JP2005306029A - 積層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 高光沢を有し美麗性に優れた、電子写真印刷適性の良好な積層シート、断面耐水性の高い積層シートを提供する。
【解決手段】 少なくとも一方の面の表面粗さRzが5.0μm以下である紙基材の少なくとも前記表面粗さを有する面上に、熱可塑性樹脂からなる1以上の層が積層され、かつJIS K-7150に準じた測定法による写像性が50%以上である積層シート。
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも一方の面の表面粗さRzが5.0μm以下である紙基材の少なくとも前記表面粗さを有する面上に、熱可塑性樹脂からなる1以上の層が積層され、かつJIS K-7150に準じた測定法による写像性が50%以上である積層シート。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐水性を有し、高光沢かつ美麗性に優れた積層シートに関し、特に電子写真印刷方式での記録に適する積層シートに関する。
耐水性を有する印刷用紙として、従来から、紙基材の表面に熱可塑性樹脂をラミネートした積層耐水紙が知られている。この積層耐水紙は、通常、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法によって製造される。即ち、巻取りロールから繰出された紙基材層の表面に、Tダイ製膜機から溶融した熱可塑性樹脂を押出し、又は、2種以上の熱可塑性樹脂を共押出しし、クーリングロールとニップロール間で直ちに、紙基材層とこの(これらの)熱可塑性樹脂層を押圧・圧着して積層することにより製造される。このような積層耐水紙は、例えば特許文献1に記載されている。
こうした積層耐水紙は、耐水性、ひいては耐候性を有しながら比較的安価で、廃棄処理も容易であるという優れた特性をもつことから、選挙用や商業用等の屋外ポスター、オンデマンド印刷を利用したコンビニエンスストアーやスーパーなどの商品のPOP(Point Of Purchase)や値札、冷蔵ケースの値札、屋外用途の値札などが主要な用途の一つとなっている。これらの用途においては、耐水性はもちろん、印刷適性や記録適性、また美麗性等が求められる。さらに、電子写真方式による複写機やレーザープリンター等の画像記録用媒体として利用される場合は、加熱定着処理への適応も必要である。
特許第2763011号公報
こうした積層耐水紙は、耐水性、ひいては耐候性を有しながら比較的安価で、廃棄処理も容易であるという優れた特性をもつことから、選挙用や商業用等の屋外ポスター、オンデマンド印刷を利用したコンビニエンスストアーやスーパーなどの商品のPOP(Point Of Purchase)や値札、冷蔵ケースの値札、屋外用途の値札などが主要な用途の一つとなっている。これらの用途においては、耐水性はもちろん、印刷適性や記録適性、また美麗性等が求められる。さらに、電子写真方式による複写機やレーザープリンター等の画像記録用媒体として利用される場合は、加熱定着処理への適応も必要である。
選挙用や商業用のポスター、商品のPOPにおいては、何よりも美麗性が重要視される。このため、かかる用途においては、高光沢な面調が好まれる傾向にある。上記積層耐水紙においては、溶融した熱可塑性樹脂と紙基材とを圧着する際に、周面を鏡面仕上げとしたクーリングロールを用いることで、この鏡面を熱可塑性樹脂表面に転写し、このような高光沢を付与している。しかし、こうして製造される高光沢性の積層耐水紙には、その表面に微小な窪みが散在し美麗性が不充分であるといった問題があった。
さらに、耐水性を備えるとはいっても、断面からの浸水には弱く、花挿札のように頻繁に水に接する用途では断面耐水性も重要である。
本発明は、かかる問題点を踏まえ、高光沢を有し美麗性に優れた、電子写真印刷適性の良好な積層シート、さらには、断面耐水性を有し耐水性の極めて高い積層シートを提供することを目的とする。
さらに、耐水性を備えるとはいっても、断面からの浸水には弱く、花挿札のように頻繁に水に接する用途では断面耐水性も重要である。
本発明は、かかる問題点を踏まえ、高光沢を有し美麗性に優れた、電子写真印刷適性の良好な積層シート、さらには、断面耐水性を有し耐水性の極めて高い積層シートを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究の結果、積層シートに使用する紙基材として表面荒さRzが5.0μm以下であるような基材を使用することで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の主な解決手段を次に示す。
(1)少なくとも一方の面の表面粗さRzが5.0μm以下である紙基材であって、少なくとも前記表面粗さを有する面上に、熱可塑性樹脂からなる層が1層以上積層され、かつJIS K-7150に準じた測定法による写像性が50%以上であることを特徴とする積層シート。
(2)紙基材がキャスト塗工紙であり、該キャスト塗工紙の表面粗さRzが5.0μm以下であることを特徴とする(1)記載の積層シート。
(3)キャスト塗工紙が、顔料と接着剤を塗工層主成分とし、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面仕上げ面により圧接、乾燥して仕上げたキャスト塗工紙であって、該キャスト塗工層が、0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が体積基準で65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上含有し、かつプラスチックピグメントを含有することを特徴とする(2)記載の積層シート。
(4)プラスチックピグメントを無機顔料100重量部に対して5〜50重量部含有することを特徴とする(3)の積層シート。
(5)原紙がパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の積層シート。
(6)熱可塑性樹脂層の最表層が、融点が180℃以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする(1)〜(5)記載の積層シート。
(1)少なくとも一方の面の表面粗さRzが5.0μm以下である紙基材であって、少なくとも前記表面粗さを有する面上に、熱可塑性樹脂からなる層が1層以上積層され、かつJIS K-7150に準じた測定法による写像性が50%以上であることを特徴とする積層シート。
(2)紙基材がキャスト塗工紙であり、該キャスト塗工紙の表面粗さRzが5.0μm以下であることを特徴とする(1)記載の積層シート。
(3)キャスト塗工紙が、顔料と接着剤を塗工層主成分とし、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面仕上げ面により圧接、乾燥して仕上げたキャスト塗工紙であって、該キャスト塗工層が、0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が体積基準で65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上含有し、かつプラスチックピグメントを含有することを特徴とする(2)記載の積層シート。
(4)プラスチックピグメントを無機顔料100重量部に対して5〜50重量部含有することを特徴とする(3)の積層シート。
(5)原紙がパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の積層シート。
(6)熱可塑性樹脂層の最表層が、融点が180℃以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする(1)〜(5)記載の積層シート。
本発明によれば、従来であれば高光沢処理後も残存していた微小な窪みすらもない、きわめて平滑な表面を与え美麗な仕上がりとなる。従って、本発明の積層シートはポスターの他、高光沢で美麗性が求められる様々な用途に適した、実用的価値の非常に高いものである。
また、紙基材として特定のキャストコート紙を使用した場合は、断面からの吸水を防止することができ、ポスターや花挿札など屋外で雨や湿気にさらされたり頻繁に水をかぶる用途にも好適である。
また、紙基材として特定のキャストコート紙を使用した場合は、断面からの吸水を防止することができ、ポスターや花挿札など屋外で雨や湿気にさらされたり頻繁に水をかぶる用途にも好適である。
(紙基材)
本発明において使用する紙基材は、植物繊維又は植物繊維とその他の繊維を絡み合わせ、膠着させて製造したものをいい、紙基材の一方の面又は両面の表面粗さRzが5.0μm以下であるものとする。より好ましくは1.0μm以下である。さらに好ましくは、0.6μm以下である。
積層シートの基材となる紙は、植物繊維等が複雑に絡み合って構成しているため、その表面には微小な凹凸が無数に存在する。従って、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法によりこの紙基材に熱可塑性樹脂を積層する場合、紙基材表面に薄い膜状に押出された溶融樹脂は、その表面の凹凸に追従して積層されることとなる。このような凹凸は、紙基材と溶融樹脂とを押圧して圧着する際に、溶融樹脂と接し、これを圧するクーリングロールとして、周面を高平滑とした鏡面仕上げのものを用い、この表面性状を樹脂表面に転写することで凸部についてはある程度矯正されるが、それでもなお矯正しきれない凹部が残り、これが積層シート表面の微小な窪みとなって美麗性を損なう原因となっていた。
本発明において使用する紙基材は、植物繊維又は植物繊維とその他の繊維を絡み合わせ、膠着させて製造したものをいい、紙基材の一方の面又は両面の表面粗さRzが5.0μm以下であるものとする。より好ましくは1.0μm以下である。さらに好ましくは、0.6μm以下である。
積層シートの基材となる紙は、植物繊維等が複雑に絡み合って構成しているため、その表面には微小な凹凸が無数に存在する。従って、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法によりこの紙基材に熱可塑性樹脂を積層する場合、紙基材表面に薄い膜状に押出された溶融樹脂は、その表面の凹凸に追従して積層されることとなる。このような凹凸は、紙基材と溶融樹脂とを押圧して圧着する際に、溶融樹脂と接し、これを圧するクーリングロールとして、周面を高平滑とした鏡面仕上げのものを用い、この表面性状を樹脂表面に転写することで凸部についてはある程度矯正されるが、それでもなお矯正しきれない凹部が残り、これが積層シート表面の微小な窪みとなって美麗性を損なう原因となっていた。
そこで、本発明では紙基材の表面粗さRzが5.0μm以下であるような基材を使用することにより高光沢かつ美麗性良好となることを見出し、上記の問題を解決したものであり、写像性が50%以上である積層シートが得られる。写像性とは、表面に写った物体の写り具合を示したもので、この値が高いほど鏡のように鮮明に物体を写しているという指標である。従ってこの値が高いということは、美麗性が良好であることが意味される。
また、紙の平滑性を測る指標としては他に王研式平滑度、ベック平滑度等があるが、これらの測定方法は表面上にエアーを吹き付け何秒で通り過ぎるかを測定するものであり、凸部は矯正されたものの凹部が残っている紙と、凸部だけでなく凹部も矯正された紙との差が小さい。これに対し、本発明で選択される表面粗さは、表面をなぞるような測定方法であるため、凸部がなく表面は平坦であっても、窪みがあるような場合を見逃すことがない。
また、紙の平滑性を測る指標としては他に王研式平滑度、ベック平滑度等があるが、これらの測定方法は表面上にエアーを吹き付け何秒で通り過ぎるかを測定するものであり、凸部は矯正されたものの凹部が残っている紙と、凸部だけでなく凹部も矯正された紙との差が小さい。これに対し、本発明で選択される表面粗さは、表面をなぞるような測定方法であるため、凸部がなく表面は平坦であっても、窪みがあるような場合を見逃すことがない。
