JP2011164434A - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】感度、解像性、露光量マージン等の基本特性だけでなく、LWR性能をも満足する感放射線性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】一種又は二種以上の重合体からなる重合体成分(A)と、感放射線性酸発生剤(B)と、溶剤(C)と、を含み、前記重合体成分(A)が、下記一般式(a1)で表される繰り返し単位(a1)及び下記一般式(a2)で表される繰り返し単位(a2)を含有する感放射線性樹脂組成物を提供する。(但し、下記一般式(a1)及び(a2)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。下記一般式(a1)中、Rは2価の炭化水素基を示し、Rは水素原子又はアルキル基を示す。下記一般式(a2)中、Rは単結合又は2価の炭化水素基を示し、Aは3価の有機基を示す。)
Figure 2011164434

【選択図】なし

Description

本発明は、IC等の半導体の製造や、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造等のフォトリソグラフィー工程において、レジスト材料として使用される感放射線性樹脂組成物に関するものである。より具体的には、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等の波長250nm以下の遠紫外線や電子線を露光光源とするフォトリソグラフィー工程において好適に使用される、化学増幅型の感放射線性樹脂組成物に関するものである。
化学増幅型の感放射線性樹脂組成物は、KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーに代表される遠紫外線や、EUV、EB(電子線)の照射により露光部に酸を生成する。そして、この酸を触媒とする化学反応により、露光部の樹脂はアルカリ性の現像液に可溶化する。この化学反応により生じた露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度の差を利用して、基板上にレジストパターンが形成される。
例えば、ArFエキシマレーザーを光源とするリソグラフィー工程において使用されるレジスト材料としては、193nm領域に大きな吸収を有しない脂環式炭化水素を骨格中に有する樹脂、特に、その繰り返し単位中にラクトン骨格を有する樹脂を含む感放射線性樹脂組成物が使用される。
上述の感放射線性樹脂組成物には、含窒素化合物(以下、「酸拡散制御剤」とも記載する)を添加することで、プロセス安定性が得られることが知られている(特許文献1〜3参照)。また、特に孤立パターンのリソグラフィー性能向上のため、特定のカルバメート基を有する酸拡散制御剤を添加する検討もなされている(特許文献4、5参照)。
レジストパターンの微細化技術の一つとして、液浸露光の実用化が進められており、これに対応可能なレジスト材料が求められている。しかしながら、液浸露光では、液浸液に上述の酸拡散制御剤が溶出することで、パターン形状に悪影響を与え、更には、溶出した酸拡散制御剤が露光機のレンズを汚染することが問題となっている。これに対処するため、アミン骨格を有する繰り返し単位を含有させた酸拡散制御機能を有する樹脂をレジスト材料に用いる検討がなされている(特許文献6参照)。
レジストパターンの微細化が線幅90nm以下のレベルまで進展している現在にあっては、レジストパターンの矩形性の向上といった基本特性の向上のみならず、例えば、レジストパターンのラフネスを表す指標であるLWR(Line Width Roughness)の低減等の性能も要求されるようになってきている。しかしながら、これらの性能を全て満足するレジスト材料は見出されておらず、その開発が期待されている。
特開平5−232706号公報 特開平5−249683号公報 特開平5−158239号公報 特開2001−166476号公報 特開2001−215689号公報 特開2008−133312号公報
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、感度、解像性、露光量マージン等の基本特性だけでなく、LWR性能をも満足する感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは前記課題を達成すべく鋭意検討した結果、含窒素化合物構造を有する繰り返し単位と共に、環状カーボネート構造を有する繰り返し単位を樹脂に含有させることによって、前記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す感放射線性樹脂組成物が提供される。
[1]一種又は二種以上の重合体からなる重合体成分(A)と、感放射線性酸発生剤(B)(以下、単に「酸発生剤(B)」とも記載する)と、溶剤(C)と、を含み、前記重合体成分(A)が、下記一般式(a1)で表される繰り返し単位(a1)及び下記一般式(a2)で表される繰り返し単位(a2)を含有する感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011164434
前記一般式(a1)及び(a2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。前記一般式(a1)中、Rは、炭素数1〜3の直鎖状の2価の炭化水素基を示し、2つのRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜5の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基を示すか、或いは、2つのRが相互に結合して、両者が結合している窒素原子と共に4〜10員環の複素環構造を形成していても良い。前記一般式(a2)中、Rは、単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、若しくは環状の2価の炭化水素基を示し、Aは、3価の有機基を示す。
[2]前記重合体成分(A)に含まれる前記重合体の少なくとも一種が、前記繰り返し単位(a1)及び前記繰り返し単位(a2)を有する共重合体である前記[1]に記載の感放射線性樹脂組成物。
[3]前記重合体成分(A)に含まれる前記重合体の少なくとも二種が、前記繰り返し単位(a1)を有する重合体、及び前記繰り返し単位(a2)を有する重合体である前記[1]に記載の感放射線性樹脂組成物。
[4]前記繰り返し単位(a1)が、下記一般式(a1−A)で表される繰り返し単位(a1−A)及び下記一般式(a1−B)で表される繰り返し単位(a1−B)の少なくともいずれかである前記[1]〜[3]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011164434
前記一般式(a1−A)及び(a1−B)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、lは、それぞれ独立に、1〜3の整数を示す。前記一般式(a1−A)中、mは、それぞれ独立に、1〜3の整数を示す。前記一般式(a1−B)中、Aは、酸素原子又はアミノ基を示し、nは、1又は2を示す。
[5]前記繰り返し単位(a1)の含有割合が、前記重合体成分(A)の全繰り返し単位の合計に対して、0.01〜20mol%である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
[6]前記繰り返し単位(a2)の含有割合が、前記重合体成分(A)の全繰り返し単位の合計に対して、5〜80mol%である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
