JP2011167711A - ろう付け用治具 - Google Patents

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Yasuharu Taketsuna
靖治 竹綱
Eisaku Kakiuchi
栄作 垣内
Katsuhiko Takebe
勝彦 建部
Masahiro Morino
正裕 森野
Tomohiro Takenaga
智裕 竹永
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Abstract

【課題】ろう付け対象物にろう付け部材をろう付けする際に、ろう付け用治具とろう付け対象物との線膨張差の影響による、ろう付け部材の位置ズレを防止し、前記ろう付け対象物における前記ろう付け部材のろう付け位置を保持することが可能なろう付け用治具を提供することを課題とする。
【解決手段】互いに上下方向に対向して配設され、冷却器51と絶縁基板52とを重ね合わせた状態で同時に挟持する下板部材21と上板部材22とを有し、下板部材21の上板部材22側には平面状の上面21aが設けられ、上板部材22の下板部材21側には任意の方向に転動可能な球体33が設けられ、冷却器51を下板部材21の上面21a上に載置するとともに、絶縁基板52を冷却器51の上板部材22側に載置しつつ、球体33を前記絶縁基板52に当接させた状態で、下側部材21と上側部材22とによる冷却器51および絶縁基板52の挟持を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、ろう付け対象物にろう付け部材をろう付けする際に、前記ろう付け対象物における前記ろう付け部材のろう付け位置を保持するためのろう付け用治具の技術に関する。
従来から、例えばアルミニウム合金からなる冷却器や熱交換器などのように、通常の溶接による製造が困難な金属製品においては、ろう付けによる接合が行われている。
前記ろう付けは一般的に、ろう付け対象物と、該ろう付け対象物にろう付けしようとする部材(以下、「ろう付け部材」と記す)と、の間にろう材を配設して、これらろう付け対象物とろう付け部材とを予め組み付けた後に、加熱炉によって高温状態にまで加熱することによって行われる。
すると、加熱炉によって加熱されたろう材が溶融され、溶融されたろう材が接着剤として機能し、ろう付け部材はろう付け対象物に接合されるのである。
ところで、このようなろう付けを行う際は、加熱炉によってこれらろう付け対象物とろう付け部材とを加熱する間、ろう付け対象物におけるろう付け部材のろう付け位置(最終的に製品として要求される、ろう付け対象物に対するろう付け部材のろう付け位置)を保持する必要がある。
そこで、このようなろう付け対象物に対するろう付け部材のろう付け位置を保持するために、ろう付け用治具が用いられる。
ここで、従来のろう付け用治具101の構成について、図5、および図6を用いて説明する。
図5は、従来のろう付け用治具101の全体的な構成を示した側面断面図である。
また、図6は従来のろう付け用治具101を用いてろう付けを行う際における、ろう付け対象物の熱膨張の状態を示した図である。
なお、以下の説明に関しては、便宜上、図5、および図6における矢印Aの方向を前方と規定して記載する。また、図5、および図6においては、図面上の上下方向をろう付け用治具101の上下方向と規定して、以下説明する。
図5に示すように、ろう付け用治具101は、主に治具フレーム102や、複数の加圧装置103・103などにより構成される。
治具フレーム102は、板状部材からなる上板部材121と下板部材122とを有し、これら上下両板部材121・122は、互いに平面部を対向させて並設される。
そして、これら上下両板部材121・122を複数の連結部材123・123・・・(図5、および図6においては、二本のみ記載)によって連結することで、治具フレーム102は枠体構造に形成される。
加圧装置103は、本体部103aやロッド部103bなどを有して構成される。
前記ロッド部103bは、例えば丸棒部材から形成され、本体部103aに挿設されるとともに、該本体部103aに対して軸心方向に沿って進退可能に設けられる。
一方、治具フレーム102の上部板材121には、上下方向に貫通する複数の貫通孔121a・121aが穿孔される。
そして、複数の加圧装置103・103は、ロッド部103b・103bを前記貫通孔121a・121aに挿入しつつ、本体部103a・103aを上板部材121の上面に配置して、治具フレーム102に各々固設される。
このような構成からなるろう付け用治具101を用いて、ろう付け対象物に対するろう付け部材のろう付け位置を保持するには、以下の手順により行われる。
即ち、図6(a)に示すように、例えばろう付け対象物の一例として、アルミニウム合金製の板状部材からなり、水平方向に延出する基板151を、また、ろう付け部材の一例として、該基板151に比べて表面積の小さな板状部材からなる複数の絶縁基板152・152を各々想定し、該基板151上面のろう付け位置に絶縁基板152・152をろう付けする場合、先ず、基板151上面の所定の位置(ろう付け位置)において、シート状のろう材153・153を各々間に挟んで、絶縁基板152・152を載置する。
次に、前述のごとく組み付けられた、これら基板151や絶縁基板152・152を治具フレーム102内に投入し、下板部材122の上面に載置する。
即ち、ろう付け対象物である基板151が、一方側(上面側)においてろう付け部材である複数の絶縁基板152・152が配設されるとともに、他方側(下面側)において前記下板部材122の上面と当接された状態によって、これら基板151や絶縁基板152・152は下板部材122の上面に載置される。
