JP2013187852A - 圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動腕部の先端に形成された重り金属膜にレーザ照射することで周波数調整が可能な圧電振動子において、周波数調整の際に引き回し電極の電気的特性が低下することを防止可能な圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供する。
【解決手段】圧電振動子1において、引き回し電極37を、ベース基板2の短手幅方向の中心C2に対し一方の側にオフセットして配置し、圧電振動片4を、ベース基板2の短手幅方向の中心C2に対し、引き回し電極37とは反対側にオフセットして配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は,圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計に関する。
例えば、携帯電話や携帯情報端末には、特許文献1に示されるような、時刻源や制御信号などのタイミング源、リファレンス信号源などとして水晶等を利用した圧電振動子を用いる場合が多い。
この種の圧電振動子として、キャビティが形成されたパッケージ内に音叉型の圧電振動片を気密封止したものがある。パッケージは、一対のガラス基板のうちの一方に凹部を形成した状態で互いに重ね合わせ、両者を直接接合することにより、凹部をキャビティとして機能させる構造になっている。また、圧電振動片は、互いに平行に配置された一対の振動腕部と、これらの両振動腕部の長さ方向における基端側を一体的に固定する基部と、を備えている。そして、圧電振動片は、基部が一方のガラス基板の表面に固定されて、両振動腕部が、基端側を起点として接近、離間する方向に、所定の共振周波数で振動する。
さらに前記ガラス基板には、その一面側と他面側を貫通する貫通電極が設けられている。そして、圧電振動片の基部と、貫通電極とが、ガラス基板の表面上において、振動腕部の長手方向に沿って延びる引き回し電極によって電気的に接続されている。なお、圧電振動子のパッケージとしては、ここで説明したガラスパッケージの他にもセラミックパッケージ等が知られている。
特開2010−119127号公報
従来より、圧電振動片の先端に周波数調整用の重り金属膜を形成することが知られている。通常、圧電振動子の製造工程では、圧電振動子の周波数がデバイスの公称周波数の範囲内に収まっているか否かを確認し、公称周波数の範囲内に収まっていない場合には周波数を調整する周波数調整工程が設けられている。この周波数調整工程において、レーザ照射によって上述の重り金属膜の一部を蒸発させることにより、圧電振動子の周波数を上昇させることができる。
しかしながら、近年、圧電振動子の小型化に伴い、振動腕部と平行に引き回し電極と振動腕部との間隔が狭くなりやすく、この場合は、レーザ照射の際に、飛散した重り金属が引き回し電極に付着することがわかった。飛散した重り金属が引き回し電極に付着すると、引き回し電極が短絡したり、電気的特性が低下する可能性がある。さらに圧電振動片の実装位置の位置精度が低いと、レーザ光が直接引き回し電極に照射される虞がある。
すなわち従来技術では、飛散した重り金属が引き回し電極に付着したり、引き回し電極に直接レーザ光が照射されたりするので、周波数調整工程を行う度に引き回し電極の電気的特性が低下する可能性がある。また、本願発明者らが新たに発見したこの課題に対して、これまでに何ら有効な手段も開示されていない。
そこで本発明は、振動腕部の先端に形成された重り金属膜にレーザ照射することで周波数調整が可能な圧電振動子において、周波数調整の際に引き回し電極の電気的特性が低下することを防止可能な圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、
複数の基板を厚さ方向に接合することで形成されるパッケージと、前記パッケージ内に形成されるキャビティに収容され、所定の周波数で振動する振動腕部を有する圧電振動片と、前記振動腕部の先端側に形成されている周波数調整用の重り金属膜と、前記パッケージの外面に形成されている外部電極と前記キャビティ内とを電気的に接続する貫通電極と、前記キャビティの内面に形成され、前記貫通電極と前記圧電振動片とを電気的に接続する引き回し電極と、を備え、少なくとも一つの引き回し電極が、前記キャビティの内壁近傍において前記振動腕部の長手方向と略平行に延設されている圧電振動子において、前記キャビティの前記長手方向に延びる中心線に対して、前記圧電振動片の中心線が、前記振動腕部の長手方向と略平行に延設されている前記引き回し電極とは反対側に位置するように、前記圧電振動片が前記キャビティ内に実装されていることを特徴とする。
このように、キャビティの振動腕部長手方向に延びる中心線に対して、圧電振動片の中心線が、振動腕部の長手方向と略平行に延設されている引き出し電極とは反対側に位置するように圧電振動片をキャビティ内に実装することで、振動腕部と引き回し電極との間隔を広げることが可能になる。よって、レーザ照射の際に飛散した重り金属が引き回し電極に付着したり、また、引き回し電極に直接レーザが照射される可能性を大幅に低減することができる。よって、周波数調整の際に引き回し電極の電気的特性が低下することを防止可能な圧電振動子を提供することが可能になる。なお、少なくとも一つの引き回し電極は、キャビティの内壁近傍において振動腕部の長手方向と略平行に延設されている場合が多い。この点について説明すると、まず、圧電振動子を回路基板に実装する際の諸条件(回路との接続位置、スペース等)を考慮すると、外部電極はパッケージ外表面の端部近傍に設けざるを得ず、異なる極性対応する一組の外部電極は、互いに最大に離間した位置でパッケージの外表面の端部近傍に形成される。すると、それぞれの外部電極に対応する貫通電極も、キャビティ内において離間した位置に設けられることになる。その結果、貫通電極と圧電振動片とを電気的に接続しようとすると、少なくとも一方の引き回し電極は、貫通電極から圧電振動片まで長く引き回す必要がある。かつ、レーザ照射を受けないように、出来る限り振動腕部から離れた領域で引き回される必要がある。従って、通常の引き回し電極は、キャビティの内壁近傍に形成せざるを得ないといった事情がある。
