JP2011053643A - レジストパターン形成方法及び感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダブルパターニングにおいて、第二のレジスト剤に第一のレジスト剤が溶解することなく、第一のレジストパターンを保持したまま第二のレジストパターンを形成することができ、更には第一のレジストパターンの線幅変動を抑制することができ、液浸露光プロセスにも好適に採用されるレジストパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】重合体(A1)及び重合体(A1)が可溶な溶媒を含有する第一の感放射線性樹脂組成物を用いて、第一のレジストパターンを基板上に形成する工程(1)と、第一のレジストパターンが形成された基板上に、重合体(A2)及び重合体(A2)が可溶なアルコール系溶媒を含有する第二の感放射線性樹脂組成物を用いて第二のレジストパターンを形成する工程(2)とを含み、かつ重合体(A1)及び第一のレジストパターンが、アルコール系溶媒に不溶である、レジストパターン形成方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ダブルパターニングによるレジストパターン形成方法及びそれに用いられる感放射線性樹脂組成物に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、より高い集積度を得るために、最近では0.10μm以下のレベルでの微細加工が可能なリソグラフィ技術が必要とされている。従来のリソグラフィプロセスでは、一般に放射線としてi線等の近紫外線が用いられているが、この近紫外線では、サブクォーターミクロンレベルの微細加工が極めて困難であると言われている。そこで、0.10μm以下のレベルでの微細加工を可能とするために、より波長の短い放射線の利用が検討されている。このような短波長の放射線の具体例としては、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、電子線等を挙げることができる。これらの中でも、特にKrFエキシマレーザー(波長248nm)やArFエキシマレーザー(波長193nm)等による遠紫外線が注目されている。
エキシマレーザーによる照射に適したレジストとして、酸解離性官能基を有する成分と、放射線の照射(以下、「露光」ともいう)により酸を発生する成分(以下、単に「酸発生剤」ともいう)と、による化学増幅効果を利用したレジスト(以下、単に「化学増幅型レジスト」ともいう)が数多く提案されている。化学増幅型レジストとしては、例えば、カルボン酸のtert−ブチルエステル基又はフェノールのtert−ブチルカーボナート基を有する重合体と、酸発生剤と、を含有するレジストが提案されている。このレジストは、露光により発生した酸の作用により、tert−ブチルエステル基又はtert−ブチルカーボナート基が解離し、カルボキシル基又はフェノール性水酸基からなる酸性基となり、その結果、レジスト膜の露光領域がアルカリ現像液に易溶性となる現象を利用したものである。
このようなリソグラフィプロセスにおいては、今後は更に微細なレジストパターン、例えば、線幅が45nm程度の微細なレジストパターンの形成が要求される。このような微細なパターンを形成するための手段として、露光装置の光源波長の短波長化や、レンズの開口数(NA)を増大させること等が考えられる。しかしながら、光源波長の短波長化には、新たに高額の露光装置が必要となる。また、レンズの開口数(NA)の増大には、解像度と焦点深度がトレードオフの関係にあるため、解像度を上げると焦点深度が低下してしまうという問題がある。
最近、このような問題を解決可能とするリソグラフィ技術として、液浸露光(リキッドイマージョンリソグラフィ)法という方法が提案されている。この方法は、露光時に、レンズと基板上のレジスト膜との間の少なくとも前記レジスト膜上に所定厚さの純水やフッ素系不活性液体等の液状高屈折率媒体(以下、「液浸露光用液体」ともいう)を露光光路上に介在させる方法である。この方法によれば、従来は空気や窒素等の不活性ガスであった露光光路空間に屈折率(n)のより大きな液体を配置することにより、同じ露光波長の光源を用いても、焦点深度が低下することなく、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高い解像性が得られる。このような液浸露光法を用いれば、現存の装置に実装されているレンズを用いて、低コストで、より解像性に優れ、且つ焦点深度にも優れるレジストパターンの形成を実現できるため、大変注目されており、実用化が進められている。
しかしながら、液浸露光法による露光技術の進歩も45nmハーフピッチ(hp)までが限界であると言われており、更に微細な加工を必要とする32nmhp世代へ向けた技術開発が行われている。近年、そのようなデバイスの複雑化、高密度化への要求に伴い、ダブルパターニング(DP)或いはダブルエクスポージャー(DE)といった疎ラインパターン或いは孤立トレンチパターンを半周期ずらして重ね合わせることによって32nmLSをパターニングする技術が提案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
32nmLSをパターニングする技術の一例として、非特許文献2には、1:3のピッチの幅32nmのラインからなる第一のレジストパターンを形成し、エッチングによりSiO等のハードマスクを加工した後、更に第一のレジストパターンと半周期ずらした位置に、第一のレジストパターンと同様に1:3のピッチの幅32nmのラインからなる第二のレジストパターンを形成し、エッチングにより再度ハードマスクを加工することで、最終的に1:1のピッチで32nmのラインからなるレジストパターンを形成することが提案されている。
SPIE2006 61531K 3rd International Symposium on Immersion Lithography PO−11
上述のように、提案されたプロセスはいくつかあるものの、このような液浸露光プロセスに用いられ、特にダブルパターニングに好適に用いられる具体的な材料の提案は、未だなされていないのが現状である。また、前記提案されたプロセスにおいて、第一のレジストパターンを形成した後、第二のレジストパターンを形成する際に、第一のレジストパターンにトップロスやスカム、線幅変動に影響を及ぼす場合があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、ダブルパターニングにおいて、第一のレジスト剤が第二のレジスト剤に溶解することがなく、第一のレジストパターンを保持したまま第二のレジストパターンを形成することができ、更には第一のレジストパターンの線幅変動を抑制し、液浸露光プロセスにも好適に使用されるレジストパターン形成方法を提供することにある。
また、その課題とするところは、ダブルパターニングにおいて、第一のレジスト剤が第二のレジスト剤に溶解することがなく、第一のレジストパターンを保持したまま第二のレジストパターンを形成することができ、更には第一のレジストパターンの線幅変動を抑制し、液浸露光プロセスにも好適に使用されるレジストパターン形成方法において好適に用いられる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、第一のレジスト層に含まれる重合体を、第二のレジスト層に含まれる重合体が可溶なアルコール系溶媒に対して不溶性又は難溶性にして、第一のレジスト層を第二のレジスト層に対して不溶化させることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示すレジストパターン形成方法及び感放射線性樹脂組成物が提供される。
[1]重合体(A1)及び前記重合体(A1)が可溶な溶媒(C1)を含有する第一の感放射線性樹脂組成物を用いて、第一のレジストパターンを基板上に形成する工程(1)と、前記第一のレジストパターンが形成された前記基板上に、重合体(A2)及び前記重合体(A2)が可溶なアルコール系溶媒(C2)を含有する第二の感放射線性樹脂組成物を用いて、第二のレジストパターンを形成する工程(2)と、を含み、かつ、前記重合体(A1)及び前記第一のレジストパターンが、前記アルコール系溶媒(C2)に不溶であるレジストパターン形成方法。
[2]前記工程(1)と前記工程(2)の間に、前記第一のレジストパターンを加熱又は光照射する工程(i)を更に含む前記[1]に記載のレジストパターン形成方法。
[3]前記溶媒(C1)が、炭化水素系溶媒及びエーテル系溶媒の少なくとも一方である前記[1]又は[2]に記載のレジストパターン形成方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のレジストパターン形成方法において第一の感放射線性樹脂組成物として使用され、重合体(A1)、並びに炭素数3〜20の直鎖状、分岐状、又は環状の、炭化水素及びエーテルの少なくとも一方を含む溶媒(C1)を含有する感放射線性樹脂組成物。
[5]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のレジストパターン形成方法において第二の感放射線性樹脂組成物として使用され、前記重合体(A2)、及び前記重合体(A2)が可溶な炭素数1〜15の直鎖状又は分岐状のアルコールを含む溶媒(C2)を含有する感放射線性樹脂組成物。
[6]前記溶媒(C2)が、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルコール、及び炭素数5〜15の直鎖状又は分岐状のアルコールの少なくとも一方である前記[5]に記載の感放射線性樹脂組成物。
[7]前記重合体(A1)が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体である前記[4]に記載の感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011053643
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。3つのRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示すか、或いはいずれか2つのRが相互に結合して形成される炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体を示し、残りの1つのRが炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。
[8]前記重合体(A2)が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む重合体である前記[5]に記載の感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011053643
上記一般式(2)中、Rは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は炭素数2〜4のアルキル基を示し、Rは単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示す。
本発明のレジストパターン形成方法によれば、ダブルパターニングにおいて、第二のレジスト剤に第一のレジスト剤が溶解することなく、第一のレジストパターンを保持したまま第二のレジストパターンを形成することができ、更には第一のレジストパターンの線幅変動を抑制し、液浸露光プロセスにも好適に採用されるという効果を奏する。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、ダブルパターニングにおいて、第二のレジスト剤に第一のレジスト剤が溶解することなく、第一のレジストパターンを保持したまま第二のレジストパターンを形成することができ、更には第一のレジストパターンの線幅変動を抑制し、液浸露光プロセスにも好適に採用されるレジストパターン形成方法に好適に用いられるという効果を奏するものである。
