JP4670624B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
する。
また、リビングラジカル重合を用いた酸解離性基含有重合体も知られている(特許文献7)。
また、同時により微細化が進むにつれて、パターンのラインエッジラフネス(以下、LERという)を低減する要求もますます強めてきた。半導体産業の微細化の進歩につれ、このような解像度およびパターンプロファイルに優れ、並びにLERの小さい条件を満たす感放射線性樹脂組成物の開発が急務になっている。
従来、感放射線性樹脂組成物に使用される樹脂は、分子量が大きくなるにつれてLER特性が低下する傾向にあり、分子量が小さくなるにつれて耐熱性が低下してエッチング耐性が悪くなるという傾向がある。このため、分子量分布の幅が大きくなる通常のラジカル重合においては、エッチング耐性を犠牲にしても、LER特性を改善するために平均分子量を小さくする傾向があった。分子量分布の幅を小さくして平均分子量を最適値にできる樹脂の開発が望まれている。
一方、リビングラジカル重合を用いた酸解離性基含有重合体も知られているが、より高い集積度に対応するための十分なLER特性が得られていない。
また、上記酸解離性基含有重合体は分子鎖末端の全てまたはその一部に上記連鎖移動剤由来の残基を有することを特徴とする。
本発明の連鎖移動剤は可逆的付加開裂連鎖移動剤である場合もある。ここでいう可逆的付加連鎖移動剤は文献に一般にRAFT(Reversible Addition−Fragmentation Chain Transfer)Agentと呼ばれているものを指す(非特許文献1参照)。可逆的付加開裂連鎖移動剤におけるZは窒素原子、硫黄原子、または酸素原子を介して式(X−1)で表される分子中の>C=S基と結合することが好ましい。窒素原子の場合はジチオカルバメイトを、硫黄原子の場合はジチオカルボネートをそれぞれ形成する。
Raは、式(X−1)で表される連鎖移動剤において、Raラジカルとして解裂可能な有機基であることが好ましい。Raとして、具体的には、−CH2Ph、−CH(CH3)CO2CH2CH3、−CH(CO2CH2CH3)2、−C(CH3)2CN、−CH(Ph)CN、−C(CH3)2CO2R’(R’はアルキル、アリール基等を表す)、−C(CH3)2Phが挙げられる。Phはフェニル基を表す。
式(X−2)において、Rb、RcおよびRdのいずれか2つが相互に結合して形成される環の構成原子数が3〜50である基の例としては、置換または非置換のピラゾール環構造が挙げられる。一例として式(X−3)で表されるピラゾール環の例を示す。
本発明で使用できるラジカル重合開始剤は、熱重合開始剤、レドックス重合開始剤、光重合開始剤が挙げられる。例えばパーオキシドやアゾ化合物等の重合開始剤が挙げられる。特に限定しないが、具体的なラジカル重合開始剤としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート(MAIB)等が挙げられる。
ここでいう「アルカリ不溶性またはアルカリ難溶性」とは、重合体(A)を含有する感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト被膜からレジストパターンを形成する際に採用されるアルカリ現像条件(好ましくはpHが8〜14のアルカリ水溶液、更に好ましくはpHが9〜14のアルカリ水溶液で現像する条件)下で、当該レジスト被膜の代わりに重合体(A)のみを用いた被膜を現像した場合に、当該被膜の初期膜厚の50%以上が現像後に残存する性質を意味する。「アルカリ易溶性」とは、同様の処理で被膜が溶解して初期膜厚の50%未満が失われる性質を意味する。
Mwが1000未満であると、レジストとしたときの耐熱性が低下しエッチング耐性が悪くなる。一方、Mwが4000をこえるとLERが低下する。
MwおよびMnは東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定できる。
また、重合反応において連鎖移動剤の量を増減することで、Mwの制御を行なうことができる。
酸解離性基を含有する単量体としては、下記式(m−1)〜式(m−7)で表される単量体が挙げられる。
また、上式において、シクロアルカン由来の脂環族環は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基の1種以上あるいは1個以上で置換した骨格等が挙げられる。 好ましい酸解離性基を含有する単量体としては、解像度を上げることができる式(m−1)、式(m−2)、または式(m−3)であり、好ましいRはメチル基、同R1はメチル基またはエチル基である。
(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロデカニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−3−オキソ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸アダマンチルメチル等の有橋式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
重合体(A)において、他の繰り返し単位は、単独でも2種以上組み合わさっても存在することができる。
十分な重合速度を実現するために、十分高い濃度のラジカル重合開始剤を添加することが必要である。但しラジカル重合開始剤量と連鎖移動剤量との比率が高すぎると、ラジカル−ラジカルカップリング反応が発生し望ましくない非リビングラジカル重合体が生成するので、得られた重合体は分子量および分子量分布などの高分子特性においてコントロールされていない特性を有する部分が含まれてしまう。ラジカル重合開始剤量と連鎖移動剤量とのモル比率は、(1:1)〜(0.005:1)、好ましくは(1:1)〜(1:10)である。
また、Mwを1000以上4000以下、多分散度を1.3以下にするために、単量体全量に対して、ラジカル重合開始剤量は1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%、連鎖移動剤量は2〜20重量%、好ましくは3〜10重量%である。
重合溶媒は単量体、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤を溶解できる有機溶剤が用いられる。有機溶剤としてケトン系溶剤、エーテル系溶剤、非プロトン系極性溶剤、エステル系溶剤、芳香族系溶剤、線状または環状脂肪族系溶剤が挙げられる。ケトン系溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。エーテル系溶剤としてはアルコキシアルキルエーテル、例えば、メトキシメチルエーテル、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。非プロトン系極性溶剤はジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキサイドなどが挙げられる。エステル系溶剤は酢酸アルキル、例えば酢酸エチル、酢酸メチルなどが挙げられる。芳香族系溶剤はアルキルアリール溶剤、例えばトルエン、キシレン、およびハロゲン化芳香族溶剤、例えばクロロベンゼンなどが挙げられる。脂肪族系溶剤はヘキサン、シクロヘキサンなどが挙げられる。
