JP5433804B1 - 熱収縮性フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及び該成形品を用いた、又は該ラベルを装着した容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
収縮包装後に再加熱が施される場合においても良好な収縮特性をもち、機械的特性、および透明性に優れ、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性フィルムを提供することを目的とする。特に、調理済み食品入り容器の結束帯として用いる場合に、装着適性や収縮仕上がり性等の一次加工性に優れ、かつ加熱時に容器の潰れ防止することができる熱収縮性フィルムを提供する。
【解決手段】
ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする層((I)層)を少なくとも1層有する熱収縮フィルムであって、少なくとも一方向に延伸され、かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上30%以下であり、80℃のシリコンオイル中における1分後の収縮応力が2MPa未満であり、ヘーズが3.0%未満であり、主収縮方向と直交する方向における30℃環境下で30日経過後の引張破断伸度が200%以上であることを特徴とする熱収縮性フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、収縮包装後に再加熱が施される場合においても、良好な収縮特性を持ち、機械的特性、および透明性に優れ、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮フィルムを提供する。特に、調理済み食品入り容器の結束帯として用いる場合に、装着適性や収縮仕上がり性等の一次加工性に優れ、かつ加熱時に容器の潰れ防止することができる熱収縮性フィルムに関する。
近年、コンビニエンスストア等で販売されている、弁当、ラーメン、うどん、そば等の調理済みの内容物が入れられた食品入りの容器に、熱収縮性フィルムに印刷を施し製袋した帯状の包装体を巻き付けて、加熱収縮させることにより、容器を包装する形態が採用されている。
調理済み食品の種類としては、例えば冷麺の様に、商品が冷蔵保管された状態のまま内容物を食する場合と、例えば温麺の様に、冷蔵保管された商品を電子レンジで加熱して内容物を温めた後、内容物を食する場合の、大きく二種類に大別できる。冷麺の様な場合、当該包装体を熱収縮させて食品入り容器に包装するための加熱処理が施され、一方、温麺の様な場合、当該包装体を熱収縮させて食品入り容器に包装するための(一次的な)加熱処理が施された後、食品入り容器の内容物を温める際に電子レンジによる二次的な加熱処理が施される。
このため、容器の包装体として使用する熱収縮フィルムの材質によっては、使用範囲が制限される。例えば、ポリスチレン系樹脂製の熱収縮性フィルムは、容器を包装するための一次的な加熱処理を施す際には、フィルムが収縮する際に発生する収縮応力が低く、容器を潰し難いため、冷麺用途においては適している。しかしながら、ポリスチレン系樹脂製熱収縮性フィルムは油分に弱い性質を持つため、温麺用途においては、電子レンジによる二次的な加熱処理によって、内容物中に含まれる油成分等が蒸発する際に、フィルムが侵され包装体が破袋してしまう。
また、ポリエステル系樹脂製の熱収縮性フィルムは、収縮応力が高いため、冷麺及び温麺用途において容器を包装するための一次的な加熱処理を施す際や、電子レンジによる二次的な加熱処理を施す際において、容器が潰れ易い問題が従来からあった。このポリエステル系樹脂製の熱収縮性フィルムの課題を解決するため、特許文献1では、収縮率を30%未満に下げ、収縮応力を5MPa未満とすることによって、電子レンジ加熱時の弁当箱の潰れを防止する技術が提案されている。しかしながら、近年はさらに弁当箱や麺類等の容器の軽量化(薄肉化)が進み、容器の強度は低下し、容器潰れの問題が潜在化しているため、収縮応力が高いポリエステル系樹脂製の熱収縮性フィルムは、潰れを起こさない容器形状にのみ使用が限定されるのが現状である。
一方、加工技術の観点からは、例えば、特許文献2には、非収縮性フィルムと熱収縮性フィルムとを接着剤等によって繋ぎ合わせる包装体が提案されている。この包装体の場合、包装体を作製する上で、熱収縮性フィルムと非収縮性フィルムを所定の大きさに裁断し、接着剤等で繋ぎ合わせる工程が必要となる。
ところで、最近では枯渇性資源の有効活用が重要視され、再生可能資源の利用が重要な課題となっている。現在、その解決策として最も注目されているのが植物由来原料プラスチックの利用である。特許文献3には、この植物由来原料プラスチックであるポリ乳酸系樹脂を包装体として使用する技術が提案されている。しかしながらこのフィルムも、最近の軽量化・薄肉化された容器の潰れを抑制するには十分ではなく、一次加工性と、軽量化・薄肉化された容器への二次加工性とを、ともに満足することが可能な収縮特性の再設計が必要とされつつある。また特許文献3の熱収縮性フィルムは、透明性や耐破断性等の機械的特性にも、不十分な点が残っていた。
特許第4092980号公報 特開2008−297005号公報 特許第4947892号公報
このように、最近の軽量化・薄肉化された容器に適用しても容器潰れを起こさない収縮特性を備え、かつ、一次的加熱処理及び二次的加熱処理を施す際において破袋が無く、機械的特性および透明性にも優れた包装体を得ることができ、工程を増やさず包装体を作製することができる熱収縮性フィルムが求められている。
