JP2011159369A - 光学ドライブ装置、レンズシフト量検出方法 - Google Patents

光学ドライブ装置、レンズシフト量検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】例えばプッシュプル信号からレンズシフト起因のオフセット成分を除去するといった場合などに必要とされる対物レンズのレンズシフト量の情報を、ベース振動に起因するシフト分も含めて、より正確に検出できるようにする。
【解決手段】光学ピックアップを保持するベース材の変位に応じて対物レンズに作用する外乱成分としてのベース振動分外乱成分を求める。その上で、レンズシフト量を、対物レンズを駆動するアクチュエータの駆動信号成分とアクチュエータの伝達関数だけでなく、上記ベース振動分外乱成分にも基づいて算出する。
このことで、ベース材の振動分も加味したより正確なレンズシフト量を検出できる。
【選択図】図6

Description

本発明は、光ディスク記録媒体についての記録及び/又は再生を行う光学ドライブ装置と、対物レンズのレンズシフト量を検出するレンズシフト量検出方法とに関する。
特公平4−34212号公報 特開昭62−73432号公報
光の照射により信号の記録/再生が行われる光記録媒体として、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などのいわゆる光ディスクが普及している。
このような光ディスクについてのドライブ装置において、トラッキングサーボ制御に用いるトラッキングエラー信号としてプッシュプル信号のみを用いる場合、トラッキングサーボ制御に従って対物レンズがディスク偏芯に追従してトラッキング方向(ディスク半径方向に平行な方向)に移動すると、その移動量に比例して、プッシュプル信号にオフセットが重畳することが知られている。
このようなレンズシフトに起因したプッシュプル信号のオフセットは、トラッキングサーボシステムのモデル図で表すと、次の図21のようになる。
図21において、「r」は、トラッキングサーボ制御の目標値であり、トラック位置に相当するものである。
また「C」は、トラッキングサーボシステムにおける制御器(サーボフィルタ)の伝達関数を表すものであり、「P」は対物レンズを駆動するトラッキングアクチュエータの伝達関数を表す。「u」はトラッキングアクチュエータの駆動信号成分を表し、「y」は対物レンズの位置(レンズ位置)に相当する。
先ず前提として、トラック位置rは、ディスク偏芯などによって変動し、トラッキングサーボシステムは、トラック位置rに対してレンズ位置yを追従させるように動作している。
トラック位置rとレンズ位置yとの差が、本来のエラー信号e0であるが、プッシュプル信号にはレンズシフト起因のオフセットが重畳するので、図のようにレンズ位置yに比例したオフセットbがエラー信号e0に加算され、その加算結果としてのエラー信号eが制御器(C)に入力されることになる。
なお図中の比例定数αは、レンズシフト量に相当するレンズ位置yが実際にエラー信号e0に重畳するオフセットbに及ぼす影響を表現したものである。
上記のように本来得られるべきエラー信号e0に対しオフセットbが重畳する結果、トラッキングサーボ制御を適切に行うことができず、サーボ性能の低下を招くことになる。
レンズシフトに起因したプッシュプル信号のオフセットを除去するための技術としては、上記特許文献1に開示されるように対物レンズの移動量を検出するためのサイドプッシュプル信号を生成する、いわゆる差動プッシュプル法(DPP法)が広く知られている。
しかしながら、差動プッシュプル法では、サイドスポットを生成する必要があり、光学的に複雑であること、またサイドビームを生成する分メインビームのパワーが低下すること等が問題となる。
そこで、上記特許文献2に記載されるように、対物レンズを保持するアクチュエータの駆動信号成分から対物レンズのレンズシフト量を推定し、該推定したレンズシフト量に基づき、プッシュプル信号に重畳するオフセットを除去するという手法が提案されている。
図22は、上記特許文献2に記載の手法によりレンズシフト起因のオフセットを除去する際のサーボシステムのモデルを示している。
図示するように特許文献2に記載の手法では、アクチュエータの伝達関数Pを模した伝達関数Piを用い、アクチュエータの駆動信号成分uに対し該伝達関数Piに応じた周波数特性を付与することで、実際のレンズ位置(レンズシフト量)yを推定したレンズ位置yiを求める。つまりこれにより、レンズシフト量を、電気信号として検出できる。
このように検出したレンズ位置yiに対し、比例定数αを模した比例定数αiを与えることで、プッシュプル信号に重畳するオフセットbを予測したオフセット予測値biを得る。図のように該オフセット予測値biを、オフセットbが重畳したエラー信号eから減ずることで、オフセットbの影響をキャンセルしたエラー信号ecを得ることができる。
このようなエラー信号ecが制御器(C)に入力されることで、この場合のトラッキングサーボ制御は、オフセットbの影響を大幅に軽減して適正に行うことができる。
なお図22において、図中の破線で囲う部分が、電気回路又はマイクロプロセッサで実現される部分となる。
しかしながら、上記特許文献2の手法でキャンセルされるオフセットは、あくまでも予測値であり、ドライブ装置に振動が加わりサーボ系に外乱として作用した場合は、オフセット予測値biとオフセットbとのずれが大きくなってしまうという問題がある。
ここで、通常、光ディスクのドライブ装置では、外部からの振動を遮断するため、ダンピング材が用いられる。対物レンズを含む光学ピックアップは、上記ダンピング材により保持されたベース上に保持され(例えばスライド機構を介して保持される)ており、従って外部からの振動は、ダンピング材→ベースを介してサーボ系に作用することになる。
このとき、光ディスクを回転させるスピンドルモータとしても、上記ベース上に保持されており、その結果、ディスク回転に伴い、サーボ系に外乱が与えられてしまうことがある。特に、ディスク回転数が上記ダンピング材の共振周波数近辺になると、ベースの振動が大きくなるため、その場合にはレンズシフト量(レンズ位置yi)の推定誤差が大きくなってしまう。
図23は、例えば上記のようなディスク回転に伴うベース振動がトラッキングサーボシステムに与える影響を示している。
この図23と先の図22とを比較して分かるように、ベース振動に伴い対物レンズに作用する外乱成分dは、アクチュエータの駆動信号成分uを減じるものとして表すことができる。このようなベース振動に伴う外乱成分dが与えられることで、レンズ位置yiには、レンズ位置yとの誤差が生じ、その結果レンズシフト量を正しく検出することができなくなる。
光ディスクの回転による振動は、ダンピング材で保持される形態のドライブ装置で必ず起こり得る問題であり、その対策が要請される。
本発明は上記のような問題点に鑑み為されたものであり、例えば上述のようにプッシュプル信号からレンズシフト起因のオフセット成分を除去するといった場合などに必要とされる対物レンズのレンズシフト量の情報を、ベース振動に起因するシフト分も含めて、より正確に検出できるようにすることをその課題とする。
上記課題の解決のため、本発明では光学ドライブ装置として以下のように構成することとした。
すなわち、ベース材と、上記ベース材上に保持された光学ピックアップと、上記光学ピックアップ内に設けられ、光源より出射された光を上記光ディスク記録媒体に対して集光する対物レンズを上記光ディスク記録媒体の半径方向に平行な方向に変位可能に保持するアクチュエータとを備える。
また、上記ベース材に対して与えられた振動に応じた上記ベース材の上記半径方向における変位量に基づき、上記ベース材の変位に応じて上記対物レンズに作用する外乱成分としてのベース振動分外乱成分を求めるベース振動分外乱成分推定部を備える。
また、上記アクチュエータの駆動信号成分と、上記アクチュエータの伝達関数と、上記ベース振動分外乱成分とに基づき、上記振動に伴う上記ベース材の変位を加味した上記対物レンズのレンズシフト量を算出するレンズシフト量算出部を備えるようにした。
上記のように本発明では、ベース材の変位に応じて対物レンズに作用する外乱成分としてのベース振動分外乱成分を求めるようにしている。その上で、レンズシフト量を、アクチュエータの駆動信号成分とアクチュエータの伝達関数だけでなく、上記ベース振動分外乱成分にも基づいて算出するものとしている。
このことで、ベース材の振動分も加味したより正確なレンズシフト量を検出できる。
本発明によれば、ベース材の振動分も加味して、対物レンズのレンズシフト量をより正確に検出することができる。
これにより、例えばレンズシフトに起因して生じるプッシュプル信号のオフセット成分を除去するとした場合には、上記検出したレンズシフト量に基づき上記オフセットの予測値をより正確に求めることができ、その結果、上記オフセット成分の除去がより正確に行われることによりトラッキングサーボ制御のさらなる安定化及び精度向上が図られるようにできる。
或いは、例えばバルク型記録媒体に対応する光学ドライブ装置において、レンズシフトに起因して生じる第1の光(録再用光)と第2の光(サーボ用光)とのスポット位置ずれに伴う上記第1の光の情報記録位置のずれを補正するとした場合には、上記のようにベース材の振動分も加味したより正確なレンズシフト量の検出ができることにより、上記情報記録位置のずれをより正確に補正できる。
第1及び第2の実施の形態で記録/再生対象とする光ディスク記録媒体の断面構造を説明するための図である。 実施の形態の光学ドライブ装置の内部の構造について説明するための図である。 第1及び第2の実施の形態としての光学ドライブ装置の内部構成を示したブロック図である。 フォトディテクタの構造を例示した図である。 ベース振動による影響を明示したトラッキングサーボシステムのモデル図である。 第1の実施の形態としてのレンズシフト量検出手法について説明するための図である。 第1の実施の形態としての光学ドライブ装置が備えるサーボ回路の内部構成を示したブロック図である。 第2の実施の形態としてのレンズシフト量検出手法について説明するための図である。 第2の実施の形態としての光学ドライブ装置が備えるサーボ回路の内部構成を示したブロック図である。 バルク記録方式について説明するための図である。 マイクロホログラム方式について説明するための図である。 ネガ型マイクロホログラム方式について説明するための図である。 実施の形態で記録再生対象とするバルク型記録媒体の断面構造を示した図である。 バルク型記録媒体に対するマーク記録時の動作について説明するための図である。 バルク型記録媒体の記録再生を行うための光学系の概要について説明するための図である。 バルク型記録媒体の再生時におけるサーボ制御について説明するための図である。 第3の実施の形態としての光学ドライブ装置の内部構成を示したブロック図である。 第3の実施の形態の光学ドライブ装置が備えるサーボ回路の内部構成を示したブロック図である。 レンズシフトに伴い録再用レーザ光とサーボ用レーザ光にスポット位置ずれが生じることについて説明するための図である。 第4の実施の形態としての光学ドライブ装置の内部構成について説明するためのブロック図である。 レンズシフトに起因してプッシュプル信号にオフセットが重畳する現象について説明するための図である。 アクチュエータの駆動信号から推定した対物レンズのレンズシフト量を用いてプッシュプル信号に重畳するオフセット成分を除去する従来例としての手法について説明するための図である。 ディスク回転に伴うベース振動がトラッキングサーボシステムに与える影響について説明するための図である。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。

<1.第1の実施の形態>
[1-1.記録/再生対象とする光ディスク記録媒体]
[1-2.光学ドライブ装置の内部構造について]
[1-3.光学ドライブ装置の内部構成]
[1-4.第1の実施の形態としてのレンズシフト量検出手法(オフセット除去手法)]
[1-5.サーボ回路の内部構成]
[1-6.まとめ]
<2.第2の実施の形態>
[2-1.第2の実施の形態としてのレンズシフト量検出手法(オフセット除去手法)]
[2-2.サーボ回路の内部構成]
<3.第3の実施の形態>
[3-1.バルク型記録媒体について]
[3-2.バルク型記録媒体の記録再生手法について]
[3-3.光学ドライブ装置の内部構成]
<4.第4の実施の形態>
[4-1.レンズシフト起因のスポット位置ずれについて]
[4-2.光学ドライブ装置の内部構成]
<5.変形例>
<1.第1の実施の形態>
[1-1.記録/再生対象とする光ディスク記録媒体]

