JP2011148258A - 熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、および該成形品を用いた、又は該ラベルを装着した容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリ乳酸系樹脂(A)、(メタ)アクリル系樹脂(B)、ポリオレフィン系樹脂(C)および、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリオレフィン系樹脂(C)との相溶性を向上させる相溶化剤(D)を含む樹脂組成物からなる(I)層と、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とし、コアシェル型ゴム(E)を含む樹脂組成物からなる(II)層の少なくとも2層を有する積層フィルムであって、前記積層フィルムが少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%以上であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
【選択図】なし
Description
上記本発明において、前記(I)層に含有される相溶化剤(D)が、幹成分と枝成分からなるグラフト共重合体であり、前記グラフト共重合体の幹成分または枝成分が、エチレン単位、αオレフィン単位、および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂セグメントから構成されるグラフト共重合体であることが好ましい。
なお、本明細書において、「主成分とする」とは、主成分として含有される樹脂が有する作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、各層の構成成分全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上100質量%以下を占める成分である。
本発明のフィルムは、ポリ乳酸系樹脂(A)(以下、「(A)成分」と称することがある)、(メタ)アクリル系樹脂(B)(以下、「(B)成分」と称することがある)、ポリオレフィン系樹脂(C)(以下、「(C)成分」と称することがある)、および上記(A)成分と(C)成分との相溶性を向上させる相溶化剤(D)(以下、「(D)成分」と称することがある)を含む樹脂組成物から構成される(I)層と、ポリ乳酸系樹脂(A)((A)成分)を主成分とし、コアシェル型ゴム(E)(以下、「(E)成分」と称することがある。)を含む樹脂組成物からなる(II)層との少なくとも2層を有し、少なくとも一方向に延伸され、かつ所定の収縮率を有する熱収縮性積層フィルムである。
(A)成分(ポリ乳酸系樹脂)
(A)成分は、(I)層を構成する樹脂組成物の主成分として含有される。
(A)成分であるポリ乳酸系樹脂とは、D−乳酸若しくはL−乳酸の単独重合体、又はそれらの共重合体をいい、具体的には構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、これらの共重合体の混合樹脂も含まれる。
次に、(B)成分である(メタ)アクリル系樹脂(B)について説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
前記(B)成分である(メタ)アクリル系樹脂とは、好ましくはメタクリル酸メチル単独重合体、又はメタクリル酸メチルを50質量%以上と、他のビニル単量体から選ばれる2種以上の単量体の共重合体である。このビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル類、不飽和酸類、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
また、前記の共重合体には、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリアクリル酸ブチル共重合体などのエラストマー成分や、無水グルタル酸単位、グルタルイミド単位をさらに含んでいてもよい。
次に、(C)成分であるポリオレフィン系樹脂(C)について説明する。
(II)層には、フィルムの耐衝撃性を向上させるために、熱収縮性、フィルムの剛性を損なわない範囲内で、(C)成分が使用される。(C)成分は、振動周波数10Hzの条件で測定したときの20℃の貯蔵弾性率(E’)が好ましくは100MPa以下、より好ましくは80MPa以下、さらに好ましくは50MPa以下である。また貯蔵弾性率(E’)の下限値としてフィルム全体の腰(常温での剛性)を考慮して、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは1.0MP以上、さらに好ましくは3.0MPa以上である。20℃の貯蔵弾性率(E’)が上記範囲に有する(C)成分は、ポリオレフィンの結晶化度が低く、密度が小さくなるため、(C)成分の平均屈折率も低くなり、混合する(A)成分との平均屈折率を近づけることができる。そのため、内部ヘイズを低減することが達成できるため、耐破断性の改良と透明性の維持において、非常に有用である。また貯蔵弾性率(E’)が100MPa以下であれば、耐破断性の改良効果が低下することもなく、大幅な外観不良の発生を抑えることができる。一方、貯蔵弾性率(E’)が0.1MPa以上であれば、フィルム全体の腰が大幅に低下することを抑えることができる。
ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、重合方法や共重合成分などにより多様な種類が存在するため、その範囲に特に限定されるものではないが、好ましくは、以下のとおりである。
次に、(D)成分である相溶化剤について説明する。相溶化剤は、前記(A)成分と(C)成分との相溶性を向上させるものであり、これらの樹脂を相溶化させる樹脂を主成分としてなるものである。相溶化剤は、(A)成分と(C)成分とを相溶化させる樹脂であれば特に限定されないが、(A)成分と(C)成分との相溶性および透明性の観点から、幹成分と枝成分からなるグラフト共重合体であることが好ましく、その幹成分、または枝成分が、エチレン単位、αオレフィン単位、および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂セグメントから構成されるグラフト共重合体を用いることがより好ましい。
本発明では、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂(汎用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体(SEPS)、スチレン−カルボン酸共重合体等)、ポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を少なくとも1種を、前記の(I)層を構成する樹脂組成物に添加することができる。
(I)層を構成する樹脂組成物全体を100質量%として、これに対し、前記(I)層に含まれる各成分の含有量は、(A)成分が20〜79質量%であり、(B)成分が10〜35質量%であり、(C)成分が10〜30質量%であり、(D)成分が1〜15質量%であることが好ましい。また、より好ましくは、各成分の含有量は、(A)成分が27〜67質量%、(B)成分が15〜30質量%であり、(C)成分が15〜25質量%、(D)成分が3〜12質量%である。
本発明の熱収縮性積層フィルムの(II)層は、(A)成分(ポリ乳酸系樹脂(A))を主成分とし、(E)成分(コアシェル型ゴム(E))を含む樹脂組成物からなる。
(A)成分(ポリ乳酸系樹脂)
(A)成分であるポリ乳酸系樹脂については、前述のとおりである。
次に、(E)成分であるコアシェル型ゴムについて説明する。
(E)成分は、コア層と、コア層を覆う少なくとも1層以上のシェル層とから構成される重合体である。該シェルの層数は特に限定されるものではなく、単層であっても2層以上であっても構わない。
なお、(E)成分の平均粒径は、一般的に動的光散乱法やレーザー回折法により測定することができる。
本発明のフィルムの構成は、前述したとおり、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分を含む樹脂組成物からなる(I)層と、前記の(A)層を主成分とし、(E)成分を含む樹脂組成物からなる(II)層との少なくとも2層を有すれば、層構成は特に限定されるものではない。(I)層を(II)層と積層することにより、熱収縮性フィルムの特性、特に収縮特性の調整を容易に行うことができる。
本発明のフィルムは、公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。平面状のフィルムの製造方法としては、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、チルドロールで冷却固化し、縦方向にロール延伸をし、横方向にテンター延伸をし、アニールし、冷却し、(印刷が施される場合にはその面にコロナ放電処理をして、)巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。また、チューブラー法により製造したフィルムを切り開いて平面状とする方法も適用できる。
(熱収縮率、収縮仕上り性)
本発明のフィルムは、80℃温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向の収縮率が20%以上であることが重要であり、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上である。