そこで、本発明は、収縮包装後に再加熱が施される場合においても良好な収縮特性を備え、機械的特性、および透明性に優れ、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮性フィルムを提供することを目的とする。特に、調理済み食品入り容器の結束帯として用いる場合に、装着適性や収縮仕上がり性等の一次加工性に優れ、かつ加熱時に容器の潰れ防止することができる熱収縮性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記実情に鑑み、鋭意検討した結果、ポリ乳酸に特定の成分を含有させてなるフィルムにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに到った。
即ち、本発明の要旨は下記(1)〜(12)に存する。
(1)ポリ乳酸系樹脂(A)70〜95質量%と、ポリオレフィン系樹脂(B)1〜10質量%と、コアシェル型ゴム(C)3〜15質量%と、前記ポリ乳酸系樹脂(A)と前記ポリオレフィン系樹脂(B)との相溶性を向上させる相溶化剤(D)1〜5質量%とを含む樹脂組成物からなる層((I)層)を少なくとも1層有する熱収縮フィルムであって、
熱収縮性フィルム全体の厚みに対する前記(I)層の厚さの割合が50%以上であり、
延伸温度60℃以上90℃以下にて少なくとも一方向に延伸されてなるとともに、延伸後、90℃以上120℃以下で熱処理されてなり、
かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上30%以下であり、80℃のシリコンオイル中における1分後の収縮応力が2MPa未満であり、ヘーズが3.0%未満であり、主収縮方向と直交する方向における30℃環境下で30日経過後の引張破断伸度が200%以上であることを特徴とする熱収縮性フィルム。
(2)前記(I)層に含有される相溶化剤(D)が、幹成分と枝成分からなるグラフト共重合体であり、前記グラフト共重合体の幹成分または枝成分が、エチレン単位、αオレフィン単位、および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂セグメントから構成されるグラフト共重合体である、()に記載の熱収縮性フィルム。
)前記(I)層の両側にポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とし、コアシェル型ゴム(C)を含む樹脂組成物からなる(II)層を有する(1)または(2)に記載の熱収縮性フィルム。
)前記コアシェル型ゴム(C)のシェル層が(メタ)アクリル酸エステルからなり、コア層がシリコーンゴムまたはアクリル系ゴムからなるコアシェル型ゴムであることを特徴とする()〜()のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
)前記(II)層に含有されるコアシェル型ゴム(C)の含有量が、(II)層を構成する樹脂組成物を100質量%とした場合、5〜20質量%である、()に記載の熱収縮性フィルム。
前記ポリオレフィン系樹脂(B)の振動周波数10Hzの条件で測定したときの20℃の貯蔵弾性率(E’)が100MPa以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
前記延伸温度が80℃以上90℃以下であり、前記熱処理の温度が90℃以上100℃以下である、(1)〜(6)のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
(8)調理済み食品入り容器の結束帯として用いられる、(1)〜(7)のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを基材として有する成形品。
(10)(1)〜(8)のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを基材として有する熱収縮性ラベル。
(11)(9)に記載の成形品を用いた、又は(10)に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
(12)ポリ乳酸系樹脂(A)70〜95質量%と、ポリオレフィン系樹脂(B)1〜10質量%と、コアシェル型ゴム(C)3〜15質量%と、前記ポリ乳酸系樹脂(A)と前記ポリオレフィン系樹脂(B)との相溶性を向上させる相溶化剤(D)1〜5質量%とを含む樹脂組成物からなる層((I)層)を少なくとも1層有し、
80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上30%以下であり、80℃のシリコンオイル中における1分後の収縮応力が2MPa未満であり、ヘーズが3.0%未満であり、主収縮方向と直交する方向における30℃環境下で30日経過後の引張破断伸度が200%以上である、熱収縮フィルムの製造方法であって、
熱収縮性フィルム全体の厚みに対する前記(I)層の厚さの割合が50%以上となるように、前記樹脂組成物を押出成形する工程と、
押出成形して得られるフィルムを延伸温度60℃以上90℃以下にて少なくとも一方向に延伸する工程と、
前記少なくとも一方向に延伸する工程の後で、90℃以上120℃以下で熱処理する工程と、
を備える、熱収縮性フィルムの製造方法。
本発明によれば、収縮包装後に再加熱が施される場合においても、良好な収縮特性をもち、機械的特性、および透明性に優れ、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に適した熱収縮フィルムを提供する。特に、調理済み食品入り容器の結束帯として用いる場合、電子レンジで内容物と供に加熱される容器の結束帯として用いても、装着適性や収縮仕上がり性等の一次加工性に優れ、かつ加熱時に容器の潰れ防止することができる熱収縮性フィルムを提供することができる。
以下、本発明に係る熱収縮性フィルム、成形品、熱収縮性ラベル、および容器(以下、それぞれ、「本発明のフィルム」、「本発明の成形品」、「本発明のラベル」、「本発明の容器」という。)について詳細に説明する。なお、本明細書において、「主成分とする」とは、主成分として含有される樹脂が有する作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、各層の構成成分全体の70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上を占める成分である。
