JP2011166617A - 圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計 - Google Patents

圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電振動片とパッケージとのクリアランスを確保しつつ、圧電振動片の実装強度を確保できる圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計を提供する。
【解決手段】ワイヤボンダ70を使用して、ベース基板用ウエハ40に固着される台座部B2と、台座部B2から立設されるワイヤ部B1とを備えるスタッドバンプBを形成するバンプ形成工程S36と、圧電振動片をスタッドバンプBにフリップチップ接合する実装工程S50と、を有し、バンプ形成工程S36では、台座部B2の高さを20μm以上に形成することを特徴とする。
【選択図】図12

Description

この発明は、圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計に関するものである。
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られているが、その一つとして、2層構造タイプの表面実装型の圧電振動子が知られている。このタイプの圧電振動子は、ベース基板とリッド基板とが直接接合されることでパッケージ化された2層構造になっており、両基板の間に形成されたキャビティ内の内部電極に圧電振動片が実装されている。
圧電振動片を内部電極に実装する方法として、エポキシ系樹脂等からなる溶剤に銀等の粒子を混合した導電性接着剤を用いて、圧電振動片を内部電極に直接接合するダイボンディングが知られている。具体的には、内部電極に導電性接着剤を塗布した後、圧電振動片を導電性接着剤に重ねて導電性接着剤を加熱することによって接続している。
ここで、一般に、圧電振動片の周波数特性やインピーダンス特性等の電気的特性は、圧電振動片を封入しているキャビティ内が真空状態のほうが良い。しかし、エポキシ系樹脂等からなる溶剤は、高温になると蒸発してガスを発生する。このガスがキャビティ内に滞留することで、圧電振動片の発振周波数特性やインピーダンス特性等の電気的特性が悪化し、結果として圧電振動子の性能が悪化する虞がある。
このような問題を解決するために、特許文献1には、導電性接着剤に代えて、台座部と、台座部から立設されるワイヤ部とを備える金属スタッドバンプを形成し、フリップチップ接合により圧電振動片を実装する方法が記載されている。具体的なフリップチップ接合の方法としては、フリップチップボンダの接合ヘッドで水晶振動子板(本発明の圧電振動片に相当)をピックし、端子電極(本発明の引き回し電極に相当)上に形成された金等の金属からなるスタッドバンプに押付け、水晶振動子板に超音波を与えて振動させることにより、水晶振動子板をスタッドバンプに接合する。このとき、圧電振動片の電極とスタッドバンプとの接合界面では、圧電振動片の電極材料の金属とスタッドバンプ材料の金属とが互いに溶融しあう、いわゆる金属拡散がなされている。
なお、従来の一例としては、台座部の高さを7μmから9μmに形成し、スタッドバンプ全体の高さを100μm程度に形成している。また、フリップチップ接合時は、300mW程度の超音波出力で水晶振動子板を振動させている。このとき、パッケージに対する圧電振動片の実装高さは20μmから25μmとなる。なお、一般に20μm以上の実装高さがあれば、圧電振動片が振動した際に、圧電振動片とパッケージとが干渉することがない。
特開2002−368564号公報
圧電振動片をスタッドバンプに強固に接合するには、前述した圧電振動片の電極とスタッドバンプとの金属拡散を十分に実現する必要がある。十分な金属拡散を実現するためには、フリップチップボンダの超音波出力を上げればよいことが一般的に知られている。
ここで、圧電振動片の電極とスタッドバンプとが十分に金属拡散すると、圧電振動片の電極およびスタッドバンプが互いに溶融しあって、圧電振動片がスタッドバンプに潜り込む。したがって、超音波出力を上げ過ぎると、パッケージに対する圧電振動片の実装高さが低くなる虞がある。上述した従来の一例でいうと、超音波出力を300mWから600mWに上げてフリップチップ接合した場合、20μmから25μmあった実装高さが14μmから17μmまで低下する。これにより、圧電振動片とパッケージとのクリアランスが不足してしまい、接合された圧電振動片が振動した際に、圧電振動片がパッケージと干渉し、圧電振動片を所定の周波数で振動させることができない等の不具合が発生する虞がある。
一方、前述した圧電振動片とパッケージとのクリアランス不足を回避するために、超音波出力を抑制して実装すると、圧電振動片の電極とスタッドバンプとの金属拡散が不十分となる虞がある。これにより、圧電振動片の実装強度を確保することができず、圧電振動子に衝撃荷重がかかった場合には、圧電振動片がパッケージの実装面から脱落し、発振が停止する等の不具合が発生する虞がある。
