JP2011153186A - コバルト−ケトイミナト錯体、および当該錯体を用いたポリカルボナートの製造方法 - Google Patents

コバルト−ケトイミナト錯体、および当該錯体を用いたポリカルボナートの製造方法 Download PDF

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徹 山田
Satoru Kikuchi
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Atsushi Okada
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Abstract

【課題】ポリカルボナートの合成において高い触媒活性を示す錯体、およびその錯体を用いたポリカルボナートの製造方法を提供する。
【解決手段】式(I)または式(II):
Figure 2011153186

(式中、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、アンモニウム、ホスホニウム等のオニウム部分を含有する基である。)で表されるコバルト−ケトイミナト錯体、および該錯体を用いたエポキシド化合物と二酸化炭素を共重合させる方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシド化合物と二酸化炭素を共重合するためのコバルト−ケトイミナト錯体に関する。また、本発明は、コバルト−ケトイミナト錯体を用いてエポキシド化合物と二酸化炭素を共重合することを含む、ポリカルボナートの製造方法に関する。
エポキシド化合物と二酸化炭素との共重合によって得られるポリカルボナートは、二酸化炭素を合成樹脂の原料に利用する点で興味深い。また、脂肪族ポリカルボナートは、透明性を有しかつ所定温度以上に加熱すると完全に分解するため、一般成形物、フィルム、ファイバーなどの用途に使用できることに加えて、光ファイバー、光ディスクなどの光学材料、あるいはセラミックバインダー、ロストフォームキャスティングなどの熱分解性材料として利用することも可能である。さらに、脂肪族ポリカルボナートは、生体内で分解可能であるため、徐放性の薬剤カプセルなどの医用材料、生分解性樹脂の添加剤または生分解性樹脂の主成分として応用できる。
脂肪族ポリカルボナートは、これまでに様々な触媒または触媒システムを用いることによって合成されている。例えば、特許文献1(米国特許出願公開第2006/0089252号)には、特定の構造式を有するコバルト系触媒を好ましくは塩の形態の助触媒と組み合わせて用いてプロピレンオキシドと二酸化炭素を共重合させることにより、ポリ(プロピレンカルボナート)を製造することが記載されている。
非特許文献1(Noh, E.K.; Na, S.J.; Sujith, S.; Kim, S.W.; Lee, B.Y. J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, p.8082-8083)には、分子内に四級アンモニウム基を有するサレン配位子(サリチルアルデヒドとエチレンジアミンの脱水縮合生成物の骨格を有する配位子)が3価コバルトに配位した錯体を用いてプロピレンオキシドと二酸化炭素を共重合させることにより、ポリ(プロピレンカルボナート)を製造することが記載されている。
米国特許出願公開第2006/0089252号明細書
Noh, E.K.; Na, S.J.; Sujith, S.; Kim, S.W.; Lee, B.Y. J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, p.8082-8083
ポリカルボナートの合成において、エポキシド化合物と二酸化炭素が一分子ずつ反応した副生成物である環状カルボナートの生成量や、ポリカルボナート鎖の規則性を乱すことになる、ポリカルボナート鎖中のポリエーテル単位の比率を可能な限り低く抑えつつ、高い触媒活性、例えば高いTOF(Turnover Frequency、触媒中の金属の単位モル数当たり、単位時間当たりの、エポキシド化合物のポリマーへの転化量)および/または高いTON(Turnover Number、触媒(助触媒含む)の単位質量当たりのポリマーの収量)を発揮する触媒が、依然として必要とされている。
また、ポリ(エチレンカルボナート)を合成する場合、ポリカルボナート鎖中のポリエーテル単位の比率が高くなってポリカルボナート鎖の規則性が部分的に失われることが多く、副生する環状カルボナート(すなわちエチレンカルボナート)の生成量も増える傾向がある。そのため、規則性の高いポリ(エチレンカルボナート)を高収率で生成させることが可能な触媒が特に必要とされている。
本願は、上記課題を解決するために以下の発明を提供する。
1.式(I):
Figure 2011153186
または式(II):
Figure 2011153186
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるか、あるいは2個のR1および/または2個のR2が互いに結合して、置換または非置換の、飽和もしくは不飽和の脂肪族環または芳香族環を形成してもよく;R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、アンモニウム、ホスホニウム、ビス(ホスホラニリデン)イミニウムおよびイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのオニウム部分を含有する基であり、残りのR3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、置換または非置換のアルコキシ基、アシル基、置換または非置換のアルコキシカルボニル基、置換または非置換のアリールオキシカルボニル基、および置換または非置換のアラルキルオキシカルボニル基からなる群から選択されるか、あるいは隣り合う炭素原子上のR4とR5が互いに結合して置換または非置換の脂肪族環を形成してもよく;Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である。)で表されるコバルト−ケトイミナト錯体を用いて、エポキシド化合物と二酸化炭素を共重合させることを特徴とする、ポリカルボナートの製造方法。
2.前記式(I)または(II)において、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、式:−NR6 3X(式中、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく;Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンである。)で表される少なくとも1つのアンモニウム部分を含有する基である、項目1に記載の方法。
3.前記式(I)または(II)において、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、式(III):−R8−(R9−NR6 3X)n(式中、nは1〜3の整数であり、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく、R8は、共有結合または(n+1)価の連結基であり、R9は、共有結合、または鎖中に1以上の酸素原子が含まれてもよい、炭素数1〜12の2価アルキレン基であり、Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンである。)で表される基である、項目2に記載の方法。
4.前記コバルト−ケトイミナト錯体が、式(IV):
Figure 2011153186
式(V):
Figure 2011153186
または式(VI):
Figure 2011153186
(式中、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく、Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンであり、Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である。)のいずれかで表される、項目3に記載の方法。
5.前記エポキシド化合物が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目1〜4のいずれか1つに記載の方法。
6.[R10 4N]+、[R10 4P]+、[R10 3P=N=PR10 3+および式(VII):
Figure 2011153186
(式中、R10は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、R11は、イミダゾリウム環の炭素上の0〜3個の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基である。)からなる群から選択されるリンおよび/または窒素を含むカチオンと、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンとの塩からなる助触媒を前記コバルト−ケトイミナト錯体と組み合わせて用いて、エポキシド化合物と二酸化炭素を共重合させることを特徴とする、項目1〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.式(I):
Figure 2011153186
または式(II):
Figure 2011153186
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるか、あるいは2個のR1および/または2個のR2が互いに結合して、置換または非置換の、飽和もしくは不飽和の脂肪族環または芳香族環を形成してもよく;R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、アンモニウム、ホスホニウム、ビス(ホスホラニリデン)イミニウムおよびイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのオニウム部分を含有する基であり、残りのR3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、置換または非置換のアルコキシ基、アシル基、置換または非置換のアルコキシカルボニル基、置換または非置換のアリールオキシカルボニル基、および置換または非置換のアラルキルオキシカルボニル基からなる群から選択されるか、あるいは隣り合う炭素原子上のR4とR5が互いに結合して置換または非置換の脂肪族環を形成してもよく;Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である。)で表されるコバルト−ケトイミナト錯体。
8.前記式(I)または(II)において、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、式:−NR6 3X(式中、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく;Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンである。)で表される少なくとも1つのアンモニウム部分を含有する基である、項目7に記載のコバルト−ケトイミナト錯体。