本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態の工程(1)における、基板上に第一のレジスト層を形成した後の状態を模式的に示す断面図である。 本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態の工程(1)における、第一のレジスト層が露光された後の状態を模式的に示す断面図である。 本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態の工程(1)における、第一のレジストパターンが形成された後の状態を模式的に示す断面図である。 本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態の工程(i)における、光照射する状態を模式的に示す断面図である。 本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態の工程(2)における、第一のレジストパターン上に第二のレジスト層が形成された後の状態を模式的に示す断面図である。 本発明のレジストパターン形成方の一実施形態法の工程(2)における、第二のレジスト層が露光された後の状態を模式的に示す断面図である。 本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態の工程(2)における、第二のレジストパターンが形成された後の状態を模式的に示す断面図である。 本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態の工程(1)及び工程(2)における、第一のレジスト層又は第二のレジスト層を露光する状態での基板を模式的に示す断面図である。 本発明のレジストパターン形成方法の他の実施形態において形成されるレジストパターンを模式的に示す上面図である。 本発明のレジストパターン形成方法の更に他の実施形態において形成されるレジストパターンを模式的に示す上面図である。 図6に示すレジストパターンを模式的に示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.レジストパターン形成方法:
本発明のレジストパターン形成方法は、工程(1)及び(2)を含む方法である。以下本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態について、図面を用いて説明する。
1−1.工程(1):
図1A〜図1C、及び図4は、本実施形態のレジストパターン形成方法における、工程(1)の各段階での基板を模式的に示す断面図である。工程(1)では、まず、図1Aに示すように、非アルコール系溶媒、及び前記非アルコール系溶媒に可溶な重合体(A1)を含有するとともに、アルコール系溶媒非含有の第一の感放射線性樹脂組成物を、基板1上に塗布することにより、第一のレジスト層2が形成される。次に、図4及び図1Bに示すように、所定パターンのマスク4を通過した放射線を(図4中の矢印L)、任意で、水等の液浸露光用液体3を通過させ、第一のレジスト層2に照射することにより、図1Bに示すような、アルカリ現像部5が形成される。その後、現像することにより、図1Cに示すような、基板1上にライン部分12a及びスペース部分12bを有する第一のレジストパターン12(ライン・アンド・スペースが1対3:1L3S)が形成される。
1−1−1.第一のレジスト層の形成:
第一のレジスト層2は、第一の感放射線性樹脂組成物からなる塗工液を基板1上に塗布することで形成することができる。塗布する方法については、特に限定されるものではなく、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布方法を用いることができる。尚、形成される第一のレジスト層の厚さについては、特に限定されるものではないが、通常、10〜1,000nmであり、10〜500nmであることが好ましい。
また、第一の感放射線性樹脂組成物からなる塗工液を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(Pre−Bake。以下、「PB」とも記載する)することによって塗膜(塗工液)中の溶媒を揮発させても良い。PBの加熱条件としては、第一の感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃で30〜120秒であり、50〜150℃で40〜100秒であることが好ましい。
更に、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するために、例えば、特開平5−188598号公報等に開示されているように、第一のレジスト層2上に保護膜を設けることもできる。また、第一のレジスト層2からの酸発生剤等の流出を防止するために、例えば、特開2005−352384号公報等に開示されているように、第一のレジスト層2上に液浸用保護膜を設けることもできる。尚、これらの技術は一種単独で、又は両方を併せて用いても良い。
第一の感放射線性樹脂組成物は、後述する本発明の感放射線性樹脂組成物である。また、第一の感放射線性樹脂組成物に含まれる重合体(A1)、感放射線性酸発生剤(B)、溶媒(C1)等についても後述する。
基板としては、特に限定されることなく、例えば、シリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用することができる。また、第一の感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すために、例えば、特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報に開示されているように、使用される基板上に有機系或いは無機系の反射防止膜を形成しておくこともできる。
1−1−2.露光:
図4に示すように、所定パターンのマスク4を通過した放射線(図4中の矢印)を、第一のレジスト層2に照射することにより、図1Bに示すような、アルカリ現像部5を形成する。尚、この際、任意で、放射線を水やフッ素系不活性液体等の液浸露光用液体3を通過させても良い。
本実施形態のレジストパターン形成方法において、「所定パターンのマスク」は、このマスクを通過した放射線により露光される帯状部分(スペース部)の幅が、未露光の帯状部分(ライン部)の幅の3倍であり、この露光される帯状部分と未露光の帯状部分とが交互に配列されたパターンとなるマスクである。即ち、このマスクにより形成されるレジストパターンが、ライン部の幅とスペース部の幅が1:3であるライン・アンド・スペース(1L3S)パターンとなるようなマスクのことである。
露光に使用される放射線としては、第一の感放射線性樹脂組成物に含有される感放射線性酸発生剤(B)の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選定される。これらの中でも、ArFエキシマレーザー(波長193nm)やKrFエキシマレーザー(波長248nm)等による遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー(波長193nm)による遠紫外線が特に好ましい。また、露光量等の露光条件については、第一の感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選定される。
更に、露光後には加熱処理(Post−Exposure Bake。以下、「PEB」とも記載する)を行うことが好ましい。PEBを行うことにより、第一の感放射線性樹脂組成物中の酸不安定基の解離(脱離)反応を円滑に進行させることができる。PEBの加熱条件は、第一の感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃で30〜120秒であり、50〜170℃で40〜100秒であることが好ましい。
1−1−3.第一のレジストパターンの形成:
第一のレジスト層2をアルカリ性水溶液である現像液で現像することにより、アルカリ現像部5が溶解して、図1Cに示すような、ライン部分12a及びスペース部分12bを有する第一のレジストパターン12を形成することができる。尚、現像した後は、通常、水で洗浄し、乾燥させる。
(1)現像液
現像液の好適例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物を溶解したアルカリ性水溶液を挙げることができる。これらのアルカリ性化合物は一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いても良い。
現像液中のアルカリ性化合物の濃度は、通常、10質量%以下である。アルカリ性化合物の濃度が10質量%超であると、非露光部も現像液に溶解するおそれがある。
また、現像液には、有機溶媒を添加することもできる。有機溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類の他、フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。尚、これらの有機溶媒は一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いても良い。
現像液中の有機溶媒の使用割合は、アルカリ性水溶液100体積部に対して、100体積部以下であることが好ましい。有機溶媒の使用割合が100体積部超であると、現像性が低下して、露光部の現像残りが多くなる場合がある。また、現像液には、更に界面活性剤等を適量添加しても良い。
(2)現像方法
現像方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができるが、パドル式、LDノズル式、GPノズル式等の現像方法を用いることが好ましい。尚、現像時間としては、10〜90秒であることが好ましい。
1−2.工程(i):
本実施形態のレジストパターン形成方法では、前記第一のレジストパターン12を加熱又は光照射する工程(i)を含むことが好ましい。
図2は、前記工程(i)における、光照射する状態での基板を模式的に示す断面図である。工程(1)で形成した第一のレジストパターン12のライン部分12aに対して、120℃以上の温度での加熱によるベーク(Post−Development Bake。以下、「PDB」とも記載する)と、図2に示すように、放射線の照射(図2中の矢印)の少なくともいずれかの処理により、第二の感放射線性樹脂組成物に対して不溶化された第一のレジストパターン22のライン部分22aが得られる。
PDBの条件としては、通常、120℃以上で30〜120秒であり、140℃以上で15〜100秒であることが好ましい。尚、PDBの加熱温度は第一のレジストパターンを形成する際のPEB温度よりも高い温度とすることが好ましい。
放射線を照射する条件としては、放射線を用いることが好ましく、波長が300nm以下の放射線を用いて露光することが更に好ましい。また、露光量としては、第一のレジストパターン12を形成するための最適露光量の2〜20倍の露光量で放射線を照射することが好ましい。
また、放射線を照射することで、第一のレジストパターン12のライン部分12aを、光及び熱に対して不活性化して、第二のレジストパターン形成時の放射線照射や熱処理に対して不溶化された第一のレジストパターン22のライン部分22aとすることもできる。UVキュアに使用するランプの具体例としては、Arランプ、KrClランプ、Krランプ、XeClランプ、Xeランプ(以上、ウシオ電機社製)等を挙げることができる。尚、これらの不活性化方法は一種のみを用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