[7]前記重合体成分(A)が、下記一般式(a3)で表される繰り返し単位(a3)を更に含有する前記[1]〜[6]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011164434
前記一般式(a3)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、3つのRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の脂環式炭化水素基を示すか、或いは、3つのRのうち、2つのRが相互に結合して両者が結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の脂環式炭化水素基を形成し、残りの1つのRが、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示していても良い。
[8]前記重合体成分(A)が、ラクトン骨格を有する繰り返し単位(a4)を更に含有する前記[1]〜[7]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、感度、解像性、露光量マージン等の基本特性だけでなく、LWR性能をも満足するという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.感放射線性樹脂組成物:
本発明の感放射線性樹脂組成物は、重合体成分(A)と、酸発生剤(B)と、溶剤(C)と、を含む組成物である。以下、その詳細について説明する。
1−1.重合体成分(A):
重合体成分(A)は、一種又は二種以上の重合体からなり、繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)を含有するものである。
なお、本明細書中、「重合体成分(A)が繰り返し単位(a1)を含有する」とは、重合体成分(A)に含まれる(共)重合体のうち少なくとも一種が、繰り返し単位(a1)を含有することを意味する。また、「重合体成分(A)が繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)を含有する」とは、重合体成分(A)が、下記(1)〜(4)の態様を包含することを意味する。但し、本明細書中、「(共)重合体」は、一種の繰り返し単位からなる単独重合体及び、二種以上の繰り返し単位からなる共重合体の両方を含む概念である。また、(4)の態様でいう「その他の(共)重合体」とは、繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)のいずれをも含まない(共)重合体のことをいう。
(1)繰り返し単位(a1)及び繰り返し単位(a2)を含有する共重合体
(2)繰り返し単位(a1)を含有する(共)重合体と、繰り返し単位(a2)を含有する(共)重合体との(共)重合体混合物
(3)前記(1)の共重合体と、繰り返し単位(a1)を含有する(共)重合体及び繰り返し単位(a2)を含有する(共)重合体の少なくとも一方の(共)重合体との(共)重合体混合物
(4)前記(1)の共重合体、前記(2)の(共)重合体混合物、又は前記(3)の(共)重合体混合物と、その他の(共)重合体との(共)重合体混合物
重合体成分(A)としては、重合体成分(A)に含まれる前記重合体の少なくとも一種が、前記繰り返し単位(a1)及び前記繰り返し単位(a2)を有する共重合体であることが好ましい。
また、重合体成分(A)としては、重合体成分(A)に含まれる前記重合体の少なくとも二種が、前記繰り返し単位(a1)を有する重合体、及び前記繰り返し単位(a2)を有する重合体であることも好ましい。
1−1−1.繰り返し単位(a1):
重合体成分(A)は、前記一般式(a1)で表されるような窒素原子を有する繰り返し単位(a1)を含有することにより酸拡散制御機能を獲得し、感放射線性樹脂組成物に酸拡散制御剤を添加する必要がなくなる。これにより、この感放射線性樹脂組成物をレジスト材料として液浸露光に使用する際、酸拡散制御剤が液浸液へ溶出することがないため、パターン形状への悪影響、更には、溶出した酸拡散制御剤の露光機のレンズへの汚染を防ぐことができる。
前記一般式(a1)中、Rで示される「炭素数1〜3の直鎖状の2価の炭化水素基」の具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基等を挙げることができる。
前記一般式(a1)中、Rで示される「炭素数1〜5の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等を挙げることができる。これらの中でも、繰り返し単位(a1)を与える単量体の重合性を向上させることができるという観点から、メチル基、エチル基等が好ましい。
前記一般式(a1)中、2つのRが相互に結合して、両者が結合している窒素原子と共に形成される「4〜10員環の複素環構造」は、前記窒素原子以外にも、炭素原子以外の原子を含む複素環であることが好ましい。また、前記窒素原子に隣接する炭素原子がカルボニル基で置換されていることも好ましい。このような複素環構造の具体例としては、下記式(a1−b1)〜(a1−b4)で表される環構造等を挙げることができる。
Figure 2011164434
繰り返し単位(a1)は、前記一般式(a1−A)で表される繰り返し単位(a1−A)及び前記一般式(a1−B)で表される繰り返し単位(a1−B)の少なくともいずれかであることが好ましい。
また、繰り返し単位(a1)は、下記一般式(a1−A−1)〜(a1−A−3)、(a1−B−1)、又は(a1−B−2)で表される繰り返し単位であることが特に好ましい。
Figure 2011164434
前記一般式(a1−A−1)〜(a1−A−3)、(a1−B−1)、及び(a1−B−2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。なお、繰り返し単位(a1)は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
1−1−2.繰り返し単位(a2):
重合体成分(A)は、前記一般式(a2)で表されるような環状カーボネート構造を有する繰り返し単位(a2)を含有することにより、塩基性置換基を有する重合体を含むレジストにおいても解像性及びLWR性能に優れたレジストパターンを形成することができる。
前記一般式(a2)中、Rで示される「炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、若しくは環状の2価の炭化水素基」の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基(1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基)、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、エチリデン基、1−プロピリデン基、2−プロピリデン基等の鎖状炭化水素基;1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基をはじめとする炭素数3〜10のシクロアルキレン基等の単環式炭化水素環基;1,4−ノルボルニレン基や2,5−ノルボルニレン基等のノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基や2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基等の2〜4環式の炭素数4〜30の炭化水素環基等の架橋環式炭化水素環基を挙げることができる。これらの中でも、繰り返し単位(a2)を与える単量体の入手が容易であるという観点から、メチレン基等が好ましい。
