JP2011161889A - 耐水性積層シート - Google Patents

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俊裕 西林
Takao Arai
隆夫 荒井
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Abstract

【課題】 汎用インキを用いてオフセット印刷を行う際のインキセット性を改善すると共に、高光沢な面調を有する耐水性積層シートを提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂で被覆されたシートの上に塗工層を設けた耐水性積層シートにおいて、塗工層に微細な亀裂を有し、かつ、JIS−P8142による75°光沢度が60%以上である耐水性積層シートであり、微細な亀裂の総合計長さが1mm当たり20mm以上であると好ましく、塗工層にガラス転移点が20℃以上の無機粒子と有機粒子の複合体を含有する耐水性積層シートである。
【選択図】なし

Description

本発明は耐水性積層シートに関するものであり、さらに詳しくは汎用のインキを用いてもインキセット性に優れ、高光沢な面調を有する、オフセット印刷が可能な耐水性積層シートに関するものである。
現在、耐水性シートとしては、ポリプロピレンやポリエチレンなどの熱可塑性樹脂に無機充填剤や発泡剤を加えたものを原料とし、延伸によりミクロボイドを発生させながらシート化して製造される合成紙と、紙やフィルムなどの支持体に無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂をラミネートして製造される積層シートが知られている。これらはポスター、メニュー表、地図、物流管理ラベル、冷凍・冷蔵食品の包装など、耐水性が要求される各種分野で使用されている。
合成紙はオフセット印刷に使用される汎用のインキで印刷すると、インキに含まれる鉱油のような高沸点石油系溶剤によって膨潤し、部分的に凹凸が生じる問題、印刷物全体にカールが生じる問題がある。これに関連し、合成紙基材上にポリビニルアルコール、ポリウレタン樹脂、シリカ顔料から構成される塗工層を設けた合成紙が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、合成紙は熱可塑性樹脂をベースとしているため、紙の特徴であるしなやかさに欠ける。一方、支持体に紙を用いた積層シートは、紙のしなやかさと熱可塑性樹脂の強さが複合されている特長がある。
積層シートでは、表面にラミネートされる熱可塑性樹脂のため、インキが殆どシートに染み込まず、インキセット性が悪く、印刷後の積層シートを重ねて保存した場合に積層シート表面のインキがその上に積み重ねられた積層シートの裏面に転写する問題がある。この問題を解決するために、無機顔料などのインキ吸収体とバインダーから構成される塗工層を設け、これにインキを吸収させる手法が考えられてきた。これに関連し、スチレン−ブタジエン系ラテックスからなる塗工層を設けた積層シート(例えば、特許文献3参照)、無機顔料とアクリル系またはスチレン−アクリル系の重合体または共重合体であるソープフリータイプのバインダーとを含有する塗工層を設けた積層シート(例えば、特許文献4参照)、一次粒子径に対する二次粒子径の比が1.5〜3.0のコロイダルシリカまたは針状コロイダルアルミナとバインダーとを主成分とする塗工層を設けた積層シート(例えば、特許文献5参照)が知られている。
しかしながら、これらの積層シートにおいても、上質紙やコート紙などの一般紙に比べるとインキセット性が劣ることから、実質的には十分な結果が得られているとは言えない。インキセット性改良のため無機顔料の配合量を増やすと、光沢性の低下や表面強度の低下につながり好ましくない。また、オフセット印刷では版面の非画線部にインキが付着しないようにするために湿し水が用いられるが、水分の吸収容量が少ない耐水性積層シートでは上質紙やコート紙などの一般紙よりも湿し水を少なくする必要があり、印刷作業性に劣る問題がある。
光沢が低い、または、無光沢な、比較的表面形状が粗い、いわゆるマット紙タイプの積層シートであれば、その凹凸により、ある程度のインキセット性を改善することは可能であるが、光沢、特に高光沢な面調を有する積層シートの場合には、インキセットが著しく劣ることがあり問題となっている。
特開平11−107194号公報 特開2000−71596号公報 特開2004−223882号公報 特開2006−205543号公報 特開2007−268720号公報
本発明の目的は、汎用のインキを用いて耐水性積層シートにオフセット印刷を行う際のインキセット性を改善すると共に、高光沢な面調を有する耐水性シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、以下の発明により解決に至った。
(1)熱可塑性樹脂で被覆されたシート上に塗工層を設けた耐水性積層シートにおいて、塗工層に微細な亀裂を有し、かつ、JIS−P8142による75°光沢度が60%以上である耐水性積層シート。
(2)微細な亀裂の総合計長さが、1mm当たり20mm以上である(1)記載の耐水性積層シート。
(3)塗工層が、ガラス転移点(Tg)が20℃以上である無機粒子と有機粒子の複合体を含有する、(1)または(2)記載の耐水性積層シート。
(4)無機粒子がコロイダルシリカである(3)記載の耐水性積層シート。
(5)有機粒子が、スチレン−アクリル系共重合体もしくはアクリル系共重合体である(3)記載の耐水性積層シート。
である。
本発明により、汎用のインキを用いてオフセット印刷を行う際のインキセット性が優れると共に、高光沢な面調を有する耐水性積層シートを提供することができる。
