JP2011159920A - 化合物半導体、光電素子及びその製造方法 - Google Patents

化合物半導体、光電素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多接合太陽電池のトップセルとしても利用可能な光吸収特性と、高い開放電圧を持つ光電素子を形成可能とする技術の提供。
【解決手段】Cu、Zn、Ge及びSを含む硫化物であり、Cu/Ge比(原子比)が2.00未満である化合物半導体若しくはCu、Zn、Ge、Sn及びSを含む硫化物であり、Cu/(Sn+Ge)比(原子比)が2.00未満である化合物半導体を光電素子の光吸収層とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、硫化物系化合物半導体、それを用いた光電素子及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、硫化物系化合物半導体膜を用いた太陽電池、光導電セル、フォトダイオード、フォトトランジスタなどに用いることができる光電素子及びその製造方法に関する。
光電素子とは、光量子のエネルギーを何らかの物理現象を介して電気的信号に変換(光電変換)することが可能な素子をいう。太陽電池は、光電素子の一種であり、太陽光線の光エネルギーを電気エネルギーに効率よく変換することができる。
太陽電池に用いられる半導体としては、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi、GaAs、InP、CdTe、CuIn1−XGaSe(CIGS)、CuZnSnS(CZTS)などが知られている。
CIGS系は希少元素であるInや毒性元素のSeを含んでいるおり、資源的制約や環境負荷の観点から、CIGS系にかわる材料が望まれている。そのような中、InやSeを含まない材料としてCZTS系が注目を集めている。この材料はバンドギャップエネルギー(Eg)が1.4〜1.6eVであり、CZTS系太陽電池において、開放電圧610mV、効率6.77%が報告されている。
これらの中でも、CIGSやCZTSに代表されるカルコパイライト系の化合物は、光吸収係数が大きいので、薄膜化が可能であり、低コスト化に有利である。特に、CIGS系薄膜太陽電池は19.9%以上と、多結晶Siを超える変換効率も得られていることや、バンドギャップエネルギーが1.0〜1.7eVとワイドギャップであることから、多接合太陽電池のトップセルとして、期待されている。しかしながら、CIGSは、毒性元素Seや希少元素Inを含んでいるという問題や、ワイドギャップ化に伴って期待されるほどの開放電圧の向上が見られず、高効率太陽電池の実現には至っていない。
一方、CZTSは、太陽電池に適したバンドギャップエネルギー(Eg=1.4〜1.6eV)を持ち、毒性元素Seや希少元素Inを含まないという特徴がある。しかしながら、CZTSは、従来の半導体に比べて変換効率が低いという問題や、そのバンドギャップエネルギーの大きさから、多接合太陽電池のトップセルとしては不向き点や、開放電圧が小さいという問題がある。
また、効率の向上に関して、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、多元同時スパッタ法を用いてCu−Zn−Sn−S前駆体を形成後、硫化水素を含む雰囲気中で硫化させるCZTSの作製方法が開示されている。同文献には、CZTS光吸収層を水で洗浄することによって変換効率が向上し、6.77%が得られたことが記載されている。
また、CZTSを用いた光電素子において、特許文献1では、素子の変換効率のばらつきの少ない硫化物系化合物半導体を作製する方法が開示され、特許文献2では、変換効率を向上させる方法が開示されている。
また、Se、Inを含まないカルコパイライト系半導体薄膜に関するものとして、特許文献3には、非真空下での多元硫化物の作製方法が開示されている。
また、非特許文献2には、Cu−Zn−IV−S型で表され、該IV族がSn、Ge、またはSiから選ばれる化合物半導体が示され、CuZnGeSの結晶構造は斜方晶系構造であり、バンドギャップエネルギーは2.1eVであると記載されている。正方晶系に関する記載は見られない。
また、CuZnGeS(以下CZGSと略す)にSnを含む化合物半導体膜を用いた発光素子に関して、高温相である斜方晶系ウルツ−スタナイト構造のCZGSを用いた作製方法が、特許文献4に示されている。該文献中に示されているようなCu/IV族の組成比が2以上の組成比では、良好なp型の電気伝導性は得られるが、そのまま太陽電池として素子化した際に、pn接合界面において適切な空乏層が形成されないため、開放電圧が小さくなり、変換効率も低くなる。
特開2009−26891号公報 特開2009−135316号公報 特開2007−269589号公報 特開2009−21543号公報
Applied Physics Express 1 (2008)041201 H.Matsushita et al, Journal of Materials Science 40(2005)2003
ところで、近年では特に、毒性元素Seや希少元素Inを含まない、バンドギャップエネルギーが1.4〜2.2eVのワイドギャップ太陽電池光吸収層材料の開発が望まれている。このような中、Se、Inを含まないバンドギャップエネルギー1.5eV程度の材料として、CZTSがあるが、変換効率6.77%と最も高い素子においても、開放電圧は610mVにとどまっており、そのバンドギャップエネルギーから期待されるほどの開放電圧が見られず、高効率太陽電池の実現には至っていない。また、そのバンドギャップエネルギーの大きさから、多接合太陽電池のトップセルとしては不向きである。従って、多接合太陽電池のトップセルとしても利用可能なワイドギャップを持つSeやInを含まない新しい光吸収層材料が求められているのが現状である。