前記一般式(a2)中、Aで示される「3価の有機基」としては、例えば、炭素数1〜30の3価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の3価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の3価の芳香族炭化水素基等を挙げることができる。なお、これらの炭化水素基は、その骨格中に酸素原子、カルボニル基、イミノ基等を有していてもよく、また、水酸基等の置換基を有していてもよい。但し、繰り返し単位(a2)は、Aで示される「3価の有機基」の一部と共に、下記一般式(a2−a)で表される部分構造を必ず有していなければならない。
Figure 2011164434
前記一般式(a2−a)中、kは、1〜4の整数を示す。
繰り返し単位(a2)は、下記一般式(a2−1)〜(a2−12)で表される繰り返し単位であることが特に好ましい。
Figure 2011164434
前記一般式(a2−1)〜(a2−12)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。なお、繰り返し単位(a2)は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
1−1−3.繰り返し単位(a3):
重合体成分(A)は、前記一般式(a3)で表される繰り返し単位(a3)を少なくとも含有する重合体を含むものであることが好ましい。即ち、重合体成分(A)は、上述の繰り返し単位(a1)及び(a2)以外に、前記一般式(a3)で表される繰り返し単位(a3)を含有していることが好ましい。なお、「繰り返し単位(a3)を少なくとも含有する重合体」は、上述の繰り返し単位(a1)、(a2)、又はその両方を、含有する重合体であっても良く、含有しない重合体であっても良い。
繰り返し単位(a3)は、酸解離性基を有する繰り返し単位であり、このような繰り返し単位(a3)を含有する重合体は、酸と作用することによりこの酸解離性基が脱離し、アルカリ可溶性となる。そのため、重合体成分(A)は、繰り返し単位(a3)を含有することにより、レジストの解像性能を向上させることができる。
前記一般式(a3)中、Rで示される「炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基を挙げることができる。
前記一般式(a3)中、1つのRで示される、又は2つのRが相互に結合して両者が結合している炭素原子と共に形成される「炭素数4〜20の脂環式炭化水素基」の具体例としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;トリシクロデシル基、テトラシクロデシル基、アダマンチル基等の有橋多環式炭化水素基等を挙げることができる。
繰り返し単位(a3)は、下記一般式(a3−1)〜(a3−18)で表される繰り返し単位であることが特に好ましい。
Figure 2011164434
前記一般式(a3−1)〜(a3−18)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。なお、繰り返し単位(a3)は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
1−1−4.繰り返し単位(a4):
重合体成分(A)は、ラクトン骨格を有する繰り返し単位(a4)を少なくとも含有する重合体を含むものであることが好ましい。即ち、重合体成分(A)は、上述の繰り返し単位(a1)〜(a3)以外にも、ラクトン骨格を有する繰り返し単位(a4)を含有していることが好ましい。なお、「繰り返し単位(a4)を少なくとも含有する重合体」は、上述の繰り返し単位(a1)、(a2)、及び(a3)からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位を、含有する重合体であっても良く、含有しない重合体であっても良い。
重合体成分(A)は、下記一般式(a4−A)〜(a4−E)のうち少なくともいずれかで表される繰り返し単位(a4)を含有することにより、レジストパターンの剛直性が高くなり、解像性及びレジストパターンの矩形性を向上させることができる。
Figure 2011164434
前記一般式(a4−A)〜(a4−E)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。前記一般式(a4−A)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示し、pは、1〜3の整数を示す。前記一般式(a4−D)及び(a4−E)中、Rは、水素原子又は酸素原子含有炭化水素基を示す。前記一般式(a4−B)〜(a4−E)中、Aは、単結合、メチレン基、又はエチレン基を示す。前記一般式(a4−C)及び(a4−E)中、Aは、メチレン基又は酸素原子を示す。前記一般式(a4−B)及び(a4−C)中、qは、0又は1を示す。
前記一般式(a4−A)中、Rで示される「炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基」の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
前記一般式(a4−D)及び(a4−E)中、Rで示される「酸素原子含有炭化水素基」の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基等を挙げることができる。なお、Rで示される基の結合部位は、ラクトン環のアルカリに対する溶解性を維持するという観点から、ラクトン環以外の部分であり、重合体主鎖との連結基(A)が結合する炭素原子に隣接する炭素原子であることが好ましい。
繰り返し単位(a4)の具体例としては、下記一般式(a4−1)〜(a4−8)で表される繰り返し単位が特に好ましい。
Figure 2011164434
前記一般式(a4−1)〜(a4−8)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。なお、繰り返し単位(a4)は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
1−1−5.繰り返し単位(a5):
重合体成分(A)は、上述の繰り返し単位(a1)〜(a4)以外に、これらと共重合することができ、(メタ)アクリル酸エステルに由来する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(a5)」とも記載する)を、本発明の効果が損なわれない範囲で含有していても良い。このような繰り返し単位(a5)としては、レジストの現像性、パターン剥がれ耐性等を向上させることができるという観点から、親水性基を有する繰り返し単位が好ましい。親水性基を有する繰り返し単位の具体例としては、下記一般式(a5−1)〜(a5−14)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2011164434
前記一般式(a5−1)〜(a5−14)中、Rは、水素原子又はメチル基を示す。
繰り返し単位(a5)としては、前記一般式(a5−1)〜(a5−14)以外にも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、ラウリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエステル、(メタ)アクリル酸−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[4.4.0]デカニルエステル、(メタ)アクリル酸−ビシクロ[2.2.2]オクチルエステル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルエステル、(メタ)アクリル酸−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカニルエステル等のアルキル(メタ)アクリレートを含有していても良い。なお、繰り返し単位(a5)は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