(紙基材の種類)
紙の表面粗さを向上させ本発明の紙基材を得る方法としては、特に制限されないが、例えばカレンダーにより紙表面の凸部を押しつぶす方法、表面に塗工層を設ける方法がある。
但し、前者のカレンダー法による平滑化では、紙の凸部については矯正されるものの、凹部については矯正されにくい。また、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法により熱可塑性樹脂を積層した積層シートの剛性は、紙基材の剛性に左右されるが、カレンダー法を用いて表面の平滑化を図った紙は何度もロール間を通り紙がしごかれるためか、剛性が低下する傾向がある。
紙の表面粗さを向上させ本発明の紙基材を得る方法としては、特に制限されないが、例えばカレンダーにより紙表面の凸部を押しつぶす方法、表面に塗工層を設ける方法がある。
但し、前者のカレンダー法による平滑化では、紙の凸部については矯正されるものの、凹部については矯正されにくい。また、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法により熱可塑性樹脂を積層した積層シートの剛性は、紙基材の剛性に左右されるが、カレンダー法を用いて表面の平滑化を図った紙は何度もロール間を通り紙がしごかれるためか、剛性が低下する傾向がある。
一方、表面に塗工層を設ける方法は、紙の凹部を埋めて平坦化する方式であることから、本発明の積層シートの紙基材として使用するのにより適している。表面に塗工層を有する塗工紙は、一般に原紙上にバインダーと有機又は無機顔料とを主体として含有する塗工層を設けたものであり、各種方式による印刷用紙や記録用紙として広く用いられている。塗工紙の製造方法も種々知られており、本発明でも通常使用されている種類の材料及び装置が適宜使用される。例えば、バインダーとしてはポリビニルアルコール、スチレン重合体、スチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などやその誘導体等を挙げることができる。顔料はカオリン、焼成クレー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナ等が挙げられる。これらのバインダー、顔料、その他必要に応じて各種添加剤を水系で分散させ塗工液を調製し、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ダイコーター等を用いて、原紙の表面に塗工することにより塗工層を設ける。
本発明では特にキャスト塗工紙が好ましい。キャスト塗工紙は、湿潤状態にある塗工層を加熱した鏡面の金属ドラムに押し当てて乾燥させ、平滑な表面を得た紙であり、具体的には次のような製法により製造される紙である。塗工液が塗工された紙は、乾燥設備を通らず、塗工面側をキャストドラムに押し当てられる。キャストドラムに押し当てられると、塗工液中の水分は紙の裏側から蒸発する。一方、キャストドラムは鏡面ドラムからなっており、キャストドラムに押し当てられた側の面(塗工面)は、高い光沢を有するようになる。このようにして製造される直接法の他に、塗工面の塗液を凝固液でゲル化させた後にキャストドラムに押し当てる凝固法、一度乾燥させた塗工面を再度湿潤させた後にキャストドラムに押し当てるリウェット法があるが、いずれの製法で得られたキャスト塗工紙でも本発明の紙基材として使用が可能である。なお、いずれの塗工紙及びキャスト塗工紙も、市販されているものを利用してもよい。
キャスト塗工紙を使用すると、光沢性、美麗性に大変優れた積層シートが得られる。他の塗工方法で製造される塗工紙の場合、塗工層自体としては均一であるものの、原紙が凹凸している場合はそれを受けてしまい、塗工紙表面の粗さが必ずしも良好になるとはいえない。これに対し、キャスト塗工法の場合は塗工層が軟らかいうちに鏡面に押し当てられるため、表面が平坦で粗さの良好な、本発明の紙基材に適する紙が得られると考えられる。
キャスト塗工紙を使用すると、光沢性、美麗性に大変優れた積層シートが得られる。他の塗工方法で製造される塗工紙の場合、塗工層自体としては均一であるものの、原紙が凹凸している場合はそれを受けてしまい、塗工紙表面の粗さが必ずしも良好になるとはいえない。これに対し、キャスト塗工法の場合は塗工層が軟らかいうちに鏡面に押し当てられるため、表面が平坦で粗さの良好な、本発明の紙基材に適する紙が得られると考えられる。
このように、表面粗さRzが5.0μm以下である紙基材を用いることにより、光沢性、美麗性に優れた積層シートを得ることができる。断面耐水性を向上させるためには、サイズを強くした紙を使用したり、塗工紙の場合は塗工層に含有される顔料、バインダー、その他添加剤の種類や量によって吸水性を調整することが可能である。本発明ではキャスト塗工紙の中でも、特定の顔料と接着剤を主成分とする塗工層を設け、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面仕上げ面に圧接、乾燥して仕上げる、リウエット法により製造されるキャスト塗工紙とすることにより、特に、断面の耐水性が向上することを見出した。以下、この態様について詳細に説明する。
(リウエット法キャスト塗工紙)
キャスト塗工層に含有する顔料としては、0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が体積基準で65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上、好ましくは60重量部以上、さらに好ましくは70重量部以上である。
また、本発明において、プラスチックピグメントを含有する必要があり、含有量は好ましくは無機顔料100重量部に対して5〜50重量部であり、より好ましくは10〜45重量部、更に好ましくは20〜45重量部含有することである。本発明に用いるプラスチックピグメントは、密実型、中空型、又は、コア/シェル構造を持つプラスチックピグメント等を必要に応じて、単独、又は2種類以上混合して使用することができる。
密実型のプラスチックピグメントの配合量は、無機顔料100重量部に対して10〜50重量部が好ましく、より好ましくは20〜45重量部である。また、中空型のプラスチックピグメントの配合量は、無機顔料100重量部に対して5〜25重量部が好ましく、より好ましくは10〜23重量部である。プラスチックピグメントの構成重合体成分としては、好ましくは、スチレン及び/又は、メチルメタアクリレート等のモノマーを主成分として、必要に応じて、これらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。
キャスト塗工層に含有する顔料としては、0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が体積基準で65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上、好ましくは60重量部以上、さらに好ましくは70重量部以上である。
また、本発明において、プラスチックピグメントを含有する必要があり、含有量は好ましくは無機顔料100重量部に対して5〜50重量部であり、より好ましくは10〜45重量部、更に好ましくは20〜45重量部含有することである。本発明に用いるプラスチックピグメントは、密実型、中空型、又は、コア/シェル構造を持つプラスチックピグメント等を必要に応じて、単独、又は2種類以上混合して使用することができる。
密実型のプラスチックピグメントの配合量は、無機顔料100重量部に対して10〜50重量部が好ましく、より好ましくは20〜45重量部である。また、中空型のプラスチックピグメントの配合量は、無機顔料100重量部に対して5〜25重量部が好ましく、より好ましくは10〜23重量部である。プラスチックピグメントの構成重合体成分としては、好ましくは、スチレン及び/又は、メチルメタアクリレート等のモノマーを主成分として、必要に応じて、これらと共重合可能な他のモノマーが用いられる。
この共重合可能なモノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、クロロスチレンやジメチルスチレン等のオレフィン系芳香族系モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ニトリル等のモノオレフィン系モノマー及び、酢酸ビニル等のモノマーがある。また、必要に応じて、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸等の、オレフィン系不飽和カルボン酸モノマー類、ヒドロキシエチル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等の、オレフィン系不飽和ヒドロキシモノマー類、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタアクリルアミド等の、オレフィン系不飽和アミドモノマー類、ジビニルベンゼンのごとき、二量体ビニルモノマー等を少なくとも一種又は二種以上の組み合わせで用いることができる。これらのモノマーは例示であり、この他にも共重合可能なモノマーであれば使用することができる。本発明において使用するプラスチックピグメントは、通気性や表面強度の低下を招かない、レーザー回折/散乱式粒度分布測定器を用いて測定した平均粒径が0.1〜1.5μmのものを配合することが好ましく、より好ましくは平均粒径が0.1〜1.0μm、更に好ましくは0.1〜0.6μmのものを配合する。
また、塗工紙用に従来から用いられている、上記以外のカオリン、クレー、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料などを、必要に応じて1種類以上を選択して使用できる。特に、本発明のように、体積基準で0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上、より好ましくは70重量部以上含有させることにより、白紙光沢度及び印刷光沢度が向上し、キャスト面の面感に優れる。
キャスト塗工層に使用する接着剤は、特に限定されるものではなく、塗工紙用に従来から用いられているスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体及びポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗工紙接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。これらの接着剤は無機顔料100重量部あたり5〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部程度の範囲で使用される。
また、キャスト塗工層中には上記の顔料と接着剤の他に、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硝酸アンモニウム、第一燐酸ナトリウム、燐酸アンモニウム、燐酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、蟻酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、モノクロル酸ナトリウム、マロン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、アジピン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の無機酸や有機酸のアンモニウム塩や金属塩類、メチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジイソプロピルアミン等の各種添加剤を適宜使用することができる。さらに助剤として必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤、耐水化剤、防腐剤、印刷適性向上剤など、通常の塗工紙用塗料組成物に配合される各種助剤が適宜使用される。