そこで本発明は、圧電振動片とパッケージとのクリアランスを確保しつつ、圧電振動片の実装強度を確保できる圧電振動子の製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の圧電振動子の製造方法は、振動部と、前記振動部に隣接する基部と、を有する圧電振動片と、前記圧電振動片を収容するキャビティを備えたパッケージと、を備えた圧電振動子の製造方法であって、ワイヤボンダを使用して、前記パッケージに固着される台座部と、前記台座部から立設されるワイヤ部とを備えるスタッドバンプを形成するバンプ形成工程と、前記圧電振動片を前記スタッドバンプにフリップチップ接合する実装工程と、を有し、前記バンプ形成工程では、前記台座部の高さを20μm以上に形成することを特徴とする。
一般に、スタッドバンプはワイヤ部よりも台座部の方が太径に形成されており、フリップチップ接合をすると、細径のワイヤ部は潰れやすく、太径の台座部は変形しにくい。本発明では、その台座部の高さを20μm以上に形成している。したがって、超音波出力を上げて圧電振動片をパッケージに実装しても、台座部の高さと略等しい20μm以上の実装高さを確保することができる。なお、前述の通り、一般に20μm以上の実装高さがあれば圧電振動片とパッケージとのクリアランスが十分であり、圧電振動片振動時の干渉はない。また、超音波出力を上げることにより、圧電振動片の電極とスタッドバンプとの金属拡散を十分に実現することができるので、圧電振動片の実装強度を確保できる。したがって、圧電振動片とパッケージとのクリアランスを確保しつつ、圧電振動片の実装強度を確保できる。
また、前記実装工程では、前記ワイヤ部の全体が潰れるように前記圧電振動片を接合することが望ましい。
本発明によれば、実装工程でフリップチップ接合すると、ワイヤ部全体が潰れるとともに、圧電振動片の電極材料と台座部とが金属拡散する。これにより、圧電振動片の電極と台座部との金属拡散を十分に実現することができるので、圧電振動片の実装強度をさらに確保できる。
また、本発明の圧電振動子は、上述した圧電振動子の製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、圧電振動片とパッケージとのクリアランスを確保しつつ、圧電振動片の実装強度を確保できるので、信頼性に優れた圧電振動子を提供することができる。
本発明の発振器は、上述した圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電子機器は、上述した圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の電波時計は、上述した圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明にかかる発振器、電子機器および電波時計によれば、圧電振動片とパッケージとのクリアランスを確保しつつ、圧電振動片の実装強度を確保できる、信頼性に優れた圧電振動子を備えているので、信頼性の高い発振器、電子機器および電波時計を製造することができる。
一般に、スタッドバンプはワイヤ部よりも台座部の方が太径に形成されており、フリップチップ接合をすると、細径のワイヤ部は潰れやすく、太径の台座部は変形しにくい。本発明では、その台座部の高さを20μm以上に形成している。したがって、超音波出力を上げて圧電振動片をパッケージに実装しても、台座部の高さと略等しい20μm以上の実装高さを確保することができる。なお、前述の通り、一般に20μm以上の実装高さがあれば圧電振動片とパッケージとのクリアランスが十分であり、圧電振動片振動時の干渉はない。また、超音波出力を上げることにより、圧電振動片の電極とスタッドバンプとの金属拡散を十分に実現することができるので、圧電振動片の実装強度を確保できる。したがって、圧電振動片とパッケージとのクリアランスを確保しつつ、圧電振動片の実装強度を確保できる。
圧電振動子を示す外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。 図2のA−A線における断面図である。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。 圧電振動片の平面図である。 圧電振動片の底面図である。 図5のB−B線における断面図である。 スタッドバンプの説明図である。 圧電振動子の製造方法のフローチャートである。 ウエハ体の分解斜視図である。 バンプ形成工程の説明図であり、図11(a)は台座部形成時の説明図であり、図11(b)はボンディングの説明図であり、図11(c)はワイヤ部形成時の説明図である。 実装工程の説明図であり、図12(a)は実装前の説明図であり、図12(b)は実装後の説明図である。 発振器の一実施形態を示す構成図である。 電子機器の一実施形態を示す構成図である。 電波時計の一実施形態を示す構成図である。
(圧電振動子)
以下、本発明の実施形態に係る圧電振動子を、図面を参照して説明する。
なお、圧電振動子におけるベース基板のリッド基板との接合面を第1面Uとし、ベース基板の外側の面を第2面Lとして説明する。
図1は本実施形態における圧電振動子の外観斜視図である。
図2は圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。
図3は図2のA−A線における断面図である。
図4は図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。
なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17および重り金属膜21の図示を省略している。