1−1−6.含有割合:
重合体成分(A)中、繰り返し単位(a1)の含有割合は、全繰り返し単位の合計に対して、0.01〜20mol%であることが好ましく、0.01〜10mol%であることが更に好ましく、0.01〜5mol%であることが特に好ましい。繰り返し単位(a1)の含有割合が、0.01〜20mol%であることにより、レジストの解像性能を向上させ、良好なレジストパターンを形成することができる。なお、本明細書中、「全繰り返し単位の合計」とは、重合体成分(A)に含有される全ての繰り返し単位の合計を意味する。即ち、重合体成分(A)が複数の重合体を含む場合には、全ての重合体に含有される全ての繰り返し単位の合計(総計)を意味する。
重合体成分(A)中、繰り返し単位(a2)の含有割合は、全繰り返し単位の合計に対して、5〜80mol%であることが好ましく、20〜70mol%であることが更に好ましく、30〜50mol%であることが特に好ましい。繰り返し単位(a2)の含有割合が、5〜80mol%であることにより、レジストの解像性能及び低LWR性を向上させることができる。
重合体成分(A)中、繰り返し単位(a3)の含有割合は、全繰り返し単位の合計に対して、5〜80mol%であることが好ましく、10〜80mol%であることが更に好ましく、20〜70mol%であることが特に好ましい。
重合体成分(A)中、繰り返し単位(a4)の含有割合は、全繰り返し単位の合計に対して、70mol%以下であることが好ましい。
重合体成分(A)中、繰り返し単位(a5)の含有割合は、全繰り返し単位の合計に対して、50mol%以下であることが好ましい。
1−1−7.重合:
重合体成分(A)に含まれる重合体を重合する方法としては、特に制限なく、従来公知のラジカル重合法を適用することができる。例えば、単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、重合溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法(1);単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを、それぞれ別々に、重合溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法(2);各単量体を1種類ずつ含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを、それぞれ別々に、重合溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法(3)等の方法で重合することが好ましい。
なお、単量体を含有する溶液に、単量体を含有する溶液を滴下して反応させる場合、滴下される溶液中の単量体の割合は、重合に用いられる全単量体の合計に対して、30mol%以上であることが好ましく、50mol%以上であることが更に好ましく、70mol%以上であることが特に好ましい。
上述の各方法で重合する場合、反応温度は、ラジカル開始剤の種類に応じて適宜決定すれば良く、通常、30〜180℃であり、40〜160℃であることが好ましく、50〜140℃であることが更に好ましい。
滴下時間は、反応温度、ラジカル開始剤の種類、単量体の種類、量等の条件によって適宜決定すれば良く、通常、30分〜8時間であり、45分〜6時間であることが好ましく、1〜5時間であることが更に好ましい。また、滴下開始時点からの全反応時間は、滴下時間と同様の条件によって適宜決定すれば良く、通常30分〜8時間であり、45分〜7時間であることが好ましく、1〜6時間であることが更に好ましい。
ラジカル開始剤としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等を挙げることができる。これらのラジカル開始剤は一種単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。
重合溶媒としては、単量体を溶解することができ、重合を阻害しない溶媒であれば、特に制限なく従来公知の重合溶媒を用いることができ、例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アミド類、エステル・ラクトン類、ニトリル類等を挙げることができる。これらの重合溶媒は、一種単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。なお、重合を阻害する溶媒としては、例えば、重合禁止効果を有するニトロベンゼン、連鎖移動効果を有するメルカプト化合物等がある。
上述の重合反応により得られた重合体は、再沈殿法により精製することが好ましい。即ち、重合反応終了後、重合溶液を再沈溶媒に投入することにより、目的の重合体を粉体として精製する。
再沈殿法以外にも、分液操作により、不純物を除去して、重合体を精製することもできる。即ち、重合反応終了後、重合溶液を適宜濃縮し、例えば、メタノール/ヘプタンなどの2液に分離する溶媒系を加え、重合溶液から不純物を除去し、適宜必要な溶媒系(プロピレングリコールモノメチルエーテル等)に置換し、目的の重合体を溶液として精製する。
上述の精製により得られる重合体溶液に残留する低分子量成分の含有割合は、重合体の総量に対して、0.1質量%以下であることが好ましく、0.07質量%以下であるこが更に好ましく、0.05質量%以下であることが特に好ましい。低分子量成分の含有割合が0.1質量%以下であると、液浸露光の際、液浸液への溶出物の量が低減し、また、レジスト保管中に異物が析出するこがなく、レジストを塗布する際にも塗布ムラが発生しない等の効果がある。即ち、レジストパターン形成時の欠陥を十分に抑制することができる。なお、低分子量成分量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析で定量した値である。
本明細書中、「低分子量成分」とは、残留単量体及びそれに由来するオリゴマー等のことであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の質量平均分子量(以下、「Mw」と記載する)が500以下の成分を意味するものとする。低分子量成分の具体例としては、モノマーや、ダイマー、トリマー等のオリゴマーである。なお、これらの低分子量成分は、上述の化学的精製法や、それら科学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法とを組み合わせた方法等により除去することができる。
重合体成分(A)に含まれる重合体のGPCによるポリスチレン換算のMwは、特に限定されないが、1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることが更に好ましく、1,000〜20,000であることが特に好ましい。重合体のMwが1,000未満であると、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向がある。一方、重合体のMwが100,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。
重合体成分(A)に含まれる重合体のGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量(以下、「Mn」と記載する)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1.0〜5.0であり、1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.0であることが更に好ましい。
1−2.酸発生剤(B):