9.前記式(I)または(II)において、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、式(III):−R8−(R9−NR6 3X)n(式中、nは1〜3の整数であり、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく、R8は、共有結合または(n+1)価の連結基であり、R9は、共有結合、または鎖中に1以上の酸素原子が含まれてもよい、炭素数1〜12の2価アルキレン基であり、Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンである。)で表される基である、項目8に記載のコバルト−ケトイミナト錯体。
10.式(IV):
Figure 2011153186
式(V):
Figure 2011153186
または式(VI):
Figure 2011153186
(式中、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく、Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンであり、Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である。)のいずれかで表される、項目9に記載のコバルト−ケトイミナト錯体。
11.R6がn−ブチル基であり、XおよびZがペンタフルオロベンゾアートである、項目10に記載のコバルト−ケトイミナト錯体。
12.[R10 4N]+、[R10 4P]+、[R10 3P=N=PR10 3+および式(VII):
Figure 2011153186
(式中、R10は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、R11は、イミダゾリウム環の炭素上の0〜3個の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基である。)からなる群から選択されるリンおよび/または窒素を含むカチオンと、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンとの塩からなる助触媒を、項目7〜11のいずれか1つに記載のコバルト−ケトイミナト錯体と組み合わせた触媒システム。
本発明によれば、環状カルボナートの生成量や、ポリカルボナート鎖に存在するポリエーテル単位の比率を非常に低く抑えつつ、高いTOFおよび/または高いTONを達成することができ、高い触媒効率で非常に規則性の高いポリカルボナートを合成することができる。
また、本発明によれば、エチレンオキシドおよび二酸化炭素からポリ(エチレンカルボナート)を高い規則性および高収率で合成することができる。
本発明の一実施態様では、エポキシド化合物と二酸化炭素の共重合によるポリカルボナートの製造に使用されるコバルト−ケトイミナト錯体を、以下の式(I):
Figure 2011153186
または式(II):
Figure 2011153186
で表すことができる。上記式(I)および(II)に示されるように、コバルト−ケトイミナト錯体では、イミン部分由来の2個の窒素原子およびケトン部分由来の2個の酸素原子(エノール酸素)が中心金属のコバルトに平面四座配位し、式(I)のコバルト−ケトイミナト錯体についてはアキシアル位にアニオン性配位子Zがさらに配位する。3価コバルトがエポキシド化合物と二酸化炭素の共重合に反応活性を有するため、式(II)のコバルト−ケトイミナト錯体を使用する場合は、例えば反応系中で2価コバルトをヨウ素などで3価に酸化し、必要に応じてアニオン交換により所望のアニオン性配位子Zを導入することによって、エポキシド化合物と二酸化炭素の共重合を行うことができる。
1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択することができる。あるいは、2個のR1および/または2個のR2が互いに結合して、置換または非置換の、飽和もしくは不飽和の脂肪族環または芳香族環を形成してもよい。
1およびR2の置換または非置換のアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖状の置換または非置換のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。アルキル基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルファニル基、シアノ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子、アリール基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
1およびR2の置換または非置換のアリール基としては、炭素数6〜20の置換または非置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基などの置換または非置換のアリール基が挙げられる。アリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
1およびR2の置換または非置換のヘテロアリール基としては、炭素数5〜20の置換または非置換のヘテロアリール基が好ましく、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、ピラリジニル基、キノリル基、イソキノリル基などの置換または非置換のヘテロアリール基が挙げられる。ヘテロアリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
2個のR1および/または2個のR2が互いに結合して、置換または非置換の、飽和もしくは不飽和の脂肪族環または芳香族環を形成してもよい。このような飽和もしくは不飽和の脂肪族環または芳香族環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環などが挙げられる。この場合、環を構成する炭素数が4〜10の置換または非置換の脂肪族環または芳香族環を形成することが好ましい。例えば、R1とR2が−(CH24−を介して互いに結合した場合、シクロヘキサン環を形成する。このように形成された環は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
式(I)または(II)で表されるコバルト−ケトイミナト錯体において、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つは、アンモニウム、ホスホニウム、ビス(ホスホラニリデン)イミニウムおよびイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのオニウム部分を含有する基である。いかなる理論に拘束されるわけではないが、本発明のコバルト−ケトイミナト錯体が高い触媒活性を示す機構は以下のようなものであると考えられている。オニウム部分は共重合中にポリカルボナートの活性末端、すなわちアニオン性のカルボナート末端を捕捉する。そのオニウム部分は、共重合反応の活性金属中心である3価コバルトを含む錯体の分子内にあるため、共重合中、ポリカルボナート末端とコバルトの距離が共重合に適した距離に維持され、その結果、共重合反応がエントロピー的に有利に進行する。
オニウム部分の具体例として、アンモニウム基(−NR6 3 +)、ホスホニウム基(−PR6 3 +)、ビス(ホスホラニリデン)イミニウム基(−P(R62=N+=PR6 3)、下式のイミダゾリウム基:
Figure 2011153186
と、対アニオンXとの組み合わせが挙げられる。R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基から選択することができ、R7は、イミダゾリウム環の炭素上の0〜3個の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基から選択することができる。また、アンモニウム基およびホスホニウム基については、2つのR6がこれらと結合している窒素原子またはリン原子と共に複素環を形成してもよい。Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンであってよい。対アニオンXはエポキシド化合物のエポキシド炭素に対して求核性を有する場合がある。
6およびR7の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などの、直鎖または分岐のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,6−キシリル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基などの置換または非置換のアリール基などが挙げられる。2つのR6がこれらと結合している窒素原子またはリン原子と共に複素環を形成したアンモニウム基およびホスホニウム基の具体例として、ピロリジニウム基、ピペリジニウム基、ピペラジニウム基、ホスホラニウム基などが挙げられる。R6およびR7は、上記アンモニウム基、ホスホニウム基、ビス(ホスホラニリデン)イミニウム基、およびイミダゾリウム基が全体として共重合反応に有利な立体的効果を発揮する、すなわち適切な嵩高さを有するように、選択して組み合わせることができる。
Xの具体例として、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、アセタート、トリフルオロアセタート、トリクロロアセタート、プロピオナート、シクロヘキシルカルボキシラートなどの脂肪族カルボキシラート;ベンゾアート、p−メチルベンゾアート、3,5−ジクロロベンゾアート、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアート、4−ジメチルアミノベンゾアート、4−tert−ブチルベンゾアート、ペンタフルオロベンゾアート、ナフタレンカルボキシラートなどの芳香族カルボキシラート;メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシドなどのアルコキシド;フェノキシド、o−ニトロフェノキシド、p−ニトロフェノキシド、m−ニトロフェノキシド、2,4−ジニトロフェノキシド、3,5−ジニトロフェノキシド、3,5−ジフルオロフェノキシド、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシド、1−ナフトキシド、2−ナフトキシドなどのアリールオキシドなどが挙げられる。Xは、F-、Cl-、Br-、I-、アセタート、トリフルオロアセタート、トリクロロアセタート、ベンゾアート、またはペンタフルオロベンゾアートであることが好ましく、F-、Cl-、Br-、I-、トリフルオロアセタート、トリクロロアセタート、ベンゾアート、またはペンタフルオロベンゾアートであることがより好ましく、F-、Cl-、Br-、I-、ベンゾアート、またはペンタフルオロベンゾアートであることが特に好ましい。
オニウム部分を含有する基は、コバルト−ケトイミナト錯体に1つ以上含まれていればよいが、R3、R4およびR5で表される基のうち2つの基が、それぞれ1つ以上のオニウム部分を含有する基であることが好ましく、R4で表される2つの基が、それぞれ1つ以上のオニウム部分を含有する基であることがより好ましい。