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、光吸収層としてCuZnGeSn1−X系(Cu−Zn−Ge−Sn−S系)硫化物を用いることで、毒性元素Seや希少元素Inを含まない、バンドギャップエネルギーが1.4〜2.2eVである多接合太陽電池のトップセルとしても利用可能な光吸収特性と、高い開放電圧を持つ光電素子を形成可能とする技術を提供するものである。
本発明の要旨を説明する。
Cu、Zn、Ge及びSを含む硫化物であり、Cu/Ge比(原子比)が2.00未満であることを特徴とする化合物半導体に係るものである。
また、Cu、Zn、Ge、Sn及びSを含む硫化物であり、Cu/(Sn+Ge)比(原子比)が2.00未満であることを特徴とする化合物半導体に係るものである。
また、正方晶系構造を主とすることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の化合物半導体に係るものである。
また、バンドギャップが2.2eV以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体に係るものである。
また、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物半導体を光吸収層に用いたことを特徴とする光電素子に係るものである。
また、基板上に、少なくとも下部電極、前記光吸収層、バッファ層、窓層及び上部電極がこの順で積層されてなることを特徴とする請求項5記載の光電素子に係るものである。
また、基板上に、少なくとも下部電極、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物半導体からなる光吸収層、バッファ層、窓層及び上部電極がこの順で積層されてなる光電素子の製造方法であって、前記下部電極上に前記化合物半導体からなる光吸収層を形成する際、硫黄蒸気または硫黄原子を含む雰囲気中で加熱する工程を含むことを特徴とする光電素子の製造方法に係るものである。
また、前記下部電極上に前記化合物半導体からなる光吸収層を形成する光吸収層形成工程と、ZnS系粒子およびSn−S系粒子を溶解可能な溶媒を用いて前記光吸収層を洗浄する工程とを含むことを特徴とする請求項7記載の光電素子の製造方法に係るものである。
また、前記溶媒は塩酸であることを特徴とする請求項8記載の光電素子の製造方法に係るものである。
また、洗浄された前記光吸収層上に、バッファ層を形成するバッファ層形成工程と、前記バッファ層上に、窓層を形成する窓層形成工程と、前記窓層上に、上部電極を形成する上部電極形成工程とを含むことを特徴とする請求項8,9のいずれか1項に記載の光電素子の製造方法に係るものである。
また、請求項7〜10のいずれか1項に記載の光電素子の製造方法によって製造された光電素子であって、開放電圧が483mV以上であることを特徴とする光電素子に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、毒性元素Seや希少元素Inを含まない、バンドギャップエネルギーが1.4〜2.2eVである多接合太陽電池のトップセルとしても利用可能な光吸収特性と、高い開放電圧を持つ光電素子を形成可能な化合物半導体等となる。
本実施例に係る太陽電池の概略説明断面図である。 本実施例に係るガラス/Mo基板上に作製したCZGS薄膜及びそれを用いたCZGS太陽電池を示す写真である。 実験例1に係るCZGS薄膜のエックス線回折結果を示すチャートである。 実験例1に係る太陽電池の起電力特性を示す表である。 実験例2に係る太陽電池素子に対して、定エネルギー分光量子効率測定装置を用いて測定した入射光波長に対する量子効率の測定結果を示すグラフである。 実験例2に係る太陽電池素子に対して、ソーラーシミュレーターを用いて測定したAM1.5照射下における電圧−電流特性の測定結果を示すグラフ及び表である。 実験例2に係るCZGS、CZGTS、CZTS薄膜のエックス線回折結果を示すチャートである。 実験例3に係るCZGS薄膜の組成及びそれを用いて作製された太陽電池の特性を示す表である。 実験例4に係るCZGS薄膜の組成及びそれを用いて作製された太陽電池の特性を示す表である。
好適と考える本発明の実施形態を本発明の作用を示して簡単に説明する。
基板上に、少なくとも下部電極、Cu、Zn、Ge及びSを含む硫化物であってCu/Ge比(原子比)が2.00未満である化合物半導体若しくはCu、Zn、Ge、Sn及びSを含む硫化物であってCu/(Sn+Ge)比(原子比)が2.00未満である化合物半導体からなる光吸収層、バッファ層、窓層及び上部電極をこの順で積層して光電素子を形成すると、良好な光起電力特性が得られる。
これは、Cu/Ge若しくはCu/(Ge+Sn)比が2.00未満(Cu不足)であると、硫黄蒸気または硫黄原子を含む雰囲気中で加熱することで形成される光吸収層表面に、素子短絡の原因となるCu−S化合物の形成が抑制され、バッファ層との接合界面が適切に形成されるためと考えられる。
更に、予めCu不足になるように光吸収層を形成することによって、従来、類似のカルコパイライト系化合物太陽電池作製の際で行われてきた猛毒のKCNによる洗浄工程を必要としない利点がある。
また、Cu/Ge若しくはCu/(Ge+Sn)比が2.00未満であっても、Zn、Snが過剰すぎる場合、光吸収層表面にはZn−S化合物粒子やSn−S化合物粒子といった副相が生成するが、光吸収層形成後、バッファ層を形成する前に、Zn−S系粒子およびSn−S系粒子を溶解可能な塩酸などの一般的な溶媒を用いて、前記光吸収層を洗浄することによって、良好な光起電力特性が得られるようになる。
