JP5413830B2 - ポリ乳酸系熱収縮性積層フィルム、該熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品および熱収縮性ラベル、ならびに、該成形品および熱収縮性ラベルを装着した容器 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明の課題は、ポリ乳酸系樹脂を主成分とし、コアシェル型ゴムを含む樹脂組成物からなるA層と、ポリ乳酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、および相溶化剤からなる樹脂組成物を主成分としてなるB層が、A/B/Aの順に積層された3層から構成される積層フィルムであって、前記B層の樹脂組成物は、樹脂組成物全体を100質量%としたとき、ポリ乳酸系樹脂を60質量%以上89質量%以下、ポリオレフィン系樹脂を10質量%以上40質量%以下、相溶化剤を1質量%以上15質量%以下含有し、前記相溶化剤が、エチレン−αオレフィン共重合体ゴム、エチレン−αオレフィン−非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー、およびスチレン系熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる熱可塑性樹脂セグメントを幹成分とし、少なくとも1種のビニル系単量体から形成されるビニル系重合体セグメントを枝成分とするグラフト共重合体であり、前記積層フィルムが少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%以上である熱収縮性積層フィルム(以下、第1の発明という。)によって達成される。
第1の発明は、ポリ乳酸系樹脂を主成分とし、コアシェル型ゴムを含む樹脂組成物からなるA層を最外層として有する。
第1の発明のA層で使用されるポリ乳酸系樹脂は、D−乳酸もしくはL−乳酸の単独重合体、またはこれらの共重合体であり、具体的には構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、また、D−乳酸とL−乳酸との共重合比の異なる複数の上記共重合体の混合樹脂も含まれる。
第1の発明のA層で使用されるコアシェル型ゴムは、コア層とコア層を覆う1層以上のシェル層から構成される重合体である。本発明のフィルムのA層で使用されるシェルの層数は特に限定されるものではなく、2層以上であっても構わない。
第1の発明のB層は、ポリ乳酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、および相溶化剤からなる樹脂組成物を主成分とする。また、後に説明するとおりB層は内層である。
B層において用いるポリ乳酸系樹脂は、上記したA層におけるものと同様のものを使用することができる。
第1の発明において使用されるポリオレフィン系樹脂は、振動周波数10Hz、歪み0.1%の条件で測定したときの20℃の貯蔵弾性率(E’)が100MPa以下、好ましくは80MPa以下、さらに好ましくは50MPa以下である。また貯蔵弾性率(E’)の下限値はフィルム全体の腰(常温での剛性)を考慮し、0.1MPa以上、好ましくは1.0MP以上、さらに好ましくは3.0MPa以上である。第1の発明の20℃の貯蔵弾性率(E’)が上記範囲に有するポリオレフィン系樹脂は、ポリオレフィンの結晶化度が低く、密度が小さくなるため、ポリオレフィン系樹脂の平均屈折率も低くなり、混合するポリ乳酸系樹脂との平均屈折率を近づけることができる。そのため、第1の発明の内部ヘイズを低減することが達成できるため、耐破断性の改良と透明性の維持において、非常に有用である。また貯蔵弾性率(E’)が100MPa以下であれば、耐破断性の改良効果が低下することもなく、大幅な外観不良の発生を抑えることができる。一方、第1の発明の貯蔵弾性率(E’)が0.1MPa以上であれば、フィルム全体の腰が大幅に低下することを抑えることができる。
なお、ポリオレフィン系樹脂の貯蔵弾性率(E’)は、20℃および70℃の温度下で、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度2℃/分、チャック間2.5cmの条件の下、−150℃から200℃の範囲で動的粘弾性を測定することにより算出することができる。
第1の発明において相溶化剤は、ポリ乳酸系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを相溶化させる樹脂を主成分としてなる。相溶化剤は、ポリ乳酸系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを相溶化させる樹脂であれば特に限定されないが、エチレン−αオレフィン共重合体ゴム、エチレン−αオレフィン−非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー、およびスチレン系熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる熱可塑性樹脂セグメントを幹成分とし、少なくとも1種のビニル系単量体から形成されるビニル系重合体セグメントを枝成分とするグラフト共重合体を用いることが好ましい。