図1から図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板2およびリッド基板3が接合膜35を介して陽極接合されたパッケージ9と、パッケージ9のキャビティCに収納された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子1である。
(圧電振動片)
図5は圧電振動片の平面図である。
図6は圧電振動片の底面図である。
図7は図5のB−B線における断面図である。
図5から図7に示すように、圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、前記一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10,11の両主面上に形成された溝部18とを備えている。この溝部18は、該振動腕部10,11の長手方向に沿って振動腕部10,11の基端側から略中間付近まで形成されている。
本実施形態の圧電振動片4は、一対の振動腕部10,11の外表面上に形成されて一対の振動腕部10,11を振動させる第1の励振電極13および第2の励振電極14からなる励振電極15と、圧電振動片4をパッケージに実装するために基部12に形成されたマウント電極16,17と、第1の励振電極13および第2の励振電極14とマウント電極16,17とを電気的接続する引き出し電極19,20と、を有している。
本実施形態において、励振電極15および引き出し電極19,20は、後述するマウント電極16,17の下地層と同じ材料のクロムにより単層膜が形成されている。これにより、マウント電極16,17の下地層を成膜するのと同時に、励振電極15および引き出し電極19,20を成膜することができる。ただし、この場合に限られず、例えば、ニッケルやアルミニウム、チタン等により励振電極15および引き出し電極19,20を成膜しても構わない。
励振電極15は、一対の振動腕部10,11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極である。励振電極15を構成する第1の励振電極13および第2の励振電極14は、一対の振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、第1の励振電極13が、一方の振動腕部10の溝部18上と他方の振動腕部11の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極14が、一方の振動腕部10の両側面上と他方の振動腕部11の溝部18上とに主に形成されている。また、第1の励振電極13および第2の励振電極14は、基部12の両主面上において、それぞれ引き出し電極19,20を介して、後述するマウント電極16,17に電気的に接続されている。
本実施形態のマウント電極16,17は、クロムと金との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地層として成膜した後に、表面に金の薄膜を仕上げ層として成膜することにより形成される。ただし、この場合に限られず、例えば、クロムとニクロムを下地層として成膜した後に、表面にさらに金の薄膜を仕上げ層として成膜しても構わない。このようにマウント電極16,17の仕上げ層を金としているのは、後述するスタッドバンプと同じ材料にして、マウント電極16,17とスタッドバンプとの金属拡散を十分に実現するためである。
また、一対の振動腕部10,11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21aおよび微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
(パッケージ)
図1、図3および図4に示すように、リッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板3におけるベース基板2との接合面側には、圧電振動片4を収容するキャビティ用凹部3aが形成されている。
リッド基板3におけるベース基板2との接合面側の全体に、陽極接合用の接合膜35が形成されている。すなわち接合膜35は、キャビティ用凹部3aの内面全体に加えて、キャビティ用凹部3aの周囲の額縁領域に形成されている。本実施形態の接合膜35はシリコン膜で形成されているが、接合膜35をアルミニウムで形成することも可能である。後述するように、この接合膜35とベース基板2とが陽極接合されることにより、キャビティCが真空封止されている。
ベース基板2は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる基板であり、図1から図4に示すように、リッド基板3と同等の外形で略板状に形成されている。また、このベース基板2には、ベース基板2を厚さ方向に貫通する一対の貫通孔30,31と、一対の貫通電極32,33とが形成されている。
図2および図3に示すように、貫通孔30,31は、圧電振動子1を形成したときにキャビティC内に収まるように形成される。より詳しく説明すると、本実施形態の貫通孔30,31は、後述する実装工程で実装される圧電振動片4の基部12側に対応した位置に一方の貫通孔30が形成され、振動腕部10,11の先端側に対応した位置に他方の貫通孔31が形成される。図3に示すように、本実施形態の貫通孔30,31は、第1面U側から第2面L側にかけて、内形が次第に大きくなるように形成されており、貫通孔30,31の中心軸Oを含む断面形状がテーパ状となるように形成されている。なお、テーパ角度は中心軸Oに対して10度から20度程度となるように形成される。また、本実施形態では、貫通孔30,31の中心軸Oに垂直な方向の断面形状は、円形状となるように形成されている。
