JP2011168092A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】アイス性能とドライ性能との両立を実現できる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ周方向に沿って延びる複数本の主溝8と、主溝8により区画された陸部9とが設けられたトレッドゴム7と、トレッドゴム7に埋設されたベルト層5と、ベルト層5の外周に配設されたベルト補強層6と、を備える空気入りタイヤにおいて、ベルト補強層6が、少なくとも3層で構成された補強積層部10を陸部9の内方域に有し、補強積層部10は、トレッド面から最外層までの深さが主溝8の溝深さよりも小さく、最外層がその内周に位置する層の端部の側方を覆うように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、氷雪路面での走行性能と乾燥路面での走行性能との両立を良好に実現できる空気入りタイヤに関し、特にスタッドレスタイヤとして有用である。
一般に、スタッドレスタイヤでは、トレッドに比較的軟らかいゴムが使用される。これにより、制動時やコーナリング時に陸部が適度に倒れ込みやすくなり、それに伴って発現されるエッジ効果によって、摩擦係数が低い氷雪路面での走行性能(以下、アイス性能と呼ぶ。)を高めることができる。
ところで、近年では、地球温暖化による暖冬の影響もあってか、スタッドレスタイヤで乾燥路面を走行する機会が増えており、アイス性能だけでなく、乾燥路面での走行性能(以下、ドライ性能と呼ぶ。)も要求される傾向にある。ドライ性能は、トレッドに比較的硬いゴムを使用したり、サイプ密度を低く設定したりすることで向上できるが、その反面、アイス性能は低下してしまう。このため、ゴム配合やサイプ密度とは無関係に、アイス性能とドライ性能とを良好に両立できる方策が強く望まれる。
下記特許文献1には、少なくともベルト層の両側部の位置に、幅狭の補強層を配置した空気入りタイヤが記載されている。しかし、この構造は、補強層により空気入りタイヤの走行時における径成長を抑制するものに過ぎず、アイス性能とドライ性能の両立に関する改善効果は殆どないと考えられる。即ち、アイス性能を確保しながらドライ性能を向上するには、ゴム硬度やサイプ密度に依存しない手法で陸部の倒れ込みを抑制する必要があるものの、当該タイヤは、そのための構造を開示するものではない。
下記特許文献2には、ベルト層の外側に、陸部のリブ状部分の内方に位置する高密度部と、縦溝の内方に位置する低密度部とを有するバンド層を設けた空気入りタイヤが記載されており、高密度部としてバンドプライを3枚重ねて形成したものが開示されている。しかし、当該タイヤにおいても、陸部の倒れ込みを抑制する効果が十分とは言えず、アイス性能とドライ性能の両立に対する寄与は小さいと考えられる。また、バンドプライの端部を起点としたセパレーションの発生も懸念される。そもそも、当該タイヤはレーシング用タイヤとして使用されるものであり、スタッドレスタイヤにおける上記の問題に対し、その解決手段を示唆するものではない。
特開2006−103397号公報 特開平11−291713号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アイス性能とドライ性能との両立を実現できる空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成することができる。本発明の第1の態様によれば、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の主溝と、前記主溝により区画された陸部とが設けられたトレッドゴムと、前記トレッドゴムに埋設されたベルト層と、前記ベルト層の外周に配設されたベルト補強層と、を備える空気入りタイヤにおいて、前記ベルト補強層が、少なくとも3層で構成された補強積層部を前記陸部の内方域に有し、前記補強積層部は、トレッド面から最外層までの深さが前記主溝の溝深さよりも小さく、最外層がその内周に位置する層の端部の側方を覆うことを特徴とする空気入りタイヤが提供される。
