JP2011163938A - ロードシミュレータ - Google Patents

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【課題】高速、高精度で制御することができ、且つ、小型で省スペースのロードシミュレータを提供する。
【解決手段】ロードシミュレータ10は、車12が載置される移動体18と、移動体18を上下に振動させるアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御装置60と、アクチュエータの変位目標波形を生成して制御装置60に出力する波形生成装置50とを備える。アクチュエータは、磁気浮上式のリニアモータであり、移動体18に取り付けられ、移動体18とともに上下に移動可能な磁石板36と、磁石板36に近接して設けられ、通電されることによって磁石板を磁気浮上させるパネル32内のコイルと、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明はロードシミュレータに係り、特に凹凸のある路面の走行状態を擬似するロードシミュレータに関する。
ロードシミュレータは、車の車輪が載置される載置台を上下に振動させることによって路面の凹凸を再現する装置であり、振動に対する性能評価や耐久テストなどに広く利用されている。この種のロードシミュレータは、載置台と、載置台を上下に振動させるアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御部とで構成されている(たとえば特許文献1参照)。アクチュエータは一般に油圧シリンダが用いられ、この油圧シリンダへの流量が油圧サーボ弁で調節される。
特開2007-147394号公報
しかしながら、油圧式のアクチュエータは、大きな加速度を確保しようとした際に、装置が大型化したり複雑化したりするという問題があった。すなわち、大きな加速度を確保するためには、瞬時加速度で車輪を持ち上げられるような加振力を出せるシリンダの断面積が必要になったり、最大速度を満足する油圧流量を流せるサーボ弁や、最大速度で使えるシリンダのシール機構が必要になったり、さらには最大流量を満たす油圧源とアキュムレータが必要になったりする。このため、従来のロードシミュレータは、装置が大型化したり複雑化したりするという問題があった。
別方式のアクチュエータとして、モータ及びボールネジ機構を用いる電気式のアクチュエータが考えられる。すなわち、モータの回転力をボールネジ機構によって垂直方向に変換し、移動体を上下に振動させる方式が考えられる。しかし、この方式の場合は、モータの最高速度とボールネジのリードピッチとの関係から速度範囲に制約があり、高速・高精度での制御が困難であるという問題があった。また、ボールネジ機構を用いているため、磨耗や耐久性の面で難があるという問題もあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、高速・高精度で制御することができ、且つ、小型で省スペースのロードシミュレータを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、車が載置される移動体と、前記移動体を上下に振動させるアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御部と、前記アクチュエータの変位目標波形を生成して前記制御部に出力する波形生成部とを備えたロードシミュレータであって、前記アクチュエータは、磁気浮上式のリニアモータであり、前記移動体に取り付けられ、該移動体とともに上下に移動可能な磁石と、前記磁石に近接して設けられ、通電されることによって前記磁石を磁気浮上させるコイルと、を備えることを特徴とするロードシミュレータを提供する。
本発明によれば、磁気浮上式のリニアモータによって移動体を上下に振動させる。この方式のアクチュエータは、他の方式のアクチュエータに比べて高速且つ正確な制御が可能である。また、本発明は、移動体を浮上支持して移動させるので、摺動部分や磨耗部分がなく、メンテナンス性に優れている。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記コイルは、上下に並べて複数配設され、前記磁石は、前記複数のコイルに対向して配設され、前記制御部は、前記複数のコイルを同期して制御することを特徴とする。本発明によれば、複数のコイルが上下に並べて配設され、且つ、制御部によって同期制御されるので、磁石には、複数のコイルによるローレンツ力が同時に働く。したがって、移動体を大きな加速度で移動させることができる。
