JP5803806B2 - レジストパターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レジストパターン形成方法に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるレジストパターンの微細化が要求されている。現在、ArFエキシマレーザーに代表される短波長の放射線及びこの短波長の放射線に対応できる感放射線性樹脂組成物を用いて線幅90nm程度の微細なレジストパターンを形成することができるが、今後はさらに微細なパターン形成が要求される。
一方、液浸露光によれば同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合と同様の高解像性を達成できるとされている。そのため液浸露光は、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コストの増大を低減しつつ高解像度を達成する技術として注目されている。しかし、液浸露光においては、レジスト膜に含まれる物質の液浸媒体中への溶出等に起因しレジスト膜の変質による性能の低下、溶出した物質による液浸媒体の屈折率の局所的変化、溶出した物質によるレンズ表面の汚染等を招来し、リソグラフィー特性を低下させる不都合がある(国際公開第04/068242号パンフレット参照)。
かかる不都合に対してレジスト組成を変更し、レジスト膜の疎水性を高める対応が考えられるが、このような変更は露光余裕度(EL)、DOF(Depth Of Focus)、CDU(Critical Dimension Uniformity)、マスクエラー許容度を表す指標であるMEEF(Mask Error Enhancemnt Factor)等のリソグラフィー特性の低減を引き起こし、良好なレジストパターンを形成できない傾向がある。
このような状況に鑑み、感度を十分に満足し、かつEL、DOF、CDU及びMEEFに優れる感放射線性樹脂組成物が望まれている。
国際公開第04/068242号パンフレット
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は感度を十分に満足し、かつEL、DOF、CDU及びMEEFに優れる感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
[A]酸解離性基を有する重合体、及び[B]感放射線性酸発生体
を含有する感放射線性樹脂組成物、並びに
有機溶媒が80質量%以上の現像液
を用いるレジストパターン形成方法において、
上記[A]重合体が、下記式でそれぞれ表される化合物に由来する構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位(II’)、及び多環構造のラクトン含有基又は環状カーボネート含有基を有する構造単位(III)を含み、
露光量のみを変化させて得られるレジスト感度曲線から算出されるコントラスト値γが、5.0以上30.0以下であることを特徴とするレジストパターン形成方法である。
Figure 0005803806
(式中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。)
上記感放射線性樹脂組成物は、
[D]酸拡散制御剤として、トリ(シクロ)アルキルアミン類、アミド基含有化合物及び光崩壊性塩基からなる群より選択される少なくとも1種の化合物
を含有することが好ましい。
上記有機溶媒は、炭素数3〜7のカルボン酸アルキルエステル及び炭素数3〜10のジアルキルケトンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒であることが好ましい。
[A]重合体は、下記式(1)で表される構造単位(I)を含むことが好ましい。
Figure 0005803806
(式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、1価の酸解離性基であって、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜9の炭化水素基又は炭素数4〜20の脂環式基である。また、上記脂環式基が有する水素原子の一部又は全部は、置換されていてもよい。)
[A]重合体における上記構造単位(II’)の含有割合は、1モル%以上30モル%以下であることが好ましい。
なお、本明細書におけるコントラスト値γは、下記式から算出される。
γ=|log10(Q/Q)|−1
縦軸をレジストの規格化された膜厚とし、横軸を3mJ/cm〜23.0mJ/cmの範囲で0.1mJ/cmずつ強度を変えたArFエキシマレーザー光の露光量とし、レジスト感度曲線を得ることができる。上記「Q/Q」は、図1に示されるレジスト感度曲線の立ち上がり部分の測定点を近似した直線の傾きである。上記規格化された膜厚とは、感放射線性樹脂組成物溶液をスピンコーターを用いて、シリコンウエハ上に1,500prmの回転速度で塗布し、90℃で60秒間加熱処理をして得られたレジスト膜の膜厚を基準とした膜厚をいう。また、「感放射線性樹脂組成物」の「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線、EUV等を含む概念である。
本発明は、感度を十分に満足し、かつEL、DOF、CDU及びMEEFに優れる感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することができる。従って、今後更に微細化が進行すると予想される半導体装置等の製造において、当該レジストパターン形成方法は好適に用いることができる。
レジスト感度曲線を示す図である。
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の感放射線性樹脂組成物は、有機溶媒が80質量%以上の現像液を用いるレジストパターン形成用感放射線性樹脂組成物であって、[A]重合体及び[B]感放射線性酸発生体を含有する。また、当該感放射線性樹脂組成物は、好ましくは[C][A]重合体よりフッ素原子含有率が高い重合体(以下、「[C]重合体」とも称する)、[D]酸拡散制御体及び[E]溶媒を含有する。さらに、当該感放射線性樹脂組成物は本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分及びレジストパターンの形成方法について詳述する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、酸解離性基を有するベース重合体である。なお、「ベース重合体」とは、感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンを構成する重合体の主成分となる重合体をいい、好ましくはレジストパターンを構成する全重合体に対して50質量%以上を占める重合体をいう。また、「酸解離性基」とは、カルボキシル基等の極性官能基中の水素原子を置換する基であって、露光により[B]感放射線性酸発生体から発生した酸の作用により解離する基をいう。