図1は、第1の実施の形態において記録再生対象とする光ディスク記録媒体D1の断面構造を示した図である。
この光ディスク記録媒体D1は、記録可能型の光ディスク記録媒体とされ、回転駆動される光ディスク記録媒体D1に対してレーザ光を照射してマーク記録が行われる。
なお光ディスク記録媒体とは、光の照射により情報の記録/再生が行われる円盤状の記録媒体を総称したものである。
図1に示されるように光ディスク記録媒体D1には、上層側から順にカバー層Lc、記録層Rc、基板BSが形成されている。
ここで、本明細書において「上層側」とは、後述する実施の形態としての光学ドライブ装置が備える対物レンズ6からのレーザ光が入射する面を上面としたときの上層側を指す。
光ディスク記録媒体D1において、基板BSは、例えばポリカーボネートやアクリルなどの樹脂で構成され、図示するようにその上面側には、記録/再生位置を案内するための位置案内子として、グルーブの形成に伴う凹凸の断面形状が与えられている。
この場合、位置案内子としての上記グルーブは、周期的に蛇行(ウォブル)されて形成されていることで、該蛇行の周期情報によりアドレス情報が記録される。
基板BSは、このようなウォブリンググルーブが形成されたスタンパを用いた射出成形などにより生成される。
また、上記グルーブが形成された基板BSの上面側には、記録層Rcが形成される。該記録層Rcは、反射膜が成膜された上で、その上層に記録材料が成膜されて形成されたものとなる。つまり記録層Rcは反射層としても機能する。
上記記録層Rcの上層側に形成されるカバー層Lcは、例えば紫外線硬化樹脂をスピンコート法等により塗布した後、紫外線照射による硬化処理を施すことで形成されたものとなる。
[1-2.光学ドライブ装置の内部構造について]

図2は、本発明の光学ドライブ装置の一実施形態としての、第1の実施の形態の記録再生装置1の内部の構造を示した図である。
図示するように記録再生装置1内には、光学ピックアップOP1、ベース2、ダンピング材3,3、スピンドルモータ4が設けられる。
なお、本実施の形態の場合、記録再生装置1内には位置センサ5も設けられるがこれについては後述する。
ベース2は、光学ピックアップOP1等の光学部品や、スピンドルモータ4などの機構部品を保持するために設けられる。光学ピックアップOP1は、ベース2上に固着されたスライド機構により、記録再生装置1に取り付けられた光ディスク記録媒体D1の半径方向に平行な方向に変位可能に保持されている。すなわち、光学ピックアップOP1は、ベース2上において保持されている。
また、スピンドルモータ4はベース2に対して固着されることで該ベース2上に保持されている。
ベース2は、外部からの振動が遮断されるようにするため、記録再生装置1の筐体側に対し、図のようにダンピング材3,3を介して接続(保持)されている。
[1-3.光学ドライブ装置の内部構成]

図3は、記録再生装置1の内部構成を示したブロック図である。
図3において、光学ピックアップOP1内には、レーザ光源となるレーザダイオード(LD)7や、反射光を検出するためのフォトディテクタ(PD)8、レーザ光の出力端となる対物レンズ6、レーザ光を対物レンズ6を介してディスク記録面に照射しまたその反射光をフォトディテクタ8に導く光学系(図示せず)が形成される。
光学ピックアップOP1内において、対物レンズ6は2軸アクチュエータ9によってトラッキング方向(光ディスク記録媒体D1の半径方向)及びフォーカス方向(光ディスク記録媒体D1に接離する方向)に変位可能に保持されている。
なお図示は省略しているが、光学ピックアップOP1全体は、上述したスライド機構によりディスクの半径方向に移動可能に保持されている。
光学ピックアップOP1において、レーザダイオード7は、記録処理部10が出力するレーザ駆動信号により発光駆動される。
記録処理部10には、光ディスク記録媒体D1に記録すべきデータが、図中の記録データとして入力される。記録処理部10は、入力された記録データに対してエラー訂正符号の付加や所定の記録変調符号化を施すなどして、光ディスク記録媒体D1に実際に記録される「0」「1」の2値データ列である記録変調データ列を得る。その上で、このように生成した記録変調データ列に基づくレーザ駆動信号を生成し、該レーザ駆動信号に基づきレーザダイオード7を発光駆動する。
また光学ピックアップOP1において、フォトディテクタ8による受光信号は、マトリクス回路11に供給される。
ここで、フォトディテクタ8には、以下で説明するトラッキングエラー信号(TE-DPD、PP)、及び再生信号RFを生成するための受光部として、次の図4に示されるような4分割ディテクタが備えられている。
この4分割ディテクタにおいて、図中の受光素子Aと受光素子B、受光素子Cと受光素子Dは、それぞれ光ディスク記録媒体D1の半径方向に対応する方向に隣接するものとなっており、受光素子Aと受光素子D、受光素子Bと受光素子Cはそれぞれ光ディスク記録媒体D1の線方向(上記半径方向に直交する方向)に対応する方向において隣接している。
マトリクス回路11には、フォトディテクタ8としての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
具体的には、再生データに相当する高周波信号(再生信号RFとする)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、及びトラッキングエラー信号を生成する。
ここで、記録可能型ディスクとしての光ディスク記録媒体D1に関して、トラッキングサーボ方式としては、記録時と再生時とでそれぞれ異なる方式が採用される。具体的に、光ディスク記録媒体D1の記録時においては、プッシュプル信号PPをトラッキングエラー信号としたトラッキングサーボ制御を実行する。また再生時には、DPD(Defferential Phase Detection)法によるトラッキングエラー信号(TE-DPD)を生成し、該トラッキングエラー信号TE-DPDに基づくトラッキングサーボ制御を実行する。
確認のため述べておくと、上記プッシュプル信号PPは、図4に示した受光素子A,B,C,Dによる受光信号をそれぞれ受光信号Ai,Bi,Ci,Diとしたとき、

PP=(Ai+Di)−(Bi+Ci)

により生成する。
また、トラッキングエラー信号TE-DPDについては、(Ai+Ci)と(Bi+Di)を計算し、それらの位相比較を行って生成する。
マトリクス回路11は、上記プッシュプル信号PP、上記トラッキングエラー信号TE-DPDと共に、再生信号RFを生成する。具体的に再生信号RFとしては、図4に示した受光素子A,B,C,Dの受光信号の和信号を生成する。
さらにマトリクス回路11は、フォトディテクタ8による受光信号に基づき、フォーカスエラー信号FEを生成する。
なお、本発明は主にトラッキングサーボ系の構成に係るものであり、フォーカスエラー信号の生成手法については適宜最適とされる手法が採用されればよく、ここで特に限定されるべきものではない。
マトリクス回路11により生成された再生信号RFは再生処理部12に供給され、トラッキングエラー信号TE-DPD、プッシュプル信号PP、及びフォーカスエラー信号FEは、サーボ回路14に対して供給される。
またプッシュプル信号PPは、アドレス検出部13に対しても分岐して供給される。
再生処理部12は、上記再生信号RFについて2値化処理や記録変調符号の復号化・エラー訂正処理など、上述した記録データを復元するための再生処理を行い、上記記録データを再生した再生データを得る。
また再生処理部12は、再生信号RFに基づくPLL(Phase Locked Loop)処理により再生クロックを生成し、システムクロックとして必要な各部に出力する。
アドレス検出部13は、プッシュプル信号PPとしての、グルーブのウォブリングに係る信号を入力し、例えばADIP情報などとしてのアドレス情報を検出する。検出されたアドレス情報はコントローラ18に対して供給される。
またアドレス検出部13は、上記プッシュプル信号PPを用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックなどとして必要な各部に出力する。
サーボ回路14は、マトリクス回路11からのフォーカスエラー信号FEに基づき、フォーカスサーボ信号FSを生成する。また、記録時には、プッシュプル信号PPに基づきトラッキングサーボ信号TSを生成し、再生時にはトラッキングエラー信号TE-DPDに基づきトラッキングサーボ信号TSを生成する。
サーボ回路14は、これらフォーカスサーボ信号FS、トラッキングサーボ信号TSをフォーカスドライバ15、トラッキングドライバ16に供給する。フォーカスドライバ15は、フォーカスサーボ信号FSに基づくフォーカスドライブ信号FDにより、光学ピックアップOP1内の2軸アクチュエータ9のフォーカスコイルを駆動する。またトラッキングドライバ16は、トラッキングサーボ信号TSに基づくトラッキングドライブ信号TDにより2軸アクチュエータ9のトラッキングコイルを駆動する。これにより、光学ピックアップOP1、マトリクス回路11、サーボ回路14、フォーカスドライバ15/トラッキングドライバ16、2軸アクチュエータ9によるトラッキングサーボループ/フォーカスサーボループが形成される。
またサーボ回路14は、コントローラ18からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
またサーボ回路14は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、コントローラ18からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、該スレッドドライブ信号に基づき上述したスライド機構を駆動制御する。これにより光学ピックアップOP1の所要のスライド移動が行なわれる。
なお、サーボ回路14内の特にトラッキングサーボ系に関する構成については後に改めて説明する。
回転制御部17は、スピンドルモータ4を例えばCLV(線速度一定)方式などの所定の回転制御方式に従って制御する。
回転制御部17は、記録時には、上述したアドレス検出部13によるPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ4の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
また再生時には、再生処理部12のPLLによって生成される再生クロックが、現在のスピンドルモータ4の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成する。
そして回転制御部17は、上記スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ4のCLV回転を実行させる。
また回転制御部17は、コントローラ18からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ4の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作は、マイクロコンピュータで構成されたコントローラ18により制御される。
例えば、光ディスク記録媒体D1に対するデータ記録、或いはデータ再生が命じられた場合、コントローラ18は、サーボ回路14に指示を出し、記録/再生すべきアドレスに光学ピックアップOP1によるレーザスポット位置(記録/再生位置)を移動させる処理を実行する。
また、この場合のコントローラ18は、記録時にはプッシュプル信号PPに基づくトラッキングサーボ制御を実行し、再生時にはトラッキングエラー信号TE-DPDに基づくトラッキングサーボ制御を実行するように、サーボ回路14に対する指示を行う。
また、記録再生装置1には、先の図2にも示した位置センサ5が設けられる。当該位置センサ5による出力信号は、図のようにサーボ回路14に対して供給される。
[1-4.第1の実施の形態としてのレンズシフト量検出手法(オフセット除去手法)]