本発明の一実施態様では、オニウム部分は式:−NR6 3X(式中、R6およびXは上記説明したとおりである。)で表されるアンモニウム部分である。−NR6 3 +で表されるアンモニウム基の具体例として、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリヘキシルアンモニウムなどのトリアルキルアンモニウム、トリシクロヘキシルアンモニウムなどのトリシクロアルキルアンモニウム、ジメチルフェニルアンモニウムなどのアルキルアリールアンモニウムなどが挙げられ、トリエチルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジエチルヘキシルアンモニウム、トリヘキシルアンモニウムなどの、炭素数2〜10のトリアルキルアンモニウムが好ましく、対アニオンXについて好適なものは上述したとおりである。
本発明の一実施態様では、少なくとも1つのアンモニウム部分を含む基は、式(III):−R8−(R9−NR6 3X)n(式中、nは1〜3の整数であり、R6およびXは、上記説明したとおりであり、R8は、共有結合または(n+1)価の連結基であり、R9は、共有結合、または鎖中に1以上の酸素原子が含まれてもよい、炭素数1〜12の2価アルキレン基である。)で表される基である。1または複数のアンモニウム部分−NR6 3Xは、2価アルキレン基R9と連結基R8を介してケトイミナト配位子骨格に結合される。連結基R8として様々な化学構造の2、3または4価基を使用でき、その価数のうち1つはケトイミナト配位子骨格との結合に使用され、残りの価数は−(R9−NR6 3X)との結合に使用される。
連結基R8は、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基、アミド基、カルボニル基およびエステル基からなる群から選択される2価基;アルキレン基、アリーレン基、イミノ基もしくはアミド基から水素原子を1個除いて得られる3価基もしくは式:
Figure 2011153186
で表される3価基(式中、R’は、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、および置換または非置換のヘテロアリール基からなる群から選択される);または式:
Figure 2011153186
で表される4価基であることが好ましい。nは1または2であることが好ましい。
9の具体例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基;オキシエチレン基、オキシプロピレン基、ジオキシエチレン基、2−オキサ−ブチレン基、3−オキサペンチレン基などが挙げられる。
8およびR9は、オニウム部分が共重合中のポリカルボナートの活性末端と相互作用する際に、その活性末端と錯体の中心金属であるコバルトとの距離が共重合に有利であるように、適宜選択することができる。R8およびR9の選択は、R8の種類、R9の主鎖の長さ、R8およびR9に含まれる結合の回転の自由度などを考慮して行うことができる。一般に、R9の主鎖を構成する原子数は1〜12であることが好ましく、2〜8であることがより好ましく、3〜6であることが特に好ましい。
オニウム部分を含有する基以外のR3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、置換または非置換のアルコキシ基、アシル基、置換または非置換のアルコキシカルボニル基、置換または非置換のアリールオキシカルボニル基、および置換または非置換のアラルキルオキシカルボニル基からなる群から選択される、あるいは隣り合う炭素原子上のR4とR5が互いに結合して置換または非置換の脂肪族環を形成してもよい。
3、R4およびR5の置換または非置換のアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖状の置換または非置換のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖状の置換または非置換のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。アルキル基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルファニル基、シアノ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子、アリール基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
3、R4およびR5の置換または非置換のアルケニル基としては、炭素数2〜10の直鎖または分岐鎖状のアルケニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖状のアルケニル基、例えば、ビニル基、2−プロペニル基などが挙げられる。アルケニル基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルファニル基、シアノ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子、アリール基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
3、R4およびR5のアリール基としては、炭素数6〜10の置換または非置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基などの置換または非置換のアリール基が挙げられる。アリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
3、R4およびR5の置換または非置換のヘテロアリール基としては、炭素数5〜10の置換または非置換のヘテロアリール基が好ましく、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリミジル基、ピリダジニル基、ピラリジニル基、キノリル基、イソキノリル基などの置換または非置換のヘテロアリール基が挙げられる。ヘテロアリール基は、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ハロゲン原子基、ニトロ基、シアノ基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
3、R4およびR5の置換または非置換のアルコキシ基としては、炭素数1〜20の置換または非置換のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、アダマンチルオキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。アルコキシ基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルファニル基、シアノ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子、アリール基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
3、R4およびR5のアシル基としては、炭素数1〜20のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基などの脂肪族アシル基、ベンゾイル基、3,5−ジメチルベンゾイル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル基、2,6−ジメトキシベンゾイル基、2,4,6−トリメトキシベンゾイル基、2,6−ジイソプロポキシベンゾイル基、1−ナフチルカルボニル基、2−ナフチルカルボニル基、9−アントリルカルボニル基などのアリールアシル基などが挙げられる。
3、R4およびR5の置換または非置換のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20の置換または非置換のアルコキシカルボニル基が好ましく、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基、アダマンチルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基が挙げられる。アルコキシカルボニル基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルファニル基、シアノ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子、アリール基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
3、R4およびR5の置換または非置換のアリールオキシカルボニル基としては、炭素数7〜20の置換または非置換のアリールオキシカルボニル基が好ましく、例えば、フェノキシカルボニル基が挙げられる。アリールオキシカルボニル基は、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
3、R4およびR5の置換または非置換のアラルキルオキシカルボニル基としては、炭素数7〜20のアラルキルオキシカルボニル基が好ましく、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基などが挙げられる。アラルキルオキシカルボニル基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルファニル基、シアノ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシアルキレンオキシ基、例えばメトキシエチレンオキシ基などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
隣り合う炭素原子上のR4とR5は、互いに結合して置換もしくは非置換の脂肪族環を形成してもよく、この場合、炭素数4〜10の置換または非置換の脂肪族環を形成することが好ましい。例えば、R4とR5が−(CH24−を介して互いに結合した場合、シクロヘキセン環を形成する。このように形成された環は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基などのアルコキシ基、フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基、ハロゲン原子などから選択される1または2以上の置換基で置換されていてもよい。
Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である。アニオン性配位子Zはエポキシド化合物のエポキシド炭素に対して求核性を有する場合がある。Zの具体例として、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、アセタート、トリフルオロアセタート、トリクロロアセタート、プロピオナート、シクロヘキシルカルボキシラートなどの脂肪族カルボキシラート;ベンゾアート、p−メチルベンゾアート、3,5−ジクロロベンゾアート、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾアート、4−ジメチルアミノベンゾアート、4−tert−ブチルベンゾアート、ペンタフルオロベンゾアート、ナフタレンカルボキシラートなどの芳香族カルボキシラート;メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシドなどのアルコキシド;フェノキシド、o−ニトロフェノキシド、p−ニトロフェノキシド、m−ニトロフェノキシド、2,4−ジニトロフェノキシド、3,5−ジニトロフェノキシド、3,5−ジフルオロフェノキシド、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノキシド、1−ナフトキシド、2−ナフトキシドなどのアリールオキシドなどが挙げられる。Zは、F-、Cl-、Br-、I-、アセタート、トリフルオロアセタート、トリクロロアセタート、ベンゾアート、またはペンタフルオロベンゾアートであることが好ましく、F-、Cl-、Br-、I-、トリフルオロアセタート、トリクロロアセタート、ベンゾアート、またはペンタフルオロベンゾアートであることがより好ましく、F-、Cl-、Br-、I-、ベンゾアート、またはペンタフルオロベンゾアートであることが特に好ましい。
