JP2011156265A - 医療用チューブ連結具および医療用チューブ包装体 - Google Patents

医療用チューブ連結具および医療用チューブ包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】医療用チューブの着脱が容易であり、良好な気密性を有し、かつ、医療用チューブを使用直前に容易にプライミングすることが可能である医療用チューブ連結具および医療用チューブ包装体を提供する。
【解決手段】プライミングが必要とされる複数の医療用チューブ40,50,60が収納された医療用チューブ包装体に同封される医療用チューブ連結具80である。医療用チューブ連結具80は、チューブ40,50,60のハブ部46が接続されるコネクタ部82と、プライミング液が注入されるインレット部86と、コネクタ部82とインレット部86とを連通する分岐流路と、を有する。コネクタ部82は、チューブ40,50,60のハブ部46の開口部が密着する隆起部83と、ハブ部46のフランジ47を係合する係合部84と、を有する。
【選択図】図9

Description

本発明は、医療用チューブ連結具および医療用チューブ包装体に関する。
医療用チューブ、例えばカテーテルを用いた診断や治療などの手術は、患者に対する負担が少ないことから、普及が進んでいる。このような手術は、患者の腕や脚等に形成した動脈へ貫通する穿刺孔に、カテーテルを始めとする各種器具を導入して行われるものであり、器具類は、看護師により事前にテーブル上に配置される。
医師のように入念な消毒を行わない看護師は、直接患者の血液に触れ得る器具には触ることを許されないため、例えば、鉗子類を用いて遠隔的に包装体から器具を取り出すなど、非常に煩雑な作業が行われていた。また、多くの器具類を購入準備する用度作業も非常に煩雑なものであった。さらに、カテーテルは長尺な管状の器具であり、人の血管に挿入されるものであるため、血管内に空気が混入するのを防ぐ必要上、使用の前に、カテーテル1本1本の管腔内にプライミング液を注入するプライミングを実施する必要があり、手間のかかるものであった。
そのため、事前の準備を容易としかつ医療従事者の負担を軽減する目的で、カテーテル手術に使用される器具をキット化してトレイに同封した医療用チューブ包装体として提供し、かつ、当該医療用チューブ包装体に、プライミングを必要とされるカテーテルが予め接続されている医療用チューブ連結具を配置することにより、カテーテルの全てを一回の作業で同時にプライミングすることを可能としている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−51342号公報
しかし、特許文献1に記載の医療用チューブ連結具は、ポリブタジエン等の軟質プラスチックから形成されており、カテーテルを接続する際、医療用チューブ連結具のオス型ルアーコネクタにカテーテルのハブ部を接続する。そのため、カテーテルの接続を解除する際、カテーテルを取外すのに両手を使う必要があった。
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、医療用チューブの着脱が容易であり、良好な気密性を有し、かつ、医療用チューブを使用直前に容易にプライミングすることが可能である医療用チューブ連結具および医療用チューブ包装体を、提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一様相は、プライミングが必要とされる複数の医療用チューブが収納された医療用チューブ包装体に同封される医療用チューブ連結具であって、前記チューブのハブ部が接続されるコネクタ部と、プライミング液が注入されるインレット部と、前記コネクタ部と前記インレット部とを連通する分岐流路と、を有しており、前記チューブのハブ部は、前記チューブの管腔に連通している開口部を有するフランジを有し、前記コネクタ部は、前記チューブの前記開口部が密着する隆起部と、前記チューブの前記フランジを係合する係合部と、を有することを特徴とする医療用チューブ連結具である。
上記目的を達成するための本発明の別の様相は、プライミングが必要とされる複数の医療用チューブが収納された医療用チューブ包装体であって、前記医療用チューブ連結具が同封されており、前記医療用チューブは、前記医療用チューブ連結具のコネクタ部に予め接続されていることを特徴とする医療用チューブ包装体である。
