JP5724791B2 - 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物及びこの感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成方法に関する。
集積回路素子等を製造する微細加工の分野において、より高い集積度を得るためにKrFエキシマレーザー(波長248nm)やArFエキシマレーザー(波長193nm)等に代表される短波長放射線の照射(露光)を使用したリソグラフィ技術の開発が行われている。これらの露光光源に適応するレジスト材料としては、高感度、高解像性等が求められ、通常、酸解離性基を有する成分と放射線の照射により酸を発生する酸発生剤とを含有した化学増幅型の感放射線性樹脂組成物が用いられている(特開昭59−45439号公報参照)。
一方、さらなるデバイスの微細化が進んでいる近年にあっては、エキシマレーザーよりさらに短波長であるX線、電子線(EB)、極紫外線(EUV)等を利用する技術についても検討されている。しかしながら、従来の感放射線性樹脂組成物を用いて、より微細なレジストパターンを形成した場合、レジスト膜中における酸の拡散距離(以下、「拡散長」とも称する)は、ある程度短いことが適切であるとされるところ、この拡散長が不適切であることに起因してか、マスクエラー許容度を表す指標であるMEEF(Mask Error Enhancemnt Factor)、LWR(Line Width Roughness)、CDU(Critical Dimension Uniformity)、耐エッパターン倒れ性等のリソグラフィー特性を十分に満足することができないのが現状である。
このような状況に鑑み、より微細なレジストパターンを形成するための感放射線性樹脂組成物には感度、解像性等の基本特性の向上のみならず、MEEF、LWR、CDU、耐パターン倒れ性の向上等が望まれている。
特開昭59−45439号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、MEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に優れるレジストパターンを形成可能な感放射線性樹脂組成物並びにこの感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
[A]下記式(1)で表される構造単位(I)及び酸解離性基を有する構造単位を含む重合体(以下、「[A]重合体」とも称する)、
[B]下記式(2)で表され、光崩壊性を有する塩(以下、「[B]光崩壊性を有する塩」とも称する)、並びに
[C]感放射線性酸発生体(以下、「[C]酸発生体」とも称する)
を含有する感放射線性樹脂組成物である。
Figure 0005724791
(式(1)中、
は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
は、単結合、炭素数1〜4の2価の鎖状炭化水素基、エーテル基、エステル基、カルボニル基又はこれらのうち2以上を組み合わせた2価の連結基である。但し、上記鎖状炭化水素基又は連結基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
は、スルトン構造を含む1価の基である。)
Figure 0005724791
(式(2)中、
は、1価のオニウムカチオンである。
は、1価のスルホネートアニオン、カルボキシレートアニオン又はスルホンアミドアニオンである。但し、Yが、スルホネートアニオンである場合、スルホネート基がフッ素原子又はパーフルオロアルキル基が結合する炭素原子と直接結合する場合はない。)
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[C]酸発生体を含有し、露光により[C]酸発生体から酸が発生する。ここで当該感放射線性樹脂組成物のベース樹脂となる[A]重合体は、酸解離性基を有する構造単位と共に、特定構造を有する構造単位(I)を含むことから上記酸の拡散長を短くでき、酸の拡散を抑制できる。また、当該感放射線性樹脂組成物は酸拡散制御剤として機能する[B]光崩壊性を有する塩を含有することから、より酸の拡散を抑制できる。このように酸の拡散が抑制されることで、未露光部における酸解離性基の解離が抑えられ、結果として当該感放射線性樹脂組成物はMEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に優れるレジストパターンの形成が可能となる。
上記スルトン構造を含む1価の基は下記式(3)で表される基であることが好ましい。
Figure 0005724791
(式(3)中、Rは、酸素原子、硫黄原子、又は酸素原子若しくは硫黄原子を骨格鎖中に含んでいてもよい炭素数1〜5の2価の鎖状炭化水素基である。aは、0〜2の整数である。Rは、1価の有機基である。但し、Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。*は、上記Rと結合する部位を示す。)
[A]重合体中のスルトン構造を含む1価の基を上記特定構造とすることで、発生する酸の拡散をさらに抑制できる。その結果、当該感放射線性樹脂組成物はMEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性により優れるレジストパターンの形成が可能となる。
上記Rは、単結合、−CHCOO−**又は−CHCH−O−**(**は、Rと結合する部位を示す)、Rがメチレン基、かつaが0であることが好ましい。構造単位(I)をかかる特定構造とすることで、酸の拡散を特に抑制できる。その結果、当該感放射線性樹脂組成物はMEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に特に優れるレジストパターンの形成が可能となる。
上記Rは、単結合であることが好ましい。構造単位(I)をかかる特定構造とすることで、酸の拡散を特に抑制できる。その結果、当該感放射線性樹脂組成物はMEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に特に優れるレジストパターンを形成することができる。
上記Qは、下記式(4)で表されるカチオンであることが好ましい。
Figure 0005724791
(式(4)中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、有機スルホニル基(RSO−)、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基である。上記Rは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基である。但し、上記R〜Rのアルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。)
[B]光崩壊性を有する塩を上記特定構造とすることで、酸拡散制御剤としてより高度に機能し、酸の拡散をより相乗的に抑制できる。その結果、当該感放射線性樹脂組成物は、MEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に優れるレジストパターンの形成が可能となる。
本発明のレジストパターンの形成方法は、
(1)当該感放射線性樹脂組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、
(2)上記レジスト膜に露光する工程、及び
(3)上記露光されたレジスト膜を現像する工程
を有する。
当該形成方法によると、当該感放射線性樹脂組成物を用いてMEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に優れるレジストパターンを形成できる。従って、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等の放射線であっても、当該感放射線性樹脂組成物から微細パターンを高精度にかつ安定して形成することができ、今後更に微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。
