JP2011151711A - オペアンプ回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】差動入力信号の伝達遅延時間を小さくすることができるオペアンプ回路を提供することである。
【解決手段】本発明にかかるオペアンプ回路10は、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12を備える第1の差動入力部1と、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12よりもトランジスタサイズが大きい第2の差動対を構成するトランジスタ21、22を備える第2の差動入力部2と、第1および第2の差動入力部1、2からの出力に応じて信号を生成する中間段3と、中間段3で生成された信号に応じて出力信号を生成する出力段トランジスタMP1、MN1を備えた出力段8と、中間段3で生成された信号に応じて、第1の差動入力部1を使用する場合または第1の差動入力部1および第2の差動入力部2を使用する場合のいずれかを選択する差動入力部選択回路と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明にかかるオペアンプ回路10は、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12を備える第1の差動入力部1と、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12よりもトランジスタサイズが大きい第2の差動対を構成するトランジスタ21、22を備える第2の差動入力部2と、第1および第2の差動入力部1、2からの出力に応じて信号を生成する中間段3と、中間段3で生成された信号に応じて出力信号を生成する出力段トランジスタMP1、MN1を備えた出力段8と、中間段3で生成された信号に応じて、第1の差動入力部1を使用する場合または第1の差動入力部1および第2の差動入力部2を使用する場合のいずれかを選択する差動入力部選択回路と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明はオペアンプ回路に関し、特に複数の差動入力部を備えるオペアンプ回路に関する。
近年、液晶表示装置等に利用されるLCDパネルは大型化および高精細化してきている。その流れの中で、LCDパネルへの書き込み動作の高速化に対応するために、液晶駆動装置内のガンマ補正回路から出力オペアンプへの信号伝達時間の短縮の要求が高まってきている。
図9は、一般的な液晶表示装置のブロック図である。図9の液晶表示装置100は、LCDパネル101とソースドライバ102とで構成されている。ソースドライバ102は、画像データ103を取り込むデータレジスタ104と、STB信号105に同期してデジタル表示信号をラッチするラッチ回路106と、並列n段のD/Aコンバータ108と、液晶の特性に応じたガンマ変換特性をもつガンマ補正回路107と、D/Aコンバータ108から出力される電圧をバッファする出力オペアンプ回路110を備える出力オペアンプ部109とを有する。
図10は、特許文献1に開示されている差動増幅回路(オペアンプ回路)を説明するための回路図である。図10に示すように、特許文献1に開示されている差動増幅回路は、P型トランジスタ201〜207と、N型トランジスタ208、209とを備える。P型トランジスタ201のソースは電源と接続されており、ゲートにはバイアス電圧が供給される。P型トランジスタ201のドレインはP型トランジスタ202、205、204、207のソースとそれぞれ接続されている。
P型トランジスタ202、205のゲートには、それぞれ出力駆動制御回路210から出力されるスイッチ制御信号が供給される。また、P型トランジスタ202、205のドレインは、それぞれP型トランジスタ203、206のソースと接続されている。また、P型トランジスタ203、204のゲートには第1入力信号IN1が供給され、P型トランジスタ206、207のゲートには第2入力信号IN2が供給される。P型トランジスタ203、204のドレインはN型トランジスタ208のドレインおよびゲート、N型トランジスタ209のゲートと接続されている。また、P型トランジスタ206、207のドレインはN型トランジスタ209のドレインと接続されている。N型トランジスタ208、209のソースは接地電位と接続されている。また、N型トランジスタ209のドレインから差動出力信号OUTが出力される。出力駆動制御回路210は入力信号レベルが規定値になったことを検出して出力のレベルを反転する回路である。
図11は、特許文献1に開示されている差動増幅回路(オペアンプ回路)の動作を説明するためのタイミングチャートである。図10に示す差動増幅回路では、バイアス電圧をP型トランジスタ201のゲートに印加し、ローレベル(以下、Lレベルと記載する)のスイッチ制御信号をP型トランジスタ202、205のゲートに印加した状態で、P型トランジスタ203、204のゲートに第1入力信号IN1を、P型トランジスタ206、207のゲートに第2入力信号IN2を印加する。ここで、P型トランジスタ203、206は大電流を流すことができるゲート長が小さいトランジスタである。また、P型トランジスタ204、207はオフセットばらつきが小さいゲート長の大きいトランジスタである。このような動作により、P型トランジスタ203、204、206、207に電流が流れ、図11に示すように差動出力信号OUTは短時間で目標電圧に到達しようとする。
そして、差動増幅回路が動作し始めてから一定時間の後に、スイッチ制御信号をLレベルからハイレベル(以下、Hレベルと記載する)にすることでP型トランジスタ202、205をオフにする。P型トランジスタ202、205がオフした状態では、大電流を流すためのゲート長の小さいP型トランジスタ203、206には電流が流れない。よって、図11に示すように、差動出力信号はオフセットばらつきを小さくするためのゲート長の大きいP型トランジスタ204、207の動作のみで目標電圧に収束する。
図10に示した特許文献1にかかる差動増幅回路(出力オペアンプ)では、大電流を流すことができるゲート長が小さいP型トランジスタ203、206と、オフセットばらつきが小さいゲート長の大きいP型トランジスタ204、207とを備えているため、出力オペアンプの差動入力の容量を小さくすることができない。
このような出力オペアンプを図9に示す液晶表示装置の出力オペアンプ部109に使用した場合、差動入力信号に対する入力時定数が大きくなるため、差動入力信号を高速に伝達することが困難になる。このため、図9に示した液晶表示装置100において、ソースドライバ102からLCDパネル101への書き込み動作を高速化することが困難になるという問題がある。