その後、加圧装置103・103のロッド部103b・103bを、軸心方向に沿って各々下方(治具フレーム102の内部方向)に進出させて、ロッド部103b・103bにより絶縁基板152・152の上面を押圧することで、これら基板151や絶縁基板152・152は、下板部材122の上面と、ロッド部103b・103bの下端部とによって挟持される。
その結果、ろう付け対象物である基板151に対する、ろう付け部材である複数の絶縁基板152・152のろう付け位置が、各々保持されるのである。
ここで、ろう付け用治具101によってろう付け位置を保持された、これら基板151や絶縁基板152・152を加熱炉内に投入して加熱すると、ろう付け用治具101と基板151との線膨張(熱による固体の長さの変化)差の影響により、基板151における絶縁基板152・152のろう付け位置に対して、位置ズレが発生する。
即ち、炭素鋼を主な材料とするろう付け用治具101に比べて、アルミニウム合金を主な材料とする基板151は、加熱による線膨張率が大きい。
よって、図6(b)に示すように、基板151は治具フレーム102の上板部材121に比べて、より大きく外方向(平面視において、基板151の図心を中心にして、基板151の表面積が広がる方向)に膨張することとなり、加圧装置103・103のロッド部103b・103bに対する複数の絶縁基板152・152のろう付け位置(図6(b)に示す絶縁基板152a・152aの位置)は、基板151の膨張に追従して外方向に移動する。
なお、図6(b)においては、断面図であるため、基板151の膨張する方向は、矢印Bにて示す前後方向として記載している。
しかし、加熱炉によってこれら基板151や、絶縁基板152・152を加熱している間においては、ろう材153・153は溶融された状態にあり、基板151と絶縁基板152・152との間における結合力は、殆ど発生していない状態にある。
一方、絶縁基板152・152は、ロッド部103b・103bの下方(ロッド部103bの軸心方向であって、下板部材122側の方向)に向かう押圧力によって、前記ロッド部103b・103bに対する相対位置を強固に保持される。
その結果、基板151に対する絶縁基板152・152の実際の位置については、所定のろう付け位置(図6(b)に示す絶縁基板152a・152aの位置)に比べて、各々内方向(平面視において、基板151の図心に向かう方向)にズレが発生することとなる。
その後、図6(c)に示すように、ろう付け用治具101によってろう付け姿勢を保持された基板151と絶縁基板152・152とを、加熱炉内より取り出して常温(外気温度)にまで冷却すると、溶融したろう材153・153が凝固し始め、基板151と絶縁基板152・152との間に結合力が発生する。
よって、絶縁基板152・152は、基板151のろう付け位置(図6(c)に示す絶縁基板152a・152aの位置)に対して位置ズレを生じた状態のまま、基板151によってろう付けされることとなる。
このように、従来のろう付け用治具を用いて、ろう付け対象物にろう付け部材をろう付けする際、ろう付け用治具とろう付け対象物とにおける線膨張差の影響により、前記ろう付け対象物における前記ろう付け部材のろう付け位置を保持することが困難であった。
そこで、このような問題点を改善するべく、以下に示す様々な技術が開示されている。
即ち、「特許文献1」においては、被ろう接熱交換器の両側面のそれぞれにそえられる一対の当て板と、両当て板の相対する両端部同士をそれぞれ締付ける二対のボルト・ナットとよりなるアルミニウム製熱交換器のろう接治具において、ボルトがアルミニウム製であり、ボルトに、これの軸部にルーズにはめ被せられる中空棒状または少なくとも軸部にあけられた軸孔にルーズにはめ入れられる中実棒状のステンレス製補強部材が備えられていることを特徴とするアルミニウム製熱交換器のろう接治具に関する技術が開示されている。
また、「特許文献2」においては、互いに近接離間可能な一対の加圧板と、少なくともいずれか一方の上記加圧板と、上記一対の加圧板の間に配置されたろう付け部材との間に配設された弾発部材と、上記一対の加圧板の離間距離を規定することにより、上記ろう付け部材を上記弾発部材を介して加圧拘束する拘束部と、を備えたろう付け用治具において、上記弾初部材が、少なくとも上記ろう付け部材周縁部を加圧する大径のコイルバネと、該コイルバネの内側に配設された小径のコイルバネとを有して構成されることを特徴とするろう付け用治具に関する技術が開示されている。
実開昭63−174966号公報 実開平5−88770号公報
しかし、前記「特許文献1」や前記「特許文献2」における技術では、互いに対向して配設される二枚の板状部材(図5における上下両板部材121・122)において、これら板状部材と直交する方向(図5における上下方向)に関する、ろう付け対象物の熱膨張については対応可能であっても、これら板状部材と平行する方向(図6における水平方向、即ち矢印Bの方向)に関する、ろう付け対象物の熱膨張については対応することができない。
よって、ろう付け用治具とろう付け対象物との線膨張差の影響による、該ろう付け対象物の構成部品の位置ズレを防止することは困難である。
本発明は、以上に示した問題点を鑑みてなされたものであり、ろう付け対象物にろう付け部材をろう付けする際に、ろう付け用治具とろう付け対象物との線膨張差の影響による、ろう付け部材の位置ズレを防止し、前記ろう付け対象物における前記ろう付け部材のろう付け位置を保持することが可能なろう付け用治具を提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、ろう付け対象物にろう付け部材をろう付けする際に、前記ろう付け対象物における前記ろう付け部材のろう付け位置を保持するためのろう付け用治具であって、互いに対向して配設され、前記ろう付け対象物と前記ろう付け部材とを重ね合わせた状態で同時に挟持する第一加圧部材と第二加圧部材とを有し、前記第一加圧部材の前記第二加圧部材側には、平面状の載置面が設けられ、前記第二加圧部材の前記第一加圧部材側には、任意の方向に転動可能な転動体が設けられ、前記ろう付け対象物を前記第一加圧部材の載置面上に載置するとともに、前記ろう付け部材を前記ろう付け対象物の前記第二加圧部材側に載置しつつ、前記転動体を前記ろう付け部材に当接させた状態で、第一加圧部材と第二加圧部材とによる前記ろう付け対象物およびろう付け部材の挟持を行うものである。