この空気入りタイヤでは、ベルト補強層が陸部の内方域に補強積層部を有していることにより、陸部の剛性を向上できる。しかも、補強積層部は、少なくとも3層で構成され、トレッド面から最外層までの深さが主溝の溝深さよりも小さく、最外層がその内周に位置する層の端部の側方を覆うため、主溝の溝壁が効果的に補強される。その結果、ゴム配合やサイプ密度をアイス性能に有利に設定していても、陸部の倒れ込みを抑制することができ、アイス性能とドライ性能との両立を良好に実現できる。また、最外層がその内周に位置する層の端部の側方を覆うことにより、該端部を起点としたセパレーションの発生を防ぐことができる。
前記第1の態様に基づく本発明の第2の態様によれば、前記補強積層部の幅方向両側にて、最外層がその内周に位置する層の端部の側方を覆う構造が提供される。かかる構成によれば、補強積層部の幅方向両側において、主溝の溝壁を補強して陸部の倒れ込みを抑制できるとともに、耐セパレーション性能も向上できる。
前記第1又は第2の態様に基づく本発明の第3の態様によれば、前記補強積層部の最外層がその内周に位置する層の端部を包み込むように構成された構造が提供される。かかる構成によれば、内周に位置する層の端部を起点としたセパレーションの進展を阻止して、耐セパレーション性能を効果的に高めることができる。
本発明に係る空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図 図1のタイヤの要部を示す拡大図 本発明の他の実施形態における補強積層部を示す要部断面図 図3aにおける断面の一例を示す斜視図 本発明の他の実施形態における補強積層部を示す要部断面図 補強積層部の包み込み構造の変形例を示す図 本発明の他の実施形態におけるタイヤ子午線半断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示した空気入りタイヤは、一対の環状のビード部1と、ビード部1からタイヤ径方向外側へ延びるサイドウォール部2と、そのサイドウォール部2の外周側端に連なるトレッド部3とを備える。カーカス層4は、トレッド部3からサイドウォール部2を経てビード部1に至り、ビードコア1aとビードフィラー1bとを挟み込むようにして折り返されている。本実施形態のカーカス層4は、トレッド部3にてタイヤ幅方向に分断された中抜き構造を有するが、本発明はこれに限定されない。
トレッド部3の外周側部分を構成するトレッドゴム7には、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の主溝8と、主溝8により区画された陸部9とが設けられている。陸部9は、タイヤ周方向に連続して延びるリブ、或いは複数のブロックにより構成される。後者の場合には、主溝8に交差する方向に延びた横溝により、陸部9がタイヤ周方向に分断される。陸部9の表面には、エッジ効果を十分に発揮してアイス性能を高める観点から、必要に応じてサイプが形成される。
ベルト層5は、トレッドゴム7に埋設されており、トレッド部3にてカーカス層4の外周に配設されている。ベルトプライ5a,5bは、タイヤ周方向に対して10〜60度の傾斜角度で配列したスチールコードをゴムコーティングして形成され、ベルト層5は、少なくとも2枚のベルトプライ(本実施形態では2枚のベルトプライ5a,5b)を、そのコードが互いに逆向きになるように積層することで構成される。該コードは、ポリエステルやレーヨン、ナイロン、アラミド等の有機繊維からなるものでも構わない。
ベルト層5の外周にはベルト補強層6が配設され、それらの外周にトレッドゴム7が設けられている。ベルト補強層6は、3層で構成された補強積層部10を陸部9の内方域に有する。また、本実施形態では、ベルト補強層6が、補強積層部10とは別個に、ベルト層5の両端部を覆う一対の補強端部11を有する。この補強端部11は、ベルト層5の端部のばたつきを抑えて耐久性を向上する。
図2に拡大して示すように、補強積層部10は、トレッド面から最外層10aまでの深さD10が主溝8の溝深さD8よりも小さく、最外層10aが、その内周に位置する層10b,10cの端部の側方を覆っている。これにより主溝8の溝壁が効果的に補強され、ゴム配合やサイプ密度をアイス性能に有利に設定しながらも陸部9の倒れ込みを抑制して、アイス性能とドライ性能との両立を良好に実現できる。かかる作用効果を確保する観点から、溝深さD8と深さD10との差は1.0mm以上が好ましい。