本発明に係る医療用チューブ連結具よれば、プライミングを必要とされる複数の医療用チューブをコネクタ部に予め接続して医療用チューブ包装体に同封する場合、手術前に医療用チューブ包装体を開封し、インレット部に対してプライミング液の注入を実施することにより、分岐流路を経由し、接続された医療用チューブの全てが、一回の作業で同時にプライミングされる。また、医療用チューブの開口部は、隆起部と密着するため、良好な気密性を有する。さらに、医療用チューブのフランジは、係合部と係合するため、医療用チューブの接続を解除する際、医療用チューブを片手で取外すことができる。したがって、医療用チューブの着脱が容易であり、良好な気密性を有し、かつ、複数の医療用チューブを使用直前に容易にプライミングすることが可能である医療用チューブ包装体を提供することが可能である。
また、前記隆起部が球面形状を有する場合、医療用チューブのハブ部の位置決めズレを吸収し、気密性を確保することが可能である。
前記係合部が、前記隆起部に相対して延長するストッパ部を有し、前記ストッパ部が、前記隆起部と位置合せされ、かつ前記チューブのハブ部が挿入自在の切欠き部を有し、前記切欠き部と前記隆起部との離間距離が、前記チューブのハブ部のフランジの厚みと略一致している場合、医療用チューブのハブ部を押し下げるように操作し、ハブ部のフランジを切欠き部と隆起部との間に挿入することにより、ハブ部のフランジが隆起部と密着し、かつ、切欠き部の周囲によって外側からハブ部のフランジの移動が制止される。一方、医療用チューブのハブ部を持ち上げるように操作し、ハブ部のフランジを切欠き部と隆起部との間から取り出すことにより、医療用チューブの接続が解除される。つまり、医療用チューブの着脱が非常に容易となる。
前記切欠き部をU字状とする場合、切欠き部に挿入された医療用チューブの位置決めが容易かつ確実となる。
なお、前記医療用チューブには、血管造影カテーテル、ガイディングカテーテル、イントロデューサシース、ダイレータ、ガイドワイヤ用ホルダーチューブが含まれる。
また、本発明に係る医療用チューブ包装体よれば、手術前に医療用チューブ包装体を開封し、同封されている医療用チューブ連結具のインレット部に対してプライミング液の注入を実施することにより、分岐流路を経由し、接続された医療用チューブの全てが、一回の作業で同時にプライミングされる。また、医療用チューブの開口部は、医療用チューブ連結具の隆起部と密着するため、良好な気密性を有する。さらに、医療用チューブのフランジは、医療用チューブ連結具の係合部と係合するため、医療用チューブ連結具と医療用チューブとの接続を解除する際、医療用チューブを片手で取外すことができる。したがって、医療用チューブの着脱が容易であり、良好な気密性を有し、かつ、複数の医療用チューブを使用直前に容易にプライミングすることが可能である医療用チューブ包装体を提供することが可能である。
本発明に係る医療用チューブ包装体を説明するための平面図である。 図1に示されるトレイの形状を説明するための斜視図である。 トレイの連結構造を説明するための概略図である。 図1に示されるカテーテルを説明するための平面図である。 図4に示されるカテーテル本体を説明するための断面図である。 図1に示される別のカテーテルを説明するための平面図である。 図1に示される別のカテーテルを説明するための平面図である。 本発明に係る医療用チューブ連結具を説明するための平面図である。 図8に示される医療用チューブ連結具によるプライミングを説明するための平面図である。 図8に示される医療用チューブ連結具の斜視図である。 図8に示される医療用チューブ連結具の正面図である。 図8に示される医療用チューブ連結具の側面図である。 図8に示される医療用チューブ連結具とカテーテルとの嵌合構造を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る医療用チューブ包装体を説明するための平面図である。
本発明に係る医療用チューブ包装体10は、カテーテル手術に使用される器具がキット化され、トレイ20,30、プライミングが必要とされる複数の医療用チューブであるカテーテル40,50,60、カテーテル保護シート70、医療用チューブ連結具80およびカバー袋90を有する。なお、医療用チューブ連結具80は、後述するように、カテーテル40,50,60の着脱が容易であり、良好な気密性を有し、かつ、カテーテル40,50,60を使用直前に容易にプライミングすることが可能である。プライミング液は、例えば、生理食塩水や、ヘパリン加生理食塩水である。