以下に貫通電極の説明をする。なお、以下には貫通電極32を例にして説明するが、貫通電極33についても同様である。
貫通電極32は、図3に示すように、貫通孔30の内部に配置されたガラスの筒体6および導電部材7によって形成されたものである。
本実施形態では、筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6は、両端が平坦で且つベース基板2と略同じ厚みに形成されている。筒体6の中心には、導電部材7が筒体6を貫通するように配されている。さらに、筒体6は、導電部材7および貫通孔30に対して強固に固着している。そして、筒体6および導電部材7は、貫通孔30を完全に塞いでキャビティC内の気密を維持している。
図2から図4に示すように、ベース基板2の第1面U側には、一対の引き回し電極36,37がパターニングされている。一対の引き回し電極36,37のうち、一方の引き回し電極36は、一方の貫通電極32の真上に位置するように形成されている。また、他方の引き回し電極37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置から、振動腕部10,11に沿って前記振動腕部10,11の先端側に引き回しされた後、他方の貫通電極33の真上に位置するように形成されている。引き回し電極36,37は、クロムと金との積層膜であり、クロム膜を下地層として成膜した後に、表面に金の薄膜を仕上げ層として成膜している。後述するスタッドバンプと同じ材料の金により引き回し電極36,37の仕上げ層を形成しているので、引き回し電極36,37上にスタッドバンプを接合する際に接合強度を確保できる。
図4に示すように、一対の引き回し電極36,37上にスタッドバンプBが形成されている。
図8はスタッドバンプの説明図である。
図8に示すように、本実施形態のスタッドバンプBは、引き回し電極36,37に固着される台座部B2を有している。スタッドバンプBは、前述したマウント電極の仕上げ層と同じ金材料により形成される。これにより、フリップチップ接合によりマウント電極16,17をスタッドバンプBに接合する際に、マウント電極16,17とスタッドバンプBとの金属拡散を十分に実現することができる。図8に示すように、引き回し電極36,37と台座部B2との固着部分およびマウント電極16,17と台座部B2との固着部分は偏平している。本実施形態では、台座部B2の高さは20μmから25μmで形成されている。ここで、後述する実装工程でフリップチップ接合すると、マウント電極16,17と台座部B2とが金属拡散する。また、台座部B2は太径のため変形しにくい。したがって、後述のように超音波出力を600mWとして、圧電振動片をパッケージに実装しても、台座部B2の高さと略等しい20μmから25μmの実装高さを確保できる。
圧電振動片4のマウント電極16,17は、前述したスタッドバンプBを介してベース基板2に実装されている。これにより、圧電振動片4の一方のマウント電極16が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極17が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通するようになっている。
またベース基板2の第2面Lには、図1、図3および図4に示すように、一対の外部電極38,39が形成されている。一対の外部電極38,39は、ベース基板2の長手方向の両端部に形成され、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13および第2の励振電極14からなる励振電極15に電圧を印加することができるので、一対の振動腕部10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として利用することができる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、上述した圧電振動子の製造方法を、フローチャートを参照しながら説明する。
図9は本実施形態の圧電振動子の製造方法のフローチャートである。
図10は、ウエハ体の分解斜視図である。なお、図10に示す点線は、後に行う切断工程で切断する切断線Mを図示している。
本実施形態に係る圧電振動子の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程S10と、リッド基板用ウエハ作製工程S20と、ベース基板用ウエハ作製工程S30と、組立工程(S50以降)を有している。そのうち、圧電振動片作製工程S10、リッド基板用ウエハ作製工程S20およびベース基板用ウエハ作製工程S30は、並行して実施することが可能である。
(圧電振動片作製工程)