本発明にかかるオペアンプ回路は、第1の差動対を構成するトランジスタを備える第1の差動入力部と、前記第1の差動対を構成するトランジスタよりもトランジスタサイズが大きい第2の差動対を構成するトランジスタを備える第2の差動入力部と、前記第1および第2の差動入力部からの出力に応じて信号を生成する中間段と、前記中間段で生成された信号に応じて出力信号を生成する出力段トランジスタを備えた出力段と、前記中間段で生成された信号に応じて、前記第1の差動入力部を使用する場合または前記第1の差動入力部および前記第2の差動入力部を使用する場合のいずれかを選択する差動入力部選択回路と、を有する。
このような構成を有する本発明にかかるオペアンプ回路では、オペアンプ回路の動作状態を検知し、動作状態に応じて前記第1の差動入力部を使用する場合または前記第1の差動入力部および前記第2の差動入力部を使用する場合のいずれかを選択することができるので、一時的に差動入力部の入力時定数を小さくすることができ、差動入力信号の伝達遅延時間を小さくすることができる。
本発明により差動入力信号の伝達遅延時間を小さくすることができるオペアンプ回路を提供することが可能となる。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態にかかるオペアンプ回路10を示す回路図である。本実施の形態にかかるオペアンプ回路10は、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12を備える第1の差動入力部1と、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12よりもトランジスタサイズが大きい第2の差動対を構成するトランジスタ21、22を備える第2の差動入力部2と、第1および第2の差動入力部1、2からの出力に応じて信号を生成する中間段3と、中間段3で生成された信号に応じて出力信号を生成する出力段トランジスタMP1、MN1を備えた出力段8と、中間段3で生成された信号に応じて、第1の差動入力部1を使用する場合または第1の差動入力部1および前記第2の差動入力部2を使用する場合のいずれかを選択する差動入力部選択回路と、を有する。ここで、差動入力部選択回路は、制御信号生成部4と、制御信号生成部4から出力された第1の制御信号41を反転し第2の制御信号71を生成するインバータ7と、第1および第2の差動入力制御部(SW1、SW2)とで構成される。以下、本実施の形態にかかるオペアンプ回路10について詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本実施の形態にかかるオペアンプ回路10を示す回路図である。本実施の形態にかかるオペアンプ回路10は、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12を備える第1の差動入力部1と、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12よりもトランジスタサイズが大きい第2の差動対を構成するトランジスタ21、22を備える第2の差動入力部2と、第1および第2の差動入力部1、2からの出力に応じて信号を生成する中間段3と、中間段3で生成された信号に応じて出力信号を生成する出力段トランジスタMP1、MN1を備えた出力段8と、中間段3で生成された信号に応じて、第1の差動入力部1を使用する場合または第1の差動入力部1および前記第2の差動入力部2を使用する場合のいずれかを選択する差動入力部選択回路と、を有する。ここで、差動入力部選択回路は、制御信号生成部4と、制御信号生成部4から出力された第1の制御信号41を反転し第2の制御信号71を生成するインバータ7と、第1および第2の差動入力制御部(SW1、SW2)とで構成される。以下、本実施の形態にかかるオペアンプ回路10について詳細に説明する。
第1の差動入力部1は、差動接続されたPMOSトランジスタ11、12と、PMOSトランジスタ11、12のソース側に電流を供給するための高位側電源Vddに接続された定電流回路13とを有する。また、第2の差動入力部2は、差動接続されたPMOSトランジスタ21、22と、PMOSトランジスタ21、22のソース側に電流を供給するための高位側電源Vddに接続された定電流回路23とを有する。第1の差動入力部1のPMOSトランジスタ11、12と、第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ21、22のドレインは中間段3の入力に接続されている。
入力端子(非反転入力端子)5から入力される入力信号Vinは第1の差動入力部1のPMOSトランジスタ12のゲートに供給される。また、入力信号Vinは第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ22のゲートに、第2の差動入力制御部(SW2)を介して供給される。つまり、第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ22のゲートに入力信号Vinを供給するか否かは、インバータ7から出力される第2の制御信号71により制御される。
また、出力段8から出力される出力信号Voutは、第1の差動入力部1のPMOSトランジスタ11のゲートおよび第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ21のゲートに供給される。つまり、オペアンプ回路10はいわゆるボルテージフォロア接続されたオペアンプ回路である。また、第1の差動入力制御部(SW1)は第1の差動入力部1のPMOSトランジスタ11のゲートと第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ22のゲートとの間に設けられており、第1の制御信号41に基づきこれらの接続が制御される。
ここで、第1の差動入力部1のPMOSトランジスタ11、12のトランジスタサイズと、第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ21、22のトランジスタサイズは下記の関係にある。
(第1の差動入力部1のPMOSトランジスタ11、12のトランジスタサイズ) < (第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ21、22のトランジスタサイズ)・・・式1