また、上述の圧電振動子は、キャビティの長手方向に延びる中心線と、圧電振動片の中心線との間隔をSとし、振動腕部の長手方向と略平行に延設されている引き回し電極の幅をWとすると、S>W/2が成り立っていることを特徴とする。これにより、引き回し電極に対する重り金属の付着、引き回し電極へのレーザ照射の可能性をさらに低くすることができる。つまり、引き回し電極の幅が広ければ広いほど、重り金属が付着したり、レーザ照射を受けたりする可能性は高くなると考えられるが、本発明者らの鋭意検討によれば、圧電振動片と引き回し電極との位置関係を上記のように設定することにより、引き回し電極の幅を広げてもそれに応じて圧電振動片の位置が変わることになり、引き回し電極に対する重り金属の付着、引き回し電極へのレーザ照射の可能性をさらに低くすることができる。なお、W/2という数値は、発明者らの実証実験に基づいた数値である。また、Wを「引き回し電極の形成可能領域の幅として」2S>Wを満たすようにWを設定してもよい。
また、本発明に係る発信機は、上記の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係る電子機器は、上記の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とすることもできる。
また、本発明に係る電波時計は、上記の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とすることもできる。
上記の発振器、電子機器および電波時計によれば、動作信頼性に優れた圧電振動子を備えているので、高性能な発振器、電子機器および電波時計を提供することができる。
以上、本発明によれば、振動腕部の先端に形成された重り金属膜にレーザ照射することで周波数調整が可能な圧電振動子において、周波数調整の際に引き回し電極の電気的特性が低下することを防止可能な圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供することが可能になる。
圧電振動子を示す外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。 図2のA−A線における断面図である。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。 圧電振動子の製造方法のフローチャートである。 ウエハ体の分解斜視図である。 発振器の一実施形態を示す構成図である。 電子機器の一実施形態を示す構成図である。 電波時計の一実施形態を示す構成図である。
(圧電振動子)
以下、本発明の実施形態に係る圧電振動子を、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、第1の基板をベース基板用ウエハとし、第2の基板をリッド基板用ウエハとして説明する。また、ベース基板におけるリッド基板との接合面を上面(内面)Uとし、その反対側の面を下面Lとする。
図1は圧電振動子の外観斜視図である。
図2は圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。
図3は図2のA−A線における断面図である。
図4は図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。
なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極13,14、引き出し電極19,20、マウント電極16,17および重り金属膜(調整膜)21の図示を省略している。
図1から図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、平面視矩形状のベース基板(第1の基板)2およびリッド基板(第2の基板)3が接合膜35を介して陽極接合されたパッケージ9と、パッケージ9のキャビティ3aに収納された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子1である。
(圧電振動片)
圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10,11の両主面上に形成された溝部18とを備えている。この溝部18は、該振動腕部10,11の長さ方向に沿って振動腕部10,11の基端側から略中間付近まで形成されている。
励振電極13,14および引き出し電極19,20は、後述するマウント電極16,17の下地層と同じ材料のクロム(Cr)により形成されている。これにより、マウント電極16,17の下地層を成膜するのと同時に、励振電極13,14および引き出し電極19,20を成膜することができる。
励振電極13,14は、一対の振動腕部10,11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極である。第1の励振電極13および第2の励振電極14は、一対の振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