第1の発明において、前記B層を構成するポリ乳酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、および相溶化剤の質量比は、前記B層を構成する樹脂組成物100質量%に対して、ポリ乳酸系樹脂が60質量%以上89質量%以下であり、ポリオレフィン系樹脂が10質量%以上40質量%以下であり、相溶化剤が1質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
さらに第1の発明では、上記A層およびB層には本発明の効果を著しく阻害しない範囲で上記ポリオレフィン系樹脂以外の、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂(GPPS(汎用ポリスチレン))、HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)、SBS(スチレン−ブタジエン共重合体)、SIS(スチレン−イソプレン共重合体)、SEBS(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合)、SEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体)、スチレン−カルボン酸共重合体)等、ポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を少なくとも1種以上さらに含有することができる。
第1の発明は、上記混合樹脂を用いて、公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。
第1の発明は、A層およびB層が、A/B/Aの順に積層された3層から構成される積層フィルムである。
(収縮率)
第1の発明は、80℃温水中に10秒間浸漬させた際の主収縮方向の熱収縮率が20%以上であることが重要であり、より好ましくは30%以上である。
第1の発明の透明性は、厚み50μmのフィルムをJIS K7105に準拠した場合、全ヘイズ値は30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、7%以下であることが最も好ましい。また、内部ヘイズ値は15%以下であることが好ましく、12%以下であることがより好ましく、10%以下であることがさらに好ましく、6%以下であることが最も好ましい。全ヘイズ値が30%以下であれば、フィルムを装着した被覆体の視認性を保持することができ、また内部ヘイズ値が15%以下であれば、フィルムの積層化等によりフィルムの表面荒れを抑制することで、フィルムの全ヘイズ値をさらに低減させることができ、より透明性を向上させることができる。
第1の発明の耐衝撃性は、引張破断伸度により評価できる。この引張破断伸度は、雰囲気温度0℃の引張試験において、特にラベル用途ではフィルムの引き取り(流れ)方向(MD)で伸び率が100%以上、好ましくは150%以上、さらに好ましくは200%以上ある。雰囲気温度0℃での引張破断伸度が100%以上あれば印刷・製袋などの工程時にフィルムが破断するなどの不具合を生じにくくなり、好ましい。また、印刷・製袋などの工程の高速化にともなってフィルムに対してかかる張力が増加するような際にも、引張破断伸度が150%以上あれば破断しづらく、好ましい。上限については特に限定されないが、現在の工程の速度を考えた場合、500%ほどあれば十分だと考えられ、伸びを付与しすぎようとするとその反面フィルムの剛性が低下してしまう傾向となる。
第1の発明は、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度2℃/分、チャック間2.5cmの条件の下、測定温度が−150℃から150℃の範囲で、フィルム延伸方向と直交する方向について動的粘弾性を測定した際の、20℃における貯蔵弾性率(E’)が1,000MPa以上3,000MPa以下の範囲にあることが好ましく、1,200MPa以上2,500MPa以下の範囲であることがさらに好ましい。フィルムの貯蔵弾性率E’が1,000MPa以上であれば、フィルム全体としての腰(常温での剛性)を高くすることができ、フィルムが柔らかくなり過ぎて変形しやすくなり、印刷、製袋等の2次加工時にロールテンションによってフィルムが伸びる等の不具合や、フィルムの厚みを薄くした場合において、ペットボトル等の容器に製袋したフィルムをラベリングマシン等で被せる際に、斜めに被ったり、フィルムの腰折れ等で歩留まりが低下したりしやすい等の問題点が発生し難いため、好ましい。一方、フィルムの貯蔵弾性率E’が3,000MPa以内であれば、硬くて伸びにくいフィルムになり、2次加工時にシワが入りやすくなる、使用時にカサカサした感触を感じさせるといった不具合が起きないため、好ましい。
