工程乃至第3工程を湿式ジェットミル等の湿式粒子分散装置の循環式流路内で行うことが、炭酸カルシウム微粒子、シリカ被覆炭酸カルシウム微粒子及び炭酸カルシウム除去後に形成されるシリカ殻からなる中空粒子の凝集を防ぐ意味においても、極めて好ましい。
特開2005−263550号公報 特開2007−070458号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、アンモニア水をシリコンアルコキシドの加水分解・縮重合反応の触媒として用いていることから、アンモニア水を前記湿式粒子分散装置の循環式流路のリザーバ部から添加する際に、局所的なアンモニア濃度の増加及びそれに伴う反応溶液の水素イオン濃度(pH)の上昇によるシリコンアルコキシドの加水分解・縮重合反応の急速な進行によって、粗大なシリカ粒子の生成、その凝集及びシリカ被覆炭酸カルシウム微粒子同士の凝集体の形成が起こる。したがって、所望の大きさのシリカ殻からなる中空粒子を得ることができなくなる。
また、これらの粗大なシリカ粒子及び凝集体により、湿式粒子分散装置内の粒子分散を促すための極細径(通常内径0.1mm以下)の流路を閉塞してしまい、連続的な操作が不可能となるという問題点があった。すなわち、上記特許文献1に記載の技術においては、上記第1工程及び第2工程のみを連続的に実施することすら困難であった。
そこで、本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであって、芯粒子表面へのアルコキシドの加水分解・縮重合反応による被覆段階において、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、及び芯粒子が殻化合物で被覆された粒子(以下、単に「殻化合物被覆芯粒子」ともいう。)の粗大化並びに凝集体の形成を防止するとともに、これらの粗大な粒子及び凝集体による湿式粒子分散装置等の反応装置の細孔流路の閉塞を防止することによって、上記第1工程及び第2工程を連続的に、更には上記第1工程乃至第3工程までを連続的に実施することができ、所望の大きさの殻化合物被覆芯粒子または中空粒子を連続的に得ることができて、中空粒子を量産することができる中空粒子の製造方法を提供することを目的とするものである。
請求項1の発明に係る中空粒子の製造方法は、アルコキシドに塩基性化合物を作用させることによって前記アルコキシドの加水分解・縮重合反応を進行させ、殻となる化合物(殻化合物)を生成させて芯となる粒子(芯粒子)の表面を覆い、その後前記芯粒子を溶解除去することによって前記殻化合物からなる中空粒子を製造する方法であって、前記塩基性化合物は、塩基性化合物前駆体物質に触媒を作用させて徐々に発生させるものである。
ここで、「アルコキシド」とは、『アルコラート(alcoholate)ともいう。アルコールのヒドロキシ基の水素を金属Mで置換した化合物の総称。アルコキシ基に金属の結合した化合物ともみられるので金属アルコキシド(metal alkoxide)ともいう。…………金属アルコキシドM(OR)nは蒸留や再結晶によって高純度化ができるので、縮重合反応により生成するゾルをゲル化し、これからバルク、膜、ファイバー等を製造するゾル−ゲル法の原料として優れている。』(長倉三郎他・編「岩波理化学辞典(第5版)」46頁,1998年2月20日株式会社岩波書店発行)である。
アルコキシドの具体例としては、シリコンアルコキシド、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、マグネシウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等が挙げられる。
特に、シリコンアルコキシドについては、シランSiH4 の水素原子をアルコキシ基で置換した化合物とみることもできるので、「○○アルコキシシラン(ここで、○○の部分にはアルコキシ基の数を表すモノ、ジ、トリ、テトラのいずれかの接頭辞が入る)」とも呼ばれる。
また、「粒子」とは、一般に『物質を構成する微細な粒。』(新村出・編「広辞苑(第4版)」2693頁,1991年11月15日株式会社岩波書店発行)であるが、本明細書及び特許請求の範囲においては、物質を構成するか単独で存在するかを問わず、広く「微細な粒」を意味するものとし、「中空粒子」とは、内部に空間を有する粒子をいう。
更に、「塩基性化合物」としては、アンモニア(NH3 )、アミン、アミド、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )等があり、「塩基性化合物前駆体物質」としては、触媒の作用によってアンモニアを発生する尿素((NH22 CO)等がある。
請求項2の発明に係る中空粒子の製造方法は、アルコキシドに塩基性化合物を作用させることによって前記アルコキシドの加水分解・縮重合反応を進行させ、殻となる化合物(殻化合物)を生成させて芯となる粒子(芯粒子)の表面を覆い、その後前記芯粒子を溶解除去することによって前記殻化合物からなる中空粒子を製造する方法であって、溶媒に前記芯粒子を分散させて芯粒子分散溶液とする分散工程と、前記芯粒子分散溶液に前記アルコキシドと、前記塩基性化合物を発生させる塩基性化合物前駆体物質と、該塩基性化合物前駆体物質に作用して前記塩基性化合物を徐々に発生させる触媒とを添加して攪拌する添加攪拌工程とを具備し、前記分散工程及び前記添加攪拌工程を反応装置内で連続的に実施するものである。
ここで、「溶媒」としては、水、特に蒸留水や純水、メタノール、エタノールを始めとする有機溶媒等の各種溶媒を用いることができる。また、「反応装置」としては、攪拌装置を備えた一個の容器等の一体の反応容器でも良いし、複数の構成要素を連続的に組み合わせた一連の反応装置でも良い。更に、「反応装置内で連続的に実施する」とは、途中で反応装置から中間物質等を取り出したりすることなく、各工程を連続して行うことを意味する。