ここで、「熱収縮率」とは、後述するように、縦方向あるいは横方向について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表したものである。これは、ペットボトルの収縮ラベル用途等の比較的短時間(数秒〜十数秒程度)での収縮加工工程への適応性を判断する指標となる。なお、「主収縮方向」とは、縦方向と横方向のうち延伸方向の大きい方を意味し、例えば、ボトルに装着する場合にはその外周方向に相当する方向である。
本発明のフィルムの透明性は、例えば、厚さ40μmのフィルムをJIS K7105にて測定した場合、ヘイズ値は10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。ヘイズ値が10%以下であれば、フィルムの透明性が得られ、ディスプレー効果を奏することができる。
また、本発明のフィルムは、トリミングロス等により生じる再生原料を(I)層へ添加した場合、厚さ40μmのフィルムをJIS K7105にて測定したときの全ヘイズ値は10%以下、好ましくは8%以下であり、さらに好ましくは6%以下である。
本発明のフィルムの耐衝撃性は、引張破断伸度により評価され、0℃環境下の引張試験において、特にラベル用途ではフィルムの引き取り(流れ)方向(MD)で伸び率が、好ましくは100%以上、より好ましくは150%以上、さらに好ましくは200%以上ある。0℃環境下での引張破断伸度が100%以上あれば印刷・製袋などの工程時にフィルムが破断するなどの不具合を生じにくくなり、好ましい。また、印刷・製袋などの工程のスピードアップにともなってフィルムに対してかかる張力が増加するような際にも、引張破断伸度が150%以上あれば破断しづらく、好ましい。上限については特に限定されないが、現在の工程スピードを考えた場合、500%ほどあれば十分だと考えられ、伸びを付与しすぎようとするとその反面フィルムの剛性が低下してしまう傾向となる。
また、本発明のフィルムは、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度2℃/分、チャック間2.5cmの条件の下、測定温度が−150℃から150℃の範囲で、フィルム延伸方向と直交する方向について動的粘弾性を測定した際の、20℃における貯蔵弾性率(E’)が好ましくは1,200MPa以上3,000MPa以下、より好ましくは1,200MPa以上2,500MPa以下の範囲である。貯蔵弾性率(E’)が1,200MPa以上であれば、フィルム全体としての腰(常温での剛性)を高くすることができ、フィルムが柔らかくなりすぎて変形しやすくなり、印刷、製袋等の2次加工時にロールテンションによりフィルムが伸びる等の不具合や、フィルムの厚みを薄くした場合に、ペットボトル等の容器に製袋したフィルムをラベリングマシン等で被せる際に、斜めに被ったり、フィルムの腰折れ等の歩留まりが低下したりしやすい等の問題が発生し難いため、好ましい。一方、貯蔵弾性率(E’)が3,000MPa以下であれば、硬くて伸び難いフィルムになり、2次加工時に皺が入りやすくなる、使用時にカサカサした感触を感じさせるといった不具合が起きないため、好ましい。
本発明のフィルムの耐衝撃性は、ハイドロショットによって評価することができる。23℃環境下の引張試験において、特にラベル用途ではフィルムの耐衝撃値が、好ましくは980N・mm以上、より好ましくは1960N・mm以上である。23℃環境下での引張破断伸度が980N・mm以上あれば印刷・製袋などの工程時に張力が掛かる状況において、フィルムが破断するなどの不具合を生じにくくなる。特に、近年においては印刷・製袋工程の高速化が進んでいるため、耐衝撃性を確保することが重要となっている。そのような場合においても、耐衝撃値が980N・mm以上あれば破断しづらく、好ましい。上限については特に限定されないが、現在の工程スピードを考えた場合、2940N・mmほどあれば十分だと考えられ、耐衝撃値を付与させ過ぎようとすると、その反面フィルムの剛性が低下してしまう傾向となる。
本発明は、前記熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品(本発明の成形品)に関し、また本発明は、前記熱収縮性積層フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル(本発明のラベル)に関し、さらに本発明は、前記成形品を用いた、又は前記熱収縮性ラベルを装着した容器(本発明の容器)に関する。
なお、前記の成形品および容器は、通常の成形法を用いることにより作製することができる。
なお、実施例に示す測定値および評価は次のように行った。実施例では、積層フィルムの引き取り(流れ)方向を「縦」方向(又は、MD)、その直角方向を「横」方向(又は、TD)と記載する。
(1)熱収縮率
フィルムを縦100mm、横100mmの大きさに切り取り、70℃および80℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、TDとMDの両方の収縮量を測定した。熱収縮率は各方向について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