請求項2においては、請求項1に記載のろう付け用治具であって、前記ろう付け用治具は、前記第二加圧部材に前記転動体を支持させる押圧部を備え、前記押圧部は、棒状に形成される本体部と、前記本体部の一端部に配設され、前記転動体を転動可能に支持するホルダー部とを有するとともに、前記ホルダー部を前記第一加圧部材側に向けた姿勢に配置された状態で、前記第二加圧部材に支持されるものである。
請求項3においては、請求項1または請求項2に記載のろう付け用治具であって、前記ろう付け用治具は、前記ろう付け対象物および前記ろう付け部材の挟持方向に沿って前記第二加圧部材を移動させ、前記第一加圧部材に対して前記第二加圧部材を近接させる可動手段を備え、前記可動手段は、前記第一加圧部材に立設され、前記挟持方向における前記第二加圧部材側に延出するガイド部と、前記ガイド部に備えられる付勢手段とを備え、前記第二加圧部材は、前記ガイド部により前記挟持方向へ摺動可能に支持され、前記付勢手段は、前記第二加圧部材を前記挟持方向に沿って前記第一加圧部材側へ付勢するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に拠れば、ろう付け対象物にろう付け部材をろう付けする際に、ろう付け用治具とろう付け対象物との線膨張差の影響による、ろう付け部材の位置ズレを防止し、前記ろう付け対象物における前記ろう付け部材のろう付け位置を保持することが可能なろう付け用治具を提供することができる。
本発明の一実施例に係る、ろう付け用治具の全体的な構成を示した側面断面図。 同じく、ろう付け用治具の全体的な構成を示した平面図であり、紙面向かって下側は、図1に示すX1断面から見た平面断面図であり、紙面向かって上側は、図1に示すX2断面から見た平面断面図。 押圧部の近傍を示した側面断面図。 ろう付けを実行する際における冷却器上面の熱膨張の状態を示した図であり、(a)は常温時における冷却器の上面近傍を示した側面断面図、(b)は高温時における冷却器の上面近傍を示した側面断面図。 従来のろう付け用治具の全体的な構成を示した側面断面図。 従来のろう付け用治具を用いてろう付けを実行する際におけるろう付け対象物の熱膨張の状態を示した図であり、(a)は常温時におけるろう付け対象物を示した側面断面図、(b)は高温時におけるろう付け対象物を示した側面断面図、(c)はろう付け終了後、再び常温に戻った状態におけるろう付け対象物を示した側面断面図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
[ろう付け用治具1の全体構成]
先ず、本実施例におけるろう付け用治具1の全体構成について、図1、および図2を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては、便宜上、図1、および図2における矢印Aの方向を前方と規定して記載する。また、図1においては、図面上の上下方向をろう付け用治具1の上下方向と規定して、以下説明する。
ろう付け用治具1は、ろう付け対象物にろう付け部材をろう付けする際に、前記ろう付け対象物における前記ろう付け部材のろう付け位置を保持するための治具である。
ろう付け用治具1は、治具フレーム2や、治具フレーム2に固設される複数の押圧部3・3・・・などを有して構成される。
先ず始めに、治具フレーム2について説明する。
治具フレーム2は、ろう付け用治具1の基部となる部位であり、枠体構造に形成される。
治具フレーム2は、下板部材21や、上板部材22や、これら上下両板部材21・22を連結する複数の連結装置23・23・・・などにより構成される。
下板部材21は、ろう付けを行うろう付け対象物とろう付け部材とを載置する載置台として設けられ、平面部を有して形成される。
即ち、下板部材21は矩形状の板状部材からなり、その上面21aは機械加工によって水平面状の平面部として形成される。
そして、ろう付け用治具1によって、ろう付け対象物におけるろう付け部材のろう付け位置を保持する際は、前記上面21aに、これらろう付け対象物とろう付け部材とが載置される。
平面視において、下板部材21の四隅には、下板部材21の板面に対して直交する方向に貫通する貫通孔21b・21b・・・が各々穿孔される。
そして、これら貫通孔21b・21b・・・を介して、後述する複数の連結装置23・23・・・のロッド部材24・24・・・は、下板部材21の上面21aに立設される。
上板部材22は、ろう付け用治具1の天板として設けられ、下板部材21の上方において、該下板部材21と対向して配設されるとともに、複数の連結装置23・23・・・によって、下板部材21に対して上下方向に移動可能に設けられる。
即ち、上板部材22は、下板部材21と略同形状、即ち矩形状の部材からなり、下板部材21に対して上方側(下板部材21との直行方向であって、該下板部材21の上面21a側)に一定の間隔を有して、下板部材21と平行に配設されるとともに、連結装置23・23・・・が有するロッド部材24・24・・・に沿って、上下方向に移動可能に設けられる。
上板部材22には、上板部材22の板面に対して直交する方向に貫通する複数の第一貫通孔22a・22a・・・が穿孔され、これら第一貫通孔22a・22a・・・を介して、後述する押圧部3・3・・・が上板部材22に嵌設される。
また、平面視において、上板部材22の四隅には、上板部材22の板面に対して直交する方向に貫通する第二貫通孔22b・22b・・・が各々穿孔され、これら第二貫通孔22b・22b・・・を介して、上板部材22は、複数の連結装置23・23・・・と連結される。