請求項3の発明に係る中空粒子の製造方法は、請求項2の構成において、更に、前記添加攪拌工程において形成された前記芯粒子が前記殻化合物で被覆された粒子に、前記芯粒子を溶解させる化合物を添加して前記芯粒子を溶解除去する溶解除去工程を具備し、前記分散工程、前記添加攪拌工程及び前記溶解除去工程を反応装置内で連続的に実施するものである。
請求項4の発明に係る中空粒子の製造方法は、請求項1乃至請求項3の何れか1つの構成において、前記アルコキシドはシリコンアルコキシドであり、前記殻化合物はシリカ(SiO2 )であるものである。
ここで、上述したように、シリコンアルコキシドは、シランSiH4 の水素原子をアルコキシ基で置換した化合物とみることもできるので、「○○アルコキシシラン(○○の部分にはアルコキシ基の数を表すモノ、ジ、トリ、テトラのいずれかの接頭辞が入る)」とも呼ばれる。具体的には、テトラメトキシシラン、トリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の化合物がある。
また、芯粒子の表面に、ゾル−ゲル法でシリカ殻を被覆させるためのシリコンアルコキシドとしては、テトラエトキシシラン(TEOS)を始めとする上記のような種々のシリコンアルコキシドを用いることができ、より具体的には、例えば多摩化学工業株式会社のエチルシリケート(製品名「高純度正珪酸エチル」:テトラエトキシシラン(TEOS))、信越化学工業株式会社の機能性シランの中のアルコキシシラン(製品名「KBE−04」:テトラエトキシシラン(TEOS))等を使用することができる。
請求項5の発明に係る中空粒子の製造方法は、請求項1乃至請求項4の何れか1つの構成において、前記芯粒子は、酸により溶解する無機物微粒子であるものである。
ここで、「酸」としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸・安息香酸等のカルボン酸、クエン酸、酪酸等を用いることができ、その濃度も溶解させる無機物微粒子の種類に応じて任意に設定することができる。また、「無機物微粒子」を構成する無機物としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸リチウム等を用いることができる。
請求項6の発明に係る中空粒子の製造方法は、請求項5の構成において、前記無機物微粒子は、炭酸カルシウム微粒子であるものである。
ここで、かかる炭酸カルシウム微粒子を製造する方法としては、例えば、水系で結晶を成長させる方法がある。この方法で生成する炭酸カルシウムの結晶はカルサイトであり六方晶系であるが、合成条件を制御することにより、あたかも立方晶系であるかのような形状、即ち「立方体状形態」に成長させることができる。ここで、「立方体状形態」とは、立方体に限らず面で囲まれた立方体に似た形状をいう。
水系で炭酸カルシウム微粒子の結晶を成長させる方法としては、特段に限定されるものではなく、水酸化カルシウムのスラリーに炭酸ガスを導入して炭酸カルシウムを沈殿させる方法や、塩化カルシウム等の可溶性カルシウム塩の水溶液に炭酸ナトリウム等の可溶性炭酸塩を添加して炭酸カルシウムを沈殿させる方法等が適用できる。
また、炭酸カルシウム微粒子を入手する方法としては、市販の炭酸カルシウム微粒子を購入して使用することができる。例えば、林化成株式会社の微粒子炭酸カルシウムや、白石工業株式会社の合成炭酸カルシウム等を使用することができる。
請求項7の発明に係る中空粒子の製造方法は、請求項1乃至請求項6の何れか1つの構成において、前記塩基性化合物前駆体物質は、分子内にアミド基もしくはアミノ基を1つ以上有し、前記触媒の作用によってアンモニアを発生するものである。
請求項8の発明に係る中空粒子の製造方法は、請求項1乃至請求項7の何れか1つの構成において、前記塩基性化合物前駆体物質は尿素であり、前記触媒はウレアーゼ(尿素分解酵素)であるものである。
ここで、「尿素」は、化学式 (NH22 CO で表される有機化合物であり、「ウレアーゼ」とは、『尿素を加水分解してアンモニアと二酸化炭素とにする反応を触媒する酵素。』(長倉三郎他・編「岩波理化学辞典(第5版)」119頁,1998年2月20日株式会社岩波書店発行)である。
請求項9の発明に係る中空粒子の製造方法は、請求項1乃至請求項8の何れか1つの構成において、前記殻化合物からなる中空粒子は、顕微鏡法により測定した外径が30nm〜200nmの範囲内であるシリカ殻からなるナノ中空粒子であるものである。
ここで、「顕微鏡法」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて粒子を実際に観察して、粒子の各部分の大きさを求める方法をいう。
かかる外径を有するシリカ殻からなるナノ中空粒子を製造するためには、外径が8nm〜160nmの範囲内である芯粒子を用いることが好ましい。例えば、芯粒子として炭酸カルシウム微粒子を用いる場合には、かかる炭酸カルシウム微粒子を製造する方法としては、一例として水系で結晶を成長させる方法がある。この方法で生成する炭酸カルシウムの結晶はカルサイトであり六方晶系であるが、合成条件を制御することにより、あたかも立方晶系であるかのような形状、即ち「立方体状形態」に成長させることができる。ここで、「立方体状形態」とは、立方体に限らず面で囲まれた立方体に似た形状をいう。
水系で炭酸カルシウム微粒子の結晶を成長させる方法としては、特段に限定されるものではなく、水酸化カルシウムのスラリーに炭酸ガスを導入して炭酸カルシウムを沈殿させる方法や、塩化カルシウム等の可溶性カルシウム塩の水溶液に炭酸ナトリウム等の可溶性炭酸塩を添加して炭酸カルシウムを沈殿させる方法等が適用できる。
この際、目的とする外径が8nm〜160nmの範囲内である炭酸カルシウム微粒子を得るためには、比較的低温でかつ炭酸カルシウムの沈殿反応の速度を速めることが望ましい。例えば、水酸化カルシウムスラリーに炭酸ガスを導入する方法においては、炭酸ガスを導入する際の液温を30℃以下とし、また炭酸ガスを導入する速度を、水酸化カルシウム100g当り、1.0L/min以上とすることが好適である。