マウント電極16,17は、Crと金(Au)との積層膜であり、水晶と密着性の良いCr膜を下地層として成膜した後に、表面にAuの薄膜を仕上げ層として成膜することにより形成される。
一対の振動腕部10,11の先端部の表面には、周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めるための重り金属膜21が被膜されている。この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21aおよび微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
(パッケージ)
図1から図4に示すように、ベース基板2およびリッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板3におけるベース基板2との接合面側には、圧電振動片4を収容するキャビティ3aが形成されている。
リッド基板3におけるベース基板2との接合面側の全体に、陽極接合用の接合膜35が形成されている。すなわち接合膜35は、キャビティ3aの内面全体に加えて、キャビティ3aの周囲の額縁領域に形成されている。本実施形態の接合膜35はアルミニウム(Al)により形成されているが、シリコン(Si)やCr等で接合膜35を形成することも可能である。後述するように、この接合膜35とベース基板2とが陽極接合され、キャビティ3aが真空封止されている。
図3に示すように、圧電振動子1では、ベース基板2において、キャビティ3aを形成する上面Uに圧電振動片4が実装されている。このため、圧電振動子1は、ベース基板2を厚さ方向に貫通し、キャビティ3aの内側と圧電振動子1の外側とを導通する一対の貫通電極32,33を備えている。
これら貫通電極32,33は、ベース基板2の上面Uにおいて、平面視矩形状とされたベース基板2の長手幅方向の一方の端部と他方の端部に形成されている。そして、一方の貫通電極32は、圧電振動片4の基部12に対向する位置に配置されている。他方の貫通電極33は、圧電振動片4の振動腕部10,11のうちの一方、例えば振動腕部10の先端部10aの近傍に配置され、先端部10aに対し、ベース基板2の長手幅方向に直交する短手幅方向にオフセットした位置に配置されている。
これらの貫通電極32,33は、ベース基板2を貫通する貫通孔30,31内に配置され、圧電振動片4と外部とを電気的に接続する金属ピン7と、貫通孔30,31と金属ピン7との間に充填される筒体6と、により形成されている。なお、以下には貫通電極32を例にして説明するが、貫通電極33についても同様である。また、貫通電極33、引き回し電極37および外部電極39の電気的接続についても、貫通電極32、引き回し電極36および外部電極39と同様となっている。
図3に示すように、貫通孔30は、上面U側から下面L側にかけて、内径が次第に大きくなるように形成されており、貫通孔30の中心軸Oを含む断面形状がテーパ状となるように形成されている。
金属ピン7は、銀(Ag)やNi合金、Al等の金属材料により形成された導電性の棒状部材であり、鍛造やプレス加工により成型される。金属ピン7は、線膨張係数がベース基板2のガラス材料と近い金属、例えば、鉄(Fe)を58重量パーセント、Niを42重量パーセント含有する合金(42アロイ)で形成することが望ましい。
筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6の中心には、金属ピン7が筒体6を貫通するように配されており、筒体6は、金属ピン7および貫通孔30に対して強固に固着している。
ベース基板2の上面U側には、一対の引き回し電極36,37がパターニングされている。一方の引き回し電極36は、貫通電極32を覆い、かつ圧電振動片4の基部12に対向する位置に形成されている。
他方の引き回し電極37は、その一端部37aが、ベース基板2の長手幅方向の一方の端部において、引き回し電極36に隣接し、圧電振動片4の基部12に対向する位置に形成されている。引き回し電極37の他端部37bは、ベース基板2の長手幅方向の他方の端部において、貫通電極33を覆う位置に形成されている。ここで、圧電振動片4の振動腕部10,11は、引き回し電極37の一端部37a、他端部37bよりもベース基板2の長手幅方向において内側に位置するよう設けられている。つまり、圧電振動片4の振動腕部10,11は、ベース基板2の長手幅方向に沿って、引き回し電極37の内側に設けられている。
そして、引き回し電極37の一端部37aと他端部37bとの間には、圧電振動片4の振動腕部10と平行に延設される帯状部37cが形成されている。帯状部37cは図示するように、キャビティ3a内壁の近傍に位置している。
また、ベース基板2の長手幅方向の一方の端部において、これら一対の引き回し電極36および引き回し電極37の一端部37a上にそれぞれAu等からなる先細り形状のバンプ(マウント部)Bが形成されており、前記バンプBを利用して圧電振動片4の基部12に形成された一対のマウント電極16,17に実装されている。これにより、圧電振動片4の一方のマウント電極16が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極17が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通するようになっている。
これにより、圧電振動片4は、ベース基板2の長手幅方向の一方の端部のバンプBに基部12が実装され、振動腕部10,11が基部12からベース基板2の長手幅方向の他方の端部に向けて延設され、これら振動腕部10,11がベース基板2の短手幅方向に間隔をあけて形成された構成をなしている。