[A]重合体は構造単位(I)及び後述する構造単位(II)を含むことが好ましい。[A]重合体が、酸解離性基を有する上記構造単位(I)に加え、極性基を有する非酸解離性を有する構造単位(II)を含み、構造単位(I)及び構造単位(II)の種類と含有割合とを調節することで、当該感放射線性樹脂組成物の現像条件におけるコントラスト値γを上記特定範囲とすることができる。結果として、構造単位(II)を含まない場合と比較して、コントラスト値γは低下し、即ち放射線照射量に対する現像前後の膜厚変化量が鈍化し、EL、DOF、CDU及びMEEFを向上させることができる。また、[A]重合体は、ラクトン含有基又は環状カーボネート含有基を有する構造単位(III)をさらに含むことが好ましい。[A]重合体が、構造単位(III)をさらに含むことで、コントラスト値γをより所望の範囲に制御することができる。なお、[A]重合体は、各構造単位を2種以上含んでいてもよい。以下、各構造単位を詳述する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は上記式(1)で表される。上記式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、1価の酸解離性基であって、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜9の炭化水素基又は炭素数4〜20の脂環式基である。また、上記脂環式基が有する水素原子の一部又は全部は、置換されていてもよい。
上記Rで表される直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜9の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数4〜20の脂環式基としては、例えばアダマンタン骨格、ノルボルナン骨格等の多環の脂環式基;シクロペンタン、シクロヘキサン等の単環の脂環式基が挙げられる。また、これらの脂環式基が有する水素原子の一部又は全部は、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基からなる群より選択される少なくとも1種の基で置換されていてもよい。
構造単位(I)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0005803806
Figure 0005803806
上記式中、Rは上記式(1)と同義である。
[A]重合体における構造単位(I)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%〜70モル%が好ましく、10モル%〜60モル%がより好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記特定範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー特性がより向上する。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は下記式(2)で表される。
Figure 0005803806
上記式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、1価の非酸解離性基であって、脂環式構造及び極性基を有する基である。
上記「非酸解離性基」とは、露光により[B]感放射線性酸発生体から発生した酸の作用により解離しない基又は酸の作用により比較的解離し難い基をいう。
上記脂環式構造としては、単環又は多環の脂環式構造が挙げられるが、多環の脂環式構造が好ましい。なお、多環の脂環式構造とはノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン等をいう。構造単位(II)が多環の脂環式構造を有することで、現像後のパターンの炭素含有率を高くすることができるため、耐熱性、エッチング耐性の観点で好ましい。また、上記極性基としては、炭素原子より電気陰性度の大きな原子を含む基であることが好ましく、特に上記多環の脂環式構造が極性基を有することで[A]重合体の現像液に対する溶解速度をコントロールし、γ値を調節することができる。この様な構造単位(II)は、疎水性の多環の脂環式構造と、親水性の極性基を有することで、未露光部の現像液に対する溶解速度を制御し、γ値をコントロールすることに寄与していると考えられる。
上記極性基としては、具体的にはカルボニル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基等が挙げられる。極性基としては、カルボニル基、ヒドロキシル基、シアノ基が好ましい。上記Rを特定構造とすることで、[A]重合体の現像液に対する親和性を調節することができる。結果として、コントラスト値γをより適切化でき、EL、DOF、CDU及びMEEFをより向上させることができる。
構造単位(II)としては、例えば下記式でそれぞれ表される化合物に由来する構造単位(II’)等が挙げられる。
Figure 0005803806
上記式中、Rは、上記式(2)と同義である。
[A]重合体における構造単位(II)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%〜30モル%が好ましく、5モル%〜25モル%がより好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記特定範囲とすることで、コントラスト値γをより所望の範囲に制御することができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、ラクトン含有基、スルトン含有基又は環状カーボネート含有基を有する構造単位である。ここで、ラクトン含有基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を表す。また、環状カーボネート含有基とは、−O−C(O)−O−で表される結合を含むひとつの環(環状カーボネート環)を含有する環式基を表す。ラクトン環又は環状カーボネート環を1つめの環として数え、ラクトン環又は環状カーボネート環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構造単位(III)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 0005803806
Figure 0005803806
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記構造単位(III)としては、現像液への溶解性を十分に確保できるという観点から、親水性が高過ぎる単環式ラクトンよりも、適度な親水性を有する多環構造のラクトン含有基又はカーボネート含有基を有する下記構造単位であることが好ましい。また、親水性の高い単環式ラクトンを用いる場合にも、下記構造単位と併用する事が好ましい。
