JP2011163527A - ワンウェイクラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワンウェイクラッチのローラの潤滑状態を適切にコントロールすることでスムーズな係合および係合解除を可能にする。
【解決手段】 噛み合い開始位置にあるローラ42が接触するインナー部材41に溝70cを形成したので、ローラ42がアウター部材43の内周面とインナー部材41の外周面との間に噛み込むときの接触面積を溝70cの分だけ減少させて接触面圧を高め、接触面の油膜を切ってローラ42のスムーズな噛み込みを可能にすることができる。しかもローラ42の軸方向の溝幅がローラ42の噛み込み方向に向かって減少するので、ローラ42が強く噛み込んでスリップする虞がなくなる位置では溝幅が減少して接触面積が増加するため、接触面圧の過剰な増加を防止して耐久性を確保することができる。またワンウェイクラッチが係合解除する際にローラ42が回転すると、溝70cに溜まった潤滑油によりローラ42の周面が潤滑されるので、ローラ42の引っ掛かりを防止してスムーズな係合解除を可能にすることができる。
【選択図】 図22

Description

本発明は、アウター部材の内周面とインナー部材の外周面との間に形成される環状の空間に配置した複数のローラをスプリングで円周方向一方に付勢し、前記アウター部材および前記インナー部材の所定の方向への相対回転により前記ローラを前記アウター部材の内周面と前記インナー部材の外周面との間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチに関する。
かかるワンウェイクラッチにおいて、アウター部材およびインナー部材間の空間に配置された複数のローラに潤滑油を供給すべく、アウター部材あるいはインナー部材とエンドベアリングとが相対回転する対向面に開口する螺旋潤滑油溝を設け、その螺旋潤滑油溝のポンプ作用でワンウェイクラッチの内部に潤滑油を導くものが、下記特許文献1により公知である。
特許第3761596号公報
ところで、ワンウェイクラッチの耐久性を確保する上で、アウター部材およびインナー部材とローラとの接触面に潤滑油を供給することは必須であるが、ローラがアウター部材の内周面とインナー部材の外周面とに噛み込んでワンウェイクラッチが係合する瞬間に前記接触面に存在する潤滑油の量が過剰であると、ローラがスリップしてスムーズな係合が困難になる可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ワンウェイクラッチのローラの潤滑状態を適切にコントロールすることでスムーズな係合および係合解除を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、アウター部材の内周面とインナー部材の外周面との間に形成される環状の空間に配置した複数のローラをスプリングで円周方向一方に付勢し、前記アウター部材および前記インナー部材の所定の方向への相対回転により前記ローラを前記アウター部材の内周面と前記インナー部材の外周面との間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチにおいて、噛み合い開始位置にある前記ローラが接触する前記アウター部材および前記インナー部材の少なくとも一方に、前記ローラの噛み込み方向に向かって該ローラの軸方向の幅が減少する溝を形成したことを特徴とするワンウェイクラッチが提案される。
尚、実施の形態の第1スプリング59は本発明のスプリングに対応する。
請求項1の構成によれば、アウター部材の内周面とインナー部材の外周面との間に形成される環状の空間に配置した複数のローラをスプリングで円周方向一方に付勢したので、アウター部材およびインナー部材の所定の方向への相対回転により、ローラをアウター部材の内周面とインナー部材の外周面との間に噛み込ませて駆動力を伝達することができる。噛み合い開始位置にあるローラが接触するアウター部材またはインナー部材に溝を形成したので、ローラがアウター部材の内周面とインナー部材の外周面との間に噛み込むときの接触面積を溝の分だけ減少させて接触面圧を高め、接触面の油膜を切ってローラのスムーズな噛み込みを可能にすることができる。しかもローラの軸方向の溝幅がローラの噛み込み方向に向かって減少するので、ローラが強く噛み込んでスリップする虞がなくなる位置では溝幅が減少して接触面積が増加するため、接触面圧の過剰な増加を防止して耐久性を確保することができる。またワンウェイクラッチが係合解除する際にローラが回転すると、溝に溜まった潤滑油によりローラの周面が潤滑されるので、ローラの引っ掛かりを防止してスムーズな係合解除を可能にすることができる。
無段変速機の縦断面図。[第1の実施の形態] 図1の2−2線矢視図(ニュートラルポジション)。[第1の実施の形態] 図2の3−3線断面図(ニュートラルポジション)。[第1の実施の形態] 図3の4−4線矢視図(ニュートラルポジション)。[第1の実施の形態] 図3の5Aー5A線、5Bー5B線および5Cー5C線矢視図(ニュートラルポジション)。[第1の実施の形態] 前記図3に対応する図(UDポジション)。[第1の実施の形態] 図6の7−7線矢視図(UDポジション)。[第1の実施の形態] UDポジションにおける4個のエキセントリックディスクの偏心状態を示す図。[第1の実施の形態] 前記図3に対応する図(ODポジション)。[第1の実施の形態] 図9の10−10線矢視図(ODポジション)。[第1の実施の形態] ODポジションにおける4個のエキセントリックディスクの偏心状態を示す図。[第1の実施の形態] 変速ユニットの分解斜視図。[第1の実施の形態] コントロールシャフトが受ける駆動反力の説明図。[第1の実施の形態] 制御バルブによる無段変速機の変速制御の説明図。[第1の実施の形態] エンジンの始動から停止までの変速制御の説明図。[第1の実施の形態] 図2の16−16線断面図。[第1の実施の形態] 図16の17−17線断面図。[第1の実施の形態] 図17の18部拡大図。[第1の実施の形態] 図18の19−19線断面図。[第1の実施の形態] 図18の20−20線断面図。[第1の実施の形態] 図19の21−21線断面図。[第1の実施の形態] 図19の22−22線断面図。[第1の実施の形態] インナー部材およびカム部材の分解斜視図。[第1の実施の形態] 図18の24−24線断面図。[第1の実施の形態] ピボットアームの分解斜視図。[第1の実施の形態] 係合時および非係合時のピボットアームの作用説明図。[第1の実施の形態] 係合規制手段の作用説明図。[第1の実施の形態] 第2スプリングの作用説明図。[第1の実施の形態]