ここで、先にも述べたように、光学ピックアップOP1を保持するベース2がダンピング材3を介して装置筐体側に保持されている場合には、スピンドルモータ4の回転に伴う振動がベース2に対して与えられることがある。このように生じる振動成分は、ベース2上に保持された光学ピックアップOP1内に設けられた対物レンズ6に作用するものとなる。
このとき、スピンドルモータ4の回転に伴う振動は、図2の太矢印が示すように、光ディスク記録媒体D1の半径方向に平行な方向に作用するので、上記振動成分は、トラッキングサーボ系の外乱として与えられることになる。
第1の実施の形態としても、レンズシフトに伴いプッシュプル信号PPに重畳するオフセット成分を除去することで、記録時のトラッキングサーボ制御としてより安定的で高精度な制御が実現されるように図るものである。
具体的には、先の図22にて説明した特許文献2の手法と同様に、アクチュエータ(2軸アクチュエータ9)の駆動信号成分とアクチュエータの伝達関数とから対物レンズ6のレンズシフト量を推定し、推定したレンズシフト量に基づいてオフセット予測値を算出し、該算出したオフセット予測値をトラッキングサーボループ内から減じることで、オフセットの除去を図るものである。
しかしながら、上述のようなベース2の振動が対物レンズ6に与える影響を考慮すると、上記のようにアクチュエータの駆動信号成分とアクチュエータの伝達関数とに基づき算出されるレンズシフト量には、実際に生じるレンズシフト量に対する誤差が生じてしまう(図23を参照)。
そこで、本実施の形態では、上記のようなベース2の振動が対物レンズ6に与える影響も考慮したレンズシフト量の検出手法を提案し、それによりプッシュプル信号PPに生じるオフセットの除去がより正確に行われるようにして、トラッキングサーボ制御のさらなる安定化・高精度化を図る。
図5は、ベース2の振動による影響を明示したトラッキングサーボシステムのモデル図である。
先ず、先の図23と比較して分かるように、この場合、アクチュエータの伝達関数Pについては、より正確に、主共振を持つ1/Jas2+Das+Kaとして表している。ここで、Jaはイナーシャ、Daはアクチュエータの粘性摩擦係数(ダンピング特性)、Kaはアクチュエータのバネ定数、sはラプラス演算子を表す。すなわち、2軸アクチュエータ9において対物レンズ6がワイヤーにより保持されている点に鑑み、伝達関数Pをより詳細に明示したものである。
同様にして、ベース2の伝達関数Bについては、1/Mbs2+Dbs+Kbとして表す。Mbはベース2の質量を表し、Dbはダンピング材3の粘性摩擦係数(ダンピング特性)、Kbはダンピング材3のバネ定数である。
先ず、ベース2の位置を表す図中のベース位置ybは、当該ベース2に作用するスピンドルモータ4の回転に伴う外乱トルクdbに応じて定まる。具体的にベース位置ybは、上記外乱トルクdbとベース2の伝達関数Bとで定まる。
光ディスク記録媒体D1の偏芯によって決まるトラック位置rdとベース位置ybとによって、絶対座標でのトラック位置rが決まる。これは、ディスク上のトラック位置は、スピンドルモータ4を保持しているベース2の移動によっても変位することを意味する。
図示するようにレンズ位置yとトラック位置rとの差分が、本来得られるべきエラー信号e0となる。
また、対物レンズ6のレンズシフトにより生じるオフセットbは、図のように絶対座標でのレンズ位置yとベース位置ybとの差で決まる。すなわち、ベース2が動けば、フォトディテクタ8の位置も動くので、実際の受光信号に基づき得られるプッシュプル信号PPに重畳するオフセットbは、上記のようにレンズ位置yとベース位置ybとの差として表されるものである。
先の図21の説明からも理解されるように、エラー信号eは、このようなオフセットbが本来得られるべきエラー信号e0に加算されたものとして表すことができる。
なお確認のために述べておくと、レンズ位置yとベース位置ybとの差分に対して与えられる比例定数αは、図21においても説明したようにレンズ位置yが実際にエラー信号e0に重畳するオフセットbに及ぼす影響を表現したものである。
エラー信号eには、トラッキングサーボシステムにおける制御器(サーボフィルタ)に相当する伝達関数Cが与えられ、該制御器からはアクチュエータの駆動信号成分uが出力される。
先の図23の説明によると、ベース振動に伴い対物レンズに作用する外乱成分dは、上記アクチュエータの駆動信号成分uを減じるものとして表されるが、前述のように、ベース2に生じた振動成分は、対物レンズ6を保持するワイヤーを介して対物レンズ6に伝達されるものである。従って外乱成分dとしては、詳細には、この図5に示されるているようにベース位置ybに対して「Das+Ka」による伝達関数が与えられたものとして表すことができる。
以上の前提を踏まえた上で、図6を参照し、第1の実施の形態としてのレンズシフト量の検出、及び検出したレンズシフト量に基づくプッシュプル信号PPのオフセット除去の手法について説明する。
なおこの図6においては、図中グレーで表した部分により、先の図5に対して追加される部分を表している。
図5による説明からも理解されるように、ベース振動により対物レンズ6に作用する外乱成分dは、ベース位置ybに対しアクチュエータの粘性摩擦係数Daとバネ定数Kaとを考慮した「Das+Ka」なる伝達関数を与えたものとして表される。
従ってベース振動分も考慮したより正確なレンズシフト量(レンズ位置yi)を検出するにあたっては、先ず、上記ベース位置ybを何らかの手段で検出し(ベース位置ybiとする)、該検出したベース位置ybiと、上記伝達関数「Das+Ka」を模した伝達関数「Dais+Kai」とを用いて、外乱成分dを推定した外乱成分diを得る。
その上で、アクチュエータの駆動信号成分uと、アクチュエータの伝達関数Pを模した伝達関数Pi(この場合は1/Jais2+Dais+Kaiである)とを用いたレンズ位置yiの検出を、このように検出した外乱成分diも併用して行う。具体的に、この場合のレンズ位置yiは、駆動信号成分uから上記外乱成分diを減じた成分に対し、上記伝達関数Pi(=1/Jais2+Dais+Kai)を与えることで算出する。
ここで、第1の実施の形態では、上記外乱成分diの推定にあたって必要となるベース位置ybiは、先の図2にも示した位置センサ5により検出する。
図2において、位置センサ5は、ディスク半径方向に平行な方向におけるベース2の位置を検出できるようにして、記録再生装置1の筐体側に固着・設置されている。図3に示したように、位置センサ5の出力はサーボ回路14に対して供給される。
なお、このような位置センサ5の出力信号を用いた実際のサーボ回路14による処理の内容については後述する。
また、本実施の形態では、上記のように算出(検出)したレンズ位置yiに基づき、エラー信号eとしてのプッシュプル信号PPに対して重畳するオフセットbの除去を行う。
ここで、先の図22に示した従来例としてのオフセット除去手法では、検出したレンズ位置yiに比例定数αを模した比例定数αiを乗じたものをオフセット予測値biとし、該オフセット予測値biを、エラー信号eから減じるものとしていた。
しかしながら、実際においてエラー信号eに重畳するオフセットbは、先の図5においても述べたように、ベース2の振動に伴いフォトディテクタ8が変位することを考慮すると、レンズ位置yとベース位置ybとの差分として表されるべきものとなる。
この点に鑑み本実施の形態では、オフセットbの除去は、先ずは検出したレンズ位置yiとベース位置ybiとの差を算出し、その算出結果に対し比例定数αiを乗じたものをオフセット予測値biとして求めた上で、該オフセット予測値biをエラー信号eから減じることで行うものとしている。
これにより、オフセット予測値biの実際のオフセットbからの誤差をより少なくでき、オフセットbの除去をより正確に行うことができる。つまりこの結果、プッシュプル信号PPを用いたトラッキングサーボ制御のさらなる安定性の向上及び高精向上を図ることができる。
[1-5.サーボ回路の内部構成]

図7は、図3に示したサーボ回路14の内部構成を示したブロック図である。
なおこの図7においては、サーボ回路14における特にトラッキングサーボ制御系の構成のみを抽出して示し、他の構成(例えばフォーカスサーボ制御系等)についての図示は省略している。
先の図3において説明した通り、サーボ回路14に対しては、マトリクス回路11からのトラッキングエラー信号として、DPD法によるトラッキングエラー信号TE-DPDとプッシュプル信号PPとが入力される。
図示するようにトラッキングエラー信号TE-DPDは、スイッチSW1に供給される。
またプッシュプル信号PPは減算器20を介してスイッチSW1に供給される。
スイッチSW1は、上記トラッキングエラー信号TE-DPDとプッシュプル信号PPのうち何れか一方を選択し、トラッキングサーボフィルタ21に対して出力する。
スイッチSW1の切り替え制御は、図3に示したコントローラ18により行われる。すなわちコントローラ18は、記録時においては上記スイッチSW1にてプッシュプル信号PPを選択させてサーボ回路14にプッシュプル信号PPに基づくトラッキングサーボ制御を実行させる。また再生時においては、上記スイッチSW1にトラッキングエラー信号TE-DPDを選択させて、サーボ回路14にトラッキングエラー信号TE-DPDに基づくトラッキングサーボ制御を実行させる。
トラッキングサーボフィルタ21は、スイッチSW1から入力されたトラッキングエラー信号に対してサーボ演算(位相補償やループゲイン付与など)処理を行ってトラッキングサーボ信号TSを生成する。当該トラッキングサーボ信号TSは、先の図3に示したトラッキングドライバ16に供給されると共に、図中の減算器22に対しても分岐して供給される。
減算器22には、外乱成分推定部23による出力信号が供給される。
この外乱成分推定部23には、先の図2や図3に示した位置センサ5による出力信号が供給される。外乱成分推定部23は、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタで構成され、上記位置センサ5の出力信号に対し、先の図6にて説明した伝達関数「Dais+Kai」に相当する周波数特性を付与する。
減算器22は、上記トラッキングサーボ信号TSから上記外乱成分推定部23による出力信号を減算し、その結果をアクチュエータ特性付与フィルタ24に対して出力する。
アクチュエータ特性付与フィルタ24は、FIRフィルタで構成され、上記減算器22による減算出力信号に対し、先の図6にて説明した伝達関数Pi(=1/Jais2+Dais+Kai)に相当する周波数特性を付与する。
これにより、レンズ位置yiとしてのレンズシフト量が求まる。
アクチュエータ特性付与フィルタ24による出力信号は、減算器25に対して供給される。図示するようにこの減算器25には、位置センサ5による出力信号も供給される。
減算器25は、アクチュエータ特性付与フィルタ24による出力信号から、位置センサ5による出力信号を減算し、その結果を乗算部26に出力する。
乗算部26は、減算器25による減算出力信号に対し、先の図6にて説明した比例定数αiを乗じ、その結果を上述した減算器20に出力する。
減算器20は、プッシュプル信号PPから上記乗算部26による乗算出力信号を減算する。これにより、プッシュプル信号PPから、レンズシフトに起因したオフセットbの成分が除去されるようにできる。
[1-6.まとめ]

上記のようにして本実施の形態では、2軸アクチュエータ9の駆動信号成分(u)と2軸アクチュエータ9の伝達関数(Pi)とを用いて対物レンズ6のレンズシフト量(yi)を求めるという手法を採る場合において、ベース2の変位に応じて対物レンズ6に作用する外乱成分(di)を求めるものとし、上記駆動信号成分(u)と伝達関数(Pi)のみでなく当該外乱成分(di)も用いて、レンズシフト量を算出するものとしている。
このことで、ベース2の振動分も加味したより正確なレンズシフト量を検出できる。
その上で本実施の形態では、上記のようにして求めたレンズシフト量に基づき、プッシュプル信号PPに重畳するオフセット成分を除去するものとしている。
これにより、上記オフセット成分の除去がベース2の振動分も含めてより正確に行われるようにすることができ、プッシュプル信号PPを用いたトラッキングサーボ制御のさらなる安定化及び精度向上が図られるようにできる。
なお確認のために述べておくと、本実施の形態の場合、記録時・再生時のトラッキングサーボ制御、及び再生時における再生信号RFの生成にあたり必要なフォトディテクタとしては、少なくとも先の図4に示した4分割ディテクタを備えればよく、例えばDPP法を採用する場合のようなサイドビーム検出用のディテクタは不要とすることができる。またトラッキングサーボ制御にあたりサイドビームを生成する必要はなく、光学系の構成は簡素化することができる。
また本実施の形態では、プッシュプル信号PPに重畳するオフセットの除去にあたって、オフセット予測値(bi)を、単に検出したレンズシフト量に比例定数(αi)を乗じたものとして求めるのでなく、レンズシフト量からベース位置(振動に伴うベース2の移動量)の値を減じたものに比例定数(αi)を乗じて求めるものとしている。
これによれば、ベース振動に伴うフォトディテクタ8の変位分も加味して、より正確なオフセット除去が行われるように図ることができ、プッシュプル信号PPを用いたトラッキングサーボ制御のさらなる安定性向上及び精度向上が図られるようにできる。
<2.第2の実施の形態>
[2-1.第2の実施の形態としてのレンズシフト量検出手法(オフセット除去手法)]