Figure 0005803806
[A]重合体における構造単位(III)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜70モル%が好ましく、30モル%〜60モル%がより好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記特定範囲とすることで、コントラスト値γをより所望の範囲に制御することができる。
[A]重合体は、本願発明の効果を阻害しない限り、上述の構造単位以外の構造単位をさらに有していてもよい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で共重合することにより合成できる。合成方法としては、例えば単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等が挙げられる。
これらの合成方法における反応温度としては、使用する開始剤の種類によって適宜決定されるが、通常30℃〜180℃であり、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜140℃がより好ましい。滴下時間としては、反応温度、使用する開始剤の種類、反応させる単量体等の条件によって適宜決定されるが、通常30分〜8時間であり、45分〜6時間が好ましく、1時間〜5時間がより好ましい。また、滴下時間を含む全反応時間としては、反応温度、使用する開始剤の種類、反応させる単量体等の条件によって適宜決定されるが、通常30分〜8時間であり、45分〜7時間が好ましく、1時間〜6時間がより好ましい。
上記重合に使用されるラジカル開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等が挙げられる。これらの開始剤は単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
重合溶媒としては、重合を阻害する溶媒(重合禁止効果を有するニトロベンゼン、連鎖移動効果を有するメルカプト化合物等)以外の溶媒であって、その単量体を溶解可能な溶媒であれば特に限定されない。重合溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル・ラクトン系溶媒、ニトリル系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃であり、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間であり、1時間〜24時間が好ましい。
上記重合反応により得られた重合体は、再沈殿法により回収することが好ましい。即ち、重合反応終了後、重合液を再沈溶媒に投入することにより、目的の重合体を粉体として回収する。再沈溶媒としては、アルコール類やアルカン類等を単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。再沈殿法の他に、分液操作やカラム操作、限外ろ過操作等により、単量体、オリゴマー等の低分子成分を除去して、重合体を回収することもできる。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)としては、1,000以上100,000以下が好ましく、2,000以上50,000以下がより好ましい。なお、[A]重合体のMwが1,000未満であると、レジスト膜を形成したときの密着性が低下する傾向がある。一方、[A]重合体のMwが100,000を超えると、レジスト膜を形成したときの成膜性が低下する傾向がある。
また、[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上1.60以下がより好ましい。Mw/Mnが上記範囲内であると、溶解コントラスト(露光部と未露光部の溶解速度比)を増大させることができ、よりEL、DOF、CDU及びMEEFをコントロールし易くなるため好ましい。
なお、本明細書のMw及びMnは、GPCカラム(東ソー製、G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、流量1.0ミリリットル/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値をいう。
<[B]感放射線性酸発生体>
当該感放射線性樹脂組成物は、[B]感放射線性酸発生体を含有する。[B]感放射線性酸発生体は、露光により酸を発生し、その酸により[A]重合体中の構造単位(I)が有する酸解離性基を解離させ酸を発生させる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]感放射線性酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、この態様を「[B]感放射線性酸発生剤」とも称する)でも、重合体の一部として組み込まれた態様でも、これらの両方の態様形態でもよい。
[B]感放射線性酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、スルホンイミド化合物等が挙げられる。[B]感放射線性酸発生剤としては、オニウム塩化合物が好ましい。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む)、ヨードニウム塩等が挙げられる。
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルホスホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート等が挙げられる。これらのうち、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート及びトリフェニルホスホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネートが好ましい。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。これらのテトラヒドロチオフェニウム塩のうち、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート及び1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートが好ましい。
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。これらのヨードニウム塩のうち、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートが好ましい。