また、外径が8nm〜160nmの範囲内である炭酸カルシウム微粒子を入手する方法としては、市販の炭酸カルシウム微粒子を購入して使用することもできる。例えば、林化成株式会社の微粒子炭酸カルシウムや、白石工業株式会社の合成炭酸カルシウム等を使用することができる。
請求項1の発明に係る中空粒子の製造方法は、アルコキシドに塩基性化合物を作用させることによってアルコキシドの加水分解・縮重合反応を進行させ、殻となる化合物(殻化合物)を生成させて芯となる粒子(芯粒子)の表面を覆い、その後芯粒子を溶解除去することによって殻化合物からなる中空粒子を製造する方法であって、塩基性化合物は、塩基性化合物前駆体物質に触媒を作用させて徐々に発生させる。
このように、本発明に係る中空粒子の製造方法においては、塩基性化合物が塩基性化合物前駆体物質に対する触媒の作用によって徐々に発生することから、塩基性化合物が偏在して一度にアルコキシドを縮重合させることなく、芯粒子が分散した溶液の全体に亘って均一に塩基性化合物が徐々に発生して、アルコキシドの加水分解・縮重合反応による殻化合物の生成が反応媒質中に偏在なく均一に進行することから、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、生成した殻化合物によって表面を被覆された芯粒子(殻化合物被覆芯粒子)の粗大化及び凝集体の形成等を確実に防止することができる。
また、これらの粗大な粒子の生成及び凝集体の形成が防止されることによって、湿式ジェットミルのような湿式粒子分散機等の反応装置内の循環経路中で反応を行わせる際に、粒子分散部の微細径の流路の閉塞を防止することができ、これによって反応を反応装置内で連続的に実施して、殻化合物被覆芯粒子を連続的に製造することが可能になる。その後、製造された殻化合物被覆芯粒子から芯粒子を溶解除去することによって、殻化合物からなる中空粒子を量産することができる。
なお、この殻化合物からなる中空粒子を焼成することによって、芯粒子を溶解除去する際に溶解した芯粒子構成物質が殻化合物内から流出して生じた殻化合物の微細な貫通孔が塞がれて、強度を有する中空粒子となり圧力を加えても破壊されなくなるため、塗料・フィルム・合成繊維を始めとする様々な物質中に均一に混合・分散させることができ、断熱塗料・断熱フィルム・断熱繊維を始めとする様々な材料を得ることができて、幅広い技術分野に応用することができる。
このようにして、芯粒子表面へのアルコキシドの加水分解・縮重合反応による被覆段階において、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、及び殻化合物被覆芯粒子の粗大化並びに凝集体の形成を防止するとともに、これらの粗大な粒子及び凝集体による湿式粒子分散装置等の反応装置内の細孔流路の閉塞を防止することによって、目的とする大きさの殻化合物被覆芯粒子を連続的に得ることができる中空粒子の製造方法となる。
したがって、上述の如く中空粒子を量産することが可能となり、従来よりも低コストで目的とする大きさの中空粒子を製造することができる。
請求項2の発明に係る中空粒子の製造方法は、アルコキシドに塩基性化合物を作用させることによってアルコキシドの加水分解・縮重合反応を進行させ、殻化合物を生成させて芯粒子の表面を覆い、その後芯粒子を溶解除去することによって殻化合物からなる中空粒子を製造する方法であって、溶媒に芯粒子を分散させて芯粒子分散溶液とする分散工程と、芯粒子分散溶液にアルコキシドと、塩基性化合物を発生させる塩基性化合物前駆体物質と、塩基性化合物前駆体物質に作用して塩基性化合物を徐々に発生させる触媒とを添加して攪拌する添加攪拌工程とを具備し、分散工程及び添加攪拌工程を反応装置内で連続的に実施する。
このように、本発明に係る中空粒子の製造方法においては、分散工程において作製された芯粒子分散溶液に、添加攪拌工程においてアルコキシドと塩基性化合物前駆体物質と塩基性化合物前駆体物質に作用して塩基性化合物を徐々に発生させる触媒とが添加されて攪拌される。したがって、塩基性化合物が偏在して一度にアルコキシドを縮重合させることなく、芯粒子分散溶液の全体に亘って均一に塩基性化合物が徐々に発生して、アルコキシドの加水分解・縮重合反応による殻化合物の生成が反応媒質中に偏在なく均一に進行することから、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、生成した殻化合物によって表面を被覆された芯粒子(殻化合物被覆芯粒子)の粗大化及び凝集体の形成等を確実に防止することができる。
また、これらの粗大な粒子の生成及び凝集体の形成が防止されることによって、湿式ジェットミルのような湿式粒子分散機等の反応装置内の循環経路中で反応を行わせる際に、粒子分散部の微細径の流路の閉塞を防止することができ、これによって分散工程及び添加攪拌工程を反応装置内で連続的に実施して、殻化合物被覆芯粒子を連続的に製造することが可能になる。その後、製造された殻化合物被覆芯粒子から芯粒子を溶解除去することによって、殻化合物からなる中空粒子を量産することができる。
このようにして、芯粒子表面へのアルコキシドの加水分解・縮重合反応による被覆段階において、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、及び殻化合物被覆芯粒子の粗大化並びに凝集体の形成を防止するとともに、これらの粗大な粒子及び凝集体による湿式粒子分散装置等の反応装置内の細孔流路の閉塞を防止することによって、目的とする大きさの殻化合物被覆芯粒子を連続的に得ることができる中空粒子の製造方法となる。
したがって、上述の如く中空粒子を量産することが可能となり、従来よりも低コストで目的とする大きさの中空粒子を製造することができる。
請求項3の発明に係る中空粒子の製造方法においては、更に、添加攪拌工程において形成された芯粒子が殻化合物で被覆された粒子に、芯粒子を溶解させる化合物を添加して芯粒子を溶解除去する溶解除去工程を具備し、分散工程、添加攪拌工程及び溶解除去工程を反応装置内で連続的に実施する。