第1の発明の自然収縮率はできるだけ小さい方が望ましいが、一般的に熱収縮性フィルムの自然収縮率は、例えば、30℃50%RHで30日保存後の自然収縮率は、好ましくは3.0%未満、より好ましくは2.0%以下、さらに好ましくは1.5%以下である。上記条件下における自然収縮率が3.0%未満であれば作製したフィルムを長期保存する場合であっても容器等に安定して装着することができ、実用上問題を生じにくい。上記フィルムの自然収縮率を調整する手段としては、各層の樹脂組成を本発明で規定する範囲とすることが重要であるが、特に混合樹脂層のフィルム全体の厚みに対する厚み比を10%以上とすることが好ましい。
第1の発明は、被包装物によって平面状から円筒状等に加工し包装に供することができる。ペットボトル等の円筒状の容器で印刷を要するものの場合、まずロールに巻き取られた広幅のフラットフィルムの一面に必要な画像を印刷し、そしてこれを必要な幅にカットしつつ印刷面が内側になるように折り畳んでセンターシール(シール部の形状はいわゆる封筒貼り)して円筒状とすれば良い。センターシール方法としては、有機溶剤による接着方法、ヒートシールによる方法、接着剤による方法、インパルスシーラーによる方法が考えられる。この中でも、生産性、見栄えの観点から有機溶剤による接着方法が好適に使用される。
得られた熱収縮性フィルムを縦100mm、横100mmの大きさに切り取り、70℃及び、80℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、収縮量を測定した。熱収縮率は、縦方向および横方向について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
◎:熱収縮率が40%以上の場合
○:熱収縮率が20%以上40%未満の場合
×:熱収縮率が20%未満の場合
得られた熱収縮性フィルムを主収縮方向と直交する方向(縦方向)に110mm、主収縮方向に15mmの大きさに切り出し、JIS K6732に準拠し、引張速度100mm/minで、雰囲気温度0℃および23℃におけるフィルムの主収縮方向と直交する方向(縦方向)での引張破断伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定し、下記基準に従い評価した。測定値および評価の結果を表1に示した。
◎:引張破断伸度が200%を超える場合
○:引張破断伸度が100%を超え、200%以下である場合
×:引張破断伸度が100%以下である場合
得られたフィルムの透明性を評価するため、JIS K7105にて全ヘイズ値を測定した。
◎:全ヘイズ値が7%未満の場合
○:全ヘイズ値が7%以上9%未満の場合
×:全ヘイズ値が9%以上の場合
(ポリ乳酸系樹脂)
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4060D、L体/D体量=88/12、以下、「PLA(1)」と略する。
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4042D、L体/D体量=95/5、以下、「PLA(2)」と略する。
・Nature WorksLLC社製、商品名:NatureWorks4032D、L体/D体量=98.8/1.2、以下、「PLA(3)」と略する。
・ダウケミカル社製、商品名:バーシファイ2400、ポリプロピレン−エチレンランダム共重合体[ポリプロピレン/エチレン=85/15、10Hz貯蔵弾性率:10MPa(20℃)、3MPa(70℃)]、以下、「PO(1)」と略する。
・日油社製、商品名:モディパーA5200[(エチレン−アクリル酸エチル)−メタクリル酸メチルグラフト共重合体(=70/30)、10Hz貯蔵弾性率:85MPa(20℃)、14MPa(70℃)]、以下「相溶化剤(1)」と略する。
・三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンS2001(以下「コアシェル型ゴム(1)」と略する。)
・三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンS2006(以下「コアシェル型ゴム(2)」と略する。)
・三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンW450A(以下「コアシェル型ゴム(3)」と略する。)
・三菱レイヨン社製、商品名:メタブレンSX005(以下「コアシェル型ゴム(4)」と略する。)
・カネカ社製、商品名:カネエースFM−21(以下「コアシェル型ゴム(5)」と略する。)
・カネカ社製、商品名:カネエースFM−40(以下「コアシェル型ゴム(6)」と略する。)
・カネカ社製、商品名:カネエースFM−53(以下「コアシェル型ゴム(7)」と略する。)
・カネカ社製、商品名:カネエースUF−100(以下「コアシェル型ゴム(8)」と略する。)