請求項3に記載の発明は請求項1または2の発明において、前記移動体が複数設けられるとともに、該複数の移動体のそれぞれにアクチュエータが取り付けられることを特徴とする。本発明は、複数系統(多軸)のロードシミュレータに適しており、複数系統の移動体を高速且つ高精度で制御することができる。
請求項4に記載の発明は請求項1〜3のいずれか1の発明において、前記波形生成部は、前記移動体を下降させる際に自由落下以下の加速度の範囲で出力し、前記移動体を上昇させる際に前記リニアモータの連続定格出力を超える範囲まで出力するように、波形を生成することを特徴とする。本発明の発明者は、ロードシミュレータは移動体を上昇させる際にのみ大きな加速度を付与すればよいという着想に基づき、移動体を下降させる際は自由落下以下の加速度を付与するようにした。これにより、移動体を上昇させる際に連続定格出力を超えるような出力を与えても、移動体を下降させる際には出力が小さくなり、発熱を抑えることができるので、発熱による損傷を防止できる。このように連続定格出力を超えて出力することによって、連続定格出力以下で制御する場合に比べて、規格の小さいリニアモータを用いることができ、アクチュエータの小型化且つ省スペース化を図ることができる。
請求項5に記載の発明は請求項4において、前記波形生成部は、前記変位目標波形に応じて前記リニアモータの発熱を予測する発熱シミュレーション機能を有することを特徴とする。本発明によれば、発熱シミュレーション機能を有するので、リニアモータの発熱量を予測することができ、リニアモータの出力を発熱量によって管理することができる。したがって、連続定格出力を超えて出力する場合であっても、発熱異常が発生することを確実に防止できる。
請求項6に記載の発明は請求項1〜5のいずれか1において、前記移動体の下降速度を減少させるブレーキを備えることを特徴とする。本発明によれば、ブレーキが設けられているので、移動体の下降速度(落下速度)を減少させることができ、移動体の落下による衝突を抑制することができる。したがって、移動体を下降させる際の加速度を自由落下以下に確実に制御することができる。
請求項7に記載の発明は請求項1〜6のいずれか1の発明において、前記移動体の下降による衝突力を吸収する緩衝部材を備えることを特徴とする。本発明によれば、緩衝部材が設けられているので、移動体の落下による衝突を和らげることができ、安全性が向上する。
本発明によれば、磁気浮上式のリニアモータによって移動体を上下に振動させるので、他の方式に比べて高速且つ正確な制御が可能となり、また、摺動部分や磨耗部分がないので、メンテナンス性が向上する。
本実施の形態のロードシミュレータの概略構成を示す斜視図 図1の加振軸を示す斜視図 図2の加振軸の分解図 図1のロードシミュレータの制御系統を示すブロック図
以下、添付図面に従って、本発明に係るロードシミュレータの好ましい実施形態について説明する。図1は本実施の形態のロードシミュレータ10を示す斜視図である。また、図2は図1の加振軸16を示す斜視図であり、図3はその加振軸16の分解図である。
本実施の形態のロードシミュレータ10は、4つの加振軸16を備えた4軸構成であり、各加振軸16がそれぞれ別個に振動するようになっている。試験対象である車12は、その車輪14がそれぞれ加振軸16の上に載置され、各加振軸16を振動させることによって車12に所定の振動が付与される。なお、本実施の形態は4軸構成の例で説明するが、これに限定するものではなく、3軸以下や5軸以上の構成であってもよい。
加振軸16は、移動体18と支持枠26とを備えており、移動体18を支持枠26内で上下に移動させることによって、その上に載置された車輪14に振動が与えられる。支持枠26はテーブル20の上に搭載されており、テーブル20は左右位置調節機構22の上に支持されている。左右位置調節機構22はテーブル20の位置を車12の左右方向に調節する機構であり、左右方向に配置されたボールネジ22Bと、このボールネジ22を回動させるモータ22Aとを備える。テーブル20は、左右方向に配置されたガイドレール22Dにスライダ22Cを介してスライド自在に係合されるとともに、不図示の雌ねじ部を介してボールネジ22Bに係合される。これにより、モータ22Aを駆動することによってボールネジ22Bが回動し、テーブル20の位置が左右方向に調節される。
4つの加振軸16のうち後輪側の二つの加振軸16は、左右位置調節機構22の下側に、前後位置調節機構24を備えている。前後位置調節機構24は、テーブル20の位置を車12の前後方向に調節する機構であり、左右位置調節機構22と同様に構成される。すなわち、前後位置調節機構22は、前後方向に配置されたボールネジ24Bと、このボールネジ24を回動させるモータ24Aとを備える。前述の左右位置調節機構22は、前後方向に配置されたガイドレール24Dにスライダ24Cを介してスライド自在に係合されるとともに、不図示の雌ねじ部を介してボールネジ24Bに係合される。これにより、モータ24Aを駆動することによってボールネジ24Bが回動し、左右位置調節機構22の位置(すなわちテーブル20の位置)が前後方向に調節される。