なお、本明細書における「感放射線性樹脂組成物」の「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線、EUV等を含む概念である。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、MEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に優れるレジストパターンを形成可能な感放射線性樹脂組成物並びにこの感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成方法を提供することができる。従って、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV等の放射線であっても、当該感放射線性樹脂組成物から微細パターンを高精度にかつ安定して形成することができ、今後更に微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]光崩壊性を有する塩及び[C]酸発生体を含有する。また、当該感放射線性樹脂組成物は好ましくは溶媒を含有する。さらに、当該感放射線性樹脂組成物は本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分について詳述する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、酸解離性基を有するため、露光により[C]酸発生体から発生する酸を触媒として上記酸解離性基が解離し、現像液に対する溶解速度が変化し、レジストパターンを形成する。
また、[A]重合体は、上記式(1)で表される構造単位(I)を含む。また、[A]重合体は、本発明の効果を妨げない限り、後述する構造単位(III)等の他の構造単位を含んでいてもよい。以下、各構造単位を詳述する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、上記式(1)で表される。上記式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、単結合、炭素数1〜4の2価の鎖状炭化水素基、エーテル基、エステル基、カルボニル基又はこれらのうち2以上を組み合わせた2価の連結基である。但し、この連結基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。Rは、スルトン構造を含む1価の基である。[A]重合体は、特定構造を有する構造単位(I)を含むことから上記酸の拡散長を短くでき、酸の拡散を抑制できる。
上記Rが示す炭素数1〜4の2価の鎖状炭化水素基としては、例えばメチレン基、エタンジイル基、プロパンジイル基等が挙げられる。
上記Rが示す上記スルトン構造を含む1価の基としては、上記式(3)で表される基であることが好ましい。上記式(3)中、Rは、酸素原子、硫黄原子、又は酸素原子若しくは硫黄原子を骨格鎖中に含んでいてもよい炭素数1〜5の2価の鎖状炭化水素基である。aは、0〜2の整数である。Rは、1価の有機基である。但し、Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。*は、上記Rと結合する部位を示す。
[A]重合体中のスルトン構造を含む1価の基を上記特定構造とすることで、発生する酸の拡散をさらに抑制できる。結果として、当該感放射線性樹脂組成物はMEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性により優れるレジストパターンの形成が可能となる。
上記Rが示す炭素数1〜5の2価の鎖状炭化水素基としては、例えばメチレン基、エチレン基等が挙げられる。上記Rが示す1価の有機基としては、例えば1価の芳香族炭化水素基、1価の鎖状炭化水素基、1価の脂肪族環状炭化水素基等が挙げられる。
構造単位(I)の具体例としては、下記式で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0005724791
これらのうち、構造単位(I)としては、上記Rが単結合、−CHCOO−**又は−CHCH−O−**(**は、Rと結合する部位を示す)、Rがメチレン基、かつaが0である構造が好ましく、上記Rが単結合、Rがメチレン基、かつaが0である構造がより好ましい。構造単位(I)をかかる特定構造とすることで、酸の拡散を特に抑制できる。結果として、当該感放射線性樹脂組成物はMEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に特に優れるレジストパターンの形成が可能となる。
[A]重合体における構造単位(I)の含有率としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜80モル%が好ましく、20モル%〜70モル%がより好ましい。構造単位(I)の含有率を上記範囲とすることで、本願発明の効果がいかんなく奏される。なお、[A]重合体は、構造単位(I)を2種以上含んでいてもよい。
[構造単位(II)]
[A]重合体は、酸解離性基を有する構造単位として、下記式で表される構造単位(以下、「構造単位(II)」とも称する)を有することが好ましい。
Figure 0005724791
上記式中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R10〜R12は、それぞれ独立して炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数6〜14のアリール基である。但し、R10とR11とが互いに結合している炭素原子と共に、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基を形成していてもよい。
上記R10〜R12が示す炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、1−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、sec−ペンチル基、neo−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、n−ヘプチル基、i−ヘプチル基、n−オクチル基、i−オクチル基、n−ノニル基、i−ノニル基、n−デシル基、i−デシル基等が挙げられる。上記R10〜R12が示す炭素数6〜14のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
上記R10とR11とが互いに結合している炭素原子と共に、形成していてもよい炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ジシクロペンタン、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン等の脂環式炭化水素から水素原子2つを除いた形の基が挙げられる。
構造単位(II)の具体例としては、下記式で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0005724791
上記式中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
これらのうち、上記Rがメチル基であり、R10とR11とが互いに結合している炭素原子と共に、炭素数5〜10の2価の脂環式炭化水素基を形成し、R12が炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基、又は置換されていてもよい炭素数6〜10のアリール基である構造が構造単位(II)としては好ましい。
[A]重合体における構造単位(II)の含有率としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%〜60モル%が好ましく、10モル%〜50モル%がより好ましい。構造単位(II)の含有率を上記範囲とすることで、得られるレジストパターンのリソグラフィー性能がより向上する。[A]重合体は、構造単位(II)を2種以上含んでいてもよい。
[構造単位(III)]
[A]重合体は、ラクトン構造及び環状カーボネート構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位(以下、「構造単位(III)」とも称する)を含んでいてもよい。[A]重合体が構造単位(III)を含むことで、当該感放射線性樹脂組成物から得られるレジスト膜の密着性が向上する。
構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0005724791
Figure 0005724791
上記式中、R13は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
