JP2011149491A - ホース成形用被覆材、およびこれを用いるホースの製造方法 - Google Patents

ホース成形用被覆材、およびこれを用いるホースの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】繰り返して使用しても耐久性に優れるホース成形用被覆材、およびホースの製造方法。
【解決手段】熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有する、ホース成形用被覆材、および、加硫前のゴム外管を少なくとも有するホースAの外面上に、熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有するホース成形用被覆材組成物を用いてホース成形用被覆材を形成し、ホース成形用被覆材を有するホースBを得る被覆層形成工程と、前記ホースBを加硫してホースCを得る加硫工程と、前記ホースCから前記ホース成形用被覆材をはがして、ホースDを得る剥離工程と、剥離後のホース成形用被覆材をリサイクルして前記ホース成形用被覆材組成物とするリサイクル工程とを有するホースの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ホース成形用被覆材、およびこれを用いるホースの製造方法に関する。
ホース成形用被覆材はリサイクルして再利用されるため、従来、ホース成形用被覆材にはホースへの締め付け力、外形寸法などの特性のほか、繰返し使用性(例えば、繰返して使用する際の耐久性、ハンドリング性)が求められている。
現在までに鉛やポリメチルペンテン(TPX樹脂)などの材料がホース成形用被覆材として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、鉛は環境問題より使用することができない。
また、TPX樹脂はホースが有するゴム外管に含まれるパーオキサイドと反応してしまうため、TPX樹脂をホース成形用被覆材として使用した際リサイクルを繰り返した後のTPX樹脂は耐久性が低く、このためホース成形用被覆材を剥離した後に得られるホース製品の外観が悪くなるという問題がある。
特開平6−328461号公報
そこで、本発明は、TPXなどの樹脂に比べてパーオキサイドなどの反応物に対して耐久性に優れるホース成形用被覆材を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有する、ホース成形用被覆材が繰り返して使用しても耐久性に優れることを見出した。
また、本願発明者らは、加硫前のゴム外管を少なくとも有するホースAの外面上に、熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有するホース成形用被覆材組成物を用いてホース成形用被覆材を形成し、ホース成形用被覆材を有するホースBを得る被覆層形成工程と、前記ホースBを加硫してホースCを得る加硫工程と、前記ホースCから前記ホース成形用被覆材をはがして、ホースDを得る剥離工程と、剥離後のホース成形用被覆材をリサイクルして前記ホース成形用被覆材組成物とするリサイクル工程とを有するホースの製造方法によれば、表面の外観に優れるホースを得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記1〜6を提供する。
1. 熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有する、ホース成形用被覆材。
2. 曲げ弾性率が1,000〜4,000MPaである上記1に記載のホース成形用被覆材。
3. 前記熱可塑性ポリフェニレンスルフィドが下記式(I)で表される構成単位を有し、重量平均分子量が15,000〜100,000である上記1または2に記載のホース成形用被覆材。
4. ホースのゴム外管を被覆し、前記ゴム外管がパーオキサイドを含むゴム組成物を用いて得られる上記1〜3のいずれかに記載のホース成形用被覆材。
5. 加硫前のゴム外管を少なくとも有するホースAの外面上に、熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有する、ホース成形用被覆材組成物を用いて上記1〜4のいずれかに記載のホース成形用被覆材を形成し、ホース成形用被覆材を有するホースBを得る被覆層形成工程と、
前記ホースBを加硫してホースCを得る加硫工程と、
前記ホースCから前記ホース成形用被覆材をはがして、ホースDを得る剥離工程と、
剥離後のホース成形用被覆材をリサイクルして前記ホース成形用被覆材組成物とするリサイクル工程とを有するホースの製造方法。
6. 前記ホースAの長さが100m以上である上記5に記載のホースの製造方法。
本発明のホース成形用被覆材は、繰り返して使用しても耐久性に優れる。
本発明のホースの製造方法によれば、表面の外観に優れるホースを得ることができる。