上述したコバルト−ケトイミナト錯体の中でも、式(IV):
Figure 2011153186
式(V):
Figure 2011153186
または式(VI):
Figure 2011153186
(式中、R6、XおよびZは上記のとおり。)のいずれかで表される、コバルト−ケトイミナト錯体が好ましく、式(V)で表されるコバルト−ケトイミナト錯体が特に好ましい。また、これらのコバルト−ケトイミナト錯体において、R6がn−ブチル基であり、XおよびZがペンタフルオロベンゾアートであることが好ましい。
上記コバルト−ケトイミナト錯体に助触媒をさらに組み合わせた触媒システムを用いて、エポキシド化合物と二酸化炭素の共重合を行うこともできる。助触媒をさらに用いることにより、共重合の反応速度を高める、および/または共重合体の交互規則性を高める、および/または副生成物である環状カルボナートの生成を抑制することができる。
上記コバルト−ケトイミナト錯体と組み合わせることが可能な助触媒の一例は、リンおよび/または窒素を含むカチオンと対アニオンとからなる塩である。そのような助触媒として、[R10 4N]+、[R10 4P]+、[R10 3P=N=PR10 3+(式中、R10は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基である。)および式(VII):
Figure 2011153186
(式中、R10は、上記説明したとおりであり、R11は、イミダゾリウム環の炭素上の0〜3個の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基である。)からなる群から選択されるリンおよび/または窒素を含むカチオンと、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンとの塩を使用できる。
10およびR11の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などの、直鎖または分岐のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,6−キシリル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントリル基などの置換または非置換のアリール基が挙げられる。R10およびR11は、上記カチオン([R10 4N]+、[R10 4P]+、[R10 3P=N=PR10 3+、式(VII)のイミダゾリウム)が全体として共重合反応に有利な立体的効果を発揮する、すなわち適切な嵩高さを有するように、選択して組み合わせることができる。
上記塩を構成するカチオンとして、[R10 4N]+、[R10 3P=N=PR10 3+、または式(VII)のイミダゾリウムを使用することが好ましく、[R10 3P=N=PR10 3+を使用することがより好ましい。
四級アンモニウム[R10 4N]+の具体例として、テトラブチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、トリシクロヘキシルメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウムなどが挙げられる。
四級ホスホニウム[R10 4P]+の具体例として、テトラブチルホスホニウム、テトラヘキシルホスホニウム、テトラシクロヘキシルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、テトラ(メトキシフェニル)ホスホニウムなどが挙げられる。
ビス(ホスホラニリデン)アンモニウム[R10 3P=N=PR10 3+の具体例として、ビス(トリブチルホスホラニリデン)アンモニウム、ビス(エチルジフェニルホスホラニリデン)アンモニウム、ビス(n−ブチルジフェニルホスホラニリデン)アンモニウム、ビス(ジメチルフェニルホスホラニリデン)アンモニウム、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウム、ビス(トリトリルホスホラニリデン)アンモニウム、ビス(トリナフチルホスホラニリデン)アンモニウムなどが挙げられる。これらの中でも、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムが好ましい。
式(VII)のイミダゾリウムの具体例として、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチル−イミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムなどが挙げられる。
上記塩を構成するアニオンとして、Zについて上述したものを挙げることができ、F-、Cl-、Br-、I-、アセタート、トリフルオロアセタート、トリクロロアセタート、ベンゾアート、またはペンタフルオロベンゾアートであることが好ましく、F-、Cl-、Br-、I-、トリフルオロアセタート、トリクロロアセタート、ベンゾアート、またはペンタフルオロベンゾアートであることがより好ましく、F-、Cl-、Br-、I-、ベンゾアート、またはペンタフルオロベンゾアートであることが特に好ましい。
上記カチオンおよびアニオンからなる塩として、例えば、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムアセタート、テトラブチルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムクロリド、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムフルオリド(PPNF)、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムクロリド(PPNCl)、ビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムペンタフルオロベンゾアート(PPNOBzF5)、1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−2,3−ジメチル−イミダゾリウムクロリドなどが挙げられ、PPNF、PPNClおよびPPNOBzF5が好ましい。
上記のコバルト−ケトイミナト錯体を用いたポリカルボナートの合成に使用するエポキシド化合物として、式(VIII):
Figure 2011153186
(式中、R12およびR13は、同一でも異なっていてもよく、H、置換もしくは非置換のアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であるか、またはR12とR13が互いに結合して置換もしくは非置換の環を形成してもよい。)で表されるものが使用できる。
12およびR13のアルキル基として、炭素数1〜10の直鎖または分岐の置換または非置換のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−メチル−1−エチル−n−ペンチル基、1,1,2−トリメチル−n−プロピル基、1,2,2−トリメチル−n−プロピル基、3,3−ジメチル−n−ブチル基、n−ヘプチル基、2−ヘプチル基、1−エチル−1,2−ジメチル−n−プロピル基、1−エチル−2,2−ジメチル−n−プロピル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基などが挙げられ、メチル基であることが好ましい。アルキル基は、例えば、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子、アリール基などから選択される1または複数の置換基で置換されていてもよい。
12およびR13の置換または非置換のアリール基として、置換または非置換の、炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、インデニル基、ナフチル基、テトラヒドロナフチル基などが挙げられ、フェニル基であることが好ましい。アリール基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などの別のアリール基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子などから選択される1または複数の置換基で置換されていてもよい。
12とR13は、互いに結合して置換または非置換の環を形成してもよく、好ましくは炭素数4〜10の、置換または非置換の脂肪族環を形成してもよい。例えば、R12とR13が−(CH24−を介して互いに結合した場合、シクロヘキサン環を形成する。このように形成された環は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、アルコキシ基、アミノ基、カルボキシル基、スルファニル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、ホルミル基、ハロゲン原子などから選択される1または複数の置換基で置換されていてもよい。
そのようなエポキシド化合物として、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、3−フェニルプロピレンオキシド、3,3,3−トリフルオロプロピレンオキシドなどが挙げられ、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、またはそれらの組み合わせが好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはそれらの組み合わせがより好ましい。
エポキシド化合物と二酸化炭素の共重合は、加圧可能な公知の重合反応装置、例えばオートクレーブを用いて行うことができる。共重合の反応温度は、一般に約0℃以上、約120℃以下とすることができ、約20℃以上、約100℃以下であることが好ましく、約40℃以上、約80℃以下であることがより好ましい。共重合を低温で行うと環状カルボナートの生成を抑制でき、高温で行うと反応速度が増加してTOFおよび/またはTONを向上させることができる。本発明のコバルト−ケトイミナト錯体を用いると、高温で共重合を行った場合でも、環状カルボナートの生成を良好に抑制することができるため、高いTOFおよび/またはTONと、高収率の両方を実現することができる。また、重合溶液(溶液重合の場合)または重合生成物(バルク重合の場合)の粘度は温度の上昇に伴い低下するのが一般的であるため、共重合をより高温で行うことが可能な本発明によれば、これらの重合溶液または重合生成物の攪拌効率が上がり、反応容器の単位体積当たりの生産性を向上できる場合がある。