続いて、第2の実施の形態について説明する。
図8は、第2の実施の形態としてのレンズ位置検出及びオフセット除去手法について説明するための図である。
第2の実施の形態は、ベース位置yiを位置センサ5により検出するのではなく、ベース2に作用する外乱トルクを予測した結果から推定するものである。
ここで、スピンドルモータ4の回転に伴いベース2に作用する外乱トルクdb(ベース外乱トルクdbとも表記する)は、ディスクの偏芯に起因して生じるものとなる。このことによると、ベース外乱トルクdbは、正弦波状に発生するものとして扱うことができる。
このように正弦波状に発生するベース外乱トルクdbが、ベース2の伝達関数B(=1/Mbs2+Dbs+Kb)を介してベース位置ybとして表れる。
この点に鑑み第2の実施の形態では、図中のベース外乱トルク予測生成部27を設けて、ベース外乱トルクdbを予測したベース外乱トルクdbiを求めるものとし、該ベース外乱トルクdbiに対し、図のようにベース2の伝達関数Bを模した伝達関数Bi(=1/Mbis2+Dbis+Kb)を与えることで、ベース位置ybを推定したベース位置ybiを求める。
図8と先の図6と比較して分かるように、第2の実施の形態では、このようにして求めたベース位置ybiを用いて、第1の実施の形態の場合と同様の手法によりレンズ位置(レンズシフト量)yiの算出、及び算出したレンズ位置yiに基づくプッシュプル信号PPからのオフセット除去を行うものである。
ところで、このような第2の実施の形態としての手法によりレンズ位置yiを正確に求めるためには、上記ベース外乱トルク予測生成部27により正確にベース外乱トルクdbを予測することが重要となる。
第2の実施の形態では、このようなベース外乱トルクdbの予測を以下のようにして行う。
先ず、この場合におけるベース外乱トルクdbの予測処理としては、具体的には、正弦波信号の振幅・位相を決定する処理となる。
ベース外乱トルクdbの予測にあたっては、先ず、所要の振幅・位相による正弦波信号をベース外乱トルク予測生成部27から出力し、該正弦波信号に伝達関数Biを与えて求めたベース位置ybiに基づき、レンズ位置yiを算出する共に、算出したレンズ位置yiに基づくプッシュプル信号PP(エラー信号e)のオフセット除去動作を行う。
このとき、対物レンズ6のトラッキングサーボ制御自体は、プッシュプル信号PPに基づき行うのではなく、レンズシフトに伴うオフセット重畳が生じない他のトラッキングエラー信号、例えばDPD法によるトラッキングエラー信号TE-DPDを用いて行うものとする。すなわち、上記のような正弦波信号に基づくプッシュプル信号PPのオフセット除去動作は、トラッキングエラー信号TE-DPDに基づく対物レンズ6のトラッキングサーボ制御が行われる下で並行して行うものとする。
ベース外乱トルク予測生成部27では、上記のようにオフセット除去が行われるプッシュプル信号PPの値と、トラッキングエラー信号TE-DPDの値とを、上記正弦波信号の振幅・位相を調整しながら逐次比較する。
このとき、オフセット除去後のプッシュプル信号PPの値とトラッキングエラー信号TE-DPDの値とが一致すれば、プッシュプル信号PPのオフセット除去動作は正しく行われていると判断できる。すなわち、このようにプッシュプル信号PPの値とトラッキングエラー信号TE-DPDの値とが一致した際に設定していた正弦波信号の振幅・位相は、ベース外乱トルクdbの振幅・位相を正しく表すものである。
そこで、ベース外乱トルク予測生成部27では、上記のような正弦波信号の振幅・位相調整とプッシュプル信号PPとトラッキングエラー信号TE-DPDの値の比較とを行って、両信号の値が一致する正弦波信号の振幅・位相を探索することで、ベース外乱トルクdbを正しく予測したベース外乱トルクdbiを得る。
[2-2.サーボ回路の内部構成]

図9は、上記により説明した手法によりレンズシフト量の検出及びオフセット除去を行う第2の実施の形態としての記録再生装置が備えるサーボ回路30の内部構成を示したブロック図である。
なお第2の実施の形態において、記録再生装置の内部の構造や全体的な内部構成については先の図2や図3にて説明したものと同様となるので改めての図示による説明は省略する。
また、以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態の記録再生装置としては、先の第1の実施の形態の記録再生装置1と比較して、位置センサ5が省略される点と、サーボ回路14に代えてサーボ回路30が設けられる点が異なるものとなる。
図9において、サーボ回路30内には、先の図8にも示したベース外乱トルク予測生成部27が設けられる。
またこの場合、サーボフィルタとしては、図のようにトラッキングエラー信号TE-DPD側とプッシュプル信号PP側とにそれぞれ設けられるものとなっており、減算器20を介したプッシュプル信号PPが入力されるサーボフィルタについてはPP側サーボフィルタ31Aと示し、トラッキングエラー信号TE-DPDが入力されるサーボフィルタについてはDPD側サーボフィルタ31Bと示している。
さらにこの場合、スイッチSW1としては、上記PP側サーボフィルタ31Aにより生成されるプッシュプル信号PPに基づくトラッキングサーボ信号TSと上記DPD側サーボフィルタ31Bにより生成されるトラッキングエラー信号TE-DPDに基づくトラッキングサーボ信号TSとを入力する位置に設けられ、これらトラッキングサーボ信号TSのうち何れか一方を選択してトラッキングドライバ16に対して出力するようにされている。
またこの場合は、ベース外乱トルク予測生成部27(正弦波発生部27D)から出力される正弦波信号を入力して、先の図8にて説明したベース位置ybの推定値であるベース位置ybiを求めるためのベース特性付与フィルタ32が設けられる。
このベース特性付与フィルタ32としてもFIRフィルタで構成され、上記ベース外乱トルク予測生成部27から出力される正弦波信号に対し、図8にて説明した伝達関数Bi(=1/Mbis2+Dbis+Kbi)に相当する周波数特性を付与する。
この場合は当該ベース特性付与フィルタ32による出力信号が、ベース位置ybを表す信号として外乱成分推定部23、及び減算器25に対して供給される。
ベース外乱トルク予測生成部27は、調整制御部27A、メモリ27B、振幅・位相調整部27C、正弦波発生部27Dを備えて構成される。
図のように調整制御部27Aには、トラッキングエラー信号TE-DPDと、減算器20を介した後のプッシュプル信号PPとが入力される。調整制御部27Aは、先に説明したトラッキングエラー信号TE-DPDとプッシュプル信号PPの値の比較結果に基づく正弦波信号の振幅・位相の探索・決定(つまりベース外乱トルクdbの予測信号の設定)を実現するため制御部として機能する。
具体的に調整制御部27Aは、先ず、スイッチSW1によりトラッキングエラー信号TE-DPDに基づくトラッキングサーボ信号TSを選択させることで、対物レンズ6についてのトラッキングサーボ制御が、上記トラッキングエラー信号TE-DPDに基づき行われる状態とする。
その上で、振幅・位相調整部27Cに対する指示を行って、正弦波発生部27Dより出力される正弦波信号の振幅・位相を逐次変化させながら、トラッキングエラー信号TE-DPDの値と減算器20を介したプッシュプル信号PP(つまりオフセット除去処理を介したプッシュプル信号PP)の値とを比較し、その結果から、これらトラッキングエラー信号TE-DPDとプッシュプル信号PPの値が最も近づいたときの振幅・位相の設定値を求め、それら振幅・位相の設定値をメモリ27Bに格納する。
ここまでの処理が、ベース外乱トルクdbiの予測処理となる。
そして、調整制御部27Aは、このような予測処理を実行した上で、実際に記録が行われるタイミングなどに応じたタイミングで、スイッチSW1にプッシュプル信号PPに基づくトラッキングサーボ信号TSを選択させると共に、振幅・位相調整部27Cに上記予測処理で求めた振幅・位相の設定値を指示して、正弦波発生部27Dから、ベース外乱トルクdbを正しく予測した正弦波信号が出力されるようにする。
このように正弦波発生部27Dより出力される正弦波信号が上述したベース特性付与フィルタ32に与えられることで、該ベース特性付与フィルタ32から出力されるベース位置ybiとして、実際のベース位置ybを正しく推定した値を得ることができる。
上記のようにして第2の実施の形態によれば、位置センサ5を設けずとも、ベース位置ybを正しく推定することができ、それによりレンズ位置yi(レンズシフト量)の算出、及びオフセットbの除去についても第1の実施の形態の場合と同様に行うことができる。またオフセット予測値biについても、第1の実施の形態の場合と同様に正しく算出することができる。
<3.第3の実施の形態>
[3-1.バルク型記録媒体について]

第3の実施の形態は、バルク記録型の光ディスク記録媒体(以下、バルク型記録媒体とも表記する)についての光学ドライブ装置に対し、本発明のレンズ位置検出及びプッシュプル信号のオフセット除去の手法を適用するものである。
例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)など現状において普及している光ディスク記録媒体の次世代を担うべき光ディスク記録媒体に関して、先に本出願人は、下記の参考文献1や参考文献2に記載されるようないわゆるバルク記録型の光ディスク記録媒体を提案している。

・参考文献1・・・特開2008−135144号公報
・参考文献2・・・特開2008−176902号公報
ここで、バルク記録とは、例えば図10に示すようにして少なくともカバー層Lcとバルク層(記録層)Lbとを有する光ディスク記録媒体に対し、逐次焦点位置を変えてレーザ光照射を行ってバルク層Lb内に多層記録を行うことで、大記録容量化を図る技術である。
このようなバルク記録に関して、上記参考文献1には、いわゆるマイクロホログラム方式と呼ばれる記録技術が開示されている。
マイクロホログラム方式は、次の図11に示されるようにして、ポジ型マイクロホログラム方式とネガ型マイクロホログラム方式とに大別される。
マイクロホログラム方式では、バルク層Lbの記録材料として、いわゆるホログラム記録材料が用いられる。ホログラム記録材料としては、例えば光重合型フォトポリマ等が広く知られている。
ポジ型マイクロホログラム方式は、図11(a)に示すように、対向する2つの光束(光束A、光束B)を同位置に集光して微細な干渉縞(ホログラム)を形成し、これを記録マークとする手法である。
また、図11(b)に示すネガ型マイクロホログラム方式は、ポジ型マイクロホログラム方式とは逆の発想で、予め形成しておいた干渉縞をレーザ光照射により消去して、当該消去部分を記録マークとする手法である。
図12は、ネガ型マイクロホログラム方式について説明するための図である、
ネガ型マイクロホログラム方式では、記録動作を行う前に、図12(a)に示されるようにして予めバルク層Lbに対して干渉縞を形成するための初期化処理を行うことになる。具体的には、図中に示すように平行光による光束C,Dを対向して照射し、それらの干渉縞をバルク層Lbの全体に形成しておく。
このように初期化処理により予め干渉縞を形成しておいた上で、図12(b)に示されるようにして消去マークの形成による情報記録を行う。具体的には、任意の層位置にフォーカスを合わせた状態で記録情報に応じたレーザ光照射を行うことで、消去マークによる情報記録を行うものである。
また、本出願人は、マイクロホログラム方式とは異なるバルク記録の手法として、例えば参考文献2に開示されるようなボイド(空孔)を記録マークとして形成する記録手法も提案している。
ボイド記録方式は、例えば光重合型フォトポリマなどの記録材料で構成されたバルク層Lbに対して、比較的高パワーでレーザ光照射を行い、上記バルク層Lb内に空孔(ボイド)を記録する手法である。参考文献2に記載されるように、このように形成された空孔部分は、バルク層Lb内における他の部分と屈折率が異なる部分となり、それらの境界部分で光の反射率が高められることになる。従って上記空孔部分は記録マークとして機能し、これによって空孔マークの形成による情報記録が実現される。
このようなボイド記録方式は、ホログラムを形成するものではないので、記録にあたっては片側からの光照射を行えば済むものとできる。すなわち、ポジ型マイクロホログラム方式の場合のように2つの光束を同位置に集光して記録マークを形成する必要は無いものとできる。
また、ネガ型マイクロホログラム方式との比較では、初期化処理を不要にできるというメリットがある。
なお、参考文献2には、ボイド記録を行うにあたり記録前のプリキュア光の照射を行う例が示されているが、このようなプリキュア光の照射は省略してもボイドの記録は可能である。
ところで、上記のような各種の記録手法が提案されているバルク型記録媒体であるが、このようなバルク型記録媒体の記録層(バルク層)は、例えば反射膜が複数形成されるという意味での明示的な多層構造を有するものではない。すなわち、バルク層Lbにおいては、通常の多層ディスクが備えているような記録層ごとの反射膜、及び案内溝は設けられていない。
従って、先の図10に示したバルク型記録媒体の構造のままでは、マークが未形成である記録時において、フォーカスサーボやトラッキングサーボを行うことができないことになる。
このため実際において、バルク型記録媒体には、次の図13に示すような位置案内子が形成された反射膜(基準面Ref)を設けるようにされている。
具体的に、この図13に示されるバルク型記録媒体D2においては、カバー層Lcの下面側にウォブリンググルーブによる位置案内子が形成された選択反射膜Rslが成膜される。そして、該選択反射膜Rslの下層側に対し、図中の中間層Midとしての、例えばUV硬化樹脂などによる接着材料を介してバルク層Lbが積層される。このようなバルク型記録媒体D2は、バルク層Lb上に上記中間層MidとしてのUV硬化樹脂を例えばスピンコート法などで塗布したところに、上記ウォブリンググルーブが形成されたスタンパを押し当てた状態で紫外線照射を行って上記中間層Midの硬化及びグルーブパターンの転写を行った上で、選択反射膜Rslの成膜、及びカバー層Lcの積層を行って形成されるものとなる。
ここで、この場合は、上記のようなウォブリンググルーブの形成により、例えば半径位置情報や回転角度情報などの絶対位置情報の記録が行われている。このように位置案内子が形成され絶対位置情報の記録が行われた面(この場合は選択反射膜Rslの形成面)のことを、「基準面Ref」と称する。
[3-2.バルク型記録媒体の記録再生手法について]