本発明において、熱可塑性樹脂の上に設けた塗工層が有する微細な亀裂の形状は特に限定するものではない。規則性のある形状でも、不定形であっても構わない。その形状において、亀裂の枝分かれの有無、一つの亀裂の長さ、他の亀裂との繋がりによる連続性、不連続性などは特に限定しない。理由は定かではないが、塗工層に形成されている微細な亀裂は、オフセット印刷の際にインキに含まれる溶剤の吸収性に寄与し、インキセットを速くする働きをするものと考えられる。微細な亀裂の発生頻度としては、1mm当たりの総合計長さが20mm以上であることが好ましく、より好ましくは100mm以上である。塗工層の亀裂は塗工層の強度に影響を与え、塗工層の強度が弱いとオフセット印刷の際に塗工層の一部が欠落してブランケットを汚す問題などが生じる。亀裂の幅が塗工層の強度に影響を与え、亀裂の幅が大きすぎると外観にも影響を与えることから、微細な亀裂の幅は10μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。
本発明において、微細な亀裂を有する塗工層には、アクリル系共重合体、有機粒子と無機粒子の複合体、無機顔料、バインダーを用いるが、塗工層の構成はこれに限定するものではない。
本発明に使用される有機粒子と無機粒子の複合体の製造方法としては、特開昭59−71316号公報、特開昭60−127371号公報などに記載された方法を挙げることができる。前記各公報に記載された有機粒子と無機粒子の複合体を本発明に適用することができる。また、有機粒子と無機粒子の複合体としては、市販品を使用することもできる。市販品の複合体としては、ガラス転移点(以下単に、Tgとする)が異なるものとして、日本合成化学工業株式会社製のモビニール8055A(スチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカの複合体、Tg=78℃)、モビニール8201(スチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカの複合体、Tg=8℃)、モビニール8020(アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカの複合体、Tg=−22℃)、モビニール8030(アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカの複合体、Tg=17℃)などを挙げることができる。本発明の耐水性積層シートの塗工層に、有機粒子と無機粒子の複合体を用いる場合、そのTgは20℃以上であり、より好ましくは40℃以上である。理由は定かではないが、Tgが低いと、乾燥の際に複合粒子の造膜が進行し、複合体粒子間の亀裂発生点がなくなり、表面の亀裂が形成されないものと考えられる。また、乾燥時の紙面温度が重要であり、Tgに対して乾燥時の紙面温度が高すぎると造膜が進みすぎ、乾燥時の亀裂発生点が減少し、塗工層表面の亀裂が著しく減少するものと考えられる。さらに、塗工層上に樹脂および必要に応じて顔料を主成分として構成される塗工液を塗工し、適宜スーパーカレンダーなどにより平滑化処理を施し、亀裂の大きさを調整することもできる。
本発明の塗工層では、所望の効果を阻害しない限り、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、酸化チタン、シリカ、アルミナなどの無機顔料や、アクリル系、スチレン系、スチレン−アクリル系、エチレン系、プロピレン系、ブタジエン系などの重合体もしくは共重合体、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ラテックス、酸化澱粉などのバインダーを使用しても構わない。
また、塗工層を設ける際、塗工液には必要に応じて、界面活性剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、保水剤、耐水化剤、離型剤、活剤、硬化剤、帯電防止剤、染料などの各種助剤を使用しても構わない。
本発明の塗工層の塗工方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーターなどの公知の方法を利用することができる。本発明の塗工層の乾燥方法は特に限定はしない。従来から塗工機で使用されている乾燥装置が利用でき、例えば、熱風乾燥、ガスヒーター乾燥、高周波乾燥、電気ヒーター乾燥、赤外線ヒーター乾燥、レーザー乾燥などの各種加熱乾燥方式が好ましく、適宜使用される。このなかで、熱風乾燥がコストの面で有利であるため好ましく採用される。また、最表層を鏡面ドラムで仕上げをして、亀裂を調整しながら、さらなる高光沢を付与することも可能である。
本発明において、塗工層を設ける樹脂被覆紙はシートの片面または両面の最外層に熱可塑性樹脂を有するものであればどのようなものであってもよい。例えば、紙やフィルムなどの基材に熱可塑性樹脂をラミネートして製造されたシート、熱可塑性樹脂もしくは無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂を延伸することで得られるシートなどである。
本発明の実施に好ましく用いられる樹脂被覆紙は、通常の天然パルプを主成分とする天然パルプ紙に熱可塑性樹脂をラミネートして製造されるものである。天然パルプと合成パルプ、合成繊維とからなる混抄紙でもよい。天然パルプは、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素による漂白処理、アルカリ抽出もしくはアルカリ処理、過酸化水素、酸素などによる酸化漂白処理など、およびそれらの組み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが有利に用いられ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各種のものを用いることができる。