このように各加振軸16には、左右位置調節機構22、または左右位置調節機構22と前後位置調節機構24が設けられているので、加振軸16の位置を自在に調節することができる。したがって、車12の種類に関わらず、加振軸16を車輪14の真下に確実に配置することができる。なお、本実施の形態では、車12の後輪側の加振軸16のみに前後位置調節機構24を設けたが、これに限定するものではなく、前輪側の加振軸16のみに前後位置調節機構24を設けたり、全ての加振軸16に前後位置調節機構24を設けたりしてもよい。
図2、図3に示すように、各テーブル20の上には支持枠26が固定されている。支持枠26は、垂直な四つ面を成すパーツを組み合わせることによって矩形の筒状に形成されており、鉛直に配置された状態でテーブル20の上に固定されている。
支持枠26の対向する二つの内面にはそれぞれ、ホルダ30が固定されている。各ホルダ30は中空の板状に形成され、ジャケット構造になっている。各ホルダ30には、冷媒の循環路(不図示)が接続されており、この循環路が冷却装置(不図示)に接続される。したがって、冷却装置を駆動することによって、冷却装置で冷却された冷媒がホルダ30に循環供給され、ホルダ30が冷却される。また、各ホルダ30は、内側の面に矩形状の凹部30Aが形成されており、この凹部30Aにパネル32が組み込まれる。パネル32は、後述の励磁コイル(不図示)を支持する部材であり、矩形状に形成され、上下に二つ並べて配置されている。なお、本実施の形態では、パネル32(すなわち、コイル)を上下に二つずつ並べて配置したが、三つ以上並べて配置してもよい。
パネル32同士の間には、移動体18が設けられる。移動体18は、板状に形成された二枚の磁石板36と、柱状に形成された二本のスペーサ38を備える。二枚の磁石板36は、垂直且つ平行に配置されており、二つのスペーサ38を挟んだ状態で固定されている。また、各磁石板36は、その高さがパネル32(すなわちコイル)二つ分よりも長くなっており、コイルによる磁界変化を十分に受けられるようになっている。
スペーサ38の外側面には、リニアエンコーダ28の被検出部28Bが取り付けられている。リニアエンコーダ28は、検出部28Aと被検出部28Bとから成り、検出部28Aは、被検出部28Bに対向するように配置され、支持枠26に固定されている。したがって、移動体18が上下した際に、その移動量をリニアエンコーダ28で検出することができる。
また、スペーサ38には、鉛直方向に配置されたリニアガイド40が固定されている。一方、前述のパネル32には、リニアガイド40に対向するようにして電磁ブレーキ46が取り付けられている。この電磁ブレーキ46にリニアガイド40がガイドされることによって、移動体18の動きが上下方向に規制される。また、移動体18が下降する際に電磁ブレーキ46が電磁ブレーキとして作用するようになっている。なお、ブレーキ時にエネルギーを回収する回生ブレーキとしてもよい。
移動体18の上部にはパレット42が固定されている。パレット42は、タイヤホルダ44を備えており、このタイヤホルダ44に車輪14が保持される。なお、タイヤホルダ44の構成は特に限定するものではなく、たとえば車輪14の前後方向の移動を規制する二つのバーを備えるものを好適に用いることができる。
移動体18の下方には、アブソーバ48が設けられている。アブソーバ48は、テーブル20上に固定されており、移動体18が落下した際にその衝撃を吸収できるようになっている。なお、アブソーバ48の構成は特に限定するものではなく、油圧式、空圧式などを適宜選択して使用することができる。
ところで、移動体18を上下に振動させるアクチュエータは、パネル32内のコイルと磁石板36とで構成されるリニアモータであり、コイルにUVW相の電流を通電することによって、両者の間にローレンツ力が働き、磁石板36すなわち移動体18を昇降させることができる。
図4はアクチュエータの制御系を示すブロック図である。同図に示すように、アクチュエータの制御系は主として、加振波形生成装置50と制御装置60とで構成される。
加振波形生成装置50は、加振用の波形を生成して制御装置60に出力する手段であり、予め入力された実路走行加速度データ54に基づいて波形を生成する加速波形生成部51を備える。加速波形生成部51では、実路走行加速度データ54をFFT解析して得られたパワースペクトラム(PSD)に車輪14とアクチュエータの周波数伝達特性の逆関数を掛けてアクチュエータを加振するPSDを得る。そして目標のPSDから逆FFT演算を行って加振アクチュエータの時系列の変位指令波形を得て、これを指令目標波形とする。なお、実路走行加速度データ54は、あるサンプリングクロックに同期して取得した4個の加速度データである。