また、最外層10aがその内周に位置する層10b,10cの端部の側方を覆うことにより、該端部を起点としたセパレーションの発生を防いで、耐セパレーション性能を向上することができる。本実施形態では、そのような被覆構造を補強積層部10の幅方向両側に適用しているため、その両側にて陸部9の倒れ込み抑制効果や耐セパレーション性能の向上効果が得られる。
補強積層部10は、少なくとも部分的に3層以上で構成されるものであり、例えば4層以上で構成しても構わない。これによって、補強積層部10の高さを確保しやすくなり、溝深さD8よりも深さD10を小さくして、陸部9の根元部分を適切に補強することができる。一方、ベルト層5から主溝8の溝底までのゴム厚みTは2mm程度であり、補強積層部に含まれるコードの直径が通常は1mm未満であることから、2層以下の補強積層部では、高さを適切に確保できない。
補強積層部10の高さは、TWI(トレッドウェアインジケータ、不図示)を超えないことが好ましい。TWIは、摩耗によるタイヤ交換時期を知らせるために主溝8の溝底に設けられる突起であり、例えば溝底から1.6mmの高さで設けられる。
ベルト補強層6は、タイヤ周方向に実質的に平行に延びてゴムコーティングされたコードCにより構成されている。コードCの素材としては、ナイロンやアラミド、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維が例示され、その直径は例えば0.5〜0.8mmであり、一般的なベルト補強層に含まれるコードと同等の物性を有するものが採用できる。ベルト補強層6は、ゴム被覆した1本のコードCを、或いはゴム被覆した複数本のコードCからなる小幅の帯状プライを、タイヤ周方向に沿って螺旋状に巻回することで形成してもよい。
この補強積層部10は、上述のように最外層10aが層10b,10cの端部の側方を覆う構造であるため、主溝8の溝底付近の溝壁に沿った部分を有し、その層間(即ち、層10aと層10bとの間、及び/又は、層10bと層10cとの間)の高さにもコードCが配置され得る。これによって、陸部9の根元部分の補強効果が高められ、コーナリング時などにおいて操縦安定性が向上する。
主溝8の溝壁から補強積層部10までのタイヤ幅方向の距離aは、1.0〜3.0mmが好ましく、1.0〜1.5mmがより好ましい。この距離aが3.0mmを超えると、補強積層部10によって陸部9の剛性を向上する効果が小さくなる傾向にあり、この距離aが1.0mm未満であると、補強積層部10が溝壁に近付き過ぎるため、タイヤの加硫成形時における主溝8の形成工程に支障を来たす恐れがある。
トレッドゴム7に形成される主溝8の本数は特に限定されないが、本実施形態では、タイヤ赤道CLを挟んで片側に2本ずつ合計4本の主溝8が形成された例を示す。この場合、陸部9が、タイヤ赤道CLを含んだセンター陸部と、その両側に位置する一対のメディエイト陸部と、最外側に位置する一対のショルダー陸部とからなる。補強積層部10は、少なくとも1つの陸部9に配設されてあればよいが、センター陸部ではドライ性能への寄与が比較的高いことから、本実施形態のように、少なくともセンター陸部の内方域に補強積層部10を配設することが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、前述の如き作用効果を奏してアイス性能とドライ性能との両立を良好に実現できることから、特にスタッドレスタイヤとして有用である。スタッドレスタイヤとして、陸部9の適度な倒れ込みを容易に発現できるように、トレッドゴム7のゴム硬度(JISK6253のタイプAデュロメータの測定値)は40〜60度が好ましく、45〜55度がより好ましい。
ベルト補強層6は、ベルト層5を全体的に覆う幅広の層を有してもよく、そのような幅広の層が1層である構造は、1キャップ補強構造と呼ばれる。例えば、ベルト層5の直上の層10cがベルト層5よりも幅広で補強端部11を兼ねてもよく、その幅広の層10cと層10a,10bとで補強積層部10を構成してもよい。この場合、最外層10aは、層10bの端部のみを覆うことになるが、最外層10aにより端部の側方を覆われる内周の層は、少なくとも1層あればよい。また、後述する実施例1〜3のように、1キャップ補強構造を採用して、その外周に上記の補強積層部10を配設してもよく、その場合には補強積層部が4層で構成される。
