JP5803806B2 - レジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
[A]酸解離性基を有する重合体、及び[B]感放射線性酸発生体
を含有する感放射線性樹脂組成物、並びに
有機溶媒が80質量%以上の現像液
を用いるレジストパターン形成方法において、
上記[A]重合体が、下記式でそれぞれ表される化合物に由来する構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位(II’)、及び多環構造のラクトン含有基又は環状カーボネート含有基を有する構造単位(III)を含み、
露光量のみを変化させて得られるレジスト感度曲線から算出されるコントラスト値γが、5.0以上30.0以下であることを特徴とするレジストパターン形成方法である。
[D]酸拡散制御剤として、トリ(シクロ)アルキルアミン類、アミド基含有化合物及び光崩壊性塩基からなる群より選択される少なくとも1種の化合物
を含有することが好ましい。
γ=|log10(Q0/Q1)|−1
縦軸をレジストの規格化された膜厚とし、横軸を3mJ/cm2〜23.0mJ/cm2の範囲で0.1mJ/cm2ずつ強度を変えたArFエキシマレーザー光の露光量とし、レジスト感度曲線を得ることができる。上記「Q0/Q1」は、図1に示されるレジスト感度曲線の立ち上がり部分の測定点を近似した直線の傾きである。上記規格化された膜厚とは、感放射線性樹脂組成物溶液をスピンコーターを用いて、シリコンウエハ上に1,500prmの回転速度で塗布し、90℃で60秒間加熱処理をして得られたレジスト膜の膜厚を基準とした膜厚をいう。また、「感放射線性樹脂組成物」の「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線、EUV等を含む概念である。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、有機溶媒が80質量%以上の現像液を用いるレジストパターン形成用感放射線性樹脂組成物であって、[A]重合体及び[B]感放射線性酸発生体を含有する。また、当該感放射線性樹脂組成物は、好ましくは[C][A]重合体よりフッ素原子含有率が高い重合体(以下、「[C]重合体」とも称する)、[D]酸拡散制御体及び[E]溶媒を含有する。さらに、当該感放射線性樹脂組成物は本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分及びレジストパターンの形成方法について詳述する。
[A]重合体は、酸解離性基を有するベース重合体である。なお、「ベース重合体」とは、感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンを構成する重合体の主成分となる重合体をいい、好ましくはレジストパターンを構成する全重合体に対して50質量%以上を占める重合体をいう。また、「酸解離性基」とは、カルボキシル基等の極性官能基中の水素原子を置換する基であって、露光により[B]感放射線性酸発生体から発生した酸の作用により解離する基をいう。
構造単位(I)は上記式(1)で表される。上記式(1)中、R1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R2は、1価の酸解離性基であって、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜9の炭化水素基又は炭素数4〜20の脂環式基である。また、上記脂環式基が有する水素原子の一部又は全部は、置換されていてもよい。
構造単位(II)は下記式(2)で表される。
上記極性基としては、具体的にはカルボニル基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基等が挙げられる。極性基としては、カルボニル基、ヒドロキシル基、シアノ基が好ましい。上記R4を特定構造とすることで、[A]重合体の現像液に対する親和性を調節することができる。結果として、コントラスト値γをより適切化でき、EL、DOF、CDU及びMEEFをより向上させることができる。
構造単位(III)は、ラクトン含有基、スルトン含有基又は環状カーボネート含有基を有する構造単位である。ここで、ラクトン含有基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を表す。また、環状カーボネート含有基とは、−O−C(O)−O−で表される結合を含むひとつの環(環状カーボネート環)を含有する環式基を表す。ラクトン環又は環状カーボネート環を1つめの環として数え、ラクトン環又は環状カーボネート環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
[A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で共重合することにより合成できる。合成方法としては、例えば単量体及びラジカル開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;単量体を含有する溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;各々の単量体を含有する複数種の溶液と、ラジカル開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は単量体を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、[B]感放射線性酸発生体を含有する。[B]感放射線性酸発生体は、露光により酸を発生し、その酸により[A]重合体中の構造単位(I)が有する酸解離性基を解離させ酸を発生させる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]感放射線性酸発生体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、この態様を「[B]感放射線性酸発生剤」とも称する)でも、重合体の一部として組み込まれた態様でも、これらの両方の態様形態でもよい。