ベース基板2の下面Lには、一対の外部電極38,39が形成されている。一対の外部電極38,39は、ベース基板2の長手幅方向の両端部に形成され、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13および第2の励振電極14に電圧を印加することができるので、一対の振動腕部10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として利用することができる。
上記のような圧電振動子1において、圧電振動片4は、その幅方向(振動腕部10、11が並ぶ方向)の中心線C1が、キャビティ3aの短手幅方向の中心線C2に対し、引き回し電極37の帯状部37cとは反対側にオフセットして配置されている。つまり、キャビティ3aの長手方向に延びる中心線C2に対して、圧電振動片4の中心線C1が、引き回し電極37の帯状部37cとは反対側に位置するように、圧電振動片4がキャビティ3a内に実装されていることを特徴とする。これによれば、引き回し電極37と振動腕部10、11との間隔を広げることができるので、周波数調整工程の際に、引き回し電極37の特に帯状部37cに重り金属が付着したり、帯状部37cにレーザ照射される虞がない。よって、引き回し電極の電気特性が低下する虞がない。なお、圧電振動片4の幅方向の中心線C1の、キャビティ3aの短手幅方向の中心線C2に対するオフセット量Sは、引き回し電極37の帯状部37cの幅Wに対し、S>W/2に設定するのが好ましい。即ち、帯状部37cの幅Wが大きくなればなるほど、重り金属の付着、レーザ照射の可能性が高くなるが、このように帯状部37cの幅Wに応じてオフセット量Sを設定することで、より確実に重り金属の付着等を防ぐことができる。本発明者らの鋭意検討によれば、S=W/3の場合では、オフセットを全くしない場合と比較すると効果を得ることはできたが、充分な効果とはいえないことが確認できた。一方で、S>W/2とすれば、充分な効果を得られることが確認できた。また、S>W/2を変形すると、2S>Wとなり、帯状部37cの幅Wの上限を決定できることになる。すなわち、パッケージの幅寸法は実装環境、ビジネスモデルを考慮すると、簡単に変更することは難しい。同様に、圧電振動片4のオフセット量Sも、適宜選択できるとはいえ、圧電振動片4がキャビティ3aの内壁に接触しないこと、マウント電極16、17と金属バンプBとの接合状態を保つ必要があること等を考慮すると、選択できる範囲は限られてくる。よって、上式を用いることにより帯状部37cの幅Wの最大値を設定することができ、従来のように重り金属の飛散等を考慮して帯状部37cの位置、大きさを試行錯誤する必要がなく、上記効果を奏する圧電振動子4をより簡易に提供することができる。なお、Wを帯状部37cの幅と捉えるのではなく、「帯状部37cの形成可能領域(キャビティ3aの内壁から測った幅)」として捉えてもよい。つまり上式を満たすWの領域内に帯状部37cがあれば、帯状部37cの幅は関係なく、上記効果を得ることが可能になる。
(圧電振動子の製造方法)
次に、上述した圧電振動子の製造方法を、フローチャートを参照しながら説明する。
図5は本実施形態の圧電振動子の製造方法のフローチャートである。
本実施形態に係る圧電振動子の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程S10と、リッド基板用ウエハ作製工程S20と、ベース基板用ウエハ作製工程S30と、組立工程(S50以降)を有している。各工程のうち、圧電振動片作製工程S10、リッド基板用ウエハ作製工程S20およびベース基板用ウエハ作製工程S30は、並行して実施することができる。
(圧電振動片作製工程S10)
圧電振動片作製工程S10では、圧電振動片4を作製している。具体的には、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスし、ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする。続いて、フォトリソグラフィ技術によって圧電振動片4の外形形状にパターニングするとともに、金属膜の成膜およびパターニングを行って、励振電極13,14、引き出し電極19,20、マウント電極16,17および重り金属膜21を形成する。
その後、圧電振動片4の共振周波数の粗調を行う。具体的には、レーザビームを照射し、重り金属膜21の粗調膜21a(図2参照)を蒸発させる。これにより、一対の振動腕部10,11の先端側の重量が低下するため、圧電振動片4の周波数が上昇する。
以上で、圧電振動片作製工程S10が終了する。
(リッド基板用ウエハ作製工程S20)
リッド基板用ウエハ作製工程S20では、後にリッド基板となるリッド基板用ウエハ50を作製する。まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のリッド基板用ウエハ50を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去する(S21)。次いで、キャビティ形成工程S22では、リッド基板用ウエハ50におけるベース基板用ウエハ40との接合面に、キャビティ3aを複数形成する。キャビティ3aの形成は、加熱プレス成型やエッチング加工などによって行う。次に、接合面研磨工程S23では、ベース基板用ウエハ40との接合面を研磨する。