[B]感放射線性酸発生剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。[B]感放射線性酸発生体が感放射線性酸発生剤である場合の使用量としては、レジストとしての感度及び現像性を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上20質量部以下が好ましく、0.5質量部以上15質量部以下がより好ましい。[B]感放射線性酸発生剤の使用量が0.5質量部未満であると、感度及び現像性が低下する傾向がある。一方、[B]感放射線性酸発生剤の使用量が20質量部を超えると、放射線に対する透明性が低下して、所望のレジストパターンを得られない場合がある。
<[C]重合体>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が高い[C]重合体を含有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物が、[C]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、レジスト膜中の[C]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があるので、液浸露光時における[B]感放射線性酸発生剤や後述する[D]酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[C]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。
[C]重合体としては、フッ素原子を有している限り、特に限定されないが、[A]重合体よりフッ素原子含有率(質量%)が高いことを必須とする。[A]重合体よりフッ素原子含有率が高いことで、上述の偏在化の度合いがより高くなり、得られるレジスト膜の撥水性及び溶出抑制性等の特性が向上する。
[C]重合体は、フッ素原子を構造中に含む単量体を少なくとも1種類以上重合することにより形成される。フッ素原子を構造中に含む単量体としては、主鎖にフッ素原子を含む化合物、側鎖にフッ素原子を含む化合物、及び主鎖と側鎖とにフッ素原子を含む化合物が挙げられる。
[構造単位(IV)]
[C]重合体が有する構造単位(IV)は、下記式で表される。
Figure 0005803806
上記式中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Xは、2価の連結基である。Rは、少なくとも1個以上のフッ素原子を有する炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体である。
Xで表される2価の連結基としては、例えば単結合、酸素原子、硫黄原子、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、スルホニルアミド基、ウレタン基等が挙げられる。
構造単位(IV)を与える単量体としては、例えば2−[1−(エトキシカルボニル)−1,1−ジフルオロブチル](メタ)アクリル酸エステル、トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(5−トリフルオロメチル−3,3,4,4,5,6,6,6−オクタフルオロヘキシル)(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
[C]重合体は構造単位(IV)を2種以上含んでいてもよい。[C]重合体における構造単位(IV)の含有割合としては、[C]重合体を構成する全構造単位に対して、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上である。構造単位(IV)の含有割合が5モル%未満であると70°以上の後退接触角を達成できない場合や、レジスト膜からの感放射線性酸発生剤等の溶出を抑制できない場合がある。
[他の構造単位]
[C]重合体は、構造単位(IV)以外にも、他の構造単位として例えば現像液に対する溶解速度を制御するために酸解離性基を有する構造単位、ラクトン骨格含有基若しくはカーボネート含有基を有する構造単位、芳香族化合物に由来する構造単位等を1種類以上含有することができる。
上記酸解離性基を有する構造単位としては、[A]重合体の項で詳述した構造単位(I)の例示が適用できる。上記ラクトン骨格含有基若しくはカーボネート含有基を有する構造単位としては、[A]重合体の項で詳述した構造単位(III)の例示が適用できる。
上記芳香族化合物に由来する構造単位を与える単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−メチル−3−ヒドロキシスチレン、4−メチル−3−ヒドロキシスチレン、5−メチル−3−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)スチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)−α−メチルスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、アセナフチレン、5−ヒドロキシアセナフチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、1−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、1−アントリル(メタ)アクリレート、2−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリルメチル(メタ)アクリレート、1−ビニルピレン等が挙げられる。
[C]重合体における他の構造単位の含有割合としては、[C]重合体を構成する全構造単位に対して、通常80モル%以下、好ましくは75モル%以下、より好ましくは70モル%以下である。
[C]重合体のMwとしては、1,000〜50,000が好ましく、1,000〜30,000がより好ましく、1,000〜10,000が特に好ましい。[C]重合体のMwが1,000未満の場合、十分な前進接触角を得ることができない。一方、[C]重合体のMwが50,000を超えると、レジストとした際の現像性が低下する傾向にある。[C]重合体のMwとMnとの比(Mw/Mn)としては、通常1〜3であり、好ましくは1〜2である。
当該感放射線性樹脂組成物における[C]重合体の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、0質量部〜50質量部が好ましく、0質量部〜20質量部がより好ましく、0.5質量部〜10質量部が特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物における[C]重合体の含有量を上記特定範囲とすることで、得られるレジスト膜表面の撥水性及び溶出抑制性をより高めることができる。
<[C]重合体の合成方法>