トレイ20,30は、カテーテル40,50,60および他のキット化された器具が宜配置される。なお、トレイ30は、使用直前にプライミング液で満され、器具をプライミング液に浸漬するために使用される。
キット化される器具は、例えば、イメージングインテンシファイア(imaging intensifier)上に敷く使い捨ての不織布(ドレープ)、患者に抗血栓薬であるヘパリンを点滴するための針やチューブの集合からなる点滴のためのセットなどの手術前の準備段階に使用する器具、消毒薬などの薬剤、医師の手術衣、消毒薬を塗布するための脱脂綿類等やピンセット、鉗子、はさみ類、手術の開始後に用いる切皮メス、留置針、イントロデューサシースとダイレータ、イントロデューサ用ガイドワイヤ、シリンジ、血管造影カテーテル、血管造影カテーテル用ガイドワイヤ、血管造影剤、マイクロカテーテル等の診断や治療に用いる器具、PTCA(経皮的血管拡張術)用ガイディングカテーテル(心臓右側用形状、左側用形状他)、PTCA用ガイドワイヤ、PTCA用バルーンカテーテル、バルーン拡張用器具(インデフレータ)、ステントデリバリーカテーテル、手術後に用いる止血用デバイス、各種薬剤を一次保管するためのビーカ、カップ類である。
カテーテル40,50,60は、血管造影のために使用される。カテーテル40,50,60の先端(例えば10〜50cm)は、先端形状の保持およびトルク伝達性等の操作性を維持するため、直線状態で保持されるのが好ましく、トレイ20,30の壁部に沿って配置される。カテーテル40,50,60の基端側(例えば、10〜100cm)は、トレイ20内に収まるように、湾曲状態で配置される。湾曲の直径は、10cm〜50cmの範囲内であることが好ましい。これは、湾曲の直径が50cm以上だとトレイサイズが過大となり、10cm以下だと曲がり癖が許容以上となるためである。
カテーテル保護シート70は、トレイ20の底面に配置され、かつ、カテーテル40,50,60を保持するための切り込み72を有する。これにより、カテーテル40,50,60は、血管内に挿入可能なほどに細径かつ柔軟であり、潰れや曲がりに弱いものであるが、医療用チューブ包装体10内に同封されている他の器具によって押し潰されることが防止される。
カバー袋90は、トレイ20,30に配置された器具の全てを、トレイ20,30ごとに覆って収納し、滅菌処理するために使用される。カバー袋90は、好ましくは、エチレンオキサイドガス滅菌が可能なガス透過性があり、かつ、細菌不透性の不織布と、光透過性のフィルムとからなる。なお、説明のため、図1においてカバー袋90を部分的に示している。
次に、トレイを詳述する。
図2は、図1に示されるトレイの形状を説明するための斜視図である。
トレイ20,30は、所望の強度を有する高分子材料からなる略矩形の箱形状の成形品である。トレイ20,30の成形方法は、特に限定されず、例えば、真空成形、圧空成形、プレス成形を適用することが可能である。前記高分子材料は、例えば、BS(ブタジエン−スチレン)、AES(アクリロニトリル/エチレン−プロピレン−ジエン/スチレン)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、HIPS(ハイインパクトポリスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)である。
トレイ20は、カテーテル保護シート70が配置される略平坦な底面21と、底面21を取り囲んでいる側壁24と、トレイ30に隣接する側壁24の頂部に配置される凹部28とを有する。
トレイ30は、円形状に配置された複数の突起32を有する底面31と、底面31を取り囲んでいる側壁34と、側壁34の外面に配置される突起35と、側壁34の頂部に配置される凹部37,38とを有し、血管造影カテーテルやガイドワイヤを生理食塩水に浸漬するために、生理食塩水が満たされる。
突起32は、包装時において、ガイドワイヤ等円形状に包装された器具を係合して動かないように抑える効果と、ガイドワイヤとカテーテルの混在による取り出しにくさを防ぐための区画分けの役割とを有する。なお、ガイドワイヤは、超弾性合金の細長い線材を樹脂で被覆した形態のものであるため、変形させても癖がつきにくく、丸めて包装することが可能である。