図1は、本発明のホース成形用被覆材で被覆された被覆ホースの一例を被覆ホースの各層を切り欠いて模式的に表す斜視図である。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明のホース成形用被覆材について以下に説明する。
本発明のホース成形用被覆材は、熱可塑性ポリフェニレンスルフィド(PPS)を含有し、ホースを成形する際に使用される、ホースの被覆材である。
本発明のホース成形用被覆材は、熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有することによって、架橋剤、加硫剤等を含有する重合体(ゴム)と表面接触しても、重合体から移行してくるパーオキシド系の架橋剤または加硫剤による、ラジカル生成物との反応性がないことから、繰り返し使用しても耐久性に優れ、したがって、繰り返し使用できる回数が従来に比して増加するため、生産・製造コストの低減下を図ることができる。
本発明のホース成形用被覆材は、ホース(例えば、ゴムホース)の加硫(または架橋)反応時に使用することができる。
本発明のホース成形用被覆材について添付の図面を用いて以下に説明する。なお本発明は添付の図面に限定されない。
図1は、本発明のホース成形用被覆材で被覆された被覆ホースの一例を被覆ホースの各層を切り欠いて模式的に表す斜視図である。
図1において、被覆ホース100は、ホース101と本発明のホース成形用被覆材102とを有し、ホース101は内管105と補強層107と外管106とを有する。図1では被覆ホース100がマンドレル103上に形成されている。
内管は2層以上の構造を有するものであってもよい。
本発明のホース成形用被覆材に含有される熱可塑性ポリフェニレンスルフィドは特に制限されない。熱可塑性ポリフェニレンスルフィドとしては例えば従来公知のものが挙げられる。
熱可塑性ポリフェニレンスルフィドは、繰り返して使用しても耐久性により優れ、環境汚染性がなく、寸法安定性に優れるという観点から、下記式(I)で表される構成単位を有するのが好ましい。
熱可塑性ポリフェニレンスルフィドの重量平均分子量は、繰り返して使用しても耐久性により優れ、環境汚染性がなく、寸法安定性に優れるという観点から、15,000〜100,000であるのが好ましく、40,000程度であるのがより好ましい。
熱可塑性ポリフェニレンスルフィドは例えばその末端に、官能基を有することができる。
本発明のホース成形用被覆材の曲げ弾性率は、繰り返して使用しても耐久性により優れ、環境汚染性がないという観点から、1,000〜4,000MPaであるのが好ましく、2,000〜4,000MPaであるのがより好ましく、3,000〜4,000MPaであるのがさらに好ましい。
なお本発明において、曲げ弾性率はASTM−D790に準じて測定されたものである。
本発明のホース成形用被覆材の曲げ弾性率が1,000MPa以上である場合、繰り返して使用しても耐久性により優れ、柔軟性に優れるという観点から好ましい。
本発明のホース成形用被覆材の曲げ弾性率が4,000MPa以下である場合、ホース成形用被覆材が硬すぎず柔軟性が適切なものとなりドラムに巻きつける必要のある長尺ホースに好適であるという観点から好ましい。
本発明のホース成形用被覆材は、例えば、熱可塑性ポリフェニレンスルフィド以外にさらに可塑剤を含有することによって、その曲げ弾性率を1,000〜4,000MPaとすることができる。
本願発明者らは、本発明のホース成形用被覆材の曲げ弾性率が1,000MPa以上4,000MPa以下である場合、熱可塑性ポリフェニレンスルフィド以外にさらに含有される可塑剤の量が少なく、このため、外管(例えば、ゴム外管)に含まれる架橋剤(例えば、パーオキシド)および/または加硫剤が可塑剤と反応しない、または反応し難く、例え反応してもその量が少ないのでホース成形用被覆材の繰り返し使用における耐久性に影響を及ぼすことがないことを見出した。
本発明のホース成形用被覆材がさらに含有する可塑剤は特に制限されない。例えば、ポリオレフィンが挙げられる。
可塑剤の量は、繰り返して使用しても耐久性により優れ、環境汚染性がなく、柔軟性に優れ、長尺ホースに適切であるという観点から、熱可塑性ポリフェニレンスルフィド100質量部に対して、5〜40質量部であるのが好ましい。
本発明のホース成形用被覆材は本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じてさらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、シランカップリング剤、離型剤、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、滑剤、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、防錆剤が挙げられる。
本発明のホース成形用被覆材はその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
