JP2011159696A - シリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

シリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、短時間で製造することができ、さらに、ゲッタリングサイトを容易かつ短時間に形成できるとともに、内部応力に起因した転位の発生を有効に抑制できるシリコンウェーハの製造方法を提供することにある。
【解決手段】高速引上げ工程と、ウェーハ作製工程と、シリコンウェーハ10の表面10aから所定の深さ位置Aに対して、長波長である第1レーザー光線20及び短波長である第2レーザー光線30を照射するレーザー照射工程(図2(c))とを具え前記第1レーザー光線20は、前記ウェーハ10の所定の深さ位置Aに集光し、重金属を捕獲するための加工変質層11を形成し、前記第2レーザー光線は、前記ウェーハの表面10a近傍(表層部分10b)に集光し、該集光部分を溶融させた後、再結晶化させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハの製造方法、特に、高速でシリコン単結晶インゴットの引上げを行うことで、短時間で製造することができ、さらに、所定のレーザー光線を照射することで、ゲッタリングサイトを容易かつ短時間に形成できるとともに、内部応力に起因した転位の発生を有効に抑制できるシリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハの製造方法に関するものである。
近年、携帯電話、デジタルビデオカメラは半導体を用いた高性能固体撮像素子が搭載され、画素数などの性能も飛躍的に向上している。民生用の固体撮像素子に期待される性能としては、高画素でかつ動画の撮像を可能とする性能があり、さらに、小型化が要求されている。ここで、動画の撮像を実現するためには、高速演算素子およびメモリ素子との結合が必要となるため、System on Chip(SoC)が容易なCMOSイメージセンサが用いられ、CMOSイメージセンサの微細化が伸展している。
固体撮像素子の撮像特性を劣化させる因子として、フォトダイオードの暗時リーク電流が問題となっている。この暗時リーク電流の原因は、主にブロセス工程における重金属汚染である。そのため、重金属汚染を抑制すべく、半導体ウェーハの内部あるいは裏面に重金属のゲッタリングサイトを形成することが一般的である。
半導体ウェーハの内部にゲッタリングサイトを形成する手段としては、例えば非特許文献1に開示されているように、半導体ウェーハに熱処理を施し、ウェーハ内部に酸素析出部を形成する方法(IG法)が挙げられる。しかしながら、この方法は、所定の酸素析出部を形成するのに長時間の熱処理を必要とし、製造コストの増加および熱処理工程での重金属汚染が懸念される。
また、半導体ウェーハの裏面にゲッタリングサイトを形成する手段としては、例えば非特許文献1に開示されているように、半導体ウェーハの裏面に多結晶シリコン膜を形成し、裏面をゲッタリングサイトとする方法(PBS法)が挙げられる。しかしながら、特に半導体ウェーハが300mmウェーハなどの大口径ウェーハである場合には、大口径ウェーハは通常、両面研磨ウェーハであるため、半導体ウェーハの裏面にゲッタリングサイトを形成することは困難である。
また近年、直径が300mm以上の大口径ウェーハのような両面研磨ウェーハにおいても、長時間の熱処理などを必要とせず、半導体ウェーハの内部にゲッタリングサイトを形成する方法として、例えば特許文献1に開示されているように、半導体ウェーハの表面から低出力のレーザー光線をシリコンウェーハの内部に照射して、該ウェーハの所定の深さ位置のみに多光子吸収過程を生じさせることにより加工変質層を形成し、この加工変質層をゲッタリングサイトとして活用する方法が開発されている。
特開2000−086393号公報 UCS半導体基盤技術研究会編集、「シリコンの科学」、株式会社リアライズ社、1996年6月28日、p585−590
しかしながら、特許文献1の方法によって、ゲッタリングを形成した場合、前記レーザー光線を照射した箇所が瞬時に高温に達するため、その近傍に熱衝撃波が生じ、内部応力が局在することとなり、これらの内部応力が、デバイス工程などの熱プロセスにより緩和される結果、加工変質層から転位が伸展し、デバイスの特性劣化を引き起こすという問題があった。
さらに、シリコンウェーハの大量生産を目的として、シリコン単結晶の引上げ速度を大きくした場合には、製造されたシリコンウェーハに多くの結晶欠陥(COP:Crystal Originated Pit)が発生し、前記デバイス特性がより悪化する恐れがあった。