感放射線性酸発生剤は、放射線照射により、酸を発生するものである。この酸により、重合体成分(A)に含まれる重合体中の酸解離性基が脱保護(解離)し、重合体がアルカリ可溶性となる。酸発生剤(B)としては、特に制限なく、従来公知の感放射線性酸発生剤を用いることができる。
酸発生剤(B)は、下記一般式(B1)で表される酸発生剤(B1)を含むものであることが好ましい。
Figure 2011164434
前記一般式(B1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、又は炭素数2〜11のアルコキシカルボニル基を示し、Rは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、又は炭素数1〜10のアルカンスルホニル基を示し、R10は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示す。但し、2つのR10が相互に結合して、炭素数2〜10の2価の基を形成していてもよい。sは0〜2の整数を示し、rは0〜10の整数を示し、Xは下記一般式(b1)〜(b4)で表されるアニオンを示す。
Figure 2011164434
前記一般式(b1)及び(b2)中、R11は、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。前記一般式(b1)中、tは、1〜10の整数を示す。前記一般式(b3)及び(b4)中、R12は、それぞれ独立に、炭素数1〜10のフッ素置換アルキル基を示す。但し、2つのR12が相互に結合して、炭素数2〜10の2価のフッ素置換アルキレン基を形成していてもよい。
酸発生剤(B1)のカチオンとしては、トリフェニルスルホニウムカチオン、トリ−1−ナフチルスルホニウムカチオン、トリ−tert−ブチルフェニルスルホニウムカチオン、4−フルオロフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、ジ−4−フルオロフェニル−フェニルスルホニウムカチオン、トリ−4−フルオロフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、4−メタンスルホニルフェニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキサンスルホニル−ジフェニルスルホニウムカチオン、1−ナフチルジメチルスルホニウムカチオン、1−ナフチルジエチルスルホニウムカチオン、1−(4−ヒドロキシナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−メチルナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−メチルナフチル)ジエチルスルホニウムカチオン、1−(4−シアノナフチル)ジメチルスルホニウムカチオン、1−(4−シアノナフチル)ジエチルスルホニウムカチオン、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−メトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−エトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−n−プロポキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−メトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−エトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−n−プロポキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−(7−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン等が好ましい。
前記一般式(B1)のアニオンとしては、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−ブタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−オクタンスルホネートアニオン、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートアニオン、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−1,1−ジフルオロエタンスルホネートアニオン、1−アダマンチルスルホネートアニオンの他、下記式(b3−a)〜(b3−g)で示されるアニオン等が好ましい。
Figure 2011164434
酸発生剤(B)は、上述のカチオン及びアニオンの組合せで構成される。但し、その組合せは特に限定されるものでない。
酸発生剤(B)としては、酸発生剤(B1)以外にも、その他の酸発生剤を併用してもよい。その他の酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。
これらの酸発生剤は、一種単独で、又は二種以上を混合して使用することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物中、酸発生剤(B)の配合割合は、レジストとしての感度及び現像性を確保する観点から、重合体成分(A)100質量部に対して、通常、0.1〜30質量部であり、0.5〜20質量部であることが好ましい。酸発生剤(B)の配合割合が0.1質量部未満であると、感度及び現像性が低下する傾向がある。一方、酸発生剤(B)の配合割合が30質量部超であると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンが得られ難くなる傾向がある。また、その他の酸発生剤の使用割合は、酸発生剤(B)の全量に対して、80質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
1−3.溶剤(C):
溶剤(C)としては、重合体成分(A)、酸発生剤(B)、場合により添加剤を溶解することができる溶剤であれば、特に制限なく従来公知の溶剤を用いることができ、例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、アミド類、エステル・ラクトン類、ニトリル類等を挙げることができる。
溶剤(C)の具体例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、シクロヘキサノン等のケトン類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等が更に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。なお、これらの溶剤は、一種単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。
感放射線性樹脂組成物中、溶剤(C)の配合割合としては、重合体成分(A)の固形分濃度が3〜30質量%となる割合が好ましく、3〜20質量%となる割合が更に好ましく、3〜15質量%となる割合が特に好ましい。
1−4.添加剤:
本発明の感放射線性樹脂組成物は、所望により、添加剤を含んでいても良い。このような添加剤としては、例えば、界面活性剤、増感剤、脂肪族添加剤、フッ素含有樹脂、染料、顔料、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、低分子の窒素含有化合物を酸拡散制御剤として用いることもできる。
(1)界面活性剤:
界面活性剤は、レジストの塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。