[A]重合体における構造単位(III)の含有率としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜60モル%が好ましく、5モル%〜50モル%がより好ましい。構造単位(III)の含有率を上記範囲とすることで、得られるレジストパターンの密着性が向上し、耐パターン倒れ性等を向上できる。[A]重合体は、構造単位(III)を2種以上含んでいてもよい。
[構造単位(IV)]
[A]重合体は、親水性官能基を有する構造単位(以下、「構造単位(IV)」とも称する)を含んでいてもよい。[A]重合体が構造単位(IV)を含むことで、レジストパターンのリソグラフィー性能をより向上できる。
構造単位(IV)としては、例えば下記式で表される構造単位が挙げられる。
Figure 0005724791
上記式中、R14は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
[A]重合体における構造単位(IV)の含有率としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して0モル%〜30モル%が好ましく、5モル%〜20モル%がより好ましい。[A]重合体は、構造単位(IV)を2種以上含んでいてもよい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。例えば、単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法、各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等の方法で合成することが好ましい。
これらの方法における反応温度は開始剤種によって適宜決定すればよい。通常30℃〜180℃であり、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜140℃がさらに好ましい。滴下時間は、反応温度、開始剤の種類、反応させる単量体等の条件によって異なるが、通常、30分〜8時間であり、45分〜6時間が好ましく、1時間〜5時間がより好ましい。また、滴下時間を含む全反応時間も、滴下時間と同様に条件により異なるが、通常、30分〜8時間であり、45分〜7時間が好ましく、1時間〜6時間がより好ましい。
上記重合に使用されるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)等が挙げられる。これらの開始剤は単独で又は2種以上を混合して使用できる。
重合溶媒としては、重合を阻害する溶媒(重合禁止効果を有するニトロベンゼン、連鎖移動効果を有するメルカプト化合物等)以外の溶媒であって、その単量体を溶解可能な溶媒であれば限定されない。重合溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル・ラクトン系溶媒、ニトリル系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独又は2種以上を併用できる。
重合反応により得られた樹脂は、再沈殿法により回収することが好ましい。すなわち、重合反応終了後、重合液を再沈溶媒に投入することにより、目的の樹脂を粉体として回収する。再沈溶媒としては、アルコール類やアルカン類等を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。再沈殿法の他に、分液操作やカラム操作、限外ろ過操作等により、単量体、オリゴマー等の低分子成分を除去して、樹脂を回収することもできる。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、1,000以上500,000以下が好ましく、2,000以上400,000以下がより好ましい。なお、[A]重合体のMwが1,000未満であると、レジストとしたときの耐熱性が低下する傾向がある。一方、[A]重合体のMwが500,000を超えると、レジストとしたときの現像性が低下する傾向がある。
また、[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2.5以下がより好ましい。Mw/Mnをこのような範囲とすることで、フォトレジスト膜が解像性能に優れたものとなる。
なお、本明細書のMw及びMnは、GPCカラム(東ソー製、G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値をいう。
<[B]光崩壊性を有する塩>
[B]光崩壊性を有する塩は、露光により[C]酸発生体から生じる酸の、レジスト膜中における拡散現象を制御し、未露光部における好ましくない化学反応を抑制する作用を有するものである。従って、当該感放射線性樹脂組成物は特定構造を有する構造単位(I)を含む[A]重合体と[B]光崩壊性を有する塩とを含有することから、より酸の拡散長を短くでき酸の拡散を相乗的に抑制できる。結果として当該感放射線性樹脂組成物はMEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に優れるレジストパターンの形成が可能となる。なお、本発明における光崩壊性を有する塩とは、放射線の照射により、スルホン酸、カルボン酸又はスルホンアミドを発生する塩であって、Yが、スルホネートアニオンである場合、スルホネート基がフッ素原子又はパーフルオロアルキル基が結合する炭素原子と直接結合する場合はないものをいう。
[B]光崩壊性を有する塩は、上記式(2)で表される塩である。上記式(2)中、Qは、1価のオニウムカチオンである。Yは、1価のスルホネートアニオン、カルボキシレートアニオン又はスルホンアミドアニオンである。但し、Yが、スルホネートアニオンである場合、スルホネート基がフッ素原子又はパーフルオロアルキル基が結合する炭素原子と直接結合する場合はない。
が示す1価のオニウムカチオンとしては、例えば
トリフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、4−シクロヘキシルスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン等の上記式(4)で表されるスルホニウムカチオン;
ジフェニルヨードニウムカチオン、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムカチオン等のヨードニウムカチオン;
1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカチオン等のテトラヒドロチオフェニウムカチオン等が挙げられる。
式(4)中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、有機スルホニル基(RSO−)、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基である。上記Rは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基である。但し、上記R〜Rのアルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。
〜Rが示すハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
〜Rが示す炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
〜Rが示す炭素数3〜12のシクロアルキル基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基等が挙げられる。
〜Rが示す炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
また、Rが示すアルキル基及びシクロアルキル基としては、上記R〜Rが示すアルキル基及びシクロアルキル基として例示した基と同様の基が挙げられ、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
好ましい[B]光崩壊性を有する塩としては、下記式で表される塩が挙げられる。
Figure 0005724791
これらのうち、Qとしてはスルホニウムカチオンが好ましく、上記式(4)で表されるトリフェニルスルホニウムカチオンがより好ましい。また、Yとしては、1価のカルボキシレートアニオン及びスルホネートアニオンが好ましい。[B]光崩壊性を有する塩として上記好ましい塩を用いることで、酸拡散制御剤としてより高度に機能し、酸の拡散をより相乗的に抑制できる。結果として、MEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性により優れる。