[C]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体及びラジカル重合開始剤を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。ラジカル重合開始剤及び溶媒としては、例えば[A]重合体の合成方法で例示したラジカル重合開始剤及び溶媒が適用できる。上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
<[D]酸拡散制御体>
[D]酸拡散制御体は、露光により[B]感放射線性酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、未露光部における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。当該感放射線性樹脂組成物における[D]酸拡散制御体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、この態様を「[D]酸拡散制御剤」とも称する)でも、重合体の一部として組み込まれた態様でも、これらの両方の態様形態でもよい。
[D]酸拡散制御剤としては、例えばアミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えばモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ(シクロ)アルキルアミン類;トリ(シクロ)アルキルアミン類;置換アルキルアニリン又はその誘導体;エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばイミダゾール類;ピリジン類;ピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペリジンエタノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
また、[D]酸拡散制御剤としては露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基の一例として、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物がある。オニウム塩化合物としては例えば下記式(K1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(K2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 0005803806
上記式(K1)及び(K2)中、R〜R11は、それぞれ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシル基、ヒドロキシル基又はハロゲン原子である。Zは、OH、R−COO又はR−SO である。上記Rは、アルキル基、アリール基、アルカリール基又は下記式で表されるアニオンである。
Figure 0005803806
上記式(K3)中、R12は、炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。但し、上記アルキル基及びアルコキシ基が有する水素原子の一部又は全部は、フッ素原子で置換されていてもよい。uは、0〜2の整数である。但し、uが2の場合、複数のR12は、同一であっても異なっていてもよい。
[D]酸拡散制御剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。[D]酸拡散制御体が酸拡散制御剤酸である場合の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、15質量部未満が好ましい。[D]酸拡散制御剤の含有量が15質量部を超えることで、レジストとしての感度が低下する傾向にある。
<[E]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は通常、[E]溶媒を含有する。[E]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、及びその他の溶媒等が挙げられる。[E]溶媒は、単独又は2種以上を併用できる。
アルコール系溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン等のケトン系溶媒が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えばジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸iso−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
その他の溶媒としては、例えば
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、フロン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の含ハロゲン溶媒等が挙げられる。
これらの溶媒のうち、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンが好ましい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分に加え、本発明の効果を損なわない限り、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等のその他の任意成分を含有できる。その他の任意成分は、各成分を2種以上併用してもよい。また、その他の任意成分の含有量は、その目的に応じて適宜決定することができる。以下、これらの任意成分について詳述する。
[界面活性剤]
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名でKP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードBG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業製)等が挙げられる。
[脂環式骨格含有化合物]
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。脂環式骨格含有化合物としては、例えば1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。
[増感剤]
増感剤は、[B]感放射線性酸発生体の生成量を増加する作用を表すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[E]溶媒中で[A]重合体、[B]感放射線性酸発生体、[C]重合体、[D]酸拡散制御体及びその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。当該感放射線性樹脂組成物は通常、使用に際して、全固形分濃度が通常1質量%〜30質量%、好ましくは1.5質量%〜25質量%となるように溶媒に溶解した後、例えば孔径200nm程度のフィルターでろ過することによって、調製される。