塗工用の原紙には、通常のパルプ、填料等が配合される。原紙に配合されるパルプの種類等は特に限定されないが、例えば、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、サーモメカニカルパルプ、砕木パルプ、古紙パルプ(DIP)等が使用される。また、原紙に配合される填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、水和珪酸、ホワイトカーボン、酸化チタン、合成樹脂填料などの公知の填料を使用することができる。填料の使用量は、パルプ重量あたり、6重量%以上が好ましい。さらに必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、着色顔料、染料、消泡剤などを含有してもよい。
塗工用の原紙には、さらにパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有することが好ましい。パルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物は、以下の試験により選定することができる。
目的の用紙を構成するパルプ組成物に絶乾パルプ100重量部に対し0.3重量部の試験しようとする有機化合物を配合したパルプスラリーを用いて、実験用配向性抄紙機(熊谷理機社製)で、回転速度900rpmにて抄紙し、JIS 8209の方法に従ってプレス、乾燥を行う。なお、乾燥条件については、送風乾燥機により、50℃、1時間処理する。この試験用紙を23℃、相対湿度50%の環境下に24時間放置した後、JIS P8113に従って、引張り強さを測定する。引張り強さが低下する化合物が、本発明の繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である。この時の低下率があまり少ないものは嵩高効果が少なく、そのため多量に添加する必要がある。低下率が大きいものは少量の添加で嵩高効果がある。従って、引張り強さが低下する有機薬品であればいずれのものも使用可能であるが、0.3%配合時の低下率5〜30%のものが好ましく、特に、8〜20%のものが好ましい。
目的の用紙を構成するパルプ組成物に絶乾パルプ100重量部に対し0.3重量部の試験しようとする有機化合物を配合したパルプスラリーを用いて、実験用配向性抄紙機(熊谷理機社製)で、回転速度900rpmにて抄紙し、JIS 8209の方法に従ってプレス、乾燥を行う。なお、乾燥条件については、送風乾燥機により、50℃、1時間処理する。この試験用紙を23℃、相対湿度50%の環境下に24時間放置した後、JIS P8113に従って、引張り強さを測定する。引張り強さが低下する化合物が、本発明の繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物である。この時の低下率があまり少ないものは嵩高効果が少なく、そのため多量に添加する必要がある。低下率が大きいものは少量の添加で嵩高効果がある。従って、引張り強さが低下する有機薬品であればいずれのものも使用可能であるが、0.3%配合時の低下率5〜30%のものが好ましく、特に、8〜20%のものが好ましい。
本発明のパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物(以下、「結合阻害剤」と略称する)は、疎水基と親水基を持つ化合物で、上記試験で引張り強度の低下作用を有するものである。最近、製紙用で紙の嵩高化のために上市された低密度化剤(あるいは嵩高剤)は本発明の結合阻害剤として適しており、例えば、WO98/03730号公報、特開平11−200284号公報、特開平11−350380号公報、特開2003−96694号公報、特開2003−96695号公報等に示される化合物等が挙げられる。
具体的には、高級アルコールのエチレン及び/又はプロピレンオキサイド付加物、多価アルコール型非イオン型界面活性剤、高級脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物のエチレンオキサイド付加物、あるいは脂肪酸ポリアミドアミン、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミド、あるいはポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物などを使用することができ、これらを単独あるいは2種以上併用することができる。好ましくは多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物、脂肪酸ジアミドアミン、脂肪酸モノアミド、ポリアルキレンポリアミン・脂肪酸・エピクロロヒドリン縮合物等である。販売されている嵩高薬品としては、BASF社のスルゾールVL、Bayer社のバイボリュームPリキッド、花王(株)のKB−08T、08W、KB−110、−115、三晶(株)のリアクトペイク、日本PMC(株)のPT−205、日本油脂(株)のDZ2220、DU3605、荒川化学(株)のR21001、といった薬品があり、単独あるいは2種以上を併用してもよい。本発明では、嵩高で柔軟な用紙にするために、パルプの繊維間結合阻害剤をパルプ100重量部当たり0.1〜10重量部含有することが好ましく、特に0.2〜1.0重量部を含有することが好ましい。
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、丸網マシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙方式で抄紙した原紙のいずれであってもよく、もちろん、メカニカルパルプを含む中質原紙も使用できる。さらに表面強度やサイズ性の向上の目的で、原紙に水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行ってもよい。水溶性高分子としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の、表面処理剤として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。また、表面処理剤の中には、水溶性高分子のほかに耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。表面処理剤は2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロールコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーター、及びシムサイザーなどのフィルム転写型ロールコーター等の塗工機によって塗布することができる。また、本発明においては、表面処理剤の塗布の他に、一般の塗工紙に使用される顔料と接着剤を含む塗工液を上記塗工機を用いて塗工した原紙、又は上記表面処理剤を塗布乾燥した後に、更にブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター等を用いて塗工した原紙もキャスト塗工用の原紙として使用することができる。その場合の塗工量片面当り乾燥重量で5〜30g/m2 程度が望ましい。さらに、必要に応じてこの予備塗工した原紙をスーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の平滑化処理を前以って施しておくこともできる。坪量は30〜200g/m2程度を用いることができるが、好ましくは50〜180g/m2である。
本発明において、調整されたキャスト塗料組成物を原紙に塗工するための方法としては、2ロールサイズプレスコーターや、ゲートロールコーター、及びブレードメタリングサイズプレスコーター及びロッドメタリングサイズプレスコーター、シムサイザー、JFサイザー等のフィルム転写型ロールコーターや、フラデッドニップ/ブレードコーター、ジェットファウンテン/ブレードコーター、ショートドウェルタイムアプリケート式コーターの他、ブレードの替わりにグルーブドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタリングコーターや、エアナイフコーター、カーテンコーター又はダイコーター等の公知のコーターにより塗工することができ、塗工量は、原紙の片面あたり5〜30g/m2が好ましく、より好ましくは10〜20g/m2である。
塗工後は湿潤状態のままで鏡面仕上げする直接法、湿潤状態の塗工層を凝固して鏡面仕上げする凝固法、湿潤状態の塗工層を一旦乾燥して、再湿潤液で塗工層を再湿潤して鏡面仕上げする再湿潤法が用いられるが、品質及び操業面で再湿潤法が優れている。湿潤塗工層を乾燥させる方法としては、例えば上記加熱シリンダ、加熱熱風エアドライヤ、ガスヒータードライヤ、電気ヒータードライヤ、赤外線ヒータードライヤ等の各種方式のドライヤを単独あるいは組み合わせて用いる。塗工紙の乾燥程度は、原紙の種類、塗被組成物の種類等によって異なるが、一般に紙水分として約1〜10%の範囲であり、約2〜7%の範囲に乾燥するのが望ましい。本発明においては、乾燥された塗工層をそのまま再湿潤法で鏡面仕上げしても良いが、白紙光沢、平滑性向上、及び印刷光沢度向上等のため、乾燥された塗工紙を平滑化などの表面処理することが好ましく、表面処理の方法としては弾性ロールにコットンロールを用いたスーパーカレンダーや、弾性ロールに合成樹脂ロールを用いたソフトニップカレンダー、ブラシ掛け等公知の表面処理装置を用いることができる。特に、鏡面仕上げ前の塗工紙の光沢度を70%(75°)以上にすることにより、白紙光沢度や印刷光沢度等の品質を向上する。
本発明において、加熱された鏡面仕上げ面に圧接して高光沢を得る鏡面仕上げにおいては、特に鏡面仕上げ面の温度が100℃以上である様なキャスト法において、その作用効果が顕著に現れる。
本発明の鏡面仕上げは、湿潤状態の塗工紙を加熱された鏡面ロール表面にプレスロールで圧接、乾燥して仕上げるものであり、鏡面ロールとしてキャストドラムなどが使用できる。鏡面ロール表面にプレスロールで圧接し、光沢を付与するための条件については、加熱鏡面ロールの表面温度としては、80〜200℃、圧接時のプレス圧力としては30〜250kg/cm程度で行うことができる。
なお、本発明において、再湿潤液については、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンエマルジョン、脂肪酸石鹸、ステアリン酸カルシウム、マイクロクリスタリンワックス、界面活性剤、ロート油等の離型剤を0.01〜3重量%程度含有した水溶液、エマルジョン等通常の再湿潤液が用いられる。また、アルカリやヘキサメタリン酸ソーダ等のリン酸塩、尿素、有機酸等を乾燥塗工層の可塑化を促進させるために併用することも勿論可能である。
本発明で用いられるキャスト塗工紙は、白紙光沢度(20°)30%以上、あるいは写像性70%以上のときにより効果が顕著となる。
本発明において、上記のリウェット法により製造されるキャスト塗工紙を紙基材として用いることにより、高光沢でかつ断面の耐水性に優れる理由は明らかではないが、次のように推定される。
本発明の鏡面仕上げは、湿潤状態の塗工紙を加熱された鏡面ロール表面にプレスロールで圧接、乾燥して仕上げるものであり、鏡面ロールとしてキャストドラムなどが使用できる。鏡面ロール表面にプレスロールで圧接し、光沢を付与するための条件については、加熱鏡面ロールの表面温度としては、80〜200℃、圧接時のプレス圧力としては30〜250kg/cm程度で行うことができる。
なお、本発明において、再湿潤液については、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンエマルジョン、脂肪酸石鹸、ステアリン酸カルシウム、マイクロクリスタリンワックス、界面活性剤、ロート油等の離型剤を0.01〜3重量%程度含有した水溶液、エマルジョン等通常の再湿潤液が用いられる。また、アルカリやヘキサメタリン酸ソーダ等のリン酸塩、尿素、有機酸等を乾燥塗工層の可塑化を促進させるために併用することも勿論可能である。
本発明で用いられるキャスト塗工紙は、白紙光沢度(20°)30%以上、あるいは写像性70%以上のときにより効果が顕著となる。