これらの[B]光崩壊性を有する塩は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。当該感放射線性樹脂組成物における[B]光崩壊性を有する塩の使用量としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、1質量部以上20質量部以下がより好ましい。[B]光崩壊性を有する塩の使用量が0.1質量部未満では、MEEFの低減が達成されない不都合がある等、本願発明の効果がいかんなく発揮されない場合がある。一方、30質量部を超えると、当該感放射線性樹脂組成物の感度低下、レジスト透過率低下による形状悪化が観測される場合がある。
<[C]酸発生体>
[C]酸発生体は、レジストパターン形成の一工程である露光工程において、マスクを通過した光によって酸を発生する化合物である。当該感放射線性樹脂組成物における[C]酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の態様(以下、この態様を「[C]酸発生剤」とも称する)でも、重合体の一部として組み込まれた態様でも、これらの両方の態様でもよい。
[C]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。これらの[C]酸発生剤のうち、オニウム塩化合物が好ましい。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む)、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、例えば下記式(5)で表される塩等が挙げられる。
Figure 0005724791
上記式(5)中、R15は、1価の有機基である。R16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。但し、上記アルキル基が有する水素原子の一部又は全部は、フッ素原子で置換されていてもよい。また、R16及びR17の少なくとも一方は、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基である。Mは、1価のカチオンである。
上記式(5)で表される塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロブタンスルホナート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート等が挙げられる。これらのうち、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロブタンスルホナート及びトリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネートが好ましい。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。これらのテトラヒドロチオフェニウム塩のうち、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート及び1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートが好ましい。
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。これらのヨードニウム塩のうち、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートが好ましい。
スルホンイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。これらのスルホンイミド化合物のうち、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドが好ましい。
これらのうち、[C]酸発生体としては、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩及びヨードニウム塩が好ましく、スルホニウム塩がより好ましく、上記式(5)で表されるスルホニウム塩がさらに好ましい。
これらの[C]酸発生剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。[C]酸発生体が「剤」である場合の使用量としては、当該感放射線性樹脂組成物により形成されるレジスト膜の感度及び現像性を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.01質量部以上35質量部以下が好ましく、0.1質量部以上30質量部以下がより好ましい。
<溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は通常、溶媒を含有する。溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独又は2種以上を併用できる。
アルコール系溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン等のケトン系溶媒が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えばジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
その他の溶媒としては、例えば
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、フロン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の含ハロゲン溶媒等が挙げられる。
これらの溶媒のうち、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、シクロヘキサノンが好ましい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、フッ素原子含有重合体、偏在化促進剤、脂環式骨格化合物、界面活性剤、増感剤等のその他の任意成分を含有できる。以下、これらの任意成分について詳述する。かかるその他の任意成分は、それぞれを単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、その他の任意成分の配合量は、その目的に応じて適宜決定することができる。
[フッ素原子含有重合体]
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が高い重合体を含有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物が、フッ素原子含有重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、膜中のフッ素原子含有重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があるので、液浸露光時における酸発生剤や酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、このフッ素原子含有重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように当該感放射線性樹脂組成物がフッ素原子含有重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
上記フッ素含有重合体としては、フッ素原子を有している限り、特に限定されないが、[A]重合体よりフッ素原子含有率(質量%)が高いことを必須とする。[A]重合体よりフッ素原子含有率が高いことで、上述の偏在化の度合いがより高くなり、得られるレジスト膜の撥水性及び溶出抑制性等の特性が向上する。
本発明におけるフッ素原子含有重合体は、フッ素原子を構造中に含む単量体を1種類以上重合することにより形成される。
フッ素原子を構造中に含む重合体を与える単量体としては、主鎖にフッ素原子を含む単量体、側鎖にフッ素原子を含む単量体、主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む単量体が挙げられる。
主鎖にフッ素原子を含む重合体を与える単量体としては、例えばα−フルオロアクリレート化合物、α−トリフルオロメチルアクリレート化合物、β−フルオロアクリレート化合物、β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、α,β−フルオロアクリレート化合物、α,β−トリフルオロメチルアクリレート化合物、1種類以上のビニル部位の水素がフッ素又はトリフルオロメチル基等で置換された化合物等が挙げられる。