尚、本明細書中、「光に対して不活性」とは、放射線等の照射によって、感放射線性樹脂組成物が感光しないことをいう。即ち、第一のレジストパターン22のライン部分22aは、露光されてもアルカリ可溶性にならないことをいう。また、「熱に対して不活性」とは、第二のレジストパターン形成時の加熱によりレジストパターンが劣化しないことをいう。
1−3.工程(2):
図3A〜図3C、及び図4は、本実施形態のレジストパターン形成方法における、工程(2)の各段階での基板を模式的に示す断面図である。工程(2)では、まず、図3Aに示すように、第二の感放射線性樹脂組成物を、基板1上の第一のレジストパターン22のスペース部分22bに塗布することにより、第二のレジスト層32が形成される。次に、図4及び図3Bに示すように、所定パターンのマスク4を通過した放射線を(図4中の矢印)、任意で、水等の液浸露光用液体3を通過させ、第二のレジスト層32に照射することにより、図3Bに示すような、アルカリ現像部35が形成される。その後、現像することにより、基板1上に形成された第一のレジストパターン22のスペース部分22bに、第二のレジストパターンのライン部分42aが形成される。
1−3−1.第二のレジスト層の形成:
第二のレジスト層32は、第二の感放射線性樹脂組成物からなる塗工液を、基板1上に形成された第一のレジストパターン22の上から塗布することで形成することができる。第一のレジストパターン22の上から塗布された第二の感放射線性樹脂組成物からなる塗工液は、第一のレジストパターン22のスペース部22bに侵入し、図3Aに示すように、スペース部22bは第二の感放射線性樹脂組成物からなる塗工液で充填される。尚、第二の感放射線性樹脂組成物は、アルコール系溶媒及び前記アルコール系溶媒に可溶な重合体(A2)を含有しているため、非アルコール系溶媒及び前記非アルコール系溶媒に可溶な重合体(A1)を含有する第一の感放射線性樹脂組成物とミキシングし難く、第一のレジストパターン22が破損することなく、第二のレジスト層32を形成することができる。
塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布手段によって行うことができる。尚、第二のレジスト層32の厚さは特に限定されないが、第一のレジスト層と同じく、通常、10〜1,000nmであり、10〜500nmであることが好ましい。
また、第二の感放射線性樹脂組成物からなる塗工液を塗布した後、必要に応じて、PBすることによって塗膜(第二の感放射線性樹脂組成物からなる塗工液)中の溶媒を揮発させても良い。PBの加熱条件としては、第二の感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜選択されるが、通常、30〜200℃で10〜200秒であり、50〜150℃で15〜120秒であることが好ましく、60〜120℃で30〜100秒であることが更に好ましい。
第二の感放射線性樹脂組成物は、後述する本発明の感放射線性樹脂組成物である。また、第二の感放射線性樹脂組成物に含まれる重合体(A2)、溶媒(C2)等についても後述する。
1−3−2.露光:
図4に示すように、所定パターンのマスク4を通過した放射線を(図4中の矢印)、第一のレジストパターン22のスペース部22bに形成された第二のレジスト層32に照射することにより、図3Bに示すような、アルカリ現像部35が形成される。この露光の際、放射線を照射する位置を、第一のレジストパターンを形成した際の位置から半周期(第一又は第二のレジストパターンのライン部の幅を2つ分)ずらしておく。こうすることにより、第二のレジスト層32の未露光部(ライン部)が第一のレジストパターン22の隣り合う2つのライン部22aの真ん中に位置し、第一のレジストパターン22のライン部22aと第二のレジストパターン42のライン部42aとが全て等間隔に交互に配置されるレジストパターン(1L1S)を得ることができる。尚、この際、任意で、放射線を水やフッ素系不活性液体等の液浸露光用液体3を通過させても良い。
尚、露光条件等については、工程(1)で前述した露光条件等と同様の説明をすることができる。
1−3−3.第二のレジストパターンの形成:
次いで、図3Cに示すように、現像することにより、第一のレジストパターン22のスペース部分に、第二のレジストパターンのライン部分42aを形成する。
尚、現像方法については、工程(1)で前述した現像方法と同様の説明をすることができる。但し、現像液に添加することができる有機溶媒については、前記有機溶媒の具体例から、アルコール類、エーテル類、及び炭化水素類を除く。
このように、工程(1)及び(2)を行うことで、基板1上に、第一のレジストパターン22のライン部分22a及び第二のレジストパターン42のライン部分42aが等間隔で交互に配置された1L1S(ライン・アンド・スペースが1:1)のレジストパターンを形成することができる。
また、本発明のレジストパターン形成方法の他の一実施形態としては、例えば、図5に示すように、工程(1)により、1L1Sの第一のレジストパターン22を形成し、この第一のレジストパターン22のスペース部22bに、工程(2)により、1L1Sの第二のレジストパターン42を第一のレジストパターン22と直交するように形成したレジストパターンを挙げることができる。このようなレジストパターンでは、第一のレジストパターン22のライン部22aと第二のレジストパターンのライン部42aとにより区画された碁盤目状のレジストパターン(コンタクトホールパターン15)を形成することができる。
更に、本発明のレジストパターン形成方法の他の一実施形態としては、例えば、図6及び図7に示すように、工程(1)により、1L1Sの第一のレジストパターン22を形成し、この第一のレジストパターン22を覆うように、工程(2)により、1L1Sの第二のレジストパターン42を第一のレジストパターン22と直交するように形成したレジストパターンを挙げることができる。このようなレジストパターンでも、第一のレジストパターン22のライン部22aと第二のレジストパターンのライン部42aとにより区画された碁盤目状のレジストパターン(コンタクトホールパターン15)を形成することができる。
本発明のレジストパターン形成方法としては、上述の2つの実施形態のような、コンタクトホールパターンを形成する実施形態も好ましい。
2.感放射線性樹脂組成物:
感放射線性樹脂組成物は、露光により感放射線性酸発生剤から発生した酸の作用によって、組成物中に存する酸不安定基が解離(脱離)してカルボキシル基を生じ、その結果、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高くなり、アルカリ現像液によって溶解、除去され、レジストパターンを形成することができるものである。以下、第一のレジスト層の形成に使用される第一の感放射線性樹脂組成物と、第二のレジスト層の形成に使用される第二の感放射線性樹脂組成物について順に説明する。
2−1.第一の感放射線性樹脂組成物:
第一の感放射線性樹脂組成物は、酸不安定基を有する重合体(A1)(以下、「重合体(A1)」と記載する)、感放射線性酸発生剤(B)(以下、「酸発生剤(B)」と記載する)、及び溶媒(C1)を含有するものである。また、前記第一の感放射線性樹脂組成物は、第一のレジストパターンを光と熱の少なくともいずれかに対して不活性化させることによって、第一のレジストパターンの耐性を向上させ、第二のレジストパターン形成時にダメージを受けることなく残存するよう、工程(i)を施すことが好ましい。
尚、本明細書でいう「酸不安定基」とは、「酸解離性基」と呼ばれる場合もあり、酸によって解離(脱離)する基をいう。酸不安定基を有するアルカリに不溶又は難溶の重合体は、酸の作用により重合体中の酸不安定基が解離してカルボキシル基が生じるため、アルカリに可溶となる。
また、本明細書でいう「アルカリ不溶性又は難溶性」とは、重合体(A)を含有する感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジスト層を現像する際のアルカリ現像条件下で、前記レジスト層の代わりに重合体(A)のみを用いて形成した被膜を現像した場合に、初期膜厚の50%以上の膜厚の皮膜が現像後に残存する性質をいう。
また、本明細書でいう「重合体が溶媒に可溶」とは、一般的な条件で重合体が溶媒に対して、不溶性又は難溶性でないことをいう。
2−1−1.重合体(A1):
重合体(A1)は、アルコール系溶媒に不溶な、酸の作用によりアルカリ可溶性となるアルカリ不溶性又は難溶性の重合体である。
重合体(A1)は、下記一般式(1)で表される酸不安定基を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(1)」と記載する)と、下記一般式(3−1)〜(3−6)で表されるラクトン構造からなる群より選択される少なくとも一種のラクトン構造を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(2)」と記載する)と、を含む重合体であることが好ましい。
Figure 2011053643
上記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。3つのRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示すか、或いはいずれか2つのRが相互に結合して形成される炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体を示し、残りの1つのRが炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。
Figure 2011053643
上記一般式(3−1)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4の置換若しくは非置換のアルキル基を示し、pは、1〜3の整数を示す。上記一般式(3−4)及び(3−5)中、Rは、水素原子又はメトキシ基を示す。上記一般式(3−2)及び(3−3)中、Aは、単結合又はメチレン基を示し、mは、0又は1を示す。上記一般式(3−3)及び(3−5)中、Bは、酸素原子又はメチレン基を示す。
(1)繰り返し単位(1):
上記一般式(1)において、Rで示される基のうち、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
上記一般式(1)において、Rで示される基のうち、炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基の具体例としては、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタンや、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類等に由来する脂環式炭化水素からなる基;これらの脂環式炭化水素からなる基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基で置換した基等を挙げることができる。
上記一般式(1)において、Rで示される基のうち、いずれか2つのRが相互に結合して形成される炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体の具体例としては、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等に由来する脂環式炭化水素からなる基;これらの脂環式炭化水素からなる基を前記アルキル基で置換した基等を挙げることができる。