<レジストパターンの形成方法>
当該感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成方法は、(1)レジスト膜形成工程、(2)露光工程、及び(3)現像工程を有する。以下、各工程を詳述する。
[(1)レジスト膜形成工程]
本工程は、当該感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、レジスト膜を形成する。基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用できる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。
当該感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。なお、形成されるレジスト膜の膜厚としては、通常0.01μm〜1μmであり、0.01μm〜0.5μmが好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物を塗布した後、必要に応じてプレベーク(PB)によって塗膜中の溶媒を揮発させてもよい。PBの温度条件としては、当該感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常30℃〜200℃程度であり、50℃〜150℃が好ましい。
環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するために、例えば特開平5−188598号公報等に開示されている保護膜をレジスト膜上に設けることもできる。さらに、レジスト層からの[B]感放射線性酸発生剤等の流出を防止するために、例えば特開2005−352384号公報等に開示されている液浸用保護膜をレジスト膜上に設けることもできる。なお、これらの技術は併用できる。
[(2)露光工程]
本工程は、レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜の所望の領域に特定パターンのマスク、及び必要に応じて液浸液を介して縮小投影することにより露光を行う。例えば、所望の領域にアイソラインパターンマスクを介して縮小投影露光を行うことにより、アイソトレンチパターンを形成できる。また、露光は所望のパターンとマスクパターンによって2回以上行ってもよい。なお、露光の際に用いられる液浸液としては水やフッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤を僅かな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト層を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
露光に使用される放射線としては、[B]感放射線性酸発生体の種類に応じて適宜選択されるが、例えば紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。これらのうち、ArFエキシマレーザー光やKrFエキシマレーザー光(波長248nm)に代表される遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光がより好ましい。露光量等の露光条件は、当該感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選択される。本発明のパターン形成方法においては、露光工程を複数回有してもよく複数回の露光は同じ光源を用いても、異なる光源を用いても良いが、1回目の露光にはArFエキシマレーザー光を用いることが好ましい。
また、露光後にポストエクスポージャーベーク(PEB)を行なうことが好ましい。PEBを行なうことにより、当該感放射線性樹脂組成物中の酸解離性基の解離反応を円滑に進行できる。PEBの温度条件としては、通常30℃〜200℃であり、50℃〜170℃が好ましい。
[(3)現像工程]
本工程は、(2)露光工程後に現像液を用いて現像を行い、レジストパターンを形成する。現像液としては、炭素数3〜7のカルボン酸アルキルエステル及び炭素数3〜10のジアルキルケトンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒であることが好ましい。現像液として上記特定有機溶媒を用いることで、当該感放射線性樹脂組成物のコントラスト値γをより所望の範囲に制御することができる。
上記炭素数3〜7のカルボン酸アルキルエステルとしては、例えばジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル等が挙げられる。
上記炭素数3〜10のジアルキルケトンとしては、例えばアセトン、2−ブタノン、メチルアミルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン等が挙げられる。
これらのうち、酢酸n−ブチル、メチルアミルケトンが好ましい。これらの有機溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
当該パターン形成では、(3)現像工程後にレジスト膜をリンス液により洗浄することが好ましい。また、リンス工程におけるリンス液としても有機溶媒を使用することができ、発生したスカムを効率よく洗浄することができる。リンス液としては、炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒等が好ましい。これらのうちアルコール系溶媒、エステル系溶媒が好ましく、炭素数6〜8の1価のアルコール系溶媒がより好ましい。
上記炭素数6〜8の1価のアルコールとしては直鎖状、分岐状又は環状の1価のアルコールが挙げられ、具体的には1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。これらのうち、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、4−メチル−2−ペンタノールが好ましい。
上記リンス液の各成分は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましい。含水率を上記数値以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。なお、リンス液には後述する界面活性剤を添加できる。洗浄処理の方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子製、JNM−EX270)を使用した。