側鎖にフッ素原子を含む重合体を与える単量体としては、例えばノルボルネンのような脂環式オレフィン化合物の側鎖がフッ素又はフルオロアルキル基やその誘導体、アクリル酸又はメタクリル酸のフルオロアルキル基やその誘導体のエステル化合物、1種類以上のオレフィンの側鎖(二重結合を含まない部位)がフッ素原子又はフルオロアルキル基やその誘導体等が挙げられる。
主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む重合体を与える単量体としては、例えばα−フルオロアクリル酸、β−フルオロアクリル酸、α,β−フルオロアクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸、β−トリフルオロメチルアクリル酸、α,β−トリフルオロメチルアクリル酸等のフルオロアルキル基やその誘導体のエステル化合物、1種類以上のビニル部位の水素がフッ素原子又はトリフルオロメチル基等で置換された化合物の側鎖をフッ素原子又はフルオロアルキル基やその誘導体で置換したもの、1種類以上の脂環式オレフィン化合物の二重結合に結合している水素をフッ素原子又はトリフルオロメチル基等で置換し、かつ側鎖がフルオロアルキル基やその誘導体等が挙げられる。なお、この脂環式オレフィン化合物とは、環の一部が二重結合である化合物を示す。
フッ素原子含有重合体が有する構造単位としては、下記式で表される構造単位(以下、「構造単位(V)」とも称する)が挙げられる。
Figure 0005724791
上記式中、R18は水素、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Xは連結基である。R19は少なくとも一つ以上のフッ素原子を含有する炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体である。
Xが示す連結基としては、例えば単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、スルホニルアミド基、ウレタン基等が挙げられる。
構造単位(V)を与える単量体としては、例えば2−[1−(エトキシカルボニル)−1,1−ジフルオロブチル](メタ)アクリル酸エステル、トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル)(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
フッ素原子含有重合体は、構造単位(V)を1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。構造単位(V)の含有割合は、フッ素原子含有重合体における全構造単位を100モル%とした場合に、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上である。この構造単位(V)の含有率が5モル%未満であると、70度以上の後退接触角を達成できない場合や、レジスト膜からの酸発生剤等の溶出を抑制できないおそれがある。
フッ素原子含有重合体は、構造単位(V)以外にも、例えば現像液に対する溶解速度を制御するために酸解離性基を有する構造単位や、ラクトン骨格、水酸基、カルボキシル等、又は基板からの反射による光の散乱を抑えるために芳香族化合物に由来する構造単位等の「他の構造単位」を1種類以上含有することができる。
上記酸解離性基を有する他の構造単位としては、上記構造単位(II)で例示した構造単位と同様の構造単位が適用できる。上記ラクトン骨格を含有する他の構造単位としては、上記構造単位(III)で例示した構造単位と同様の構造単位が適用できる。上記水酸基を含有する他の構造単位としては、上記構造単位(IV)で例示した構造単位と同様の構造単位が適用できる。
上記芳香族化合物に由来する他の構造単位を生じさせる好ましい単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−メチル−3−ヒドロキシスチレン、4−メチル−3−ヒドロキシスチレン、5−メチル−3−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)スチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)−α−メチルスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、アセナフチレン、5−ヒドロキシアセナフチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、1−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、1−アントリル(メタ)アクリレート、2−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリルメチル(メタ)アクリレート、1−ビニルピレン等が挙げられる。
他の構造単位の含有割合としては、フッ素原子含有重合体における全構造単位を100モル%とした場合に、通常80モル%以下、好ましくは75モル%以下、より好ましくは70モル%以下である。
フッ素原子含有重合体のMwとしては、1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000がより好ましく、1,000〜10,000が特に好ましい。フッ素原子含有重合体のMwが1,000未満の場合、十分な前進接触角を得ることができない。一方、Mwが50,000を超えると、レジストとした際の現像性が低下する傾向にある。フッ素原子含有重合体のMwとMnとの比(Mw/Mn)としては、通常1〜3であり、好ましくは1〜2.5である。
上記感放射線性組成物におけるフッ素原子含有重合体の含有割合としては、[A]重合体100質量部に対して、0〜50質量部が好ましく、0〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部が特に好ましく、1〜8質量部が最も好ましい。上記感放射線性樹脂組成物における上記フッ素原子含有重合体の含有率を上記範囲とすることで、得られるレジスト膜表面の撥水性及び溶出抑制性をより高めることができる。
[フッ素原子含有重合体の合成方法]
上記フッ素原子含有重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば[A]重合体の合成方法で挙げたものと同様の溶媒が挙げられる。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[偏在化促進剤]
当該感放射線性樹脂組成物は、液浸露光法を使用しレジストパターンを形成する場合等に、偏在化促進剤を配合することができる。偏在化促進剤としては、例えばγ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
[脂環式骨格化合物]
脂環式骨格化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等をさらに改善する作用を示す成分である。脂環式骨格化合物としては、例えば1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル]テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。
[界面活性剤]
界面活性剤は塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名として、KP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子製)等が挙げられる。
[増感剤]
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを[C]酸発生体に伝達しそれにより酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を有する。増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば上記溶媒中で[A]重合体、[B]光崩壊性を有する塩、[C]酸発生体及びその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。溶媒としては、[A]重合体、[B]光崩壊性を有する塩、[C]酸発生体及びその他の任意成分を溶解又は分散可能であれば特に限定されない。当該感放射線性樹脂組成物は通常、その使用に際して、全固形分濃度が1質量%〜30質量%、好ましくは1.5質量%〜25質量%となるように溶媒に溶解した後、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、調製される。