以下、図1〜図28に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1〜図5および図12に示すように、エンジンEの駆動力を左右の駆動輪W,Wに伝達する無段変速機Tは、エンジンEのクランクシャフト11に直列かつ同軸に接続された入力軸12と、入力軸12と平行に配置された出力軸13とを備える。出力軸13はディファレンシャルギヤDを介して左右の車軸14,14に接続されており、一方の車軸14は出力軸13の内部を相対回転自在に貫通する。
入力軸12と出力軸13とは、同一構造を有して入力軸12の軸線L方向に重ね合わされた4セットの変速ユニット15…で接続される。クランク状に形成された入力軸12は、その両端に位置してボールベアリング16,16で支持された2個のジャーナル17,17と、相互に90°ずつ位相をずらして配置された4個のクランクピン18…と、ジャーナル17,17およびクランクピン18…を一体に連結する5個のクランクウエブ19…とで構成される。
入力軸12の2個のジャーナル17,17の中心と、5個のクランクウエブ19…にそれぞれ形成した貫通孔19a…(図2および図12参照)とを、コントロールシャフト20が軸線L方向摺動自在に嵌合しており、このコントロールシャフト20の一端に、軸線L方向のスラスト力を伝達してトルクを伝達しないカップリング21を介して油圧シリンダ22が接続される。
油圧シリンダ22は、軸線L上に配置されたピストンロッド23と、ピストンロッド23に固定されたピストン24と、ピストン24が摺動自在に嵌合するシリンダ25と、ピストン24の両側に区画された第1、第2油室26,27と、ピストン24を一方向に付勢するリターンスプリング28とを備える。第1、第2油室26,27を相互に接続する油路29には、第1油室26から第2油室27への作動油の流通のみを許容するポジションと、第1、第2油室26,27相互間の作動油の流通を阻止するポジションと、第2油室27から第1油室26への作動油の流通をのみを許容するポジションとを選択可能なソレノイドバルブよりなる制御バルブ30が配置される
次に、図1〜図5および図12に基づいて変速ユニット15…の構造を説明する。4セットの変速ユニット15…は位相が相互に90°ずれている以外は同一構造であるため(図2および図5参照)、代表としてその一つの構造を説明する。
変速ユニット15は入力軸12のクランクピン18の外周にピン孔31aを回転自在に支持された浅いカップ状のエキセントリックディスク31を備える。エキセントリックディスク31の中心Oに対するピン孔31aの偏心量εは、入力軸の軸線Lに対するクランクピン18の偏心量εに一致している(図4および図8参照)。従って、入力軸12のクランクピン18に対してエキセントリックディスク31が所定の位置関係にあるとき、エキセントリックディスク31の中心Oは入力軸12の軸線Lに一致する。エキセントリックディスク31がクランクピン18まわりに揺動するとき、コントロールシャフト20との干渉を回避すべく、エキセントリックディスク31の底面にピン孔31aを中心とする円弧状の長孔31bが形成される。
浅いカップ状のエキセントリックディスク31の底面に対向するクランクウエブ19の一側面に設けた一対のブラケット32,32に、クランクピン18と直交する方向に延びる支軸33が回転自在に支持されており、この支軸33に相互に同軸に結合されたピニオン34およびベベルギヤ35が設けられる。ピニオン34はコントロールシャフト20の表面に軸線L方向に形成したラック36(図4および図12参照)に噛合するとともに、ベベルギヤ35はエキセントリックディスク31の底面にピン孔31aを中心とする円弧状に形成したセクタギヤ37に噛合する。
エキセントリックディスク31の外周面には、それぞれボールベアリング38,38を介してプル側コネクティングロッド39およびプッシュ側コネクティングロッド40一端の内周面が支持される。出力軸13の外周には、それぞれインナー部材41、複数のローラ42…およびアウター部材43を有するワンウェイクラッチ44,44が支持されており、一方のアウター部材43の上部に設けた凸部43aにプル側コネクティングロッド39の他端がピン45を介して連結されるとともに、他方のアウター部材43の下部に設けた凸部43bにプッシュ側コネクティングロッド40の他端がピン45を介して連結される。
次に、上記構成を備えた無段変速機Tの変速作用を説明する。
エンジンEのクランクシャフト11に接続された入力軸12が回転すると、入力軸12の4個のクランクピン18…にピン孔31a…を支持された4個のエキセントリックディスク31…が入力軸12と一体に回転する。図2〜図4に示すニュートラルポジション(変速比が無限大の状態)では、エキセントリックディスク31…の偏心量はゼロであり、エキセントリックディスク31…の中心Oが入力軸12の軸線Lに一致している。従ってエキセントリックディスク31…の外周面にボールベアリング38…を介して支持された4本のプル側コネクティングロッド39…および4本のプッシュ側コネクティングロッド40…は往復動せず、それらのプル側コネクティングロッド39…およびプッシュ側コネクティングロッド40…にワンウェイクラッチ44…を介して接続された出力軸13も回転しない。
この状態から、図6に示すように、油圧シリンダ22のピストンロッド23が図中右方向に僅かに移動すると(UDポジション)、ピストンロッド23にカップリング21を介して接続されたコントロールシャフト20が軸線L方向に移動し、その表面に形成したラック36が各変速ユニット15のピニオン34を支軸33まわりに回転させる。その結果、ピニオン34と一体に回転するベベルギヤ35にセクタギヤ37を噛合させたエキセントリックディスク31が、入力軸12のクランクピン18まわりに揺動し、図7に示すように、エキセントリックディスク31の中心Oが入力軸12の軸線Lから偏心量ε1だけ偏心する。