共重合時の二酸化炭素の分圧は、一般に約0.1MPa以上、約10MPa以下とすることができ、約5MPa以下であることが好ましく、約2MPa以下であることがより好ましい。窒素、アルゴンなどの不活性ガスが二酸化炭素と一緒に反応雰囲気中に存在してもよい。
エポキシド化合物と触媒であるコバルト−ケトイミナト錯体のモル比は、一般にエポキシド化合物:コバルト−ケトイミナト錯体=約1000:1以上、約2000:1以上、または約4000:1以上であり、触媒の利用効率などの観点からは、約10000:1以上、または約20000:1以上であることが好ましい。本発明のコバルト−ケトイミナト錯体は、エポキシド化合物:コバルト−ケトイミナト錯体=約25000:1以上、約40000:1以上、約60000:1以上といった、錯体濃度が非常に低い条件で共重合することもできる。錯体濃度が低いと一般に反応時間が長くなるため、エポキシド化合物:コバルト−ケトイミナト錯体=約200000:1以下、または約100000:1以下とすることが一般的である。必要に応じて使用される助触媒の量は、コバルト−ケトイミナト錯体1モルに対して、一般に約0.1〜約10モルとすることができ、約0.5〜約5モルであることが好ましく、約0.8〜約1.2モルであることがより好ましい。
共重合は無溶媒で行ってもよく、必要に応じて溶媒を使用して行ってもよい。使用可能な溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルホルムアミドなどのアミド、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル、プロピレンカルボナート、ジメチルカルボナートなどのカルボナート系溶媒およびそれらの組み合わせを用いることができ、ジクロロメタン、トルエン、ジメチルホルムアミドおよび1,2−ジメトキシエタンが好ましく、ジクロロメタンおよび1,2−ジメトキシエタンがより好ましい。溶媒を使用する場合、その量は、エポキシド化合物1質量部に対して、一般に約0.1〜約100質量部とすることができ、約0.2〜約50質量部であることが好ましく、約0.5〜約20質量部であることがより好ましい。
所望量のエポキシド化合物が重合した後、公知の後処理を行うことができる。例えば、塩酸、メタノール、塩酸/メタノール混合物などを反応停止剤として反応混合物に投入し、必要に応じて昇温および/または攪拌して反応を終了することができる。その後、例えば、貧溶媒としてメタノール、ヘキサンなどを用いてポリマーを再沈殿してもよく、ソックスレー抽出器を利用して固体状混合物から錯体を抽出してもよい。また、カラムクロマトグラフィーなどの周知の手段を用いて、ポリマーをさらに精製してもよい。
以下の実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例で得られた化合物の1H NMRスペクトルの測定は、JEOL社製JNM−ECP500(500MHz)を用いて行った。ポリカルボナートの分子量測定は、ジーエルサイエンス社製高速液体クロマトグラフィーシステム(DG660B・PU713・UV702・RI704・CO631A)とSHODEX社製KF−804Fカラム2本を用いてテトラヒドロフランまたはクロロホルムを溶出液として(40℃,1.0mL/分)、ポリスチレン標準を基準に換算して測定し、解析ソフトウェア(Scientific Software社製 EZChrom Elite)で処理して求めた。
(1)錯体の調製
以下の合成例に溶媒として使用したヘキサン、ジエチルエーテル、塩化メチレンは関東化学株式会社から入手した脱水グレードの試薬をGlass Contour社製溶媒精製装置に通したものを使用した。メタノール、エタノール、アセトニトリルは脱水グレードの試薬を関東化学から入手しそのまま使用した。
オルトギ酸トリエチル、無水酢酸、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ヨウ化ナトリウム、酢酸コバルト、ヨウ素、4−N,N’−ジメチルアミノピリジン(以下DMAP)、2−クロロエタノール、エピクロロヒドリン、無水塩化コバルトは関東化学から入手した。硫酸水素テトラn−ブチルアンモニウム、トリフルオロボラン・ジエチルエーテル錯体は東京化成工業株式会社から入手した試薬をそのまま使用した。トリn−ブチルアミンは和光純薬株式会社から購入したものをそのまま用いた。trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン、テトラフルオロホウ酸銀はAldrich社から入手した試薬をそのまま使用した。
以下の錯体合成において原料に用いられるアセト酢酸(4−ヨードブチル)(Tetrahedron, 2003, 59, p.3769)、1,7−ジクロロ−4−ヘプタノール(J. Org. Chem., 1972, 37, p.4214)、trans−N,N’−ビス(2−エトキシカルボニル−3−オキソブチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミン(化合物7)(Inorganica Chimica Acta, 1997, 255, p.295)、ペンタフルオロ安息香酸銀(Dalton Trans., 2006, p.5536)は文献に従って調製したものを使用した。
合成例A:コバルトケトイミナト錯体6の合成
A−1:ケトイミナト配位子4の合成
Figure 2011153186
アセト酢酸(4−ヨードブチル)15.9g、オルトギ酸トリエチル10.0g、無水酢酸17.1gを140℃で5時間撹拌した。その後、40mmHg、40℃で低沸点成分を減圧留去した。残留物を減圧蒸留し、73℃/0.05mmHgの成分を集め、化合物2 12.9gを薄黄色オイルとして得た(収率68%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ7.62(s,1H),4.28−4.23(t,2H),4.22−4.17(m,2H),3.26(s,3H),3.20(s,3H),1.38−1.25(m,7H)ppm
Ar雰囲気下、trans−1,2−ジアミノシクロヘキサン2.16g、化合物2 12.9g、DMAP0.15gをメタノール200mLに溶解し、50℃で4時間撹拌した。揮発分を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1、Rf=0.25)で精製したところ、化合物3 8.79gを黄色固体として得た(収率66%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ10.96(br,2H),7.77(s,2H),4.11−4.07(m,4H),2.40(s,6H),3.22−3.19(m,2H)ppm
Ar雰囲気下、化合物3 6.4g、トリn−ブチルアミン8.8mLをアセトニトリル70mL中、90℃で48時間撹拌した。揮発分を減圧留去した後、残留物をジエチルエーテル40mLで洗浄したところ、薄茶色粉末を得た。これをエタノール100mLに溶解させ、テトラフルオロホウ酸銀3.6gを加え、暗所下、室温で18時間撹拌した。反応溶液をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧濃縮したところ、褐色オイルを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:エタノール=10:1、Rf=0.51)で精製し、配位子4 6.95gを黄褐色粉末として得た(収率76%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ10.98(br,2H),7.78(s,2H),4.13−4.11(m,4H),3.65(t,2H),3.09−3.06(t,20H),2.44(s,6H),2.15−2.13(m,2H),1.85−1.82(m,4H),1.74−1.68(m,18H),1.45−1.39(m,12H),1.26(m,4H),1.00(t,9H)ppm
A−2:コバルト−ケトイミナト錯体6の合成
Ar雰囲気下、配位子4 248mgをメタノール10mLに溶解させ、酢酸コバルト44.3mgを加え、3時間還流した。揮発分を減圧留去したところ、茶色固体を得た。これを塩化メチレン10mLに溶解させ、ヨウ素32mgを加え、暗所下、室温で2時間撹拌した。揮発分を減圧留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1、Rf=0.44)で精製し、コバルト−ケトイミナト錯体5 200mgを茶色粉末として得た(収率68%)。
1H NMR(DMSO−d6,500MHz,)δ7.82(s,2H),4.19−4.14(m,4H),3.70(t,2H),3.10−3.05(t,20H),2.42(s,6H),2.15−2.12(m,2H),1.87−1.84(m,4H),1.74−1.65(m,18H),1.44−1.39(m,12H),1.26(m,4H),1.02(t,9H)ppm
Ar雰囲気下、コバルト−ケトイミナト錯体5 200mgを塩化メチレン10mLに溶解させ、ペンタフルオロ安息香酸銀55mg、ペンタフルオロ安息香酸ナトリウム80mgを加え、暗所下、室温で12時間撹拌した。反応溶液をセライトを用いてろ過し、セライト上の固体をさらに塩化メチレン10mLで洗浄した。集めたろ液を減圧濃縮し、残留物を塩化メチレン/ヘキサンを用いて再沈殿させたところ、コバルト−ケトイミナト錯体6 195mgを緑色粉末として得た(収率76%)。
1H NMR(DMSO−d6,500MHz,)δ7.83(s,2H),4.19−4.14(m,4H),3.70(t,2H),3.10−3.05(t,20H),2.43(s,6H),2.15−2.12(m,2H),1.87−1.84(m,4H),1.74−1.66(m,18H),1.44−1.39(m,12H),1.26(m,4H),1.01(t,9H)ppm
合成例B:コバルト−ケトイミナト錯体12の合成
Figure 2011153186
B−1:ケトイミナト配位子10の合成
1,7−ジクロロ−4−ヘプタノール1.22g、化合物7 1.2g、DMAP10mgを1,2−ジクロロエタン50mL、シクロヘキサン50mLに溶解させ、15時間還流した。揮発分を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1、Rf=0.31)で精製し、化合物8 1.54gを薄黄色固体として得た(収率69%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ10.96(br,2H),7.81(s,2H),4.90(m,2H),3.48(t,8H),3.37−3.34(m,2H),2.45(s,6H),1.98−1.86(m,4H),1.88−1.61(m,20H)ppm
Ar雰囲気下、化合物8 3.09g、ヨウ化ナトリウム6.89gをアセトニトリル50mLに溶解させ、90℃で48時間撹拌した。水60mLを加え、塩化メチレン50mLを用いて3回抽出を行い、集めた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、揮発分を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1、Rf=0.5)で精製し、化合物9 3.01gを薄黄色固体として得た(収率62%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ11.00(br,2H),7.78(s,2H),4.83(m,2H),3.30−3.22(m,2H),3.07(t,8H),2.44(s,6H),2.01−1.86(m,4H),1.75−1.59(m,20H)ppm