これは、洗浄により副相(絶縁性のZnSなどやバンドギャップの小さなSnSなど)が除去されることによって、光吸収層とバッファ層との接合界面を適切に形成することができるためと考えられる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、Cu、Zn、Ge及びSを含む硫化物であり、Cu/Ge比(原子比)が2.00未満である化合物半導体若しくはCu、Zn、Ge、Sn及びSを含む硫化物であり、Cu/(Sn+Ge)比(原子比)が2.00未満である化合物半導体を光吸収層として用いた光電素子である。
各部を具体的に説明する。
Cu、Zn、Ge、およびSを含む硫化物系化合物半導体とは、CuZnGeS(CZGS)系化合物をいう。CZGSは、バンドギャップエネルギーが2.2eV程度の半導体であり、融点はCZTSより高く、低温相である正方晶系構造から高温相である斜方晶系構造への相転移がある。CZGSは、化学量論組成よりもCuを僅かに減らすと、相対的に高い変換効率を示す。本発明において、CZGSには、化学量論組成の化合物だけでなく、相対的に高い変換効率を示すすべての不定比化合物、あるいは、Cu、Zn、Ge、およびSを主成分とするすべての化合物が含まれる。
高い変換効率を得るためには、硫化物系半導体は、原子比で、Cu/Ge比が2.00未満であることが好ましい。光吸収層として、このCZGS系化合物半導体を用いると、650nm以下の波長において量子効率を示し、開放電圧が567mV以上である光電素子が得られる。
また、Cu、Zn、Ge、Sn、およびSを含む硫化物系化合物半導体とは、バンドギャップエネルギーが2.2eV程度であるCZGSとバンドギャップエネルギーが1.5eV程度であるCZTSとを固溶させたもの、CuZnGeSn1−Xで、Xの値を0から1と変えることで、バンドギャップを調整することが可能である。CuZnGeSn1−X(CZGTS)は、化学量論組成よりもCuを僅かに減らすと、相対的に高い変換効率を示す。本発明において、CZGTSには、化学量論組成の化合物だけでなく、相対的に高い変換効率を示すすべての不定比化合物、あるいは、Cu、Zn、Ge、Sn、およびSを主成分とするすべての化合物が含まれる。
高い変換効率を得るためには、硫化物系半導体は、原子比で、Cu/(Ge+Sn)比が2.00未満であることが好ましい。光吸収層として、このCZGTS系化合物半導体を用いると、CuZnGeSn1−Xで、Xの値を0から1と増加に伴い、バンドギャップエネルギーが1.5eVから2.2eVに大きくなることを反映して、後述の実験例2の実験結果を示す図5に示すように量子効率を示す波長が900nmから650nmと短波長側にシフトすることが確認できる。これに伴い、同様に後述の実験例2の実験結果を示す図6に示すように、Xの値が0から1と増加するにつれ、X=0のとき、開放電圧が483mVから、X=0.46(つまりGe/Sn比が0.86)のとき、498mVとなり、さらに、X=1のとき、567mVと、増大することが確認できる。このように、GeとSnの比率を変化させることで、バンドギャップエネルギーを変化させることができ、Xが0より大きな組成を選ぶことで、開放電圧が483mV以上の光電素子が得られる。
図1に、光電素子の一種である太陽電池の模式図を示す。図1において、太陽電池(光電素子)10は、基板12上に、少なくとも下部電極14、光吸収層16、バッファ層18、窓層20、および上部電極22がこの順で積層されたものからなる。各層の間には、付加的な層が形成されても良い。
基板12は、その上に形成された各種の薄膜を支持するためのものである。基板12は、導電体であっても良く、あるいは、絶縁体であっても良い。基板12としては、具体的には、600℃程度の加熱に耐えられるガラスや金属などを用いるのが好ましい。本実施例においてはガラスを採用している。
下部電極14は、光吸収層16で発生した電流を取り出すためのものである。下部電極14には、電気伝導度が高く、かつ、基板12との密着性が良好な材料が用いられる。基板12としてガラス基板が用いられる場合、下部電極14には、例えば、ガラスとの密着力が高く、光吸収層の形成時に硫化されにくい、Moが用いられる。
光吸収層16は、光を吸収してキャリアを発生させるためのものであり、本実施例においてはCZGSあるいはCZGTSが用いられる。CZGSやCZGTSは、光吸収係数が大きいので、その厚さを極めて薄くすることができる。
バッファ層18は、光吸収層16と窓層20との接続を良好にし、変換効率を向上させるためのものである。バッファ層18には、光吸収層16よりもバンドギャップが大きく、高抵抗で可視光から近赤外の大半を通す半導体が用いられる。バッファ層18には、例えば、CdSが用いられる。CdS以外のバッファ層18の材料としては、例えば、ZnS、ZnO、Zn(O、S)、などがある。
窓層20は、電気を取り出すと同時に、光吸収層16まで光を到達させるためのものである。窓層20には、光吸収層16より大きなバンドギャップを持ち、低抵抗で可視光から近赤外の大半を通す半導体が用いられる。光吸収層16がCZGSあるいはCZGTSからなる場合、窓層20には、例えば、n型半導体であるZnO:Alが用いられる。
上部電極22は、窓層20で集めた電流を効率よく外部に取り出すためのものである。上部電極22には、例えば、Alが用いられる。また、上部電極22は、光を光吸収層16まで到達させる必要があるので、通常は、櫛形に形成される。Al以外の上部電極22の材料としては、窓層20よりも低抵抗率な金属や合金が好ましい。