その結果、エキセントリックディスク31の外周面にボールベアリング38,38を介して支持されたプル側コネクティングロッド39およびプッシュ側コネクティングロッド40が、前記偏心量ε1の2倍のストロークで往復運動する。図7において、プル側コネクティングロッド39が図中右側に引かれたとき、インナー部材41およびアウター部材43間にローラ42…が噛み込んでワンウェイクラッチ44が係合し、プル側コネクティングロッド39が図中左側に押されたとき、ローラ42…がスリップしてワンウェイクラッチ44が係合解除する。
またプッシュ側コネクティングロッド40が図中左側に押されたとき、インナー部材41およびアウター部材43間にローラ42…が噛み込んでワンウェイクラッチ44が係合し、プッシュ側コネクティングロッド40が図中右側に引かれたとき、ローラ42…がスリップしてワンウェイクラッチ44が係合解除する。このように、入力軸12の回転に伴ってエキセントリックディスク31によりプル側コネクティングロッド39およびプッシュ側コネクティングロッド40が往復動すると、プル側コネクティングロッド39のプル動作およびプッシュ側コネクティングロッド40のプッシュ動作に応じて出力軸13が間欠回転する。
図8から明らかなように、4セットの変速ユニット15…の4個のエキセントリックディスク31…は位相が相互に90°ずれているので、入力軸12の回転中に4セットの変速ユニット15…のうちの何れか1セットが必ず駆動力を伝達することで、出力軸13は連続的に回転する。出力軸13の回転は、ディファレンシャルギヤDおよび左右の車軸14,14を介して左右の駆動輪W,Wに伝達される。このとき、エキセントリックディスク31…の偏心量ε1が小さいため、プル側コネクティングロッド39…およびプッシュ側コネクティングロッド40…は小ストロークで往復動し、出力軸13は大トルク小回転数で回転して無段変速機TはUDポジション(最大変速比状態)になる。
図9に示すように、油圧シリンダ22のピストンロッド23がUDポジションを超えて図中右方向に更に移動するとODポジション(最小変速比状態)になり、エキセントリックディスク31が入力軸12のクランクピン18まわりに更に揺動し、図10に示すように、エキセントリックディスク31の中心Oが入力軸12の軸線LからUDポジションのときの偏心量ε1よりも大きい偏心量ε2だけ偏心する。
その結果、エキセントリックディスク31の外周面にボールベアリング38,38を介して支持されたプル側コネクティングロッド39およびプッシュ側コネクティングロッド40が、前記偏心量ε2の2倍のストロークで往復運動することで、プル側コネクティングロッド39…およびプッシュ側コネクティングロッド40…はUDポジションのときよりも大ストロークで往復動し、出力軸13は小トルク大回転数で回転して無段変速機Tの変速比はODになる。
以上のように、油圧シリンダ22でコントロールシャフト20の位置を無段階に制御することで、電動モータのような特別のアクチュエータを必要とせずに無段変速機Tの変速比をニュートラルポジションおよびODポジション間で無段階に制御することができ、部品点数およびコストの削減が可能となる。しかもエキセントリックディスク31…が入力軸12のクランクピン18…に揺動自在に支持されるので、エキセントリックディスク31…を強固に支持して安定した変速性能および耐久性能を確保することができる。
ところで、本実施の形態の油圧シリンダ22は、油圧ポンプや電動モータのような特別の駆動源を必要とせず、コントロールシャフト20がエキセントリックディスク31…から受ける反力によって作動する。以下、油圧シリンダ22の作用を説明する。
図13に示すように、ワンウェイクラッチ44が係合してプル側コネクティングロッド39が駆動力を伝達するとき、プル側コネクティングロッド39がワンウェイクラッチ44から受ける駆動反力によりエキセントリックディスク31に反力トルクが作用する。同様に、ワンウェイクラッチ44が係合してプッシュ側コネクティングロッド40が駆動力を伝達するとき、プッシュ側コネクティングロッド40がワンウェイクラッチ44から受ける駆動反力によりエキセントリックディスク31に反力トルクが作用する。これら二つの反力トルクは、共に正弦波状であって位相が相互に約180°ずれており、エキセントリックディスク31からセクタギヤ37、ベベルギヤ35、ピニオン34およびラック36を介してコントロールシャフト20を軸線L方向の両方向に押し引きするように作用する。
4個のエキセントリックディスク31…が受ける上記二つの反力トルクによるコントロールシャフト20のスラスト力を全て重ね合わせると、90°を1周期とする波形が得られ、各90°の1周期において、コントロールシャフト20は変速比をOD側に変化させる方向とUD側に変化させる方向とに押し引きされることになる。
図14には、制御バルブ30による無段変速機Tの変速比の制御手法が示される。図中のホールド領域は変速比がホールドされる領域、UD側シフト領域は変速比がOD側からUD側にダウンシフトする領域、OD側シフト領域は変速比がUD側からOD側にアップシフトする領域である。
ホールド領域では、制御バルブ30を作動させる一対のソレノイド46,47を共にOFFすることで、第1、第2油室26,27間の連通を遮断する。これにより、油圧シリンダ22はロック状態になり、コントロールシャフト20が移動不能にロックされて変速比がホールドされる。
UD側シフト領域では、一方のソレノイド46をONすることで、一方のチェックバルブを介して第1、第2油室26,27を連通させる。これにより、コントロールシャフト20がUD側に付勢される期間には第1油室26から押し出された作動油が制御バルブ30を通過して反対側の第2油室27に流入し、かつコントロールシャフト20がOD側に付勢される期間には油圧シリンダ22がロック状態になるため、コントロールシャフト20はUD側に向けて間欠的に移動する。
OD側シフト領域では、他方のソレノイド47をONすることで、他方のチェックバルブを介して第1、第2油室26,27を連通させる。これにより、コントロールシャフト20がOD側に付勢される期間には第2油室27から押し出された作動油が制御バルブ30を通過して反対側の第1油室26に流入し、かつコントロールシャフト20がUD側に付勢される期間には油圧シリンダ22がロック状態になるため、コントロールシャフト20はOD側に向けて間欠的に移動する。
以上のように、本実施の形態によれば、コントロールシャフト20をエキセントリックディスク31…から受ける駆動反力によって作動させて変速比を変更することができるので、電動モータのような特別の駆動源が不要になって部品点数およびコストの削減が可能になる。