Ar雰囲気下、化合物9 2.23g、トリn−ブチルアミン5.2mLをアセトニトリル40mLに溶解させ、90℃で48時間撹拌した。揮発分を減圧留去した後、残留物をジエチルエーテル10mLで洗浄したところ、薄茶色固体を得た。この固体をエタノール20mLに溶解させ、テトラフルオロホウ酸銀1.8gを加え、暗所下で24時間撹拌した。反応溶液をセライトを用いてろ過し、ろ液を濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1、Rf=0.51)で精製し、配位子10 1.75gを薄黄色固体として得た(収率47%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ10.91(br,2H),7.80(s,2H),5.01(m,2H),3.77(br,2H),3.30−2.96(m,36H),2.44(s,6H),2.10−1.80(m,4H),1.70−1.20(m,64H),0.86(t,36H)ppm
B−2:コバルト−ケトイミナト錯体12の合成
Ar雰囲気下、配位子10 846mgをエタノール10mLに溶解させ、トリエチルアミン0.16mLを加え、1時間撹拌した後、酢酸コバルト89mgを加え、50℃で20時間撹拌した。揮発分を減圧留去した後、残留物を水5mL、ジエチルエーテル5mLで洗浄し、赤色固体を得た。これを塩化メチレンに溶解させ、ヨウ素65mgを加え、暗所下、室温で2時間撹拌した。揮発分を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1、Rf=0.05)で精製し、コバルト−ケトイミナト錯体11 661mgを赤茶色固体として得た(収率58%)。
1H NMR(DMSO−d6,500MHz,)δ7.79(s,2H),5.00(m,2H),3.50(br,2H),3.35−2.95(m,32H),2.54(s,6H),1.95−1.80(m,4H),1.75−1.20(m,68H),0.90(t,36H)ppm
Ar雰囲気下、コバルト−ケトイミナト錯体11 661mgを塩化メチレン30mLに溶解させ、ペンタフルオロ安息香酸銀129mg、ペンタフルオロ安息香酸ナトリウム386mgを加え、暗所下、室温で36時間撹拌した。反応溶液をセライトを用いてろ過し、セライト上の固体をさらに塩化メチレン10mLで洗浄した。集めたろ液を減圧濃縮し、残留物を塩化メチレン/ヘキサンを用いて再沈殿させたところ、コバルト−ケトイミナト錯体12 380mgを暗緑色粉末として得た(収率43%)。
1H NMR(DMSO−d6,500MHz)δ7.79(s,2H),4.90(m,2H),3.50(br,2H),3.35−2.95(m,32H),2.54(s,6H),2.01−1.80(m,4H),1.75−1.16(m,68H),0.91(t,36H)ppm
合成例C:コバルトケトイミナト錯体19の合成
Figure 2011153186
C−1:ケトイミナト配位子17の合成
2−クロロエタノール0.87mL、トリブチルアミン3.2mL、ヨウ化ナトリウム2.02gを、アセトニトリル12mL中で、90℃で24時間撹拌した。沈殿をろ過し、ろ液を減圧濃縮後、塩化メチレン20mLに溶解させ、飽和塩化アンモニウム水溶液10mLで2回洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、揮発分を減圧留去したところ、化合物13 3.54gを薄黄色オイルとして得た(収率76%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ4.55(s,1H),4.09(t,2H),3.59(t,2H),3.39(t,6H),1.69(m,6H),1.43(m,6H),1.00(t,9H)ppm
水酸化ナトリウム2.0gを水5.0mLに溶解させ、エピクロロヒドリン2.5mL、硫酸水素テトラn−ブチルアンモニウム0.34gを溶解させ、化合物13 3.68gを1時間かけて加えた。室温で15時間撹拌した後、反応溶液を氷水30mLに注いだ。塩化メチレン10mLを用いて3回抽出した後、有機層を飽和食塩水10mLで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。揮発分を減圧濃縮したところ、化合物14 2.83gを薄黄色オイルとして得た(収率66%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ4.01(m,3H),3.85(t,2H),3.34(t,6H),3.31(m,1H),3.15(m,1H),2.83(m,1H),2.60(m,1H),1.66(m,6H),1,42(m,6H),1.02(t,9H)ppm
Ar雰囲気下、化合物14 2.5gを塩化メチレン10mLに溶解させ、トリフルオロボラン・ジエチルエーテル錯体0.045mLを加え室温で撹拌した。そこに、化合物13 2.82gを塩化メチレン10mLに溶解させた溶液を1時間かけて、滴下した。滴下終了後、40℃で6時間撹拌し、反応溶液を飽和重曹水10mL、水10mLで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、揮発分を減圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1、Rf=0.47)で精製し、化合物15 5.06gを薄黄色オイルとして得た(収率96%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ4.40(s,1H),4.09(t,2H),4.02(t,2H),3.89(m,1H),3.70(m,2H),3.57(m,2H),3.40(m,12H),3.31(m,4H),1.67(m,12H),1.43(m,12H),1.00(t,18H)ppm
化合物7 0.84g、化合物15 3.53g、DMAP20mgを1,2−ジクロロエタン50mL、シクロヘキサン50mLに溶解させ、40時間還流させた。揮発分を減圧留去した後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=15:1、Rf=0.30)で精製したところ、化合物16 2.72gを薄黄色固体として得た(収率64%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ10.99(br,2H),7.80(s,2H),5.11(m,2H),4.10−4.05(m,8H),3.70−3.57(m,8H),3.43−3.35(m,26H),3.31−3.20(m,8H),2.50(s,6H),1.95−1.88(m,4H),1.67−1.43(m,52H),1.04(t,36H)ppm
Ar雰囲気下、化合物16 2.14gをエタノール20mLに溶解させ、テトラフルオロホウ酸銀905mgを加え、暗所下で24時間撹拌した。反応溶液をセライトを用いてろ過し、ろ液を濃縮後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1、Rf=0.29)で精製し、配位子17 1.85gを薄茶色固体として得た(収率94%)。
1H NMR(CDCl3,500MHz,)δ10.90(br,2H),7.91(s,2H),5.10(m,2H),4.11−4.05(m,8H),3.80−3.66(m,8H),3.43−3.30(m,26H),3.21−3.15(m,8H),2.73(s,6H),2.01−1.89(m,4H),1.66−1.33(m,52H),0.95(t,36H)ppm
C−2:コバルト−ケトイミナト錯体19の合成
Ar雰囲気下、配位子17 1.0gをメタノール10mLに溶解させ、Arをバブリングしながら50℃に加温した。そこにトリエチルアミン0.22mLを加え、1時間撹拌した後、無水塩化コバルト78mgを加え、50℃で2時間撹拌した。生じた赤色沈殿をろ過し、沈殿を冷メタノール水溶液(50%v/v)で洗浄した。赤色沈殿を塩化メチレン10mLに溶解させ、ヨウ素76mgを加え、暗所下、室温で5時間撹拌した。揮発分を減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=10:1、Rf=0.19)で精製し、コバルト−ケトイミナト錯体18 701mgを赤茶色固体として得た(収率63%)。
1H NMR(DMSO−d6,500MHz,)δ7.88(s,2H),5.20−5.10(m,2H),4.11−4.02(m,8H),3.80−3.69(m,8H),3.51−3.33(m,26H),3.21−3.15(m,8H),2.64(s,6H),1.98−1.83(m,4H),1.70−1.32(m,52H),0.99(t,36H)ppm
Ar雰囲気下、コバルト−ケトイミナト錯体18 700mgを塩化メチレン10mLに溶解させ、ペンタフルオロ安息香酸銀120mg、ペンタフルオロ安息香酸ナトリウム352mgを加え、暗所下、室温で28時間撹拌した。反応溶液をセライトを用いてろ過し、セライト上の固体をさらに塩化メチレン10mLで洗浄した。集めたろ液を減圧濃縮し、残留物を塩化メチレン/ヘキサンを用いて再沈殿させたところ、コバルト−ケトイミナト錯体19 200mgを暗緑色粉末として得た(収率22%)。
1H NMR(DMSO−d6,500MHz,)δ7.88(s,2H),5.09−5.00(m,2H),4.13−4.08(m,8H),3.75−3.61(m,8H),3.51−3.30(m,26H),3.21−3.15(m,8H),2.64(s,6H),1.94−1.83(m,4H),1.66−1.34(m,52H),1.00(t,36H)ppm
(2)重合反応の実施
以下の重合実験に使用したプロピレンオキシドは、東京化成工業から入手した試薬を水素化カルシウムで脱水後、アルゴン雰囲気下で蒸留して得られたものであり、エチレンオキシドはエアウォーター株式会社から入手したものをそのまま使用した。重合溶媒として用いたプロピレンカルボナートは和光純薬株式会社から購入したものを、活性化したモレキュラーシーブス5Aを用いて脱水したものを用いた。
各金属錯体の触媒活性は金属1mol当たり、1時間当たりのエポキシドのポリマーへの転化量(mol)(以下TOF)、または、錯体(共触媒含む)1g当たりのポリマーの収量(g)(以下TON)によって評価した。
選択性は、反応溶液の1H NMRスペクトルの積分値から以下のようにして算出した。
ポリプロピレンカルボナート:
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=[5.0ppmの積分値]:[4.5ppmの積分値]:[3.5ppmの積分値]
ポリエチレンカルボナート:
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=[4.2ppmの積分値]:[4.5ppmの積分値]:[3.6ppmの積分値]
収率は生成物の重量から以下のようにして算出した。
収率(%)=[単離したポリマーの重量]/[仕込みエポキシドがすべて重合したと仮定した際の重量]×100
仕込みエポキシドがすべて反応したと仮定した際の重量=