中間段3は、高位側電源Vddと低位側電源Vssと接続され、第1の差動入力部1のPMOSトランジスタ11、12のドレインおよび第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ21、22のドレインからの出力に基づき、出力段トランジスタMP1、MN1を動作させるための信号を生成し、ノード31、32に出力する。
出力段8はP型の出力段トランジスタMP1(第1のP型トランジスタ)とN型の出力段トランジスタMN1(第1のN型トランジスタ)を備える。出力段トランジスタMP1のソースは高位側電源Vddに接続され、ゲートはノード31に接続され、ドレインはノード81に接続されている。また、出力段トランジスタMN1のドレインはノード81に接続され、ゲートはノード32に接続され、ソースは低位側電源Vssに接続されている。出力段8は、中間段からノード31、32に出力される信号に応じた出力信号Voutをノード81に出力する。
制御信号生成部4は、高位側電源Vddと低位側電源Vssと接続され、中間段3からノード31、32に出力される信号に応じて第1の制御信号41を生成し、この第1の制御信号41を第1の差動入力制御部(SW1)とインバータ7に出力する。インバータ7は第1の制御信号41を反転して第2の制御信号71を生成し、この第2の制御信号71を第2の差動入力制御部(SW2)へ出力する。
第1の差動入力制御部(SW1)と第2の差動入力制御部(SW2)は、それぞれ第1の制御信号41、第2の制御信号71に基づき接続をオン・オフする。これにより、第1の差動入力制御部(SW1)と第2の差動入力制御部(SW2)は、(1)第1の差動入力部1を使用する場合、(2)第1の差動入力部1および第2の差動入力部2を使用する場合、のいずれかを選択することができる。
つまり、(1)第1の差動入力部1を使用する場合、第1の差動入力制御部(SW1)をオンし、第2の差動入力制御部(SW2)をオフし、第2の差動入力部2の正極と負極(PMOSトランジスタ21、22のゲート)をノード81と短絡させる。
また、(2)第1の差動入力部1および第2の差動入力部2を使用する場合、第1の差動入力制御部(SW1)をオフし、第2の差動入力制御部(SW2)をオンし、第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ22のゲートを入力端子5と短絡させる。これにより、第1の差動入力部1のPMOSトランジスタ12のゲートと第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ22のゲートのそれぞれに入力信号Vinが供給される。なお、第1の差動入力制御部(SW1)と第2の差動入力制御部(SW2)が同時にオンする場合はない。
図2は本実施の形態にかかるオペアンプ回路10を構成する制御信号生成部4の一例を示す回路図である。図2に示す制御信号生成部4は、検出回路43と比較回路44とを備える。検出回路43はP型トランジスタMP2(第2のP型トランジスタ)、MP3(第3のP型トランジスタ)とN型トランジスタMN2(第2のN型トランジスタ)、MN3(第3のN型トランジスタ)とを備える。P型トランジスタMP2のソースは高位側電源Vddと接続され、ゲートはノード31(中間段3からの第1の信号)と接続され、ドレインはノード45と接続されている。N型トランジスタMN2のドレインはノード45と接続され、ゲートはノード32(中間段3からの第2の信号)と接続され、ソースは低位側電源Vssと接続されている。
同様に、P型トランジスタMP3のソースは高位側電源Vddと接続され、ゲートはノード31(中間段3からの第1の信号)と接続され、ドレインはノード46と接続されている。N型トランジスタMN3のドレインはノード46と接続され、ゲートはノード32(中間段3からの第2の信号)と接続され、ソースは低位側電源Vssと接続されている。
このとき、P型トランジスタMP1〜MP3、N型トランジスタMN1〜MN3のトランジスタサイズは以下の関係を有する。
(MP2のトランジスタサイズ/MP1のトランジスタサイズ)
> (MN2のトランジスタサイズ/MN1のトランジスタサイズ) ・・・式2
> (MN2のトランジスタサイズ/MN1のトランジスタサイズ) ・・・式2
(MP3のトランジスタサイズ/MP1のトランジスタサイズ)
< (MN3のトランジスタサイズ/MN1のトランジスタサイズ) ・・・式3
< (MN3のトランジスタサイズ/MN1のトランジスタサイズ) ・・・式3
P型トランジスタMP2およびN型トランジスタMN2で生成された検出信号COMP1と、P型トランジスタMP3およびN型トランジスタMN3で生成された検出信号COMP2は比較回路44に供給され、比較回路44は制御信号41を生成する。制御信号41は第1の差動入力制御部(SW1)とインバータ7に供給される。
図3は、比較回路44の一例を示す回路図である。図3に示すように比較回路44はEXOR回路47を備える。EXOR回路47の入力には検出回路43の検出信号COMP1、COMP2が入力される。EXOR回路47はこの検出信号COMP1、COMP2に基づく演算結果をノード41に出力する。
次に、本実施の形態にかかるオペアンプ回路10の動作について、図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態にかかるオペアンプ回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。なお、図4に示すタイミングチャートは、図1に示す制御信号生成部4として図2に示す検出回路43と比較回路44とを備えるオペアンプ回路10の動作を示している。
ここで、比較回路44は、検出信号COMP1と検出信号COMP2の2つの電位が同じ論理レベルであるときには、オペアンプ10の動作状態が変動状態であると判定し、第1の制御信号41として第1の差動入力制御部(SW1)をオンにする制御信号を出力する。このとき、第1および第2の差動入力部1、2のうち、第1の差動入力部1が使用される。なお、変動状態とは入力信号Vinの変動が比較的大きい状態を意味する。
一方、比較回路44は、検出信号COMP1と検出信号COMP2の2つの電位が異なる論理レベルであるときには、オペアンプ10の動作状態が平衡状態であると判定し、第1の制御信号41として第1の差動入力制御部(SW1)をオフにする制御信号を出力する。このとき、第2の制御信号71として第2の差動入力制御部(SW2)をオンにする制御信号が出力されるため、第1の差動入力部1および前記第2の差動入力部2の両方が使用される。なお、平衡状態とは入力信号Vinの変動が比較的小さい状態を意味する。
図4に示すように、オペアンプ10の動作状態はT1からT2までとT3からT4までの平衡状態と、T0からT1までとT2からT3までの変動状態の2つに大別できる。さらに変動状態は、T0からT1までの充電状態とT2からT3までの放電状態の2つに分けることができる。