繰り返し単位(1)を与える単量体の好適例としては、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチル−3−ヒドロキシアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンタン−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−8−メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルエステル、(メタ)アクリル酸−8−エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジシクロヘキシルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1,1−ジ(アダマンタン−1−イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステル等を挙げることができる。尚、本明細書中、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタアクリル酸の両方をいう。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸1−(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシルエステル等が特に好ましい。
尚、重合体(A1)は、繰り返し単位(1)を一種単独で含むものであっても良く、二種以上含むものであっても良い。
(2)繰り返し単位(2):
上記一般式(3−1)において、Rで示される基のうち、炭素数1〜4の置換又は非置換のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
繰り返し単位(2)を与える単量体の好適例としては、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−10−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.03,8]デカ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メトキシカルボニル−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−2−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−エチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4−プロピル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2,2−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルエステル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチルエステル等を挙げることができる。
尚、重合体(A1)は、繰り返し単位(2)を一種単独で含むものであっても良く、二種以上含むものであっても良い。
また、重合体(A1)は、繰り返し単位(1)及び(2)以外の繰り返し単位(以下、「他の繰り返し単位」と記載する)を一種以上含むものであっても良い。
他の繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(4)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(3)」と記載する)、下記一般式(5)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(4)」と記載する)、繰り返し単位(5)等を挙げることができる。
Figure 2011053643
上記一般式(4)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示し、Wは、炭素数7〜20の置換又は非置換の多環型脂環式炭化水素基を示す。但し、多環型脂環式炭化水素基が置換基を有する場合、置換基としては炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数4〜20の環状のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、又はオキソ基である。
Figure 2011053643
上記一般式(5)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Zは、単結合又は炭素数1〜3の2価の有機基を示す。Yは、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1〜3の2価の有機基を示し、3つのRは、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、シアノ基、又はCOOR10で表される基を示す。但し、R10は、水素原子、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数3〜20の脂環式アルキル基を示す。尚、三つのRのうち少なくとも一つは水素原子ではなく、且つ、Zが単結合の場合、三つのYのうち少なくとも一つは炭素数1〜3の2価の有機基である。
繰り返し単位(5)の具体例としては、不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格を有するカルボキシル基含有エステル類;(メタ)アクリル酸2−(4−メトキシシクロヘキシル)オキシカルボニルエチル等の有橋式炭化水素骨格をもたない(メタ)アクリル酸エステル類;不飽和ニトリル化合物;不飽和アミド化合物;含窒素ビニル化合物;不飽和カルボン酸(無水物)類;不飽和カルボン酸の有橋式炭化水素骨格をもたないカルボキシル基含有エステル類;有橋式炭化水素骨格を有する多官能性単量体;有橋式炭化水素骨格をもたない多官能性単量体等の重合性不飽和結合が開裂した単位等を挙げることができる。
これらの中でも、有橋式炭化水素骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル類の重合性不飽和結合が開裂した繰り返し単位等が好ましい。
(重合体(A1)中の各繰り返し単位の含有割合)
重合体(A1)に含まれる繰り返し単位(1)の割合は、重合体(A1)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、10〜70モル%であり、10〜60モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることが更に好ましい。繰り返し単位(1)の割合が10モル%未満であると、アルカリ現像部の解像性が劣化するおそれがある。一方、70モル%超であると、アルカリ現像部の現像性が劣化するおそれがある。
重合体(A1)に含まれる繰り返し単位(2)の割合は、重合体(A1)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、0.5〜50モル%であることが好ましく、0.5〜40モル%であることがより好ましく、0.5〜35モル%であることが更に好ましい。繰り返し単位(2)の割合が50モル%超であると、アルコール系溶媒への溶解性が低下するおそれがある。
重合体(A1)に含まれる繰り返し単位(3)の割合は、重合体(A1)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、30モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましい。繰り返し単位(3)の割合が30モル%超であると、アルカリ現像部がアルカリ現像液により膨潤しやすくなったり、アルカリ現像液に対する溶解性が低下したりするおそれがある。
重合体(A1)に含まれる繰り返し単位(4)の割合は、重合体(A1)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、30モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましい。繰り返し単位(4)の割合が30モル%超であると、アルカリ現像部がアルカリ現像液により膨潤しやすくなったり、アルカリ現像液に対する溶解性が低下したりするおそれがある。
重合体(A1)に含まれる繰り返し単位(5)の割合は、重合体(A1)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、30モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましい。繰り返し単位(5)の割合が30モル%超であると、アルカリ現像部がアルカリ現像液により膨潤しやすくなったり、アルカリ現像液に対する溶解性が低下したりするおそれがある。
(重合体(A1)の調製方法)
重合体(A1)は、例えば、前述した各繰り返し単位を与える重合性不飽和単量体を、ヒドロパーオキシド類、ジアルキルパーオキシド類、ジアシルパーオキシド類、アゾ化合物等のラジカル重合開始剤を使用し、必要に応じて連鎖移動剤の存在下、適当な溶媒中で重合することにより調製することができる。
重合に使用される溶媒の具体例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;クロロブタン、ブロモヘキサン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等のエーテル類等を挙げることができる。尚、これらの溶媒は一種単独で、又は二種以上を混合して用いても良い。
重合条件としては、反応温度は、通常、40〜150℃であり、50〜120℃であることが好ましい。また、反応時間は、通常、1〜48時間であり、1〜24時間であることが好ましい。
(重合体(A1)の物性値)
重合体(A1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算の質量平均分子量(以下、「Mw」とも記載する)は特に限定されるものではないが、1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることがより好ましく、1,000〜20,000であることが更に好ましい。Mwが1,000未満であると、第一のレジスト層の耐熱性が低下するおそれがある。一方、100,000超であると、アルカリ現像部の現像性が低下するおそれがある。
また、各重合体のMwと、各重合体のGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量(以下、「Mn」とも記載する)との比(Mw/Mn)は、通常、1〜5であり、1〜3であることが好ましい。
また、重合体(A1)には、各重合体(A1)の調製に用いられる単量体に由来する低分子量成分が含まれる場合がある。この低分子量成分の含有割合は、各重合体(A1)100質量%(固形分換算)に対して、0.1質量%以下であることが好ましく、0.07質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることが更に好ましい。低分子量成分の含有割合が0.1質量%以下であると、液浸露光時に接触した水等の液浸露光用液体への溶出物の量を少なくすることができる。また、保管時にレジスト内に異物ができたり、レジスト塗布時においても塗布ムラが発生したりすることが少なく、レジストパターン形成時における欠陥の発生を十分に抑制することができる。
尚、本明細書中、「低分子量成分」とは、Mwが500以下の成分をいい、具体的には、モノマー、ダイマー、トリマー、オリゴマーを挙げることができる。低分子量成分は、各種精製法により除去することができ、その残存量は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により計測することができる。
重合体(A1)の精製法の具体例としては、水洗、液々抽出等の化学的精製法や、これらの化学的精製法と限外ろ過、遠心分離等の物理的精製法との組合せ等を挙げることができる。