[エポキシドの重量]×[(エポキシドの分子量)+(二酸化炭素の分子量)]/[エポキシドの分子量]
例1
内容積50mLのステンレス製オートクレーブにコバルト−ケトイミナト錯体6 1.3mgを入れ、Ar雰囲気に置換した後、プロピレンオキシド1.5mL、二酸化炭素1.4MPaを仕込み、60℃で12時間反応させた。1H NMRを測定した後、内容物を塩化メチレンに溶解させ、1N塩酸で洗浄後、メタノールを用いて析出させ、白色固体を0.27g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=95:5:0、収率:12%、TOF:200h-1、TON:201g/g−cat、Mn=42700、Mw/Mn=1.22
例2
コバルト−ケトイミナト錯体6の量を1.0mgにした以外は例1と同様の方法で重合を行い、ポリマーを0.32g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=98:2:0、収率14%、TOF:300h-1、TON:234g/g−cat、Mn=44500、Mw/Mn=1.08
例3
プロピレンオキシドの量を6.0mLにした以外は例1と同様の方法で重合を行い、ポリマーを1.86g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=94:6:0、収率42%、TOF:350h-1、TON:291g/g−cat、Mn=51100、Mw/Mn=1.13
例4
コバルト−ケトイミナト錯体6の量を5.3mg、プロピレンオキシドの量を1.0mL、重合時間を1時間にした以外は例1と同様の方法で重合を行い、ポリマーを0.23g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=97:3:0、収率16%、TOF:628h-1、TON:44g/g−cat、Mn=14900、Mw/Mn=1.28
例5
コバルト−ケトイミナト錯体6の量を2.6mg、重合温度を80℃、重合時間を3時間にした以外は例1と同様の方法で重合を行ったところ粘性オイルを得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=22:78:0、収率2.8%、TOF:95h-1、TON:24g/g−cat、Mn=4900、Mw/Mn=1.10
例6
コバルト−ケトイミナト錯体6をコバルト−ケトイミナト錯体12 1.3mgに変え、プロピレンオキシドの量を1.0mLにした以外は例1と同様の方法で重合を行い、ポリマーを0.30g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=97:3:0、収率20%、TOF:416h-1、TON:226g/g−cat、Mn=36100、Mw/Mn=1.54
例7
重合温度を70℃にした以外は例6と同様の方法で重合を行い、ポリマーを0.31g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=88:12:0、収率21%、TOF:437h-1、TON:236g/g−cat、Mn=85200、Mw/Mn=1.74
例8
重合温度を80℃にした以外は例6と同様の方法で重合を行い、ポリマーを0.13g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=54:46:0、収率9%、TOF:187h-1、TON:101g/g−cat、Mn=10200、Mw/Mn=1.40
例9
コバルト−ケトイミナト錯体12をコバルト−ケトイミナト錯体19 1.4mgに変え、例6と同様の方法で重合を行い、ポリマーを0.28g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=96:4:0、収率19%、TOF:395h-1、TON:197g/g−cat、Mn=51400、Mw/Mn=1.80
例10
重合温度を80℃にした以外は例9と同様の方法で重合を行い、粘性オイルを得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=37:63:0、収率8%、TOF:170h-1、TON:84g/g−cat、Mn=4400、Mw/Mn=1.18
例11
内容積50mLのステンレス製オートクレーブにコバルト−ケトイミナト錯体6 4.0mgを入れ、Ar雰囲気に置換した後、エチレンオキシド4.92g、二酸化炭素2.0MPaを仕込み、60℃で14時間反応させた。1H NMRを測定した後、内容物を塩化メチレンに溶解し、1N塩酸で洗浄後、メタノールを用いて沈殿させ、白色固体を1.56g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=98:2:0、収率16%、TOF:477h-1、TON:390g/g−cat、Mn=37800、Mw/Mn=1.26
例12
コバルト−ケトイミナト錯体6の量を3.2mg、エチレンオキシドの量を1.50g、重合温度を80℃、重合時間を12時間に変え、例11と同様の方法で重合を行い、ポリマーを0.2g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=46:49:5、収率:7%、TOF:86h-1、TON:61g/g−cat、Mn=8300、Mw/Mn=1.41
例13
コバルト−ケトイミナト錯体6の量を2.2mg、エチレンオキシドの量を1.88g、重合時間を70時間にした以外は例11と同様の方法で重合を行い、ポリマーを1.87g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=70:30:0、収率:50%、TOF:199h-1、TON:850g/g−cat、Mn=50300、Mw/Mn=1.29
例14
コバルト−ケトイミナト錯体6の量を22mg、エチレンオキシドの量を1.30g、溶媒にプロピレンカルボナートを5.0mL用い、重合時間を12時間にした以外は例11と同様の方法で重合を行い、ポリマーを2.0g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=78:22:0、収率:77%、TOF:128h-1、TON:90g/g−cat、Mn=13100、Mw/Mn=1.18
例15
コバルト−ケトイミナト錯体6の量を4.0mg、エチレンオキシドの量を1.15g、プロピレンカルボナートの量を1.0mL、重合時間を24時間にした以外は例14と同様の方法で重合を行い、ポリマーを1.27g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=93:7:0、収率:55%、TOF:229h-1、TON:318g/g−cat、Mn=31000、Mw/Mn=1.25
例16
コバルト−ケトイミナト錯体6をコバルト−ケトイミナト錯体12 6.0mgに変え、エチレンオキシドの量を7.04g、重合時間を12時間にした以外は例11と同様の方法で重合を行い、ポリマーを1.55g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=99:1:0、収率:11%、TOF:587h-1、TON:258g/g−cat、Mn=39000、Mw/Mn=1.15
例17
コバルト−ケトイミナト錯体12の量を6.4mg、エチレンオキシドの量を2.45g、重合温度を80℃にした以外は例16と同様の方法で重合を行い、ポリマーを0.93g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=81:19:0、収率:19%、TOF:316h-1、TON:145g/g−cat、Mn=41000、Mw/Mn=1.20
比較例1
下式に表されるコバルト錯体20 2.3mgと共触媒としてビス(トリフェニルホスホラニリデン)アンモニウムクロリド(以下PPNCl)を2.0mg用いた以外は例4と同様の方法で重合を行い、ポリマーを0.12g得た。
Figure 2011153186
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=73:27:0、収率8%、TOF:320h-1、TON:28g/g−cat、Mn=9900、Mw/Mn=1.09
比較例2
重合温度を80℃、重合時間を1時間にした以外は、比較例1と同様の方法で重合を行い、無色オイルを得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=20:80:0、収率3%、TOF:127h-1、TON:11g/g−cat、Mn=1300、Mw/Mn=1.05
比較例3
錯体の量を半分、プロピレンオキシドの量を3.1mL、重合時間を12時間にした以外は比較例1と同様の方法で重合を行い、無色オイルを得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=12:88:0、収率0.6%、TOF:12h-1、TON:6g/g−cat、Mn=980、Mw/Mn=1.01
比較例4
コバルト錯体20 1.0mg、共触媒にPPNF 1.1mgを用い、エチレンオキシドの量を1.77g用いた以外は例11と同様の方法で重合をしたところ、ポリマーを0.13g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=50:50:0、収率4%、TOF:83h-1、TON:61g/g−cat、Mn=7000、Mw/Mn=1.12
比較例5
重合温度を80℃にした以外は比較例4と同様の方法で重合を行い、白色結晶を得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=5:95:0
比較例6
コバルト錯体20 7.2mg、PPNF 7.9mg、エチレンオキシドの量を1.0g、溶媒としてプロピレンカルボナートを5.0mL使用した以外は、例14と同様の方法で重合を行い、無色オイルを0.12g得た。
ポリカルボナート:環状カルボナート:ポリエーテル=33:67:0、収率6%、TOF:11h-1、TON:7.9g/g−cat、Mn=2900、Mw/Mn=1.09
Figure 2011153186
従来の錯体20を用いた以外は反応条件を同じにした比較例1と比べると、錯体6を用いた例4ではTOF、TON、選択性のいずれも大幅に向上している。また、例1〜3のように、プロピレンオキシド/コバルト−ケトイミナト錯体のモル比([PO]/[Co])を非常に大きく、すなわち錯体濃度を非常に小さくした場合でも、TOFおよび選択性は高い水準に維持され、そのため非常に高いTONを達成できる。錯体12、錯体19についても同様に、[PO]/[Co]を非常に大きくした場合でも、高いTOF、TON、選択性が達成できる(例6、例9)。これらの結果は、比較例3において[PO]/[Co]=25000としたときに、ポリカルボナートの選択性が12%であったこととは対照的である。
また、本発明のコバルト−ケトイミナト錯体は比較的高温でも触媒活性を有することに特徴がある。特に錯体12の高温条件下での触媒活性は高い(例7、例8)。比較例2では、[PO]/[Co]=4000と、例5の[PO]/[Co]=10000、例8および例10の[PO]/[Co]=25000よりも錯体濃度が2倍以上高いにもかかわらず、ポリカルボナートの選択性は最も低かった。
Figure 2011153186