次に、本実施例に係る光電素子の製造方法について説明する。
本実施例に係る光電素子は、基板上に所定の薄膜を所定の順序で形成することにより製造することができる。薄膜の形成方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。
最初に、下部電極の形成方法は、とくに限定されるものではなく、基板および下部電極の材質に応じて最適な方法を選択する。下部電極の形成方法として、具体的には、スパッタ法、真空蒸着法、パルスレーザー堆積法(PLD)法などがある。
光吸収層形成工程は、下部電極上にCu、Zn、GeおよびSを含む硫化物系化合物半導体、あるいは、Cu、Zn、Ge、SnおよびSを含む硫化物系化合物半導体からなる光吸収層を形成する工程である。
光吸収層16として化合物半導体を下部電極上に形成する際、その原料は、硫化物で供給されてもかまわないが、一部または全部を金属材料と同時に供給することができる。また、金属材料の積層膜、あるいは硫化物と金属材料の積層膜を形成した後、硫黄蒸気あるいは硫黄原子を含む雰囲気中で熱処理することで硫化することも可能である。いずれの場合においても硫化時の温度が350℃未満の場合は化合物半導体の形成が不十分となり、600℃以上では、SnSやGeSの再蒸発が生じ、望ましい組成の光吸収層を得ることが困難となることから、硫化時の温度は350℃以上、600℃以下が好ましい。
例えば、CZGTSからなる光吸収層16は、スパッタ法、真空蒸着法等を用いて、基板上にCu、Zn、Ge、Snが所定の順序で積層された前駆体を形成し、この前駆体を硫黄蒸気が存在する雰囲気下で硫化させることにより製造することができる。硫化時の温度は、500〜600℃程度である。前駆体を作製する場合において、Cu、Zn、Ge、Snの厚さを変えると、組成の異なる種々のCZGTSを作製することができる(所望の組成比になるように膜厚を予め調整する。)。下部電極14、バッファ層18、窓層20、及び上部電極22も同様に、スパッタ法、真空蒸着法等を用いて作製することができる。尚、成膜時の温度は20℃〜200℃程度とするのが好ましい。以上の光吸収層16の成膜方法については、CZGSについても同様である。
スパッタ法、真空蒸着法以外の各種薄膜の成膜方法としては、例えば、金属イオンが溶け込んだ水溶液にチオ尿素等を溶かし、これに基板を浸漬して加熱することによりバッファ層18を形成するケミカルバス成膜(CBD)法などがある。
高い変換効率を得るためには、硫化物系化合物半導体は、原子比でCu/(Ge+Sn)比(CZGTS)若しくはCu/Ge比(CZGS)が1.60以上で且つ2.00未満であることが好ましく、また、副相としてZnSやSnSが過剰に存在しないものが好ましい。尚、Cu/(Ge+Sn)比(CZGTS)若しくはCu/Ge比(CZGS)が1.60未満であると、逆にGeが過剰すぎることによって多量のSn−S系副相やGe−S系副相が生成し、バッファ層と光吸収層との間に適切な界面が形成されないため、起電力特性が低下すると考えられる。
また、CZGTSにおいてはその組成比Cu:Zn:Ge:Sn:Sが、1.60〜1.99:0.95〜2.07:0.01〜0.99:0.99〜0.01:3.40〜6.65(更にGe+Snが1.00)となるように、CZGSにおいてはその組成比Cu:Zn:Ge:Sが、1.60〜1.99:0.99〜2.07:1.00:3.40〜6.65となるように設定するのが好ましい。
このため、形成した光吸収層表面に副相が存在する場合は、ZnSを溶解可能な溶媒を用いて、光吸収層を洗浄することで、高い変換効率が得られる。具体的には、ZnSを溶解可能な溶媒として塩酸水溶液がある。また、ZnSは空気に触れると徐々に硫酸塩と変化することが文献(化学事典、第1版、東京化学同人(1994)p.1514)に示されており、水で洗浄するだけでも除去できる場合もある。バッファ層の形成には水溶液を用いることがあることから、この洗浄工程はバッファ層形成時に兼ねることもできる。洗浄方法は、特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。例えば、リンス洗浄、流水洗浄、超音波洗浄など、公知の方法を利用することができる。また、洗浄時に加熱することは有効である。
次に、光吸収層の上に、バッファ層を形成する。バッファ層の形成方法は、特に限定されるものではなく、バッファ層の組成に応じて最適な方法を選択する。例えば、バッファ層としてCdSを用いる場合、CdS層は、金属イオンを含む水溶液にチオ尿素等の硫黄源を溶かし、これに基板を浸漬して加熱する方法により形成することができる。
次に、バッファ層の上に窓層を形成する。窓層の形成方法は、特に限定されるものではなく、窓層の材質などに応じて最適な方法を選択する。窓層の形成方法として、具体的には、スパッタ法、真空蒸着法、PLD法などがある。
最後に上部電極を窓層上に形成する。上部電極の形成方法は、特に限定されるものではなく、上部電極の材質などに応じて最適な方法を選択する。上部電極の形成方法として、具体的には、スパッタ法、真空蒸着法、PLD法などがある。
次に本実施例の作用効果について説明する。
CIGSに代表されるカルコパイライト系化合物半導体において、毒性元素Seや希少元素Inを含まず、太陽電池の光吸収層として利用可能なバンドギャップエネルギー1.5〜2.2eVを組成によって変化できる硫化物系化合物半導体を用いた光電素子は、これまで報告がなかった。