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が高い[C]重合体を含有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物が、[C]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、レジスト膜中の[C]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があるので、液浸露光時における[B]感放射線性酸発生剤や後述する[D]酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[C]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。
[C]重合体が有する構造単位(IV)は、下記式で表される。
[C]重合体は、構造単位(IV)以外にも、他の構造単位として例えば現像液に対する溶解速度を制御するために酸解離性基を有する構造単位、ラクトン骨格含有基若しくはカーボネート含有基を有する構造単位、芳香族化合物に由来する構造単位等を1種類以上含有することができる。
[C]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体及びラジカル重合開始剤を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。ラジカル重合開始剤及び溶媒としては、例えば[A]重合体の合成方法で例示したラジカル重合開始剤及び溶媒が適用できる。上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[D]酸拡散制御体は、露光により[B]感放射線性酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、未露光部における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。当該感放射線性樹脂組成物における[D]酸拡散制御体の含有形態としては、後述するような化合物の形態(以下、この態様を「[D]酸拡散制御剤」とも称する)でも、重合体の一部として組み込まれた態様でも、これらの両方の態様形態でもよい。
当該感放射線性樹脂組成物は通常、[E]溶媒を含有する。[E]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、及びその他の溶媒等が挙げられる。[E]溶媒は、単独又は2種以上を併用できる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、フロン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の含ハロゲン溶媒等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分に加え、本発明の効果を損なわない限り、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等のその他の任意成分を含有できる。その他の任意成分は、各成分を2種以上併用してもよい。また、その他の任意成分の含有量は、その目的に応じて適宜決定することができる。以下、これらの任意成分について詳述する。
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名でKP341(信越化学工業製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム製)、アサヒガードBG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業製)等が挙げられる。
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。脂環式骨格含有化合物としては、例えば1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。
増感剤は、[B]感放射線性酸発生体の生成量を増加する作用を表すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[E]溶媒中で[A]重合体、[B]感放射線性酸発生体、[C]重合体、[D]酸拡散制御体及びその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。当該感放射線性樹脂組成物は通常、使用に際して、全固形分濃度が通常1質量%〜30質量%、好ましくは1.5質量%〜25質量%となるように溶媒に溶解した後、例えば孔径200nm程度のフィルターでろ過することによって、調製される。
当該感放射線性樹脂組成物を用いたレジストパターンの形成方法は、(1)レジスト膜形成工程、(2)露光工程、及び(3)現像工程を有する。以下、各工程を詳述する。
本工程は、当該感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、レジスト膜を形成する。基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用できる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。
本工程は、レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜の所望の領域に特定パターンのマスク、及び必要に応じて液浸液を介して縮小投影することにより露光を行う。例えば、所望の領域にアイソラインパターンマスクを介して縮小投影露光を行うことにより、アイソトレンチパターンを形成できる。また、露光は所望のパターンとマスクパターンによって2回以上行ってもよい。なお、露光の際に用いられる液浸液としては水やフッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤を僅かな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト層を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