上記のような媒体構造とした上で、バルク型記録媒体D2に対しては、次の図14に示されるようにしてマークの記録(又は再生)のためのレーザ光(以下、録再用レーザ光、或いは単に録再光と称する)とは別途に、位置制御用のレーザ光としてのサーボ用レーザ光(単にサーボ光とも称する)を照射するようにされる。
図示するようにこれら録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とは、共通の対物レンズを介してバルク型記録媒体D2に照射される。
このとき、仮に、上記サーボ用レーザ光がバルク層Lbに到達してしまうと、当該バルク層Lb内におけるマーク記録に悪影響を与える虞がある。このため、従来よりバルク記録方式では、上記サーボ用レーザ光として、録再用レーザ光とは波長帯の異なるレーザ光を用いるものとした上で、基準面Refに形成される反射膜としては、サーボ用レーザ光は反射し、録再用レーザ光は透過するという波長選択性を有する選択反射膜Rslを設けるものとしている。
以上の前提を踏まえた上で、図14を参照し、先ずはバルク型記録媒体D2に対するマーク記録時の動作について説明する。
先ず、案内溝や反射膜の形成されていないバルク層Lbに対して多層記録を行うとしたときには、バルク層Lb内の深さ方向においてマークを記録する層位置を何れの位置とするかを予め定めておくことになる。図中では、バルク層Lb内においてマークを形成する層位置(マーク形成層位置:情報記録層位置とも呼ぶ)として、第1情報記録層位置L1〜第5情報記録層位置L5の計5つの情報記録層位置Lが設定された場合を例示している。図示するように第1情報記録層位置L1は、位置案内子が形成された選択反射膜Rsl(基準面Ref)からフォーカス方向(深さ方向)に第1オフセットof-L1分だけ離間した位置として設定される。また、第2情報記録層位置L2、第3情報記録層位置L3、第4情報記録層位置L4、第5情報記録層位置L5は、それぞれ基準面Refから第2オフセットof-L2分、第3オフセットof-L3分、第4オフセットof-L4分、第5オフセットof-L5分だけ離間した位置として設定される。
マークが未だ形成されていない記録時においては、録再用レーザ光の反射光に基づいてバルク層Lb内の各層位置を対象としたフォーカスサーボ、トラッキングサーボを行うことはできない。従って、記録時における対物レンズのフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御は、サーボ用レーザ光の反射光に基づき、当該サーボ用レーザ光のスポット位置が基準面Ref(選択反射膜Rsl上)において位置案内子に追従するようにして行うことになる。
但し、上記録再用レーザ光は、マーク記録のために上記選択反射膜Rslよりも下層側に形成されたバルク層Lbに到達させる必要がある。このため、この場合の光学系には、対物レンズのフォーカス機構とは別途に、録再用レーザ光の合焦位置を独立して調整するための録再光用フォーカス機構が設けられることになる。
ここで、このような録再光用レーザ光の合焦位置を独立して調整するための機構を含めた、バルク型記録媒体D2の記録再生を行うための光学系の概要を図15に示しておく。
図15において、図14にも示した対物レンズは、図中の2軸アクチュエータによりバルク型記録媒体D2の半径方向(トラッキング方向)、及びフォーカス方向に変位可能に保持されている。
この図15において、録再用レーザ光の合焦位置を独立して調整するための機構は、図中のフォーカス機構(エキスパンダ)が該当する。具体的に、このエキスパンダとしてのフォーカス機構は、固定レンズと、レンズ駆動部により録再用レーザ光の光軸に平行な方向に変位可能に保持された可動レンズとを備えて構成されており、上記レンズ駆動部により上記可動レンズが駆動されることで、図中の対物レンズに入射する録再用レーザ光のコリメーションが変化しそれにより録再用レーザ光の合焦位置がサーボ用レーザ光とは独立して調整されるようになっている。
また、上述のように録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とはそれぞれ波長帯が異なるものとされているので、これに対応しこの場合の光学系では、図中のダイクロイックプリズムにより、録再用レーザ光、サーボ用レーザ光のバルク型記録媒体D2からの反射光がそれぞれの系に分離されるように(つまりそれぞれの反射光検出を独立して行えるように)している。
また、往路光で考えた場合、上記ダイクロイックプリズムは、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とを同一光軸上に合成して対物レンズに入射させる機能を有する。具体的にこの場合、録再用レーザ光は、図示するように上記エキスパンダを介しミラーで反射された後、上記ダイクロイックプリズムの選択反射面で反射されて対物レンズに対して入射する。一方、サーボ用レーザ光は、上記ダイクロイックプリズムの選択反射面を透過して対物レンズに対して入射する。
図16は、バルク型記録媒体D2の再生時におけるサーボ制御について説明するための図である。
マーク記録が既に行われたバルク型記録媒体D2について再生を行う際は、記録時のように対物レンズの位置をサーボ用レーザ光の反射光に基づいて制御する必要性はない。すなわち、再生時においては、再生対象とする情報記録層位置L(再生時に関しては情報記録層Lとも表記する)に形成されたマーク列を対象として、録再用レーザ光の反射光に基づいて対物レンズのフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御を行えばよい。
上記で説明してきたように、バルク記録方式においては、バルク型記録媒体D2に対し、マーク記録/再生を行うための録再用レーザ光と位置制御用光としてのサーボ光とを共通の対物レンズを介して(同一光軸上に合成して)照射するようにした上で、記録時においては、サーボ用レーザ光が基準面Refの位置案内子に追従するように対物レンズのフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御を行い且つ、録再光用フォーカス機構により録再用レーザ光の合焦位置を別途調整することによって、バルク層Lb内に位置案内子が形成されていなくとも、バルク層Lb内の所要の位置(深さ方向及びトラッキング方向)に対してマーク記録ができるように図られている。
また、再生時には、既に記録されたマーク列に録再用レーザ光の焦点位置が追従するようにして当該録再用レーザ光の反射光に基づく対物レンズのフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御を行うことで、バルク層Lb内に記録されたマークの再生を行うことができる。
[3-3.光学ドライブ装置の内部構成]