本発明において、上記のリウェット法により製造されるキャスト塗工紙を紙基材として用いることにより、高光沢でかつ断面の耐水性に優れる理由は明らかではないが、次のように推定される。
本発明では、キャスト塗工層に粒度分布の狭いカオリンとプラスチックピグメントを併用することにより、塗工層の顔料粒子の充填率が低くなって被覆性が向上し、鏡面仕上げ面との圧接時の密着性が高まり、塗工層表面が鏡面仕上げ面を写し取りやすくなる。また、プラスチックピグメントは鏡面仕上げ面の熱によって軟らかくなり、鏡面仕上げ面との密着性をより高めて鏡面を写し取りやすくする。その結果、塗工紙の光沢性が向上し、熱可塑性樹脂をラミネート後の光沢性も高くなると考えられる。なお、本発明においては、再湿潤液でリウェットする前の塗工層を、カレンダー等を用いて平滑化処理することにより、光沢性をさらに向上させることができる。上記のリウエット法により形成されるキャスト塗工層に関する発明は、国際出願番号PCT/JP2004/15275として出願した。
次に、断面耐水性に関しては、塗工層に含有されるプラスチックピグメントの吸水性が、通常使用される無機顔料に比較して非常に低いため、塗工層による吸水が防止され断面耐水性が向上すると考えられる。加えて、原紙にパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を配合した場合は、パルプの繊維間結合が阻害されている、すなわち原紙が低密度化(嵩高化)していることにより空隙が増えるため、一見、吸水性は高くなるように思われるものの、これとは逆に本発明では断面耐水性が向上する。この理由は不明だが、繊維間結合を阻害する有機化合物が何らかのサイズ剤的作用も発現しているのではないかと推察される。また、紙における吸水の主体はパルプであり、低密度化すなわちパルプの量が減少していることにより、吸水が抑えられるのではないかと考えられる。
(熱可塑性樹脂層)
本発明の積層シートは、上記のような紙基材の少なくとも表面粗さが5.0μm以下である面に、1以上の熱可塑性樹脂層を積層したものであり、使用可能な熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン等、ラミネート加工可能な樹脂であれば良い。これら熱可塑性樹脂は単一の樹脂を単層で使用しても、複数の樹脂を複層で使用しても良い。
本発明の積層シートは、上記のような紙基材の少なくとも表面粗さが5.0μm以下である面に、1以上の熱可塑性樹脂層を積層したものであり、使用可能な熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン等、ラミネート加工可能な樹脂であれば良い。これら熱可塑性樹脂は単一の樹脂を単層で使用しても、複数の樹脂を複層で使用しても良い。
<最外層>
本願発明の積層シートを電子写真印刷方式による記録に用いる場合には、その機構上、トナーを用紙に加熱融着させることから熱可塑性樹脂が変形することを防ぐため、180℃以上程度と高い融点を有する熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。このような最外層を記録面とすることにより、記録の前後で表面性が悪化しないため、美麗な表面調が維持される。
融点が180℃以上の熱可塑性樹脂としては、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル)等が好ましい。中でもポリメチルペンテンが好ましい。ポリメチルペンテンは、4-メチルペンテン-1を主原料とする、結晶性のオレフィン系ポリマーであり、融点が220〜240℃の耐熱性とともに加熱ロールとの剥離性に優れた樹脂である。
本願発明の積層シートを電子写真印刷方式による記録に用いる場合には、その機構上、トナーを用紙に加熱融着させることから熱可塑性樹脂が変形することを防ぐため、180℃以上程度と高い融点を有する熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。このような最外層を記録面とすることにより、記録の前後で表面性が悪化しないため、美麗な表面調が維持される。
融点が180℃以上の熱可塑性樹脂としては、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル)等が好ましい。中でもポリメチルペンテンが好ましい。ポリメチルペンテンは、4-メチルペンテン-1を主原料とする、結晶性のオレフィン系ポリマーであり、融点が220〜240℃の耐熱性とともに加熱ロールとの剥離性に優れた樹脂である。
また、電子写真印刷方式に用いる場合、帯電防止を図る必要があり、熱可塑性樹脂層に帯電防止剤を添加するか、積層シートの表面に帯電防止剤を塗工することが好ましい。帯電防止剤の塗工方法としては、公知の塗工方式のいずれでも採用することができる。
最外層の熱可塑性樹脂層にはまた、不透明性、筆記性等を持たせる目的で酸化チタン、炭酸カルシウム等の白色無機顔料を配合することもできる。無機顔料の配合量は、これが配合される最外層に対して25重量%以下、できれば15重量%以下とすることが好ましい。配合量を増やすと、積層シートの平滑性や光沢などの表面性を悪化させることがある。無機顔料の粒径としては0.1〜20μmのものが好ましい。
最外層の熱可塑性樹脂層にはまた、不透明性、筆記性等を持たせる目的で酸化チタン、炭酸カルシウム等の白色無機顔料を配合することもできる。無機顔料の配合量は、これが配合される最外層に対して25重量%以下、できれば15重量%以下とすることが好ましい。配合量を増やすと、積層シートの平滑性や光沢などの表面性を悪化させることがある。無機顔料の粒径としては0.1〜20μmのものが好ましい。
<接着性樹脂層>
上記の最外層を形成する熱可塑性樹脂が紙基材と接着性が不良な場合には、紙基材に予め接着層を塗工又は積層することも可能であり、また最外層あるいは他の層に使用する熱可塑性樹脂と接着性樹脂を共押出しラミネーションすることも可能である。接着性樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が使用される。
特に、最外層に融点が180℃以上の熱可塑性樹脂を用いる場合には、その直下に、紙基材あるいは最外層とその下に積層される熱可塑性樹脂層等との密着性を高めるために、接着性を有する熱可塑性樹脂を積層することが好ましい。紙基材が塗工紙であったり最外層の下に他の熱可塑性樹脂層が存在する場合は、最外層が剥離しやすい傾向があるため、中間に挟まれる接着性樹脂は、最外層及び紙基材あるいは最外層の下に位置する熱可塑性樹脂層の双方への接着性が良好なものを選択する。特に上記のポリメチルペンテン樹脂は、本来離型性を有するものであるため、このようなポリメチルペンテン樹脂に対しても強固な接着性を発揮する必要がある。
上記の最外層を形成する熱可塑性樹脂が紙基材と接着性が不良な場合には、紙基材に予め接着層を塗工又は積層することも可能であり、また最外層あるいは他の層に使用する熱可塑性樹脂と接着性樹脂を共押出しラミネーションすることも可能である。接着性樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が使用される。
特に、最外層に融点が180℃以上の熱可塑性樹脂を用いる場合には、その直下に、紙基材あるいは最外層とその下に積層される熱可塑性樹脂層等との密着性を高めるために、接着性を有する熱可塑性樹脂を積層することが好ましい。紙基材が塗工紙であったり最外層の下に他の熱可塑性樹脂層が存在する場合は、最外層が剥離しやすい傾向があるため、中間に挟まれる接着性樹脂は、最外層及び紙基材あるいは最外層の下に位置する熱可塑性樹脂層の双方への接着性が良好なものを選択する。特に上記のポリメチルペンテン樹脂は、本来離型性を有するものであるため、このようなポリメチルペンテン樹脂に対しても強固な接着性を発揮する必要がある。
このような接着性を有する樹脂としては、変性ポリオレフィン、アイオノマー、あるいはこれらと融点200℃以上の熱可塑性樹脂との混合物からなる樹脂組成物等を挙げることができる。また、同じ種類あるいは異なる種類を選び1層又は2層以上積層してもよい。
変性ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜20のα-オレフィンの単独重合体あるいは共重合体を極性基及びエチレン性二重結合を有するモノマーでグラフト変性した変性物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では特に、ポリメチルペンテン樹脂との接着性が良好なことから、無水マレイン酸変性ポリエチレンが好ましく用いられる。
単独重合体あるいは共重合体の例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度線状ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・ペンテン-1共重合体、エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体及びエチレン-ブテン-1共重合体等を挙げることできる。このような単独重合体あるいは共重合体のASTM-D-1238により測定したメルトフローレートは、通常は0.1〜30g/10分、多くの場合1〜20g/10分の範囲内にあり、ASTM-D-2117により測定した融点は、通常は50〜170℃、多くの場合80〜150℃の範囲内にある。さらに、ASTM-D-1505により測定した密度は、通常は0.88〜0.96g/cm3、多くの場合0.89〜0.96g/cm3の範囲内にある。
変性ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜20のα-オレフィンの単独重合体あるいは共重合体を極性基及びエチレン性二重結合を有するモノマーでグラフト変性した変性物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では特に、ポリメチルペンテン樹脂との接着性が良好なことから、無水マレイン酸変性ポリエチレンが好ましく用いられる。
単独重合体あるいは共重合体の例としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度線状ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・ペンテン-1共重合体、エチレン・4-メチルペンテン-1共重合体及びエチレン-ブテン-1共重合体等を挙げることできる。このような単独重合体あるいは共重合体のASTM-D-1238により測定したメルトフローレートは、通常は0.1〜30g/10分、多くの場合1〜20g/10分の範囲内にあり、ASTM-D-2117により測定した融点は、通常は50〜170℃、多くの場合80〜150℃の範囲内にある。さらに、ASTM-D-1505により測定した密度は、通常は0.88〜0.96g/cm3、多くの場合0.89〜0.96g/cm3の範囲内にある。