重合体(A1)は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないものであることが好ましい。上記の精製法により不純物を除去することにより、形成する第一のレジスト層の感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に改善することができる。
2−1−2.酸発生剤(B):
酸発生剤(B)は、放射線の照射により酸を発生する化合物である。第一の感放射線性樹脂組成物が酸発生剤(B)を含有することで、放射線の照射により発生した酸の作用によって、重合体中に存在する酸不安定基、具体的には繰り返し単位(1)が有する酸不安定基を解離させ(保護基を脱離させ)、その結果、露光部分がアルカリ現像液に易溶性となり、第一のレジストパターンを形成することができる。尚、酸発生剤(B)としては、下記一般式(6)で表される化合物(以下、「酸発生剤(1)」と記載する)を含むものが好ましい。
(1)酸発生剤(1):
酸発生剤(1)は、下記一般式(6)で表される化合物である。
Figure 2011053643
上記一般式(6)中、R11は、水素原子、フッ素原子、水酸基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、又は炭素数2〜11の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシカルボニル基を示す。また、R12は、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルカンスルホニル基を示す。2つのR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、フェニル基、又はナフチル基を示すか、或いは2つのR13が相互に結合して形成されるイオウカチオンを含む炭素数2〜10の2価の基を示す。但し、フェニル基、ナフチル基、及び炭素数2〜10の2価の基は置換基を有しても良い。kは、0〜2の整数を示す。rは、0〜8の整数を示し、0〜2の整数であることが好ましい。Xは、下記一般式(7−1)〜(7−4)で表されるアニオンを示す。
Figure 2011053643
上記一般式(7−1)及び(7−2)中、R14は、フッ素原子又は置換されていても良い炭素数1〜12の炭化水素基を示す。上記一般式(7−1)中、qは、1〜10の整数を示す。上記一般式(7−3)及び(7−4)中、複数のR15は、それぞれ独立に、フッ素原子で置換された炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基を示すか、或いは2つのR15が相互に結合して形成される、フッ素原子で置換された炭素数2〜10の2価の有機基を示す。但し、フッ素原子で置換された炭素数2〜10の2価の有機基はフッ素原子以外の置換基を有しても良い。
上記一般式(6)において、Xで示されるアニオンの好適例としては、トリフルオロメタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−ブタンスルホネートアニオン、パーフルオロ−n−オクタンスルホネートアニオン、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートアニオン、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1−ジフルオロエタンスルホネートアニオン、下記式(7a)〜(7g)で表されるアニオン等を挙げることができる。
Figure 2011053643
尚、酸発生剤(B)は、酸発生剤(1)を一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いても良い。
また、酸発生剤(B)は、酸発生剤(1)以外の感放射線性酸発生剤(以下、「酸発生剤(2)」とも記載する)を含むものであっても良い。
(2)酸発生剤(2):
酸発生剤(2)としては、例えば、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホン酸化合物等を挙げることができる。
酸発生剤(2)としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、シクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシル・メチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル・2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、パーフルオロ−n−オクタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネート等が好ましい。
尚、酸発生剤(B)は、酸発生剤(2)を一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いても良い。
第一の感放射線性樹脂組成物中、酸発生剤(B)の含有割合は、レジストとしての感度及び現像性を確保する観点から、重合体(A1)100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部であり、0.5〜10質量部であることが好ましい。酸発生剤(B)の含有割合が0.1質量部未満であると、感度及び現像性が低下する傾向がある。一方、20質量部超であると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンが得られ難くなる傾向にある。
また、酸発生剤(2)を使用する場合、その使用割合は、酸発生剤(1)及び(2)の合計100質量%に対して、通常、80質量%以下であり、60質量%以下であることが好ましい。
2−1−3.溶媒(C1):
溶媒(C1)は、非アルコール系溶媒に可溶な重合体(A1)を溶解する非アルコール系溶媒である。
溶媒(C1)の具体例としては、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、2−ヘプタノン、2−オクタノン等の直鎖状又は分岐状のケトン類;シクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、イソホロン等の環状のケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−sec−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−プロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸n−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸i−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸sec−ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸t−ブチル等の2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等の3−アルコキシプロピオン酸アルキル類の他、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、カプロン酸、カプリル酸、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等を挙げることができる。
これらの中でも、直鎖状又は分岐状のケトン類、環状のケトン類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、2−ヒドロキシプロピオン酸アルキル類、3−アルコキシプロピオン酸アルキル類、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
第一の感放射線性樹脂組成物は、溶媒(C1)を一種単独で、又は二種以上を組み合わせて含有していても良い。
溶媒(C1)の使用量は、第一の感放射線性樹脂組成物の全固形分濃度が、通常、1〜50質量%となる量であり、1〜25質量%となる量であることが好ましい。
2−1−4.酸拡散制御剤(D):
酸拡散制御剤(D)は、露光により酸発生剤(B)から生じる酸の第一のレジスト層中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する作用を有する成分である。このような酸拡散制御剤(D)を含有することにより、レジストとしての解像度が更に向上するとともに、露光から露光後の加熱処理までの引き置き時間(PED)の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れた組成物が得られる。
酸拡散制御剤(D)としては、例えば、アミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
(1)アミン化合物:
アミン化合物としては、アニリン又はその誘導体;
エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン等を挙げることができる。
(2)アミド基含有化合物:
アミド基含有化合物の好適例としては、N−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物の他、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等を挙げることができる。
(3)ウレア化合物:
ウレア化合物の好適例としては、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等を挙げることができる。
(4)含窒素複素環化合物:
含窒素複素環化合物の好適例としては、イミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチル−1H−イミダゾール等のイミダゾール類;ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、2−メチル−4−フェニルピリジン、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、4−ヒドロキシキノリン、8−オキシキノリン、アクリジン、2,2’:6’,2’’−ターピリジン等のピリジン類;ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等のピペラジン類の他、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、4−アセチルモルホリン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等を挙げることができる。
また、酸拡散制御剤(D)としては、露光することにより塩基を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。
(5)光崩壊性塩基:
光崩壊性塩基の一例として、露光することにより分解して塩基性を失うオニウム塩化合物を挙げることができる。このようなオニウム塩化合物としては、例えば、下記一般式(8)で表されるスルホニウム塩化合物や、下記一般式(9)で表されるヨードニウム塩化合物を挙げることができる。
Figure 2011053643
上記一般式(8)中のR16〜R18、及び上記一般式(9)中のR19及びR20は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシル基、水酸基、又はハロゲン原子を示す。また、上記一般式(8)及び(12)中、Zは、それぞれ独立に、OH、R21−COO、R21−SO (但し、R21は、アルキル基、アリール基、又はアルカリール基を示す)、又は下記式(10)で表されるサリチレートアニオンを示す。
Figure 2011053643