突起32は、円形状に配置されており、円周上の一部に切り欠き部を有するので、当該切り欠き部を利用し、ガイドワイヤに指を掛けて容易に取り出すことが可能である。また、突起32は、トレイ内部に位置するため、突起32を設けない場合(平坦な底面の場合)に比較し、少ない生理食塩水で、器具を浸漬することが可能である。
突起32は、円の内側をほぼ垂直の壁とし、外側をなだらかな斜面とすることが好ましい。この場合、弾性の高いガイドワイヤが、外側へ飛び出すことを防ぐと共に、取り出しの際に、術者の指に容易に乗せることができ、カテーテルの取り出しも容易となる。
突起35は、指で押し込むことによって、側壁34の内側に自在に突出させることが可能に構成されている。したがって、カテーテル40,50,60をトレイ30内で生理食塩水に浸漬する際、突起35を側壁34の内側へ突出させることにより、カテーテル40,50,60が突起35に引っ掛かり、トレイ外部への飛び出しが防止される。一方、トレイ30を廃棄する際、突起35を側壁34の外側へ突出させることにより、廃棄の邪魔とならないよう機能を変更することができる。
凹部37は、側壁34の頂部に配置され、手術の際に、カテーテル40,50,60の基端部のハブ部46を取付け自在に構成されている。したがって、手術において使用する順番で、カテーテルを事前に設置することにより、容易に取り出すことが可能となる。
凹部38は、トレイ20の凹部28と位置合せされており、カテーテル40,50,60を梱包する際に、カテーテル40,50,60の本体部を、トレイ20,30間を跨らせるために使用される。
なお、トレイ20,30の底面の長辺、短辺および側壁の高さは、例えば、30〜70cm、20〜60cmおよび3〜20cm程度であるが、特にこの寸法に限定されず、生理食塩水の貯留性およびトレイの廃棄性を考慮し、適宜設定される。つまり、使用するカテーテル、シース、ガイドワイヤ等の血管内へ導入する器具を、トレイ20,30に貯留される生理食塩水に浸漬する必要があり、寸法が大きすぎれば、大量の生理食塩水が必要となり、不経済であり、かつ、使用後に廃棄する際に不便である。
図3は、トレイの連結構造を説明するための概略図である。
トレイ20,30は、一対の固定具29により連結されており、輸送中における分離が防止されている。固定具29は、金属材料あるいは硬質プラスチック材料からなるL字状の板材であり、両面粘着テープを使用して、トレイ20,30の底面および側面に固定される。
固定方法は、両面粘着テープを適用する形態に限定されず、例えば、接着剤を適用することも可能である。また、固定具29の設置数は、2個に限定されない。なお、手術後(使用後)においてトレイ20,30を重ねて一括廃棄できるように、固定具29は容易に取り外しができる構成を有することが好ましい。
次に、カテーテルを詳述する。
図4は、図1に示されるカテーテルを説明するための平面図、図5は、図4に示されるカテーテル本体を説明するための断面図、図6は、図1に示される別のカテーテルを説明するための平面図、図7は、図1に示される別のカテーテルを説明するための平面図である。
カテーテル40は、左心室や大動脈などの広い体積に造影剤を注入して造影するのに適した形状(ピッグテール形状)を有し、カテーテル本体42、先端チップ44、ハブ部46およびプロテクタ48から構成される。カテーテル本体42は、先端部から基端部まで延長する管腔43を有する(図5参照)。先端チップ44は、カテーテル本体42の最先端に配置されており、血管壁面保護の目的で、非常に柔軟である。
ハブ部46は、カテーテル本体42の基端に配置され、管腔43に連通している開口部を有するフランジ47を有している。プロテクタ48は、ハブ部46とカテーテル本体42の基端との間に位置しており、カテーテルの潰れ(キンク)を防ぐために適用される。
カテーテル50,60は、先端部の形状が異なる以外は、カテーテル40と略同一の構造を備えており、カテーテル50は、心臓の右冠状動脈を造影するのに適した形状(ジャドキンス右(JR)形状)を有し、カテーテル60は、心臓の左冠状動脈を造影するのに適した形状(ジャドキンス左(JL)形状)を有する。
なお、カテーテル本体の先端が湾曲形状を有するのは、例えば、血管導入時に血管の分岐部において選択性を高める目的や、X線透視下で血管のX線像を得るための血管造影剤を効率的に分布させる目的のためである。
次に、医療用チューブ連結具を詳述する。
図8は、本発明に係る医療用チューブ連結具を説明するための平面図、図9は、図8に示される医療用チューブ連結具によるプライミングを説明するための平面図、図10、図11および図12は、図8に示される医療用チューブ連結具の斜視図、正面図および側面図、図13は、図8に示される医療用チューブ連結具とカテーテルとの嵌合構造を説明するための断面図である。