本工程は、(2)露光工程後に現像液を用いて現像を行い、レジストパターンを形成する。現像液としては、炭素数3〜7のカルボン酸アルキルエステル及び炭素数3〜10のジアルキルケトンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒であることが好ましい。現像液として上記特定有機溶媒を用いることで、当該感放射線性樹脂組成物のコントラスト値γをより所望の範囲に制御することができる。
[合成例1]
構造単位(I)を与える単量体(M−1)7.3g(30モル%)構造単位(II)を与える単量体(M−4)6.7g(20モル%)及び構造単位(III)を与える単量体(M−10)16.0g(50モル%)を、2−ブタノン60gに溶解し、さらに重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル0.5g(2モル%)を投入した溶液を調製した。次に、30gの2−ブタノンを投入した200mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した単量体溶液を、滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却し、600gのメタノールへ投入して、析出した白色粉末を濾別した。濾別した白色粉末を150gのメタノールにて2度スラリー状で洗浄した後、再度濾別し、50℃にて17時間乾燥して白色粉末の重合体(A−1)を得た。重合体(A−1)のMwは、13,400であり、Mw/Mnは1.58であった。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)の含有割合は、29モル%、20モル%、51モル%であった。
合成例1において、配合する各単量体の種類及び配合量を表1に記載の通りにした以外は、合成例1と同様に操作して、各重合体を合成した。なお、表1には、各構造単位の含有割合、Mw及びMw/Mnを示した。表1中の「−」は、該当する構造単位が存在しないことを示す。
合成例1において、使用する開始剤をV−501(和光純薬工業製品)0.8g(2モル%)とした以外は、合成例1と同様に操作して、重合体(A−11)を合成した。
[合成例19]
他の構造単位を与える単量体(M−17)35.8g(70モル%)及び構造単位(IV)を与える単量体(M−19)14.2g(30モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、さらに重合開始剤としてのジメチル−2.2’−アゾビスイソブチレート5.17gを投入した溶液を調製した。次に50gの2−ブタノンを投入した500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、溶液を水冷し30℃以下に冷却し、反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンでその重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、重合体(C−1)を含む酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液とした。重合体(C−1)のMwは、7,000であり、Mw/Mn=1.60であった。
他の構造単位を与える単量体(M−18)32.6g(60モル%)及び構造単位(IV)を与える単量体(M−20)17.4g(40モル%)を2−ブタノン100gに溶解し、さらに重合開始剤としてのジメチル−2.2’−アゾビスイソブチレート3.40gを投入した溶液を調製した。次に50gの2−ブタノンを投入した500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、溶液を水冷し30℃以下に冷却し、反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンでその重合溶液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、重合体(C−2)を含む酢酸プロピレング、リコールモノメチルエーテル溶液とした。重合体(C−2)のMwは、7,200であり、Mw/Mn=1.59であった。
各感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]感放射線性酸発生剤及び[D]酸拡散制御剤は以下の通りである。
B−1:下記式(B−1)で表される化合物
B−2:下記式(B−2)で表される化合物
B−3:下記式(B−3)で表される化合物
D−1:下記式(D−1)で表される化合物
D−2:下記式(D−2)で表される化合物
D−3:下記式(D−3)で表される化合物
E−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
E−2:シクロヘキサノン
E−3:γ−ブチロラクトン
[A]重合体としての重合体(A−1)100質量部、[B]感放射線性酸発生剤としての(B−1)10.8質量部、[C]重合体としての重合体(C−1)3質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)4.5質量部、並びに[E]溶媒としての(E−1)1,972質量部、(E−2)845質量部及び(E−3)30質量部を混合し、各成分を混合して均一溶液とした。その後、孔径200nmのメンブランフィルターを用いてろ過することにより、感放射線性樹脂組成物を調製した。
表2に示す種類、量の各成分を使用した以外は実施例1と同様に操作して、各感放射線性樹脂組成物を調製した。