得られたフィルムの透明性を評価するため、JIS K7105にて全ヘイズ値を測定した。
◎:全ヘイズ値が5%以下の場合
○:全ヘイズ値が5%を超え、かつ、10%以下の場合
×:全ヘイズ値が10%を超える場合
得られた熱収縮性フィルムを主収縮方向と直交する方向(縦方向、MD)に110mm、主収縮方向に15mmの大きさに切り出し、JIS K7127に準拠し、引張速度100mm/minで、雰囲気温度23℃におけるフィルムの主収縮方向と直交する方向(縦方向、MD)での引張破断伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定し、下記基準に従い評価した。
◎:引張破断伸度が300%を超える場合
○:引張破断伸度が150%を超え、300%以下である場合
×:引張破断伸度が150%以下である場合
フィルムをMD160mm×TD235mmで切り出し、TDに10mm分重なるように折り、重なった部分をヒートシールし、円筒状とする。次いで、この円筒状のフィルムを500mlの多面体ボトルにボトルの下面までかぶせて仕上り評価用サンプルを作製した。
評価用サンプルは蒸気加熱方式の長さ4m(3ゾーン構成)の収縮トンネル中を回転させずに、トンネル内の各ゾーンの温度を以下の温度条件として5秒間で通過させ、ボトルに収縮したフィルムの腰折れに起因する折れ込みやシワがないか、収縮不足ではないかの確認を行い評価した。評価は各サンプルN=10で行った。
シュリンカー内の温度条件は以下のように設定した。
温度条件:1ゾーン/70〜75℃、2ゾーン/94〜97℃、3 ゾーン/95 〜101℃
蒸気を噴射するトンネル内のノズル位置: 1 ゾーン/ フィルム下部、2 ゾーン前半/ フィルム中央部、2 ゾーン後半/ フィルム全体、3 ゾーン/ フィルム全体
温度調整: ノズルに通じる蒸気配管のバルブ開閉により蒸気量を調整して行う。
◎:収縮が十分でシワ、アバタ、白化、歪みが全く生じない
○:収縮が十分だが、シワ、アバタ、白化、歪みがごく僅かに生じるが、実用上問題にならない
△:収縮が十分だが、シワ、アバタ、白化、歪みがごく僅かに生じ、用途によっては問題となる
×:収縮が不充分、又はシワ、アバタ、歪みが顕著に生じる
ハイドロショット高速衝撃試験器((株)島津製作所製「HTM−1型」)を用いて、縦方向100mm×横方向100mmの大きさに切り出したシートを試料とし、クランプで固定し、温度0℃ でフィルム中央に直径が1/2インチの撃芯を落下速度3m/秒で落として衝撃を与え、試料が破壊するときのエネルギー(N・mm)を、5回の測定値の平均値を測定し、下記基準に従い評価した。
◎:試料が破壊するときのエネルギーが1960N・mmを超える場合
○:試料が破壊するときのエネルギーが980N・mmを超え、1960N・mm以下である場合
×:試料が破壊するときのエネルギーが980N・mm以下である場合
フィルムに粘着テープを貼り付け、テープを剥がした後のフィルムの状態を評価した。
○:フィルムに貼り付けたテープを剥がすと、剥がす前の状態を保つ場合
×:フィルムに貼り付けたテープを剥がすと、フィルム内で層間剥離を発生する場合
得られたフィルムの外観を、下記の基準で評価した。
○:フィルムに斑がほとんどなく、外観が良い。
×:フィルムの斑が激しく、著しく外観が悪い。
(A)成分(ポリ乳酸系樹脂)
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4060D、D体/L体量=12/88、「PLA(A1)」と略する。
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4043D、D体/L体量=4.25/93.75、「PLA(A2)」と略する。
・住友化学社製、商品名:スミペックスMGSS(Tg=108℃、MFR=10g/min)、「PMMA(B1)」と略する。
・住友化学社製、商品名:スミペックスLG35(Tg=90℃、MFR=35g/min)、「PMMA(B2)」と略する。
・クラレ社製、商品名:パラペットHR−1000−L(Tg=120℃、MFR=2g/min)、「PMMA(B3)」と略する。
・クラレ社製、商品名:パラペットSA−FW(Tg=20℃)、「PMMA(B4)」と略する。
・ダウケミカル社製、商品名:バーシファイ2400、ポリプロピレン−エチレンランダム共重合体[ポリプロピレン/エチレン=85/15、10Hz貯蔵弾性率:10MPa(20℃)、3MPa(70℃)]、「PO(C1)」と略する。
・ダウケミカル社製、商品名:バーシファイ2200、ポリプロピレン−エチレンランダム共重合体[ポリプロピレン/エチレン=91/9、10Hz貯蔵弾性率:150MPa(20℃)、20MPa(70℃)]、「PO(C2)」と略する。
・日油社製、商品名:モディパーA5200[(エチレン−アクリル酸エチル)−メタクリル酸メチルグラフト共重合体(=70/30)、10Hz貯蔵弾性率:85MPa(20℃)、14MPa(70℃)]、「相溶化剤(D1)」と略する。