上記一般式(8)で表されるスルホニウム塩化合物、及び上記一般式(9)で表されるヨードニウム塩化合物の具体例として、トリフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、トリフェニルスルホニウムアセテート、トリフェニルスルホニウムサリチレート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムハイドロオキサイド、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムアセテート、ジフェニル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムサリチレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムハイドロオキサイド、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムアセテート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムサリチレート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムハイドロオキサイド、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムアセテート、4−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシフェニルヨードニウムサリチレート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム10−カンファースルホネート、ジフェニルヨードニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、4−t−ブトキシフェニル・ジフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート等を挙げることができる。尚、これらの酸拡散制御剤(D)は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いても良い。
第一の感放射線性樹脂組成物中、酸拡散制御剤(D)の含有割合は、重合体(A1)100質量部に対して、0.001〜15質量部であることが好ましく、0.01〜10質量部であることがより好ましく、0.05〜5質量部であることが更に好ましい。酸拡散制御剤(D)の含有割合が15質量部超であると、レジストとしての感度が低下する場合がある。一方、0.001質量部未満であると、プロセス条件によっては、レジストとしてのパターン形状や寸法忠実度が低下する場合がある。
2−1−5.他の添加剤:
第一の感放射線性樹脂組成物は、酸拡散制御剤(D)以外に、必要に応じて、脂環族添加剤、界面活性剤、増感剤等の各種添加剤を含有していても良い。
(1)脂環族添加剤:
脂環族添加剤は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を更に改善する作用を示す成分である。脂環族添加剤の具体例としては、1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル、1−アダマンタンカルボン酸t−ブトキシカルボニルメチル、1−アダマンタンカルボン酸α−ブチロラクトンエステル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブチル、1−アダマンタン酢酸t−ブトキシカルボニルメチル、1,3−アダマンタンジ酢酸ジ−t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(1−アダマンチルカルボニルオキシ)ヘキサン等のアダマンタン誘導体類;デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル、デオキシコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、デオキシコール酸3−オキソシクロヘキシル、デオキシコール酸テトラヒドロピラニル、デオキシコール酸メバロノラクトンエステル等のデオキシコール酸エステル類;リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル、リトコール酸2−シクロヘキシルオキシエチル、リトコール酸3−オキソシクロヘキシル、リトコール酸テトラヒドロピラニル、リトコール酸メバロノラクトンエステル等のリトコール酸エステル類;アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジn−ブチル、アジピン酸ジt−ブチル等のアルキルカルボン酸エステル類や、3−(2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等を挙げることができる。尚、これらの脂環族添加剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いても良い。
(2)界面活性剤:
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名で、KP341(信越化学工業社製)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックスF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業社製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子社製)等を挙げることができる。尚、これらの界面活性剤は、一種単独で、又は二種以上を混合して用いても良い。
(3)増感剤:
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを酸発生剤(B)に伝達し、それにより酸の生成量を増加させる作用を示すもので、第一の感放射線性樹脂組成物のみかけの感度を向上させる効果を有する。
増感剤としては、例えば、カルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等を挙げることができる。尚、これらの増感剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いても良い。
(4)その他の添加剤:
第一の感放射線性樹脂組成物は、前述した添加剤以外の添加剤(以下、「その他の添加剤」とも記載する)を含有しても良い。その他の添加剤としては、例えば、アルカリ可溶性重合体、酸解離性の保護基を有する低分子のアルカリ溶解性制御剤、ハレーション防止剤、保存安定化剤、消泡剤等を挙げることができる。また、染料或いは顔料を含有させることにより、露光部の潜像を可視化させて、露光時のハレーションの影響を緩和することができる。更に、接着助剤を含有させることにより、基板との接着性を改善させることができる。
第一の感放射線性樹脂組成物は、各構成成分を溶媒(C1)に溶解した後、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって塗工液として調製し、基板上に塗布することができる。
2−2.第二の感放射線性樹脂組成物:
第二のレジスト層を形成する際に用いられる第二の感放射線性樹脂組成物は、アルコール系溶媒に可溶な、酸の作用によりアルカリ可溶性となる重合体(A2)(以下、「重合体(A2)」とも記載する)、酸発生剤(B)、及び溶媒(C2)を含有する組成物である。
2−2−1.重合体(A2):
重合体(A2)としては、アルコール系溶媒に可溶であり、酸の作用によりアルカリ可溶性となるものであれば特に限定されないが、下記一般式(2)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(6)」とも記載する)と、前記繰り返し単位(1)と、を含む重合体であることが好ましい。
Figure 2011053643
上記一般式(2)中、Rは、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は炭素数2〜4のアルキル基を示し、Rは、単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示す。
上記一般式(2)において、Rで示される基としては、例えば、アルキレングリコール基、アルキレンエステル基等であっても良い。
上記一般式(2)において、Rで示される基の好適例としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基等のプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基、エチリデン基、1−プロピリデン基、2−プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基;1,3−シクロブチレン基等のシクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基等のシクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等のシクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等のシクロオクチレン基等の炭素数3〜10のシクロアルキレン基等の単環式炭化水素環基;1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基等のノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等のアダマンチレン基等の2〜4環式の炭素数4〜12の炭化水素環基等の架橋環式炭化水素環基等を挙げることができる。これらの中でも、2,5−ノルボルニレン基を含む炭化水素基、1,2−エチレン基、プロピレン基が好ましい。
また、Rで示される基が2価の脂環式炭化水素基を含む場合は、ビス(トリフルオロメチル)ヒドロキシメチル基と2価の脂肪族環状炭化水素基との間にスペーサーとして炭素数1〜4のアルキレン基を挿入することが好ましい。
(1)繰り返し単位(6):
繰り返し単位(6)を与える単量体の好適例としては、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−3−プロピル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ブチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−5−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸(1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシ−4−ペンチル)エステル、(メタ)アクリル酸2−((5−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプチル)エステル、(メタ)アクリル酸3−((8−(1’,1’,1’−トリフルオロ−2’−トリフルオロメチル−2’−ヒドロキシ)プロピル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデシル)エステル等を挙げることができる。尚、重合体(A2)は、繰り返し単位(6)を一種単独で含むものであっても、二種以上を含むものであっても良い。
(2)繰り返し単位(1):
繰り返し単位(1)としては、前述の重合体(A1)に含まれる繰り返し単位(1)と同様の繰り返し単位を用いることができる。
(3)他の繰り返し単位:
重合体(A2)は、繰り返し単位(6)及び繰り返し単位(1)以外にも、他の繰り返し単位を含むものであっても良い。他の繰り返し単位としては、前述の繰り返し単位(2)〜(5)等を用いることができる。