したがって、塩基性化合物が偏在して一度にアルコキシドを縮重合させることなく、芯粒子分散溶液の全体に亘って均一に塩基性化合物が徐々に発生して、アルコキシドの加水分解・縮重合反応による殻化合物の生成が反応媒質中に偏在なく均一に進行することから、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、生成した殻化合物によって表面を被覆された芯粒子(殻化合物被覆芯粒子)の粗大化及び凝集体の形成等を確実に防止することができる。
また、これらの粗大な粒子の生成及び凝集体の形成が防止されることによって、湿式ジェットミルのような湿式粒子分散機等の反応装置内の循環経路中で反応を行わせる際に、粒子分散部の微細径の流路の閉塞を防止することができ、これによって分散工程、添加攪拌工程及び溶解除去工程を反応装置内で連続的に実施して、中空粒子を連続的に製造することが可能になる。すなわち、請求項2に係る発明の効果に加えて、溶解除去工程までをも反応装置内で連続的に実施することから、より量産性に優れた中空粒子の製造方法となる。
請求項4の発明に係る中空粒子の製造方法においては、アルコキシドがシリコンアルコキシドであり、殻化合物がシリカ(SiO2 )であることから、請求項1乃至請求項3に係る発明の効果に加えて、得られる中空粒子はシリカ殻からなる中空粒子となり、シリカ殻からなる中空粒子の低密度、低熱伝導率、高比表面積、軽量性等を活用して幅広い技術分野に応用することができる中空粒子の製造方法となる。
なお、このシリカ殻からなる中空粒子を200℃〜1000℃の温度範囲内で焼成することによって、芯粒子を溶解除去する際に溶解した芯粒子構成物質が流出して生じたシリカ殻の微細な貫通孔が塞がれて、強度を有するシリカ殻からなる中空粒子となり圧力を加えても破壊されなくなるため、塗料・フィルム・合成繊維を始めとする様々な物質中に均一に混合・分散させることができ、断熱塗料・断熱フィルム・断熱繊維を始めとする様々な材料を得ることができて、幅広い技術分野に応用することができる。
請求項5の発明に係る中空粒子の製造方法においては、芯粒子が酸により溶解する無機物微粒子であることから、請求項1乃至請求項4に係る発明の効果に加えて、比較的低コストで芯粒子を入手または製造することができ、より一層低コストで目的とする大きさの中空粒子を製造できる中空粒子の製造方法となる。
請求項6の発明に係る中空粒子の製造方法においては、無機物微粒子が炭酸カルシウム微粒子であることから、請求項5に係る発明の効果に加えて、立方晶系や六方晶系等の種々の結晶形状を有する炭酸カルシウム微粒子を芯粒子とすることによって、種々の外形形状を有する中空粒子を製造することができる。
また、炭酸カルシウム微粒子は製造や入手が比較的簡単であることから、より低コストで中空粒子を製造することができる中空粒子の製造方法となる。
請求項7の発明に係る中空粒子の製造方法においては、塩基性化合物前駆体物質は、分子内にアミド基もしくはアミノ基を1つ以上有し、触媒の作用によってアンモニアを発生することから、請求項1乃至請求項6に係る発明の効果に加えて、アンモニア水の代わりに触媒の作用によって発生するアンモニアを利用することにより、反応媒質中で偏在なく均一なアンモニア濃度を実現することによって、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、生成した殻化合物被覆芯粒子の粗大化及び凝集体の形成等を確実に防止することができ、粒子分散部の微細径の流路の閉塞をも防止することができる。
これによって、目的とする大きさの殻化合物被覆芯粒子を連続的に製造することが可能になり、目的とする大きさの中空粒子を量産できる中空粒子の製造方法となる。
請求項8の発明に係る中空粒子の製造方法においては、塩基性化合物前駆体物質は尿素であり、触媒はウレアーゼであることから、請求項1乃至請求項7に係る発明の効果に加えて、アンモニア水の代わりに尿素のウレアーゼ酵素反応により生成するアンモニアを利用することにより、反応媒質中で偏在なく均一なアンモニア濃度を実現することによって、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、生成した殻化合物被覆芯粒子の粗大化及び凝集体の形成等を確実に防止することができ、粒子分散部の微細径の流路の閉塞をも防止することができる。
これによって、目的とする大きさの殻化合物被覆芯粒子を連続的に製造することが可能になり、目的とする大きさの中空粒子を量産できる中空粒子の製造方法となる。
請求項9の発明に係る中空粒子の製造方法においては、殻化合物からなる中空粒子が、顕微鏡法により測定した外径が30nm〜200nmの範囲内であるシリカ殻からなるナノ中空粒子であることから、請求項1乃至請求項8に係る発明の効果に加えて、外径が30nm〜200nmであるシリカナノ中空粒子が量産できるため、例えば上記特許文献2に記載されているように、塗料・フィルム・合成繊維中に均一に分散させることによって、断熱塗料・断熱フィルム・断熱繊維を低コストで得ることができて、それ以外にも幅広い技術分野に応用できる中空粒子の製造方法となる。
本発明の実施の形態1に係る中空粒子の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る中空粒子の製造方法によって製造されたシリカ殻からなる中空粒子を拡大して示す透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。 窒素を用いたBET法による比表面積測定における窒素分子の吸着の様子を示す模式図である。 同程度の粒径を有するシリカの中実粒子と本発明の実施の形態1に係る中空粒子の製造方法によって製造されたシリカ殻からなる中空粒子について、BET法による比表面積測定を実施した際の吸着量を示すグラフである。 (a)は本発明の実施の形態1に係る中空粒子の製造方法によって製造されたシリカ殻からなる中空粒子の比表面積の求め方を説明するための模式図、(b)は比表面積の値を用いて本発明の実施の形態1に係る中空粒子の製造方法によって製造されたシリカ殻からなる中空粒子のシリカ殻の密度を求めるためのグラフである。 本発明の実施の形態2に係る中空粒子の製造方法を示すフローチャートである。