単独重合体あるいは共重合体の変性剤として使用される極性基及びエチレン性二重結合を有するモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、クロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、エンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)及びエンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2-メチル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のようなカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フマル酸、無水クロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、エンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)の酸無水物及びエンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2-メチル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)の酸無水物のような無水カルボン酸類;(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、テトラヒドロフタル酸の(モノ又はジ)アルキルエステル、マレイン酸の(モノ又はジ)アルキルエステル、イタコン酸の(モノ又はジ)アルキルエステル、シトラコン酸の(モノ又はジ)アルキルエステル、フマル酸の(モノ又はジ)アルキルエステル、クロトン酸の(モノ又はジ)アルキルエステル、ノルボルネンジカルボン酸の(モノ又はジ)アルキルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)のアルキルエステル及びエンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2-メチル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のアルキルエステルのようなエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシ-プロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及び2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルアクリレートのようなヒドロキシ(メタ)アクリル酸エステル類; 10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、2-メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メタ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオール及びグリセリンモノアルコールのような水酸基含有化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、イタコン酸の(モノ又はジ)グリシジルエステル、ブテントリカルボン酸の(モノ又はジ)グリシジルエステル、シトラコン酸の(モノ又はジ)グリシジルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック酸TM)の(モノ又はジ)グリシジルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2-メチル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)の(モノ又はジ)グリシジルエステル、アリルコハク酸の(モノ又はジ)グリシジルエステル、p-スチレンカルボン酸のグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン-p-グリシジルエーテル、3,4-エポキシ-1-ブテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-エポキシ-1-ペンテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ペンテン、5,6-エポキシ-1-ヘキセン及びビニルシクロヘキセンモノオキシドのようなエチレン性不飽和結合を有するエポキシ化合物;アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル及びメタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェートモノメタノールアミノハーフソルのような(メタ)アクリル酸のアルキルアミノエステル;N-ビニルジエチルアミン及びN-アセチルビニルアミンのようなビニルアミン類;アリルアミン、メタクリルアミン、N-メチルアクリルアミン、N,N-ジメチルアクリルアミド及びN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのようなアリルアミン類;アクリルアミド及びN-メチルアクリルアミドのようなアクリルアミド類;p-アミノスチレンのようなアミノスチレン化合物;並びに6-アミノヘキシルコハク酸イミド及び2-アミノエチルコハク酸イミドのようなアミノアルキルコハク酸イミド類を挙げることができる。これらの変性剤は、単独で使用することもできるし、また変性剤の特性が損なわれない範囲内で組み合わせて使用することもできる。これらの変性剤の中では(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸が好ましい。
アイオノマーは、イオン含有高分子で、特に金属イオンあるいは第4級アンモニウムにより部分的にあるいは完全に中和された高分子であり、特にエチレン系高分子鎖に少量の(メタ)アクリル酸をグラフトし、その(メタ)アクリル酸の一部を、Na+、K+、Zn++、Mg++などで中和したものが好ましく使用できる。中でもZnを有すると光沢性が良好で好ましい。
このようなエチレン系アイオノマー樹脂とは、エチレン/α,β-不飽和カルボン酸共重合体(I)、あるいはエチレン/α,β-不飽和カルボン酸/α,β-不飽和カルボン酸エステル共重合体(II)のカルボン酸基の一部、通常5〜80%を、金属イオンにより中和したものである。中和前の上記(I)又は(II)のエチレン共重合体成分のうち、エチレン単位の占める割合は通常約75〜99.5モル%、好ましくは88〜98モル%であり、α,β-不飽和カルボン酸単位の占める割合は通常約0.5〜15モル%、好ましくは1〜6モル%である。また、α,β-不飽和カルボン酸エステル単位の占める割合は通常0〜10モル%、好ましくは0〜6モル%である。さらに、上記(I)又は(II)の共重合体中におけるカルボン酸基のうち、金属イオンにより中和されるカルボン酸基の割合(中和度)は通常5〜80%、好ましくは10〜75%である。
このようなエチレン系アイオノマー樹脂とは、エチレン/α,β-不飽和カルボン酸共重合体(I)、あるいはエチレン/α,β-不飽和カルボン酸/α,β-不飽和カルボン酸エステル共重合体(II)のカルボン酸基の一部、通常5〜80%を、金属イオンにより中和したものである。中和前の上記(I)又は(II)のエチレン共重合体成分のうち、エチレン単位の占める割合は通常約75〜99.5モル%、好ましくは88〜98モル%であり、α,β-不飽和カルボン酸単位の占める割合は通常約0.5〜15モル%、好ましくは1〜6モル%である。また、α,β-不飽和カルボン酸エステル単位の占める割合は通常0〜10モル%、好ましくは0〜6モル%である。さらに、上記(I)又は(II)の共重合体中におけるカルボン酸基のうち、金属イオンにより中和されるカルボン酸基の割合(中和度)は通常5〜80%、好ましくは10〜75%である。
また、上記の変性ポリオレフィン又はアイオノマーと、融点200℃以上の熱可塑性樹脂との混合物からなる樹脂組成物としては、変性ポリオレフィンと融点200℃以上の熱可塑性樹脂、又はアイオノマーと融点200℃以上の熱可塑性樹脂とを共押出ししたり、混合後に押出しして使用することができる。
<紙基材側熱可塑性樹脂層>
本発明ではさらに、紙基材に接する層として、密着性が良好なことからシングルサイト系触媒で合成された直鎖状低密度ポリエチレン(SS−LLDPE)層を設けることが好ましい。SS−LLDPEは、活性点が均一なシングルサイト系触媒により合成されるため、汎用されるチーグラー触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と比べ、シャープな分子量分布を示す。シングルサイト系触媒の代表的なものとしては、メタロセン系触媒を挙げることができる。これは、2個のシクロペンタジエン環に、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン又はタングステン等の遷移金属原子が、サンドイッチ状に挟まれた構造を有する触媒である。なお、シングルサイト系触媒を用いたLLDPEの合成は、気相法、高圧法、溶液法のいずれの方法で行っても構わない。
本発明ではさらに、紙基材に接する層として、密着性が良好なことからシングルサイト系触媒で合成された直鎖状低密度ポリエチレン(SS−LLDPE)層を設けることが好ましい。SS−LLDPEは、活性点が均一なシングルサイト系触媒により合成されるため、汎用されるチーグラー触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と比べ、シャープな分子量分布を示す。シングルサイト系触媒の代表的なものとしては、メタロセン系触媒を挙げることができる。これは、2個のシクロペンタジエン環に、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン又はタングステン等の遷移金属原子が、サンドイッチ状に挟まれた構造を有する触媒である。なお、シングルサイト系触媒を用いたLLDPEの合成は、気相法、高圧法、溶液法のいずれの方法で行っても構わない。
<その他の樹脂層>
さらに本発明では、上記した熱可塑性樹脂層の他に、熱可塑性樹脂層を適宜設けてもよい。このような層を形成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン等、ラミネート加工可能な樹脂を挙げることができる。また、紙基材及び熱可塑性樹脂の種類や操業条件等により、紙基材と熱可塑性樹脂層、あるいは熱可塑性樹脂層同士の間の接着性が不良な場合には、紙基材に予め接着層を塗工又は積層することも可能である。接着層としては、上記の接着性を有する樹脂をはじめ、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が使用される。
さらに本発明では、上記した熱可塑性樹脂層の他に、熱可塑性樹脂層を適宜設けてもよい。このような層を形成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン等、ラミネート加工可能な樹脂を挙げることができる。また、紙基材及び熱可塑性樹脂の種類や操業条件等により、紙基材と熱可塑性樹脂層、あるいは熱可塑性樹脂層同士の間の接着性が不良な場合には、紙基材に予め接着層を塗工又は積層することも可能である。接着層としては、上記の接着性を有する樹脂をはじめ、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等が使用される。
<他面の構成>
本発明では、紙基材の少なくとも表面粗さが5.0μm以下である面に熱可塑性樹脂を積層したものであるが、紙基材の反対面は任意であり、用途によって何も設けない、粘着剤を塗布する、熱可塑性樹脂層をラミネートするなどの場合がある。紙基材の両面に熱可塑性樹脂層が存在する場合、これらの熱可塑性樹脂層の種類及び積層順序等は、一方の面と他方の面とで同一であっても異なっていてもよい。特に電子写真印刷方式で最外層に記録する場合は、支持体の裏面には何も設けないか、全く同じ樹脂を同じ構成で積層するのが好ましい。
本発明では、紙基材の少なくとも表面粗さが5.0μm以下である面に熱可塑性樹脂を積層したものであるが、紙基材の反対面は任意であり、用途によって何も設けない、粘着剤を塗布する、熱可塑性樹脂層をラミネートするなどの場合がある。紙基材の両面に熱可塑性樹脂層が存在する場合、これらの熱可塑性樹脂層の種類及び積層順序等は、一方の面と他方の面とで同一であっても異なっていてもよい。特に電子写真印刷方式で最外層に記録する場合は、支持体の裏面には何も設けないか、全く同じ樹脂を同じ構成で積層するのが好ましい。
<積層方法>