また、本発明のホース成形用被覆材として市販品を使用することができる。市販品としては例えば、PPS Z−20−E5、PPS Z−200−J1、PPS Z−300(いずれもDIC社製)が挙げられる。
本発明のホース成形用被覆材は、ホースを、例えば、加硫、架橋して成形する際、ホースの寸法を維持しホースの発泡、型崩れ等を抑制する目的で、未加硫または未架橋のホース全体の上(具体的には外管の上)に配置される被覆材(シース)である。
本発明のホース成形用被覆材はホースの上に連続して配置することができる。本発明のホース成形用被覆材を使用してホースを製造することによってホースを成形(例えば、加硫、架橋)する際ホースの寸法を維持しつつホースを発泡させることなく外観、強度に優れるホースを製造することができる。
ホースを成形したのち、本発明のホース成形用被覆材はホースから剥離され、ホース成形用被覆材が剥離されたホースを適当な長さに切った後、両端に金具を装着することでホース製品とすることができる。
一方、剥離されたホース成形用被覆材は、ホース成形用被覆材組成物としてリサイクルされ再び未加硫または未架橋のホース全体の上を被覆するために再使用される。ホース成形用被覆材組成物はリサイクルにあたり、例えば、粉砕、溶融されるため、その形態が例えば、チップ、ペレット、溶液となる。
本発明はTPX樹脂に比べ熱可塑性ポリフェニレンスルフィド(熱可塑性PPS樹脂)のパーオキサイドに対する耐久性が高い事によって繰返し使用ができることがKeyとなると考えられる。
ゴムと樹脂とを接着させた状態で加硫を行うと、ゴム中に含まれる成分が樹脂へ移行しやすい。樹脂がTPX樹脂である場合、加硫時は加熱をするため、移行成分とTPX樹脂が反応する。そのため、加硫終了後、砕いて再利用した際に、反応部位がゴム面に対して肌荒れなどを引き起こしてしまう。
一方、熱可塑性ポリフェニレンスルフィド(熱可塑性PPS樹脂)はゴムに含まれる成分と樹脂が反応しないため肌荒れを起こさないと考えられる。
本発明のホース成形用被覆材を適用することができるホースは特に制限されない。例えば、内管、補強層および外管を少なくとも有するものが挙げられる。
内管に使用される材料は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
補強層に使用される材料は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
外管としては、例えば、樹脂製の外管、ゴム製の外管(以下これを「ゴム外管」ということがある。)が挙げられる。
本発明においては、本発明のホース成形用被覆材が被覆するのは、外管として加硫前のゴム外管を少なくとも有するホースであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
ゴム外管に使用される材料(ゴム組成物)は特に制限されない。例えば、硫黄を含有するゴム組成物(例えば、硫黄を含有するジエン系ゴム組成物)、パーオキサイド(例えば、有機過酸化物)を含有するゴム組成物(例えば、パーオキサイドとパーオキサイドによる架橋が可能なゴム(有機過酸化物架橋ゴム)とを含有する架橋系ゴム組成物)が挙げられる。ゴム外管に使用される材料は、パーオキサイドを含有するゴム組成物であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
ゴム外管に使用される材料は用途、目的に応じて適宜選択することができる。
ジエン系ゴムは特に制限されない。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)(高シスブタジエンゴム、低シスブタジエンゴム)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、液状ポリイソプレン、液状ポリブタジエン、液状1,2−ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合ゴム、液状ポリクロロプレンが挙げられる。
架橋系ゴム組成物に含有される、パーオキサイドによる架橋が可能なゴムとしては、例えば、上記と同様のジエン系ゴム;非ジエン系ゴムが挙げられる。
非ジエン系ゴムとしては、例えば、水素化スチレン−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR。完全水素添加物を含む。以下同様。)、マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合ゴム(EVM)、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体の臭素化物(BIMS)、ヒドリンゴム(ECO)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム(例えば、メチルビニルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)のようなオレフィン系ゴム;含イオウゴム(例えば、ポリスルフィドゴム);フッ素ゴム(例えば、ビニリデンフルオロライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)などが挙げられる。