<レジストパターンの形成方法>
本発明のレジストパターンの形成方法は、
(1)当該感放射線性樹脂組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程(以下、「工程(1)」とも称する)、
(2)上記レジスト膜に露光する工程(以下、「工程(2)」とも称する)、及び
(3)上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「工程(3)」とも称する)
を有する。以下、各工程を詳述する。
当該形成方法によると、当該感放射線性樹脂組成物を用いてMEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に優れるレジストパターンを形成できる。従って、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV等の放射線であっても、当該感放射線性樹脂組成物から微細パターンを高精度にかつ安定して形成することができ、今後更に微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。
[工程(1)]
本工程では、感放射線性樹脂組成物又はこれを溶媒に溶解させて得られた当該感放射線性樹脂組成物の溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布手段によって、シリコンウエハー、二酸化シリコン、反射防止膜で被覆されたウエハー等の基板上に所定の膜厚となるように塗布し、場合によっては通常70〜160℃程度の温度でプレベーク(PB)することにより当該感放射線性樹脂組成物中の溶媒を揮発させレジスト膜を形成する。
[工程(2)]
本工程では、工程(1)で形成されたレジスト膜に(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)、放射線を照射し露光させる。なお、この際所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射する。放射線としては、目的とするパターンの線幅に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線、EUV等から適宜選択して照射する。これらのうち、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)に代表される遠紫外線が好ましく、EUV(極紫外線、波長13.5nm)等のより微細なパターンを形成可能な光源であっても好適に使用できる。次いで、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行うことが好ましい。このPEBにより、[A]重合体の酸解離性基の脱離を円滑に進行させることが可能となる。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選定することができるが、通常50℃〜180℃程度である。
[工程(3)]
本工程は、露光されたレジスト膜を、現像液で現像することによりレジストパターンを形成する。現像後は、水で洗浄し、乾燥することが一般的である。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液が好ましい。
なお、液浸露光を行う場合は、工程(2)の前に、液浸液とレジスト膜との直接の接触を保護するために、液浸液不溶性の液浸用保護膜をレジスト膜上に設けてもよい。液浸用保護膜としては、工程(3)の前に溶媒により剥離する溶媒剥離型保護膜(例えば、特開2006−227632号公報等参照)、工程(3)の現像と同時に剥離する現像液剥離型保護膜(例えば、国際公開2005−069076号パンフレット、国際公開2006−035790号パンフレット等参照)のいずれを用いてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、13C−NMR分析は、JNM−EX270(日本電子製)を用いて測定した。
[A]重合体、[A]重合体に相当する比較例用の重合体及び後述するフッ素原子含有重合体の合成に使用した単量体の構造を下記に示す。
Figure 0005724791
<[A]重合体の合成>
[合成例1]
上記化合物(M−1)29.28g(35モル%)、化合物(M−3)53.35g(45モル%)及び化合物(M−4)5.97g(10モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)7.54gを投入した単量体溶液を準備した。上記化合物(M−2)11.40g(10モル%)、100gの2−ブタノンを投入した1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージし、窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、4,000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を400gのメタノールに分散させてスラリー状にして洗浄した後にろ別する操作を2回行い、その後50℃にて17時間真空乾燥し、白色粉末の共重合体(A−1)を得た。(A−1)のMwは、5,500、Mw/Mn=1.36であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−3)及び化合物(M−4)に由来する各構造単位の含有率は、34.5(構造単位(II)):9.0(構造単位(II)):47.1(構造単位(I)):9.4(構造単位(IV))(モル%)であった。
[合成例2]
上記化合物(M−1)26.14g(35モル%)、化合物(M−5)58.34g(45モル%)及び化合物(M−4)5.33g(10モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)6.73gを投入した単量体溶液を準備した。上記化合物(M−2)10.18g(10モル%)、100gの2−ブタノンを投入した1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージし、窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、4,000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を400gのメタノールに分散させてスラリー状にして洗浄した後にろ別する操作を2回行い、その後50℃にて17時間真空乾燥し、白色粉末の共重合体(A−2)を得た。(A−2)のMwは、5,300、Mw/Mn=1.30であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−5)及び化合物(M−4)に由来する各構造単位の含有率は、34.2(構造単位(II)):9.1(構造単位(II)):47.0(構造単位(I)):9.7(構造単位(IV))(モル%)であった。
[合成例3]
上記化合物(M−1)25.98g(35モル%)、化合物(M−8)9.54g(10モル%)、化合物(M−6)55.42g(45モル%)及び化合物(M−7)9.05g(10モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)6.70gを投入した単量体溶液を準備した。100gの2−ブタノンを投入した1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージし、窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、4,000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を400gのメタノールに分散させてスラリー状にして洗浄した後にろ別する操作を2回行い、その後50℃にて17時間真空乾燥し、白色粉末の共重合体(A−3)を得た。(A−3)のMwは、5,300、Mw/Mn=1.30であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−8)、化合物(M−6)及び化合物(M−7)に由来する各構造単位の含有率は、34.2(構造単位(II)):10.0(構造単位(II)):46.0(構造単位(I)):9.8(構造単位(III))(モル%)であった。