紙基材への熱可塑性樹脂層の積層は、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法等、公知の方法を単独で、又はこれらを適宜組合せて製造することができる。特に、熱可塑性樹脂層間の密着性、生産効率の点から、2台以上の押出機を用い、各熱可塑性樹脂を溶融状態でTダイに導き、各Tダイから同時に押出して積層接着する共押出しラミネーション法が適している。樹脂の積層時に用いるTダイとしては、例えばシングルTダイ、共押しTダイを挙げることができるが、共押しTダイを用いれば、2種以上の樹脂を同時に押出すことができるので、基材上に2層以上の樹脂を積層する場合に好ましい。共押しTダイには、ダイ内接着、ダイ外接着の2種があり、中でも共押しダイ外接着Tダイは、2種以上の樹脂を、温度条件を代えて同時に積層することができる点で優れている。
紙基材への熱可塑性樹脂層の積層は、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法等、公知の方法を単独で、又はこれらを適宜組合せて製造することができる。特に、熱可塑性樹脂層間の密着性、生産効率の点から、2台以上の押出機を用い、各熱可塑性樹脂を溶融状態でTダイに導き、各Tダイから同時に押出して積層接着する共押出しラミネーション法が適している。樹脂の積層時に用いるTダイとしては、例えばシングルTダイ、共押しTダイを挙げることができるが、共押しTダイを用いれば、2種以上の樹脂を同時に押出すことができるので、基材上に2層以上の樹脂を積層する場合に好ましい。共押しTダイには、ダイ内接着、ダイ外接着の2種があり、中でも共押しダイ外接着Tダイは、2種以上の樹脂を、温度条件を代えて同時に積層することができる点で優れている。
また、押出しラミネーションや共押出しラミネーションにあたり、溶融した樹脂と接するクーリングロールとして周面を鏡面仕上げとしたものを用い、さらに、ニップロールとして硬度の大きいものを用いて、高い線圧で樹脂と紙基材等との押圧・圧着を行うことで、積層された樹脂表面を高光沢とすることができる。この目的のため、ニップロールとしては硬度80度(JIS K−6253)以上のものを用い、線圧は15kgf/cm以上で押圧・圧着を行うことが好ましい。
また、前記したように不透明性等を目的として酸化チタン等の無機填料を最外層に配合すると、ラミネーション加工性は悪化することがある。かかる場合には、この無機填料が配合された樹脂を、無機填料を含まない樹脂と共押出しラミネートすれば、樹脂層の厚さを薄くしても、いわゆる膜切れ等のトラブルの発生を押さえて、安定した積層操作を行うことができる。
また、前記したように不透明性等を目的として酸化チタン等の無機填料を最外層に配合すると、ラミネーション加工性は悪化することがある。かかる場合には、この無機填料が配合された樹脂を、無機填料を含まない樹脂と共押出しラミネートすれば、樹脂層の厚さを薄くしても、いわゆる膜切れ等のトラブルの発生を押さえて、安定した積層操作を行うことができる。
<層厚>
熱可塑性樹脂層の各層及び全体の厚さは、片面10〜80μm好ましくは20〜70μmの範囲にあることが好ましい。樹脂層全体の厚さが薄すぎる場合、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法による各層の積層が困難となる。また、厚すぎると製造コストが高くなり、しかも静電気が発生しやすくなるので、その必要がある場合には導電剤の使用などの対応が好ましい。
特に、電子写真印刷方式に使用する場合は、最外層の厚みは2〜30μm、好ましくは3〜15μmさらに好ましくは5〜10μmであることが好ましい。最外層の厚さが薄すぎると内部での接着性が低下しやすい。一方、厚さが30μm程度あれば本願発明の効果は十分に達成できるため、これを超える厚さとしてもよいが経済的に引き合わない。また、最外層以外にも融点が180℃以上の熱可塑性樹脂からなる層を設けてもよいが、最外層と接する場合はその合計の厚みが上記の範囲内であることが適当である。
最外層の下に位置して接着性樹脂層を設ける場合は、2〜20μm、好ましくは3〜15μmさらに好ましくは5〜10μmであることが好ましい。また、紙基材に接するSS−LLDPE等からなる層は10〜70μm、好ましくは15〜60μmさらに好ましくは20〜50μmであることが好ましい。
熱可塑性樹脂層の各層及び全体の厚さは、片面10〜80μm好ましくは20〜70μmの範囲にあることが好ましい。樹脂層全体の厚さが薄すぎる場合、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法による各層の積層が困難となる。また、厚すぎると製造コストが高くなり、しかも静電気が発生しやすくなるので、その必要がある場合には導電剤の使用などの対応が好ましい。
特に、電子写真印刷方式に使用する場合は、最外層の厚みは2〜30μm、好ましくは3〜15μmさらに好ましくは5〜10μmであることが好ましい。最外層の厚さが薄すぎると内部での接着性が低下しやすい。一方、厚さが30μm程度あれば本願発明の効果は十分に達成できるため、これを超える厚さとしてもよいが経済的に引き合わない。また、最外層以外にも融点が180℃以上の熱可塑性樹脂からなる層を設けてもよいが、最外層と接する場合はその合計の厚みが上記の範囲内であることが適当である。
最外層の下に位置して接着性樹脂層を設ける場合は、2〜20μm、好ましくは3〜15μmさらに好ましくは5〜10μmであることが好ましい。また、紙基材に接するSS−LLDPE等からなる層は10〜70μm、好ましくは15〜60μmさらに好ましくは20〜50μmであることが好ましい。
<その他>
最外層及び他の熱可塑性樹脂層には、上記した以外にも、本願発明の目的を害さない限り、種々の添加剤を添加したり、塗工剤を塗工したりすることができる。例えば、これらの添加剤や塗工剤として、最外層、他の熱可塑性樹脂層には耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)、記録時のトナー定着剤、接着性向上剤など、一般的に使用される添加剤や塗工剤を使用することができる。また、オフセット印刷やインクジェット記録方式にも対応させるような場合は、最外層の上にインク受理のための塗工層を設けてもよい。
最外層及び他の熱可塑性樹脂層には、上記した以外にも、本願発明の目的を害さない限り、種々の添加剤を添加したり、塗工剤を塗工したりすることができる。例えば、これらの添加剤や塗工剤として、最外層、他の熱可塑性樹脂層には耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ等)、記録時のトナー定着剤、接着性向上剤など、一般的に使用される添加剤や塗工剤を使用することができる。また、オフセット印刷やインクジェット記録方式にも対応させるような場合は、最外層の上にインク受理のための塗工層を設けてもよい。
(トナー定着層)
本発明では、電子写真印刷適性を高めるために、トナー定着層を設けることが好ましい。トナー定着層としては、積層シート表面及びトナーとの接着性が良好な水性高分子物質が使用可能である。水性高分子物質としては、スチレン、ブタジエン、各種アクリル酸、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等をモノマー成分とする単独重合体、共重合体及び/又はこれらの変性物と、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を混合して、あるいは混合せず各々単独で使用することが挙げられる。
本発明では、電子写真印刷適性を高めるために、トナー定着層を設けることが好ましい。トナー定着層としては、積層シート表面及びトナーとの接着性が良好な水性高分子物質が使用可能である。水性高分子物質としては、スチレン、ブタジエン、各種アクリル酸、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等をモノマー成分とする単独重合体、共重合体及び/又はこれらの変性物と、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を混合して、あるいは混合せず各々単独で使用することが挙げられる。
また、80℃以上のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(A)と、50℃以下のガラス転移温度を有する親水性高分子物質(B)など、Tgの異なる2種類の親水性高分子物質を使用することができる。80℃は印刷後排出時のシート温度に近く、50℃は塗工層の成膜性を良好に保てる温度である。より好ましくは、(A)は印刷シートの排出温度より高い90℃以上、(B)は成膜温度より低い40℃以下が好ましい。
この場合、塗工層の造膜時には、低Tg親水性高分子物質の中に、高Tg親水性高分子物質が溶融せずに粒子形状を維持した状態で存在する、いわゆる海島構造が形成されて存在し、LBP印刷時などには200℃近くのロールでトナーを定着させるため、高Tg親水性高分子物質も溶融状態となり、塗工層とトナーとの密着性が非常に高まって良好なトナー定着性が得られる。トナー定着後、高Tg親水性高分子物質は速やかにガラス状態になるので、その粒子間空隙に入り込んだトナーによるアンカー効果によっても、トナー定着性が向上すると考えられる。同様に、トナー定着後にガラス状態となった高Tg親水性高分子物質の存在は、定着ロール等の高温部の搬送ロールからの剥離性が高く、搬送性も向上する。
この場合、塗工層の造膜時には、低Tg親水性高分子物質の中に、高Tg親水性高分子物質が溶融せずに粒子形状を維持した状態で存在する、いわゆる海島構造が形成されて存在し、LBP印刷時などには200℃近くのロールでトナーを定着させるため、高Tg親水性高分子物質も溶融状態となり、塗工層とトナーとの密着性が非常に高まって良好なトナー定着性が得られる。トナー定着後、高Tg親水性高分子物質は速やかにガラス状態になるので、その粒子間空隙に入り込んだトナーによるアンカー効果によっても、トナー定着性が向上すると考えられる。同様に、トナー定着後にガラス状態となった高Tg親水性高分子物質の存在は、定着ロール等の高温部の搬送ロールからの剥離性が高く、搬送性も向上する。
親水性の高分子物質は、親水性官能基を有するエマルジョンであることが好ましい。ここでいう親水性とは、水、又は水と少量の有機溶剤から成る媒体中で樹脂が分散又は溶解し、安定化していることを意味する。これら樹脂は、塗工液中では粒子となって分散している、又は溶解しているが、塗工し乾燥した際に造膜し塗工層を形成する。
親水性高分子物質としては、スチレン、ブタジエン、各種アクリル酸、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等をモノマー成分とする単独重合体、共重合体及び/又はこれらの変性物と、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を混合して、あるいは混合せず各々単独で使用することが挙げられる。これらの親水性高分子物質は、例えば乳化重合やソープフリー乳化重合、懸濁重合といった従来公知の重合方法により製造され、重量平均分子量は10万以上の高分子であることが望ましい。
親水性高分子物質としては、スチレン、ブタジエン、各種アクリル酸、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等をモノマー成分とする単独重合体、共重合体及び/又はこれらの変性物と、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を混合して、あるいは混合せず各々単独で使用することが挙げられる。これらの親水性高分子物質は、例えば乳化重合やソープフリー乳化重合、懸濁重合といった従来公知の重合方法により製造され、重量平均分子量は10万以上の高分子であることが望ましい。
中でも、アクリル系ポリマーがトナー定着性の理由から好ましい。アクリル系ポリマーとしては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。(A)、(B)ともアクリル系ポリマーであることが望ましく、特に、80℃以上のガラス転移温度を有するコア部と50℃以下のガラス転移温度を有するシェル部とからなる、コアシェル構造を有するアクリル系ポリマーは、1つの物質で2つの性能を発揮するため、作業性も良好となり好ましく用いられる。このようなコアシェル構造を有するアクリル系ポリマーは、例えば、特開2001−323004号公報等に記載された方法によって製造される。この場合、シェル部は、コアを被覆する膜として形成されているのではなく、コアの周囲に保護コロイドのように存在するものとなっていると考えられる。