CZTSは正方晶系ケステライト構造を持ち、バンドギャップエネルギー1.5eV程度で、高い光吸収係数を持つ。一方、CZGSはバンドギャップエネルギー2.2eV程度であり、CZTSと同じ正方晶系の構造をとることが、非特許文献3(O.V.Parasyuk, et al. Journal of Alloys and Compounds, 397(2005)85-94)に示されていることから、CZGSのGeの一部をSnに置き換えたものとして、CuZnGeSn1−Xが形成され、Xの値によって、バンドギャップエネルギーが1.5〜2.2eVの間で変化すると思われる。したがって、Geの含有量の増加に伴い、バンドギャップエネルギーが大きくなることで、光電素子の開放電圧が向上する。このように、CZGTS系化合物半導体を用いることで、SeやInを含まず、1.5〜2.2eVのバンドギャップエネルギーを有する材料を用いた光電素子を実現することができ、例えば、バンドギャップエネルギーが2.2eV程度のCZGS(CZGTS)を用いた光電素子をトップセル、バッドギャップエネルギーが1.5eV程度のCZTSを用いた光電素子をボトムセルとするタンデム型太陽電池等に利用することができる。
CuZnGeSn1−X(CZGTS)は、化学量論組成よりもCuを僅かに減らすと、相対的に高い変換効率を示す。これは、カルコパイライト系化合物において知られているようにCuが化学量論組成よりも過剰な場合、光吸収層表面にCu−S化合物が副相の結晶として形成され、バッファ層との界面にCu−S化合物が存在することで、適切な接合界面が形成されない領域が生じ、開放電圧が低下する。このため、光吸収層を形成後、猛毒であるKCN溶液による洗浄によるCu−S化合物除去工程が必要であった。一方、CZGTSにおいてはCu/(Ge+Sn)比(CZGSにおいてはCu/Ge比)が2.00未満であれば、低抵抗なCu−S系の副相の生成を回避することができる。また、化学両論組成よりZnが過剰な組成の場合、副相としてZnSが形成されるが、取扱が容易な塩酸による洗浄により、除去することができる。洗浄によって、光吸収層の表面から絶縁性のZnS系粒子が除去され、光吸収層とその上に形成される各層との接合界面が適切になり、変換効率が向上すると考えられる。
以下に本実施例の効果を裏付ける実験例について説明する。
[実験例1]
・実施例1−1
以下の手順に従い、図1に示す構造を有する太陽電池を作製した。
(1)ガラス基板12上にMo膜(下部電極14)を真空蒸着法により形成した。
(2)Mo膜14上に、Zn、Cu、Geの順に積層膜Mo/Zn/Cu/Ge前駆体膜を作製した。
(3)これを硫黄0.10gとともにガラスシャーレに入れ、窒素ガス雰囲気、大気圧下において、室温から10℃/minで580℃まで昇温後、2時間580℃を保持し、その後、室温まで法令することによって硫化することでCZGS系薄膜を得た。
(4)CZGS膜を形成した後、濃塩酸に漬すことで表面の不純物相をエッチング除去した。
(5)CZGS膜上にCdS膜(バッファ層)をCBD法により形成した。
(6)CdS膜上にZnO:Al膜(窓層)をスパッタ法により形成した。
(7)ZnO:Al膜に、Alの櫛形電極(上部電極)を真空蒸着法により形成した。
(8)図2(右)に示すように、櫛形電極の周囲を4mm×5mmの大きさが残るように、その周囲の窓層、バッファ層、光吸収層を除去し、Mo膜を露出させ、露出したMo膜上に、銀ペーストを塗布した。
・実施例1−2
実施例1−1のCZGS膜を形成後、上記(4)の洗浄工程を経ずにバッファ層を形成し、その他は、実施例1−1と同様に太陽電池を作製し、評価を行った。
実験結果を図3、図4に示す。
尚、光吸収層の組成の同定は、光吸収層形成後、バッファ層を形成する前に、走査型電子顕微鏡JSM−6360LAを用いてエネルギー分散分光測定(EDS測定)により行った。光吸収層の構造の同定は、MiniFlexを用いたX線回折測定により行った。また、基板上に形成された素子の特性は、ソーラーシミュレーターを用いて、AM1.5における電圧−電流特性の測定を行った。
実施例1−2の未洗浄のCZGS膜に対して、CuKα線を用いてX線回折を行うと主なピークとして、2シータ=29.1°、48.5°・・・、が得られ、スタナイトであるかケステライトであるか明確ではないが正方晶系の構造であることがわかった。これ以外に2シータ=24.6°にも異相によると思われるピークが観察された。また、EDSによる組成分析の結果、Cu:Zn:Ge:S=1.79:1.32:1.00:4.50と、CZGSの化学量論組成比である、Cu:Zn:Ge:S=2:1:1:4に近い組成であることがわかった。また、この光吸収層の組成比Cu/Ge=1.79とCuが化学量論より若干少ないことがわかった。このCZGS膜を用いて形成した太陽電池の電流−電圧測定の結果、開放電圧は、552mVが得られた。Cu/Ge比が2.00未満であったことから、CuSが光吸収層表面に形成されず、ZnSなどの異相を含んでいても、短絡することなく、光電素子として機能するものが得られたと考えられる。
実施例1−1の洗浄されたCZGS膜に対して、CuKα線を用いてX線回折を行うと主なピークとして、2シータ=29.1°、48.5°・・・、が得られ、スタナイトであるかケステライトであるか明確ではないが正方晶系の構造であることがわかった。また、EDSによる組成分析の結果、Cu:Zn:Ge:S=1.82:1.31:0.93:4.56と、CZGSの化学量論組成比である、Cu:Zn:Ge:S=2:1:1:4に近い組成であることがわかった。また、この光吸収層の組成比Cu/Ge=1.96とCuが化学量論より若干少ないことがわかった。このCZGS膜を用いて形成した太陽電池の電流−電圧測定の結果、開放電圧は、604mVが得られ、実施例1−2よりも高い開放電圧が得られたことがわかる。
[実験例2]
以下の手順に従い、図1に示す構造を有する太陽電池を作製した。
・実施例2−1
(1)ガラス基板12上にMo膜(下部電極14)を真空蒸着法により形成した。