次に、接合膜形成工程S24では、後述のベース基板用ウエハ40との接合面に、Alからなる接合膜35(図3参照)を形成する。接合膜35は、ベース基板用ウエハ40との接合面に加えて、キャビティ3aの内面全体に形成してもよい。これにより、接合膜35のパターニングが不要になり、製造コストを低減することができる。接合膜35の形成は、スパッタやCVD等の成膜方法によって行うことができる。なお、接合膜形成工程S24の前に接合面研磨工程S23を行っているので、接合膜35の表面の平面度が確保され、ベース基板用ウエハ40との安定した接合を実現することができる。
(ベース基板用ウエハ作製工程S30)
ベース基板用ウエハ作製工程S30では、後にベース基板となるベース基板用ウエハ40を作製する。まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のベース基板用ウエハ40を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去する(S31)。
(貫通電極形成工程S32)
次いで、ベース基板用ウエハ40に、一対の貫通電極32を形成する貫通電極形成工程S32を行う。なお、以下には貫通電極32の形成工程を説明するが、貫通電極33の形成工程についても同様である。
まず、ベース基板用ウエハ40の下面Lから上面Uにかけてプレス加工等で貫通孔30を成型する。次に、貫通孔30内に金属ピン7を挿入してガラスフリットを充填する。ガラスフリットは、主に粉末状のガラス粒子と、有機溶剤と、バインダ(固着剤)とにより構成されている。
続いて、ガラスフリットを焼成して、ガラスの筒体6、貫通孔30および金属ピン7を一体化させる。例えば、ベース基板用ウエハ40を焼成炉に搬送した後、ガラスフリットを焼成している。このとき、ガラスフリット内部の有機溶剤やバインダ等が蒸発して、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)等のアウトガスが発生し、ガラスフリットの外部に放出される。
最後に、ベース基板用ウエハ40の上面Uおよび下面Lを研磨して、金属ピン7を上面Uおよび下面Lに露出させつつ平坦面とすることにより、貫通孔30内に貫通電極32を形成する。貫通電極32により、ベース基板用ウエハ40の上面U側と下面L側との導電性が確保されると同時に、ベース基板用ウエハ40の貫通孔30を封止することができる。
(引き回し電極形成工程S33)
次に、貫通電極にそれぞれ電気的に接続された引き回し電極36,37を上面U上に複数形成する引き回し電極形成工程S33を行う。さらに、引き回し電極36,37上に、それぞれAu等からなる先細り形状のバンプを形成する。なお、図6では、図面の見易さのためバンプの図示を省略している。この時点でベース基板用ウエハ作製工程S30が終了する。
(マウント工程S50)
次に、ベース基板用ウエハ40の引き回し電極36,37上に、バンプBを介して圧電振動片4を接合するマウント工程S50を行う。具体的には、圧電振動片4の基部12をバンプB上に載置し、バンプBを所定温度に加熱しながら、圧電振動片4をバンプBに押し付けつつ超音波振動を印加する。これにより、図3に示すように、圧電振動片4の振動腕部10,11がベース基板用ウエハ40の上面Uから浮いた状態で、基部12がバンプBに機械的に固着される。
(予備加熱工程S60)
続いて、陽極接合工程S70に先立ち、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40を予備加熱する予備加熱工程S60を行う。予備加熱工程S60は、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40を真空チャンバ内にセットするセット工程S61と、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40を予備加熱する各ウエハ加熱工程S63と、を有している。
セット工程S61では、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40を予備加熱するため、図示しない真空チャンバ内に、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40をセットする。
各ウエハ加熱工程S63では、真空チャンバ内に設けたヒータによってリッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40を加熱する。
予備加熱工程S60では、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40を加熱することによって、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40の内部に残存している有機溶剤やバインダ、水分等を予備加熱により蒸発させ、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)等のアウトガスを放出している。そして、後述の陽極接合工程S70の際、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40が接合温度まで上昇しても、アウトガスが放出されるのを抑制している。
(陽極接合工程S70)
次に、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40を陽極接合する陽極接合工程S70を行う。具体的には、以下の手順で陽極接合を行う。
まず、真空状態のまま、リッド基板用ウエハ50の接合膜35と、ベース基板用ウエハ40の上面Uとを当接させる。そして、不図示の加圧装置で、ベース基板用ウエハ40にリッド基板用ウエハ50を押し付ける。なお、加圧装置の押圧力は、例えば500N程度である。