まず、T0からT1まで、つまり変動状態でかつ充電状態のときの動作について説明する。図4に示すようにT0のタイミングで入力信号Vinが立ち上がる。このとき、中間段3は出力段トランジスタMP1のゲートに接続されているノード31の電位を下げる。このとき、出力段トランジスタMN1のゲートに接続されているノード32の電位は変わらない。よって、出力段トランジスタMP1のゲートの電位が下がるため、ノード81の電位、つまり出力段8の出力信号Voutは増加する。
また、このとき図2に示す検出回路43では、P型トランジスタMP2に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流よりも大きいため、ノード45(つまり、検出信号COMP1)はHレベルとなる。つまり、ノード31の電位が下がるためP型トランジスタMP2に流れるドレイン電流が増加する。一方、ノード32の電位は低い状態であるのでN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流は小さい。このため、ノード45がHレベルとなる。
また、同様に図2に示す検出回路43では、P型トランジスタMP3に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流よりも大きいため、ノード46(つまり、検出信号COMP2)はHレベルとなる。つまり、ノード31の電位が下がるためP型トランジスタMP3に流れるドレイン電流が増加する。一方、ノード32の電位は低い状態であるのでN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流は小さい。このため、ノード46がHレベルとなる。
比較回路44は、検出信号COMP1と検出信号COMP2とが同じ論理レベル(Hレベル)であるため、第1の差動入力制御部(SW1)をオンにする第1の制御信号41(Lレベルの信号)を出力する。このとき、インバータ7は第2の差動入力制御部(SW2)をオフにする第2の制御信号71(Hレベルの信号)を出力する。よって、この場合は第1および第2の差動入力部1、2のうち、トランジスタサイズが小さいPMOSトランジスタ11、12を備えた第1の差動入力部1のみが使用される。このため、入力ゲート容量が小さくなり、差動入力信号に対する入力時定数は小さくなり、差動入力信号の伝達遅延時間が小さくなる。このとき、第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ21、22のゲートには出力信号Voutが供給されているので、PMOSトランジスタ21、22のゲートは入力信号Vinの電位に従い充電される。
次に、T1からT2まで、つまり平衡状態のときの動作について説明する。図4に示すようにT1以降では入力信号Vin、出力信号Voutは一定となる。このとき、中間段3は出力段トランジスタMP1のゲートに接続されているノード31にHレベルの一定電圧を出力する。また、中間段3は出力段トランジスタMN1のゲートに接続されているノード32にLレベルの一定電圧を出力する。よって、この場合はノード81の電位、つまり出力段8の出力信号Voutは一定に保持される。
また、このとき図2に示す検出回路43では、前述した式2よりP型トランジスタMP2に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流よりも大きいため、ノード45(つまり、検出信号COMP1)はHレベルとなる。つまり、ノード31の電位がHレベルで一定となるためP型トランジスタMP2がオフし、ノード32の電位がLレベルで一定となるためN型トランジスタMN2もオフする。しかし、このときP型トランジスタMP2、N型トランジスタMN2にはリーク電流が流れている。そして、前述の式2に示したトランジスタサイズの関係から、P型トランジスタMP2に流れるリーク電流はN型トランジスタMN2に流れるリーク電流よりも大きい。このため、ノード45がHレベルとなる。
また、同様に図2に示す検出回路43では、前述した式3よりP型トランジスタMP3に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流よりも小さいため、ノード46(つまり、検出信号COMP2)はLレベルとなる。つまり、ノード31の電位がHレベルで一定となるためP型トランジスタMP3がオフし、ノード32の電位がLレベルで一定となるためN型トランジスタMN3もオフする。しかし、このときP型トランジスタMP3、N型トランジスタMN3にはリーク電流が流れている。そして、前述の式3に示したトランジスタサイズの関係から、P型トランジスタMP3に流れるリーク電流はN型トランジスタMN3に流れるリーク電流よりも小さい。このため、ノード46がLレベルとなる。
比較回路44は、検出信号COMP1と検出信号COMP2とが異なる論理レベルであるため、第1の差動入力制御部(SW1)をオフにする第1の制御信号41(Hレベルの信号)を出力する。このとき、インバータ7は第2の差動入力制御部(SW2)をオンにする第2の制御信号71(Lレベルの信号)を出力する。よって、この場合は第1および第2の差動入力部1、2の両方が使用される。つまり、第1および第2の差動入力部1、2に入力信号Vinが入力されるため、オペアンプ間のオフセット量を、第1の差動入力部1にのみ入力信号Vinが入力された場合と比べて小さくすることができる。
次に、T2からT3まで、つまり変動状態でかつ放電状態のときの動作について説明する。図4に示すようにT2のタイミングで入力信号Vinが立ち下がる。このとき、中間段3は出力段トランジスタMN1のゲートに接続されているノード32の電位を上げる。このとき、出力段トランジスタMP1のゲートに接続されているノード31の電位は変わらない。よって、出力段トランジスタMN1のゲートの電位が上がるため、ノード81の電位、つまり出力段8の出力信号Voutは減少する。
また、このとき図2に示す検出回路43では、P型トランジスタMP2に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流よりも小さいため、ノード45(つまり、検出信号COMP1)はLレベルとなる。つまり、ノード31の電位が高い状態であるためP型トランジスタMP2に流れるドレイン電流は小さい。一方、ノード32の電位が上がるためN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流は増加する。このため、ノード45がLレベルとなる。