重合温度は20〜120℃、好ましくは50〜110℃、更に好ましくは60〜100℃である。通常の大気雰囲気でも重合できる場合もあるが、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下での重合が好ましい。重合体の分子量は単量体量と連鎖移動剤量との比率を制御することで調整できる。
重合時間は一般に0.5〜144時間、好ましくは1〜72時間、より好ましくは2〜24時間である。
使用できるラジカル重合開始剤は、重合体末端基処理の条件でラジカルが発生できるものであれば使用できる。ラジカル発生条件としては、熱、光、ガンマ線または電子ビームなどのような高エネルギー放射線が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の具体例としてはパーオキシドやアゾ化合物などの開始剤が挙げられる。特に限定しないが、具体的なラジカル重合開始剤としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、ジメチル−2,2'−アゾビスイソブチレート(MAIB)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ベンゾインエーテル、ベンゾフェノン等が挙げられる。
重合体末端処理はリビングラジカル重合反応終了後、その重合反応終了物に対して行なうか、またはいったん生成した重合体を精製した後で重合体末端処理を行なうことができる。
末端処理反応において、ラジカル重合開始剤は反応容器に一度に添加することも、また徐々に添加することもできる。徐々に添加する場合、複数回に分割して添加しても、また連続的に添加してもよい。
末端処理の反応時間は0.5〜72時間、好ましくは1〜24時間、より好ましくは2〜12時間である。重合体末端からチオグループなどの残基の除去は少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは85%、更により好ましくは95%である。末端処理された重合体は末端に新しいラジカル種、例えば末端処理反応で使用されたラジカル開始剤から由来するラジカル開始剤の断片に置換される。得られた重合体は末端に新しいグループがあり、用途に応じて使用できる。
なお、重合体末端処理は国際公開公報WO02/090397に記載の方法によっても連鎖移動剤由来の残基を除去できる。
本発明において、重合体(A)は、単独でまたは2種以上を混合しても使用することができる。
重合体(A)の精製法としては、例えば以下の方法が挙げられる。金属等の不純物を除去する方法としては、ゼータ電位フィルターを用いて樹脂溶液中の金属を吸着させる方法や蓚酸やスルホン酸等の酸性水溶液で樹脂溶液を洗浄することで金属をキレート状態にして除去する方法等が挙げられる。また、残留単量体やオリゴマー成分を規定値以下に除去する方法としては、水洗や適切な溶剤を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、重合体(A)溶液を貧溶媒へ滴下することで重合体を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した重合体スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法がある。また、これらの方法を組み合わせることもできる。上記再沈澱法に用いられる貧溶媒としては、精製する重合体(A)の物性等に左右され一概には例示することはできない。適宜、貧溶媒は選定されるものである。
酸発生剤(B)は、露光により発生した酸の作用によって、重合体(A)中に存在する酸解離性基を解離させ、その結果レジスト被膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のレジストパターンを形成する作用を有するものである。
本発明における酸発生剤(B)としては、スルホニウム塩やヨードニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、ジスルホン類やジアゾメタンスルホン類等のスルホン化合物を挙げることができる。
酸発生剤として好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート等のトリフェニルスルホニウム塩化合物;
酸発生剤の使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、重合体(A)100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部である。この場合、酸発生剤の使用量が0.1重量部未満では、感度および現像性が低下する傾向があり、一方30重量部をこえると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得られ難くなる傾向がある。
上記酸拡散制御剤は、照射により酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を制御し、非照射領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する成分である。
このような酸拡散制御剤を配合することにより、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとしての解像度が更に向上するとともに、照射から現像処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
上記酸拡散制御剤としては、レジストパターンの形成工程中の照射や加熱処理により塩基性が変化しない含窒素有機化合物が好ましい。
「3級アミン化合物」としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;トリエタノールアミン、ジエタノールアニリンなどのアルカノールアミン類;N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