続いて、加圧装置で押圧しながら、不図示のヒータにより、リッド基板用ウエハ50およびベース基板用ウエハ40を加熱し、リッド基板用ウエハ50の接合膜35を不図示の電源の陽極電極に、ベース基板用ウエハ40が載置された不図示の電極板を電源の陰極電極に接続し、各電極間に例えば500V程度の電圧を印加する。これにより、リッド基板用ウエハ50とベース基板用ウエハ40とを陽極接合することができる。
次に、ベース基板用ウエハ40の下面Lに導電性材料をパターニングして、一対の貫通電極32,33にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極38,39(図3参照)を複数形成する外部電極形成工程S80を行う。この工程により、圧電振動片4は、貫通電極32,33を介して外部電極38,39と導通する。
次に、ウエハ体60の状態で、キャビティ3a内に封止された個々の圧電振動子の周波数を微調整して所定の範囲内に収める微調工程S90を行う。具体的には、図3に示す外部電極38,39から所定電圧を継続的に印加して、圧電振動片4を振動させつつ周波数を計測する。この状態で、ベース基板用ウエハ40の外部からレーザビームを照射し、重り金属膜21の微調膜21b(図2参照)を蒸発させる。これにより、一対の振動腕部10,11の先端側の重量が低下するため、圧電振動片4の周波数が上昇する。このようにして、圧電振動子1の周波数を微調整して、公称周波数の範囲内に収めることができる。
周波数の微調が終了後、接合されたウエハ体60を図6に示す切断線Mに沿って切断する切断工程S100を行う。具体的には、まずウエハ体60のベース基板用ウエハ40の表面にUVテープを貼り付ける。次に、リッド基板用ウエハ50側から切断線Mに沿ってレーザを照射する(スクライブ)。次に、UVテープの表面から切断線Mに沿って切断刃を押し当て、ウエハ体60を割断する(ブレーキング)。その後、UVを照射してUVテープを剥離する。これにより、ウエハ体60を複数の圧電振動子に分離することができる。なお、これ以外のダイシング等の方法によりウエハ体60を切断してもよい。
なお、切断工程S100を行って個々の圧電振動子にした後に、微調工程S90を行う工程順序でも構わない。但し、上述したように、微調工程S90を先に行うことで、ウエハ体60の状態で微調を行うことができるため、複数の圧電振動子をより効率良く微調することができる。よって、スループットの向上化を図ることができるため好ましい。
その後、内部の電気特性検査S110を行う。即ち、圧電振動片4の共振周波数や共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数および共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、最後に圧電振動子の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。これをもって圧電振動子の製造が終了する。
以上、本実施形態によれば、振動腕部の先端に形成された重り金属膜にレーザ照射することで周波数調整が可能な圧電振動子において、周波数調整の際に引き回し電極の電気的特性が低下することを防止可能な圧電振動子、発振器、電子機器、及び電波時計を提供することが可能になる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図7を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図7に示すように、圧電振動子1を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の前記集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111および圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器110において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片が振動する。この振動は、圧電振動片が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
本実施形態の発振器110によれば、動作信頼性の高い圧電振動子1を備えているので、信頼性に優れた発振器110を提供することができる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図8を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子1を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカおよびマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化および軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図8に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部121とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。そして、電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信や受信、現在時刻の計測、表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部123は、発振回路やレジスタ回路、カウンタ回路、インターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133および呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化および複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キーおよびその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129および着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止することができる。