圧電振動片作製工程S10では、図5から図7に示す圧電振動片4を作製する。具体的には、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハとする。続いて、このウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする。続いて、ウエハに洗浄などの適切な処理を施した後、該ウエハをフォトリソグラフィ技術によって圧電振動片4の外形形状にパターニングするとともに、金属膜の成膜およびパターニングを行って、励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17および重り金属膜21を形成する。これにより、複数の圧電振動片4を作製することができる。次に、圧電振動片4の共振周波数の粗調を行う。これは、重り金属膜21の粗調膜21aにレーザ光を照射して一部を蒸発させ、振動腕部10,11の重量を変化させることで行う。
(リッド基板用ウエハ作製工程)
リッド基板用ウエハ作製工程S20では、図10に示すように、後にリッド基板となるリッド基板用ウエハ50を作製する。まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のリッド基板用ウエハ50を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去する(S21)。次いで、キャビティ形成工程S22では、リッド基板用ウエハ50におけるベース基板用ウエハ40との接合面に、キャビティ用凹部3aを複数形成する。キャビティ用凹部3aの形成は、加熱プレス成型やエッチング加工などによって行う。次に、接合面研磨工程S23では、ベース基板用ウエハ40との接合面を研磨する。
次に、接合膜形成工程S24では、ベース基板用ウエハ40との接合面に、図1、図2および図4に示す接合膜35を形成する。接合膜35は、ベース基板用ウエハ40との接合面に加えて、キャビティCの内面全体に形成してもよい。これにより、接合膜35のパターニングが不要になり、製造コストを低減することができる。接合膜35の形成は、スパッタやCVD等の成膜方法によって行うことができる。なお、接合膜形成工程S24の前に接合面研磨工程S23を行っているので、接合膜35の表面の平面度が確保され、ベース基板用ウエハ40との安定した接合を実現することができる。
(ベース基板用ウエハ作製工程)
ベース基板用ウエハ作製工程S30では、図10に示すように、後にベース基板となるベース基板用ウエハ40を作製する。まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のベース基板用ウエハ40を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去する(S31)。
(貫通電極形成工程)
次いで、ベース基板用ウエハ40に、一対の貫通電極32,33を形成する貫通電極形成工程S32を行う。以下に、この貫通電極形成工程S32について説明する。なお、以下には貫通電極32の形成工程を例にして説明するが、貫通電極33の形成工程についても同様である。
まず、ベース基板用ウエハ40の第2面Lから第1面Uにかけて、プレス加工等により図3に示す貫通孔30を成型する。次に、貫通孔30内に導電部材7を挿入してガラスフリットからなるペースト材を充填する。続いて、ペースト材を焼成して、図3に示すガラスの筒体6、貫通孔30および導電部材7を一体化させる。最後に、ベース基板用ウエハ40の第1面Uおよび第2面Lの両方を研磨して、第1面Uおよび第2面Lの両方に導電部材7を露出させつつ平坦面とすることにより、図3に示す貫通電極32を貫通孔30内に形成する。貫通電極32により、ベース基板用ウエハ40の第1面U側と第2面L側との導電性が確保されると同時に、キャビティC内の気密性を確保することができる。
(電極パターン形成工程)
次に、図4および図10に示すように、ベース基板用ウエハ40の第1面Uに引き回し電極36,37を形成する、電極パターン形成工程S34を行う。引き回し電極36,37を同一の材料で形成するので、引き回し電極36,37を同時に形成することができる。引き回し電極36,37は、スパッタ法や真空蒸着法等により形成された被膜を、フォトリソグラフィ技術によりパターニングして形成される。
(バンプ形成工程)
次に、電極パターン形成工程S34で形成された引き回し電極上にスタッドバンプを形成するバンプ形成工程S36を行う。
図11はバンプ形成工程の説明図であり、図11(a)は台座部形成時の説明図であり、図11(b)はボンディングの説明図であり、図11(c)はワイヤ部形成時の説明図である。
バンプ形成工程S36では、ワイヤボンダ70を使用して、ベース基板用ウエハ40に形成された引き回し電極36,37に固着される太径の台座部B2と、台座部B2から立設される細径のワイヤ部B1とを備えるスタッドバンプBを形成する。なお、図11では引き回し電極36上にスタッドバンプBを形成する場合を例にして説明するが、引き回し電極37上にスタッドバンプBを形成する場合についても同様である。
スタッドバンプBは、ワイヤボンダ70を使用して形成される。ワイヤボンダ70は、図9に示すように、金ワイヤWを導出するノズル孔72が形成されたキャピラリ71を有している。具体的なスタッドバンプBの形成の流れは以下の通りである。
まず、図11(a)に示すように、不図示の電極を用いてアーク放電を行い、金ワイヤの先端に電流を流して溶解する。これにより、金ワイヤWの先端に、のちの台座部となる金ボールB3を形成する。
従来、台座部が7μmから9μmのスタッドバンプを形成するときには、直径が75μm程度の金ボールを形成していた。これに対して本実施形態では、直径が85μmから90μmの金ボールB3を形成する。具体的なアーク放電の条件としては、スパーク電流が71mA程度、スパーク時間が1ms程度に設定されている。このような条件でアーク放電を行って、金ワイヤの先端を溶解することにより、金ワイヤWの先端に金ボールB3を形成する。