ところで、無段変速機Tの変速比が無限大であってエキセントリックディスク31…の偏心量がゼロであるとき、プル側コネクティングロッド39…およびプッシュ側コネクティングロッド40…は往復動せずに停止している。従って、コントロールシャフト20は軸線L方向に押し引きされることはなく、変速比が無限大の状態から変速比が有限の状態にシフトすることができないため、車両の発進が不能になる問題がある。
また無段変速機Tが有限の変速比で車両が走行しているときにエンジン回転数を低減すると、ワンウェイクラッチ44が係合解除してプル側コネクティングロッド39…およびプッシュ側コネクティングロッド40…は駆動力を伝達しなくなり、その反力による変速が不能になって変速比をUDを経て無限大に戻せなくなる問題がある。
そこで本実施の形態では、以下のような手法で上記問題を解決している。図15に示すように、各エキセントリックディスク31の重心位置Gは、その中心Oから距離ε3だけ偏心した位置に存在するように重量配分が設定されているため、変速比が無限大の状態でエキセントリックディスク31の中心Oが軸線Lに一致して回転しているときでも、前記重心位置Gに作用する遠心力でエキセントリックディスク31を揺動させるモーメントが発生する。
またエキセントリックディスク31は所定の慣性モーメントを有するため、入力軸12の回転数が増加するときには、つまり入力軸12の角加速度が増加するときには、エキセントリックディスク31を回転方向遅れ側に付勢するモーメントが発生し、入力軸12の回転数が減少するときには、つまり入力軸12の角加速度が減少するときには、エキセントリックディスク31を回転方向進み側に付勢するモーメントが発生する。
さて、図15の時刻t1においてエンジンEを始動したとき、無段変速機Tの変速比は無限大であって駆動力を伝達しておらず、エキセントリックディスク31…の偏心量はゼロであってプル側コネクティングロッド39…およびプッシュ側コネクティングロッド40…は変速のための駆動反力を受けていない。このとき、コントロールシャフト20を付勢する荷重は油圧シリンダ22のリターンスプリング28の弾発力(UD側)と、エキセントリックディスク31の偏心した重心位置Gに作用する遠心力(OD側)と、エキセントリックディスク31の回転の加減速に伴う慣性力(加速時はOD側、減速時はUD側)の三つである。
尚、リターンスプリング28はコントロールシャフト20をUD側に付勢するように配置されており、第1、第2油室26,27を接続する油路29が万一失陥したような場合に、リターンスプリング28でコントロールシャフト20をUD側に付勢することで、車速を低下させて安全性を確保することができる。
時刻t1に変速比を無限大からOD側に変化させるべくソレノイド47をONしても、その時点でエキセントリックディスク31に作用する荷重はUD側に向かうリターンスプリング28の弾発力だけであるため、変速比は変化せずに無限大の状態にホールドされる。その後のエンジンEの加速によって時刻t2に前記遠心力および前記慣性力の和が前記リターンスプリング28の弾発力を超えると、変速比が無限大からOD側に変化し始めて入力軸12から出力軸13への駆動力の伝達が開始され、時刻t3にODポジションに達する。
時刻t4に変速比をUD側に変化させるべくソレノイド46をONしたとき、駆動力の伝達によってプル側コネクティングロッド39…およびプッシュ側コネクティングロッド40…は既に周期的な駆動反力を受けているため、その駆動反力で変速比はODからUD側に向かって変化する。時刻t5から時刻t6までのクルーズ時には、両ソレノイド46,47がOFFして変速比がホールドされる。
時刻t7にエンジン回転数を減少させて車両を減速するとともに、変速比を更にUD側に変化させるべくソレノイド46をONしたとき、エキセントリックディスク31をUD側に付勢する荷重は、リターンスプリング28の弾発力と、エキセントリックディスク31の回転の減速に伴う慣性力であり、エキセントリックディスク31をOD側に付勢する荷重は、エキセントリックディスク31の重心位置Gに作用する遠心力である。時刻t7にUD側への付勢力であるリターンスプリング28の弾発力と前記慣性力との和が、OD側への付勢力である前記遠心力を上回ったときにUD側への変速が開始され、時刻t8にエンジンEが停止した後もリターンスプリング28の弾発力でUD側への変速が継続し、時刻t9にニュートラルポジションに達して変速が終了する。
尚、時刻t1にエンジンEが始動する時点で既に足軸回転数(車速)がゼロを超えているのは、本実施の形態の車両がハイブリッド車両であり、エンジンEに接続された駆動輪W,Wとは別の駆動輪をモータで駆動して走行しているからである。
次に、図16〜図28に基づいて、ワンウェイクラッチ44の構造を詳述する。尚、無段変速機Tに設けられた8個のワンウェイクラッチ44…は全て同一構造であるため、その一つを代表として説明する。
図16〜図28に示すように、ワンウェイクラッチ44はアウター部材43およびインナー部材41間に9個のローラ42…を備えており、各ローラ42はピボットアーム51を介してインナー部材41に揺動可能に枢支される。即ち、ピボットアーム51は鏡面対称な形状を有する金属製の2個のホルダ52,52と、それら2個のホルダ52,52を一体に結合する合成樹脂製の2個の第1、第2連結部材53,54とを備える。各ホルダ52は、コ字状のローラ支持部52aと、ローラ支持部52aの中央から直交する方向に延びる腕部52bとを備えており、ローラ支持部52aの中央にローラ42を軸支するための軸孔52cが形成されるとともに、腕部52bの先端にピボットアーム51をインナー部材41に枢支するための長孔52dが形成される。長孔52dは、腕部52bの長手方向の長径aが、それと直交する方向の短径bよりも大きくなるように形成される(図25参照)。
一方のホルダ52のローラ支持部52aの両端と、他方のホルダ52のローラ支持部52aの両端とを相互に接触するように対峙させた状態で第1、第2連結部材53,54をモールドすることで、一方の接触部が第1連結部材53により覆われて一体に結合され、他方の接触部が第2連結部材54により覆われて一体に結合される。第1連結部材53には、インナー部材41の外周面に当接してピボットアーム51の非係合方向への揺動端を規制するストッパ53aが形成される。