表1から3に示す、PLA(1)33質量%、PLA(2)44質量%とPO(1)17質量%、および、相溶化剤(1)7質量%とを混合して2軸押出機(三菱重工業社製)に投入し、設定温度210℃で溶融混合し、設定温度210℃のストランドダイスより押出した後、水槽にて冷却した樹脂組成物を、ストランドカッターにより切削し、ペレットを得た(B層用樹脂(1)と称する。)。
また、表2に示すように、PLA(1)16質量%、PLA(2)27質量%とPO(1)50質量%、および相溶化剤(1)7質量%と変更した以外は、上記B層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する比較例5に示す検討に用いた(B層用樹脂(2)と称する。)
また、表2に示すように、PLA(1)33質量%、PLA(2)44質量%とPO(1)24質量%と変更した以外は、上記B層用樹脂(1)と同様の手法によりペレットを得て、後述する比較例6に示す検討に用いた(B層用樹脂(3)と称する。)
次に、表1に示す、PLA(1)40質量%、PLA(2)50質量%と、コアシェル型ゴム(1)〜(8)をそれぞれ10質量%とを混合して2軸押出機(三菱重工業社製)に投入し、設定温度210℃で溶融混合し、設定温度210℃のストランドダイスより押出した後、水槽にて冷却した樹脂組成物を、ストランドカッターにより切削し、ペレットを得た(それぞれA層用樹脂(1)〜(8)と称する。)。
また、表3に示すように、PLA(1)42.5質量%、PLA(2)52.5質量%と、コアシェル型ゴム(2)5質量%と変更した以外は、A層用樹脂(1)〜(8)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例9に示す検討に用いた(A層用樹脂(9)と称する。)。
また、表3に示すように、PLA(1)35質量%、PLA(2)45質量%と、コアシェル型ゴム(2)20質量%と変更した以外は、A層用樹脂(1)〜(8)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例10に示す検討に用いた(A層用樹脂(10)と称する。)。
また、表3に示すように、PLA(1)42.5質量%、PLA(2)52.5質量%と、コアシェル型ゴム(3)5質量%と変更した以外は、A層用樹脂(1)〜(8)と同様の手法によりペレットを得て、後述する実施例11に示す検討に用いた(A層用樹脂(11)と称する。)。
また、表3に示すように、PLA(1)45質量%、PLA(2)55質量%と変更した以外は、A層用樹脂(1)〜(8)と同様の手法によりペレットを得て、後述する比較例7に示す検討に用いた(A層用樹脂(12)と称する。)。
また、表3に示すように、PLA(1)25質量%、PLA(2)35質量%と、コアシェル型ゴム(2)40質量%と変更した以外は、A層用樹脂(1)〜(8)と同様の手法によりペレットを得て、後述する比較例8に示す検討に用いた(A層用樹脂(13)と称する。)。
2台の単軸押出機(三菱重工業社製)、および2種3層マルチマニホールド口金により、A層/B層/A層の積層共押出が可能な設備において、B層を形成する単軸押出機に、先にペレット化したB層用樹脂(1)を導入し、A層を形成する単軸押出機に、A層用樹脂(1)を導入し、各押出機設定温度210℃で溶融混合後、各層の厚みが、A層/B層/A層=30μm/190μm/30μmとなるよう共押出し、50℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅200mm、厚さ250μmの未延伸積層シートを得た。次いで、このシートをフィルムテンター(京都機械社製)を用いて、予熱75℃、延伸75℃、熱処理85℃、予熱1ゾーン、延伸3ゾーン、熱処理2ゾーンにて、横方向に5倍延伸をして、厚さ50μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1におけるA層用樹脂(1)を、それぞれA層用樹脂(2)〜(8)に変更した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
2台の単軸押出機(三菱重工業社製)、および2種3層マルチマニホールド口金により、A層/B層/A層の積層共押出が可能な設備において、B層を形成する単軸押出機に、先にペレット化したB層用樹脂(1)を導入し、A層を形成する単軸押出機を使用せずに、押出機設定温度210℃で溶融混合後、B層の厚みが、250μmとなるよう押出し、50℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅200mm、厚さ250μmの未延伸積層シートを得た。次いで、このシートをフィルムテンター(京都機械社製)を用いて、予熱75℃、延伸75℃、熱処理85℃、予熱1ゾーン、延伸3ゾーン、熱処理2ゾーンにて、横方向に5倍延伸をして、厚さ50μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