本発明の課題は、高速でシリコン単結晶インゴットの引上げを行うことで、短時間で製造することができ、さらに、所定のレーザー光線を照射することで、高速で引き上げた結晶特有の問題である結晶欠陥(COP)を修復し、またゲッタリングサイトを容易かつ短時間に形成できるとともに、内部応力に起因した転位の発生を有効に抑制できるシリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、所定の速度以上でシリコン単結晶インゴットの引上げを行う高速引上げ工程と、引き上げたシリコン単結晶インゴットを切断し、加工を行うことでシリコンウェーハを得るウェーハ作製工程と、得られたシリコンウェーハの表面から所定の深さ位置に対して、長波長である第1レーザー光線及び短波長である第2レーザー光線を照射するレーザー照射工程とを具え、前記第1レーザー光線が、前記ウェーハの所定の深さ位置に集光し、重金属を捕獲するための加工変質層を形成し、前記第2レーザー光線が、前記ウェーハの表面近傍に集光し、該集光部分を溶融させた後、再結晶化させることによって、短時間で製造でき、さらに、ゲッタリングサイトを容易かつ短時間に形成できるとともに、内部応力に起因した転位の発生を有効に抑制できることを見出した。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)所定の速度以上でシリコン単結晶インゴットの引上げを行う高速引上げ工程と、引き上げたシリコン単結晶インゴットを切断し、加工を行うことでシリコンウェーハを得るウェーハ作製工程と、得られたシリコンウェーハの表面から所定の深さ位置に対して、長波長である第1レーザー光線及び短波長である第2レーザー光線を照射するレーザー照射工程とを具え、前記第1レーザー光線は、前記ウェーハの所定の深さ位置に集光し、重金属を捕獲するための加工変質層を形成し、前記第2レーザー光線は、前記ウェーハの表面近傍に集光し、該集光部分を溶融させた後、再結晶化させることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
(2)前記インゴットの引上げ速度は、インゴットの直径が450mm以上の場合は0.6mm/min以上であり、インゴットの直径が450mm未満の場合は0.8mm/min以上であることを特徴とする上記(1)に記載のシリコンウェーハの製造方法。
(3)前記レーザー照射工程前のシリコンウェーハの結晶欠陥密度は、1×103〜1×105個/cm3の範囲であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のシリコンウェーハの製造方法。
(4)前記第1レーザー光線の波長が、600〜1200nmの範囲であり、前記第2レーザー光線の波長が、100〜500nmの範囲であることを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)に記載のシリコンウェーハの製造方法。
(5)前記第1レーザーは、超短パルスレーザーであり、前記第2レーザーは、YLF又はYAGレーザーであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの製造方法。
(6)前記第1レーザー光線のエネルギー密度が、1×10−6〜1×10−3 J/pulseの範囲であり、前記第2レーザー光線のエネルギー密度が、1×10−3〜1×10−2 J/pulseの範囲であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1項記載のシリコンウェーハの製造方法。
(7)前記第1レーザー光線の集光する所定の深さ位置は、ウェーハ表面から1〜1000μmの深さ範囲であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1項記載のシリコンウェーハの製造方法。
(8)前記第1レーザー光線及び第2レーザー光線の照射は、窒素、アルゴン、水素又はこれらの混合ガス雰囲気で行われることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1項記載のシリコンウェーハの製造方法。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたシリコンウェーハを基板として使用し、該基板上にエピタキシャル膜を形成してなることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