また、同様に図2に示す検出回路43では、P型トランジスタMP3に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流よりも小さいため、ノード46(つまり、検出信号COMP2)はLレベルとなる。つまり、ノード31の電位が高い状態であるためP型トランジスタMP3に流れるドレイン電流は小さい。一方、ノード32の電位は上がるためN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流は増加する。このため、ノード46がLレベルとなる。
比較回路44は、検出信号COMP1と検出信号COMP2とが同じ論理レベル(Lレベル)であるため、第1の差動入力制御部(SW1)をオンにする第1の制御信号41(Lレベルの信号)を出力する。このとき、インバータ7は第2の差動入力制御部(SW2)をオフにする第2の制御信号71(Hレベルの信号)を出力する。よって、この場合は第1および第2の差動入力部1、2のうち、トランジスタサイズが小さいPMOSトランジスタ11、12を備えた第1の差動入力部1のみが使用される。このため、入力ゲート容量が小さくなり、差動入力信号に対する入力時定数は小さくなり、差動入力信号の伝達遅延時間が小さくなる。
次に、T3からT4まで、つまり平衡状態のときの動作について説明する。図4に示すようにT3以降では入力信号Vin、出力信号Voutは一定となる。このとき、中間段3は出力段トランジスタMP1のゲートに接続されているノード31にHレベルの一定電圧を出力する。また、中間段3は出力段トランジスタMN1のゲートに接続されているノード32にはLレベルの一定電圧を出力する。よって、この場合はノード81の電位、つまり出力段8の出力信号Voutは一定に保持される。
また、このとき図2に示す検出回路43では、前述した式2よりP型トランジスタMP2に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流よりも大きいため、ノード45(つまり、検出信号COMP1)はHレベルとなる。つまり、ノード31の電位がHレベルで一定となるためP型トランジスタMP2がオフし、ノード32の電位がLレベルで一定となるためN型トランジスタMN2もオフする。しかし、このときP型トランジスタMP2、N型トランジスタMN2にはリーク電流が流れている。そして、前述の式2に示したトランジスタサイズの関係から、P型トランジスタMP2に流れるリーク電流はN型トランジスタMN2に流れるリーク電流よりも大きい。このため、ノード45がHレベルとなる。
また、同様に図2に示す検出回路43では、前述した式3よりP型トランジスタMP3に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流よりも小さいため、ノード46(つまり、検出信号COMP2)はLレベルとなる。つまり、ノード31の電位がHレベルで一定となるためP型トランジスタMP3がオフし、ノード32の電位がLレベルで一定となるためN型トランジスタMN3もオフする。しかし、このときP型トランジスタMP3、N型トランジスタMN3にはリーク電流が流れている。そして、前述の式3に示したトランジスタサイズの関係から、P型トランジスタMP3に流れるリーク電流はN型トランジスタMN3に流れるリーク電流よりも小さい。このため、ノード46がLレベルとなる。
比較回路44は、検出信号COMP1と検出信号COMP2とが異なる論理レベルであるため、第1の差動入力制御部(SW1)をオフにする第1の制御信号41(Hレベルの信号)を出力する。このとき、インバータ7は第2の差動入力制御部(SW2)をオンにする第2の制御信号71(Lレベルの信号)を出力する。よって、この場合は第1および第2の差動入力部1、2の両方が使用される。つまり、第1および第2の差動入力部1、2に入力信号Vinが入力されるため、オペアンプ間のオフセット量を、第1の差動入力部1にのみ入力信号Vinが入力された場合と比べて小さくすることができる。
以上で説明したように、本実施の形態にかかるオペアンプ回路は、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12を備える第1の差動入力部1と、第1の差動対を構成するトランジスタ11、12よりもトランジスタサイズが大きい第2の差動対を構成するトランジスタ21、22を備える第2の差動入力部2と、を有する。そして、入力信号Vinの変動が大きい場合(変動状態の場合)、トランジスタサイズが小さい第1の差動対を構成するトランジスタ11、12を備える第1の差動入力部1のみを用いることで、差動入力部の入力ゲート容量を小さくすることができる。このため、差動入力信号に対する入力時定数を小さくすることができ、差動入力信号の伝達遅延時間を小さくすることができる。
一方、入力信号Vinの変動が小さい場合(平衡状態の場合)、トランジスタサイズが小さい第1の差動対を構成するトランジスタ11、12を備える第1の差動入力部1に加えて、トランジスタサイズが大きい第2の差動対を構成するトランジスタ21、22を備える第2の差動入力部2を用いる。これにより、オペアンプ間のオフセット量を、第1の差動入力部1にのみ入力信号Vinが入力された場合と比べて小さくすることができる。
このように、本実施の形態にかかるオペアンプ回路では、オペアンプ回路の動作状態を検知し、動作状態に応じて第1および第2の差動入力部1、2を切り替えることができるので、一時的に差動入力部の入力時定数を小さくすることができ、差動入力信号の伝達遅延時間を小さくすることができる。
なお、上記で説明した本実施の形態において、P型トランジスタの代わりにN型トランジスタを用いてもよく、またN型トランジスタの代わりにP型トランジスタを用いてもよい。また、図2、図3に示した検出回路43と比較回路44は一例であり、同様の動作をする回路であればどのような回路を用いてもよい。
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2について図5を用いて説明する。図5は本実施の形態にかかるオペアンプ回路20を説明するための回路図である。本実施の形態にかかるオペアンプ回路20は、図1に示した実施の形態1にかかるオペアンプ回路10と比べて制御信号生成部9(図1では制御信号生成部4)にSTB信号(タイミング信号)を印加するSTB信号端子15が設けられている点が異なる。また、図6は本実施の形態にかかるオペアンプ回路20の制御信号生成部9を示す回路図である。図6に示す制御信号生成部9は、図2に示した実施の形態1にかかるオペアンプ回路10の制御信号生成部4と比べて、STB信号端子15から比較回路94にSTB信号が印加される点が異なる。これ以外の部分は実施の形態1にかかるオペアンプ回路10と同様であるので重複した説明は省略する。なお、実施の形態1にかかる部分と同一の構成要素には同一の符号を付している。