なかでも、有機過酸化物架橋ゴムのうち、オレフィン系ゴムが好ましく、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、塩素化ポリエチレン(CM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)およびエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)からなる群から選択される少なくとも1種のゴムであるのがより好ましく、水素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(HNBR)、塩素化ポリエチレン(CM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)がさらに好ましい。
パーオキサイドによる架橋が可能なゴムはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
パーオキサイドは特に制限されない。例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、4,4′−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレリック酸n−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが挙げられる。
パーオキサイドはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
パーオキサイドの量は、ジエン系ゴムまたは架橋が可能なゴム100質量部に対して、0.5〜10.0質量部であるのが好ましく、1.0〜6.0質量部であるのがより好ましい。
外管を製造する際に使用されるゴム組成物は、必要に応じて本発明の目的を損わない範囲で、添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、加硫促進剤、充填剤、補強剤、老化防止剤、加硫活性化剤、可塑剤、顔料(染料)、粘着付与剤、滑剤、分散剤、加工助剤が挙げられる。
本発明のホース成形用被覆材に適用されるホースはその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
また、本発明のホース成形用被覆材に適用されるホースはその長さについて特に制限されない。本発明のホース成形用被覆材は柔軟性に優れるので、本発明のホース成形用被覆材を用いて得られる被覆ホースをドラムに巻き取ることができるという観点から、適用するホースを1万m以下の長尺ホースとすることができる。
本発明のホースの製造方法について以下に説明する。
本発明のホースの製造方法は、
加硫前のゴム外管を少なくとも有するホースAの外面上に、熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有する、ホース成形用被覆材組成物を用いて本発明のホース成形用被覆材を形成し、ホース成形用被覆材を有するホースBを得る被覆層形成工程と、
前記ホースBを加硫してホースCを得る加硫工程と、
前記ホースCから前記ホース成形用被覆材をはがして、ホースDを得る剥離工程と、
剥離後のホース成形用被覆材をリサイクルして前記ホース成形用被覆材組成物とするリサイクル工程とを有するホースの製造方法である。
被覆層形成工程について以下に説明する。
被覆層形成工程は、加硫前のゴム外管を少なくとも有するホースAの外面上に、熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有する、ホース成形用被覆材組成物を用いて本発明のホース成形用被覆材を形成し、ホース成形用被覆材を有するホースBを得る工程である。
被覆層形成工程において使用される、加硫前のゴム外管を少なくとも有するホースAは本発明のホース成形用被覆材を適用することができるホースと同義である。ホースAとして長尺ホースを使用することができる。ホースAが長尺ホースである場合、ホースAの長さは100m以上とすることができる。
被覆層形成工程において使用される、ホース成形用被覆材組成物は上記と同義である。
被覆層形成工程において、ホース成形用被覆材組成物はホース成形用被覆材となる。本発明のホースの製造方法におけるホース成形用被覆材は本発明のホース成形用被覆材であれば特に制限されない。
被覆層形成工程において得られるホースBは、ホース成形用被覆材を有する。なお、本発明において、ホース成形用被覆材を有するホースを被覆ホースということがある。
被覆層形成工程において、加硫前のゴム外管を少なくとも有するホースAの外面上に成形用被覆材組成物を用いてホース成形用被覆材を形成する方法は特に制限されない。例えば、マンドレル上のホースAに押し出し成形によってホース成形用被覆材を形成する方法が挙げられる。