この発明によれば、短時間でシリコンウェーハを製造することができ、さらに、ゲッタリングサイトを容易かつ短時間に形成できるとともに、内部応力に起因した転位の発生を有効に抑制できるシリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することが可能となった。
本発明に従うシリコンウェーハの製造方法によって、(a)レーザー光線が照射されているシリコンウェーハの状態、(b)レーザー光線照射後のシリコンウェーハの状態、を模式的に示した断面図である。 本発明に従うシリコンウェーハの製造方法のフローを示した図である。 シリコンウェーハに照射するレーザー光線の走査方向を、レーザー光線の照射側から示した図である。 従来のシリコンウェーハの製造方法によって、レーザー光線が照射された後のシリコンウェーハの状態を模式的に示した断面図である。
本発明に従うシリコンウェーハの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図1(a)及び(b)は、本発明に従うシリコンウェーハの製造方法によって、レーザー光線を照射した前後のシリコンウェーハの状態を模式的に示したものである。図2は、本発明に従うシリコンウェーハの製造方法のフローを示した図である。
本発明のシリコンウェーハの製造方法は、図2(a)〜(c)に示すように、所定の速度以上でシリコン単結晶インゴットの引上げを行う高速引上げ工程(図2(a))と、引き上げたシリコン単結晶インゴットを切断し、加工を行うことでシリコンウェーハを得るウェーハ作製工程(図2(b))と、得られたシリコンウェーハの表面から所定の深さ位置に対して、長波長である第1レーザー光線及び短波長である第2レーザー光線を照射するレーザー照射工程(図2(c))とを具える。
そして、本発明は、図1(a)に示すように、前記第1レーザー光線20が、前記ウェーハ10の所定の深さ位置Aに集光し、重金属を捕獲するための加工変質層11を形成し、前記第2レーザー光線が、前記ウェーハの表面10a近傍(表層部分10b)に集光し、該集光部分を溶融させた後、再結晶化させることを特徴とする。
上記構成を採用することによって、高速で前記シリコン単結晶インゴットの引上げを行うことによって、従来よりも短時間でシリコンウェーハの製造が可能となり、さらに、第1レーザー光線20によって、ゲッタリングサイトである加工変質層11を容易かつ短時間に形成できることに加え、第2レーザー光線30の照射によって、溶融・再結晶化した領域12(図1(b))については、高速の引上げによってウェーハ10中に生じた結晶欠陥14を修復し、第1レーザー光線20の照射による内部応力の発生に起因した転位13の発生を有効に抑制することができ、高品質のデバイス領域を得ることができる。
従来のレーザー光線の照射によって加工変質層11の形成を行った場合、図4に示すように、前記加工変質層11の形成による内部応力の発生に起因した転位13がシリコンウェーハ表面10aやその近傍にまで達する結果、デバイスの特性劣化を引き起こすこととなる。
なお、前記加工変質層11とは、前記シリコンウェーハ10の一部に前記第1レーザー光線20を照射することによって、多光子吸収過程を生じ、前記第1レーザー光線20の焦点近傍領域が溶融・再結晶化した結果生じる変質層のことであり、重金属を捕獲するゲッタリングシンクとして作用する。
前記高速引上げ工程(図2(a))とは、CZ法(チョクラルスキー法)によって、所定の速度以上でシリコン単結晶インゴットの引上げを行う工程である。従来の引上げ速度よりも大きな速度でシリコン単結晶インゴットの引上げを行うことで、短時間で大量のシリコンウェーハの製造が可能となる。
ここで、前記所定の引上げ速度とは、前記シリコン単結晶インゴットの半径等によっても異なるが、インゴットの直径が450mm以上の場合は0.6mm/min以上であり、インゴットの直径が450mm未満の場合は0.8mm/min以上であることが好ましい。インゴットの直径が450mm以上の場合に0.6mm/min未満で引上げを行う場合や、インゴットの直径が450mm未満の場合に0.8mm/min未満で引上げを行う場合、引上げ速度が遅すぎるため、短時間でのシリコンウェーハの製造が実現できず、本発明の効果を十分に発揮できない恐れがあるためである。また、インゴットの直径が450mm以上の場合には、引上げ速度が大きすぎる場合、ウェーハ10中に発生する欠陥が大幅に増加する結果、前記第2レーザー光線30によっても十分に欠陥を修復できない恐れがあるため、引上げ速度の上限を0.8mm/minとすることがより好適である。
前記ウェーハ作製工程(図2(b))とは、引き上げた前記シリコン単結晶インゴットを、スライスし、各種研削及び研磨を施すことによって、所望のシリコンウェーハ10を得る工程である。このウェーハ作製工程については、通常用いられる研削方法や研磨方法等によって行われればよく、特に限定はされない。