図17は、図13に示したバルク型記録媒体D2に対応してレンズシフト量の検出及びプッシュプル信号のオフセット除去を行う第3の実施の形態としての光学ドライブ装置(記録再生装置35とする)の内部構成を示したブロック図である。
ここで、上記による説明からも理解されるように、バルク型記録媒体D2に対応する記録再生装置35においては、基準面Refに形成されたグルーブとしての位置案内子を利用した対物レンズのトラッキングサーボ制御は、サーボ用レーザに基づいてのみ行われる。そして、このようなサーボ用レーザ光を用いた対物レンズのトラッキングサーボ制御は、記録時においてのみ行われるものである。
すなわち、第3の実施の形態としての記録再生装置35において、プッシュプル信号のオフセット除去、及びそのためのレンズシフト量の検出は、サーボ用レーザ光についてのトラッキングサーボ制御系において、記録時にのみ行われるものである。
先ず、図17において、ここでは図示の都合から省略したが、記録再生装置35には、装填されたバルク型記録媒体D2を回転駆動するためのスピンドルモータが設けられる。この場合も当該スピンドルモータとしては、先の図2に示したものと同様、ベース2に対して固着されているものとする。
またこの場合もベース2は、装置筐体側から、ダンピング材3,3を介して保持されている。
記録再生装置35には、上記スピンドルモータにより回転駆動されるバルク型記録媒体D2に対して録再用レーザ光、サーボ用レーザ光を照射するための光学ピックアップOP2が設けられる。
光学ピックアップOP2内には、録再用レーザ光の光源である録再用レーザ36と、サーボ用レーザ光の光源であるサーボ用レーザ49とが設けられる。
ここで、前述のように録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とはそれぞれ波長が異なる。本例の場合、録再用レーザ光の波長はおよそ405nm程度(いわゆる青紫色レーザ光)、サーボ用レーザ光の波長はおよそ650nm程度(赤色レーザ光)とされる。
また、光学ピックアップOP2内には、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光のバルク型記録媒体D2への出力端となる対物レンズ45が設けられる。
さらには、上記録再用レーザ光のバルク型記録媒体D2からの反射光を受光するための録再光用受光部48と、サーボ用レーザ光のバルク型記録媒体D2からの反射光を受光するためのサーボ光用受光部54とが設けられる。
その上で光学ピックアップOP2内には、録再用レーザ36より出射された録再用レーザ光を上記対物レンズ45に導くと共に、上記対物レンズ45に入射した上記バルク型記録媒体D2からの録再用レーザ光の反射光を上記録再光用受光部48に導くための光学系が形成される。
具体的に、録再用レーザ36より出射された録再用レーザ光は、コリメーションレンズ37を介して平行光となるようにされた後、偏光ビームスプリッタ38に入射する。偏光ビームスプリッタ38は、このように録再用レーザ36側から入射した録再用レーザ光については透過するように構成されている。
上記偏光ビームスプリッタ38を透過した録再用レーザ光は、固定レンズ39、可動レンズ40、及びレンズ駆動部40から成るエキスパンダ(録再光用フォーカス機構)に入射する。このエキスパンダは、光源である録再用レーザ36に近い側に固定レンズ39が、また録再用レーザ36から遠い側に可動レンズ40が配置され、レンズ駆動部41によって上記可動レンズ40が録再用レーザ光の光軸に平行な方向に駆動されることで、録再用レーザ光について独立したフォーカス制御を行う。
後述もするように、このような録再光用フォーカス機構(上記レンズ駆動部41)は、記録時において、コントローラ62によって対象とする情報記録層位置Lに対応して設定されたオフセットof-Lの値に応じて駆動される。
上記録再光用フォーカス機構を介した録再用レーザ光は、ミラー42にて反射された後、1/4波長板43を介してダイクロイックプリズム44に入射する。
ダイクロイックプリズム44は、録再用レーザ光と同波長帯の光は反射し、それ以外の波長による光は透過するように構成されている。従って上記のようにして入射した録再用レーザ光は、ダイクロイックプリズム44にて反射される。
上記ダイクロイックプリズム44で反射された録再用レーザ光は、図示するようにして対物レンズ45を介してバルク型記録媒体D2に対して照射される。
対物レンズ45に対しては、当該対物レンズ45をフォーカス方向及びトラッキング方向に変位可能に保持する2軸アクチュエータ46が設けられる。
この場合の2軸アクチュエータ46としても、フォーカスコイル、トラッキングコイルが備えられ、それぞれに駆動信号(後述する駆動信号FD、TD)が与えられることで、対物レンズ45をフォーカス方向、トラッキング方向にそれぞれ変位させる。
ここで、再生時においては、上記のようにしてバルク型記録媒体D2に対して録再用レーザ光が照射されることに応じて、バルク型記録媒体D2(バルク層Lb内の再生対象の情報記録層Lに記録されたマーク列)より上記録再用レーザ光の反射光が得られる。このように得られた録再用レーザ光の反射光は、対物レンズ45を介してダイクロイックプリズム44に導かれ、当該ダイクロイックプリズム44にて反射される。
ダイクロイックプリズム44で反射された録再用レーザ光の反射光は、1/4波長板43→ミラー42→録再光用フォーカス機構(可動レンズ40、固定レンズ39)を介した後、偏光ビームスプリッタ38に入射する。
ここで、このように偏光ビームスプリッタ38に入射する録再用レーザ光の反射光(復路光)は、1/4波長板43による作用とバルク型記録媒体D2での反射時の作用とにより、録再用レーザ光36側から偏光ビームスプリッタ38に入射した録再用レーザ光(往路光)とはその偏光方向が90度異なるようにされる。この結果、上記のようにして入射した録再用レーザ光の反射光は、偏光ビームスプリッタ38にて反射される。
このように偏光ビームスプリッタ38にて反射された録再用レーザ光の反射光は、集光レンズ47を介して録再光用受光部48の受光面上に集光する。
また、光学ピックアップOP2内には、上記により説明した録再用レーザ光についての光学系の構成に加えて、サーボ用レーザ49より出射されたサーボ用レーザ光を対物レンズ45に導き且つ、上記対物レンズ45に入射したバルク型記録媒体D2からのサーボ用レーザ光の反射光をサーボ光用受光部54に導くための光学系が形成される。
図示するように上記サーボ用レーザ49より出射されたサーボ用レーザ光は、コリメーションレンズ50を介して平行光となるようにされた後、偏光ビームスプリッタ51に入射する。偏光ビームスプリッタ51は、このようにサーボ用レーザ49側から入射したサーボ用レーザ光(往路光)は透過するように構成される。
上記偏光ビームスプリッタ51を透過したサーボ用レーザ光は、1/4波長板52を介してダイクロイックプリズム44に入射する。
先に述べたように、ダイクロイックプリズム44は録再用レーザ光と同波長帯の光は反射しそれ以外の波長による光は透過するように構成されているので、上記サーボ用レーザ光はダイクロイックプリズム44を透過し、対物レンズ45を介してバルク型記録媒体D2に照射される。
また、このようにバルク型記録媒体D2にサーボ用レーザ光が照射されたことに応じて得られる当該サーボ用レーザ光の反射光(基準面Refからの反射光)は、対物レンズ45を介した後ダイクロイックプリズム44を透過し、1/4波長板52を介して偏光ビームスプリッタ51に入射する。
先の録再用レーザ光の場合と同様にして、このようにバルク型記録媒体D2側から入射したサーボ用レーザ光の反射光(復路光)は、1/4波長板52の作用とバルク型記録媒体D2での反射時の作用とにより、往路光とはその偏光方向が90度異なるものとされ、従って復路光としてのサーボ用レーザ光の反射光は偏光ビームスプリッタ51にて反射される。
このように偏光ビームスプリッタ51にて反射されたサーボ用レーザ光の反射光は、集光レンズ53を介してサーボ光用受光部54の受光面上に集光する。
ここで、図示による説明は省略するが、実際において記録再生装置35には、上記により説明した光学ピックアップOP2全体をトラッキング方向にスライド駆動するスライド機構が設けられ、当該スライド機構による光学ピックアップOP1の駆動によりレーザ光の照射位置を広範囲に変位させることができるようにされている。
この場合も上記スライド機構は、ベース2に固着されて設けられる。
また、記録再生装置35には、上記により説明した光学ピックアップOP2と共に、記録処理部55、録再光用マトリクス回路56、再生処理部57、録再光用サーボ回路58、サーボ光用マトリクス回路59、位置情報検出部60、サーボ光用サーボ回路61、及びコントローラ62が設けられる。
記録処理部55には、バルク型記録媒体D2に対して記録すべきデータ(記録データ)が入力される。記録処理部55は、入力された記録データに対してエラー訂正符号の付加や所定の記録変調符号化を施すなどして、バルク型記録媒体D2に実際に記録される例えば「0」「1」の2値データ列とされた記録変調データ列を得る。
記録処理部55は、コントローラ62からの指示に応じて、このように生成した記録変調データ列に基づく録再用レーザ36の発光駆動を行う。
録再光用マトリクス回路56は、前述した録再光用受光部48としての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
具体的には、上述した記録変調データ列を再生した再生信号に相当する高周波信号(再生信号RFとする)、フォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE-rp、トラッキングサーボ制御のためのトラッキングエラー信号TE-rpを生成する。
録再光用マトリクス回路56にて生成された上記再生信号RFは、再生処理部57に供給される。
再生処理部57は、上記再生信号RFについて、2値化処理や記録変調符号の復号化・エラー訂正処理など、上述した記録データを復元するための再生処理を行い、上記記録データを再生した再生データを得る。
また、録再光用マトリクス回路56にて得られたフォーカスエラー信号FE-rp、トラッキングエラー信号TE-rpは、録再光用サーボ回路58に対して供給される。
録再光用サーボ回路58は、これらフォーカスエラー信号FE-rp、トラッキングエラー信号TE-rpに基づきフォーカスサーボ信号FS-rp、トラッキングサーボ信号TS-rpをそれぞれ生成し、これらフォーカスサーボ信号FS-rp、トラッキングサーボ信号TS-rpに基づくフォーカスドライブ信号FD-rp、トラッキングドライブ信号TD-rpに基づき、2軸アクチュエータ46のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することで、録再用レーザ光についてのフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御を行う。
なお先の説明からも理解されるように、このような録再用レーザ光の反射光に基づく2軸アクチュエータ46(対物レンズ45)のサーボ制御は、再生時に対応して行われるものである。
また、録再光用サーボ回路58は、再生時に対応してコントローラ62から為される指示に応じて、トラッキングサーボループをオフとして上記トラッキングコイルにジャンプパルスを与えることでトラックジャンプ動作を実行させたり、トラッキングサーボの引き込み制御等も行う。また、フォーカスサーボの引き込み制御等も行う。
なお、ここでは図示の都合上、サーボ回路58が直接的にフォーカスドライブ信号FD-rp、トラッキングドライブ信号TD-rpにより2軸アクチュエータ46を駆動するものとして示しているが、先の第1の実施の形態の場合のようにトラッキングドライバとフォーカスドライバをサーボ回路と別体とできることについては言うまでもない。なおこの点は、以下で説明するサーボ光用サーボ回路61についても同様である。
また、サーボ用レーザ光側に関して、サーボ光用マトリクス回路59は、上述したサーボ光用受光部54における複数の受光素子からの受光信号に基づき、フォーカスエラー信号FE-sv、及びプッシュプル信号PPとしてのトラッキングエラー信号TE-svを生成する。
フォーカスエラー信号FE-sv、及びトラッキングエラー信号TE-svはサーボ光用サーボ回路61に供給される。
またトラッキングエラー信号TE-svは、図示するようにして位置情報検出部60にも供給される。
位置情報検出部60は、上記トラッキングエラー信号TE-svとしてのプッシュプル信号PPに基づき、基準面Refにウォブリンググルーブの形成により記録された絶対位置情報を検出する。検出された絶対位置情報はコントローラ62に対して供給される。
サーボ光用サーボ回路61は、上記フォーカスエラー信号FE-sv、トラッキングエラー信号TE-svに基づきフォーカスサーボ信号FS-sv、トラッキングサーボ信号TS-svをそれぞれ生成すると共に、これらフォーカスサーボ信号FS-sv、トラッキングサーボ信号TS-svに基づき生成したフォーカスドライブ信号FD-sv、トラッキングドライブ信号TD-svに基づいて、2軸アクチュエータ46のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動して、サーボ用レーザ光についてのフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御を行う。
このようなサーボ光用サーボ回路61によるサーボ用レーザ光についてのフォーカスサーボ制御、トラッキングサーボ制御は、記録時において行われるものである。
また、サーボ光用サーボ回路61は、記録時に対応してコントローラ62から為される指示に応じて、トラッキングサーボループをオフとして2軸アクチュエータ46のトラッキングコイルにジャンプパルスを与えることでトラックジャンプ動作を実行させたり、トラッキングサーボの引き込み制御等も行う。また、フォーカスサーボの引き込み制御等も行う。
またサーボ光用サーボ回路61には、位置センサ5による出力信号が入力される。
なお、位置センサ5の出力信号に基づきサーボ光用サーボ回路61が行うレンズ位置検出及びオフセット除去の処理については後述する。
コントローラ62はマイクロコンピュータで構成され、例えば内部のROM等のメモリに記憶されたプログラムに従った制御・処理を実行することで、記録再生装置35の全体制御を行う。
具体的にコントローラ62は、先の図14にて説明したようにして予め各情報記録層位置Lに対応して設定されたオフセットof-Lの値に基づいて、録再用レーザ光の合焦位置の制御(設定)を行う。より具体的に、コントローラ62は、記録対象とする情報記録層位置Lに対応して設定されたオフセットof-Lの値に基づき、レンズ駆動部41を駆動することで、深さ方向における記録位置の選択を行う。
また、先に述べたように記録時における対物レンズ45のフォーカス・トラッキングサーボ制御は、サーボ用レーザ光の反射光に基づき行われるべきものとなる。このためコントローラ62は、記録時には、サーボ光用サーボ回路61に対して対物レンズ45のフォーカスサーボ制御・トラッキングサーボ制御を実行するように指示を行う。
一方で、再生時においてコントローラ62は、録再光用サーボ回路58に対して対物レンズ45についてのフォーカスサーボ制御・トラッキングサーボ制御を実行するように指示を行う。
図18は、図17に示す記録再生装置35が備えるサーボ光用サーボ回路61の内部構成を示したブロック図である。
なおこの図においては、サーボ光用サーボ回路61の内部構成のうち、主にトラッキングサーボ制御系に係る構成のみを抽出して示し、他の構成については図示を省略している。
先の図7と対比して分かるように、サーボ光用サーボ回路61におけるレンズ位置yiの算出とオフセットbの除去のための構成としては、第1の実施の形態の場合のサーボ回路14との比較で、トラッキングエラー信号としてサーボ光用マトリクス回路59からのトラッキングエラー信号TE-sv(プッシュプル信号PP)が入力される点と、スイッチSW1が省略されトラッキングサーボ信号TSの出力ラインにON/OFFスイッチであるスイッチSW2が挿入される点とが異なる。
スイッチSW2のON/OFF制御は、コントローラ62により行われる。具体的にスイッチSW2は、コントローラ62により記録時に対応してONとなるように制御され、再生時に対応してOFFとなるように制御される。
なお、上記による説明では、レンズ位置yiの検出にあたって必要とされるベース位置ybiの値は、第1の実施の形態の場合と同様に位置センサ5を用いて検出するものとしたが、バルク型記録媒体D2に対応する第3の実施の形態においても、先の第2の実施の形態のように例えばベース外乱トルク予測生成部27を設けるなどしてベース外乱トルクdbを予測し、予測したベース外乱トルクdbiとベース2の伝達関数Biとを用いてベース位置ybiを推定するようにできることは言うまでもない。
<4.第4の実施の形態>
[4-1.レンズシフト起因のスポット位置ずれについて]