本発明に係る中空粒子の製造方法を実施するためには、反応装置が必要であり、攪拌装置(攪拌翼)付きの反応容器を用いて製造を行うこともできるが、循環式流路を有する湿式粒子分散装置を用いて製造を行うことが、より好ましい。湿式粒子分散装置としては、湿式ジェットミル、圧力式ホモジナイザー、湿式微粒化装置等を用いることができる。
より具体的には、例えば、吉田機械興業(株)製の湿式微粒化装置「ナノマイザー(登録商標)」、(株)常光製の湿式ジェットミル「ナノジェットパル(登録商標)」、(株)エスエムテー製の圧力式ホモジナイザー「LAB1000」、「LAB2000」、「15MR」、(株)スギノマシン製の「スターバースト(登録商標)・ミニラボ機」、「スターバースト(登録商標)・ラボ」、「スターバースト(登録商標)40」等の湿式粒子分散装置がある。
本発明に係る中空粒子の製造方法において、アルコキシドは加水分解・縮重合して殻化合物を生成するものであり、目的とする中空粒子の用途等に応じて任意の種類のアルコキシドを使用することができる。アルコキシドの具体例としては、シリコンアルコキシド、リチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、マグネシウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等が挙げられる。
これらの中でも、生成される殻化合物がシリカ(SiO2 )またはアルミナ(Al23 )であって、化学的に安定で、硬度も強度も耐熱性も大きく、有用な中空粒子を製造できることから、シリコンアルコキシドまたはアルミニウムアルコキシドを用いることが、特に好ましい。シリコンアルコキシドとしては、所謂シランカップリング剤等ケイ素のアルコキシドであれば何でも用いることができる。特に、ケイ酸テトラエチル(テトラエトキシシラン,TEOS)が、好適に用いられることとなる。
また、本発明に係る中空粒子の製造方法においては、まず、芯粒子のコロイド分散液または乾燥粉体を水やアルコール等の溶媒と混合し、超音波照射等により分散させた分散液に対して、殻化合物源であるアルコキシドを所定の濃度で良く混合した反応液を準備する。ここで、芯粒子としては、酸により溶解する各種の無機物微粒子を用いることが好ましく、特に、製造や入手が比較的簡単であるとともに、種々の外形形状を有する中空粒子を製造できることから、炭酸カルシウム微粒子を用いることが、より好ましい。
そして、上記のように調製された反応液を、「反応装置」としての、攪拌装置(攪拌翼)を備えた反応容器や湿式ジェットミル等の循環流路を備えた湿式粒子分散装置等に投入し、攪拌または循環させ、塩基性化合物前駆体物質を添加して攪拌または循環させて均一な濃度にした後、塩基性化合物前駆体物質の分解反応を起こさせる触媒を添加することで、塩基性化合物前駆体物質を分解し塩基性化合物を順次発生させ、アルコキシドの加水分解・縮重合反応による芯粒子表面への殻化合物の被覆を行う。
このようにして生成した殻化合物被覆芯粒子を、反応容器や湿式粒子分散装置等から固液分離回収し、乾燥させた後に、溶媒に再分散させて、塩酸等の酸を添加することで内部の芯粒子を溶解除去させることによって中空粒子が得られる。
また、「反応装置」としての、攪拌装置(攪拌翼)を備えた反応容器や湿式ジェットミル等の循環流路を備えた湿式粒子分散装置等の中に生成した殻化合物被覆芯粒子を含む反応液に、塩酸等の酸を添加することで内部の芯粒子を溶解除去させることによっても、中空粒子を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態に係る具体的な中空粒子の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
[実施の形態1]
最初に、本発明の実施の形態1に係る中空粒子の製造方法について、図1のフローチャートを参照して説明する。図1に示されるように、まず、芯粒子としての炭酸カルシウム微粒子2を、溶媒としてのエタノール3及び蒸留水4に混合し、超音波による分散処理を行う(ステップS10)。この工程が、本発明における「分散工程」に相当する。続いて、テトラエトキシシラン(TEOS)5、尿素6及びウレアーゼ7を添加して、25℃において振盪(しんとう)攪拌する(ステップS11)。この工程が、本発明における「添加攪拌工程」に相当する。
なお、ステップS11における振盪攪拌処理は、本実施の形態1の実施例1に係る中空粒子の製造方法においては2時間行い、実施例2に係る中空粒子の製造方法においては4時間行い、実施例3に係る中空粒子の製造方法においては6時間行った。
このステップS11においては、テトラエトキシシラン5が加水分解してテトラヒドロキシシラン5Aとなり、このテトラヒドロキシシラン5Aが脱水・縮重合してシリカ1Aとなる[化1]に示される反応が起こる。
この[化1]に示される反応を触媒するのが、[化2]に示される加水分解反応、すなわち尿素6がウレアーゼ7の作用でアンモニア(NH3 )6Aと二酸化炭素(CO2 )6Bを発生する反応によって、徐々に発生するアンモニア6Aである。
その後、振盪攪拌処理した液を両親媒性フィルター(孔径0.1μm)によって加圧濾過して(ステップS12)、固液分離するとともに不純物として生成したシリカの中実粒子等を取り除き、エタノールで洗浄して(ステップS13)、余分なテトラエトキシシラン5、尿素6及びウレアーゼ7を洗い流した。そして、25℃で24時間乾燥することによって(ステップS14)、シリカ殻で被覆された炭酸カルシウム微粒子(シリカ殻被覆炭酸カルシウム微粒子)8が得られた。