前記レーザー照射工程(図2(c))とは、図1(a)に示すように、長波長である第1レーザー光線20及び短波長である第2レーザー光線30を照射する工程である。
前記第1レーザー光線20とは、前記第2レーザー光線30に比べて長い波長を有するレーザー光線のことである。長波長のレーザーを用いることで、前記シリコンウェーハ10の所定の深さ位置Aに集光し、多光子吸収過程を生じさせることで、加工変質層11を形成することができる。ここで、前記長波長とは、1000μm以下の厚みのシリコン単結晶を透過可能なレーザー光線の波長のことをいい、具体的には、600〜1200nmの範囲であることが好ましい。600nm未満の場合、波長が短すぎるため、所定の深さ位置Aまでレーザー光線が到達しない恐れや、前記シリコンウェーハ10の表層部分10bに影響を与える恐れがあり、一方、1200nmを超えると、波長が長すぎるため、レーザーの照射によって前記加工変質層11を形成することができない恐れがあるからである。
また、具体的には、前記第1レーザーは、超短パルスレーザーであることが好ましい。超短パルスレーザーは、その波長が1000nm以上であることから透過性が高く、前記シリコンウェーハ10の表層部分10bの結晶組織に影響を与えることなく、加工変質層11を形成することができるためである。さらにまた、低電力で動作可能であり、光学系によりシリコン単結晶又はシリコンウェーハの任意の位置にレーザー光線を集光可能であることも理由である。
さらに、前記第1レーザー光線20は、前記シリコンウェーハ10の所定の深さ位置に集光できるように、必要に応じて、集光レンズ(図示せず)等の集光手段を用いることができる。この集光手段を調整することによって、同じレーザー光線20であっても、所望の深さ位置Aに集光するように調整を図ることが可能となる。
また、前記第1レーザー光線20が集光する所定の深さ位置Aとは、前記ウェーハ表面10aから1〜1000μmの深さ範囲であることが好ましい。1μm未満の場合、前記シリコンウェーハの表面10aに近すぎるため、レーザー照射にともなう表面ダメージ形成の恐れがあるからであり、一方、1000μmを超えると、前記シリコンウェーハ10の表層部分10bから離れすぎているため、ゲッタリングの効果が低下する恐れがあるからである。
さらに、前記第1レーザー光線20のエネルギー密度が、1×10−6〜1×10−3 J/pulseの範囲であることが好ましい。エネルギー密度が1×10−6 J/pulse未満の場合、エネルギーが小さすぎるため、前記加工変質層11を十分に形成することができない恐れがあるからであり、一方、エネルギー密度が1×10−3 J/pulseを超えると、エネルギーが大きすぎるため、前記ウェーハの表面近傍での光吸収が大きくなり、所定の深さ位置Aまでレーザー光線20が到達しない恐れがあるからである。
なお、前記第1レーザー光線20の照射時間については、レーザー20の波長やエネルギー密度の大きさによって種々の値をとることができるが、1×10−12〜1×10−6秒の範囲であることが好ましい。1×10−12秒未満の場合、照射時間が短いため、加工変質層11を十分に形成することができない恐れがあるからであり、一方、1×10−6秒を超えると、照射時間が長すぎるため、シリコン単結晶に過剰なダメージを形成し転位発生の恐れがあるからである。
前記第2レーザー光線30とは、前記第1レーザー光線20に比べて短い波長を有するレーザー光線のことである。前記高速引上げ工程(図2(a))において、従来よりも高速でシリコン単結晶インゴットが引き上げられる結果、得られたシリコンウェーハ10は、結晶欠陥14が多数存在することとなる。また、前記第1レーザー光線20によって、ゲッタリングサイトである加工変質層11を形成するに当たって、第1レーザー光線20の熱衝撃によって内部応力が生じ、転位が発生する恐れがある。そのため、短波長のレーザーである第2レーザー光線30を照射することで、前記シリコンウェーハ10の表面近傍(表層部分10b)に集光し、該集光部分を溶融し、再結晶化させることができる結果、再結晶化した領域12から上述の結晶欠陥14及び転位をなくすことができる。ここで、前記短波長とは、本発明では500nm以下の波長のことをいい、より詳細には、100〜500nmの範囲であることが好ましい。100nm未満の場合、波長が短すぎるため、シリコンウェーハ10の最表面層での光エネルギーの吸収が強く、前記表層部分10bに過剰なダメージを形成する恐れがあり、一方、500nmを超えると、波長が長すぎるため、レーザーの照射によって前記シリコンウェーハ10の表層部分10bを溶融し、再結晶化させることができない恐れがあるからである。