[合成例4]
上記化合物(M−1)31.63g(35モル%)、化合物(M−7)49.60g(45モル%)及び化合物(M−4)6.45g(10モル%)を、2−ブタノン200gに溶解し、さらに2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)8.14gを投入した単量体溶液を準備した。上記化合物(M−2)12.32g(10モル%)、100gの2−ブタノンを投入した1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージし、窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液は水冷することにより30℃以下に冷却し、4,000gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を400gのメタノールに分散させてスラリー状にして洗浄した後にろ別する操作を2回行い、その後、50℃にて17時間真空乾燥し、白色粉末の共重合体(CA−1)を得た。(CA−1)のMwは4,300、Mw/Mn=1.30であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−1)、化合物(M−2)、化合物(M−7)及び化合物(M−4)に由来する各構造単位の含有率は35.6(構造単位(II)):8.9(構造単位(II)):46.2(構造単位(III)):9.3(構造単位(IV))(モル%)であった。
[合成例5〜7]
表1に記載の種類及び量の単量体を用いたこと以外は合成例1と同様に操作して、重合体(A−4)、(A−5)及び(CA−2)を得た。また、得られた各重合体の各構造単位の含有率、Mw、Mw/Mn比、収率(%)を表2に示す。
Figure 0005724791
Figure 0005724791
<フッ素原子含有重合体の合成>
[合成例8]
上記化合物(M−9)37.41g(40モル%)及び化合物(M−10)62.59g(60モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、さらに2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)4.79gを投入した単量体溶液を準備した。2−ブタノン100gを投入した1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージし、窒素パージの後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液から2−ブタノンを150g減圧除去した。30℃以下に冷却後、メタノール900gと超純水100gの混合溶媒へ投入して析出した白色粉末をろ別した。ろ別された白色粉末を100gのメタノールに分散させスラリー状にして洗浄し、その後再びろ別する操作を2回行った。得られた白色粉末を50℃にて17時間真空乾燥し共重合体(D−1)を得た(78g、収率78%)。(D−1)のMwは、6,920、Mw/Mn=1.592であり、13C−NMR分析の結果、化合物(M−9)及び化合物(M−10)各構造単位の含有率は、40.8:59.2(モル%)であった。フッ素含有量は9.6質量%であった。
[合成例9]
化合物(M−1)35.8g(70モル%)、及び化合物(M−14)14.2g(30モル%)を100gの2−ブタノンに溶解し、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート2.34gを添加して単量体溶液を調製した。20gの2−ブタノンを入れた500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。反応溶液を1Lの分液漏斗に移液した後、200gのn−ヘキサンでその重合溶液を均一に希釈し、800gのメタノールを投入して混合した。次いで、20gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液として重合体(D−2)を得た(収率60%)。この重合体(D−2)は、Mwが6,000であり、Mw/Mnが1.45であった。また、13C−NMR分析の結果、重合体(D−2)は、化合物(M−1)由来の構造単位:化合物(M−14)由来の構造単位の含有比率が69:31(モル%)の共重合体であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
[実施例1]
[A]重合体としての共重合体(A−1)100質量部、[B]光崩壊性を有する塩としての後述する(B−1)13質量部、[C]酸発生剤としての後述する(C−1)13質量部、フッ素原子含有重合体としての共重合体(D−1)3質量部、溶媒としての酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(E−1)1,980質量部及びシクロヘキサノン(E−2)848質量部並びに偏在化促進剤としてのγ−ブチロラクトン(F−1)200質量部を添加し、各成分を混合して均一溶液とした。その後、孔径200nmのメンブランフィルターを用いてろ過することにより、ポジ型感放射線性樹脂組成物を調製した(固形分濃度約4%)。
[実施例2〜10及び比較例1〜7]
表3及び表4に示す種類、量の各成分を使用した以外は実施例1と同様に操作して、ポジ型感放射線性樹脂組成物を調製した。なお、表3及び表4中の「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。
各実施例及び比較例の調製に用いた[B]成分、及び[C]酸発生剤は以下の通りである。
<[B]光崩壊性を有する塩>
B−1:下記式で表されるトリフェニルスルホニウム2−ヒドロキシサリチレート
B−2:下記式で表されるトリフェニルスルホニウムカンファースルホネート
Figure 0005724791
b−1:下記式で表されるtert−アミル4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート
Figure 0005724791
<[C]酸発生剤>
C−1:下記式で表されるトリフェニルスルホニウム4−(1−アダマンタンカルボニルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロブタンスルホナート
C−2:下記式で表されるトリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート
Figure 0005724791
<レジストパターンの形成>
[パターン形成方法1]
下層反射防止膜(ARC66、日産化学製)を形成した12インチシリコンウェハ上に、実施例1〜3並びに比較例1及び2感放射線性樹脂組成物をそれぞれ塗布して、表3に示す温度で60秒間PBを行い、膜厚75nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜にArFエキシマレーザー液浸露光装置(NSR S610C、NIKON製)を用い、NA=1.3、ratio=0.800、Annularの条件により、マスクパターンを介して露光した。露光後、表3に示す温度で60秒間PEBを行った。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。
[パターン形成方法2]
下層反射防止膜(ARC66、日産化学製)を形成した12インチシリコンウェハ上に、実施例4〜6並びに比較例3〜5の感放射線性樹脂組成物をそれぞれ塗布して、表3に示す温度で60秒間PBを行い、膜厚75nmのレジスト膜を形成した。次に、形成したレジスト膜上に、WO2008/047678の実施例1に記載の上層膜形成用組成物をスピンコートし、90℃で60秒間加熱を行うことにより膜厚90nmのレジスト膜を形成した。このレジスト膜に、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NSR S610C、NIKON製)を用い、NA=1.3、ratio=0.800、Annularの条件により、マスクパターンを介して露光した。露光後、表3に示す温度で60秒間PEBを行った。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。
[パターン形成方法3]