なお、これら複数の第一貫通孔22a・22a・・・は、ろう付け対象物を下板部材21の上面21aに載置し、ろう付け部材を前記ろう付け対象物の上板部材22側に載置した際、平面視において、前記ろう付け対象物におけるろう付け位置に載置されたろう付け部材の中心と、略同じ位置に各々形成される。
また、第二貫通孔22b・22b・・・は、平面視において、下板部材21の四隅に穿孔される貫通孔21b・21b・・・と、略同じ位置に各々形成される。
連結装置23は、下板部材21と上板部材22とを互いに連結するとともに、下板部材21に対する上板部材22の移動方向を上下方向に規制するための装置である。
連結装置23は、ロッド部材24や、付勢手段25などを有して構成される。
ロッド部材24は、中実形状の丸棒部材から形成される。
ロッド部材24の一方の端部には雄螺子部24aが形成され、また、他方の端部には、ロッド部材24の中央部の径よりも縮径された部分である縮径部24bが同軸上に形成される。
前記縮径部24bの軸心方向断面は、下板部材21に穿孔される貫通孔21bの軸心方向断面と同程度に形成される。
そして、縮径部24b・24b・・・を貫通孔21b・21b・・・に対して下板部材21の上方より挿嵌することで、複数のロッド部材24・24・・・は、下板部材21の上面21aの四隅において、雄螺子部24a・24a・・・を上方に向けつつ下板部材21に対する直交方向に各々立設される。
つまり、縮径部24bが下板部材21に嵌設された各ロッド部材24は、下板部材21から上板部材22に向けて、下板部材21および上板部材22に対して直交する方向に延出する。
なお、これら複数のロッド部材24・24・・・は、貫通孔21b・21b・・・を介して、下板部材21の上面21a上に立設された後、溶接などを用いて各々該下板部材21に対して固着される。
一方、下板部材21に立設される複数のロッド部材24・24・・・の上端部には、上板部材22が挿設される。
即ち、各ロッド部材24の上端部の外径は、上板部材22に穿孔される第二貫通孔22bの内径と同程度の大きさに形成される。
また、前述のとおり、上板部材22における第二貫通孔22b・22b・・・は、平面視において、下板部材21の四隅に穿孔される貫通孔21b・21b・・・の位置、つまり各貫通孔21b・21b・・・の位置に立設されるロッド部材24・24・・・の位置と、略同じ位置に配置される。
そして、各ロッド部材24・24・・・の上端部を、上板部材22の下方より第二貫通孔22b・22b・・・にそれぞれ挿入することで、上板部材22は、ロッド部材24・24・・・に挿設されるのである。
これにより、上板部材22は、ロッド部材24・24・・・によりろう付け対象物およびろう付け部材の挟持方向へ摺動可能に支持される。
付勢手段25は、上板部材22を下方に向かって付勢するための部位であり、例えば圧縮コイルなどにより構成される。
付勢手段25・25・・・は、第二貫通孔22b・22b・・・を貫通して上板部材22から上方へ延出する部分のロッド部材24・24・・・(より詳しくは、雄螺子部24a・24a・・・)に、それぞれ外嵌される。
また、ロッド部材24・24・・・の雄螺子部24a・24a・・・には上方からナット26・26・・・が螺挿されており、付勢手段25・25・・・はナット26・26・・・と上板部材22との間に介装されることとなる。
そして、ナット26・26・・・と上板部材22との間で圧縮された状態にある付勢手段25・25・・・は、その上端がナット26・26・・・の下面に当接するとともに、その下端が上板部材22の上面に当接することにより、ロッド部材24・24・・・に対して摺動可能に挿設される上板部材22を下方に付勢することとなる。
このように、治具フレーム2は、これら上下両板部材21・22と、複数の連結装置23・23・・・とによって、枠体構造に形成されるとともに、上下両板部材21・22は、上下方向に平行、且つ互いに水平状態となるようにして配設される。
そして、上板部材22は、連結装置23・23・・・のロッド部24・24・・・に沿って、上下方向に摺動移動可能に配設されるとともに、連結装置23・23・・・の付勢手段25・25・・・によって、下方に向かって付勢される。
換言すれば、ろう付け用治具1は、上板部材22を、ろう付け対象物である冷却器51とろう付け部材である絶縁基板52・52・・・とを挟持する方向(上板部材22において、下板部材21と直交しつつ、該下板部材21側に向かう方向)に沿って移動させ、下板部材21に対して上板部材(第二加圧部材)22を近接させる可動手段としての連結装置23を有するのである。
次に押圧部3について説明する。
押圧部3は、球体33を有するとともに上板部材22に支持される部位であり、該押圧部3により球体33が上板部材22に対して支持される。上板部材22は、球体33をろう付け部材に当接することで、下板部材21とともに、ろう付け対象物とろう付け部材とを同時に挟持し、前記ろう付け対象物における前記ろう付け部材のろう付け位置を保持する。
つまり、ろう付け用治具1は、上板部材22に球体33を支持させる押圧部3を備えている。
押圧部3は本体部31や、該本体部31の一方の端部に固設され、球体33を転動可能に支持するホルダー部32などにより構成される。
そして、押圧部3・3・・・は、上板部材22の第一貫通孔22a・22a・・・の個数と同じ個数だけ設けられ、各第一貫通孔22a・22a・・・に、各押圧部3・3・・・における本体部31の他方の端部を嵌設することで、ホルダー部32・32・・・側を下方に向けつつ上板部材22に支持される。
このように上板部材22に支持される押圧部3・3・・・の下端部(球体33)は、ろう付け対象物およびろう付け部材を挟持する際に、前記ろう付け部材の上面に各々当接される。