なお、前記シリコンウェーハ10の表層部分10bとは、デバイス層として必要なシリコンウェーハ10の表面10aから一定の深さ位置までのウェーハの部分をいい、前記シリコンウェーハ10の表面10aから、およそ0.2〜2μmの範囲の深さ位置までのウェーハ部分であることが好ましい。0.2μm未満では、表層部分が薄すぎるため、所望のデバイス層が得られない恐れがあり、一方、2μmを超えると、表層部分10bを溶融するために必要なエネルギーが大きくウェーハ表面10aにダメージが発生する恐れがあるからである。
また、前記レーザー照射工程(図2(c))前の前記シリコンウェーハ10の結晶欠陥密度は、1×103〜1×105個/cm3の範囲であることが好ましい。前記結晶欠陥密度が1×103個/cm3未満の場合、そのままで十分に製品として使用できるため、結晶欠陥を修復できる本発明の効果を十分に発揮できないからであり、一方、前記結晶欠陥密度が1×105個/cm3を超えると、結晶欠陥が多すぎるため、第2レーザー光線30を照射した場合であっても、十分に結晶欠陥の修復ができない恐れがあるからである。
また、前記第2レーザーは、上述の寸法又は形状を満たしていれば、特に限定されることはなく、その種類については、例えば、エキシマレーザー等のパルスレーザーを用いることが可能であるが、YLF又はYAGレーザーを用いることがより好ましい。YLF及びYAGレーザーは、光ポンピング可能な半導体レーザーであり、さらに、レーザー装置本体を小型化でき経済的あるためである。
さらに、前記第2レーザー光線は、前記シリコンウェーハ10の表層部分10bに集光できるように、必要に応じて、集光レンズ(図示せず)等の集光手段を用いることができる。この集光手段を調整することによって、同じレーザー光線を用いたであっても、所望の深さ位置に集光するように調整を図ることが可能となる。
さらに、前記第2レーザー光線30のエネルギー密度が、1×10−3〜1×10−2 J/pulseの範囲であることが好ましい。エネルギー密度が1×10−3 J/pulse未満の場合、エネルギーが小さすぎるため、前記シリコンウェーハ10の表層部分10bを十分に溶融させることができない恐れがあるからであり、一方、エネルギー密度が1×10−2 J/pulseを超えると、エネルギーが大きすぎるため過剰なダメージが形成され、前記シリコンウェーハ10の表層部分10bに転位が多く発生する恐れがあるからである。
なお、前記第2レーザー光線30の照射時間については、レーザー30の波長やエネルギー密度の大きさによって種々の値をとることができるが、1×10−9〜1×10−6秒の範囲であることが好ましい。1×10−9秒未満の場合、照射時間が短いため、十分に前記表層部分10bを溶融し、再結晶化させることができないからであり、一方、1×10−6秒を超えると、照射時間が長すぎるため、シリコンウェーハ表層部分10bにダメージを与える恐れがあるからである。
また、前記第1レーザー光線20及び前記第2レーザー光線30の照射する方法については、上述の条件を満たせば特に限定はしないが、図3に示すように、レーザー光線20、30を走査しながら照射することができる。技術上、前記レーザー光線20、30の照射領域は小さいため、レーザー光線20、30を走査させることで多くのデバイスを得ることができるためである。
なお、シリコンウェーハ10の中に示した矢印は、レーザー光線20、30の走査方向を示しており、各矢印の間隔、すなわち走査のピッチは任意に設定することができ、レーザー光線20、30をシリコンウェーハの内部に、部分的又は全面にわたって照射することができる。
また、前記第1及び第2レーザー光線20、30の発生装置については、有効に前記レーザー光線20、30を発生できるものであれば、特に限定はせず、従来用いられている装置を使用することができる。
さらに、前記第1レーザー光線20及び第2レーザー光線30の照射は、窒素、アルゴン、水素又はこれらの混合ガス雰囲気で行われることが好ましい。レーザー照射装置内で生じたパーティクルなどが、前記シリコンウェーハ10の表面10aに吸着するのを抑制するためである。
また、本発明に係る製造によって製造されたシリコンウェーハ10を基板として使用し、該基板上にエピタキシャル膜を形成することで、エピタキシャル膜の直下にゲッタリング層を形成したエピタキシャルウェーハを製造することも可能である。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
(実施例1)