上記のように、本発明では、主溝8の溝底の内方域にも補強積層部10を配置する形態が考えられるが、ベルト補強層6は主溝8の溝底の内方域を避けて配置されることが好ましい。主溝8の溝底の内方域を補強してもドライ性能にはさほど寄与せず、陸部9の倒れ込みを抑制するには、陸部9の内方域に補強積層部10を配設すれば十分である。また、タイヤの加硫成形時において主溝8の形成工程を支障なく実行するうえでは、かかる構成が有利である。この場合における補強積層部10は、最外層の内周に2層以上の幅狭の層を有する構造になる。
本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。トレッド面に形成されるトレッドパターンは、使用する用途や条件に応じて適宜に変更することができる。また、トレッドゴムは、単層に限られず、ベースゴムの外周にキャップゴムを積層したキャップ・ベース構造のような複層であってもよい。
以下、本発明の空気入りタイヤで使用され得る補強積層部の他の形態について説明する。図3aに示した補強積層部20は、その幅方向中央にて最外層20aを分断した例であり、層20cの幅寸法bに対する分断間隔cの比率c/bは、例えば0.1〜0.6である。また、二分した最外層20aのうち片側のみを配設してもよく、その場合には、陸部9における車両装着時の内側又は外側を狙って剛性を向上できる。これらは何れも、補強積層部20を層20a,20b,20cの3層で構成したものになる。
図3aのような補強積層部20においては、最外層20aの配置をサイプの分布に対応させることが好ましい。即ち、図3bに例示したように、陸部9としてのブロック91に、中央部から放射状に延び且つ該中央部にサイプの無い放射状サイプ15を形成している場合、そのブロック91の中央部では剛性が高くなる傾向にあるが、最外層20aを中央部で分断させていることにより、剛性の均一化を図って操縦安定性を向上することができる。尚、図3bではサイプを放射状としているが、これに限られない。また、表面にサイプを有しないブロックでも中央部の剛性が高くなる傾向にあるため、最外層20aの配設により同様の操縦安定性の向上効果が得られる。
図4に示した補強積層部30は、最外層30aがその内周に位置する層30b,30cの端部を包み込んでおり、4層で構成されている。この構成によれば、層30b,30cの端部を起点としたセパレーションの進展を確実に阻止して、耐セパレーション性能を効果的に高めることができる。このような包み込み構造の変形例として、図5(a)〜(c)に示した補強積層部40,50,60が挙げられる。補強積層部40は4層で構成され、補強積層部50,60は3層で構成された例である。これらの包み込み構造は、補強積層部の幅方向片側にのみ適用するものでも構わない。
また、本発明では、補強積層部を構成する各層が同幅でなくてもよく、例えば図2の補強積層部10において、層10bと層10cとの幅寸法が相違していてもよい。また、補強積層部を構成する層の一部において、コードの傾斜角度が他の層と違っていても構わない。例えば図2の補強積層部10において、層10bのコードCがタイヤ幅方向に延在するものでもよい。かかる補強積層部10では、陸部9の横剛性が向上するため、これをショルダー陸部の内方域に配置することで、ワイピングを抑制してアイス性能を改善できる。
前述の実施形態では、センター陸部の内方域にのみ補強積層部10を配設した例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、メディエイト陸部やショルダー陸部に配設することも可能である。図6は、一対のショルダー陸部の内方域に補強積層部10を配設した例である。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。尚、実施例等における評価項目は、下記のようにして測定を行った。
(1)アイス性能
実車(国産セダン車)にテストタイヤを装着して氷雪路面を走行させ、進入速度40km/hから制動力をかけてABSを作動させた際の制動距離を測定した。比較例1の結果を100として測定値の逆数を指数化し、数値が大きいほどアイス性能(特に制動性能)に優れていることを示す。