その結果、治具フレーム2の内部に載置されるろう付け対象物とろう付け部材とは、下板部材21の上面21aと、複数の押圧部3・3・・・の球体33・33・・・表面とにより挟持され、ろう付け対象物に対するろう付け部材のろう付け位置は保持される。
[押圧部3]
次に、本実施例における押圧部3の構成について、図3を用いて詳述する。
なお、以下の説明に関しては、便宜上、図3における矢印Aの方向を前方と規定して記載する。また、図3においては、図面上の上下方向を押圧部3の上下方向と規定して、以下説明する。
押圧部3は前述の通り、主に本体部31やホルダー部32などを有して構成される。
本体部31は、中実形状の丸棒部材から形成される。
本体部31の一方の端部には、ホルダー部32が固設され、また、他方の端部には、本体部31の中央部の径よりも縮径された部分である縮径部31aが同軸上に形成される。
なお、前記縮径部31aの外径は、上板部材22に穿孔される第一貫通孔22aの内径と同程度の大きさに形成される。
ホルダー部32は、下方に向かって縮径する逆台形円錐形状の中空部材からなる側面部32aと、側面部32aの上下両端部に各々固設される上板部32b、および下板部32cとにより形成される。
そして、ホルダー部32は、前記本体部31と同軸上に配設されるとともに、該ホルダー部32の上板部32bの上面が本体部31の一方の端部(より詳しくは、本体部31において、縮径部31a側とは反対側の端部)に溶接などにより固着されることで本体部31に接続されている。
下板部32cの平面視中央部には、該下板部32cの略全領域に渡る円形状の貫通孔32dが穿孔され、該貫通孔32dの内径寸法は、球体33の直径寸法に比べて小さくなるように形成される。
そして、球体33は、貫通孔32dを介して、球体33の下端部を外部に突出するようにしてホルダー部32の内部に配設されるとともに、ホルダー部32の内部に設けられるカシメ部32eによって、任意の方向に転動可能に支持される。
即ち、カシメ部32eは、中空の球状部材の略下半部を除去して構成された球面状の内周面を有する袋構造からなり、球体33を支持するカシメ部32eの内周面は、球体33の外周面に沿って、僅かな隙間を有して形成されるとともに、カシメ部32eの下端部は、下板部32cの貫通孔32dと同程度に形成され、該貫通孔32dの外縁に固設される。
このような形状からなるカシメ部32eの内部に球体33を内挿することで、球体33は、貫通孔32dより脱落することなく、ホルダー部32によって任意の方向に転動可能に支持されるのである。
このように、押圧部3は本体部31と、本体部31の一方の端部(下端部)に配設され、本体部31との対向側(下方側)において、カシメ部32eを介して球体33を転動可能に支持するホルダー部32とを有して構成される。
そして、複数の押圧部3・3・・・は、上板部材22の下方より縮径部31a・31a・・・を貫通孔22a・22a・・・に挿嵌することで、上板部材22の下面において、ホルダー部32・32・・・を下方に向けつつ垂設される。
つまり、各押圧部3は、ホルダー部32を下板部材21側に向けつつ、本体部31の軸心方向がろう付け対象物および前記ろう付け部材の挟持方向(上板部材22において、下板部材21と直交しつつ、該下板部材21側に向かう方向)となる姿勢に配置された状態で、上板部材22に支持される。
即ち、前述のとおり、上板部材22の第一貫通孔22aは、該上板部材22と直行方向に穿孔されるとともに、下板部材21の上面21aは、上板部材22と平行に配設されることから、押圧部3は、下板部材21の上面21aに対して本体部31の軸心が直交する状態、且つ球体33が下板部材21に向くようにして、下板部材21の上面21aと対向して配設される。
また、上述のとおり、上板部材22は、第二貫通孔22b・22b・・・を介して、下板部材21の上面21aに立設される複数のロッド部材24・24・・・に挿設されることから、これら複数の押圧部3・3・・・は、ロッド部材24・24・・・と、互いに平行に配設される。
なお、これら複数の押圧部3・3・・・は、第一貫通孔22a・22a・・・に縮径部31aを嵌挿した後に、溶接などにより上板部材22に対して固着される。
そして、図1に示すように、連結装置23の付勢手段25によって、上板部材22がロッド部材24に沿って下方に向かって付勢されることで、押圧部3は、本体部31の軸心方向に沿って下方側に移動し、ホルダー部32に支持される球体33は下板部材21に対して近接される。
[ろう付け方法]
次に、本実施例におけるろう付け用治具1を用いた、ろう付け対象物とろう付け部材とのろう付け方法について、図1、図2、および図4を用いて説明する。
なお、以下の説明においては、例えばろう付け対象物の一例として、アルミニウム合金からなる冷却器51を、また、ろう付け部材の一例として、インバーターモジュール(交流/直流変換装置)である複数の絶縁基板(DBA:Direct Brazed Aluminum)52・52・・・とを想定し、冷却器51の上面に、これら絶縁基板52・52・・・をろう付けする場合について記載する。
但し、本実施例におけるろう付け用治具1は、このような冷却器51や絶縁基板52・52・・・などにろう付け対象物やろう付け部材を限定するものではなく、ろう付け用治具1自身と線膨張率の異なる材質から構成される、あらゆるろう付け対象物やろう付け部材に対して、位置ズレを発生させることなく、確実にろう付け対象物におけるろう付け部材のろう付け位置を保持するための治具である。
先ず、ろう付け対象物とろう付け部材との一例である、冷却器51と絶縁基板52の構成について、図1、および図2を用いて説明する。
冷却器51は、冷却フレーム53やフィン54や天板55などにより構成され、このような構成からなる冷却器51の上面に複数の絶縁基板52・52・・・がろう付けされる。
冷却フレーム53は冷却器51の基部となる部位であり、上面全体を開口する矩形状の筐体構造に形成される。