また、加振波形生成装置50は、リニアモータの発熱を予測する発熱シミュレーション演算部52を備える。発熱シミュレーションは、リニアモータと冷却装置のシミュレーションモデルに基づいて実行され、シミュレーションモデルは、モータ駆動電流による発熱や温度上昇と、水冷による熱交換とで、モータ内部の温度を推定する。このような発熱シミュレーションを実行することによって、アクチュエータの駆動前であっても、加振波形生成装置50で得られた時系列の変位データから事前のチェックを行うことができる。
また、発熱シミュレーション演算部52は、シミュレーション結果と実測値との比較によって、シミュレーションモデルを改良する機能を備える。したがって、試験を繰り返すことによってモデルの精度を高めることができる。
発熱シミュレーション演算部52で実行した発熱シミュレーションの結果は制御装置60に出力される。これにより、制御装置60において発熱シミュレーションの結果を利用することができる。制御装置60は、発熱シミュレーションの結果を利用することで、連続定格出力を超えた範囲まで出力値として使用できる。すなわち、連続定格出力を超えた範囲まで出力値として使用した場合であっても、発熱による損傷が発生しないように制御することができる。
制御装置60は、一台の上位コントローラ61と、複数台のモータコントローラ62(一台のみ図示)とで構成される。上位コントローラは61、移動指令信号発生部63、電流監視制御部64、信号送受信部65を備えており、前述の加振波形生成部51からの信号が移動指令信号発生部63と電流監視制御部64に入力される。移動指令信号発生部63は、加振波形生成部51で生成された波形に基づいて移動指令信号を出力する手段であり、全てのモータコントローラ62に同じタイミングで移動指令信号を出力し、特に同じ系統(1軸)のモータコントローラ62に同じタイミングで同じ指令値を出力している。
電流監視制御部64は、全台数のモータ状況を監視する手段であり、運転中の各モータの時々刻々の電流値をモニターし、単位時間の積分値から瞬時最大電流の制約を超えないかを監視する。その際、連続定格出力を超える値に対しては、発熱シミュレータによる発熱量監視を行う。すなわち、発熱シミュレータの結果に基づいて、モータ内の温度が上昇して絶縁低下によるコイル損傷を生じる発熱量(出力値と時間)を求め、その発熱量にならないように出力値と時間を制御する。
移動指令信号発生部63と電流監視制御部64は、信号送信部65に接続されており、この信号送信部65を介してモータコントローラ62の信号送信部66に各データが高速通信される。
モータコントローラ62はリニアモータ1台を制御する手段であり、リニアモータ毎に設けられている。このモータコントローラ62は、リニアモータを指令目標値に従って運転するのに必要十分な制御機能と、監視機能と、安全のためのインターロック機能を備えており、具体的には、信号送信部66とモータ制御部67で構成される。
モータ制御部67は、リニアモータを制御する手段であり、上位コントローラ61から信号送信部66を介して位置指令信号、電流指令信号が入力されると、それらの信号に基づいてリニアモータを制御し、同時に、位置フィードバック信号、位置偏差信号、速度偏差信号、監視パラメータを信号送信部66により上位コントローラに出力する。
上記の如く構成された制御装置60は、出力が指令目標値になるように変位量または推力(電流)の制御を行う。また、制御装置60は、移動体18を下降させる際に自由落下以下の加速度を付与し、移動体18を上昇させる際には連続定格出力を超える範囲まで出力を行うように制御する。さらに、制御装置60は、連続定格出力を超えた出力を瞬間的に発揮する場合に、発熱シミュレータによる発熱量監視を行うように設定される。ここで「連続定格出力」とは、その値以下であれば運転時間に制約無く連続して使用できる値であり、通常はこの連続定格出力以下になるように出力制御が行われている。なお、連続定格出力に対して「瞬時最大出力」とは、瞬間的にその値までは出せるが、使える時間に制約があるという値であり、本実施の形態でも当然、瞬時最大出力以下に制御される。
次に上記の如く構成されたロードシミュレータ10の作用について説明する。