ホルダ52のローラ支持部52aはインナー部材41の周方向の一方で径方向外側に向かって傾斜し、インナー部材41の周方向の他方で径方向内側に向かって傾斜するので、複数のピボットアーム51…を近接して配置しても各ホルダ52のローラ支持部52aが相互に干渉するのを防止することができる。
インナー部材41を貫通してサークリップ56で抜け止めされた支点ピン57の両端に一対のブッシュ58,58が嵌合しており、それらのブッシュ58,58がピボットアーム51の長孔52d,52dに嵌合する。ブッシュ58,58の直径bは長孔52d,52dの短径bと同じであり、従ってピボットアーム51は長孔52d,52dの長径aおよび短径bの差だけワンウェイクラッチ44の径方向に移動可能である。
支点ピン57の両端のブッシュ58,58の外周に巻き付けられた捩じりバネよりなる第1スプリング59,59の一端が8個のインナー部材41…を一体に連結する出力軸13の外周面に係止され、他端がピボットアーム51の腕部52b,52bに形成した係止孔52e,52eに係止される。これらの第1スプリング59,59の弾発力により、ピボットアーム51は係合方向、つまりローラ42がアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面に噛み込む方向に付勢される。
またブッシュ58,58の外側面に嵌合するスプリングシート61,61と、ピボットアーム51の腕部52b,52bを切り起こして形成したスプリングシート52f,52fとの間に、圧縮コイルバネよりなる第2スプリング62,62が配置される。これらの第2スプリング62,62の弾発力により、ピボットアーム51は長孔52d,52dおよびブッシュ58,58間のガタの範囲内で径方向外側に付勢され、非係合状態にあるローラ42はアウター部材43の内周面に接触してインナー部材41の外周面から離反する。
ピボットアーム51の一対の軸孔52c,52cに嵌合するブッシュ63,63をローラ軸64が貫通してサークリップ65で抜け止めされており、このローラ軸64の外周に滑り軸受け66,66を介してローラ42が回転自在に支持される。各ワンウェイクラッチ44の9個のローラ42…は、3個ずつが纏まって3つの群を構成しており、各群の3個のローラ42…の間隔よりも、隣接する2つの群の向かい合う2個のローラ42,42の間隔の方が大きく設定されている。そして120°間隔で配置された3つの群間を仕切るように、前記出力軸13の外周面および8個のインナー部材41…の外周面から3枚の板状の支持部材67…が径方向外側に延出する。
アウター部材43の内周面における軸線方向の両端には、一対のローラベアリング68,68のアウターレース68a,68aが圧入されており、このローラベアリング68,68のインナーレース68b,68bに3枚の支持部材67…の径方向外端が結合される。これにより、アウター部材43およびインナー部材41の中心を精度良く一致させながら、両者を相対回転可能に組付けることができる。
9個のローラ42…が同位相で円周方向に移動するように、9個のピボットアーム51…が円周方向に配置した9本の引張コイルバネ69…で相互に連結される。異なる群のピボットアーム51どうしを連結する引張コイルバネ69…は、その他の引張コイルバネ69…よりも長く形成されており、支持部材67…に形成した開口67a…の内部を貫通するように配置される。
図22から明らかなように、ピボットアーム51の揺動に伴ってローラ42はアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面間の環状の隙間を円周方向に移動するが、その位置は三つに分けられる。図22(A)の係合位置は、ローラ42がアウター部材43の回転方向(図22(A)の時計方向)に最も移動した位置であり、この状態でローラ42はアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面に接点A1および接点B1で噛み込むことで、ワンウェイクラッチ44は係合状態になってアウター部材43からインナー部材41に駆動力が伝達される(図26(B)参照)。
図22(C)の非係合位置は、ローラ42がアウター部材43の前記回転方向と逆方向(図22(C)の反時計方向)に移動した位置であり、その移動端で第1連結部材53のストッパ53aがインナー部材41の外周面に当接する(図26(A)参照)。この状態でローラ42はアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面との間に隙間を持つが、ピボットアーム51が第2スプリング62,62で径方向外側に付勢されているため、ローラ42はアウター部材43の内周面に接点A3で接触するとともに、インナー部材41の外周面から僅かに離間し、ワンウェイクラッチ44は非係合状態になってアウター部材43からインナー部材41への駆動力の伝達が遮断される。
図22(B)の噛み合い開始位置は、前記係合位置および前記非係合位置の中間位置であって、ピボットアーム51を図中右方向に揺動させるように付勢する第1スプリング59,59の弾発力でローラ42はアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面に接点A2および接点B2で接触するが噛み込んではおらず、ローラ42が噛み込んでワンウェイクラッチ44が係合するための準備状態となる。この噛み合い開始位置から、アウター部材43が図中時計方向に相対回転すると、接点A2に作用する摩擦力でローラ42が図中右方向に移動し、ローラ42がアウター部材43の内周面とインナー部材41の外周面との間に噛み込んでワンウェイクラッチ44が係合する。
図22および図23から明らかなように、インナー部材41の外周面における9個のローラ42の接触面には、インナー部材41とは別部材であるカム部材70が圧入により固定される。すなわち、各ローラ42に対応するインナー部材41の外周面には三角形断面の切欠き41aが形成されており、この切欠き41aにおけるローラ42の係合方向側の面に圧入孔41bが形成される。一方、切欠き41aに嵌合する形状のカム部材70には、前記圧入孔41bと同一形状の圧入突起70aが形成されるとともに、ローラ42の係合解除方向の端部には押圧面70bが形成される。そして、カム部材70をインナー部材41の切欠き41aに位置決めし、押圧面70bに荷重を加えて圧入突起70aをインナー部材41の切欠き41aの圧入孔41bに圧入することで、インナー部材41にカム部材70を一体化することができる。