本発明の実施に好ましく用いられる天然パルプを主成分とする基紙中には、紙料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩あるいは脂肪酸、アルキルケテンダイマー乳化物、エポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニルまたはアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体など、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナンなど、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂など、填料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタンなど、定着剤として、塩化アルミニウム、硫酸バンドなどの水溶性アルミニウム塩など、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸など、色味調節剤として、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、帯電防止剤として塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、各種アミン系やグリセリン系帯電防止剤などを適宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
本発明に用いられる基紙の厚みに関しては、特に制限はないが、その坪量は20〜250g/mのものが好ましい。また、本発明の実施に用いられる基紙を製造する方法としては、短繊維で平滑性のでやすい広葉樹パルプを30質量%以上、好ましくは50質量%以上用い、叩解機により長繊維分がなるべく少なくなるように叩解することが好ましい。具体的には、パルプの叩解は、叩解後のパルプの加重平均繊維長が0.4〜0.75mmになるようにすることが好ましい。次いで、内添薬品を添加した紙料スラリーについて、長網抄紙機、円網抄紙機、オントップ抄紙機、ツインワイヤー抄紙機など通常用いられる抄紙機により均一な地合が得られるように抄造し、さらに抄造後マシンカレンダー、スーパーカレンダー、熱カレンダーなどを用いてカレンダー処理を施し、基紙を製造することができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂とは、熱によって溶融もしくは軟化する樹脂の総称であって、代表的なものとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのホモポリマー、エチレン−ブチレン共重合体などのα−オレフィンの2つ以上からなる共重合体およびこれらの混合物である。耐ひっかき性の点からは、ポリプロピレン系樹脂が良好で、高密度ポリエチレン系樹脂がこれに続く。溶融押し出しコーティング性および印刷時のピック剥離性の点からは、ポリエチレン系樹脂が好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂層中には、各種の添加剤を含有せしめることができる。酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、リン系、硫黄系などの各種酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることができる。それらの添加剤はマスターバッチあるいはコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。
本発明において、基紙に熱可塑性樹脂を被覆する方法としては、走行する基紙上に樹脂組成物を、溶融押し出し機を用いてそのスリットダイからフィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング法がある。スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィッシュテイル型ダイのフラットダイが好ましい。また、樹脂組成物を基紙にコーティングする前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましく、基紙に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する基紙に樹脂層を被覆してもよい。表、裏の樹脂層は、連続的に押し出しコーティングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング方式で基紙に被覆されるのが好ましく、必要に応じて表または裏の樹脂層を二層以上の多層構成にする、多層押し出しコーティング方式で被覆してもよい。
本発明の耐水性積層シートの樹脂層面は、両面光沢面が好ましいが、少なくとも1面は光沢面でなければならない。本発明の用途で使用しない光沢面以外の反対面については、微粗面、マット面あるいは絹目面などに加工することができる。特に、高光沢を得るために高光沢面とする場合に、塗工層に良好な亀裂が発生し、オフセット印刷する際に本発明の効果が明確に得られる。
本発明に用いられる樹脂被覆紙の表裏の樹脂層の厚さとしては特に制限はないが、一般に一層または多層で7〜60μmの範囲、好ましくは10〜45μmの範囲の厚さのものが有利である。また、樹脂被覆紙の樹脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。
本発明の耐水性積層シートへの印刷には、オフセット、グラビア、フレキソ、凸版など、各種の汎用印刷インキが使用可能である。ポリオレフィン樹脂フィルムや合成紙用のインキを使用することも可能である。
以下に、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下特に断りがない限り、部および%はそれぞれ質量部、質量%を示す。
(実施例1)