なお、これらの界面活性剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の配合割合は、重合体成分(A)100質量部に対して、0.001〜2質量部であることが好ましい。
(2)増感剤:
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収し、その吸収したエネルギーを酸発生剤(B)に伝達して酸の生成量を増加させる作用を有するものであり、感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有するものである。
増感剤としては、例えば、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。
なお、これらの増感剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
増感剤の配合割合は、重合体成分(A)100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
(3)脂肪族添加剤:
脂環族添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を有する成分である。
脂環族添加剤の具体例としては、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸α−ブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類や、3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン等を挙げることができる。なお、これらの脂環族添加剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂環族添加剤の配合割合は、重合体成分(A)100質量部に対して、0.5〜20質量部であることが好ましい。脂環族添加剤の配合割合が20質量部超であると、形成したレジスト被膜の耐熱性が低下するおそれがある。
(4)フッ素含有樹脂:
フッ素含有樹脂は、特に液浸露光において、レジスト膜表面の撥水性を発現させる作用を示す。また、フッ素含有樹脂は、レジスト膜から液浸液へ感放射線性樹脂組成物中の諸成分が溶出することを抑制し、高速スキャンにより液浸露光を行ったとしても液滴を残すことがないため、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸露光に由来する欠陥を抑制する効果を有する成分である。
フッ素含有樹脂としては、特に制限されず、例えば、以下のようなフッ素含有樹脂を挙げることができる。
(1)アルカリ不溶性であるが、酸の作用によりアルカリ可溶性となるフッ素含有樹脂
(2)アルカリ可溶性であるが、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大するフッ素含有樹脂
(3)アルカリ不溶性であるが、アルカリの作用によりアルカリ可溶性となるフッ素含有樹脂
(4)アルカリ可溶性であるが、アルカリの作用によりアルカリ可溶性が増大するフッ素含有樹脂
フッ素含有樹脂としては、前述の繰り返し単位(4)及び後述するフッ素含有繰り返し単位の少なくとも一方を含有する樹脂を挙げることができる。また、フッ素含有樹脂は、前述の繰り返し単位(1)、(2)、(3)、(5)、及び(6)からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位を更に含有していることが好ましい。
フッ素含有繰り返し単位を与える単量体としては、例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
フッ素含有樹脂としては、下記一般式(D−1)〜(D−6)で表される各繰り返し単位の組を有する樹脂(D−1)〜(D−6)等が好ましい。なお、これらのフッ素含有樹脂は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのフッ素含有樹脂中、フッ素原子の含有割合は、5〜50質量%であることが好ましい。
Figure 2011164434
フッ素含有樹脂の含有割合は、重合体成分(A)100質量部に対して、0.5〜20質量であることが好ましい。フッ素含有樹脂の含有割合が20質量部超であると、レジストの解像性能が低下するおそれがある。
本発明の感放射線性樹脂組成物中、添加剤の合計量は、重合体成分(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。
2.レジストパターン形成:
本発明の感放射線性樹脂組成物は、化学増幅型レジスト被膜を成膜可能な材料として有用であり、所望の形状のポジ型のレジストパターンを形成することができるものである。
本発明の感放射線性樹脂組成物を用いてレジストパターンを形成するには、まず、前述の重合体成分(A)、酸発生剤(B)、溶剤(C)、及び場合により添加剤を混合し、例えば、孔径200nmのフィルターでろ過した感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布することよってレジスト被膜を形成する。その後、場合によっては70〜160℃程度の温度で加熱処理(以下、「PB」と記載する)を行ってもよい。
感放射線性樹脂組成物としては、例えば、全固形分濃度を調整した後、孔径0.2μm程度のフィルターでろ過したものを用いることができる。基板としては、例えば、シリコンウェハー、アルミニウムで被覆されたウェハー等を用いることができる。感放射線性樹脂組成物を塗布する方法としては、従来公知の方法を適宜採用することができ、具体的には、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
本発明においては、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば、特公平6−12452号公報(特開昭59−93448号公報)等に開示されているように、基板上に有機系又は無機系の反射防止膜を形成してもよい。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば、特開平5−188598号公報等に開示されているように、レジスト被膜上に保護膜を設けることもできる。なお、これらの技術は併用することができる。
また、液浸露光を行う場合には、液浸液とレジスト膜とが直接接触することを防止するために、液浸液不溶性の液浸用保護膜をレジスト膜上に設けてもよい。液浸用保護膜としては、後述する現像工程の前に溶剤により剥離する溶剤剥離型保護膜(例えば、特開2006−227632号公報参照)、現像工程において現像液により剥離する、現像液剥離型保護膜(例えば、国際公開第2005/069076号パンフレット、国際公開第2006/035790号パンフレット参照)のいずれを用いてもよい。但し、スループットの観点からは、現像液剥離型液浸用保護膜を用いることが好ましい。
次に、所定のレジストパターンが形成されるように、水等の液浸液を介して、このレジスト被膜を露光する。この露光により、露光部の感放射線性酸発生剤から酸が発生し、重合体中の酸解離性基が脱保護(解離)し、アルカリ可溶性となる。
この露光に使用することができる放射線としては、例えば、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、EUV(極紫外線、波長13.5nm等)等の(極)遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、EB(電子線)等の荷電粒子線等を挙げることができる。また、露光量等の露光条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選定することができる。