エチレンオキシドをエポキシド化合物として用いた場合も、本発明のコバルト−ケトイミナト錯体は非常に高い触媒活性、すなわち高いTOF、TONおよび/または選択性を示す。比較例4および6と、表1の結果の比較から分かるように、従来の錯体20はエチレンオキシドと二酸化炭素の共重合における触媒活性、特にTOFおよびTONが低い。特に、本発明のコバルト−ケトイミナト錯体は、比較的低い錯体濃度で使用したときに、非常に高いTOFおよび選択性を示す(例11、例16)。また、ポリ(プロピレンカルボナート)の場合と同様に、本発明のコバルト−ケトイミナト錯体は、比較的高温であってもポリ(エチレンカルボナート)を製造するのに十分な触媒活性を有している(例12、17)。
このように、本発明のコバルト−ケトイミナト錯体は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなどの様々なエポキシド化合物に対して高い触媒活性を示し、その多用途性は従来見られなかったものである。また、本発明のコバルト−ケトイミナト錯体は比較的高温でも使用できることから、温度に関する工程許容度が広く、大量生産時のプロセス設計の自由度を高めることができる。
本発明は、二酸化炭素を炭素源として利用したポリカルボナートを工業的に製造するのに非常に有用である。また、本発明によって得られる脂肪族ポリカルボナートは、例えば光学材料、熱分解性材料、医用材料、生分解性樹脂などとして、様々な用途で利用することができる。

Claims (12)

  1. 式(I):
    Figure 2011153186
    または式(II):
    Figure 2011153186
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるか、あるいは2個のR1および/または2個のR2が互いに結合して、置換または非置換の、飽和もしくは不飽和の脂肪族環または芳香族環を形成してもよく;R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、アンモニウム、ホスホニウム、ビス(ホスホラニリデン)イミニウムおよびイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのオニウム部分を含有する基であり、残りのR3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、置換または非置換のアルコキシ基、アシル基、置換または非置換のアルコキシカルボニル基、置換または非置換のアリールオキシカルボニル基、および置換または非置換のアラルキルオキシカルボニル基からなる群から選択されるか、あるいは隣り合う炭素原子上のR4とR5が互いに結合して置換または非置換の脂肪族環を形成してもよく;Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である。)で表されるコバルト−ケトイミナト錯体を用いて、エポキシド化合物と二酸化炭素を共重合させることを特徴とする、ポリカルボナートの製造方法。
  2. 前記式(I)または(II)において、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、式:−NR6 3X(式中、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく;Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンである。)で表される少なくとも1つのアンモニウム部分を含有する基である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記式(I)または(II)において、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、式(III):−R8−(R9−NR6 3X)n(式中、nは1〜3の整数であり、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく、R8は、共有結合または(n+1)価の連結基であり、R9は、共有結合、または鎖中に1以上の酸素原子が含まれてもよい、炭素数1〜12の2価アルキレン基であり、Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンである。)で表される基である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記コバルト−ケトイミナト錯体が、式(IV):
    Figure 2011153186
    式(V):
    Figure 2011153186
    または式(VI):
    Figure 2011153186
    (式中、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく、Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンであり、Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である。)のいずれかで表される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記エポキシド化合物が、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシドおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. [R10 4N]+、[R10 4P]+、[R10 3P=N=PR10 3+および式(VII):
    Figure 2011153186
    (式中、R10は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、R11は、イミダゾリウム環の炭素上の0〜3個の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基である。)からなる群から選択されるリンおよび/または窒素を含むカチオンと、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンとの塩からなる助触媒を前記コバルト−ケトイミナト錯体と組み合わせて用いて、エポキシド化合物と二酸化炭素を共重合させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 式(I):
    Figure 2011153186
    または式(II):
    Figure 2011153186
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるか、あるいは2個のR1および/または2個のR2が互いに結合して、置換または非置換の、飽和もしくは不飽和の脂肪族環または芳香族環を形成してもよく;R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、アンモニウム、ホスホニウム、ビス(ホスホラニリデン)イミニウムおよびイミダゾリウムからなる群から選択される少なくとも1つのオニウム部分を含有する基であり、残りのR3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアリール基、置換または非置換のヘテロアリール基、置換または非置換のアルコキシ基、アシル基、置換または非置換のアルコキシカルボニル基、置換または非置換のアリールオキシカルボニル基、および置換または非置換のアラルキルオキシカルボニル基からなる群から選択されるか、あるいは隣り合う炭素原子上のR4とR5が互いに結合して置換または非置換の脂肪族環を形成してもよく;Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である。)で表されるコバルト−ケトイミナト錯体。
  8. 前記式(I)または(II)において、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、式:−NR6 3X(式中、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく;Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンである。)で表される少なくとも1つのアンモニウム部分を含有する基である、請求項7に記載のコバルト−ケトイミナト錯体。
  9. 前記式(I)または(II)において、R3、R4およびR5で表される基のうち少なくとも1つが、式(III):−R8−(R9−NR6 3X)n(式中、nは1〜3の整数であり、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく、R8は、共有結合または(n+1)価の連結基であり、R9は、共有結合、または鎖中に1以上の酸素原子が含まれてもよい、炭素数1〜12の2価アルキレン基であり、Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンである。)で表される基である、請求項8に記載のコバルト−ケトイミナト錯体。
  10. 式(IV):
    Figure 2011153186
    式(V):
    Figure 2011153186
    または式(VI):
    Figure 2011153186
    (式中、R6は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、および置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基からなる群から選択されるか、あるいは2つのR6がこれらと結合している窒素原子と共に複素環を形成してもよく、Xは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンであり、Zは、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオン性配位子である。)のいずれかで表される、請求項9に記載のコバルト−ケトイミナト錯体。
  11. 6がn−ブチル基であり、XおよびZがペンタフルオロベンゾアートである、請求項10に記載のコバルト−ケトイミナト錯体。
  12. [R10 4N]+、[R10 4P]+、[R10 3P=N=PR10 3+および式(VII):
    Figure 2011153186
    (式中、R10は、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、R11は、イミダゾリウム環の炭素上の0〜3個の置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数6〜20のアリール基である。)からなる群から選択されるリンおよび/または窒素を含むカチオンと、F-、Cl-、Br-、I-、N3 -、脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、アルコキシド、およびアリールオキシドからなる群から選択されるアニオンとの塩からなる助触媒を、請求項7〜11のいずれか1つに記載のコバルト−ケトイミナト錯体と組み合わせた触媒システム。
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