得られたシリカ殻被覆炭酸カルシウム微粒子8を、蒸留水4に再分散させて(ステップS15)、希塩酸(3mol/L)を添加する酸処理を行うことによって、芯粒子としての炭酸カルシウム微粒子2が溶解し、シリカ殻に微細な貫通孔を開けながらシリカ殻の外部に流出して、炭酸カルシウムが除去される(ステップS16)。これを蒸留水で洗浄して(ステップS17)、再び濾過し(ステップS18)、90℃で16時間乾燥することによって(ステップS19)、シリカ殻からなる中空粒子1が得られた。
ここで、本実施の形態1に係る中空粒子の製造方法において使用した各成分の配合量について説明する。まず上記ステップS10においては、エタノール3を12mlと蒸留水4の3mlとを混合し、これに顕微鏡法によって測定した平均粒子径が60nmの略立方体状の炭酸カルシウム微粒子2を1.63g加えた。また、上記ステップS11においては、テトラエトキシシラン(TEOS)5を1mL、尿素6を0.450g、ウレアーゼ7を0.050g加えた。
これらの配合量について、表1にまとめて示す。
なお、これらの配合量は、本実施の形態1の実施例1に係る中空粒子の製造方法、実施例2に係る中空粒子の製造方法及び実施例3に係る中空粒子の製造方法について、全て共通である。
得られたシリカ殻からなる中空粒子1のうち、実施例3に係る中空粒子の製造方法によるものについて、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて粒子を実際に観察した。実施例3に係る中空粒子のTEM写真を、図2に示す。図2のTEM画像から分かるように、得られたシリカ殻からなる中空粒子1は、内径が芯粒子として用いた炭酸カルシウム微粒子2の外径(平均粒子径)と同じ60nm程度であり、10nm程度の厚さのシリカ殻を備えた外径80nm程度のシリカ殻からなる中空粒子であった。
すなわち、本実施の形態1の実施例3に係る中空粒子の製造方法によって製造されたシリカ殻からなる中空粒子1は、製造工程において粗大粒子の生成や凝集体の形成等が起こっていないため、目的とする大きさである外径及びシリカ殻厚さを有する中空粒子である。そして、本実施の形態1に係る中空粒子の製造方法においては、図1のフローチャートにおけるステップS10及びステップS11を、反応装置としての攪拌機(攪拌翼)付き反応容器の中で連続的に行っている。
したがって、本実施の形態1に係る中空粒子の製造方法においては、芯粒子表面へのアルコキシドの加水分解・縮重合反応による被覆段階において、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、及び殻化合物被覆芯粒子の粗大化並びに凝集体の形成を防止するとともに、これらの粗大な粒子及び凝集体による湿式粒子分散装置等の反応装置内の細孔流路の閉塞を防止することによって、目的とする大きさの殻化合物被覆芯粒子を連続的に得ることができる。
更に、得られたシリカ殻からなる中空粒子1について、BET法によって比表面積を測定した。なお、比較のため、図1のステップS11において、尿素6及びウレアーゼ7の代わりに、従来のアンモニア水を使用した比較例1の中空粒子の製造方法によって得られたシリカ殻からなる中空粒子についても、BET法によって比表面積を測定した。
ここで、BET(Brunauer-Emmett-Teller)法とは、粒子表面に吸着占有面積の分かった分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法であって、窒素等の不活性気体の低温物理吸着によるものである。
また、芯粒子として使用した炭酸カルシウム微粒子2の比表面積の値を、計算によって求めた。窒素吸着等温線からBET法によって算出した本実施の形態1の実施例1乃至実施例3に係る中空粒子の製造方法によって得られたシリカ殻からなる中空粒子1の比表面積、及び比較例1の中空粒子の製造方法によって得られたシリカ殻からなる中空粒子の比表面積と、炭酸カルシウム微粒子2の比表面積の計算値とを、表2に示す。
表2に示されるように、シリカ殻からなる中空粒子は、実施例1乃至実施例3に係る中空粒子の製造方法によるものも、比較例1の中空粒子の製造方法によるものも、炭酸カルシウム微粒子の2倍以上の比表面積を有していることから、製造されたシリカ殻からなる中空粒子が中空構造を有しており、また形成されたシリカ殻が多孔質であることが示唆される。また、実施例1乃至実施例3を比較して明らかなように、反応時間が短い方が比表面積は大きくなっている。
この理由としては、反応時間が短い場合には、上記[化1]に示される反応によって生成した微小なシリカ粒子が、芯粒子としての炭酸カルシウム微粒子の表面に堆積したことによって微小な凹凸を有する表面となり、比表面積が大きくなったものと考えられる。
一方、反応時間が長い場合には、上記[化1]に示される反応によって生成したシリカ粒子が成長していき、シリカ粒子同士がより緻密に密着して滑らかな表面を構成したため、比表面積が小さくなったものと考えられる。
そして、表2に示されるように、従来のアンモニア水を用いる比較例1の中空粒子の製造方法によって得られたシリカ殻からなる中空粒子は、同じ4時間の反応時間で製造された本実施の形態1の実施例2に係る中空粒子の製造方法によって得られたシリカ殻からなる中空粒子1と比較して、比表面積が小さくなっている。したがって、比較例1の中空粒子の製造方法においては、アンモニアの局在化等に起因して、シリカ殻被覆炭酸カルシウム微粒子の粒子成長(粗大化)や凝集体の形成等が起こっているものと考えられる。
次に、本実施の形態1に係る中空粒子の製造方法によって製造されたシリカ殻からなる中空粒子1のシリカ殻の密度の算出方法について、図3乃至図5を参照して説明する。後述するように、本実施の形態1に係るシリカ殻からなる中空粒子1においては、400℃で焼成することによって溶解した炭酸カルシウムが流出した孔を塞いでいるため、2nmを超える大きさの細孔は存在していないが、2nm以下の大きさのミクロ細孔が存在している。