実施例1は、図2に示すように、引上げ速度:1mm/minでシリコン単結晶インゴトの引上げを行う高速引上げ工程(図2(a))、引き上げたシリコン単結晶インゴットを切断し、加工(研削、研磨)を行うウェーハ作製工程(図2(b))を経て得られた、ウェーハ径が200mm、厚さが725μmのシリコンウェーハに対して、図1(a)に示すように、シリコンウェーハ10の表層部分10bを溶融し、再結晶化させるための、短波長である第2レーザー光線30を照射した後、重金属を捕獲するための加工変質層11を形成するための、長波長である第1レーザー光線20を照射する工程を行うことで、サンプルとなるシリコンウェーハ10を作製した。
なお、第1レーザー光線20の波長(nm)、エネルギー密度(J/pulse)及び集光する深さ位置(μm)、第2レーザー光線30の波長(nm)、エネルギー密度(J/pulse)及び集光する深さ位置(μm)、並びに、レーザー光線が照射されたときのガス雰囲気、の条件については表1に示す。
(実施例2)
実施例2は、前記第1レーザー光線20と前記第2レーザー光線30とを同時に照射したこと以外は、実施例1と同様の条件で、サンプルとなるシリコンウェーハを作製した。
なお、第1レーザー光線20の波長(nm)、エネルギー密度(J/pulse)及び集光する深さ位置(μm)、第2レーザー光線30の波長(nm)、エネルギー密度(J/pulse)及び集光する深さ位置(μm)、並びに、レーザー光線が照射されたときのガス雰囲気、の条件については表1に示す。
(実施例3)
実施例3は、上述の実施例1で得られたシリコンウェーハを基板として用い、該基板上にエピタキシャル膜(膜厚:4μm)を形成することによって、サンプルとなるエピタキシャルウェーハを作製した。
なお、第1レーザー光線20の波長(nm)、エネルギー密度(J/pulse)及び集光する深さ位置(μm)、第2レーザー光線30の波長(nm)、エネルギー密度(J/pulse)及び集光する深さ位置(μm)、並びに、レーザー光線が照射されたときのガス雰囲気、の条件については表1に示す。
(比較例1)
比較例1は、前記第2レーザー光線30を照射しないこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなるシリコンウェーハを作製した。
なお、第1レーザー光線20の波長(nm)、エネルギー密度(J/pulse)及び集光する深さ位置(μm)、並びに、レーザー光線が照射されたときのガス雰囲気、の条件については表1に示す。
(比較例2)
比較例1は、前記第1レーザー光線20を照射しないこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなるシリコンウェーハを作製した。
なお、第2レーザー光線30の波長(nm)、エネルギー密度(J/pulse)及び集光する深さ位置(μm)、並びに、レーザー光線が照射されたときのガス雰囲気、の条件については表1に示す。
(評価方法)
各実施例及び比較例で得られたシリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハについて、以下の評価項目(1)、(2)に従って評価を行った。
(1)転位密度
各実施例及び各比較例のサンプルについて、TEMを用いて、シリコンウェーハ中の任意の20箇所における、シリコンウェーハの表面から1μmまでに存在するの転位密度(個/cm3)を計測した。観察結果については、以下の基準に従って評価を行い、評価結果を表1に示す。
○:転位密度が1000個/cm3以下
×:転位密度が1000個/cm3超え
(2)結晶欠陥密度
各実施例及び各比較例のサンプルについて、RIEを用いて、シリコンウェーハ中の任意の20箇所における、シリコンウェーハの表面から1μmまでに存在する位密度(個/cm3)を計測した。観察結果については、以下の基準に従って評価を行い、評価結果を表1に示す。
○:結晶欠陥密度が、1000個/cm3以下
×:結晶欠陥密度が、1000個/cm3超え
(3)ゲッタリング能力
各実施例及び各比較例のサンプルについてアンモニア水と過酸化水素水の混合溶液および塩酸と過酸化水素水の混合溶液で洗浄した後、スピンコート汚染法によりニッケルで1.0×1012atoms/cm2程度表面汚染させた後、縦型熱処理炉において1000℃で1時間、窒素雰囲気中で拡散熱処理を施し、その後、Wright液(48% HF:30ml、69% HNO3:30ml、CrO3:1g+H2O:2ml、酢酸:60ml)によりサンプル表面をエッチングし、表面のエッチピット(ニッケルシリサイドがエッチングされて形成されるピット)の個数を光学顕微鏡により観察してエッチピット密度(個/cm2)を測定した。なお、この方法におけるエッチピット密度の測定限界は1.0×103個/cm2である。評価については、以下の基準に従って行い、評価結果を表1に示す。