(重合体(A2)に含まれる各繰り返し単位の割合)
重合体(A2)に含まれる繰り返し単位(6)の割合は、重合体(A2)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、10〜90モル%であることが好ましく、20〜80モル%であることがより好ましい。繰り返し単位(6)の割合が20モル%未満であると、重合体(A2)のアルコール系溶媒への溶解性が低下するおそれがある。一方、90モル%超であると、アルカリ現像部の解像性が劣化するおそれがある。
重合体(A2)に含まれる繰り返し単位(1)の割合は、重合体(A2)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、10〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることが更に好ましい。繰り返し単位(1)の割合が10モル%未満であると、アルカリ現像部の解像性が劣化するおそれがある。一方、70モル%超であると、アルカリ現像部のパターンラフネスが劣化するおそれがある。
重合体(A2)に含まれる繰り返し単位(2)の割合は、重合体(A2)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、50モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることがより好ましく、35モル%以下であることが更に好ましい。繰り返し単位(2)の割合が50モル%超であると、アルコール系溶媒への溶解性が低下するおそれがある。
重合体(A2)に含まれる繰り返し単位(3)の割合は、重合体(A2)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、30モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましい。繰り返し単位(3)の割合が30モル%超であると、アルカリ現像部がアルカリ現像液により膨潤しやすくなったり、アルカリ現像液に対する溶解性が低下したりするおそれがある。
重合体(A2)に含まれる繰り返し単位(4)の割合は、重合体(A2)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、30モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましい。繰り返し単位(4)の割合が30モル%超であると、アルカリ現像部がアルカリ現像液により膨潤しやすくなったり、アルカリ現像液に対する溶解性が低下したりするおそれがある。
重合体(A2)に含まれる繰り返し単位(5)の割合は、重合体(A2)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、30モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましい。繰り返し単位(5)の割合が30モル%超であると、アルカリ現像部がアルカリ現像液により膨潤しやすくなったり、アルカリ現像液に対する溶解性が低下したりするおそれがある。
重合体(A2)に含まれる他の繰り返し単位の割合は、重合体(A2)に含まれる繰り返し単位の合計100モル%に対して、50モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることがより好ましい。
(重合体(A2)の調製方法)
重合体(A2)は、前述の重合体(A1)と同様にして調製することができる。
(重合体(A2)の物性値)
重合体(A2)のMwは特に制限されないが、1,000〜100,000であることが好ましく、1,000〜30,000であることがより好ましく、1,000〜20,000であることが更に好ましい。重合体(A2)のMwが1,000未満であると、第二のレジスト層を形成した場合に、その耐熱性が低下するおそれがある。一方、100,000超であると、アルカリ現像部の現像性が低下するおそれがある。また、重合体(A2)のMwとMnとの比(Mw/Mn)は、通常、1〜5であり、1〜3であることが好ましい。
また、重合体(A2)においても、調製する際に用いられる単量体に由来する低分子量成分が含まれる場合がある。低分子量成分の含有割合は、重合体(A2)100質量%(固形分換算)に対して、0.1質量%以下であることが好ましく、0.07質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以下であることが更に好ましい。低分子量成分の含有割合が0.1質量%以下である場合、液浸露光時に接触する水等の液浸露光用液体への溶出物の量を少なくすることができる。更に、保管時にレジスト内部に異物ができたり、レジスト塗布時においても塗布ムラが発生したりすることが少なく、レジストパターン形成時における欠陥の発生を十分に抑制することができる。
また、重合体(A2)は、ハロゲン、金属等の不純物が少ないものであることが好ましい。このように不純物を少なくすることにより、第二のレジスト層の感度、解像度、プロセス安定性、パターン形状等を更に改善することができる。
重合体(A2)の精製法としては、前述の重合体(A1)と同様の精製法を挙げることができる。
2−2−2.酸発生剤(B):
第二の感放射線性樹脂組成物は、酸発生剤(B)を含有するものである。酸発生剤(B)としては、前述の第一の感放射線性樹脂組成物における酸発生剤(B)と同様の説明をすることができる。尚、第一の感放射線性樹脂組成物に含有される酸発生剤(B)と、第二の感放射線性樹脂組成物に含有される酸発生剤(B)は、同一であっても良く、異なっていても良い。
2−2−3.溶媒(C2):
溶媒(C2)は、重合体(A2)を溶解しうるアルコール系溶媒であり、前述の重合体(A1)及びこの重合体(A1)から形成される第一のレジストパターンを溶解しない溶媒である。また、溶媒(C2)としては、アルコールのみが含有される溶媒の他、アルコール以外の溶媒が微量に含まれるものであってもよい。
溶媒(C2)に含まれるアルコールは、炭素数1〜15の直鎖状又は分岐状のアルコールである。このようなアルコールの具体例としては、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、2−メチル−2−ヘプタノール、2−メチル−3−ヘプタノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、3,7−ジメチル−1−オクタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール等を挙げることができる。
また、溶媒(C2)は、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルコール、及び炭素数5〜15の直鎖状又は分岐状のアルコールの少なくとも一方であることが好ましい。炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルコールの好適例としては、1−プロパノール、2−プロパノール等を挙げることができる。また、炭素数5〜15の直鎖状又は分岐状のアルコールの好適例としては、1−ブトキシ−2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等を挙げることができる。溶媒(C2)が、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルコール、及び炭素数5〜15の直鎖状又は分岐状のアルコールの少なくとも一方であることにより、レジストパターンの線幅変動を更に小さくすることができる。なお、これらのアルコールは、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
アルコール系溶媒の含水率は10質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることが更に好ましい。アルコール系溶媒の含水率が10質量%超であると、重合体の溶解性が低下する傾向にある。尚、アルコール系溶媒は、アルコールを含む非水系溶媒(実質的に水を含まない無水アルコール系溶媒)であることが特に好ましい。
溶媒(C2)の使用量は、第二の感放射線性樹脂組成物の全固形分濃度が、通常、1〜50質量%となる量であり、1〜25質量%となる量であることが好ましい。
2−2−4.酸拡散制御剤(D):
第二の感放射線性樹脂組成物は、酸拡散制御剤(D)を更に含有することができる。酸拡散制御剤(D)としては、前述の第一の感放射線性樹脂組成物における酸拡散制御剤(D)と同様の説明をすることができる。尚、第一の感放射線性樹脂組成物に含有される酸拡散制御剤(D)と、第二の感放射線性樹脂組成物に含有される酸拡散制御剤(D)は、同一であっても良く、異なっていても良い。
2−2−5.他の添加剤:
第二の感放射線性樹脂組成物は、酸拡散制御剤(D)以外に、他の添加剤を更に含有しても良い。尚、この添加剤としては、前述の第一の感放射線性樹脂組成物における各種の添加剤と同様の添加剤を用いることができる。
第二の感放射線性樹脂組成物は、各構成成分を溶媒(C2)に溶解した後、例えば、孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって塗工液として調製し、第一のレジストパターン上に塗布することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]:
東ソー社製GPCカラム(以下、商品名で「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0mL/min、溶出溶媒:テトラヒドロフラン(THF)、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
[DPパターン]:
基板Cを、走査型電子顕微鏡(商品名「S−9380」、日立計測器社製)を用いて観察し、第一のレジストパターンが損失していると共にスペース部底部に不溶物がある場合を「不良」と評価し、第一のレジストパターンが損失している場合又はスペース部底部に不溶物がある場合を「可」と評価し、トップロス及びスカムがなく第一のレジストパターンと第二のレジストパターンの両方のパターンが形成されている場合を「良好」と評価した。尚、実施例23〜25については、トップロス及びスカムがなく、第一のレジストパターンと直交するように第二のレジストパターンが形成され、48nm×48nmのコンタクトホールパターンが形成されている場合を「良好」と評価した。
[線幅変動]:
基板Cのレジストパターンの線幅変動を、走査型電子顕微鏡(商品名「S−9380」、日立計測器社製)を使用して観察し、線幅変動が4nm未満のものを「優良」、4nm以上8nm未満のものを「良好」、8nm以上12nm未満のものを「可」、12nm以上のものを「不良」と評価した。
<第一の感放射線性樹脂組成物の調製>
(実施例1)
重合体(A1)として下記式(A1−1)で表される重合体(A1−1)100質量部、酸発生剤(B)として酸発生剤(B−1)(トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート)7.5質量部、溶媒(C1)として溶媒(C−1)(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)1287質量部及び溶媒(C−2)(シクロヘキサノン)551質量部、並びに酸拡散制御剤(D)として酸拡散制御剤(D−1)(N−t−ブトキシカルボニルピロリジン)0.94質量部を混合して均一溶液とした。その後、孔径200nmのメンブランフィルターを用いてろ過することにより、第一の感放射線性樹脂組成物からなる塗工液(1)を調製した。尚、重合体(A1−1)のMwは11,000であり、総固形分濃度は約7質量%であった。
Figure 2011053643
(実施例2〜6)