親水性高分子物質の使用割合としては、(A)/(B)=80/20〜30/70が好ましい。(A)が多すぎると成膜性、トナー定着性に劣り、(B)が多すぎると搬送性が悪くなる。従って、両者のバランスが重要であり、より好ましくは、(A)/(B)=65/35〜45/55である。
また、このトナー定着層には上記した以外にも、本願発明の目的を害さない限り、種々の添加剤を添加することができる。例えば、帯電防止剤、滑剤等が添加可能である。
親水性高分子物質の使用割合としては、(A)/(B)=80/20〜30/70が好ましい。(A)が多すぎると成膜性、トナー定着性に劣り、(B)が多すぎると搬送性が悪くなる。従って、両者のバランスが重要であり、より好ましくは、(A)/(B)=65/35〜45/55である。
また、このトナー定着層には上記した以外にも、本願発明の目的を害さない限り、種々の添加剤を添加することができる。例えば、帯電防止剤、滑剤等が添加可能である。
[実施例]
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、特にことわらない限り、部又は%は重量部又は重量%を表す。
[評価方法]
実施例及び比較例で得られた積層シートについて、以下の試験を行い評価した。結果を表2に示す。
<紙基材表面粗さ>
実施例及び比較例で用いられた紙基材について、(株)東京精密製サーフコム130Aを使用し、カットオフ値0.8mm、評価長さ8mm、測定速度0.6mm/秒の条件にて測定を行った。
<写像性>
積層シートについて、JIS K-7105に準拠し、スガ試験機製 写像製測定機ICM−1Tを使用し、反射角60度、くし巾2.0mmの条件で用紙の縦方向の測定を行った。
<光沢度>
積層シートについて、ISO 8254−1に準拠し、(株)村上色彩技術研究所製光沢度計GM−26PROを使用し、75度光沢度を測定した。
<耐水性(断面耐浸水性)>
次の方法により、積層シート端部(断面)からの浸水度合いを評価した。4cm四方にカットしたサンプルについて、青色に着色した50℃の温水中に10分間ドブ漬けした後、60℃に設定した送風乾燥機で10分間乾燥する工程を5回繰り返し、端部からの浸水距離を測定した。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、特にことわらない限り、部又は%は重量部又は重量%を表す。
[評価方法]
実施例及び比較例で得られた積層シートについて、以下の試験を行い評価した。結果を表2に示す。
<紙基材表面粗さ>
実施例及び比較例で用いられた紙基材について、(株)東京精密製サーフコム130Aを使用し、カットオフ値0.8mm、評価長さ8mm、測定速度0.6mm/秒の条件にて測定を行った。
<写像性>
積層シートについて、JIS K-7105に準拠し、スガ試験機製 写像製測定機ICM−1Tを使用し、反射角60度、くし巾2.0mmの条件で用紙の縦方向の測定を行った。
<光沢度>
積層シートについて、ISO 8254−1に準拠し、(株)村上色彩技術研究所製光沢度計GM−26PROを使用し、75度光沢度を測定した。
<耐水性(断面耐浸水性)>
次の方法により、積層シート端部(断面)からの浸水度合いを評価した。4cm四方にカットしたサンプルについて、青色に着色した50℃の温水中に10分間ドブ漬けした後、60℃に設定した送風乾燥機で10分間乾燥する工程を5回繰り返し、端部からの浸水距離を測定した。
<トナー定着性>
富士ゼロックス社製カラーレーザービームプリンター ドキュプリントC3530を使用して、積層シートのA3サイズのサンプル100枚を印字し、各サンプルの印字面について、針による削れ具合によりトナー定着性の評価を行った。評価法は印刷部分に40gの荷重をかけて印刷物に接触させた罫書き針を、10cm/秒の速さで移動させた際にトナーが脱落するかどうかを目視にて評価し、次の基準で示した。
○:トナーの脱落がない
△:一部トナーの脱落が見られるが実用上問題ない
×:線状にトナー脱落が見られる
富士ゼロックス社製カラーレーザービームプリンター ドキュプリントC3530を使用して、積層シートのA3サイズのサンプル100枚を印字し、各サンプルの印字面について、針による削れ具合によりトナー定着性の評価を行った。評価法は印刷部分に40gの荷重をかけて印刷物に接触させた罫書き針を、10cm/秒の速さで移動させた際にトナーが脱落するかどうかを目視にて評価し、次の基準で示した。
○:トナーの脱落がない
△:一部トナーの脱落が見られるが実用上問題ない
×:線状にトナー脱落が見られる
<顔料の体積粒度分布測定>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて、粒子の体積粒度分布を測定し、0.4〜4.2μmの範囲に該当する粒子のパーセントを算出した。
レーザー回折/散乱式粒度分布測定器(マルバーン(株)製、機器名:マスターサイザーS)を用いて、粒子の体積粒度分布を測定し、0.4〜4.2μmの範囲に該当する粒子のパーセントを算出した。
[結合阻害剤の選定]
表1に示す化合物をそれぞれ、NBKP30部とリファイナーグランドパルプ(RGP)70部を1%スラリーとしたスラリーに0.3部添加混合し、紙料を調整した。この紙料を熊谷理機社製実験用配向性抄紙機にて回転速度900rpmで抄紙し、JIS P8209の方法に従ってプレス、乾燥を行った。なお、乾燥条件については、送風乾燥機により、50℃、1時間処理し、テスト用試験紙を得た。この試験紙を温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後、JIS P8113に従って引っ張り強度を測定した。結果を表1に示す。
なお、引っ張り強度低下率は、結合阻害剤を添加しない場合の引っ張り強度に対して求めた。
表1に示す化合物をそれぞれ、NBKP30部とリファイナーグランドパルプ(RGP)70部を1%スラリーとしたスラリーに0.3部添加混合し、紙料を調整した。この紙料を熊谷理機社製実験用配向性抄紙機にて回転速度900rpmで抄紙し、JIS P8209の方法に従ってプレス、乾燥を行った。なお、乾燥条件については、送風乾燥機により、50℃、1時間処理し、テスト用試験紙を得た。この試験紙を温度23℃、相対湿度50%で24時間放置した後、JIS P8113に従って引っ張り強度を測定した。結果を表1に示す。
なお、引っ張り強度低下率は、結合阻害剤を添加しない場合の引っ張り強度に対して求めた。
(キャスト塗工紙の製造)
顔料としてカオリン70部、軽質炭酸カルシウム30部、結着剤としてスチレンブタジエン系ラテックス5部及びカゼイン5部、離型剤としてステアリン酸カルシウム2部を加え固形分43%の塗液を調整した。塗工原紙には坪量139g/m2の上質紙を使用した。得られた塗液を塗工原紙にロールコーターで乾燥固形分が18g/m2となるように塗工し、次いで凝固剤として蟻酸亜鉛10%水溶液で凝固処理して塗膜が湿潤状態にある間に100℃に加熱した鏡面を有するキャストドラムに圧着乾燥し坪量157g/m2のキャスト塗工紙を得た。表面粗さはRZ=0.4μmであった。
(熱可塑性樹脂層の形成)
紙基材として上記のキャスト塗工紙のキャスト塗工面に、溶融ポリメチルペンテン(融点220℃、三井化学社製『TPX DX820』)を、Tダイを用いて押出温度300℃にて樹脂層厚さが20μmとなるように押出ラミネーションを行い、直ちに、これらの溶融樹脂とキャスト塗工紙とを、鏡面仕上げのクーリングロールと硬度95度のニップロールを用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着した。
また、キャスト塗工紙の他方の面には、溶融ポリメチルペンテン(融点220℃、三井化学社製『TPX DX820』)を、Tダイを用いて押出温度300℃にて樹脂層厚さが20μmとなるように押出ラミネーションを行い、直ちに、これらの溶融樹脂とキャスト塗工紙とを、マット仕上げのクーリングロールと硬度95度のニップロールを用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着し、基材積層シートを得た。
(トナー定着層の形成)
続いて、カチオン性コアシェル型アクリル樹脂(濃度34.5重量%、コア部Tg:50℃、シェル部Tg:40℃、コア部/シェル部=50/50)100重量部に、帯電防止剤を表面電気抵抗率が1.0×1010となるように混合した後、固形分濃度10重量%の塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材積層シートの両面にグラビア塗工機を使用し乾燥固形分が1g/m2となるように塗布、乾燥してトナー定着層を設け、積層シートを得た。
顔料としてカオリン70部、軽質炭酸カルシウム30部、結着剤としてスチレンブタジエン系ラテックス5部及びカゼイン5部、離型剤としてステアリン酸カルシウム2部を加え固形分43%の塗液を調整した。塗工原紙には坪量139g/m2の上質紙を使用した。得られた塗液を塗工原紙にロールコーターで乾燥固形分が18g/m2となるように塗工し、次いで凝固剤として蟻酸亜鉛10%水溶液で凝固処理して塗膜が湿潤状態にある間に100℃に加熱した鏡面を有するキャストドラムに圧着乾燥し坪量157g/m2のキャスト塗工紙を得た。表面粗さはRZ=0.4μmであった。
(熱可塑性樹脂層の形成)
紙基材として上記のキャスト塗工紙のキャスト塗工面に、溶融ポリメチルペンテン(融点220℃、三井化学社製『TPX DX820』)を、Tダイを用いて押出温度300℃にて樹脂層厚さが20μmとなるように押出ラミネーションを行い、直ちに、これらの溶融樹脂とキャスト塗工紙とを、鏡面仕上げのクーリングロールと硬度95度のニップロールを用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着した。
また、キャスト塗工紙の他方の面には、溶融ポリメチルペンテン(融点220℃、三井化学社製『TPX DX820』)を、Tダイを用いて押出温度300℃にて樹脂層厚さが20μmとなるように押出ラミネーションを行い、直ちに、これらの溶融樹脂とキャスト塗工紙とを、マット仕上げのクーリングロールと硬度95度のニップロールを用いて、線圧15kgf/cmで押圧・圧着し、基材積層シートを得た。
(トナー定着層の形成)
続いて、カチオン性コアシェル型アクリル樹脂(濃度34.5重量%、コア部Tg:50℃、シェル部Tg:40℃、コア部/シェル部=50/50)100重量部に、帯電防止剤を表面電気抵抗率が1.0×1010となるように混合した後、固形分濃度10重量%の塗工液を調製した。この塗工液を、上記基材積層シートの両面にグラビア塗工機を使用し乾燥固形分が1g/m2となるように塗布、乾燥してトナー定着層を設け、積層シートを得た。
(塗工紙の製造)
重質炭酸カルシウムスラリー100部に、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス5部、澱粉10部を加え、さらに水を加えて固形分濃度65%の塗工液1を得た。
また、顔料としてカオリン100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部を配合、分散し、濃度70%のクレースラリーを調製した。このクレースラリー50部、重質炭酸カルシウムスラリー50部に、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス12部、澱粉4部、蛍光染料を加え、さらに水を加えて固形分濃度64%の塗工液2を得た。
塗工原紙は、填料として軽質炭酸カルシウムを7部、製紙用パルプとし化学パルプを100部含有する坪量123g/m2の上質紙を用いた。