第4の実施の形態は、バルク型記録を行う場合においてレンズシフトに起因して生じるものとされる情報記録位置のずれを補正するものである。
ここで、先の第3の実施の形態の説明から理解されるように、バルク型記録媒体D2について記録再生を行う記録再生装置においては、記録時において、

・録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とを共通の対物レンズ45を介して照射する
・対物レンズ45のフォーカスサーボ制御をサーボ用レーザ光がバルク型記録媒体D2に形成された基準面Refに合焦するようにして行う
・録再用レーザ光による情報記録位置(焦点位置)を対物レンズ45に入射する録再用レーザ光のコリメーションを変化させて設定(調整)する
・対物レンズ45のトラッキングサーボ制御を、サーボ用レーザ光のスポット位置がバルク型記録媒体D2の基準面Refに形成された位置案内子に追従するようにして行う
ものとされている。
このような記録時の動作が行われることによると、トラッキングサーボ制御によってバルク型記録媒体D2の偏芯に追従するように対物レンズ45が駆動される(つまりレンズシフトが生じる)ことに応じて、サーボ用レーザ光のスポット位置と録再用レーザ光によるスポット位置(つまり情報記録位置)とにトラッキング方向におけるずれが生じる。
図19は、その原理について説明するための図である。
図19(a)は、バルク型記録媒体D2に偏芯が無い理想的な状態を、また図19(b)は紙面左方向(外周方向であるとする)の偏芯が生じた場合(+方向の偏芯と称する)、図19(c)は紙面右方向(内周方向であるとする)の偏芯が生じた場合(−方向の偏芯と称する)をそれぞれ示している。
先ず、図中の中心軸cは、光学系を設計する上で設定された中心軸であり、図19(a)に示す理想状態においては、対物レンズ45の中心は当該中心軸cに一致する。この状態においては、サーボ用レーザ光と録再用レーザ光のトラッキング方向におけるスポット位置は一致するものとなる。
これに対し、図19(b)に示すような+方向の偏芯が生じた場合は、トラッキングサーボ制御により対物レンズ45が偏芯に追従するようにして+方向に駆動される。すなわち、対物レンズ45の中心は、光学系の中心軸cに対して+方向にシフトする。
このとき、サーボ用レーザ光に関しては、図示するように対物レンズ45に対して平行光で入射するのに対し、録再用レーザ光は、選択反射膜Rslよりも下層側のバルク層Lbの所要の情報記録層位置Lに合焦させるために対物レンズ45に対して非平行光により入射されるので、上記のような+方向への対物レンズ45のシフトに対しては、図のように、録再用レーザ光のスポット位置(情報記録位置)とサーボ用レーザ光のスポット位置との間に、偏芯量に応じた分の+方向のずれが生じてしまうこととなる(図中、ずれ量+d)。
また、図19(c)に示すような−方向の偏芯が生じた場合には、トラッキングサーボ制御により当該−方向の偏芯に追従するようにして対物レンズ45が−方向にシフトされることで、録再用レーザ光のスポット位置とサーボ用レーザ光のスポット位置とに、図のように偏芯量に応じた分の−方向のずれが生じることとなる(図中ずれ量−d)。
このようにしてバルク型記録媒体D2について記録再生を行う記録再生装置においては、ディスクの偏芯に起因して録再用レーザ光による情報記録位置がトラッキング方向にずれてしまうという問題が生じる。
このとき、偏芯の大きさやトラックピッチ(案内溝の形成間隔)の設定によっては、隣接する案内溝同士で情報記録位置が重なってしまうこともある。具体的にディスクの偏芯は、スピンドルモータへのディスクのクランプのされかたなどにより、ディスクが装填されるごとに異なる態様で発生することになるので、例えば或るディスクについて追記を行うとしたとき、前回の記録時に生じていた偏芯の態様と追記時に生じる偏芯の態様とが異なることに起因して、既記録部分のマーク列と追記部分のマーク列とに重なりが生じたり、場合によっては交差してしまうという問題が生じるものである。
このようであると、正しく記録信号を再生することはできなくなる。
そこで第4の実施の形態では、先の各実施の形態で説明した手法によりベース振動分も含めた正確なレンズシフト量を算出するものとし、該算出したレンズシフト量に基づき、上記のようにして記録時に生じる録再用レーザ光の情報記録位置のずれをより正確に補正する手法を提案する。
[4-2.光学ドライブ装置の内部構成]

図20は、第4の実施の形態としての記録再生装置の内部構成について説明するためのブロック図である。
なお第4の実施の形態において、記録再生装置の全体的な内部構成についてはこの場合も先の第3の実施の形態の場合と同様となることから改めての図示による説明は省略する。
第4の実施の形態の記録再生装置は、主に第3の実施の形態の記録再生装置35が備えるサーボ光用サーボ回路61の内部構成と、コントローラ62の処理内容とに変更を加えたものであり、図20においてはそれらの差異について説明すべく、第4の実施の形態の記録再生装置が備えるサーボ光用サーボ回路65の内部構成とコントローラ66のみを抽出して示している。
なおこの場合もサーボ回路の内部構成に関しては、トラッキングサーボ制御系に係る構成のみを抽出して示し、他の構成については図示を省略している。
この図20と先の図18とを比較して分かるように、第4の実施の形態のサーボ光用サーボ回路65は、第3の実施の形態のサーボ光用サーボ回路61に対し、乗算部70、スイッチSW3、及び加算器71が追加されたものとなる。
図示するように乗算部70には、レンズ位置yiとしての、アクチュエータ特性付与フィルタ24による出力信号が入力される。乗算部70は、上記アクチュエータ特性付与フィルタ24による出力信号に対し、予め設定された比例定数βを乗じ、その結果をスイッチSW3に出力する。
スイッチSW3はON/OFFスイッチとされ、該スイッチSW3を介した上記乗算部70の出力信号は、加算器71に対して供給される。この加算器71は、上記スイッチSW3を介して入力される乗算部70の出力信号を、減算器20を介したオフセット除去処理後のトラッキングエラー信号TE-svに対して加算する。
このような構成により、サーボ用レーザ光についてのトラッキングサーボループに対して、レンズシフト量(レンズ位置yi)に応じたオフセットを与えることができる。すなわち、このようなオフセットの付与によってサーボ用レーザ光のスポット位置が本来対象とすべきトラック位置からずらされることで、共通の対物レンズ45を介して照射される録再用レーザのスポット位置を、本来あるべき位置に補正することができるものである。
ここで、上記乗算部70がレンズ位置yiに与える比例定数βは、レンズシフトの発生量と実際に生じる録再用レーザの情報記録位置のずれ量との対応関係を表すものであり、他の言い方をすれば、レンズシフトに伴う情報記録位置のずれを補正するにあたっての補正感度を決定づける補正ゲインに相当するものである。
比例定数βの値は、乗算部70による出力が加算器71によりトラッキングエラー信号TE-svに与えられたときに、録再用レーザ光による情報記録位置のずれが適正に補正される(理想的にはゼロとなる)ようにして実験的に定めればよい。
但し、本例のようにトラッキングサーボループにオフセットを与えて情報記録位置のずれを補正するということは、上記補正ゲインとしての比例定数βの値が過大であると、サーボ用レーザ光のトラッキングサーボ自体に悪影響を与えてしまう可能性が皆無ではない。このため、上記比例定数βの値は、補正によりトラッキングサーボ外れなどの悪影響が与えられない範囲で設定すべきものとなる。
また、上記のようなレンズ位置yiに応じたオフセットの付与は、サーボ用レーザ光についてのトラッキングサーボの引き込み時においては実行されるべきではない。このためにサーボ光用サーボ回路65には、スイッチSW3が設けられている。当該スイッチSW3は、コントローラ66によりON/OFF制御される。コントローラ66は、例えばサーボ用レーザ光についてのトラッキングサーボ制御の引き込みがOKとなったタイミングや、該引き込み後に実際に記録が開始されるタイミング等、予め情報記録位置のずれ補正を開始すべきとして定められた所定のタイミングにおいて、上記スイッチSW3をONとし、また、記録の終了タイミングやトラッキングサーボ外れが生じたタイミングなど、予め情報記録位置のずれ補正を終了すべきとして定められたタイミングで、スイッチSW3をOFFとする。
なお、この場合のコントローラ66としても、図17に示したコントローラ62と同様、記録時に対応してスイッチSW2をONとし、再生時に対応してスイッチSW2をOFFとする制御を行うことで、記録時に対応してのみサーボ用レーザ光の反射光に基づく対物レンズ45のトラッキングサーボ制御を実行させる。
上記のような第4の実施の形態により、ベース振動分も加味してより正確に求めたレンズ位置yiの情報に基づき、レンズシフトに起因して生じる録再用レーザの情報記録位置ずれの補正をより正確に行うことができる。
このように情報記録位置のずれを適正に補正できることで、トラックピッチ(トラッキング方向における位置案内子の形成間隔)を詰めることができ、大記録容量化を図ることができる。
なお、上記による説明では、レンズ位置yiに比例定数βを与えて生成したオフセットをトラッキングサーボループ内に与えることで情報記録位置のずれを補正するものとしたが、図20において一点鎖線の矢印で表すように、減算器25の出力を乗算部70に入力し、該減算器25の出力に比例定数βを与えて生成したオフセットをトラッキングサーボループ内に与えるようにすることで、情報記録位置のずれを補正するようにもできる。すなわち、レンズ位置yiのみではなく、該レンズ位置yiとベース位置ybiとに基づいて情報記録位置のずれを補正するものである。
ここで、先の図19によると、サーボ用レーザ光と録再用レーザ光のスポット位置ずれは、対物レンズ45の中心とレーザ光の光軸(中心軸c)とのずれに起因して生じるものであることが分かる。このとき、光学ピックアップOP2全体はベース2によって保持され、対物レンズ45は光学ピックアップOP2にワイヤーを介して保持されていることを考慮すると、対物レンズ45の中心とレーザ光の光軸とのずれは、厳密にはレンズ位置yと、ベース振動に伴うレーザ光の光軸位置(つまり、ベース振動に伴う光学ピックアップOP2全体の変位量=ベース位置yb)とに応じて定まるものであることが理解できる。
従って、上記のようにレンズ位置yiのみではなく、該レンズ位置yiとベース位置ybiとに基づいて情報記録位置のずれを補正することによっては、ベース振動に伴いレーザ光の光軸位置と対物レンズ45の中心位置との相対的な位置関係が変化する分も考慮して、情報記録位置のずれの補正をより正確に行うことができる。
また、上記による説明では、情報記録位置の補正は、検出したレンズシフト量に応じたオフセットをサーボ用レーザ光のトラッキングサーボループ内に対して与えることで実現する場合を例示したが、例えば録再用レーザの光路中にガルバノミラーなどの光軸補正手段を設けておき、検出したレンズシフト量の情報に基づき、該光軸補正手段を制御して情報記録位置を補正するといった手法を採ることもでき、情報記録位置の補正のための具体的な手法は、上記により説明した具体例に限定されるものではない。
また、この場合もベース位置ybiの値は位置センサ5を用いて検出するものとしたが、情報記録位置の補正を行う第4の実施の形態においても、先の第2の実施の形態のように例えばベース外乱トルク予測生成部27を設けるなどしてベース外乱トルクdbを予測し、予測したベース外乱トルクdbiとベース2の伝達関数Biとを用いてベース位置ybiを推定するようにできることは言うまでもない。
また、上記による説明では、サーボ用レーザ光についてのトラッキングサーボ制御は、検出したレンズ位置yiに応じてオフセットを除去したプッシュプル信号PPを用いて行う場合を例示したが、第4の実施の形態において、サーボ用レーザ光のトラッキングサーボ制御に用いるトラッキングエラー信号TE-svとしては、プッシュプル信号PP以外の他のトラッキングエラー信号を用いることができる。例えば基準面Refにおける位置案内子がグルーブでなくピット列で形成される場合には、サーボ用レーザ光の反射光に基づくトラッキングエラー信号TE-svとしてはDPD法によるトラッキングエラー信号TE-DPDを生成でき、該トラッキングエラー信号TE-DPDをサーボ制御に用いることができる。言うまでもないが、その場合には、トラッキングエラー信号TE-svについてレンズ位置yiに基づくオフセット除去の構成は省略される。
<5.変形例>