2台の単軸押出機(三菱重工業社製)、および2種3層マルチマニホールド口金により、A層/B層/A層の積層共押出が可能な設備において、B層を形成する単軸押出機を使用せず、A層を形成する単軸押出機に、A層用樹脂(1)を導入し、押出機設定温度210℃で溶融混合後、A層の厚みが、250μmとなるよう押出し、50℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅200mm、厚さ250μmの未延伸積層シートを得た。次いで、このシートをフィルムテンター(京都機械社製)を用いて、予熱75℃、延伸75℃、熱処理85℃、予熱1ゾーン、延伸3ゾーン、熱処理2ゾーンにて、横方向に5倍延伸をして、厚さ50μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
A層を形成する単軸押出機に、A層用樹脂(2)、(3)を導入した以外は、比較例2と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
2台の単軸押出機(三菱重工業社製)、および2種3層マルチマニホールド口金により、A層/B層/A層の積層共押出が可能な設備において、B層を形成する単軸押出機に、先にペレット化したB層用樹脂(2)を導入し、A層を形成する単軸押出機に、A層用樹脂(2)を導入し、各押出機設定温度210℃で溶融混合後、各層の厚みが、A層/B層/A層=30μm/190μm/30μmとなるよう共押出し、50℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて幅200mm、厚さ250μmの未延伸積層シートを得た。次いで、このシートをフィルムテンター(京都機械社製)を用いて、予熱75℃、延伸75℃、熱処理85℃、予熱1ゾーン、延伸3ゾーン、熱処理2ゾーンにて、横方向に5倍延伸をして、厚さ50μmの熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
表2に示すように、B層を形成する単軸押出機に、先にペレット化したB層用樹脂(3)を導入した以外は、比較例5と同様の手法により熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
表3に示すように、A層を形成する単軸押出機に、それぞれA層用樹脂(9)〜(13)を導入した以外は、実施例1と同様の手法により、熱収縮性フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
Claims (6)
- ポリ乳酸系樹脂を主成分とし、コアシェル型ゴムを含む樹脂組成物からなるA層と、ポリ乳酸系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、および相溶化剤からなる樹脂組成物を主成分としてなるB層が、A/B/Aの順に積層された3層で構成される積層フィルムであって、
前記B層の樹脂組成物は、樹脂組成物全体を100質量%としたとき、ポリ乳酸系樹脂を60質量%以上89質量%以下、ポリオレフィン系樹脂を10質量%以上40質量%以下、相溶化剤を1質量%以上15質量%以下含有し、
前記相溶化剤が、エチレン−αオレフィン共重合体ゴム、エチレン−αオレフィン−非共役ポリエン共重合体ゴム、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー、およびスチレン系熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる熱可塑性樹脂セグメントを幹成分とし、少なくとも1種のビニル系単量体から形成されるビニル系重合体セグメントを枝成分とするグラフト共重合体であり、
前記積層フィルムが少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が20%以上である、熱収縮性積層フィルム。 - 前記A層を構成する樹脂組成物に含有されるコアシェル型ゴムにおけるシェルが(メタ)アクリル酸エステルであり、コアシェル型ゴムにおけるコアがシリコーンゴムまたはアクリル系ゴムである請求項1に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 前記コアシェル型ゴムの含有率が、A層を構成する樹脂組成物100質量%に対し、3質量%以上20質量%以下である、請求項1または請求項2に記載の熱収縮性積層フィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた成形品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性積層フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル。
- 請求項4に記載の成形品または請求項5に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
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