本実施形態の携帯情報機器120によれば、動作信頼性の高い圧電振動子1を備えているので、信頼性に優れた携帯情報機器120を提供することができる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図9を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図9に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、前記搬送周波数と同一の40kHzおよび60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC148に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
本実施形態の電波時計140によれば、動作信頼性の高い圧電振動子1を備えているので、信頼性に優れた電波時計140を提供することができる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
本実施形態では、ベース基板2およびリッド基板3がガラス材料からなる、表面実装型のガラスパッケージを用いる構成を例示したが、ベース基板2をセラミックからなるものとし、リッド基板3を金属またはガラス材料等からなる、セラミックパッケージとすることも可能である。
さらに、引き回し電極36,37上にAu等からなるバンプBが形成され、このバンプBを利用して圧電振動片4が実装された構成を例示したが、Au等からなるバンプBに代えて、導電性接着剤により、引き回し電極36,37に圧電振動片4を実装する構成としても良い。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
1・・・圧電振動子
2・・・ベース基板(第1の基板)
3・・・リッド基板(第2の基板)
4・・・圧電振動片
9・・・パッケージ
10,11・・・振動腕部
12・・・基部
21・・・重り金属膜(調整膜)
32,33・・・貫通電極
37・・・引き回し電極
110・・・発振器
120・・・携帯情報機器(電子機器)
123・・・計時部
140・・・電波時計
141・・・フィルタ部
B・・・バンプ(マウント部)
U・・・上面(内面)

Claims (6)

  1. 複数の基板を厚さ方向に接合することで形成されるパッケージと、
    前記パッケージ内に形成されるキャビティに収容され、所定の周波数で振動する振動腕部を有する圧電振動片と、
    前記振動腕部の先端側に形成されている周波数調整用の重り金属膜と、
    前記パッケージの外面に形成されている外部電極と前記キャビティ内とを電気的に接続する貫通電極と、
    前記キャビティの内面に形成され、前記貫通電極と前記圧電振動片とを電気的に接続する引き回し電極と、を備え、
    少なくとも一つの引き回し電極が、前記キャビティの内壁近傍において前記振動腕部の長手方向と略平行に延設されている圧電振動子において、
    前記キャビティの前記長手方向に延びる中心線に対して、
    前記圧電振動片の中心線が、前記振動腕部の長手方向と略平行に延設されている前記引き回し電極とは反対側に位置するように、前記圧電振動片が前記キャビティ内に実装されていることを特徴とする圧電振動子。
  2. 前記キャビティの前記長手方向に延びる中心線と、前記圧電振動片の中心線との間隔をSとし、前記振動腕部の長手方向と略平行に延設されている前記引き回し電極の幅をWとすると、S>W/2が成り立っていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子。
  3. 前記キャビティの前記長手方向に延びる中心線と、前記圧電振動片の中心線との間隔をSとし、前記振動腕部の長手方向と略平行に延設されている前記引き回し電極の形成可能領域の、前記振動腕部の長手方向と略平行に延設されている前記キャビティの内壁から該キャビティの内側に向かった寸法をWとすると、S>W/2が成り立っていることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の前記圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  5. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の前記圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  6. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の前記圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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