フィン54は、冷却フレーム53内に導かれる冷却水の流動経路を形成するための部位であり、矩形状の板状部材からなる基板54aや、長方形状の板状部材からなる複数のフィン部材54b・54b・・・などにより構成される。
基板54aは、冷却フレーム53の底面部に比べて小さな表面積となるように形成され、前記底面部の上面において、平面視中央部に載置して固着される。
また、フィン部材54b・54b・・・は、平面部を対向させて互いに一定の間隔を有して並設され、長手方向の一方側の側面を、基板54aの上面と当接するようにして、基板54aの上面に各々立設して固着される。なお、この際、これら複数のフィン部材54b・54b・・・における長手方向の他方側の側面(フィン部材54b・54b・・・の上端面)は、冷却フレーム53の上端面と同一平面上に位置するようになっている。
このように、フィン54は冷却フレーム53内に内装され、互いに隣接されるフィン部材54b・54bの間隙部によって、冷却フレーム53内に導かれる冷却水の流動経路が形成されるのである。
天板55は、水平方向に延出する矩形状の板状部材からなり、冷却フレーム53の上面(開口)全体を塞ぐようにして、該冷却フレーム53の上端部に固着される。なお、この際、天板55の下面には、複数のフィン部材54b・54b・・・の上端部も当接され固着される。
平面視において、天板55の角部、より具体的には、冷却フレーム53の内部であって、フィン54を避けた位置には、二個所の貫通孔55a・55bが、天板55の対角線上に穿孔される。
そして、冷却器51の冷却フレーム53内には、一方の貫通孔55a(或いは、貫通孔55b)を介して冷却水が投入され、投入された冷却水は、複数のフィン部材54b・54b・・・によって形成される流動経路を通って冷却フレーム53の内部全体に行き渡り、その後、冷却水は他方の貫通孔55b(或いは、貫通孔55a)を介して、冷却フレーム53の外部に排出されるようになっている。
このような各部位(冷却フレーム53やフィン54や天板55)によって構成される冷却器51の上面に、複数の絶縁基板52・52・・・がろう付けされる。
即ち、絶縁基板52・52・・・は、各々長方形状の板状部材から形成され、冷却器51の天板55上面において、予め定められた位置にろう付けによって貼設されるのである。
なお、ろう付け対象物とろう付け部材との一例である、これら冷却器51や絶縁基板52・52・・・は、ろう付け用治具1と線膨張の異なる材質によって形成される。
即ち、主に炭素鋼からなる材料によって形成されるろう付け用治具1に対して、これら冷却器51や絶縁基板52・52・・・は、冷却器51としての高い熱伝導性を確保するべく、例えばアルミニウム合金などによって形成される。
次に、ろう付け用治具1を用いて冷却器51の上面に絶縁基板52・52・・・をろう付けする際の具体的な手順について説明する。
先ず、連結装置23・23・・・の付勢手段25・25・・・による付勢力に抗して、上板部材22がロッド部材24に沿って上方側に移動され、押圧部3・3・・・の下端部に設けられる球体33・33・・・の位置が、上方(上板部材22が下板部材21から離間する方向)に移動される。
この際、治具フレーム2の下板部材21の上面21aと、球体33の下端部との間隔が、絶縁基板52・52・・・が載置された冷却器51における、冷却フレーム53の底面部から、絶縁基板52・52・・・の上面に至るまでの高さに比べて十分大きな値となるまで、球体33・33・・・は上方側に移動される。
一方、既に完成された冷却器51において、天板55の上面には、複数の絶縁基板52・52・・・がシート状のろう材56・56・・・を間に挟んで、予め定められた箇所に各々載置される。
そして、このように構成された冷却器51や絶縁基板52・52・・・などは、ろう付け姿勢(冷却器51の上面における予め定められた位置に絶縁基板52・52・・・が載置される状態)を維持しつつ、治具フレーム2の内部に投入され、その後、下板部材21の上面21aの中央部に載置される。
即ち、これらろう付け対象物である冷却器51と、ろう付け部材である絶縁基板52・52・・・とは、冷却器51が下板部材21の上面21aに載置され、絶縁基板52・52・・・が、冷却器51の上板部材22側(上面側)に載置された状態によって、治具フレーム2の内部に載置される。
そして、治具フレーム2内部への冷却器51の載置が完了すれば、付勢手段25・25・・・の付勢力によって、上板部材22がロッド部材24に沿って下方側に移動され、押圧部3・3・・・の下端部に設けられる球体33・33・・・の位置は、下方(上板部材22が下板部材21に近接する方向)に移動される。
このように、これら押圧部3・3・・・を各々下方に移動することで、球体33・33・・・の下端部が絶縁基板52・52・・・の上面に当接され、冷却器51と絶縁基板52・52・・・とは、下板部材21と、上板部材22に備えられる球体33・33・・・とによって、同時に挟持されるのである。
つまり、冷却器51(より詳しくは天板55)と絶縁基板52・52・・・とは、互いに重ね合わされた状態によって、下板部材21と、上板部材22に備えられる球体33・33・・・とによって、同時に挟持されるのである。
下板部材21、および球体33・33・・・によって、冷却器51と絶縁基板52・52・・・とが挟持され、冷却器51に対する絶縁基板52・52・・・のろう付け位置、即ちろう付け対象物に対するろう付け部材のろう付け位置が保持されると、ろう付け用治具1は、図示せぬ加熱炉内に投入される。
そして、前記加熱炉内において、ろう付け用治具1は約600℃もの高温状態にまで加熱され、前記加熱炉によってろう付け用治具1が加熱されるに伴い、冷却器51の天板55と、複数の絶縁基板52・52・・・との間に各々設けられるろう材56・56・・・が溶解し、冷却器51の天板55の上面に絶縁基板52・52・・・がろう付けされるのである。