押し出し成形の際の金型温度は、130〜150℃であるのが好ましい。
加硫工程について以下に説明する。
加硫工程は、被覆層形成工程で得られたホースBを加硫してホースCを得る工程である。
本発明において、加硫工程において、加硫は架橋(例えば、パーオキサイド架橋)を含むものとする。
加硫の際、ホースBはドラム(例えば、直径30cm〜3m)に巻き取られた状態とすることができる。
加硫の方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
加硫の温度は、100〜190℃が好ましい。加硫時間は20〜120分とすることができる。
加硫工程においてホースBが加硫され加硫されたホースCが得られる。
剥離工程について以下に説明する。
剥離工程は、加硫工程で得られたホースCから前記ホース成形用被覆材をはがして、ホースDを得る工程である。
ホースCからホース成形用被覆材をはがす方法は特に制限されない。
ホースCからホース成形用被覆材をはがして得られるホースDをホース製品とすることができる。
一方、ホースCからはがされたホース成形用被覆材は、リサイクル工程へ送られる。
リサイクル工程について以下に説明する。
リサイクル工程は、剥離後のホース成形用被覆材をリサイクルして前記ホース成形用被覆材組成物とする工程である。
リサイクル工程において、剥離後のホース成形用被覆材は、例えば、粉砕、溶融されてホース成形用被覆材組成物となる。
リサイクル工程における粉砕、溶融の方法は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
リサイクル工程における溶融温度は融点以上〜300℃であるのが好ましい。
リサイクル工程において得られたホース成形用被覆材組成物は、被覆層形成工程において使用される成形用被覆材組成物として再利用される。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
<評価>
下記のようにして得られた試験サンプルを用いて、以下に示す方法で、繰返し使用、加硫後のホース成形用被覆材の強度、加硫後のホース外観、環境汚染性を評価した。結果を第1表に示す。
1.繰り返し使用
ホース成形用被覆材が繰り返して使用できる(リサイクルできる)場合を「○」、繰り返して使用できるがハンドリング性が悪い場合を「△」、1回しか使用することができない場合を「×」とした。
2.加硫後の、ゴム外管およびホース成形用被覆材
(1)初回加硫後の、ゴム外管およびホース成形用被覆材
下記のようにして得られた試験サンプルを伝熱プレスを用いて150℃、4MPaの条件下で60分間プレス加硫し、初回加硫後の積層体を得た。得られた積層体からホース成形用被覆材をはがし、初回加硫後の、加硫ゴムシート(加硫ゴムシートはホースのゴム外管に当たる。)およびホース成形用被覆材を得た。
(2)6回加硫後の、ゴム外管およびホース成形用被覆材
上記と同様にして得られた初回加硫後の積層体からホース成形用被覆材をはがし、はがしたホース成形用被覆材に新しい未加硫ゴムシートをはり合わせ(このとき、ホース成形用被覆材において、初回と同じ面に未加硫ゴムシートをはり合わせる。)初回の加硫と同様に2回目の加硫を行った。このような、積層体からホース成形用被覆材をはがしてこれに新しい未加硫ゴムシートをはり合わせ加硫をする作業をさらに4回繰り返し、6回加硫後の積層体を得た。得られた積層体からホース成形用被覆材をはがし、6回加硫後の、加硫ゴムシートおよびホース成形用被覆材を得た。
なお、上記の評価方法はラボスケールではあるが、ホース成形用被覆材において、毎回同じ面がゴムと接するため、実機より厳しい条件となると考えられる。
3.加硫後のホース成形用被覆材の強度
(1)破断強度(TB)、破断伸び(EB
上記のようにして得られた、初回加硫後および6回加硫後の、ホース成形用被覆材(厚さ1mm)、ならびにホース成形用被覆材用シート(加硫前のホース成形用被覆材、厚さ1mm)をそれぞれJIS K6251に準じてダンベル状試験片(ダンベル状3号形)に切り出し、引張速度50mm/分の条件で引張試験を行い、破断強度(TB)、破断伸び(EB)を測定した。
なお、比較例3の破断強度(TB)は、JIS L1096 8.12.1に記載されている方法により試験を行った。
(2)繰り返し使用後のホース成形用被覆材の破断強度(TB)の変化率(%)
繰り返し使用後のホース成形用被覆材の破断強度(TB)の変化率(%)として、加硫前のホース成形用被覆材の破断強度(TB)に対する、6回加硫後のホース成形用被覆材の破断強度(TB)から加硫前のホース成形用被覆材の破断強度(TB)を引いた差の値の百分率を示す。
繰り返し使用後のホース成形用被覆材の破断強度(TB)の変化率(%)が−10%以上の場合、強度の低下が抑制されていると言える。
(3)繰り返し使用後のホース成形用被覆材の破断伸び(EB)の変化率(%)