12インチシリコンウェハ上に、下層反射防止膜(ARC66、ブルワーサイエンス製)をスピンコーター(CLEAN TRACK Lithius Pro i、東京エレクトロン製)を使用して塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。次いで、上記スピンコーターを使用して、各感放射線性樹脂組成物を塗布し、PB(90℃、60秒)した後冷却(23℃、30秒)することにより膜厚0.100μmのレジスト膜を形成した。次いで、ArF液浸露光装置(NSR−S610C、ニコン精機カンパニー製)を使用し、NA=1.3、クアドロポールの光学条件にて、ベストフォーカスの条件で露光した。露光は1/4倍投影のスキャナー(Nikon精機カンパニー製、NSR−S610C)を使用し、レチクル上のサイズは0.220μmクロム/0.440μmピッチで、マスクバイアスは0nmであった。その後、ホットプレート(CLEAN TRACK Lithius Pro i)にて表3に示す温度及び時間でPEBし、冷却(23℃、30秒)した。その後、表3に示す現像液にてパドル現像(30秒間)し、4−メチル−2−ペンタノールでリンス(7秒間)した。2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、0.055μmホール/0.110μmピッチのレジストパターンを形成した。
上記のように形成したレジストパターンについて、以下の評価をした。結果を表3に示す。
縮小投影露光後のホールパターンの直径が0.055μm、ピッチが0.110μmとなるように、ドットパターンを有するマスクを、液浸水を介して露光し、形成されるホールパターンが直径0.055μm、ピッチが0.110μmのホールサイズとなるような露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm2)とした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、CG4000)を用いた。感度は、その値が小さい程、良好であると判断した。
上述の形成したレジストパターンについて、縦軸をレジストの規格化された膜厚とし、横軸を3(mJ/cm2)〜23.0(mJ/cm2)の範囲で0.1(mJ/cm2)ずつ強度を変えたArFの露光量とし、レジスト感度曲線を得た。コントラスト値γは、下記式から算出した。
γ=|log10(Q0/Q1)|−1
上記「Q0/Q1」は、レジスト感度曲線の立ち上がり部分の測定点を近似した直線の傾きである。
縮小投影露光後のホールパターンの直径が0.055μm、ピッチが0.110μmとなるようなドットパターンを有するマスクを介して露光し、形成されるホールパターンの直径が0.055μmの±10%以内となる場合の露光量の範囲の、最適露光量に対する割合を露光余裕度(EL)とした。ELの値が大きいほど、露光量変化に対するパターニング性能の変量が小さく良好であると判断した。
縮小投影露光後のホールパターンの直径が0.055μm、ピッチが0.110μmとなるようなドットパターンを有するマスクを介して露光し、形成されるホールパターンの直径が0.055μmの±10%以内となる場合のフォーカスの振れ幅をフォーカス余裕度(DOF)とした。DOFの値が大きいほど、フォーカス変化に対するパターニング性能の変量が小さく良好であると判断した。
上記最適露光量において、基板上のレジスト膜に形成された0.055μmのホールパターンを、測長SEM(日立ハイテクノロジーズ製、CG4000)を用いてパターン上部から観察した。直径を任意のポイントで測定し、その測定ばらつきを3σで評価し、0.003μm以下である場合を「良好」と判断し、0.003μmを超える場合を「不良」と判断した。
上記最適露光量において、縮小投影露光後のホールパターンのターゲットサイズを0.051μm、0.053μm、0.057μm、0.059μmとするマスクパターンを用いてピッチが0.110μmとなるホールパターンを形成した。縮小投影露光後のホールパターンのターゲットサイズ(μm)を横軸に、縮小投影露光後に基板上のレジスト被膜に形成されたホールパターンのサイズ(μm)を縦軸にプロットした時の直線の傾きをマスクエラーファクター(MEEF)として算出した。MEEF(直線の傾き)は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であり、値が1.1≦MEEF<4.5の場合を「良好」と判断し、4.5≦MEEFを「不良」と判断した。
Claims (5)
- [A]酸解離性基を有する重合体、及び[B]感放射線性酸発生体(但し、非イオン性化合物及び下記式(ZI)で表される化合物を除く)
を含有する感放射線性樹脂組成物、並びに
有機溶媒が80質量%以上の現像液
を用いるレジストパターン形成方法において、
上記[A]重合体が、下記式でそれぞれ表される化合物に由来する構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位(II’)、及び多環構造のラクトン含有基又は環状カーボネート含有基を有する構造単位(III)を含み、
露光量のみを変化させて得られるレジスト感度曲線から算出されるコントラスト値γが、5.0以上30.0以下であることを特徴とするレジストパターン形成方法。
- 上記感放射線性樹脂組成物が、
[D]酸拡散制御剤として、トリ(シクロ)アルキルアミン類、アミド基含有化合物及び光崩壊性塩基からなる群より選択される少なくとも1種の化合物
を含有する請求項1に記載のレジストパターン形成方法。 - 上記有機溶媒が、炭素数3〜7のカルボン酸アルキルエステル及び炭素数3〜10のジアルキルケトンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒である請求項1又は請求項2に記載のレジストパターン形成方法。
- [A]重合体における上記構造単位(II’)の含有割合が、1モル%以上30モル%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレジストパターン形成方法。
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