下記表1に記載した配合処方としたこと以外は、実施例1と同様にして塗工液(2)〜(6)を調製した。尚、各重合体(A1)のMwを下記表1に併せて記載する。
Figure 2011053643
上記表1中、重合体(A1−2)〜(A1−6)は、それぞれ下記式(A1−2)〜(A1−6)で表される重合体である。
Figure 2011053643
上記表1中、酸発生剤(B−1)、溶媒(C−1)、溶媒(C−2)、及び酸拡散制御剤(D−1)は、下記に示す化合物である。
酸発生剤(B−1):トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
溶媒(C−1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶媒(C−2):シクロヘキサノン
酸拡散制御剤(D−1):N−t−ブトキシカルボニルピロリジン
<第二の感放射線性樹脂組成物の調製>
(実施例7)
重合体(A2)として下記式(A2−1)で表される重合体(A2−1)100質量部、酸発生剤(B)として酸発生剤(B−1)(トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート)7.0質量部、溶媒(C2)として、溶媒(C−1)184質量部、及び溶媒(C−3)(4−メチル−2−ペンタノール)1654質量部、並びに酸拡散制御剤(D)として下記式(D−2)で表される酸拡散制御剤(D−2)(トリフェニルスルホニウムサリチレート)2.64質量部を混合して均一溶液とした。その後、孔径200nmのメンブランフィルターを用いてろ過することにより、第二の感放射線性樹脂組成物からなる塗工液(7)を調製した。尚、重合体(A2−1)のMwは5,500であり、総固形分濃度は約6.5質量%であった。
Figure 2011053643
(実施例8〜13)
下記表2に記載した配合処方としたこと以外は、実施例7と同様にして塗工液(8)〜(13)を調製した。尚、各重合体(A2)のMwを下記表2に併せて記載する。
Figure 2011053643
上記表2中、重合体(A2−2)〜(A2−6)は、下記式(A2−2)〜(A2−6)で表される重合体である。
Figure 2011053643
上記表2中、溶媒(C−3)〜(C−6)は、下記に示す化合物である。尚、溶媒(C−1)は実施例1で用いた溶媒(C−1)と同じく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
溶媒(C−3):4−メチル−2−ペンタノール
溶媒(C−4):1−ブトキシ−2−プロパノール
溶媒(C−5):1−ブタノール
溶媒(C−6):イソブタノール
<レジストパターンの形成>
(実施例14)
〔工程(1)〕
12インチシリコンウェハ上に、下層反射防止膜(商品名「ARC29A」、ブルワーサイエンス社製)を、商品名「CLEAN TRACK LITHIUS Pro−i」(東京エレクトロン社製)を使用してスピンコートした後、PB(120℃、60秒)を行うことにより膜厚77nmの塗膜を形成した。商品名「CLEAN TRACK ACT12」(東京エレクトロン社製)を使用して実施例3で調製した塗工液(3)(第一の感放射線性樹脂組成物)をスピンコートし、PB(120℃、60秒)した後、冷却(23℃、30秒)することにより膜厚90nmの第一のレジスト層を形成した。
次いで、ArF液浸露光装置(商品名「NSR−S610C」、NIKON社製)を使用し、NA:1.30、Dipoleの光学条件にて、マスクを介して露光した。前記商品名「CLEAN TRACK Lithius Pro−i」のホットプレート上でPEB(115℃、60秒)をし、冷却(23℃、30秒)した後、現像カップのGPノズルにて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(10秒間)し、超純水でリンスした。2000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、40nmライン/120nmピッチの第一のレジストパターンが形成された基板Aを得た。
〔工程(i)〕
得られた基板Aの第一のレジストパターンに対して、Xeランプで60秒間UV照射することにより基板Bを得た。
〔工程(2)〕
基板Bに、実施例8で調製した塗工液(8)(第二の感放射線性樹脂組成物)を前記商品名「CLEAN TRACK ACT12」を使用してスピンコートし、PB(100℃、60秒)した後、冷却(23℃、30秒)して、膜厚90nmの第二のレジスト層を形成した。前記ArF液浸露光装置(商品名「NSR−S610C」、NIKON社製)を使用し、NA:1.30、Dipoleの光学条件にて、マスクを介して第一のレジストパターンのスペース部分を露光した。前記商品名「CLEAN TRACK Lithius Pro−i」のホットプレート上でPEB(95℃、60秒)をし、冷却(23℃、30秒)した後、現像カップのGPノズルにて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液としてパドル現像(30秒間)し、超純水でリンスした。2000rpmで15秒間振り切りにてスピンドライすることにより、40nmライン/120nmピッチの第二のレジストパターンが形成された評価用の基板Cを得た。基板CのDPパターンの評価は「良好」であり、線幅変動の評価は「良好」であった。これらの評価結果を下記表3に示す。
(実施例15〜26)
下記表3に記載した工程(1)及び工程(2)のそれぞれにおける塗工液の種類及び各条件、並びに、工程(i)におけるUV照射の代わりに、商品名「CLEAN TRACK ACT12」のホットプレート上でPDB(180℃、60秒)を行うことによって基板Bを得たこと以外は実施例14と同様にして評価用の各基板Cを得た。但し、実施例23〜25については、下記表3に記載した条件に加え、仕上がりレジストパターン寸法が48nmライン/96nmピッチ(48nm1L/1S)のマスクサイズのマスクを介して露光した第一のレジストパターンと直交するように、仕上がりレジストパターン寸法が48nmライン/96nmピッチ(48nm1L/1S)のマスクサイズのマスクを介して露光したこと以外は実施例14と同様にして評価用の各基板Cを得た。尚、得られた各基板Cの評価結果を併せて下記表3に記載する。
(比較例1〜3)
下記表3に記載した工程(1)及び工程(2)のそれぞれにおける塗工液の種類及び各条件、並びに、工程(i)におけるUV照射の代わりに、商品名「CLEAN TRACK ACT12」のホットプレート上でPDB(180℃、60秒)を行うことによって基板Bを得たこと以外は実施例14と同様にして評価用の各基板Cを得た。尚、得られた各基板Cの評価結果を併せて下記表3に記載する。
Figure 2011053643
表3から明らかなように、本発明のレジストパターン形成方法によれば、DPパターンが良好であり、線幅変動が小さいレジストパターンを形成することができた。また、溶媒(C2)として、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルコール、及び炭素数5〜15の直鎖状又は分岐状のアルコールの少なくとも一方を用いた実施例14〜25では、DPパターンがより良好であり、線幅変動がより小さいレジストパターンを形成することができた。
本発明のレジストパターン形成方法によれば、波長限界を超える微細レジストパターンを良好且つ経済的に形成することができる。
1:基板、2:第一のレジスト層、3:液浸露光用液体、4:マスク、5,35:アルカリ現像部、6:レンズ、12,22:第一のレジストパターン、12a,22a:第一のレジストパターンのライン部分、12b,22b:第一のレジストパターンのスペース部分、15:コンタクトホールパターン、32:第二のレジスト層、42:第二のレジストパターン、42a:第二のレジストパターンのライン部分、42b:第二のレジストパターンのスペース部分、E:光学系、L:放射線(光)。

Claims (8)

  1. 重合体(A1)及び前記重合体(A1)が可溶な溶媒(C1)を含有する第一の感放射線性樹脂組成物を用いて、第一のレジストパターンを基板上に形成する工程(1)と、
    前記第一のレジストパターンが形成された前記基板上に、重合体(A2)及び前記重合体(A2)が可溶なアルコール系溶媒(C2)を含有する第二の感放射線性樹脂組成物を用いて、第二のレジストパターンを形成する工程(2)と、を含み、かつ、
    前記重合体(A1)及び前記第一のレジストパターンが、前記アルコール系溶媒(C2)に不溶であるレジストパターン形成方法。
  2. 前記工程(1)と前記工程(2)の間に、前記第一のレジストパターンを加熱又は光照射する工程(i)を更に含む請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
  3. 前記溶媒(C1)が、炭化水素系溶媒及びエーテル系溶媒の少なくとも一方である請求項1又は2に記載のレジストパターン形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法において第一の感放射線性樹脂組成物として使用され、
    重合体(A1)、並びに炭素数3〜20の直鎖状、分岐状、又は環状の、炭化水素及びエーテルの少なくとも一方を含む溶媒(C1)を含有する感放射線性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法において第二の感放射線性樹脂組成物として使用され、
    前記重合体(A2)、及び前記重合体(A2)が可溶な炭素数1〜15の直鎖状又は分岐状のアルコールを含む溶媒(C2)を含有する感放射線性樹脂組成物。
  6. 前記溶媒(C2)が、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐状のアルコール、及び炭素数5〜15の直鎖状又は分岐状のアルコールの少なくとも一方である請求項5に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. 前記重合体(A1)が、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含む重合体である請求項4に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011053643
    (上記一般式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又はトリフルオロメチル基を示す。3つのRは、それぞれ独立に、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基を示すか、或いはいずれか2つのRが相互に結合して形成される炭素数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又はその誘導体を示し、残りの1つのRが炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数4〜20の1価の脂環式炭化水素基若しくはその誘導体を示す。)
  8. 前記重合体(A2)が、下記一般式(2)で表される繰り返し単位を含む重合体である請求項5に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011053643
    (上記一般式(2)中、Rは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又は炭素数2〜4のアルキル基を示し、Rは単結合、メチレン基、炭素数2〜6の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基、又は炭素数4〜12の脂環式のアルキレン基を示す。)
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