[A]重合体及び[C]重合体の合成に使用した単量体の構造を下記に示す。
Figure 0005803806
<[A]重合体の合成>
[合成例1]
構造単位(I)を与える単量体(M−1)7.3g(30モル%)構造単位(II)を与える単量体(M−4)6.7g(20モル%)及び構造単位(III)を与える単量体(M−10)16.0g(50モル%)を、2−ブタノン60gに溶解し、さらに重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.5g(2モル%)を投入した溶液を調製した。次に、30gの2−ブタノンを投入した200mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した単量体溶液を、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却し、600gのメタノールへ投入して、析出した白色粉末を濾別した。濾別した白色粉末を150gのメタノールにて2度スラリー状で洗浄した後、再度濾別し、50℃にて17時間乾燥して白色粉末の重合体(A−1)を得た。重合体(A−1)のMwは、13,400であり、Mw/Mnは1.58であった。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)の含有割合は、29モル%、20モル%、51モル%であった。
[合成例2〜10及び12〜18]
合成例1において、配合する各単量体の種類及び配合量を表1に記載の通りにした以外は、合成例1と同様に操作して、各重合体を合成した。なお、表1には、各構造単位の含有割合、Mw及びMw/Mnを示した。表1中の「−」は、該当する構造単位が存在しないことを示す。
[合成例11]
合成例1において、使用する開始剤をV−501(和光純薬工業製品)0.8g(2モル%)とした以外は、合成例1と同様に操作して、重合体(A−11)を合成した。
Figure 0005803806
<[C]重合体の合成>
[合成例19]
他の構造単位を与える単量体(M−17)35.8g(70モル%)及び構造単位(IV)を与える単量体(M−19)14.2g(30モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、さらに重合開始剤としてのジメチル−2.2’−アゾビスイソブチレート5.17gを投入した溶液を調製した。次に50gの2−ブタノンを投入した500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、溶液を水冷し30℃以下に冷却し、反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンでその重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、重合体(C−1)を含む酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液とした。重合体(C−1)のMwは、7,000であり、Mw/Mn=1.60であった。
[合成例20]
他の構造単位を与える単量体(M−18)32.6g(60モル%)及び構造単位(IV)を与える単量体(M−20)17.4g(40モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、さらに重合開始剤としてのジメチル−2.2’−アゾビスイソブチレート3.40gを投入した溶液を調製した。次に50gの2−ブタノンを投入した500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、溶液を水冷し30℃以下に冷却し、反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンでその重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、重合体(C−2)を含む酢酸プロピレング、リコールモノメチルエーテル溶液とした。重合体(C−2)のMwは、7,200であり、Mw/Mn=1.59であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
各感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]感放射線性酸発生剤及び[D]酸拡散制御剤は以下の通りである。
<[B]感放射線性酸発生剤>
B−1:下記式(B−1)で表される化合物
B−2:下記式(B−2)で表される化合物
B−3:下記式(B−3)で表される化合物
Figure 0005803806
<[D]酸拡散制御剤>
D−1:下記式(D−1)で表される化合物
D−2:下記式(D−2)で表される化合物
D−3:下記式(D−3)で表される化合物
Figure 0005803806
<[E]溶媒>
E−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
E−2:シクロヘキサノン
E−3:γ−ブチロラクトン
[実施例1]
[A]重合体としての重合体(A−1)100質量部、[B]感放射線性酸発生剤としての(B−1)10.8質量部、[C]重合体としての重合体(C−1)3質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)4.5質量部、並びに[E]溶媒としての(E−1)1,972質量部、(E−2)845質量部及び(E−3)30質量部を混合し、各成分を混合して均一溶液とした。その後、孔径200nmのメンブランフィルターを用いてろ過することにより、感放射線性樹脂組成物を調製した。
[実施例2〜24及び比較例1〜7]
表2に示す種類、量の各成分を使用した以外は実施例1と同様に操作して、各感放射線性樹脂組成物を調製した。
Figure 0005803806
<レジストパターンの形成>
12インチシリコンウェハ上に、下層反射防止膜(ARC66、ブルワーサイエンス製)をスピンコーター(CLEAN TRACK Lithius Pro i、東京エレクトロン製)を使用して塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。次いで、上記スピンコーターを使用して、各感放射線性樹脂組成物を塗布し、PB(90℃、60秒)した後冷却(23℃、30秒)することにより膜厚0.100μmのレジスト膜を形成した。次いで、ArF液浸露光装置(NSR−S610C、ニコン精機カンパニー製)を使用し、NA=1.3、クアドロポールの光学条件にて、ベストフォーカスの条件で露光した。露光は1/4倍投影のスキャナー(Nikon精機カンパニー製、NSR−S610C)を使用し、レチクル上のサイズは0.220μmクロム/0.440μmピッチで、マスクバイアスは0nmであった。その後、ホットプレート(CLEAN TRACK Lithius Pro i)にて表3に示す温度及び時間でPEBし、冷却(23℃、30秒)した。その後、表3に示す現像液にてパドル現像(30秒間)し、4−メチル−2−ペンタノールでリンス(7秒間)した。2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、0.055μmホール/0.110μmピッチのレジストパターンを形成した。