ローラ42が前記噛み合い開始位置にあるとき、その接点B2に対応するカム部材70のカム面に、接点Bを通ってローラ42の軸線方向に延びる底辺と、その底辺よりもローラ42の係合方向にずれた位置に頂点を有する二等辺三角形状の溝70cが形成される。よって、溝70cの幅および深さは、カム部材70の軸線方向中央部で最も大きく、そこから軸線方向両側に離れるに従って小さくなる。
このように、カム部材70の圧入時に押圧面70bに圧入荷重を加えることで、カム部材70のカム面(アウター部材43の内周面と協働して楔状の空間を構成する面)を傷付ける虞がない。またカム部材70のカム面の形状には高い加工精度が要求されるが、合計9個のカム面や溝を比較的に大型の部材であるインナー部材41に加工しようとすると、その加工精度を維持するのが難しいだけでなく加工コストも嵩む問題がある。それに対し、比較的に小型の部材であるカム部材70にカム面や溝70cを加工してインナー部材41に圧入することで、加工精度を高めながら加工コストを節減することができる。
図16および図24から明らかなように、8個のワンウェイクラッチ44…を係合可能な状態から係合不能な状態に切り換える係合規制手段71は、左側の車軸14の外周に軸方向移動可能かつ回転不能に嵌合する従動部材72と、この従動部材72の外周に軸方向移動不能かつ回転可能に嵌合する駆動部材73とを備えており、従動部材72の外周面に植設したピン74が駆動部材73に形成したカム溝73aに係合する。従って、従動部材72に設けた従動ギヤ75に噛合する駆動ギヤ76をモータ77で往復回転駆動すると、駆動部材73の回転に伴ってカム溝73aにピン74が案内されることで、従動部材72が軸線方向に往復移動する。
従動部材72の端面にスラストベアリング78を介して当接するプレート79が、出力軸13の端面との間に縮設したコイルスプリング80により従動部材72に向けて付勢されており、これにより従動部材72の軸方向の移動に追従してプレート79が軸方向に移動する。8個のインナー部材41に形成したガイド孔41c…(図18および図24参照)に9本のコントロールシャフト81…が摺動自在に嵌合しており、これらのコントロールシャフト81…の一端がプレート79に結合される。各コントロールシャフト81には、1個のワンウェイクラッチ44に対して2個の円形断面の移動規制部81a,81aと2個の半円形断面の切欠き81b,81bとが形成される。よって1本のコントロールシャフト81には、合計16個の移動規制部81a…と合計16個の切欠き81b…とが形成されることになる。
次に、上記構成を備えたワンウェイクラッチ44…の作用について説明する。尚、8個のワンウェイクラッチ44…の作用は、その係合および係合解除のタイミングが異なるだけで実質的に同じであるため、その1個のワンウェイクラッチ44の作用について説明する。
図22に示すように、非係合のワンウェイクラッチ44が係合を待つ状態では、図22(B)に示すようにローラ42が噛み合い開始位置の近傍に保持されており、接点A2でアウター部材43の内周面に接触し、接点B2でインナー部材41の外周面に接触している。
この状態から、図22(A)に矢印で示すように、アウター部材43が図中時計方向に回転すると、図示せぬ第1スプリング59,59で図中右方向に付勢されたローラ42がアウター部材43との間に作用する摩擦力で図中右方向に駆動され、アウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面間に先細に形成された空間にローラ42が接点A1および接点B1で噛み込んでワンウェイクラッチ44が係合状態になり、アウター部材43からインナー部材41への駆動力の伝達が可能になる。
また上述した係合状態から、図22(C)に矢印で示すように、アウター部材43が図中反時計方向に回転すると、ローラ42がアウター部材43との間に作用する摩擦力で図示せぬ第1スプリング59,59の弾発力に抗して図中左方向に移動し、アウター部材43の内周面に接点A3で接触するがインナー部材41の外周面から離間することで、ワンウェイクラッチ44が非係合状態となり、アウター部材43からインナー部材41への駆動力の伝達が遮断される。
さて、ローラ42が図22(B)の噛み合い開始位置から図22(A)の係合位置に移行するとき、ローラ42とインナー部材41のカム部材70との接点B2に過剰なオイルが介在すると、ローラ42がスリップしてアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面間に噛み込み難くなる問題がある。そこで本実施例では、カム部材70の溝70cによって前記接点B2の油膜を速やかに切り、ワンウェイクラッチ44の係合応答性の向上を図っている。
即ち、図22において、ローラ42が噛み合い開始位置から係合位置に移行するとき、接点B2の位置に溝70cが存在するため、その溝70cの分だけ接点B2の接触面積を減少させて接触面圧を増加させることで油膜を切り、ローラ42のスリップを抑制してアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面間に噛み込み易くし、これによりワンウェイクラッチ44の係合応答性を高めることができる。
ワンウェイクラッチ44の係合が進行してローラ42がスリップする可能性が低くなるに伴って、ローラ42およびカム部材70の接点はカム部材70の二等辺三角形の溝70cの底辺側から頂点側に移動するため、ローラ42およびカム部材70の接触面積が次第に増加して接触面圧が次第に低くなり、カム部材70の摩耗を最小限に抑えることができる。
逆に、ワンウェイクラッチ44が係合解除するとき、ローラ42はアウター部材43の内周面により駆動されて回転しながらカム部材70の溝70cの上を通過するため、溝70cに溜まったオイルでローラ42の外周面を潤滑し、アウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面に接触するローラ42の耐久性を確保することができる。
ところで、本実施の形態のワンウェイクラッチ44は無段変速機Tに用いられており、1分間に数百回ないし数千回の周期で係合および係合解除を繰り返すため、極めて高い係合応答性が要求される。本実施の形態では、ワンウェイクラッチ44の係合応答性を高めるために、種々の手法を採用している。