「含窒素複素環化合物」としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール等のイミダゾール類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類のほか、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
このような脂環族添加剤としては、例えば、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸αブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類等が挙げられる。
これらの脂環族添加剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。脂環族添加剤の配合量は、重合体(A)100重量部に対して、通常、50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。この場合、脂環族添加剤の配合量が50重量部をこえると、レジストとしての耐熱性が低下する傾向がある。
このような界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤のほか、以下商品名で、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.75,同No.95(共栄社化学(株)製)、エフトップEF301,同EF303,同EF352(トーケムプロダクツ(株)製)、メガファックスF171,同F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430,同FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,同SC−101,同SC−102,同SC−103,同SC−104,同SC−105,同SC−106(旭硝子(株)製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。界面活性剤の配合量は、重合体(A)100重量部に対して、通常、2重量部以下である。
このような増感剤としては、例えば、カルバゾール類、ベンゾフェノン類、ローズベンガル類、アントラセン類、フェノール類等が挙げられる。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。増感剤の配合量は、重合体(A)100重量部に対して、好ましくは50重量部以下である。
更に、上記以外の添加剤としては、ハレーション防止剤、接着助剤、保存安定化剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、普通、その使用に際して、全固形分濃度が、通常、3〜50重量%、好ましくは5〜25重量%となるように、溶剤に溶解したのち、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過し組成物溶液として調製される。
上記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、例えば、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状もしくは分岐状のケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類のほか、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
化学増幅型レジストにおいては、放射線照射により酸発生剤から発生した酸の作用によって、樹脂中の酸解離性基が解離して、カルボキシル基を生じ、その結果、レジストの照射部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、該照射部がアルカリ現像液によって溶解、除去され、ポジ型のレジストパターンが得られる。
本発明の感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成する際には、組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって、例えば、シリコンウエハー、アルミニウムで被覆されたウエハー等の基板上に塗布することにより、レジスト被膜を形成し、場合により予め加熱処理(以下、「PB」という。)を行なったのち、所定のレジストパターンを形成するように該レジスト被膜に照射する。その際に使用される放射線としては、例えば、紫外線、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)、EUV(極紫外線、波長13nm等)等の遠紫外線、電子線等の荷電粒子線、シンクロトロン放射線等のX線等を適宜選択して使用できるが、これらのうち遠紫外線、電子線が好ましい。また、照射量等の照射条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成、各添加剤の種類等に応じて、適宜選定される。
本発明においては、高精度の微細パターンを安定して形成するために、PEBを行なうことが好ましい。このPEBにより、重合体(A)中の酸解離性有機基の解離反応が円滑に進行する。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって変わるが、通常、30〜200℃、好ましくは50〜170℃である。
次いで、照射されたレジスト被膜をアルカリ現像液を用いて現像することにより、所定のレジストパターンを形成する。
上記アルカリ現像液としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを溶解したアルカリ性水溶液が好ましい。
上記アルカリ性水溶液の濃度は、通常、10重量%以下である。この場合、アルカリ性水溶液の濃度が10重量%をこえると、非照射部も現像液に溶解するおそれがあり好ましくない。
また、上記アルカリ性水溶液には、界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像液で現像した後は、一般に、水で洗浄して乾燥する。
合成例および実施例における各測定・評価は、下記の要領で行なった。
(1)13C−NMR
日本電子(株)製「JNM−EX270」を用い、測定溶媒としてCDCL3を使用した。
(2)MwおよびMn
東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
(3)感度