(2)Mo膜14上に、Zn、Cuの順に積層膜Mo/Zn/Cu前駆体膜を作製した。
(3)(2)の積層膜Mo/Zn/Cu前駆体膜上にGeを堆積させ、積層膜Mo/Zn/Cu/Ge前駆体膜を作製した。
(4)(3)の積層膜Mo/Zn/Cu/Ge前駆体膜上に、Snを堆積させ、積層膜Mo/Zn/Cu/Ge/Sn前駆体膜を作製した。
(5)硫黄0.10gとともにガラスシャーレに入れ、窒素ガス雰囲気、大気圧下において、室温から10℃/minで580℃まで昇温後、2時間580℃を保持し、その後、室温まで法令することによって硫化することでCZGTS系薄膜を得た。
(6)CZGTS膜を形成した後、濃塩酸に漬すことで表面の不純物相をエッチング除去した。
(7)CZGTS膜上にCdS膜(バッファ層)をCBD法により形成した。
(8)CdS膜上にZnO:Al膜(窓層)をスパッタ法により形成した。
(9)ZnO:Al膜に、Alの櫛形電極(上部電極)を真空蒸着法により形成した。
(10)図2(右)に示すように、櫛形電極の周囲を4mm×5mmの大きさが残るように、その周囲の窓層、バッファ層、光吸収層を除去し、Mo膜を露出させ、露出したMo膜上に、銀ペーストを塗布した。
・実施例2−2
(1)ガラス基板12上にMo膜(下部電極14)を真空蒸着法により形成した。
(2)Mo膜14上に、Zn、Cuの順に積層膜Mo/Zn/Cu前駆体膜を作製した。
(3)(2)の積層膜Mo/Zn/Cu前駆体膜上にGeを堆積させ、積層膜Mo/Zn/Cu/Ge前駆体膜を作製した。
(4)硫黄0.10gとともにガラスシャーレに入れ、窒素ガス雰囲気、大気圧下において、室温から10℃/minで580℃まで昇温後、2時間580℃を保持し、その後、室温まで法令することによって硫化することでCZGS系薄膜を得た。
(5)CZGS膜を形成した後、濃塩酸に漬すことで表面の不純物相をエッチング除去した。
(6)CZGS膜上にCdS膜(バッファ層)をCBD法により形成した。
(7)CdS膜上にZnO:Al膜(窓層)をスパッタ法により形成した。
(8)ZnO:Al膜に、Alの櫛形電極(上部電極)を真空蒸着法により形成した。
(9)図2(右)に示すように、櫛形電極の周囲を4mm×5mmの大きさが残るように、その周囲の窓層、バッファ層、光吸収層を除去し、Mo膜を露出させた。
(10)露出したMo膜上に、銀ペーストを塗布した。
・比較例2−1
(1)ガラス基板12上にMo膜(下部電極14)を真空蒸着法により形成した。
(2)Mo膜14上に、Zn、Cuの順に積層膜Mo/Zn/Cu前駆体膜を作製した。
(3)(2)の積層膜Mo/Zn/Cu前駆体膜上にSnを堆積させ、積層膜Mo/Zn/Cu/Sn前駆体膜を作製した。
(4)硫黄0.10gとともにガラスシャーレに入れ、窒素ガス雰囲気、大気圧下において、室温から10℃/minで580℃まで昇温後、2時間580℃を保持し、その後、室温まで法令することによって硫化することでCZTS系薄膜を得た。
(5)CZTS膜を形成した後、濃塩酸に漬すことで表面の不純物相をエッチング除去した。
(6)CZTS膜上にCdS膜(バッファ層)をCBD法により形成した。
(7)CdS膜上にZnO:Al膜(窓層)をスパッタ法により形成した。
(8)ZnO:Al膜に、Alの櫛形電極(上部電極)を真空蒸着法により形成した。
(9)図2(右)に示すように、櫛形電極の周囲を4mm×5mmの大きさが残るように、その周囲の窓層、バッファ層、光吸収層を除去し、Mo膜を露出させ、露出したMo膜上に、銀ペーストを塗布した。
実験結果を図5、図6、図7に示す。
尚、光吸収層の組成の同定は、光吸収層形成後、バッファ層を形成する前に、走査型電子顕微鏡JSM−6360LAを用いてエネルギー分散分光測定(EDS測定)により行った。また、基板上に形成された素子の特性は、ソーラーシミュレーターを用いて、AM1.5における電圧−電流特性の測定を行ない、定エネルギー分光量子効率測定装置を用いて、入射光波長に対する量子効率の測定を行った。
実施例2−2のCZGS膜に対して、CuKα線を用いてX線回折を行うと主なピークとして、2シータ=29.1°、33.6°、48.2°・・・、が得られ、正方晶系のスタナイト(ケステライト)構造の(112)、(200)、(220)面に帰属されることがわかった。また、EDSによる組成分析の結果、Cu:Zn:Ge:S=1.88:0.99:1.00:6.04と、CZGSの化学量論組成比である、Cu:Zn:Ge:S=2:1:1:4に近い組成であり、CuZn(GeSn1−X)Sと表わしたときのCZGTSのX=1の組成に相当する。硫黄Sの組成比が若干過剰になっているが、ガラス/Mo基板上に形成したため、Mo表面も硫化され、試料全体として見かけ上Sの比が高くなったと考えられる。また、この光吸収層の組成比Cu/Ge=1.89とCuが化学量論より若干少ないことがわかった。このCZGS膜を用いて形成した太陽電池の電流−電圧測定の結果、開放電圧は、0.567Vが得られた。また、量子効率の測定から、波長550nm近傍において光吸収による量子効率の急峻な増加が観察され、この量子効率の急峻に増加する波長から推察される光吸収層のバンドギャップは約2.2eVと見積もられた。