・カネカ社製、商品名:カネエースFM−40、コア層:アクリル重合体、シェル層: メタクリル酸メチル重合体、屈折率1.44、「コアシェル型ゴム(E1)」と略する。
・三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンS2006、コア層:シリコーン/ アクリル重合体、シェル層: メタクリル酸メチル重合体、屈折率1.44、「コアシェル型ゴム(E2)」と略する。
(I)層、および(II)層に用いる樹脂組成物は、各原材料をそれぞれ表1および表2に示す配合にて混合した後、2軸押出機(三菱重工業社製)に投入し、設定温度220℃で溶融混合し、設定温度220℃のストランドダイスより押出した後、水槽にて冷却した樹脂組成物を、ストランドカッターにより切削し、ペレットとした。
次いで、2台の単軸押出機(三菱重工業社製)、および2種3層マルチマニホールド口金により、(II)層/(I)層/(II)層の積層共押出が可能な設備において、(I)層を形成する単軸押出機に、先にペレット化した(I)層用樹脂を導入し、(II)層を形成する単軸押出機に、(II)層用樹脂を導入し、各押出機設定温度220℃で溶融混合後、各層の厚みが、(II)層/(I)層/(II)層=24μm/152μm/24μmとなるよう共押出し、60℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅200mm、厚さ200μmの未延伸積層シートを得た。次いで、このシートをフィルムテンター(京都機械社製)を用いて、予熱75℃、延伸75℃、熱処理90℃、予熱1ゾーン、延伸3ゾーン、熱処理2ゾーンにて、横方向に5倍延伸をして、厚さ40μmの熱収縮性フィルムを得た。
また、比較例4については、(II)層を導入せず(I)層のみで押出し、厚さ200μmの未延伸単層シートを得て、上記同様の延伸条件にて厚さ40μmの熱収縮フィルムを得た。
なお、実施例1、実施例13および参考例1については、ハンドリング性についても評価し、また実施例1、実施例13および参考例2については、フィルムの外観についても評価した。
Claims (8)
- ポリ乳酸系樹脂(A)、(メタ)アクリル系樹脂(B)、ポリオレフィン系樹脂(C)、およびポリ乳酸系樹脂(A)とポリオレフィン系樹脂(C)との相溶性を向上させる相溶化剤(D)を含む樹脂組成物からなる(I)層と、ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とし、コアシェル型ゴム(E)を含む樹脂組成物からなる(II)層の少なくとも2層を有する積層フィルムであって、前記積層フィルムが、少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%以上であることを特徴とする熱収縮性積層フィルム。
- 前記(I)層を構成する樹脂組成物を100質量%とした場合、前記(I)層に含まれるポリ乳酸系樹脂(A)の含有量が20〜79質量%であり、(メタ)アクリル系樹脂(B)の含有量が10〜35質量%であり、ポリオレフィン系樹脂(C)の含有量が10〜30質量%であり、相溶化剤(D)の含有量が1〜15質量%である、請求項1に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記(I)層に含有される相溶化剤(D)が、幹成分と枝成分からなるグラフト共重合体であり、前記グラフト共重合体の幹成分または枝成分が、エチレン単位、αオレフィン単位、および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂セグメントから構成されるグラフト共重合体である、請求項1又は2に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記(II)層に含有されるコアシェル型ゴム(E)のシェル層が(メタ)アクリル酸エステルからなり、コア層がシリコーンゴムまたはアクリル系ゴムからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記(II)層に含有されるコアシェル型ゴム(E)の含有量が、(II)層を構成する樹脂組成物を100質量%とした場合、3〜20質量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルム。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として有する成形品。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として有する熱収縮性ラベル。
- 請求項6に記載の成形品を用いた、又は請求項7に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
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