露光後には、加熱処理(以下、「PEB」とも記載する)を行うことが好ましい。このPEBにより、重合体成分(A)に含まれる重合体中の酸解離性基の脱離を更に円滑に進行させることが可能となる。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選定することができるが、30〜200℃であることが好ましく、50〜170℃であることが更に好ましい。
次に、露光されたレジスト被膜を現像する。即ち、露光によりアルカリ可溶性となったレジスト被膜の露光部をアルカリ現像液に溶解させ、露光部のレジスト被膜を除去する。最後に、洗浄し、乾燥させることにより、非露光部にのみレジスト被膜が残存するポジ型のレジストパターンが得られる。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも一種を溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
アルカリ性水溶液の濃度は、10質量%以下であることが好ましい。アルカリ性水溶液の濃度が10質量%超であると、非露光部も現像液に溶解するおそれがある。また、現像液は、具体的には、pH8〜14であることが好ましく、pH9〜14であることが更に好ましい。
前記現像液には、例えば、有機溶媒を添加することもできる。有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類や、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶媒の配合量は、アルカリ性水溶液100体積部に対して、100体積部以下であることが好ましい。前記配合量が100体積部超であると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなるおそれがある。また、現像液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本、以上東ソー社製)を使用して、流量:1.0ml/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
H−NMR分析及び13C−NMR分析]
核磁気共鳴装置(商品名「JNM−ECX400」、日本電子社製)を使用して測定した。
〔感度(単位:mJ/cm)〕
直径8インチのウェハー表面に、下層反射防止膜形成剤(商品名「ARC29A」、日産化学社製)を用いて、膜厚77nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜の表面に、感放射線性樹脂組成物をスピンコートすることにより塗布した。次いで、ホットプレート上にて、下記表2に示す温度で60秒間SB(Soft Bake)を行うことにより、膜厚150nmのレジスト被膜を形成した。
このレジスト被膜を、フルフィールド縮小投影露光装置(商品名「NSR−S306C」、ニコン社製、光源:ArFエキシマレーザー、開口数:0.78)を使用し、ライン部の線幅が75nmの1:1のラインアンドスペース(以下、「75nm1L1S」とも記載する)パターンを与えるマスクを介して露光した。次いで、下記表2に示す温度で60秒間PEB(Post Exposure Bake)を行った後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により、25℃で30秒間現像した。その後、水洗し、乾燥させて、ポジ型のレジストパターンを形成した。
このレジストパターンが75nm1L1Sとなるように形成される場合の露光量(mJ/cm)を最適露光量とし、この最適露光量を「感度(mJ/cm)」として評価した。なお、レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(商品名「S9260」、日立ハイテクノロジーズ社製)を使用した。
〔LWR〕
上述の感度の評価方法において、75nm1L1Sパターンを与えるマスクを介して最適露光量で75nm1L1Sのレジストパターンを解像した。このレジストパターンを、基盤に対して垂直方向から、走査型電子顕微鏡(商品名「S9260」、日立ハイテクノロジーズ社製)を使用して、倍率120,000倍で撮影した。撮影した画像中、任意の10点でライン部の線幅を測定した。測定したライン部の線幅から求められる3シグマ値をLWR(nm)とし、LWRが9.0nm以下である場合は「良好」、LWRが9.0nm超である場合は「不良」と評価した。なお、「3シグマ値」とは、測定した任意の10点におけるライン部の線幅から求められる標準偏差(シグマ値)を3倍した値のことである。
(合成例1)重合体(A−1)の合成:
下記式(M3−1)で表される単量体(M3−1)30.31g(55mol%)と、下記式(M2−1)で表される単量体(M2−1)19.66g(44.9mol%)と、下記式(M1−1)で表される単量体(M1−1)0.07g(0.1mol%)と、を2−ブタノン180gに溶解し、開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.93g(5mol%)を添加して単量体溶液(A−1)を調製した。
Figure 2011164434
温度計及び滴下漏斗を備えた500mlの三口フラスコに50gの2−ブタノンを投入し、30分間窒素パージした。窒素パージ後、フラスコ内をマグネティックスターラーで撹拌しながら80℃まで加熱した。滴下漏斗を用いて、調整しておいた単量体溶液(A−1)を3時間かけて滴下した。滴下開始時刻を重合開始時刻として、6時間重合反応させた後、重合溶液を水冷により30℃以下に冷却した。冷却後、重合溶液を1000gのヘキサンに投入し、析出した白色粉末をろ別回収した。ろ別回収された白色粉末を、200gの2−ブタノンに再溶解させ、この2−ブタノン溶液を1000gのヘキサンに投入し、析出した白色粉末をろ別回収して、洗浄した。同様の洗浄操作をもう一度行った。その後、ろ別して得られた白色粉末を、50℃で17時間乾燥させ、白色粉末の共重合体を38.0g得た(収率76.0%)。この共重合体を重合体(A−1)とした。
重合体(A−1)は、Mwが7500、Mw/Mnが1.46であり、13C−NMR分析の結果、単量体(M3−1)、単量体(M2−1)、及び単量体(M1−1)に由来する各繰り返し単位の含有割合(mol%)は、51.9:48.0:0.1であった。
(合成例2)重合体(A−2)の合成:
単量体(M3−1)32.59g(60mol%)と、単量体(M2−1)15.10g(35mol%)と、前記式(M1−2)で表される単量体(M1−2)2.31g(5mol%)と、を2−ブタノン180gに溶解し、開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.90g(5mol%)を添加して単量体溶液(A−2)を調製したこと以外は、合成例1と同様にして重合体(A−2)を37.4g得た(収率74.8%)。
重合体(A−2)は、Mwが7600、Mw/Mnが1.47であり、13C−NMR分析の結果、単量体(M3−1)、単量体(M2−1)、及び単量体(M1−2)に由来する各繰り返し単位の含有割合(mol%)は、52.3:43.6:4.1であった。
(合成例3)重合体(A−3)の合成:
単量体(M3−1)32.69g(60mol%)と、単量体(M2−1)17.31g(40mol%)と、を2−ブタノン180gに溶解し、開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.91g(5mol%)を添加して単量体溶液(A−3)を調製したこと以外は、合成例1と同様にして重合体(A−3)を36.9g得た(収率73.8%)。
重合体(A−3)は、Mwが7580、Mw/Mnが1.46であり、13C−NMR分析の結果、単量体(M3−1)、及び単量体(M2−1)に由来する各繰り返し単位の含有割合(mol%)は、55.5:44.5であった。