上記の原紙に、500m/分の塗工速度で、塗工液1を、片面当たりの塗工量が8g/m2になる様ブレードコーターで両面塗工、乾燥後に、塗工液2を片面当たりの塗工量が9g/m2になる様にブレードコーターで両面塗工を行い、乾燥した。乾燥後、スーパーカレンダーによる表面処理を行い塗工紙を得た。表面粗さは0.6μmであった。
上記の塗工紙を紙基材とした以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
重質炭酸カルシウムスラリー100部に、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス5部、澱粉10部を加え、さらに水を加えて固形分濃度65%の塗工液1を得た。
また、顔料としてカオリン100部に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部を配合、分散し、濃度70%のクレースラリーを調製した。このクレースラリー50部、重質炭酸カルシウムスラリー50部に、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス12部、澱粉4部、蛍光染料を加え、さらに水を加えて固形分濃度64%の塗工液2を得た。
塗工原紙は、填料として軽質炭酸カルシウムを7部、製紙用パルプとし化学パルプを100部含有する坪量123g/m2の上質紙を用いた。
上記の原紙に、500m/分の塗工速度で、塗工液1を、片面当たりの塗工量が8g/m2になる様ブレードコーターで両面塗工、乾燥後に、塗工液2を片面当たりの塗工量が9g/m2になる様にブレードコーターで両面塗工を行い、乾燥した。乾燥後、スーパーカレンダーによる表面処理を行い塗工紙を得た。表面粗さは0.6μmであった。
上記の塗工紙を紙基材とした以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
(上質紙の製造)
製紙用パルプとして化学パルプを100部、填料として軽質炭酸カルシウム6部、内添薬品としてサイズ剤を0.4部含有する坪量157g/m2、サイズ度40秒の上質紙を得た。サイズ度はJIS P−8122に従い測定した。
上記の上質紙にカレンダー処理(温度60℃、120kg/cm2、8ニップ)を施し紙基材とした以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
製紙用パルプとして化学パルプを100部、填料として軽質炭酸カルシウム6部、内添薬品としてサイズ剤を0.4部含有する坪量157g/m2、サイズ度40秒の上質紙を得た。サイズ度はJIS P−8122に従い測定した。
上記の上質紙にカレンダー処理(温度60℃、120kg/cm2、8ニップ)を施し紙基材とした以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
(リウエット法によるキャスト塗工紙の製造)
顔料としてブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:71.7%)100部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32μm、ガラス転移温度85℃)30部からなる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部を配合、分散し、濃度70%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリー100部に、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス14部、澱粉4部を加え、さらに水を加えて固形分濃度60%の塗工液を得た。
塗工原紙は、填料として軽質炭酸カルシウムを7部含有し、製紙用パルプとし化学パルプを100部含有する坪量116g/m2の上質紙を用いた。
上記の原紙に、前述の塗工液を片面当たりの塗工量が12g/m2になるように、500m/分の塗工速度でブレードコーターを用いて両面塗工を行い乾燥した。乾燥後、スーパーカレンダーによる表面処理を行った。
次いで、リウェット液(ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5%濃度)によって塗工層表面を再湿潤した後、フォーミングロールとキャストドラムによって形成されるプレスニップに通紙し、速度150m/分、表面温度115℃のキャストドラムに圧接、乾燥した後、ストリップオフロールでキャストドラムから離型することによってリウェットキャスト方式によるキャスト塗工紙を得た。表面粗さはRZ=0.4μmであった。
紙基材として上記のキャスト塗工紙を使用した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
顔料としてブラジル産カオリン(商品名:カピムDG/リオカピム社製、体積分布粒径0.4〜4.2μm:71.7%)100部、密実プラスチックピグメント(商品名:V−1004/日本ゼオン製、平均粒径0.32μm、ガラス転移温度85℃)30部からなる顔料に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダ0.1部を配合、分散し、濃度70%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリー100部に、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス14部、澱粉4部を加え、さらに水を加えて固形分濃度60%の塗工液を得た。
塗工原紙は、填料として軽質炭酸カルシウムを7部含有し、製紙用パルプとし化学パルプを100部含有する坪量116g/m2の上質紙を用いた。
上記の原紙に、前述の塗工液を片面当たりの塗工量が12g/m2になるように、500m/分の塗工速度でブレードコーターを用いて両面塗工を行い乾燥した。乾燥後、スーパーカレンダーによる表面処理を行った。
次いで、リウェット液(ヘキサメタリン酸ナトリウム0.5%濃度)によって塗工層表面を再湿潤した後、フォーミングロールとキャストドラムによって形成されるプレスニップに通紙し、速度150m/分、表面温度115℃のキャストドラムに圧接、乾燥した後、ストリップオフロールでキャストドラムから離型することによってリウェットキャスト方式によるキャスト塗工紙を得た。表面粗さはRZ=0.4μmであった。
紙基材として上記のキャスト塗工紙を使用した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
実施例4において、紙基材としてパルプ繊維間の結合阻害剤(花王(株)製KB−115)を0.4部含有する塗工原紙を用いて製造されたキャスト塗工紙を使用した以外は、実施例4と同様にして積層シートを得た。
実施例5の熱可塑性樹脂層として、最外層に溶融ポリメチルペンテン(融点220℃、三井化学社製『TPX DX820』)100重量部、最外層の直下層の接着性樹脂として無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(三井化学社製アドマー;SE800)100重量部、さらに紙基材側層としてシングルサイト系触媒で合成された直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチ社製KC650T)100重量部を、3種3層の構成で320℃で共押出しラミネートを行った以外は、実施例4と同様にして積層シートを得た。ラミネート樹脂の厚さは、最外層/中間層/紙基材側層を15/5/20μmとした。
トナー定着層の形成において、カチオン性コアシェル型アクリル樹脂(濃度34.5重量%、コア部Tg:50℃、シェル部Tg:40℃、コア部/シェル部=50/50)に代えてスチレンアクリル共重合樹脂(濃度43.8重量%、Tg:40℃)を使用した以外は、実施例6と同様にして積層シートを得た。
[比較例1]
実施例3で得た上質紙にカレンダー処理を施さず紙基材として使用した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
実施例3で得た上質紙にカレンダー処理を施さず紙基材として使用した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
[実施例による主な評価]
実施例の結果について、主な事項に言及するが、表2の結果は、これに限るものではないことは言うまでもない。
写像性は、各実施例は55〜88%と比較例1の21%に較べて、格段に向上していることがわかる。特に、実施例3と比較例1の対比によって、表面粗さ(Rz)の差が写像性の向上に寄与しているものと認められる。実施例3と他の実施例との比較によって、さらに表面粗さ(Rz)を小さくすると写像性が向上することが認められる。
断面耐水性について、(1)実施例5は結合阻害剤を用いた低密度原紙を用いた点で、上質紙を用いた実施例4よりも透れ、(2)実施例4は、実施例2と上質紙を原紙とする点で共通するが、塗工層の構成が異なり、粒度分布の狭いカオリンとプラスチックピグメントとを併用した塗工層が断面耐水性の向上に寄与していると判断できる。強サイズ剤を用いることによって、上質紙の耐水性を向上させることができることが実施例3の結果から分るが、実施例5〜7の結果は、結合阻害剤を用いた低密度原紙と、粒度分布の狭いカオリンとプラスチックピグメントとを配合した塗工層の組み合せによって、同等の断面耐水性が得られることを示している。
実施例の結果について、主な事項に言及するが、表2の結果は、これに限るものではないことは言うまでもない。
写像性は、各実施例は55〜88%と比較例1の21%に較べて、格段に向上していることがわかる。特に、実施例3と比較例1の対比によって、表面粗さ(Rz)の差が写像性の向上に寄与しているものと認められる。実施例3と他の実施例との比較によって、さらに表面粗さ(Rz)を小さくすると写像性が向上することが認められる。
断面耐水性について、(1)実施例5は結合阻害剤を用いた低密度原紙を用いた点で、上質紙を用いた実施例4よりも透れ、(2)実施例4は、実施例2と上質紙を原紙とする点で共通するが、塗工層の構成が異なり、粒度分布の狭いカオリンとプラスチックピグメントとを併用した塗工層が断面耐水性の向上に寄与していると判断できる。強サイズ剤を用いることによって、上質紙の耐水性を向上させることができることが実施例3の結果から分るが、実施例5〜7の結果は、結合阻害剤を用いた低密度原紙と、粒度分布の狭いカオリンとプラスチックピグメントとを配合した塗工層の組み合せによって、同等の断面耐水性が得られることを示している。
Claims (6)
- 少なくとも一方の面の表面粗さRzが5.0μm以下である紙基材であって、少なくとも前記表面粗さを有する面上に、熱可塑性樹脂からなる層が1層以上積層され、かつJIS K-7150に準じた測定法による写像性が50%以上であることを特徴とする積層シート。
- 紙基材がキャスト塗工紙であり、該キャスト塗工紙の表面粗さRzが5.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載の積層シート。
- キャスト塗工紙が、顔料と接着剤を塗工層主成分とし、湿潤状態にある塗工層を加熱された鏡面仕上げ面により圧接、乾燥して仕上げたキャスト塗工紙であって、該キャスト塗工層が、0.4〜4.2μmの範囲にある粒子が体積基準で65%以上含まれる粒度分布を有するカオリンを無機顔料100重量部当たり50重量部以上含有し、かつプラスチックピグメントを含有することを特徴とする請求項2記載の積層シート。
- プラスチックピグメントを無機顔料100重量部に対して5〜50重量部含有することを特徴とする請求項3記載の積層シート。
- 原紙がパルプの繊維間結合を阻害する作用を持つ有機化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
- 熱可塑性樹脂層の最表層が、融点が180℃以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5記載の積層シート。
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