(2)ドライ性能
上記の実車にテストタイヤを装着して、乾燥路面であるテストコース上で旋回走行や制動などを実施し、操縦安定性能、コーナリング性能及び制動性能についてドライバーの官能試験により評価した。比較例1の結果を100として指数評価し、指数が大きいほどドライ性能に優れていることを示す。
(3)耐セパレーション性能
直径1.7mのドラムを備えた室内ドラム試験機を使用し、空気圧を180kPa、試験速度を80km/hとし、タイヤ負荷荷重をJIS規定の85%から始め、規定時間ごとに荷重を上げていき最終的に140%で走行させ、15000km走行試験を行った。走行試験後、タイヤを解体してベルト補強層のセパレーションを調査し、セパレーションのないものを「○」、セパレーションが発生したものを「×」で評価した。
比較例1〜3
図1に示した構造のタイヤ(サイズ:195/65R15)において、ベルト補強層を具備しないものを比較例1とした。また、ベルト層を1層の幅広プライで覆った1キャップ補強構造を採用し、トレッドゴムのゴム硬度を5度高くしたこと以外は、比較例1と同じものを比較例2とした。更に、同じく1キャップ補強構造を採用し、サイプ密度を0.02mm/mm小さくしたこと以外は、比較例1と同じものを比較例3とした。サイプ密度は、サイプの長さの総和を陸部踏面の面積で除した値である。
実施例1〜4
比較例2,3と同様に1キャップ補強構造を採用し、センター陸部の内方域に図2に示した補強積層部を配設したこと以外は、比較例1と同じであるものを実施例1とした。また、補強積層部が図3aに示した構造であること以外は、実施例1と同じものを実施例2とした。更に、補強積層部が図4に示した構造であること以外は、実施例1と同じものを実施例3とした。1キャップ補強構造に代えて、図1のようなベルト層の両端を覆う一対の補強端部を採用したこと以外は、実施例1と同じものを実施例4とした。
比較例4
補強積層部の最外層を、その内周に位置する層と同幅にしたこと以外は、実施例1と同じであるもの比較例4をとした。評価結果を表1に示す。
Figure 2011168092
表1から、比較例2ではトレッドゴムを硬くしたことにより、比較例3ではサイプ密度を低くしたことにより、それぞれドライ性能を向上できているものの、その反面、アイス性能が低下していることが分かる。また、補強積層部を配設した比較例4では、アイス性能を維持しつつドライ性能を向上できているが、各層の端部の周辺でセパレーションが発生しやすい。これに対して、実施例1〜4では、アイス性能を損なうことなくドライ性能が改善されており、両性能の両立を良好に実現できている。また、実施例3では、包み込み構造を採用したことにより、耐セパレーション性能が向上している。
3 トレッド部
4 カーカス層
5 ベルト層
6 ベルト補強層
7 トレッドゴム
8 主溝
9 陸部
10 補強積層部
10a 最外層
10b 最外層よりも内周に位置する層
10c 最外層よりも内周に位置する層

Claims (3)

  1. タイヤ周方向に沿って延びる複数本の主溝と、前記主溝により区画された陸部とが設けられたトレッドゴムと、
    前記トレッドゴムに埋設されたベルト層と、
    前記ベルト層の外周に配設されたベルト補強層と、を備える空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト補強層が、少なくとも3層で構成された補強積層部を前記陸部の内方域に有し、前記補強積層部は、トレッド面から最外層までの深さが前記主溝の溝深さよりも小さく、最外層がその内周に位置する層の端部の側方を覆うことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記補強積層部の幅方向両側にて、最外層がその内周に位置する層の端部の側方を覆う請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記補強積層部の最外層がその内周に位置する層の端部を包み込むように構成されている請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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