これに対して、実施例2−1のCZGTS膜では、CuKα線を用いてX線回折を行うと主なピークとして、2シータ=28.7°、33.2°、47.6°・・・、が得られ、正方晶系の構造に帰属されると考えられるが、CZGSよりも僅かに低角度側にピークがシフトしていた。これは、GeがSnへ置換されることよる格子定数の増加のためと考えられる。また、EDSによる組成分析の結果、Cu:Zn:Ge:Sn:S=1.84:0.95:0.46:0.54:6.65と、CuZn(GeSn1−X)Sと表されるZGTSのX=0.46(Ge/Sn比=0.86)の組成であることがわかった。硫黄Sの組成比が若干過剰になっているが、ガラス/Mo基板上に形成したため、Mo表面も硫化され、試料全体として見かけ上S比が高くなったと考えられる。また、この光吸収層の組成比Cu/(Ge+Sn)=1.84とCuが化学量論より若干少ないことがわかった。このCZGTS膜を用いて形成した太陽電池の電流−電圧測定の結果、開放電圧は、0.498Vが得られた。また、量子効率の測定から、波長680nm近傍において光吸収による量子効率の急峻な増加が観察され、この量子効率の急峻に増加する波長から推察される光吸収層のバンドギャップは約1.8eVと見積もられた。
さらに、Geを完全にSn置換した、比較例2−1の結果を見てみると、このCZTS膜では、CuKα線を用いてX線回折を行うと主なピークとして、2シータ=28.6°、33.1°、47.5°・・・、が得られ、正方晶系のケステライト構造(112)、(200)、(220)面に帰属され、CZGTSよりもさらに低角度側にピークがシフトしていた。これは、GeがSnへ置換されることよる格子定数の増加のためと考えられる。また、EDSによる組成分析の結果、Cu:Zn:Sn:S=1.89:1.45:1.00:5.88と、CuZn(GeSn1−X)Sと表わしたときのCZGTSのX=0の組成に近いことがわかる。硫黄Sの組成比が若干過剰になっているが、ガラス/Mo基板上に形成したため、Mo表面も硫化され、試料全体として見かけ上S比が高くなったと考えられる。また、この光吸収層の組成比Cu/Sn=1.89とCuが化学量論より若干少ないことがわかった。このCZTS膜を用いて形成した太陽電池の電流−電圧測定の結果、開放電圧は、0.483Vが得られた。また、量子効率の測定から、波長800nm近傍において光吸収による量子効率の急峻な増加が観察され、この量子効率の急峻に増加する波長から推察される光吸収層のバンドギャップは約1.6eVと見積もられた。
比較例2−1と実施例2−1、実施例2−2を比較すると、CuZn(GeSn1−X)Sと表わしたときのCZGTSのXが1.0、0.46、0.0と減少させる(Sn比を増加させる)に伴って、これを用いて作製した光電素子の量子効率測定から見積もられた光の吸収端波長が2.2、1.8、1.6eVと変化させることができ、それに伴い、開放電圧が0.567、0.498、0.483Vと変化することがわかる。
[実験例3]
・比較例3
以下の手順に従い、図1に示す構造を有する太陽電池を作製した。
(1)ガラス基板12上にMo膜(下部電極14)を真空蒸着法により形成した。
(2)Mo膜14上に、Zn、Cu、Geの順に、積層膜Mo/Zn/Cu/Ge前駆体膜を作製した。
(3)これを硫黄0.10gとともにガラスシャーレに入れ、窒素ガス雰囲気、大気圧下において、室温から10℃/minで540℃まで昇温後、2時間540℃を保持し、その後、室温まで放冷することによって硫化することでCZGS系薄膜を得た。
(4)CZGS膜上にCdS膜(バッファ層)をCBD法により形成した。
(5)CdS膜上にZnO:Al膜(窓層)をスパッタ法により形成した。
(6)ZnO:Al膜に、Alの櫛形電極(上部電極)を真空蒸着法により形成した。
(7)図2(右)に示すように、櫛形電極の周囲を4mm×5mmの大きさが残るように、その周囲の窓層、バッファ層、光吸収層を除去し、Mo膜を露出させ、露出したMo膜上に、銀ペーストを塗布した。
・実施例3
比較例3に比しCZGS系薄膜がCu不足、Ge過剰となるように各膜厚を設定した以外は比較例3と同様に太陽電池を作製し、評価を行った。
実験結果を図8に示す。
尚、光吸収層の組成の同定は、光吸収層形成後、バッファ層を形成する前に、走査型電子顕微鏡JSM−6360LAを用いてエネルギー分散分光測定(EDS測定)により行った。また、基板上に形成された素子の特性は、ソーラーシミュレーターを用いて、AM1.5における電圧−電流特性の測定を行った。
比較例3のCZGS膜に対して、EDSによる組成分析を試料の3カ所の領域に対して行った結果、この光吸収層の組成比Cu/Ge=1.71、2.11、2.11と2カ所においてCuが化学量論より若干過剰な領域があることがわかった。このCZGS膜を用いて形成した太陽電池の電流−電圧測定の結果、開放電圧は、434mVが得られた。Cu/Ge比が2.00以上の領域があったことから、低抵抗なCu−S系の副相が光吸収層表面に形成され、バッファ層との間に適切な界面が形成できなかった部分が生じたため、開放電圧や変換効率が低下したものと考えられる。
これに対して、実施例3のCZGS膜に対して、EDSによる組成分析を試料の3カ所の領域に対して行った結果、この光吸収層の組成比Cu/Ge=1.86、1.83、1.90と全ての領域においてCuが化学量論より若干少ないことがわかった。このCZGS膜を用いて形成した太陽電池の電流−電圧測定の結果、開放電圧は、620mVが得られた。Cu/Ge比が2.00以下であったことから、低抵抗なCu−S系の副相が光吸収層表面に形成されず、バッファ層との間に適切な界面が形成され、比較例3よりも高い開放電圧が得られたと考えられる。
[実験例4]
・比較例4−1
以下の手順に従い、図1に示す構造を有する太陽電池を作製した。
(1)ガラス基板12上にMo膜(下部電極14)を真空蒸着法により形成した。
(2)Mo膜14上に、Zn、Cu、Geの順に積層膜Mo/Zn/Cu/Ge前駆体膜を作製した。
(3)これを硫黄0.10gとともにガラスシャーレに入れ、窒素ガス雰囲気、大気圧下において、室温から10℃/minで500℃まで昇温後、2時間500℃を保持し、その後、室温まで放冷することによって硫化することでCZGS系薄膜を得た。