次に、図11(b)に示すように、金ボールB3を引き回し電極36上に固着する。不図示のヒートステージ等により、予めベース基板用ウエハ40を加熱しておく。その後、キャピラリ71を移動させ、金ボールB3を引き回し電極36上に加圧して押付けつつ、超音波振動を印加して金ボールB3を引き回し電極36上に固着する。本実施形態では、90gf程度の荷重で加圧して30ms程度の間超音波振動を印加しつつ、引き回し電極36上に金ボールB3を押付けている。引き回し電極36上に金ボールB3を加圧して押付けるので、図9(b)に示すように、金ボールB3は、引き回し電極36上の固着部分およびワイヤとの接続部周辺が偏平した形状となる。
最後に、図11(c)に示すように、キャピラリ71を移動させて金ワイヤWを引っ張り、金ボールB3と金ワイヤWとを分断する。これにより、引き回し電極36との固着部分およびワイヤ部B1周辺が偏平した台座部B2と、ワイヤ部B1とを有するスタッドバンプBが形成される。
本実施形態では、ワイヤ部B1は台座部B2に立設され、台座部B2よりも細径かつ先細り形状に形成される。ワイヤ部B1の高さは75μmから80μmで形成されるのが望ましい。このような長さでワイヤ部B1を形成することにより、後述する実装工程で、ワイヤ部B1を潰すことができる。なお、前述のとおり、台座部B2の高さは20μmから25μmに形成されている。したがって、スタッドバンプB全体の高さは100μm程度で形成される。なお、図10では図面の見易さのためスタッドバンプの図示を省略している。この時点で、ベース基板用ウエハ作製工程S30が終了する。
(実装工程S50)
図12は、実装工程S50の説明図であり、図12(a)は実装前の説明図であり、図12(b)は実装後の説明図である。
実装工程S50では、引き回し電極36,37上に形成されたスタッドバンプBに圧電振動片4をフリップチップ接合する。図12に示すように、実装工程S50で用いる実装装置は、不図示のフリップチップボンダに設けられた接合ヘッド80と、ベース基板用ウエハ40を載置するヒートステージ82と、を備えている。具体的な実装工程S50は以下の通りである。
まず、図12(a)に示すように、ヒートステージ82により予めスタッドバンプBを加熱しておく。次に、フリップチップボンダの接合ヘッド80で圧電振動片4を真空吸着してピックし、圧電振動片4をベース基板用ウエハ40上に移動する。
次に、接合ヘッド80を下降させ、圧電振動片4のマウント電極16,17をスタッドバンプBのワイヤ部B1の先端に所定の力で加圧して押付け、ワイヤ部B1を潰す。本実施形態では、スタッドバンプBの高さが30μm程度になるまでワイヤ部B1を潰している。
次に、図12(b)に示すように、所定の超音波出力および振動周波数で所定時間だけ接合ヘッド80を超音波振動させて、圧電振動片4に超音波振動を印加する。本実施形態では、600mW程度の超音波出力および15kHzから20kHz程度の周波数で、水平方向および垂直方向に接合ヘッド80を振動させて、圧電振動片4に超音波振動を印加する。これにより、マウント電極16,17とワイヤ部B1とが金属拡散する。本実施形態では、フリップチップボンダの超音波出力を上述した600mW程度としているので、ワイヤ部B1全体が潰れて確実に金属拡散をすることができる。
続いて、さらに加圧しつつ超音波振動を印加すると、マウント電極16,17と台座部B2とが金属拡散する。これにより、圧電振動片4がスタッドバンプBの台座部B2に潜り込む。ただし、ワイヤ部B1に比べて台座部B2は太径に形成されているので、台座部B2はほとんど潰れない。ここで、本実施形態では、台座部B2の高さを20μmから25μmに形成している。したがって、圧電振動片4とベース基板用ウエハ40との間に、台座部B2の高さと略等しい実装高さの20μmから25μmを確保した状態で、基部12およびスタッドバンプBが機械的に固着される。また、本実施形態では、超音波出力を600mWとしたので、マウント電極16,17とスタッドバンプBとの金属拡散を十分に実現できる。このように本実施形態の実装工程S50では、圧電振動片4とベース基板用ウエハ40とのクリアランスを確保しつつ、圧電振動片4の実装強度を確保できる。この時点で、実装工程S50が終了する。
(重ね合わせ工程S60以降)
次に、図10に戻り、ベース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程S60を行う。具体的には、図示しない基準マークなどを指標としながら、両ウエハ40,50を正しい位置にアライメントする。これにより、ベース基板用ウエハ40に実装された圧電振動片4が、リッド基板用ウエハ50のキャビティ用凹部3aとベース基板用ウエハ40とで囲まれるキャビティC内に収容された状態となる。
重ね合わせ工程S60の後、重ね合わせた両ウエハ40,50を図示しない陽極接合装置に入れ、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する接合工程S70を行う。具体的には、接合膜35とベース基板用ウエハ40との間に所定の電圧を印加する。すると、接合膜35とベース基板用ウエハ40との界面に電気化学的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極接合される。これにより、圧電振動片4をキャビティC内に封止することができ、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合した、図10に示すウエハ体60を得ることができる。なお、図10においては、図面を見易くするために、ウエハ体60を分解した状態を図示しており、リッド基板用ウエハ50から接合膜35の図示を省略している。