ここで、加熱炉内において、ろう付け用治具1が加熱される際の、冷却器51上面の熱膨張に関する状態の変化について、図4を用いて説明する。
図4(a)に示すように、常温状態、即ちろう付け用治具1を加熱炉内へ投入する前の状態において、ろう付け用治具1に具備される複数の押圧部3・3・・・は、球体33・33・・・を介して、絶縁基板52・52・・・の平面視中央部を、各々抑え付けた状態に保持されている。
このような状態によって、冷却器51に対する絶縁基板52・52・・・のろう付け位置を保持したろう付け用治具1を、加熱炉内に投入すると、これらろう付け用治具1や冷却器51や絶縁基板52・52・・・などは、前記加熱炉によって各々加熱される。
ここで、ろう付け用治具1と、冷却器51とは、互いに線膨張の異なる材料によって形成されることから、絶縁基板52・52・・・の上面において、押圧部3・3・・・の球体33・33・・・に当接される位置が徐々に移動することとなる。
即ち、炭素鋼を主な材料とするろう付け用治具1に比べて、アルミニウム合金を主な材料とする冷却器51(より詳しくは、天板55)は、熱による線膨張も大きい。
よって、図4(b)に示すように、加熱炉によってろう付け用治具1と冷却器51とが同時に加熱されると、例えば冷却器51の天板55は、治具フレーム2の上板部材22に比べて、より大きく外方向(平面視において、天板55の図心を中心にして、天板55の表面積が広がる方向)に膨張することとなる。
なお、図4(b)においては、断面図であるため、天板55の膨張する方向は、矢印Cにて示す前後方向として記載している。
従って、天板55の上面に載置される複数の絶縁基板52・52・・・は、天板55の膨張に追従して該天板55の外方向に移動することとなり、押圧部3・3・・・に対する複数の絶縁基板52・52・・・の載置位置は、天板55の膨張に追従して、外方向に移動する。
このような、熱による線膨張差によって、絶縁基板52・52・・・の上面における、押圧部3・3・・・の球体33・33・・・に当接される位置が徐々に移動することとなっても、ろう付け用治具1では、絶縁基板52・52・・・の移動に伴って球体33・33・・・が転動する構成となっている。
よって、押圧部3・3・・・の下方(押圧部3の軸心方向であって、下板部材21側の方向)に向かう押圧力によって、押圧部3・3・・・に対する絶縁基板52・52・・・の相対位置が強固に保持されることもなく、天板55に対する絶縁基板52・52・・・のろう付け位置について、位置ズレが発生することもない。
さらに、押圧部3・3・・・を支持する上板部材22は付勢手段25・25・・・により下方へ付勢されているので、冷却器51の上下方向の寸法が熱により変化したとしても、上板部材22の上下位置はその寸法変化に追随することができ、天板55に対する絶縁基板52・52・・・のろう付け位置を、押圧部3・3・・・の球体33・33・・・によって、確実に保持することができる。
加熱炉によって冷却器51や絶縁基板52・52・・・などが十分に加熱されれば、これら冷却器51や絶縁基板52・52・・・を保持するろう付け用治具1は、前記加熱炉より外部に取り出され、外気によって冷却される。
そして、これら冷却器51や絶縁基板52・52・・・などが常温(外気温度)にまで冷却され、溶融したろう材56・56・・・が再び凝固することで絶縁基板52・52・・・は冷却器51の天板55上面に固着され、ろう付け用治具1を用いた、冷却器51(ろう付け対象物)と絶縁基板52・52・・・(ろう付け部材)とのろう付けが終了する。
以上のように、本実施例におけるろう付け用治具1は、例えばアルミニウム合金製の冷却器51からなるろう付け対象物に、絶縁基板52・52・・・からなるろう付け部材をろう付けする際に、前記冷却器(ろう付け対象物)51における前記絶縁基板(ろう付け部材)52のろう付け位置を保持するためのろう付け用治具1であって、互いに上下方向に対向して配設され、前記冷却器(ろう付け対象物)51と前記絶縁基板(ろう付け部材)52とを重ね合わせた状態で同時に挟持する下板部材(第一加圧部材)21と上板部材(第二加圧部材)22とを有し、前記下板部材(第一加圧部材)21の前記上板部材(第二加圧部材)22側、即ち上方側には、平面状の上面(載置面)21aが設けられ、前記上板部材(第二加圧部材)22の前記下板部材(第一加圧部材)21側、即ち下方側には、任意の方向に転動可能な球体(転動体)33が設けられ、前記冷却器(ろう付け対象物)51を前記下板部材(第一加圧部材)21の上面(載置面)21a上に載置するとともに、前記絶縁基板(ろう付け部材)52を前記冷却器(ろう付け対象物)51の前記上板部材(第二加圧部材)22側に載置しつつ、前記球体(転動体)33を前記絶縁基板(ろう付け部材)52に当接させた状態で、下側部材(第一加圧部材)21と上側部材(第二加圧部材)22とによる前記冷却器(ろう付け対象物)51および絶縁基板(ろう付け部材)52の挟持を行うものである。
このような構成を有することで、本実施例におけるろう付け用治具1では、冷却器(ろう付け対象物)51に絶縁基板(ろう付け部材)52・52・・・をろう付けする際に、ろう付け用治具1と冷却器(ろう付け対象物)51との線膨張差の影響による、絶縁基板(ろう付け部材)52・52・・・の位置ズレを防止し、冷却器(ろう付け対象物)51における絶縁基板(ろう付け部材)52・52・・・のろう付け位置を保持することを可能としている。
即ち、図4(b)に示すように、ろう付け用治具1と冷却器(ろう付け対象物)51との線膨張差によって、絶縁基板52・52・・・の上面における、押圧部3・3・・・の球体33・33・・・に当接される位置が徐々に移動することとなっても、ろう付け用治具1では、絶縁基板52・52・・・の移動に伴って球体33・33・・・が転動する構成となっている。