ここで、「ミクロ細孔」とは、孔径が2nm以下であって窒素分子が通過可能な大きさの微細孔を意味するものである。この事実は、図3及び図4に示されるように、シリカの中実粒子とシリカ殻からなる中空粒子1とについてのBET法による比表面積の測定において確認された。
すなわち、窒素分子を用いたBET法による比表面積の測定において、図3に示されるように、窒素分子は2nm以下の大きさのミクロ細孔1bを通過するため、シリカ殻からなる中空粒子1のシリカ殻1aの外表面にも内表面にも吸着して、結果的に、同程度の大きさのシリカの中実粒子に比較して、2倍以上の窒素分子が吸着することになる。
したがって、図4に示されるように、シリカの中実粒子に対する窒素吸着量をX軸に、シリカ殻からなる中空粒子1に対する窒素吸着量をY軸にとり、相対圧力(P/P0)を変化させてプロットすると、Y=2.71X+3.63の直線となり、中実粒子に比較して2.71倍の窒素分子が吸着していることが分かった。そして、この直線のY軸との切片である「3.63」が、図3に示されるように、窒素分子が通過する2nm以下の大きさのミクロ細孔1bの存在を裏付けている。つまり、このミクロ細孔1bを埋める分の窒素分子の吸着量が、Y軸との切片となって表れるものである。
そこで、この窒素分子が外表面にも内表面にも吸着するという現象を利用して、シリカ殻1aの密度ρを算出する。図5(a)に示されるように、立方体状形態のシリカ殻からなる中空粒子1を、内径L,シリカ殻厚さdの中空立方体で近似すると、この立方体の外表面積は6×(L+2d)2 で、内表面積は6×L2 であるから、全表面積は6×{(L+2d)2 +L2 }となる。
一方、シリカ殻1aの体積は中空立方体の体積から中空部分の体積を差し引いたものであるから、{(L+2d)3 −L3 }となる。よって、シリカ殻1aの密度ρを用いると、シリカ殻からなる中空粒子1の質量は、ρ×{(L+2d)3 −L3 }となる。したがって、比表面積は、表面積/粒子質量=6×{(L+2d)2 +L2 }/ρ{(L+2d)3 −L3 }で表される。
このように、比表面積は、シリカ殻厚さdの関数となるので、密度ρをパラメータとして、横軸にシリカ殻厚さdをとり、縦軸に比表面積をとって計算値をプロットすると、密度ρ=2.2g/cm3 ,ρ=1.1g/cm3 の場合には、それぞれ図5(b)に示されるような反比例曲線となる。
このグラフ上に、シリカ殻厚さdの異なるシリカ殻からなる中空粒子1の、窒素を用いたBET法による比表面積の実測値を当てはめると、図5(b)に示されるように、アモルファスシリカの密度であるρ=2.2g/cm3 の曲線と、その半分の密度のρ=1.1g/cm3 の曲線との間に当てはまることが明らかになった。また、シリカ殻厚さdが小さくなるにしたがって、密度ρが小さいほうへシフトしていくことが分かった。この方法によって、実施例3に係る中空粒子1のシリカ殻1aの密度を測定したところ、1.57g/cm3 であった。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る中空粒子の製造方法について、図6のフローチャートを参照して説明する。図6に示されるように、まず、芯粒子としての炭酸カルシウム微粒子2を、溶媒としてのエタノール3及び蒸留水4に混合し、超音波による分散処理を行う(ステップS20)。この工程が、本発明における「分散工程」に相当する。続いて、テトラエトキシシラン(TEOS)5、尿素6及びウレアーゼ7を添加して、25℃において振盪(しんとう)攪拌する(ステップS21)。この工程が、本発明における「添加攪拌工程」に相当する。
これによって、シリカ殻で被覆された炭酸カルシウム微粒子(シリカ殻被覆炭酸カルシウム微粒子)8が分散した混合液が得られた。この混合液に、希塩酸(3mol/L)を添加する酸処理を行うことによって、芯粒子としての炭酸カルシウム微粒子2が溶解し、シリカ殻に微細な貫通孔を開けながらシリカ殻の外部に流出して、炭酸カルシウムが除去される(ステップS22)。この工程が、本発明における「溶解除去工程」に相当する。
その後、混合液を加圧濾過して(ステップS23)、固液分離するとともに不純物として生成したシリカの中実粒子等を取り除き、エタノールで洗浄して(ステップS24)、余分なテトラエトキシシラン5、尿素6及びウレアーゼ7を洗い流した。更に蒸留水で洗浄して(ステップS25)、90℃で16時間乾燥することによって(ステップS26)、シリカ殻からなる中空粒子1が得られた。
ここで、本実施の形態2に係る中空粒子の製造方法において使用した各成分の配合量は、上記表1に示される実施の形態1の場合と同一である。
このように、本実施の形態2に係る中空粒子の製造方法によって製造されたシリカ殻からなる中空粒子1は、製造工程において粗大粒子の生成や凝集体の形成等が起こっていないため、目的とする大きさである外径及びシリカ殻厚さを有する中空粒子である。そして、本実施の形態2に係る中空粒子の製造方法においては、図6のフローチャートにおけるステップS20、ステップS21及びステップS22の各工程を、反応装置としての湿式ジェットミルの中で連続的に行っている。
したがって、本実施の形態2に係る中空粒子の製造方法においては、芯粒子表面へのアルコキシドの加水分解・縮重合反応による被覆段階において、芯粒子の凝集、粗大な殻化合物粒子の生成とその凝集、及び殻化合物被覆芯粒子の粗大化並びに凝集体の形成を防止するとともに、これらの粗大な粒子及び凝集体による湿式粒子分散装置等の反応装置内の細孔流路の閉塞を防止することによって、目的とする大きさの殻化合物被覆芯粒子を連続的に得ることができるだけでなく、目的とする大きさの中空粒子をも連続的に得ることができる。
上記各実施の形態においては、アルコキシドとしてシリコンアルコキシドであるテトラエトキシシラン(TEOS)5を使用した場合について説明したが、アルコキシドとしてはこれに限られるものではなく、その他にもリチウムアルコキシド、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、マグネシウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等を用いることができる。