本発明に係る医療用チューブ連結具80は、プライミングが必要とされるカテーテル40,50,60が滅菌された状態で密封される医療用チューブ包装体10に同封されるものであって、カテーテル40,50,60のハブ部46が接続されるコネクタ部82と、プライミング液が注入されるインレット部86と、コネクタ部82とインレット部86とを連通する分岐流路88と、を有する。コネクタ部82は、カテーテル40,50,60のハブ部46の開口部が密着する隆起部83と、ハブ部46のフランジ47を係合する係合部84と、を有する。隆起部83は、分岐流路88に連通する開口部83Aを有する。係合部84は、一端がインレット部86および分岐流路88が設けられた本体と一体的に形成された固定端で、他端が自由端でそれぞれ構成されており、ハブ部46のフランジ47を係合する際には、一端側を支点にして、他端側が初期位置から僅かに倒れ、フランジ47が係合されると、他端側が初期位置に戻るような弾性を有することにより、フランジ47の係合状態を保持する。
したがって、手術前に医療用チューブ包装体10を開封した後で、例えば、プライミング液を吸引しているシリンジ95(図9参照)を、例えば、チューブ、コネクタを用いてインレット部86に連結し、インレット部86に対してプライミング液の注入を実施することにより、分岐流路88を経由し、接続されたカテーテル40,50,60の全てが、一回の作業で同時にプライミングされる。また、カテーテル40,50,60のハブ部46の開口部は、隆起部83と密着するため、良好な気密性を有する。さらに、カテーテル40,50,60のハブ部46のフランジ47は、係合部84と係合するため、カテーテル40,50,60の接続を解除する際、カテーテル40,50,60を片手で取外すことができる。つまり、カテーテル40,50,60の着脱が容易であり、良好な気密性を有し、かつ、カテーテル40,50,60を使用直前に容易にプライミングすることが可能である。
コネクタ部82の隆起部83は、球面形状を有する。したがって、例えば、カテーテル40,50,60を連結時、カテーテル40,50,60のハブ部46が振れても、その位置決めズレを吸収し、気密性を確保することが可能である。
コネクタ部82の係合部84は、隆起部83に相対して延長するストッパ部を有し、当該ストッパ部は、隆起部83と位置合せされ、かつ部カテーテル40,50,60のハブ部46が挿入自在のU字状切欠き部84Aを有する。切欠き部84Aと隆起部83との離間距離は、カテーテル40,50,60のハブ部46のフランジ47の厚みと略一致している。
したがって、カテーテル40,50,60のハブ部46を押し下げるように操作し、ハブ部46のフランジ47を切欠き部84Aと隆起部83との間に挿入することにより、ハブ部46のフランジ47が隆起部83と密着し、かつ、切欠き部84Aの周囲によって外側からハブ部46のフランジ47の移動が制止される。また、切欠き部84Aは、U字状であるため、切欠き部84Aに挿入されたカテーテル40,50,60の位置決めが容易かつ確実となる。一方、カテーテル40,50,60のハブ部46を持ち上げるように操作し、ハブ部46のフランジ47を切欠き部84Aと隆起部83との間から取り出すことにより、カテーテル40,50,60の接続が解除される。つまり、カテーテル40,50,60の着脱が非常に容易である。
医療用チューブ連結具80は、プラスチックから形成されている。そのため、プラスチックの弾性を利用し、カテーテル40,50,60のハブ部46のフランジ47を係合する係合部84を、容易に形成することが可能である。プラスチックとしては、例えば、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、ポリエステル、PMMA(アクリル)であることが好ましい。また、軟質プラスチックに比較し成形性が良好であるため、硬質プラスチックであることが好ましい。
なお、コネクタ部82の設置数やコネクタ部82の間隔は、医療用チューブ連結具80に接続される医療用チューブの形態に応じて適宜変更される。また、使用されないコネクタ部82の隆起部83の開口部83Aや不要な開口部は、必要に応じてプラグ等によって塞ぐことも可能である。