基紙に坪量103g/mの上質紙を用い、先ず基紙の裏面をコロナ放電処理し、320℃の溶融した裏面用樹脂を下記配合で、塗布量が15g/mになるよう押し出し被覆して、粗面形状のクーリングロールで圧着した。次いで基紙の表面をコロナ放電処理し、320℃の溶融した表面用樹脂を下記配合で、塗布量が15g/mとなるよう押し出し被覆して、鏡面形状のクーリングロールで圧着し、シートを作製した。さらに、このシートの鏡面形状側にコロナ放電処理を行い、樹脂被覆紙を製造した。
<裏面用樹脂配合>
高密度ポリエチレン(密度0.967g/cm) 80部
低密度ポリエチレン(密度0.920g/cm) 20部
<表面用樹脂配合>
高密度ポリエチレン(密度0.967g/cm) 80部
低密度ポリエチレン(密度0.920g/cm) 20部
<塗工液>
水で20質量%に希釈したアクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ヨドゾールAD176、Tg=70℃、日本エヌエスシー株式会社製)に、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した。
得られた塗工液を、熱風乾燥機で乾燥後の塗工量が1.2g/mとなるように、樹脂被覆紙の鏡面形状側にワイヤーバーで塗工し、実施例1の耐水性積層シートを得た。
(実施例2)
水で20質量%に希釈したコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス40、日産化学工業株式会社製)100部、水で20質量%に希釈したアクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ヨドゾールAD176、Tg=70℃、日本エヌエスシー株式会社製)200部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に実施例2の耐水性積層シートを得た。
(実施例3)
水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8055A、Tg=78℃、日本合成化学工業株式会社製)に、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に実施例3の耐水性積層シートを得た。
(実施例4)
水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8055A、Tg=78℃、日本合成化学工業株式会社製)100部、水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ボンロンS−224、三井化学株式会社製)20部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に実施例4の耐水性積層シートを得た。
(実施例5)
水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8055A、Tg=78℃、日本合成化学工業株式会社製)100部、30%ポリエステル系ウレタン樹脂(商品名:ハイドランHW−350、DIC株式会社製)5部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に実施例5の耐水性積層シートを得た。
(実施例6)
水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8055A、Tg=78℃、日本合成化学工業株式会社製)80部、水で30質量%に分散した軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−123、奥多摩工業株式会社)20部、水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ボンロンS−224、三井化学株式会社製)20部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に実施例6の耐水性積層シートを得た。
(実施例7)
水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8055A、Tg=78℃、日本合成化学工業株式会社製)80部、水で30質量%に分散したカオリン(商品名:アマゾンSB、CADAM社製)20部、水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ボンロンS−224、三井化学株式会社製)20部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に実施例7の耐水性積層シートを得た。
(実施例8)
水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8055A、Tg=78℃、日本合成化学工業株式会社製)100部、水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ボンロンS−224、三井化学株式会社製)60部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に実施例8の耐水性積層シートを得た。
(実施例9)
水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8055A、Tg=78℃、日本合成化学工業株式会社製)100部、水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ボンロンS−224、三井化学株式会社製)100部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に実施例9の耐水性積層シートを得た。
(実施例10)