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、特にスピンドルモータ4の回転に伴い定常的に生じるベース振動の影響を考慮するものとしたので、ベース2がダンピング材3に保持される構造を採用する場合を例示したが、本発明としてはベース2がダンピング材3に保持されない構成とされる場合にも適用できる。
また、これまでの説明では、光ディスク記録媒体に対する位置案内子の形成が、グルーブの付与により行われる場合を例示したが、本発明における光ディスク記録媒体が有する位置案内子は、例えばマーク(DCマーク)の記録などの他の手法により形成されたものであってもよい。
また、プッシュプル信号PPの生成の必要のない第4の実施の形態で用いる光ディスク記録媒体に関しては、位置案内子はピット列やマーク列で形成されたものであってもよい。
また、バルク型の光ディスク記録媒体を記録、再生の対象とする第3及び第4の実施の形態においては、基準面Refが、バルク層Lbよりも上層側に形成される場合を例示したが、基準面Refがバルク層Lbの下層側に形成される場合においても本発明は好適に適用できる。
D1 光ディスク記録媒体、Lc カバー層、Rc 記録層、BS 基板、1,35 記録再生装置、OP1,OP2 光学ピックアップ、2 ベース、3 ダンピング材、4 スピンドルモータ、5 位置センサ、6 対物レンズ、7 レーザダイオード、8 フォトディテクタ、9 2軸アクチュエータ、10 記録処理部、11 マトリクス回路、12 再生処理部、13 アドレス検出部、14,30 サーボ回路、15 フォーカスドライバ、16 トラッキングドライバ、17 回線制御部、18,62,66 コントローラ、20,22,25 減算器、SW1,SW2,SW3 スイッチ、21 トラッキングサーボフィルタ、23 外乱成分推定部、24 アクチュエータ特性付与フィルタ、26,70 乗算部、27 ベース外乱トルク予測生成部、27A 調整制御部、27B メモリ、27C 振幅・位相調整部、27D 正弦波発生部、31A PP側サーボフィルタ、31B DPD側サーボフィルタ、32 ベース特性付与フィルタ、D2 バルク型記録媒体、Rsl 選択反射膜、Ref 基準面、Mid 中間層、Lb バルク層、36 録再用レーザ、37,50 コリメーションレンズ、38,51 偏光ビームスプリッタ、39 固定レンズ、40 可動レンズ、41 レンズ駆動部、42 ミラー、43,52 1/4波長板、44 ダイクロイックプリズム、45 対物レンズ、46 2軸アクチュエータ、47,53 集光レンズ、48 録再光用受光部、49 サーボ用レーザ、54 サーボ光用受光部、55 記録処理部、56 録再光用マトリクス回路、57 再生処理部、58 録再光用サーボ回路、59 サーボ光用マトリクス回路、60 位置情報検出部、61,65 サーボ光用サーボ回路、71 加算器

Claims (15)

  1. ベース材と、
    上記ベース材上に保持された光学ピックアップと、
    上記光学ピックアップ内に設けられ、光源より出射された光を上記光ディスク記録媒体に対して集光する対物レンズを上記光ディスク記録媒体の半径方向に平行な方向に変位可能に保持するアクチュエータと、
    上記ベース材に対して与えられた振動に応じた上記ベース材の上記半径方向における変位量に基づき、上記ベース材の変位に応じて上記対物レンズに作用する外乱成分としてのベース振動分外乱成分を求めるベース振動分外乱成分推定部と、
    上記アクチュエータの駆動信号成分と、上記アクチュエータの伝達関数と、上記ベース振動分外乱成分とに基づき、上記振動に伴う上記ベース材の変位を加味した上記対物レンズのレンズシフト量を算出するレンズシフト量算出部と
    を備える光学ドライブ装置。
  2. 上記光学ピックアップ内に設けられ、上記光ディスク記録媒体からの反射光を受光する受光部と、
    上記受光部により得られた受光信号に基づき、上記光ディスク記録媒体に形成された位置案内子に対する上記対物レンズによる集光スポット位置の上記半径方向における位置誤差を表すトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成部と、
    上記トラッキング誤差信号に基づき上記アクチュエータを駆動することで、上記対物レンズについてのトラッキングサーボ制御を行うトラッキングサーボ制御部とを備えると共に、
    上記レンズシフト量算出部は、
    上記トラッキングサーボ制御部によるトラッキングサーボ制御がオンの状態において、上記アクチュエータの駆動信号成分と、上記アクチュエータの伝達関数と、上記ベース振動分外乱成分とに基づく上記レンズシフト量の算出を行う
    請求項1に記載の光学ドライブ装置。
  3. 上記トラッキング誤差信号生成部は、
    上記トラッキング誤差信号としてプッシュプル信号を生成し、
    上記レンズシフト量算出部により算出された上記対物レンズのレンズシフト量に基づき、上記プッシュプル信号に生じる上記対物レンズのレンズシフトに起因したオフセットを除去するオフセット除去部を備える
    請求項1に記載の光学ドライブ装置。
  4. 上記ベース振動分外乱成分推定部は、位置センサにより上記ベース材の上記半径方向における変位量を検出する
    請求項2に記載の光学ドライブ装置。
  5. 上記ベース振動分外乱成分推定部は、
    上記ベース材に与えられる振動成分を予測し、該予測した振動成分と、上記ベース材の伝達関数とに基づき上記ベース材の上記半径方向における変位量を推定する
    請求項2に記載の光学ドライブ装置。
  6. 上記トラッキング誤差信号生成部は、
    上記トラッキング誤差信号として、上記プッシュプル信号と共に、上記対物レンズのレンズシフトに起因したオフセットの生じない基準トラッキング誤差信号を生成するように構成され、
    上記ベース振動分外乱成分推定部は、
    上記トラッキングサーボ制御部により上記基準トラッキング誤差信号に基づくトラッキングサーボ制御を実行させた状態にて得られる上記基準トラッキング誤差信号の値と、正弦波信号と上記ベース材の伝達関数とに基づき推定した上記振動に伴う上記ベース材の変位量から求めた上記ベース振動分外乱成分を上記レンズシフト量算出部に与えて上記オフセット除去部によるオフセット除去を実行させた状態で得られる上記プッシュプル信号の値とを、上記正弦波信号の振幅・位相を変えながらモニタし、その結果上記基準トラッキング誤差信号の値と上記プッシュプル信号の値とが最も近づいた際の振幅・位相による上記正弦波信号を、上記ベース材に与えられる振動成分の予測信号として得る
    請求項3に記載の光学ドライブ装置。
  7. 上記トラッキング誤差信号生成部は、
    上記基準トラッキング誤差信号として、DPD(Defferential Phase Detection)法によるトラッキング誤差信号を生成する
    請求項6に記載の光学ドライブ装置。
  8. 上記オフセット除去部は、
    上記レンズシフト量算出部により算出された上記対物レンズのレンズシフト量と、上記ベース振動分外乱成分推定部にて得られる上記振動に伴う上記ベース材の変位量とに基づき、上記プッシュプル信号のオフセットを除去する
    請求項3に記載の光学ドライブ装置。
  9. 上記光ディスク記録媒体は、
    深さ方向において選択された所要の層位置に対し光照射に応じたマーク列の記録が行われるバルク層と、位置案内子が形成された反射膜とを備えて構成されており、
    上記光学ピックアップは、
    上記バルク層に対するマークの記録及び/又は再生を行うための第1の光と、上記第1の光とは異なる第2の光とを、上記対物レンズを介して上記光ディスク記録媒体に照射するように構成されると共に、上記対物レンズのフォーカス機構と、上記第1の光の合焦位置を上記第2の光とは独立して調整する合焦位置独立調整部と、上記光ディスク記録媒体からの上記第2の光の反射光を受光する受光部とを備えており、
    上記受光部により得られた受光信号に基づいて、上記第2の光を上記反射膜上に合焦させるように上記フォーカス機構を制御するフォーカスサーボ制御部と、
    上記受光部により得られた受光信号に基づき、上記反射膜上に形成された上記位置案内子に対する上記第2の光の集光スポット位置の上記半径方向における位置誤差を表すトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成部と、
    上記トラッキング誤差信号に基づき上記アクチュエータを駆動することで、上記対物レンズについてのトラッキングサーボ制御を行うトラッキングサーボ制御部とを備える
    請求項1に記載の光学ドライブ装置。
  10. 上記レンズシフト量算出部は、
    上記トラッキングサーボ制御部によるトラッキングサーボ制御がオンの状態において、上記アクチュエータの駆動信号成分と、上記アクチュエータの伝達関数と、上記ベース振動分外乱成分とに基づく上記レンズシフト量の算出を行う
    請求項9に記載の光学ドライブ装置。
  11. 上記トラッキング誤差信号生成部は、
    上記トラッキング誤差信号としてプッシュプル信号を生成し、
    上記レンズシフト量算出部により算出された上記対物レンズのレンズシフト量に基づき、上記プッシュプル信号に生じる上記対物レンズのレンズシフトに起因したオフセットを除去するオフセット除去部を備える
    請求項10に記載の光学ドライブ装置。
  12. 上記レンズシフト量算出部により算出されたレンズシフト量に基づいて上記第1の光の照射スポット位置を補正するスポット位置補正部を備える
    請求項9に記載の光学ドライブ装置。
  13. 上記スポット位置補正部は、
    上記トラッキングサーボ制御部によるトラッキングサーボ制御に伴い形成されるトラッキングサーボループ内に上記レンズシフト量算出部により算出されたレンズシフト量に基づくオフセットを与えることで、上記第1の光の照射スポット位置を補正する
    請求項12に記載の光学ドライブ装置。
  14. 上記スポット位置補正部は、
    上記レンズシフト量算出部により算出されたレンズシフト量と、上記ベース振動分外乱成分推定部にて得られる上記振動に伴う上記ベース材の変位量とに基づき、上記第1の光の照射スポット位置を補正する
    請求項12に記載の光学ドライブ装置。
  15. ベース材と、上記ベース材上に保持された光学ピックアップと、上記光学ピックアップ内に設けられ、光源より出射された光を上記光ディスク記録媒体に対して集光する対物レンズを上記光ディスク記録媒体の半径方向に平行な方向に変位可能に保持するアクチュエータとを備える光学ドライブ装置におけるレンズシフト量検出方法であって、
    上記ベース材に対して与えられた振動に応じた上記ベース材の上記半径方向における変位量に基づき、上記ベース材の変位に応じて上記対物レンズに作用する外乱成分としてのベース振動分外乱成分を求めるベース振動分外乱成分推定手順と、
    上記アクチュエータの駆動信号成分と、上記アクチュエータの伝達関数と、上記ベース振動分外乱成分とに基づき、上記振動に伴う上記ベース材の変位を加味した上記対物レンズのレンズシフト量を算出するレンズシフト量算出手順と
    を有するレンズシフト量検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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