繰り返し使用後のホース成形用被覆材の破断伸び(EB)の変化率(%)として、加硫前のホース成形用被覆材の破断伸び(EB)に対する、6回加硫後のホース成形用被覆材の破断伸び(EB)から加硫前のホース成形用被覆材の破断伸び(EB)を引いた差の値の百分率を示す。
繰り返し使用後のホース成形用被覆材の破断伸び(EB)の変化率(%)が−10%以上の場合、強度の低下が抑制されていると言える。
4.加硫後のホース外観
上記のようにして得られた、初回加硫後および6回加硫後の、加硫ゴムシートの外観を目視で確認した。
加硫後のホース外観の評価基準は、より平滑である場合を「◎」、平滑である場合を「○」、布目付(ゴム外管の表面に布の跡がある。)、発泡、凹凸がある場合を「×」とした。
5.環境汚染性
ホース成形用被覆材からの鉛による環境汚染性がないものを「○」、ホース成形用被覆材からの鉛による環境汚染性があるものを「×」とした。
<試験サンプルの作製>
1.未加硫ゴムシートの作製
水添アクリロニトリルブタジエンゴム(商品名:Nipol 2000L、日本ゼオン社製)100質量部、酸化亜鉛2質量部、ステアリン酸1質量部、カーボンブラック90質量部、パラフィン系プロセスオイル10質量部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン5質量部を150℃でミキシングロールで混練して得られた未加硫ゴムを室温でロールによりシート出しを行い、縦横15cm、厚さ1mmの未加硫ゴムシートを得た。
2.ホース成形用被覆材用シートの作製
第1表に示す、実施例1〜3、比較例1、2、4に使用するホース成形用被覆材を溶融し溶融物を押し出して、縦横15cm、厚さ1mmのホース成形用被覆材用シートを得た。
3.試験サンプルの作製
上記のようにして得られた、未加硫ゴムシートとホース成形用被覆材用シートとを重ね合わせて、積層体を得た。得られた積層体を試験サンプルとする。
第1表に示されている各成分の詳細は、以下のとおりである。
・熱可塑性PPS1:無置換のポリフェニレンスルフィド(重量平均分子量40,000)および可塑剤を含有する組成物
・熱可塑性PPS2:無置換のポリフェニレンスルフィド(重量平均分子量40,000)および可塑剤を含有する組成物
・熱可塑性PPS3:無置換のポリフェニレンスルフィド(重量平均分子量40,000)および可塑剤を含有する組成物
・TPX樹脂1:ポリメチルペンテン
・ナイロンパッラー:ポリアミド66
・熱硬化性PPS:官能基を有する内部硬化型のポリフェニレンスルフィド(熱硬化性PPS同士で架橋することができる。)
第1表に示す結果から明らかなように、熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有せず、代わりにポリメチルペンテンを含有する比較例1は繰り返し使用後のホース成形用被覆材の強度が低かった。鉛を使用する比較例2は環境汚染性が悪かった。ナイロンラッパーを使用する比較例3は、加硫後のホース外観に劣った。熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有せず、代わりに熱硬化性ポリフェニレンスルフィドを含有する比較例4は繰り返して使用することができなかった。ホース成形用被覆材を使用しない比較例5はホースのゴム外管に発泡が生じホースの外観に劣った。
これに対して、実施例1〜3は、繰り返して使用することができ、繰り返して使用しても耐久性に優れ、環境汚染性がなかった。
100 被覆ホース
101 ホース
102 本発明のホース成形用被覆材
103 マンドレル
105 内管
106 外管(ゴム外管)
107 補強層

Claims (6)

  1. 熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有する、ホース成形用被覆材。
  2. 曲げ弾性率が1,000〜4,000MPaである請求項1に記載のホース成形用被覆材。
  3. 前記熱可塑性ポリフェニレンスルフィドが下記式(I)で表される構成単位を有し、重量平均分子量が15,000〜100,000である請求項1または2に記載のホース成形用被覆材。
  4. ホースのゴム外管を被覆し、前記ゴム外管がパーオキサイドを含むゴム組成物を用いて得られる請求項1〜3のいずれかに記載のホース成形用被覆材。
  5. 加硫前のゴム外管を少なくとも有するホースAの外面上に、熱可塑性ポリフェニレンスルフィドを含有する、ホース成形用被覆材組成物を用いて請求項1〜4のいずれかに記載のホース成形用被覆材を形成し、ホース成形用被覆材を有するホースBを得る被覆層形成工程と、
    前記ホースBを加硫してホースCを得る加硫工程と、
    前記ホースCから前記ホース成形用被覆材をはがして、ホースDを得る剥離工程と、
    剥離後のホース成形用被覆材をリサイクルして前記ホース成形用被覆材組成物とするリサイクル工程とを有するホースの製造方法。
  6. 前記ホースAの長さが100m以上である請求項5に記載のホースの製造方法。
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