また、シリコンアルコキシドとしても、テトラエトキシシランに限られるものではなく、その他にもテトラメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の化合物を用いることができる。
また、上記各実施の形態においては、芯粒子として顕微鏡法による平均粒子径が60nmの大きさの炭酸カルシウム微粒子を使用した例について説明したが、炭酸カルシウム微粒子の大きさはこれに限られるものではなく、顕微鏡法による平均粒子径が60nm未満の大きさの炭酸カルシウム微粒子を用いても良いし、顕微鏡法による平均粒子径が60nmを超える大きさの炭酸カルシウム微粒子を用いることもできる。
更に、上記各実施の形態においては、塩基性化合物としてアンモニア(NH3 )を応用した例について説明したが、塩基性化合物としてはアンモニアに限られるものではなく、その他にもアミン、アミド、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2 )を始めとして、種々の塩基性化合物を用いることができる。
また、上記各実施の形態においては、塩基性化合物前駆体物質として、触媒としてのウレアーゼの作用によってアンモニアを発生する尿素((NH22 CO)を使用した場合について説明したが、これに限られるものではなく、触媒の作用によって塩基性化合物を発生する化合物であれば、種々の化合物を用いることができる。
更に、上記各実施の形態においては、芯粒子を溶解除去するために塩酸(希塩酸)を使用した例について説明したが、芯粒子を溶解除去するためには、芯粒子を構成する物質に応じて、酸以外にも無機化合物・有機化合物を問わず、適切な物質を使用することができる。
また、酸としても塩酸に限られるものではなく、硫酸、硝酸、酢酸・安息香酸等のカルボン酸、クエン酸、酪酸等を用いることができ、その濃度も溶解させる芯粒子の種類に応じて任意に設定することができる。
本発明を実施するに際しては、中空粒子の製造方法における各成分の配合量・配合比、反応時間、反応温度等についても、中空粒子の製造方法のその他の工程についても、上記各実施の形態及び各実施例に限定されるものではない。
なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、その全てが臨界値を示すものではなく、ある数値は実施に適切な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
1 シリカ殻からなる中空粒子
2 炭酸カルシウム微粒子
3 エタノール
4 蒸留水
5 テトラエトキシシラン
6 尿素
7 ウレアーゼ
8 シリカ殻被覆炭酸カルシウム微粒子

Claims (9)

  1. アルコキシドに塩基性化合物を作用させることによって前記アルコキシドの加水分解・縮重合反応を進行させ、殻となる化合物(殻化合物)を生成させて芯となる粒子(芯粒子)の表面を覆い、その後前記芯粒子を溶解除去することによって前記殻化合物からなる中空粒子を製造する方法であって、
    前記塩基性化合物は、塩基性化合物前駆体物質に触媒を作用させて徐々に発生させることを特徴とする中空粒子の製造方法。
  2. アルコキシドに塩基性化合物を作用させることによって前記アルコキシドの加水分解・縮重合反応を進行させ、殻となる化合物(殻化合物)を生成させて芯となる粒子(芯粒子)の表面を覆い、その後前記芯粒子を溶解除去することによって前記殻化合物からなる中空粒子を製造する方法であって、
    溶媒に前記芯粒子を分散させて芯粒子分散溶液とする分散工程と、
    前記芯粒子分散溶液に前記アルコキシドと、前記塩基性化合物を発生させる塩基性化合物前駆体物質と、該塩基性化合物前駆体物質に作用して前記塩基性化合物を徐々に発生させる触媒とを添加して攪拌する添加攪拌工程とを具備し、
    前記分散工程及び前記添加攪拌工程を反応装置内で連続的に実施することを特徴とする中空粒子の製造方法。
  3. 更に、前記添加攪拌工程において形成された前記芯粒子が前記殻化合物で被覆された粒子に、前記芯粒子を溶解させる化合物を添加して前記芯粒子を溶解除去する溶解除去工程を具備し、前記分散工程、前記添加攪拌工程及び前記溶解除去工程を反応装置内で連続的に実施することを特徴とする請求項2に記載の中空粒子の製造方法。
  4. 前記アルコキシドはシリコンアルコキシドであり、前記殻化合物はシリカ(SiO2 )であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の中空粒子の製造方法。
  5. 前記芯粒子は、酸により溶解する無機物微粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の中空粒子の製造方法。
  6. 前記無機物微粒子は、炭酸カルシウム微粒子であることを特徴とする請求項5に記載の中空粒子の製造方法。
  7. 前記塩基性化合物前駆体物質は、分子内にアミド基もしくはアミノ基を1つ以上有し、前記触媒の作用によってアンモニアを発生することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の中空粒子の製造方法。
  8. 前記塩基性化合物前駆体物質は尿素であり、前記触媒はウレアーゼ(尿素分解酵素)であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の中空粒子の製造方法。
  9. 前記殻化合物からなる中空粒子は、顕微鏡法により測定した外径が30nm〜200nmの範囲内であるシリカ殻からなるナノ中空粒子であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の中空粒子の製造方法。
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