次に、本発明の実施の形態2について図5を用いて説明する。図5は本実施の形態にかかるオペアンプ回路20を説明するための回路図である。本実施の形態にかかるオペアンプ回路20は、図1に示した実施の形態1にかかるオペアンプ回路10と比べて制御信号生成部9(図1では制御信号生成部4)にSTB信号(タイミング信号)を印加するSTB信号端子15が設けられている点が異なる。また、図6は本実施の形態にかかるオペアンプ回路20の制御信号生成部9を示す回路図である。図6に示す制御信号生成部9は、図2に示した実施の形態1にかかるオペアンプ回路10の制御信号生成部4と比べて、STB信号端子15から比較回路94にSTB信号が印加される点が異なる。これ以外の部分は実施の形態1にかかるオペアンプ回路10と同様であるので重複した説明は省略する。なお、実施の形態1にかかる部分と同一の構成要素には同一の符号を付している。
図7は、図6に示した比較回路94の一例を示す回路図である。比較回路94はEXNOR回路95とNOR回路98とを備える。比較回路94のEXNOR回路95の入力には検出回路からの検出信号COMP1と検出信号COMP2が供給される。EXNOR回路95は検出信号COMP1と検出信号COMP2に基づく演算結果をNOR回路98の一方の入力96に供給する。NOR回路98の他方の入力97にはSTB信号が供給される。そして、NOR回路98はEXNOR回路95の演算結果とSTB信号とに基づく演算結果を第1の制御信号41として出力する。
次に、本実施の形態にかかるオペアンプ回路20の動作について、図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態にかかるオペアンプ回路20の動作を説明するためのタイミングチャートである。なお、図8に示すタイミングチャートは、図5に示す制御信号生成部9として図6に示す検出回路43と比較回路94とを備えるオペアンプ回路20の動作を示している。
ここで、比較回路94は、検出信号COMP1と検出信号COMP2の2つの電位が同じ論理レベルであるときには、オペアンプ10の動作状態が変動状態であると判定し、第1の制御信号41として第1の差動入力制御部(SW1)をオンにする制御信号を出力する。このとき、第1および第2の差動入力部1のうち、第1の差動入力部1が使用される。なお、変動状態とは入力信号Vinの変動が比較的大きい状態を意味する。
一方、比較回路94は、検出信号COMP1と検出信号COMP2の2つの電位が異なる論理レベルであるときには、オペアンプ20の動作状態が平衡状態であると判定し、第1の制御信号41として第1の差動入力制御部(SW1)をオフにする制御信号を出力する。このとき、第2の制御信号71として第2の差動入力制御部(SW2)をオンにする制御信号が出力されるため、第1の差動入力部1および前記第2の差動入力部2の両方が使用される。なお、平衡状態とは入力信号Vinの変動が比較的小さい状態を意味する。
ここで、本実施の形態にかかるオペアンプ回路20では、第1および第2の制御信号41、71はSTB信号の立ち上がりエッジに従い出力される。すなわち、図7に示すように、検出信号COMP1とCOMP2をEXNOR回路95に入力し、EXNOR回路95の出力信号とSTB信号をNOR回路98に入力することで、STB信号の立ち上がりのタイミングで第1の制御信号41を出力することができる。
図8に示すように、オペアンプ20の動作状態はT1からT2までとT3からT4までの平衡状態と、T0からT1までとT2からT3までの変動状態の2つに大別できる。さらに変動状態は、T0からT1までの充電状態とT2からT3までの放電状態の2つに分けることができる。
まず、T0からT1まで、つまり変動状態でかつ充電状態のときの動作について説明する。図8に示すようにT0のタイミングで入力信号Vinが立ち上がる。このとき、中間段3は出力段トランジスタMP1のゲートに接続されているノード31の電位を下げる。このとき、出力段トランジスタMN1のゲートに接続されているノード32の電位は変わらない。よって、出力段トランジスタMP1のゲートの電位が下がるため、ノード81の電位、つまり出力段8の出力信号Voutは増加する。
また、このとき図6に示す検出回路43では、P型トランジスタMP2に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流よりも大きいため、ノード45(つまり、検出信号COMP1)はHレベルとなる。
また、同様に図6に示す検出回路43では、P型トランジスタMP3に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流よりも大きいため、ノード46(つまり、検出信号COMP2)はHレベルとなる。
比較回路94は、検出信号COMP1と検出信号COMP2とが同じ論理レベル(Hレベル)であるため、STB信号の立ち上がりのタイミングで第1の差動入力制御部(SW1)をオンにする第1の制御信号41(Lレベルの信号)を出力する。このとき、インバータ7は第2の差動入力制御部(SW2)をオフにする第2の制御信号71(Hレベルの信号)を出力する。よって、この場合は第1および第2の差動入力部1、2のうち、トランジスタサイズが小さいPMOSトランジスタ11、12を備えた第1の差動入力部1のみが使用される。このため、入力ゲート容量が小さくなり、差動入力信号に対する入力時定数は小さくなり、差動入力信号の伝達遅延時間が小さくなる。このとき、第2の差動入力部2のPMOSトランジスタ21、22のゲートには出力信号Voutが供給されているので、PMOSトランジスタ21、22のゲートは入力信号Vinの電位に従い充電される。
次に、T1からT2まで、つまり平衡状態のときの動作について説明する。図8に示すようにT1以降では入力信号Vin、出力信号Voutは一定となる。このとき、中間段3は出力段トランジスタMP1のゲートに接続されているノード31にHレベルの一定電圧を出力する。また、中間段3は出力段トランジスタMN1のゲートに接続されているノード32にLレベルの一定電圧を出力する。よって、この場合はノード81の電位、つまり出力段8の出力信号Voutは一定に保持される。
