JP2011157680A - 好熱性エンドグルカナーゼを用いた繊維処理剤及び繊維の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】好熱性エンドグルカナーゼを繊維処理剤の有効成分として使用する。また、好熱性エンドグルカナーゼ及び好熱性アミラーゼをセルロース系繊維に同時に作用させて、セルロース系繊維の糊抜き処理とバイオウォッシュを同時に行う。
【選択図】なし
Description
カナーゼは、従来のバイオウォッシュに使用されていたセルラーゼに比して、一層効率的に、セルロース系繊維に対してバイオウォッシュすることができることを見出した。また、当該好熱性エンドグルカナーゼは、糊抜き処理に使用されるアミラーゼと同条件で作用できることを確認した。更に、セルロース系繊維に対して、当該好熱性エンドグルカナーゼと好熱性アミラーゼを同一系内で同時に作用させることにより、糊抜き処理とバイオウォッシュを同時に実施することが可能になり、極めて効率的なセルロース系繊維の処理が実現できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて、更に改良を重ねることにより完成したものである。
項1. 好熱性エンドグルカナーゼを含有することを特徴とする、繊維処理剤。
項2. 好熱性エンドグルカナーゼをセルロース系繊維に作用させることを特徴とする、セルロース系繊維の処理方法。
項3. 好熱性エンドグルカナーゼ及び好熱性アミラーゼをセルロース系繊維に同時に作用させる、項2に記載の処理方法。
合の加水分解的開裂を触媒する作用を有し、90℃から100℃付近の高温下で安定でかつそ
の温度領域を至適温度とする酵素である。当該好熱性エンドグルカナーゼとして、好ましくは、更に以下の特性を有するものが例示される;
(a)SDS-PAGEによる推定分子量は約43kDaである。
(b)至適pHは5.4〜6.0である。酵素活性の至適pHの測定は、100mM酢酸ナトリウム緩衝液、100mMリン酸緩衝液及び100mMホウ酸緩衝液でpH4〜9までの基質(カルボキシ
メチルセルロース)0.5%溶液を調整し、85℃で酵素の加水分解活性の初速度を測定する
ことにより求める。活性は、ソモギーネルソン法で、加水分解後生じる還元性末端を定量することから検出する。
(c)至適温度は、95℃以上100℃以下である。基質として0.5%カルボキシメチルセルロースを使用し、100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.6)中に一定量の酵素を加えて、各温度で15分反応させ、活性を上記(b)と同様に、ソモギー−ネルソン法で定量することから
検出する。
(d)温度安定性に関しては、約97℃で3時間安定である。具体的には、当該酵素溶液(0.1mg/mL)を100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.6)中、97℃で3時間加熱処理した後に、
基質として0.5%カルボキシメチルセルロースを使用し、100mM酢酸ナトリウム緩衝液(
pH5.6)中で85℃の条件において測定される残存酵素活性は、80%又はそれ以上である
。
位〜458位のアミノ酸配列を有する、又は(ii)配列番号1の29位〜458位のアミノ酸配列において、1乃至100個のアミノ酸残基が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列を含み、かつ天然型の好熱性エンドグルカナーゼと実質的に同等の活性を有するポリペプチドを有するポリペプチドも、上記好熱性エンドグルカナーゼに包含される。
Pyrococcus)属、より好ましくは、超好熱性細菌で最適成長温度が98℃である硫黄代謝好熱菌パイロコッカス・ホリコシ(Pyrococcus horikoshii,登録番号JCM9974、JCM微生物株カタログ第7版、1999年1月発行)から得ることができる。また、これらの微生物から、
上記好熱性エンドグルカナーゼをコードする遺伝子を取得し、この遺伝子を導入した組み換え微生物を調製し、該組み換え微生物を培養することにより上記好熱性エンドグルカナーゼを得ることもできる。