以上のように、本実施の形態においては、手術前に医療用チューブ包装体を開封した後で、例えば、プライミング液を吸引しているシリンジをインレット部に連結し、インレット部に対してプライミング液の注入を実施することにより、分岐流路を経由し、接続されたカテーテルの全てが、一回の作業で同時にプライミングされる。また、カテーテルのハブ部の開口部は、隆起部と密着するため、良好な気密性を有する。さらに、カテーテルのハブ部のフランジは、係合部と係合するため、カテーテルの接続を解除する際、カテーテルを片手で取外すことができる。つまり、カテーテルの着脱が容易であり、良好な気密性を有し、かつ、カテーテルを使用直前に容易にプライミングすることが可能である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲で種々改変することができる。例えば、医療用チューブは、フランジを備えたコネクタ部を有しておれば、特に限定されず、イントロデューサシース、ダイレータ、ガイドワイヤ用ホルダーチューブ、ガイディングカテーテルを適用することが可能である。なお、イントロデューサシースは、カテーテル手技を実施する際に、血管に各種カテーテルを導入する入口ポートとして使用される。ダイレータは、イントロデューサシースを血管に導入する際にシース管腔内に挿入され、一体化して血管内に差し込まれた後抜去される器具である。ガイドワイヤ用ホルダーチューブは、ガイドワイヤを保護するための包装用チューブで、それ自体はプライミングされる必要はないが、ガイドワイヤの表面を湿潤させるために管腔内に他のチューブ類と同様に流体が注入される。
10 医療用チューブ包装体、
20 トレイ、
21 底面、
24 側壁、
28 凹部、
29 固定具、
30 トレイ、
31 底面、
32 突起、
34 側壁、
35 突起、
37,38 凹部、
40,50,60 カテーテル、
42 カテーテル本体、
43 管腔、
44 先端チップ、
46 ハブ部、
47 フランジ、
48 プロテクタ、
70 カテーテル保護シート、
80 医療用チューブ連結具、
82 コネクタ部、
83 隆起部、
83A 開口部、
84 係合部、
84A 切欠き部、
86 インレット部、
88 分岐流路、
90 カバー袋、
95 シリンジ。

Claims (6)

  1. プライミングが必要とされる複数の医療用チューブが収納された医療用チューブ包装体に同封される医療用チューブ連結具であって、
    前記チューブのハブ部が接続されるコネクタ部と、
    プライミング液が注入されるインレット部と、
    前記コネクタ部と前記インレット部とを連通する分岐流路と、を有しており、
    前記チューブのハブ部は、前記チューブの管腔に連通している開口部を有するフランジを有し、
    前記コネクタ部は、
    前記チューブの前記開口部が密着する隆起部と、
    前記チューブの前記フランジを係合する係合部と、を有する
    ことを特徴とする医療用チューブ連結具。
  2. 前記隆起部は、球面形状を有することを特徴とする請求項1に記載の医療用チューブ連結具。
  3. 前記係合部は、前記隆起部に相対して延長するストッパ部を有し、
    前記ストッパ部は、前記隆起部と位置合せされ、かつ前記チューブのハブ部が挿入自在の切欠き部を有し、
    前記切欠き部と前記隆起部との離間距離は、前記チューブのハブ部のフランジの厚みと略一致している
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の医療用チューブ連結具。
  4. 前記切欠き部は、U字状であることを特徴とする請求項3に記載の医療用チューブ連結具。
  5. 前記医療用チューブには、血管造影カテーテル、ガイディングカテーテル、イントロデューサシース、ダイレータ、ガイドワイヤ用ホルダーチューブが含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療用チューブ包装体。
  6. プライミングが必要とされる複数の医療用チューブが収納された医療用チューブ包装体であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用チューブ連結具が同封されており、
    前記医療用チューブは、前記医療用チューブ連結具のコネクタ部に予め接続されている
    ことを特徴とする医療用チューブ包装体。
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