また、このとき図6に示す検出回路43では、前述した式2よりP型トランジスタMP2に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流よりも大きいため、ノード45(つまり、検出信号COMP1)はHレベルとなる。また、同様に図6に示す検出回路43では、前述した式3よりP型トランジスタMP3に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流よりも小さいため、ノード46(つまり、検出信号COMP2)はLレベルとなる。この理由は実施の形態1で説明した場合と同様であるので説明を省略する。
比較回路94は、検出信号COMP1と検出信号COMP2とが異なる論理レベルであるため、STB信号の立ち上がりのタイミングで第1の差動入力制御部(SW1)をオフにする第1の制御信号41(Hレベルの信号)を出力する。このとき、インバータ7は第2の差動入力制御部(SW2)をオンにする第2の制御信号71(Lレベルの信号)を出力する。よって、この場合は第1および第2の差動入力部1、2の両方が使用される。つまり、第1および第2の差動入力部1、2に入力信号Vinが入力されるため、オペアンプ間のオフセット量を、第1の差動入力部1にのみ入力信号Vinが入力された場合と比べて小さくすることができる。
次に、T2からT3まで、つまり変動状態でかつ放電状態のときの動作について説明する。図8に示すようにT2のタイミングで入力信号Vinが立ち下がる。このとき、中間段3は出力段トランジスタMN1のゲートに接続されているノード32の電位を上げる。このとき、出力段トランジスタMP1のゲートに接続されているノード31の電位は変わらない。よって、出力段トランジスタMN1のゲートの電位が上がるため、ノード81の電位、つまり出力段8の出力信号Voutは減少する。
また、このとき図6に示す検出回路43では、P型トランジスタMP2に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流よりも小さいため、ノード45(つまり、検出信号COMP1)はLレベルとなる。
また、同様に図6に示す検出回路43では、P型トランジスタMP3に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流よりも小さいため、ノード46(つまり、検出信号COMP2)はLレベルとなる。
比較回路94は、検出信号COMP1と検出信号COMP2とが同じ論理レベル(Lレベル)であるため、STB信号の立ち上がりのタイミングで第1の差動入力制御部(SW1)をオンにする第1の制御信号41(Lレベルの信号)を出力する。このとき、インバータ7は第2の差動入力制御部(SW2)をオフにする第2の制御信号71(Hレベルの信号)を出力する。よって、この場合は第1および第2の差動入力部1、2のうち、トランジスタサイズが小さいPMOSトランジスタ11、12を備えた第1の差動入力部1のみが使用される。このため、入力ゲート容量が小さくなり、差動入力信号に対する入力時定数は小さくなり、差動入力信号の伝達遅延時間が小さくなる。
次に、T3からT4まで、つまり平衡状態のときの動作について説明する。図8に示すようにT3以降では入力信号Vin、出力信号Voutは一定となる。このとき、中間段3は出力段トランジスタMP1のゲートに接続されているノード31にHレベルの一定電圧を出力する。また、中間段3は出力段トランジスタMN1のゲートに接続されているノード32にはLレベルの一定電圧を出力する。よって、この場合はノード81の電位、つまり出力段8の出力信号Voutは一定に保持される。
また、このとき図6に示す検出回路43では、前述した式2よりP型トランジスタMP2に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN2に流れるドレイン電流よりも大きいため、ノード45(つまり、検出信号COMP1)はHレベルとなる。また、同様に図6に示す検出回路43では、前述した式3よりP型トランジスタMP3に流れるドレイン電流はN型トランジスタMN3に流れるドレイン電流よりも小さいため、ノード46(つまり、検出信号COMP2)はLレベルとなる。この理由は実施の形態1で説明した場合と同様であるので説明を省略する。
比較回路94は、検出信号COMP1と検出信号COMP2とが異なる論理レベルであるため、STB信号の立ち上がりのタイミングで第1の差動入力制御部(SW1)をオフにする第1の制御信号41(Hレベルの信号)を出力する。このとき、インバータ7は第2の差動入力制御部(SW2)をオンにする第2の制御信号71(Lレベルの信号)を出力する。よって、この場合は第1および第2の差動入力部1、2の両方が使用される。つまり、第1および第2の差動入力部1、2に入力信号Vinが入力されるため、オペアンプ間のオフセット量を、第1の差動入力部1にのみ入力信号Vinが入力された場合と比べて小さくすることができる。
以上で説明した本実施の形態にかかるオペアンプ回路20でも実施の形態1にかかるオペアンプ回路10と同様の効果を得ることができる。特に本実施の形態にかかるオペアンプ回路20では、制御信号生成部9にSTB信号を印加することで、第1の制御信号41と第2の制御信号71が出力されるタイミングをSTB信号の立ち上がりのタイミングと同期させることができる。つまり、実施の形態1にかかるオペアンプ回路10の比較回路94では、検出信号COMP1と検出信号COMP2の論理レベルの変化だけで第1の制御信号41を切り替えていたのに対して、本実施の形態にかかるオペアンプ回路20の比較回路94では、検出信号COMP1と検出信号COMP2の論理レベルの変化に加えて、STB信号の論理レベルの変化で第1の制御信号41を切り替えることができる。
なお、上記で説明した本実施の形態において、P型トランジスタの代わりにN型トランジスタを用いてもよく、またN型トランジスタの代わりにP型トランジスタを用いてもよい。また、図6、図7に示した検出回路43と比較回路94は一例であり、同様の動作をする回路であればどのような回路を用いてもよい。
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1 第1の差動入力部
2 第2の差動入力部
3 中間段
4 制御信号生成部
5 入力端子(非反転入力端子)
6 出力端子
7 インバータ
8 出力段
9 制御信号生成部
11、12 第1の差動対を構成するトランジスタ
13 定電流回路
15 STB信号入力端子
21、22 第2の差動対を構成するトランジスタ
23 定電流回路
31、32 ノード
41 第1の制御信号
43 検出回路
44 比較回路
45、46 ノード
47 EXOR回路
71 第2の制御信号
94 比較回路
95 EXNOR回路
96 NOR回路の一方の入力
97 NOR回路の他方の入力
98 NOR回路
2 第2の差動入力部
3 中間段
4 制御信号生成部
5 入力端子(非反転入力端子)
6 出力端子