にセルロース系繊維が30〜50g程度を浸漬して、70〜100℃、好ましくは90〜100℃程度で、10〜60分、好ましくは30〜60分間程度処理することが例示される。
チルス・ズブチルスやバチルス・リケニフォルミス等の微生物に由来するものが挙げられる。このような好熱性アミラーゼは、一般に市販されており、市販品を使用してもよい。このような市販品の具体例としては、クライスターゼ(大和化成社製)、ターマミール(ノボザイム社製),SVA−300(洛東化成社製)等が例示される。
実施例1
パイロコッカス・ホリコシ(登録番号JCM9974)由来の配列表の配列番号1で示される
アミノ酸配列からなる好熱性エンドグルカナーゼ(比活性50unit/g)又はトリコデルマ由来のセルラーゼ(至適温度50℃)(比活性50unit/g)を1N酢酸緩衝液(pH6)に2g/Lとなるように添加して処理液を調製した。この処理液(70)Lに、ジーンズ6本(約2300g)を浸漬して60分間処理し、バイオウォッシュを行った。なお、処理温度は、好熱性エンドグルカナーゼの場合は95℃とし、トリコデルマ由来のセルラーゼの場合は50℃とした。処理後、ジーンズを処理液から取り出し、処理後のジーンズの重量を測定し、処理前に比べて減じた重量の割合(重量減率:%)を求めた。なお、比較のために、酵素を添加していない1N酢酸緩衝液(pH6)を処理液として処理温度95℃で、上記同様の試験を行った。
パイロコッカス・ホリコシ(登録番号JCM9974)由来の配列表の配列番号1で示される
アミノ酸配列からなる好熱性エンドグルカナーゼを用い、処理時間を40、30又は20分とすること以外は、上記実施例1と同様の方法でバイオウォッシュ処理を行い、処理後のジーンズの重量減率を求めた。
1N酢酸緩衝液(pH6)に、パイロコッカス・ホリコシ(登録番号JCM9974)由来の配列
表の配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる好熱性エンドグルカナーゼ(比活性50unit/g)を2g/Lとなるように添加し、更に、これに糊抜き用アミラーゼとして一般に使用されている好熱性アミラーゼ(商品名「SVA-300」、洛東化成工業(株)社製)(比活性3000unit/g)を2g/Lとなるように添加して処理液とした。この処理液70Lに、縦糸糊料が5.8
重量%の割合で付着しているジーンズ6本(約2300g)を浸漬して60分間、95℃で処理し
、糊抜き処理及びバイオウォッシュを同時に行った(表3中、「実施例3(一段階)」と記す)。
化成工業(株)社製)(比活性3000unit/g)を2g/Lとなるように添加した1N酢酸緩衝液
(pH6)70Lに、上記ジーンズ6本(約2300g)を浸漬して90℃で30分間糊抜き処理した。
次いで、ジーンズを取り出して水洗した後、これを、トリコデルマ由来のセルラーゼ(至適温度50℃、比活性50unit/g)を2g/Lとなるように添加した1N酢酸緩衝液(pH6)70Lに
浸漬し、50℃で60分間処理し、バイオウォッシュを行った(表3中、「従来法(二段階)」と記す)。
以下の試験を行い、好熱性アミラーゼと好熱性エンドグルカナーゼを同時に作用させる際に、好熱性エンドグルカナーゼが好熱性アミラーゼの活性に及ぼす影響を検討した。
て、処理後に原反を取り出して、水洗の後、風乾した。得られた処理後の原反について、N/50ヨード溶液を布上に滴下してヨード-デンプン反応による青色の着色度を観察する方
法によりヨード呈色値(デンプン残量の指標値)を測定し、更に、N/50ホウ酸ヨード溶液を布上に滴下してホウ酸ヨード-PVA反応による濃青緑色の着色度を観察する方法により、ホウ酸ヨード呈色値(PVA残量の指標値)を測定した。
去効果についても、好熱性エンドグルカナーゼを多く添加した方が良くなる傾向が認められた。
Claims (1)
- 好熱性エンドグルカナーゼ及び好熱性アミラーゼを含有することを特徴とする、繊維処理剤。
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- 2011-04-28 JP JP2011100279A patent/JP2011157680A/ja active Pending
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