先ず、ワンウェイクラッチ44の係合応答性を高めるには、非係合時におけるローラ42の位置を、図22(B)の噛み合い開始位置の近傍に保持することが必要である。その理由は、ローラ42が噛み合い開始位置の近傍あれば、ワンウェイクラッチ44を係合すべく、アウター部材43が図22(A)の矢印方向に回転したとき、ローラ42をアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面に直ちに噛み込ませることができるからである。しかしながら、ワンウェイクラッチ44が非係合状態にあるときに、ローラ42の位置に自由度が高すぎると、アウター部材43が図22(A)の矢印方向に回転したとき、ローラ42をアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面に直ちに噛み込ませることができず、係合応答性が低下してしまう。
そこで本実施の形態では、径方向内端をインナー部材41に支点ピン57で揺動可能に枢支したピボットアーム51の径方向外端にローラ42を軸支し、そのピボットアーム51を第1スプリング59,59で係合方向に付勢したので、ローラ42の移動可能な領域をピボットアーム51の揺動軌跡上に制限して位置の自由度を制限することで、噛み合い開始位置の近傍に保持している。
またワンウェイクラッチ44が係合するとき、アウター部材43の内周面との間に作用する摩擦力でローラ42を噛み合い開始位置から係合位置に移動させるため、ローラ42がアウター部材43の内周面に接触していることが必要である。この要件を満たすために、本実施の形態ではピボットアーム51の径方向内端の長孔52d,52dを支点ピン57に径方向移動可能に支持し、このピボットアーム51を第2スプリング62,62で径方向外側に向けて付勢することで、非係合位置から噛み合い開始位置にかけてローラ42をアウター部材43の内周面に確実に接触させ、アウター部材43から受ける摩擦力でローラ42を確実にアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面に噛み込ませている。
このとき、第1スプリング59,59はローラ42を直接付勢せず、ピボットアーム51を介してローラ42を付勢するので、第1スプリング59,59を設ける位置の自由度が高まるだけでなく、第1スプリング59,59がローラ42に直接接触するのを防止して摩耗に対する耐久性を高めることができる。
またワンウェイクラッチ44が係合状態にあるとき、アウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面間に9個のローラ42…が噛み込んでいるため、これらのローラ42…によってアウター部材43およびインナー部材41の同軸性が保たれる。しかしながら、ワンウェイクラッチ44が非係合状態にあるとき、ローラ42…とインナー部材41の外周面との間に隙間が発生するため(図22(C)参照)、重力の影響等でアウター部材43およびインナー部材41の同軸性が確保されなくなり、ローラ42を噛み合い開始位置に正しく保持できなくなって係合応答性が低下する可能性がある。
しかしながら、アウター部材43の内周面に設けたローラベアリング68,68のインナーレース68b,68bを、インナー部材41から径方向外側に延出した3枚の支持部材67…の先端に結合したので、アウター部材43およびインナー部材41の同軸性を強制的に確保してワンウェイクラッチ44の係合応答性を高めることができる。
このとき、インナー部材41から3枚の支持部材67…を径方向外側に延出すると、それらの支持部材67…が9個のローラ42…の何れかと干渉してレイアウトが困難になる可能性があるが、本実施の形態では9個のローラ42…を3個ずつの3つの群に分離し隣接する群間の隙間に前記支持部材67…を配置したので、上記レウアウトの問題を解消することができる。
またワンウェイクラッチ44が係合および係合解除を繰り返すとき、9個のローラ42…は係合方向および係合解除方向に一斉に移動するが、それらのローラ42…の動きがばらばらであると係合応答性が低下する原因となる。
しかしながら、本実施の形態では、9個のピボットアーム51…の隣接するものどうしを引っ張りコイルバネ69…で連結したので、9個のピボットアーム51…が同位相で整列して円周方向に移動し易くすることで、ワンウェイクラッチ44の係合応答性を高めることができる。
また係合状態にあるワンウェイクラッチ44(図26(B)参照)が係合解除するとき、アウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面に噛み込んだアウター部材43から受ける摩擦力で係合解除方向に押し出されるが、その移動端がピボットアーム51の第1連結部材53のストッパ53aがインナー部材41の外周面に当接することで規制される。このとき、ストッパ53aがインナー部材41の外周面に強く反発すると、今度はピボットアーム51が係合方向に揺動してローラ42がアウター部材43の内周面に衝突して反発し、これを繰り返すことでローラ42が噛み合い開始位置に収束し難くなり、係合応答性を低下させる要因となる可能性がある。
しかしながら、本実施の形態の形態によれば、第1連結部材53のストッパ53aが反発係数の低い合成樹脂製であるため、そのストッパ53aがインナー部材41の外周面に衝突したときに強く反発するのを防止し、ローラ42を噛み合い開始位置の近傍に速やかに収束させてワンウェイクラッチ44の係合応答性を高めることができる。しかもストッパ53aでピボットアーム51の係合解除方向への揺動端を規制するので、ピボットアーム51の位置が噛み合い開始位置から大きく外れるのを防止し、ワンウェイクラッチ44の係合応答性を更に高めることができる。
図28(A)に示すように、ピボットアーム51が噛み合い開始位置にあるとき、ピボットアーム51の方向は出力軸13を中心とする半径方向から係合方向(時計方向)にずれている。この噛み合い開始位置からピボットアーム51が係合解除方向(反時計方向)に揺動し、ピボットアーム51の方向が出力軸13を中心とする半径方向に一致したとき(最大圧縮位置)、ピボットアーム51の支点ピン57の位置が出力軸13の位置から径方向にずれているため、ローラ42の移動軌跡はアウター部材43の内周面の形状と一致しない。そのために、ピボットアーム51が噛み合い開始位置から前記最大圧縮位置に向けて揺動する間に、ピボットアーム51の長さが短くなって第2スプリング62,62が圧縮され、前記最大圧縮位置で第2スプリング62,62の弾発力は最大になる.