(4)CZGS膜を形成した後、濃塩酸に漬すことで表面の不純物相をエッチング除去した。
(5)CZGS膜上にCdS膜(バッファ層)をCBD法により形成した。
(6)CdS膜上にZnO:Al膜(窓層)をスパッタ法により形成した。
(7)ZnO:Al膜に、Alの櫛形電極(上部電極)を真空蒸着法により形成した。
(8)図2(右)に示すように、櫛形電極の周囲を4mm×5mmの大きさが残るように、その周囲の窓層、バッファ層、光吸収層を除去し、Mo膜を露出させ、露出したMo膜上に、銀ペーストを塗布した。
・比較例4−2
比較例4−1のCZGS膜を形成後、上記(4)の洗浄工程を経ずにバッファ層を形成し、その他は、比較例4−1と同様に太陽電池を作製し、評価を行った。
・実施例4−1
比較例4−1に比しCZGS系薄膜がCu不足、Ge過剰となるように各膜厚を設定した以外は比較例4−1と同様に太陽電池を作製し、評価を行った。
・実施例4−2
比較例4−2に比しCZGS系薄膜がCu不足、Ge過剰となるように各膜厚を設定した以外は比較例4−2と同様に太陽電池を作製し、評価を行った。
実験結果を図9に示す。
尚、光吸収層の組成の同定は、光吸収層形成後、バッファ層を形成する前に、走査型電子顕微鏡JSM−6360LAを用いてエネルギー分散分光測定(EDS測定)により行った。また、基板上に形成された素子の特性は、ソーラーシミュレーターを用いて、AM1.5における電圧−電流特性の測定を行った。
比較例4−1および、比較例4−2のCZGS膜に対して、EDSによる組成分析を行った結果、光吸収層の組成比はそれぞれ、Cu/Ge=2.01、2.10と、濃塩酸エッチングの有無にかかわらず、Cuが化学量論より若干過剰であることがわかった。このCZGS膜を用いて形成した太陽電池の電流−電圧測定の結果、開放電圧は、58mV、30mVとほとんど光起電力を示さなかった。Cu/Ge比が2.00以上であったことから、低抵抗なCu−S系の副相が光吸収層表面に形成され、バッファ層との間に適切な界面が形成できなかった部分が生じたため、開放電圧や変換効率が低下したものと考えられる。
これに対して、実施例4−1および、実施例4−2のCZGS膜に対して、EDSによる組成分析を行った結果、この光吸収層の組成比はそれぞれ、Cu/Ge=1.84、1.67と、エッチングの有無にかかわらず、Cuが化学量論より若干少ないことがわかった。このCZGS膜を用いて形成した太陽電池の電流−電圧測定の結果、開放電圧は、662mV、707mVが得られた。Cu/Ge比が2.00以下であったことから、低抵抗なCu−S系の副相が光吸収層表面に形成されず、バッファ層との間に適切な界面が形成され、比較例4−1および、比較例4−2よりも高い開放電圧が得られたと考えられる。
以上から、基板上に、少なくとも下部電極、Cu、Zn、Ge及びSを含む硫化物であってCu/Ge比(原子比)が2.00未満である化合物半導体若しくはCu、Zn、Ge、Sn及びSを含む硫化物であってCu/(Sn+Ge)比(原子比)が2.00未満である化合物半導体からなる光吸収層、バッファ層、窓層及び上部電極をこの順で積層して光電素子を形成すると、良好な光起電力特性が得られることが確認できた。

Claims (11)

  1. Cu、Zn、Ge及びSを含む硫化物であり、Cu/Ge比(原子比)が2.00未満であることを特徴とする化合物半導体。
  2. Cu、Zn、Ge、Sn及びSを含む硫化物であり、Cu/(Sn+Ge)比(原子比)が2.00未満であることを特徴とする化合物半導体。
  3. 正方晶系構造を主とすることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の化合物半導体。
  4. バンドギャップが2.2eV以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物半導体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物半導体を光吸収層に用いたことを特徴とする光電素子。
  6. 基板上に、少なくとも下部電極、前記光吸収層、バッファ層、窓層及び上部電極がこの順で積層されてなることを特徴とする請求項5記載の光電素子。
  7. 基板上に、少なくとも下部電極、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物半導体からなる光吸収層、バッファ層、窓層及び上部電極がこの順で積層されてなる光電素子の製造方法であって、前記下部電極上に前記化合物半導体からなる光吸収層を形成する際、硫黄蒸気または硫黄原子を含む雰囲気中で加熱する工程を含むことを特徴とする光電素子の製造方法。
  8. 前記下部電極上に前記化合物半導体からなる光吸収層を形成する光吸収層形成工程と、ZnS系粒子およびSn−S系粒子を溶解可能な溶媒を用いて前記光吸収層を洗浄する工程とを含むことを特徴とする請求項7記載の光電素子の製造方法。
  9. 前記溶媒は塩酸であることを特徴とする請求項8記載の光電素子の製造方法。
  10. 洗浄された前記光吸収層上に、バッファ層を形成するバッファ層形成工程と、前記バッファ層上に、窓層を形成する窓層形成工程と、前記窓層上に、上部電極を形成する上部電極形成工程とを含むことを特徴とする請求項8,9のいずれか1項に記載の光電素子の製造方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載の光電素子の製造方法によって製造された光電素子であって、開放電圧が483mV以上であることを特徴とする光電素子。
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