よって、押圧部3・3・・・の下方(押圧部3の軸心方向であって、下板部材21側の方向)に向かう押圧力によって、押圧部3・3・・・に対する絶縁基板52・52・・・の相対位置が強固に保持されることもなく、天板55に対する絶縁基板52・52・・・のろう付け位置について、位置ズレが発生することもないのである。
また、本実施例におけるろう付け用治具1は、前記ろう付け用治具1は、前記上板部材(第二加圧部材)22に前記球体(転動体)33を支持させる押圧部3を備え、前記押圧部3は、棒状に形成される本体部31と、前記本体部31の一端部に配設され、前記球体(転動体)33を転動可能に支持するホルダー部32とを有するとともに、前記ホルダー部32を前記下板部材(第一加圧部材)21側に向けた姿勢に配置された状態で、前記上板部材(第二加圧部材)22に支持されることとしている。
即ち、本実施例におけるろう付け用治具1に拠れば、押圧部3は、棒状に形成される本体部31の軸心方向を挟持方向に向けつつ、該本体部31の一端部において、ホルダー部32を介して球体33を支持する。
よって、ろう付け用治具1を用いて、冷却器(ろう付け対象物)51と絶縁基板(ろう付け部材)52・52・・・とを挟持する際に、前記球体33を介して受ける反力は、本体部31を軸心方向に向かって圧縮する方向に働く。
つまり、ろう付け用治具1を用いて、冷却器(ろう付け対象物)51と絶縁基板(ろう付け部材)52・52・・・とを挟持する際、押圧部3には、曲げ応力やねじれ応力など、特殊な応力が加えられることは少なく、比較的剛性に優れた圧縮応力が加えられることとなり、押圧部3は球体33を確実に保持することができるのである。
また、本実施例におけるろう付け用治具1は、前記冷却器(ろう付け対象物)51および前記絶縁基板(ろう付け部材)52・52・・・の挟持方向に沿って前記上板部材(第二加圧部材)22を移動させ、前記下板部材(第一加圧部材)21に対して前記上板部材(第二加圧部材)22を近接させる連結装置(可動手段)23を備え、前記連結装置(可動手段)23は、前記下板部材(第一加圧部材)21に立設され、前記挟持方向における前記上板部材(第二加圧部材)22側に延出するロッド部材(ガイド部)24と、前記ロッド部材(ガイド部)24に備えられる付勢手段25とを備え、前記上板部材(第二加圧部材)22は、前記ロッド部材(ガイド部)24により前記挟持方向へ摺動可能に支持され、前記付勢手段25は、前記上板部材(第二加圧部材)22を前記挟持方向に沿って前記下板部材(第一加圧部材)21側へ付勢することとしている。
このような構成を有することで、本実施例におけるろう付け用治具1においては、ろう付け用治具1と冷却器51との間における熱による線膨張差によって、たとえ、冷却器51がろう付け用治具1の膨張量以上に上方(ロッド部材24の軸心方向であって、上板部材22が下板部材21に対して離間する方向)へと膨張したとしても、押圧部3・3・・・によって上板部材22が突き上げられ、該上板部材22は、付勢手段25・25・・・の付勢力に抗して上方へと移動されることとなる。
よって、冷却器(ろう付け対象物)51に対する絶縁基板(ろう付け部材)52・52・・・のろう付け位置は、押圧部3・3・・・の球体33・33・・・によって、確実に保持されるのである。
1 ろう付け用治具
3 押圧部
21 下板部材(第一加圧部材)
21a 上面(載置面)
22 上板部材(第二加圧部材)
22a 第一貫通孔
31 本体部
32 ホルダー部
33 球体(転動体)
51 冷却器(ろう付け対象物)
52 絶縁基板(ろう付け部材)

Claims (3)

  1. ろう付け対象物にろう付け部材をろう付けする際に、前記ろう付け対象物における前記ろう付け部材のろう付け位置を保持するためのろう付け用治具であって、
    互いに対向して配設され、前記ろう付け対象物と前記ろう付け部材とを重ね合わせた状態で同時に挟持する第一加圧部材と第二加圧部材とを有し、
    前記第一加圧部材の前記第二加圧部材側には、平面状の載置面が設けられ、
    前記第二加圧部材の前記第一加圧部材側には、任意の方向に転動可能な転動体が設けられ、
    前記ろう付け対象物を前記第一加圧部材の載置面上に載置するとともに、前記ろう付け部材を前記ろう付け対象物の前記第二加圧部材側に載置しつつ、前記転動体を前記ろう付け部材に当接させた状態で、第一加圧部材と第二加圧部材とによる前記ろう付け対象物およびろう付け部材の挟持を行う、
    ことを特徴とするろう付け用治具。
  2. 前記ろう付け用治具は、前記第二加圧部材に前記転動体を支持させる押圧部を備え、
    前記押圧部は、
    棒状に形成される本体部と、前記本体部の一端部に配設され、前記転動体を転動可能に支持するホルダー部とを有するとともに、
    前記ホルダー部を前記第一加圧部材側に向けた姿勢に配置された状態で、前記第二加圧部材に支持される、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のろう付け用治具。
  3. 前記ろう付け用治具は、
    前記ろう付け対象物および前記ろう付け部材の挟持方向に沿って前記第二加圧部材を移動させ、前記第一加圧部材に対して前記第二加圧部材を近接させる可動手段を備え、
    前記可動手段は、
    前記第一加圧部材に立設され、前記挟持方向における前記第二加圧部材側に延出するガイド部と、
    前記ガイド部に備えられる付勢手段とを備え、
    前記第二加圧部材は、前記ガイド部により前記挟持方向へ摺動可能に支持され、
    前記付勢手段は、前記第二加圧部材を前記挟持方向に沿って前記第一加圧部材側へ付勢する、
    ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のろう付け用治具。
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