図28(B)は、横軸にピボットアーム51の揺動角をとり、縦軸にピボットアーム51の長さ、あるいは第2スプリング62,62の弾発力をとったもので、ピボットアーム51が噛み合い開始位置から係合解除方向に揺動するとき、ピボットアーム51の長さが最小になる最大圧縮位置まで第2スプリング62,62の弾発力が増加し、最大圧縮位置を超えると第2スプリング62,62の弾発力が減少に転じることが分かる。
ピボットアーム51は第1スプリング59,59によって略一定の弾発力で係合方向に付勢されているが、ピボットアーム51は前記第1スプリング59,59による付勢力に加えて、前記第2スプリング62,62による付勢力を受けることになる。
即ち、ワンウェイクラッチ44が係合状態にあってローラ42がアウター部材43の内周面およびインナー部材41の外周面に噛み込んでいる状態から、アウター部材43の回転方向が逆転してワンウェイクラッチ44が非係合状態に移行するとき、アウター部材43から受ける摩擦力でローラ42が係合解除方向に押し出され、ピボットアーム51が噛み合い開始位置を経て係合解除方向に揺動する。このとき、ピボットアーム51は次第に圧縮されて第2スプリング62,62が押し縮められるため、ピボットアーム51の係合解除方向への揺動に抵抗する荷重が次第に増加することで、ピボットアーム51の係合解除方向への揺動速度が効果的に減衰する。
ピボットアーム51の係合解除方向への揺動に抵抗する荷重は最大圧縮位置において最大になった後にゆっくりと減少するが、ピボットアーム51は第2スプリング62,62よりも大きい荷重を発生する第1スプリング59,59によって係合方向に付勢されているため、ピボットアーム51は係合解除方向の揺動端、つまり第1連結部材53のストッパ53aがインナー部材41の外周面に衝突するまで減速し続ける。よって、第1連結部材53のストッパ53aがインナー部材41の外周面に衝突する速度を充分に低減し、ピボットアーム51の係合方向への跳ね返りを最小限に抑えることで、ピボットアーム51の往復振動を抑制してワンウェイクラッチ44の係合応答性を高めることができる。
またストッパ53aがインナー部材41の外周面に衝突して跳ね返った後、ピボットアーム51が係合方向に揺動するとき、その揺動に抵抗する第2スプリング62,62の荷重はピボットアーム51が最大圧縮位置に達するまで増加し続けるため、ピボットアーム51の係合解除方向への移動速度が減速して往復振動が更に効果的に抑制される。
尚、第1連結部材53のストッパ53aがインナー部材41の外周面に衝突するとき、その第1連結部材53は反発係数が低い合成樹脂製であるため、ピボットアーム51の反発速度を効果的に低減することができる。しかもストッパ53aを備える第1連結部材53は一対のホルダ52,52を一体に連結するための部材を兼ねるため、部品点数の削減に寄与することができる。
ところで、本実施の形態の無段変速機Tは後進変速段を確立する機能を備えていないため、それが例えば主駆動輪としての前輪の駆動用としとて使用される場合には、副駆動輪である後輪がインホール型のモータ等で駆動される。よって、車両の後進は後輪をモータで逆転駆動することで行われる。
さて、このようなハイブリッド車両が上り坂での坂道発進時に後方にずり下がるような場合や、モータで後輪を駆動して後進走行するような場合に、アウター部材43およびインナー部材41の相対回転の方向がエンジンEによる前進走行時と同じになってワンウェイクラッチ44が係合する。その結果、車輪からインナー部材41を経てアウター部材43に駆動力が逆伝達されてしまい、アウター部材43が後進方向に回転してしまう。しかしながら、アウター部材43は所定角度範囲内でのみ往復揺動可能な構造になっており、360°に亙って回転できるような構造になっていないため、前記逆伝達された駆動力で損傷する可能性がある。これを防止するには、係合規制手段71によりワンウェイクラッチ44の係合を強制的に禁止すれば良い。
図27(A)に示すように、係合規制手段71のコントロールシャフト81の切欠き81b,81bがワンウェイクラッチ44のピボットアーム51に対向しているとき、ピボットアーム51をコントロールシャフト81と干渉することなく自由に揺動できるため、ワンウェイクラッチ44の係合および係合解除を行うことができる。
この状態から係合規制手段71のモータ77を駆動し、駆動ギヤ76および従動ギヤ75を介して駆動部材73を回転させると、軸方向移動可能かつ回転不能に支持された従動部材72のピン74が駆動部材73のカム溝73aに案内されることで、図27(B)に示すように、従動部材72は図中左側に向かって軸方向に移動する。その結果、コイルスプリング80の弾発力でスラストベアリング78を介して従動部材72に押し付けられたプレート79が従動部材72に追従して図中左方向に移動し、この従動部材72の結合された9本のコントロールシャフト81も図中左方向に移動する。
各コントロールシャフト81が図中左方向に移動すると、それまでピボットアーム51に対向していた切欠き81b,81bの代わりに円形断面の移動規制部81a,81aがピボットアーム51に当接し、ピボットアーム51の係合方向への揺動を規制することで噛み合い開始位置の手前で停止させる。このように、共通の係合規制手段71により9本のコントロールシャフト81…を一斉に駆動することができるので、1個のモータ77で8個のワンウェイクラッチ44…の係合状態を同期して一斉に制御することができる。これにより、ワンウェイクラッチ44…の係合を禁止して車両の後進を可能にすることができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明のワンウェイクラッチ44の用途は実施の形態の無段変速機Tに限定されるものではない。
また実施の形態ではインナー部材41側に溝70cを形成しているが、アウター部材43側に溝溝70cを形成することも可能である。
また実施の形態ではカム部材70に溝70cを形成しているが、インナー部材41に直接溝70cを形成しても良い。
また実施の形態のワンウエイクラッチ44はピボットアーム51を備えているが、本発明はピボットアーム51を持たないワンウエイクラッチ44に対しても適用することができる。
41 インナー部材
42 ローラ
43 アウター部材
59 第1スプリング(スプリング)
70c 溝

Claims (1)

  1. アウター部材(43)の内周面とインナー部材(41)の外周面との間に形成される環状の空間に配置した複数のローラ(42)をスプリング(59)で円周方向一方に付勢し、前記アウター部材(43)および前記インナー部材(41)の所定の方向への相対回転により前記ローラ(42)を前記アウター部材(43)の内周面と前記インナー部材(41)の外周面との間に噛み込ませて駆動力を伝達するワンウェイクラッチにおいて、
    噛み合い開始位置にある前記ローラ(42)が接触する前記アウター部材(43)および前記インナー部材(41)の少なくとも一方に、前記ローラ(42)の噛み込み方向に向かって該ローラ(42)の軸方向の幅が減少する溝(70c)を形成したことを特徴とするワンウェイクラッチ。
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