<評価>
上記のように形成したレジストパターンについて、以下の評価をした。結果を表3に示す。
[感度(mJ/cm)]
縮小投影露光後のホールパターンの直径が0.055μm、ピッチが0.110μmとなるように、ドットパターンを有するマスクを、液浸水を介して露光し、形成されるホールパターンが直径0.055μm、ピッチが0.110μmのホールサイズとなるような露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、CG4000)を用いた。感度は、その値が小さい程、良好であると判断した。
[コントラスト値γ]
上述の形成したレジストパターンについて、縦軸をレジストの規格化された膜厚とし、横軸を3(mJ/cm)〜23.0(mJ/cm)の範囲で0.1(mJ/cm)ずつ強度を変えたArFの露光量とし、レジスト感度曲線を得た。コントラスト値γは、下記式から算出した。
γ=|log10(Q/Q)|−1
上記「Q/Q」は、レジスト感度曲線の立ち上がり部分の測定点を近似した直線の傾きである。
[EL(%)]
縮小投影露光後のホールパターンの直径が0.055μm、ピッチが0.110μmとなるようなドットパターンを有するマスクを介して露光し、形成されるホールパターンの直径が0.055μmの±10%以内となる場合の露光量の範囲の、最適露光量に対する割合を露光余裕度(EL)とした。ELの値が大きいほど、露光量変化に対するパターニング性能の変量が小さく良好であると判断した。
[DOF(μm)]
縮小投影露光後のホールパターンの直径が0.055μm、ピッチが0.110μmとなるようなドットパターンを有するマスクを介して露光し、形成されるホールパターンの直径が0.055μmの±10%以内となる場合のフォーカスの振れ幅をフォーカス余裕度(DOF)とした。DOFの値が大きいほど、フォーカス変化に対するパターニング性能の変量が小さく良好であると判断した。
[CDU(μm)]
上記最適露光量において、基板上のレジスト膜に形成された0.055μmのホールパターンを、測長SEM(日立ハイテクノロジーズ製、CG4000)を用いてパターン上部から観察した。直径を任意のポイントで測定し、その測定ばらつきを3σで評価し、0.003μm以下である場合を「良好」と判断し、0.003μmを超える場合を「不良」と判断した。
[MEEF]
上記最適露光量において、縮小投影露光後のホールパターンのターゲットサイズを0.051μm、0.053μm、0.057μm、0.059μmとするマスクパターンを用いてピッチが0.110μmとなるホールパターンを形成した。縮小投影露光後のホールパターンのターゲットサイズ(μm)を横軸に、縮小投影露光後に基板上のレジスト被膜に形成されたホールパターンのサイズ(μm)を縦軸にプロットした時の直線の傾きをマスクエラーファクター(MEEF)として算出した。MEEF(直線の傾き)は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であり、値が1.1≦MEEF<4.5の場合を「良好」と判断し、4.5≦MEEFを「不良」と判断した。
Figure 0005803806
表3に示される結果から明らかなように、当該感放射線性樹脂組成物は感度を十分に満足し、かつEL、DOF、CDU及びMEEFに優れることがわかった。
本発明は、感度を十分に満足し、かつEL、DOF、CDU及びMEEFに優れる感放射線性樹脂組成物を提供することができる。従って、今後更に微細化が進行すると予想される半導体装置等の製造において、当該感放射線性樹脂組成物は好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. [A]酸解離性基を有する重合体、及び[B]感放射線性酸発生体(但し、非イオン性化合物及び下記式(ZI)で表される化合物を除く)
    を含有する感放射線性樹脂組成物、並びに
    有機溶媒が80質量%以上の現像液
    を用いるレジストパターン形成方法において、
    上記[A]重合体が、下記式でそれぞれ表される化合物に由来する構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位(II’)、及び多環構造のラクトン含有基又は環状カーボネート含有基を有する構造単位(III)を含み、
    露光量のみを変化させて得られるレジスト感度曲線から算出されるコントラスト値γが、5.0以上30.0以下であることを特徴とするレジストパターン形成方法。
    Figure 0005803806
    (式中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。)
    Figure 0005803806
    (式(ZI)中、R 201 、R 202 及びR 203 は、それぞれ独立して、有機基である。Z は、パーフロロ脂肪族スルホン酸アニオンである。)
  2. 上記感放射線性樹脂組成物が、
    [D]酸拡散制御剤として、トリ(シクロ)アルキルアミン類、アミド基含有化合物及び光崩壊性塩基からなる群より選択される少なくとも1種の化合物
    を含有する請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
  3. 上記有機溶媒が、炭素数3〜7のカルボン酸アルキルエステル及び炭素数3〜10のジアルキルケトンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒である請求項1又は請求項2に記載のレジストパターン形成方法。
  4. [A]重合体が、下記式(1)で表される構造単位(I)を含む請求項1、請求項2又は請求項3に記載のレジストパターン形成方法。
    Figure 0005803806
    (式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、1価の酸解離性基であって、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜9の炭化水素基又は炭素数4〜20の脂環式基である。また、上記脂環式基が有する水素原子の一部又は全部は、置換されていてもよい。)
  5. [A]重合体における上記構造単位(II’)の含有割合が、1モル%以上30モル%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
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