本実施の形態のロードシミュレータ10は、車を上方向に振動させる際のみ、大きな瞬時初期加速度が必要になる特殊な加振装置である。すなわち、高速走行を模擬した場合、路面の凸部に車輪14が衝突するとその初期衝撃は非常に大きくなり、さらに同じ形状の凸部であっても初期加速度(衝撃)が大きいほどその持続時間が短くなる。したがって、車12を上方向に振動させる際の瞬時初期加速度は大きく設定する必要がある。一方で、路面の凹に車輪14が落下する状況では、車輪14はタイヤのゴムの復元力とサスペンションのバネ力によって素早く路面に接地しようとするが、サスペンションに支えられる車体そのものは自由落下の1G以上の加速度にならず、車体重量の1G以上の加速度はタイヤ、サスペンション系のバネマス系で消費される。したがって、車12を下方向に振動させる際の瞬時加速度は大きくする必要がない。このように、ロードシミュレータ10は、車12を上方向に振動させる際のみに大きな瞬時初期加速度が必要になる。このような特殊な加振装置において、従来のように、油圧式アクチュエータや電気式アクチュエータ(モータとボールネジ)を用いると、上方に振動させる場合に合わせて設計するため、装置が大型化、複雑化するという問題が発生する。
これに対して本実施の形態は、アクチュエータとして、コイル及び磁石板36から成るリニアモータを用いているので、瞬間的に大きな出力を得ることができ、油圧式アクチュエータや他の電気式アクチュエータに比べて、高速且つ高精度で制御することが可能である。また、磁気浮上式のリニアモータを用いているので、摺動部や磨耗部がなく、メンテナンス性に優れている。特に、本実施の形態では磁石板36を移動側に配置し、コイル(パネル32)を固定側に配置しているので、コイルのケーブルや冷却装置を固定側の部材に容易に接続することができ、コイルを移動側に配置したときのような装置の複雑化を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、移動体18を下降させる際は自由落下以下の加速度を付与し、移動体18を上昇させる際のみに連続定格出力を超える範囲まで出力しているので、結果として、規格の小さいリニアモータに使用することができ、装置の小型化及び省スペース化を図ることができる。さらに、本実施の形態によれば、発熱シミュレーションによって発熱量監視を行うので、連続定格出力を超える範囲まで出力値として使用した場合であっても、過熱による損傷を確実に防止することができる。
また、本実施の形態は、発熱シミュレーションを行うことによって、加速波形生成装置で生成された加振位置指令を使ってモータの付加・発熱量を事前にチェックすることができる。これにより、指令波形による運転でも許容される瞬時推力か否かの事前確認を行うことができる。
10 ロードシミュレータ
12 車
14 車輪
18 移動体
20 テーブル
32 パネル
36 磁石板
42 パレット
50 加振波形生成装置
60 制御装置

Claims (7)

  1. 車が載置される移動体と、前記移動体を上下に振動させるアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御部と、前記アクチュエータの変位目標波形を生成して前記制御部に出力する波形生成部とを備えたロードシミュレータであって、
    前記アクチュエータは、磁気浮上式のリニアモータであり、
    前記移動体に取り付けられ、該移動体とともに上下に移動可能な磁石と、
    前記磁石に近接して設けられ、通電されることによって前記磁石を磁気浮上させるコイルと、
    を備えることを特徴とするロードシミュレータ。
  2. 前記コイルは、上下に並べて複数配設され、
    前記磁石は、前記複数のコイルに対向して配設され、
    前記制御部は、前記複数のコイルを同期して制御することを特徴とする請求項1に記載のロードシミュレータ。
  3. 前記移動体が複数設けられるとともに、該複数の移動体のそれぞれにアクチュエータが取り付けられることを特徴とする請求項1または2に記載のロードシミュレータ。
  4. 前記波形生成部は、前記移動体を下降させる際に自由落下以下の加速度の範囲で出力し、前記移動体を上昇させる際に前記リニアモータの連続定格出力を超える範囲まで出力するように、波形を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のロードシミュレータ。
  5. 前記波形生成部は、前記変位目標波形に応じて前記リニアモータの発熱を予測する発熱シミュレーション機能を有することを特徴とする請求項4に記載のロードシミュレータ。
  6. 前記移動体の下降速度を減少させるブレーキを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のロードシミュレータ。
  7. 前記移動体の下降による衝突力を吸収する緩衝部材を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のロードシミュレータ。
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