次に、ベース基板用ウエハ40の第2面Lに導電性材料をパターニングして、一対の貫通電極32,33にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極38,39(図3参照)を複数形成する外部電極形成工程S80を行う。この工程により、圧電振動片4は、貫通電極32,33を介して外部電極38,39と導通する。
次に、ウエハ体60の状態で、キャビティC内に封止された個々の圧電振動子の周波数を微調整して所定の範囲内に収める微調工程S90を行う。具体的には、図4に示す外部電極38,39から所定電圧を継続的に印加して、圧電振動片4を振動させつつ周波数を計測する。この状態で、ベース基板用ウエハ40の外部からレーザ光を照射し、図5および図6に示す重り金属膜21の微調膜21bを蒸発させる。これにより、一対の振動腕部10,11の先端側の重量が低下するため、圧電振動片4の周波数が上昇する。これにより、圧電振動子の周波数を微調整して、公称周波数の範囲内に収めることができる。
周波数の微調が終了後、接合されたウエハ体60を図10に示す切断線Mに沿って切断する切断工程S100を行う。具体的には、まずウエハ体60のベース基板用ウエハ40の表面にUVテープを貼り付ける。次に、リッド基板用ウエハ50側から切断線Mに沿ってレーザを照射する(スクライブ)。次に、UVテープの表面から切断線Mに沿って切断刃を押し当て、ウエハ体60を割断する(ブレーキング)。その後、UVを照射してUVテープを剥離する。これにより、ウエハ体60を複数の圧電振動子に分離することができる。なお、これ以外のダイシング等の方法によりウエハ体60を切断してもよい。
なお、切断工程S100を行って個々の圧電振動子にした後に、微調工程S90を行う工程順序でも構わない。但し、上述したように、微調工程S90を先に行うことで、ウエハ体60の状態で微調を行うことができるため、複数の圧電振動子をより効率良く微調することができる。よって、スループットの向上化を図ることができるため好ましい。
その後、内部の電気特性検査S110を行う。即ち、圧電振動片4の共振周波数や共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数および共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。最後に圧電振動子の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。これをもって圧電振動子の製造が終了する。
一般に、スタッドバンプBはワイヤ部B1よりも台座部B2の方が太径に形成されており、フリップチップ接合をすると、細径のワイヤ部B1は潰れやすく、太径の台座部B2は変形しにくい。本発明では、その台座部B2の高さを20μm以上に形成している。したがって、超音波出力を600mWに上げて圧電振動片4をベース基板用ウエハ40に実装しても、台座部B2の高さと略等しい20μm以上の実装高さを確保することができる。なお、前述の通り、一般に20μm以上の実装高さがあれば圧電振動片4とパッケージ(ベース基板)とのクリアランスが十分であり、圧電振動片4が振動した時に干渉はしない。また、超音波出力を上げることにより、圧電振動片4のマウント電極16,17とスタッドバンプBとの金属拡散を十分に実現することができるので、圧電振動片4の実装強度を確保できる。したがって、圧電振動片4とベース基板とのクリアランスを確保しつつ、圧電振動片4の実装強度を確保できる。
また、上述のように、圧電振動片4とベース基板とのクリアランスを確保できるので、圧電振動片4とベース基板との干渉を防止することができる。さらに、圧電振動片4の実装強度を確保できるので、圧電振動子の耐衝撃性を向上させることができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図13を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図13に示すように、圧電振動子1を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の前記集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111および圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器110において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片が振動する。この振動は、圧電振動片が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