7 インバータ
8 出力段
9 制御信号生成部
11、12 第1の差動対を構成するトランジスタ
13 定電流回路
15 STB信号入力端子
21、22 第2の差動対を構成するトランジスタ
23 定電流回路
31、32 ノード
41 第1の制御信号
43 検出回路
44 比較回路
45、46 ノード
47 EXOR回路
71 第2の制御信号
94 比較回路
95 EXNOR回路
96 NOR回路の一方の入力
97 NOR回路の他方の入力
98 NOR回路
Claims (11)
- 第1の差動対を構成するトランジスタを備える第1の差動入力部と、
前記第1の差動対を構成するトランジスタよりもトランジスタサイズが大きい第2の差動対を構成するトランジスタを備える第2の差動入力部と、
前記第1および第2の差動入力部からの出力に応じて信号を生成する中間段と、
前記中間段で生成された信号に応じて出力信号を生成する出力段トランジスタを備えた出力段と、
前記中間段で生成された信号に応じて、前記第1の差動入力部を使用する場合または前記第1の差動入力部および前記第2の差動入力部を使用する場合のいずれかを選択する差動入力部選択回路と、
を有するオペアンプ回路。 - 前記差動入力部選択回路は、前記第1の差動入力部に入力される入力信号の立ち上がりのタイミング又は立ち下がりのタイミングにおいて、前記第1の差動入力部のみを選択する、請求項1に記載のオペアンプ回路。
- 前記差動入力部選択回路は、前記第1の差動入力部に入力される入力信号が平衡状態の場合は、前記第1の差動入力部および前記第2の差動入力部を選択する、請求項1または2に記載のオペアンプ回路。
- 前記差動入力部選択回路はタイミング信号を入力し、前記第1の差動入力部を使用する場合または前記第1の差動入力部および前記第2の差動入力部を使用する場合のいずれかを選択する制御信号を、前記タイミング信号に応じて出力する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のオペアンプ回路。
- 前記差動入力部選択回路は、
前記中間段で生成された信号を検出し第1および第2の検出信号を生成する検出回路と、
前記第1および第2の検出信号を比較し、当該比較結果に基づき制御信号を生成する比較回路と、
を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載のオペアンプ回路。 - 前記比較回路は、前記タイミング信号を入力し、当該タイミング信号に応じて前記制御信号を出力する、請求項5に記載のオペアンプ回路。
- 前記差動入力部選択回路は、更に前記比較回路で生成された前記制御信号に基づき前記第1の差動入力部を使用する場合または前記第1の差動入力部および前記第2の差動入力部を使用する場合のいずれかを切り替える差動入力制御部を有する、請求項5または6に記載のオペアンプ回路。
- 前記差動入力制御部は、
前記第1の差動入力部を使用する場合は、前記第1の差動対を構成するトランジスタの一方のゲートに入力信号が供給され、他方のゲートに前記出力段からの出力信号が供給されると共に、前記第2の差動対を構成するトランジスタの両方のゲート端子に前記出力段からの出力信号が供給されるように制御し、
前記第1の差動入力部および前記第2の差動入力部を使用する場合は、前記第1の差動対を構成するトランジスタの一方のゲートに入力信号が供給され、他方のゲートに前記出力段からの出力信号が供給されると共に、前記第2の差動対を構成するトランジスタの一方のゲートに入力信号が供給され、他方のゲートに前記出力段からの出力信号が供給されるように制御する、請求項7に記載のオペアンプ回路。 - 前記出力段トランジスタは、
ソースに高位側の電源が供給され、ゲートに前記中間段で生成された信号のうちの第1の信号が供給され、ドレインが前記出力信号を出力する端子と接続された第1のP型トランジスタと、
ドレインが前記出力信号を出力する端子と接続され、ゲートに前記中間段で生成された信号のうちの第2の信号が供給され、ソースに低位側の電源が供給された第1のN型トランジスタと、
を有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載のオペアンプ回路。 - 前記検出回路は、
ソースに高位側の電源が供給され、ゲートに前記中間段で生成された信号のうちの第1の信号が供給され、ドレインが前記第1の検出信号を出力するノードと接続された第2のP型トランジスタと、
ドレインが前記第1の検出信号を出力するノードと接続され、ゲートに前記中間段で生成された信号のうちの第2の信号が供給され、ソースに低位側の電源が供給された第2のN型トランジスタと、
ソースに高位側の電源が供給され、ゲートに前記中間段で生成された信号のうちの第1の信号が供給され、ドレインが前記第2の検出信号を出力するノードと接続された第3のP型トランジスタと、
ドレインが前記第2の検出信号を出力するノードと接続され、ゲートに前記中間段で生成された信号のうちの第2の信号が供給され、ソースに低位側の電源が供給された第3のN型トランジスタと、
を備える、請求項5乃至9のいずれか一項に記載のオペアンプ回路。 - 前記第1乃至第3のP型トランジスタ、および前記第1乃至第3のN型トランジスタは、
(第2のP型トランジスタのトランジスタサイズ/第1のP型トランジスタのトランジスタサイズ)>(第2のN型トランジスタのトランジスタサイズ/第1のN型トランジスタのトランジスタサイズ)の関係、および
(第3のP型トランジスタのトランジスタサイズ/第1のP型トランジスタのトランジスタサイズ)<(第3のN型トランジスタのトランジスタサイズ/第1のN型トランジスタのトランジスタサイズ)の関係、
を有する請求項10に記載のオペアンプ回路。
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Cited By (1)
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-
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---|---|---|---|---|
CN112242823A (zh) * | 2019-07-19 | 2021-01-19 | 圣邦微电子(北京)股份有限公司 | 一种差分输入电路及其控制方法以及差分放大器 |
CN112242823B (zh) * | 2019-07-19 | 2022-09-16 | 江阴圣邦微电子制造有限公司 | 一种差分输入电路及其控制方法以及差分放大器 |
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