下層反射防止膜(ARC66、日産化学製)を形成した12インチシリコンウェハ上に、実施例7〜8並びに比較例6〜7の感放射線性樹脂組成物をそれぞれ塗布して、表4に示す温度で60秒間PBを行い、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。このレジスト膜に、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NSR S610C、NIKON製)を用い、NA=1.3、iNA=1.27、ratio=0.800、Annularの条件により、縮小投影後のパターンが65nmホール95nmピッチとなるパターン形成用マスクパターンを介して露光した。露光後、表4に示す温度で60秒間PEBを行った。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像し、水洗し、乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記のように形成したレジストパターンについて、以下のように各種物性を評価した。結果を表3及び表4にあわせて示す。
[MEEF]
実施例1〜6、及び比較例1〜5については、ターゲットサイズが50nm1L/1Sのマスクパターンを介して露光し、線幅50nmのラインアンドスペース(LS)パターンが形成される露光量を最適露光量(Eop)とした。次いで、上記Eopにてライン幅のターゲットサイズを46nm、48nm、50nm、52nm、54nmとするマスクパターンをそれぞれ用い、ピッチ100nmのLSパターンを形成し、レジスト膜に形成されたライン幅を測長SEM(日立製、CG4000)にて測定した。
実施例7〜10及び比較例6〜7については、縮小投影後のパターンが65nmホール95nmピッチのパターン形成用のマスクパターンを介して露光した部分が直径55nmのホールを形成する露光量をEopとした。次いで、上記Eopにて、パターンのホール直径が63nm、64nm、65nm、66nm、67nmとなるマスクパターンをそれぞれ用い、ホールパターンを形成し、レジスト膜に形成されたホール直径を測長SEM(日立製、CG4000)にて測定した。
このとき、ターゲットサイズ(nm)を横軸に、各マスクパターンを用いてレジスト膜に形成されたライン幅(nm)を縦軸にプロットしたときの直線の傾きをMEEFとして算出した。その値が1に近いほどマスク再現性が良好であると判断し、MEEFの値が低い程、マスク作成コストを低減できる。
[LWR]
実施例1〜6、及び比較例1〜5については、ターゲットサイズが50nm1L/1.8Sのマスクパターンを介して露光し、線幅50nmのレジストパターンが形成される露光量をEopとした。上記Eopにて得られた50nm1L/1.8Sパターンを、測長SEM(日立製、CG4000)にてパターン上部から、線幅を任意のポイントで10点観測し、その測定ばらつきを3シグマで表現した値をLWRとした。LWRの値が低い程、パターンの直線性が優れていると判断した。
[最小倒壊寸法]
実施例1〜6、及び比較例1〜5については、ターゲットサイズが50nm1L/1.8Sのマスクパターンを介して1mJずつ露光量を変化させながら露光した。ラインの倒れが発生した露光量よりも1mJ小さい露光量にて形成されたパターンのライン幅を測長SEM(日立製作所製、CG4000)により測定し、最小倒壊寸法とした。なお、この値が小さいほど耐パターン倒れ性が高いと判断した。
[CDU(nm)]
実施例7〜10及び比較例6〜7について、縮小投影後のパターンが65nmホール95nmピッチのパターン形成用のマスクパターンを介して露光した部分が直径55nmのホールを形成する露光量をEopとした。該Eopにて形成された直径55nmのホールパターンを計30個測長し、上記30個の測長値の平均偏差の3σの値をCDU(nm)とした。CDUが5.0(nm)以下である場合、良好であると評価した。
[解像性(nm)]
実施例7〜10及び比較例6〜7について、CDU評価時のEop以下の露光量にて縮小投影後のパターンが65nmホール95nmピッチとなるマスクパターンを介して露光した際、露光量の減少に伴い得られるホールパターンの最小寸法(nm)を解像性とした。解像性が50(nm)以下である場合、良好であると評価した。
Figure 0005724791
Figure 0005724791
表1に示される結果から明らかなように、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンは、MEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に優れることがわかった。なお、本実施例においては、露光光源としてArFを使用しているが、EUV等の短波長放射線を使用した場合であっても、得られる微細パターンはレジスト特性が類似しており、同等の評価結果が得られるものと考えられる。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、MEEF、LWR、CDU及び耐パターン倒れ性に優れるレジストパターンを形成可能な感放射線性樹脂組成物並びにこの感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成方法を提供することができる。従って、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV等の放射線であっても、当該感放射線性樹脂組成物から微細パターンを高精度にかつ安定して形成することができ、今後更に微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. [A]下記式(1)で表される構造単位(I)及び酸解離性基を有する構造単位を含む重合体、
    [B]下記式(2)で表され、光崩壊性を有する塩、
    [C]感放射線性酸発生体、並びに
    [D]フッ素原子を有し、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が高い重合体
    を含有する感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005724791
    (式(1)中、
    は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
    は、単結合である
    は、下記式(3)で表される基である。)
    Figure 0005724791
    (式(2)中、
    は、1価のオニウムカチオンである。
    は、1価のスルホネートアニオン、カルボキシレートアニオン又はスルホンアミドアニオンである。但し、Yが、スルホネートアニオンである場合、スルホネート基がフッ素原子又はパーフルオロアルキル基が結合する炭素原子と直接結合する場合はない。)
    Figure 0005724791
    (式(3)中、
    は、酸素原子、硫黄原子、又は酸素原子若しくは硫黄原子を骨格鎖中に含んでいてもよい炭素数1〜5の2価の鎖状炭化水素基である。
    aは、0〜2の整数である。
    は、1価の有機基である。但し、R が複数ある場合、複数のR は同一でも異なっていてもよい。
    *は、上記R と結合する部位を示す。)
  2. 上記R がメチレン基、かつaが0である請求項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 上記Qが、下記式(4)で表されるカチオンである請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0005724791
    (式(4)中、R〜Rは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、有機スルホニル基(RSO−)、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基である。上記Rは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基である。但し、上記R〜Rのアルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシ基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。)
  4. (1)請求項1から請求項のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、
    (2)上記レジスト膜に露光する工程、及び
    (3)上記露光されたレジスト膜を現像する工程
    を有するレジストパターンの形成方法。
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