本実施形態の発振器110によれば、圧電振動片の実装強度を確保でき、信頼性に優れた圧電振動子1を備えているので、信頼性に優れた発振器110を提供することができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図14を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子1を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカおよびマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化および軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図14に示すように、電力を供給するための電源部121と、圧電振動子1とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信や受信、現在時刻の計測、表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部123は、発振回路やレジスタ回路、カウンタ回路、インターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133および呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化および複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キーおよびその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129および着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止することができる。
本実施形態の携帯情報機器120によれば、圧電振動片の実装強度を確保でき、信頼性に優れた圧電振動子1を備えているので、信頼性に優れた携帯情報機器120を提供することができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図15を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図15に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、前記搬送周波数と同一の40kHzおよび60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC148に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
本実施形態の電波時計140によれば、圧電振動片の実装強度を確保でき、信頼性に優れた圧電振動子1を備えているので、信頼性に優れた電波時計140を提供することができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
本実施形態では、音叉型の圧電振動片を用いた圧電振動子を例に挙げて、パッケージの製造方法を説明した。しかし、例えばATカット型の圧電振動片(厚み滑り振動片)を用いた圧電振動子に、上述した本発明のパッケージの製造方法を採用しても構わない。
本実施形態において、表面実装型の圧電振動子を例にしてパッケージの製造方法を説明した。しかし、これに限らず、例えばシリンダーパッケージタイプの圧電振動子に本発明のパッケージの製造方法を採用しても構わない。
1・・・圧電振動子 4・・・圧電振動片 9・・・パッケージ 10,11・・・振動腕部(振動部) 12・・・基部 70・・・ワイヤボンダ 110・・・発振器 120・・・携帯情報機器(電子機器) 123・・・計時部 140・・・電波時計 141・・・フィルタ部 B・・・スタッドバンプ B1・・・ワイヤ部 B2・・・台座部 C・・・キャビティ S36・・・バンプ形成工程 S50・・・実装工程

Claims (6)

  1. 振動部と、前記振動部に隣接する基部と、を有する圧電振動片と、
    前記圧電振動片を収容するキャビティを備えたパッケージと、
    を備えた圧電振動子の製造方法であって、
    ワイヤボンダを使用して、前記パッケージに固着される台座部と、前記台座部から立設されるワイヤ部とを備えるスタッドバンプを形成するバンプ形成工程と、
    前記圧電振動片を前記スタッドバンプにフリップチップ接合する実装工程と、
    を有し、
    前記バンプ形成工程では、前記台座部の高さを20μm以上に形成することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の圧電振動子の製造方法であって、
    前記実装工程では、前記ワイヤ部の全体が潰れるように前記圧電振動片を接合することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の圧電振動子の製造方法により製造されたことを特徴とする圧電振動子。
  4. 請求項3に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  5. 請求項3に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  6. 請求項3に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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