実施例および比較例に関して、ウエハー表面に77nmのARC29A(日産化学社製)膜を形成した基板を用い、感放射線性樹脂組成物を基板上にスピンコートにより塗布し、ホットプレート上にて、100度60秒でPBを行なって形成した膜厚200nmのレジスト被膜に、Nikon社製フルフィールド縮小投影露光装置S306C(開口数0.75)を用い、マスクパターンを介して露光した。その後に、110度60秒でPEBを行なった後、2.38重量%のTMAH水溶液により、25℃で60秒現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型レジストパターンを形成した。このとき、寸法100nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅100nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度とした。
(4)解像度
上記最適露光量で解像される最小のレジストパターンの寸法を解像度とした。
(5)LER
最適露光量にて解像した100nm1L/1Sパターンの観測において、日立製測長SEM:S9220にてパターン上部から観察する際、線幅を任意のポイントで観測し、その測定ばらつきを3シグマ値で評価した。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが2700、Mw/Mnが1.2であり、13C−NMR分析の結果、単量体(3−1)、単量体(3−2)、単量体(3−3)由来の各繰り返し単位の含有率(モル%)が53.1:8.5:38.4の共重合体であった。この重合体を重合体(A−1)とする。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが2600、Mw/Mnが1.1であり、13C−NMR分析の結果、単量体(4−1)、単量体(4−2)、単量体(4−3)由来の各繰り返し単位の含有率(モル%)が53.3:32.5:14.2の共重合体であった。この重合体を重合体(A−2)とする。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが2800、Mw/Mnが1.2であり、13C−NMR分析の結果、単量体(5−1)、単量体(5−2)、単量体(5−3)由来の各繰り返し単位の含有率(モル%)が54.7:9.8:35.5の共重合体であった。この重合体を重合体(A−3)とする。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが2700、Mw/Mnが1.1であり、13C−NMR分析の結果、単量体(6−1)、単量体(6−2)、単量体(6−3)由来の各繰り返し単位の含有率(モル%)が59.7:15.1:25.2の共重合体であった。この重合体を重合体(A−4)とする。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが2500、Mw/Mnが1.2であり、13C−NMR分析の結果、単量体(7−1)、単量体(7−2)、単量体(7−3)由来の各繰り返し単位の含有率(モル%)が51.8:30.7:17.5の共重合体であった。この重合体を重合体(A−5)とする。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが2900、Mw/Mnが1.2であり、13C−NMR分析の結果、単量体(8−1)、単量体(8−2)、単量体(8−3)由来の各繰り返し単位の含有率(モル%)が42.5:35.2:22.3の共重合体であった。この重合体を重合体(A−6)とする。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが2000、Mw/Mnが1.1であり、13C−NMR分析の結果、単量体(9−1)、単量体(9−2)、単量体(9−3)由来の各繰り返し単位の含有率(モル%)が53.3:32.5:14.2の共重合体であった。この重合体を重合体(A−7)とする。
ろ別された白色粉末を2度2000gのイソプロピルアルコールにてスラリー上で洗浄した後、ろ別し、60℃にて17時間乾燥し、白色粉末の重合体を得た(85g、収率85%)。この重合体はMwが8000、Mw/Mnが1.4であり、13C−NMR分析の結果、単量体(10−1)、単量体(10−2)、単量体(10−3)由来の各繰り返し単位の含有率(モル%)が53.3:32.5:14.2の共重合体であった。この重合体を重合体(A−8)とする。
合成例1〜合成例8で得られた各重合体と、以下に示す酸発生剤と、他の成分とを表1に示す割合で配合して各感放射線性樹脂組成物溶液を得た。得られた感放射線性樹脂組成物溶液を表1に示す条件にてPBおよびPEBを行ない各種評価を行なった。評価結果を表1に示す。ここで、部は、特記しない限り重量基準である。
酸発生剤(B)
(B−1):1−(4−n−ブトキシナフチル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(B−2):トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
(B−3):4−シクロヘキシルフェニル−ジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
酸拡散制御剤(D)
(D−1):N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール
(D−2):3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール
(D−3):N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン
(D−4):2,6−ジイソプロピルアニリン
溶剤(C)
(C−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(C−2):2−ヘプタノン
(C−3):シクロヘキサノン
(C−4):γ−ブチロラクトン
Claims (4)
- (A)酸解離性基を含有する酸解離性基含有重合体と、(B)感放射線性酸発生剤とを含有する感放射線性樹脂組成物であって、
前記(A)酸解離性基含有重合体は、下記式(m−1)〜式(m−6)で表される単量体由来の繰り返し単位を有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィを用いて測定した標準ポリスチレン換算の重量平均分子量が1000以上4000以下であり、多分散度が1.3以下である(但し、中心核に結合した3個以上の分岐を有する星型ポリマーを除く)ことを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
- 前記酸解離性基含有重合体は分子鎖末端の全てまたはその一部に前記連鎖移動剤由来の残基を有することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の感放射線性樹脂組成物。
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