◎:エッチピット密度が、1.0×103個/cm2以下(測定限界以下)
○:エッチピット密度が、1.0×103個/cm2超え、1.0×105個/cm2未満
×:エッチピット密度が、1.0×105個/cm2以上
Figure 2011159696
表1の結果から、実施例1及び2のシリコンウェーハ並びに実施例3のエピタキシャルウェーハは、いずれも、加工変質層を形成した効果によって、高いゲッタリング能力を有し、さらに、転位密度及び結晶欠陥密度が小さく、第1レーザー光線の照射に伴った転位の発生が抑制でき、高速の引上げによって生じたウェーハ中の結晶欠陥を修復できていることがわかった。一方、比較例1のサンプルは、高いゲッタリング能力を有するものの、表層部分の溶融、再結晶化が行われていないため、加工変質層の形成に起因した転位及び高速引上げに起因した結晶欠陥が発生していることがわかった。また、比較例2のサンプルは、加工変質層を形成していないため、ゲッタリング能力が低いことがわかった。
この発明によれば、短時間で製造することができ、さらに、ゲッタリングサイトを容易かつ短時間に形成できるとともに、内部応力に起因した転位の発生を有効に抑制できるシリコンウェーハ及びエピタキシャルウェーハの製造方法の提供が可能になった。
10 シリコンウェーハ
11 加工変質層
12 再結晶化した領域
13 転位
14 結晶欠陥
20 第1レーザー光線
30 第2レーザー光線

Claims (9)

  1. 所定の速度以上でシリコン単結晶インゴットの引上げを行う高速引上げ工程と、引き上げたシリコン単結晶インゴットを切断し、加工を行うことでシリコンウェーハを得るウェーハ作製工程と、得られたシリコンウェーハの表面から所定の深さ位置に対して、長波長である第1レーザー光線及び短波長である第2レーザー光線を照射するレーザー照射工程とを具え、
    前記第1レーザー光線は、前記ウェーハの所定の深さ位置に集光し、重金属を捕獲するための加工変質層を形成し、前記第2レーザー光線は、前記ウェーハの表面近傍に集光し、該集光部分を溶融させた後、再結晶化させることを特徴とするシリコンウェーハの製造方法。
  2. 前記インゴットの引上げ速度は、インゴットの直径が450mm以上の場合は0.6mm/min以上であり、インゴットの直径が450mm未満の場合は0.8mm/min以上であることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  3. 前記レーザー照射工程前のシリコンウェーハの結晶欠陥密度は、1×103〜1×105個/cm3の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  4. 前記第1レーザー光線の波長が、600〜1200nmの範囲であり、前記第2レーザー光線の波長が、100〜500nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  5. 前記第1レーザーは、超短パルスレーザーであり、前記第2レーザーは、YLF又はYAGレーザーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  6. 前記第1レーザー光線のエネルギー密度が、1×10−6〜1×10−3 J/pulseの範囲であり、前記第2レーザー光線のエネルギー密度が、1×10−3〜1×10−2 J/pulseの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコンウェーハの製造方法。
  7. 前記第1レーザー光線の集光する所定の深さ位置は、ウェーハ表面から1〜1000μmの深さ範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のシリコンウェーハの製造方法。
  8. 前記第1レーザー光線及び第2レーザー光線の照射は、窒素、アルゴン、水素又はこれらの混合ガス雰囲気で行われることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のシリコンウェーハの製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたシリコンウェーハを基板として使用し、該基板上にエピタキシャル膜を形成してなることを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
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