(合成例4)重合体(A−4)の合成:
単量体(M3−1)27.19g(50mol%)と、前記式(M4−1)で表される単量体(M4−1)10.97g(20mol%)と、前記式(M5−1)で表される単量体(M5−1)11.81g(29.9mol%)と、単量体(M1−1)0.04g(0.1mol%)と、を2−ブタノン100gに溶解し、開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)1.91g(5mol%)を添加して単量体溶液(A−4)を調製したこと以外は、合成例1と同様にして重合体(A−4)を40.1g得た(収率80.2%)。
重合体(A−4)は、Mwが7400、Mw/Mnが1.41であり、13C−NMR分析の結果、単量体(M3−1)、単量体(M4−1)、単量体(M5−1)、及び単量体(M1−1)に由来する各繰り返し単位の含有割合(mol%)は、44.2:34.4:21.3:0.1であった。
(実施例1)
下記表1に示すように、重合体(A−1)100質量部に対して、酸発生剤(B)として、酸発生剤(B−1)(トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート)7.5部と、溶剤(C)として、溶剤(C−1)(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)1500部、溶剤(C−2)(シクロヘキサノン)650部、及び溶剤(C−3)(γ−ブチロラクトン)30部と、を混合し、孔径200nmのフィルターでろ過して、感放射線性樹脂組成物(実施例1)を得た。得られた感放射線性樹脂組成物(実施例1)について、各種評価を行った結果、感度は43.7(mJ/cm)であり、LWRは「良好」であった。これらの結果を表2に示す。
(実施例2)
下記表1に示すように、重合体成分として、重合体(A−2)2質量部及び重合体(A−3)98質量部(合計100質量部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感放射線性樹脂組成物(実施例2)を得た。得られた感放射線性樹脂組成物(実施例2)について、各種評価を行った結果、感度は44.9(mJ/cm)であり、LWRは「良好」であった。これらの結果を表2に示す。
(比較例1)
下記表1に示すように、重合体成分として、重合体(A−4)100質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、感放射線性樹脂組成物(実施例2)を得た。得られた感放射線性樹脂組成物(実施例2)について、各種評価を行った結果、感度は41.5(mJ/cm)であり、LWRは「不良」であった。これらの結果を表2に示す。
Figure 2011164434
Figure 2011164434
表1及び2の結果から、含窒素化合物構造を有する繰り返し単位と共に、環状カーボネート構造を有する繰り返し単位を重合体に含有させたレジスト材料は、感度だけでなく、LWR性能にも優れていることが明らかである。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、液浸露光を利用するフォトリソグラフィー工程で使用される化学増幅型レジストの材料として好適であり、今後更に微細化が進行すると予測されている半導体デバイスを製造するためのレジスト材料として極めて有用である。

Claims (8)

  1. 一種又は二種以上の重合体からなる重合体成分(A)と、感放射線性酸発生剤(B)と、溶剤(C)と、を含み、
    前記重合体成分(A)が、下記一般式(a1)で表される繰り返し単位(a1)及び下記一般式(a2)で表される繰り返し単位(a2)を含有する感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011164434
    (前記一般式(a1)及び(a2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。前記一般式(a1)中、Rは、炭素数1〜3の直鎖状の2価の炭化水素基を示し、2つのRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜5の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基を示すか、或いは、2つのRが相互に結合して、両者が結合している窒素原子と共に4〜10員環の複素環構造を形成していても良い。前記一般式(a2)中、Rは、単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、若しくは環状の2価の炭化水素基を示し、Aは、3価の有機基を示す。)
  2. 前記重合体成分(A)に含まれる前記重合体の少なくとも一種が、前記繰り返し単位(a1)及び前記繰り返し単位(a2)を有する共重合体である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 前記重合体成分(A)に含まれる前記重合体の少なくとも二種が、前記繰り返し単位(a1)を有する重合体、及び前記繰り返し単位(a2)を有する重合体である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 前記繰り返し単位(a1)が、下記一般式(a1−A)で表される繰り返し単位(a1−A)及び下記一般式(a1−B)で表される繰り返し単位(a1−B)の少なくともいずれかである請求項1〜3のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011164434
    (前記一般式(a1−A)及び(a1−B)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、lは、それぞれ独立に、1〜3の整数を示す。前記一般式(a1−A)中、mは、それぞれ独立に、1〜3の整数を示す。前記一般式(a1−B)中、Aは、酸素原子又はアミノ基を示し、nは、1又は2を示す。)
  5. 前記繰り返し単位(a1)の含有割合が、前記重合体成分(A)の全繰り返し単位の合計に対して、0.01〜20mol%である請求項1〜4のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. 前記繰り返し単位(a2)の含有割合が、前記重合体成分(A)の全繰り返し単位の合計に対して、5〜80mol%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. 前記重合体成分(A)が、下記一般式(a3)で表される繰り返し単位(a3)を更に含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011164434
    (前記一般式(a3)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、3つのRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の脂環式炭化水素基を示すか、或いは、3つのRのうち、2つのRが相互に結合して両者が結合している炭素原子と共に炭素数4〜20の脂環式炭化水素基を形成し、残りの1つのRが、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示していても良い。)
  8. 前記重合体成分(A)が、ラクトン骨格を有する繰り返し単位(a4)を更に含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の感放射線性樹脂組成物。
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