水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8055A、Tg=78℃、日本合成化学工業株式会社製)60部、水で30質量%に希釈したアクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8020、Tg=−22℃、日本合成化学工業株式会社製)40部、水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ボンロンS−224、三井化学株式会社製)20部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に実施例10の耐水性積層シートを得た。
(比較例1)
水で30質量%に希釈したアクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8020、Tg=−22℃、日本合成化学工業株式会社製)に、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に比較例1の耐水性積層シートを得た。
(比較例2)
水で30質量%に希釈したアクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8030、Tg=17℃、日本合成化学工業株式会社製)に、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に比較例2の耐水性積層シートを得た。
(比較例3)
水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合樹脂とコロイダルシリカを複合した特殊共重合樹脂(商品名:モビニール8201、Tg=8℃、日本合成化学工業株式会社製)に、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に比較例3の耐水性積層シートを得た。
(比較例4)
水で30質量%に希釈したコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス40、日産化学工業株式会社製)100部、水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ボンロンS−224、三井化学株式会社製)20部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に比較例4の耐水性積層シートを得た。
(比較例5)
水で30質量%に希釈したコロイダルシリカ(商品名:スノーテックス40、日産化学工業株式会社製)50部、水で30質量%に希釈した有機フィラー(商品名:モビニール790、Tg=102℃、日本合成化学工業株式会社製)50部、水で30質量%に希釈したスチレン−アクリル系共重合エマルジョン樹脂(商品名:ボンロンS−224、三井化学株式会社製)20部を混合し、界面活性剤を適宜添加して塗工液を調製した以外は、実施例1と同様に比較例5の耐水性積層シートを得た。
<亀裂>
塗工層表面を走査型電子顕微鏡で1000倍に拡大し、任意の10箇所から1mm当たりの亀裂の平均総合計長さを求めた。本発明では、連続した亀裂、不連続の亀裂に関係なく、亀裂の長さに積算した。また、曲線においては、直線に近似させ概算して求めた。
<インキセット性>
RI印刷試験機を用い、印刷インキ藍(商品名:スペースカラーフュージョンG藍、DIC株式会社製)を0.7mlロールに展開して単色のベタ印刷を施す。15分後に白紙(坪量157g/mのA2グロス紙)と印刷面を重ねて、再度RI印刷試験機にてニップし、白紙に転写したインキ濃度を目視評価し、インキセット性を判定した。△以上の評価で、実用上問題ないレベルである。
◎:非常に速い。
○:速い。
△:中程度。
▲:遅い。
×:非常に遅い。
<白紙光沢度>
JIS−P8142に準じて75°光沢度を測定した。60%以上の評価で高光沢な面調を有するものと判断した。
評価結果を表1にまとめる。
Figure 2011161889
実施例1〜10の結果から明らかなように、本発明の耐水性積層シートは、汎用のインキを用いて印刷を行う際のインキセット性が優れると共に、高光沢な面調を有する特性を示した。また、実施例3〜9の結果から、塗工層に無機粒子と有機粒子の複合体を含有し、100mm/mm以上の亀裂を有することで、よりインキセットに優れ、実施例10のように、亀裂が少なくなるとインキ乾燥性が低下することがわかる。
比較例1〜3の結果から、Tgが20℃未満の無機粒子と有機粒子の複合体を使用すると、塗工層に亀裂が生じず、汎用のインキを用いて印刷を行う際のインキセット性が劣るものとなった。
また、比較例4の結果から、無機顔料とバインダーの組み合わせからなる塗工層を設けた場合、実用上問題ないレベルのインキセット性は有するものの、高光沢な面調が損なわれるものとなった。
比較例5の結果から、Tgが高い有機フィラーを用いても、塗工層に亀裂は生じず、汎用のインキを用いて印刷を行う際のインキセット性が劣るものとなった。
本発明の耐水性積層シートは、汎用のインキを用いてのオフセット印刷のみならず、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷などの印刷にも使用できる。また、インクジェット記録用紙の基紙、電子写真用紙の基紙などにも使用できる。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂層で被覆されたシート上に塗工層を設けた積層シートにおいて、塗工層に微細な亀裂を有し、かつ、JIS−P8142による75°光沢度が60%以上であることを特徴とする耐水性積層シート。
  2. 微細な亀裂の総合計長さが、1mm当たり20mm以上である請求項1記載の耐水性積層シート。
  3. 塗工層が、ガラス転移点(Tg)が20℃以上である無機粒子と有機粒子の複合体を含有する、請求項1または2記載の耐水性積層シート。
  4. 無機粒子がコロイダルシリカである請求項3記載の耐水性積層シート。
  5. 有機粒子が、スチレン−アクリル系共重合体もしくはアクリル系共重合体である請求項3記載の耐水性積層シート。
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