<ポリ乳酸系樹脂(A)>
本発明における(A)成分であるポリ乳酸系樹脂とは、D−乳酸もしくはL−乳酸の単独重合体、又はそれらの共重合体をいい、具体的には構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、さらにはL−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリ(DL−乳酸)があり、これらの共重合体の混合樹脂も含まれる。
前記L−乳酸とD−乳酸との共重合体は、D−乳酸とL−乳酸との構成比(以下、「D/L比」と略する。)が、1/99〜25/75、又は75/25〜99/1であることが好ましく、3/97〜20/80、又は80/20〜97/3であることがより好ましく、5/95〜15/85、又は85/15〜95/5であることがよりさらに好ましい。
上記D/L比が0/100、又は100/0の場合は、非常に高い結晶性を示し、融点が高く、耐熱性及び機械的物性に優れる傾向がある。しかしながら、熱収縮性フィルムとして使用する場合は、通常、印刷及び溶剤を用いた製袋工程が伴うため、印刷適性及び溶剤シール性を向上させるために、構成材料自体の結晶性を適度に下げることが必要となる。また、結晶性が過度に高い場合、延伸時に配向結晶化が進行し、加熱時のフィルム収縮特性が低下する傾向がある。そこで、本発明のフィルムでは、D−乳酸の共重合比を1以上、又は99以下とすることが好ましい。一方、D−乳酸の共重合比を25以下、又は75以上とすると、耐破断性が大幅に低下することを抑えられるため望ましい。
本発明においては、ポリ乳酸系樹脂(A)のD/L比をより容易に調整するために、D−乳酸とL−乳酸との共重合比が異なるポリ乳酸系樹脂をブレンドすることも可能である。この場合、複数のポリ乳酸系樹脂のD/L比を平均した値が前記範囲内に入るようにすればよい。使用用途に合わせて、D−乳酸とL−乳酸との共重合体比の異なるポリ乳酸系樹脂を2種以上ブレンドし、結晶性を調整することにより、耐熱性と熱収縮特性のバランスをとることができる。
また、ポリ乳酸系樹脂(A)は、D−乳酸及び/又はL−乳酸と、α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、及び脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも一種との共重合体であってもよい。
前記のα−ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸を指す)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシn−酪酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒロドキシ3−メチル酪酸、2−メチル酪酸、2−ヒドロキシカプロラクトン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシ−カルボン酸、カプロラクトン、ブチルラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
また、前記脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。さらに、前記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸などが挙げられる。
乳酸と、α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、及び脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも一種との共重合体の共重合比率は、乳酸、α−ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、及び脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも一種の質量比で、好ましくは95:5〜10:90、より好ましくは90:10〜20:80、さらに好ましくは80:20〜30:70である。共重合比が上記範囲内であれば、剛性、透明性、耐衝撃性などの物性バランスの良好なフィルムを得ることができる。
ポリ乳酸系樹脂(A)の重合法としては、縮合重合法、開環重合法など、公知の方法をいずれも採用することができる。例えば縮合重合法であれば、D−乳酸、L−乳酸、又は、これらの混合物を直接脱水縮合重合して任意の組成を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。また、開環重合法では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調整剤などを用いながら、所定の触媒の存在下で開環重合することにより任意の組成を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。前記ラクチドには、L−乳酸の二量体であるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合して重合することにより、任意の組成、結晶性を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができる。さらには、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、ジエポキシ化合物、酸無水物、酸クロライドなどを使用しても構わない。
ポリ乳酸系樹脂(A)の質量平均分子量は、好ましくは20,000以上、より好ましくは40,000以上、さらに好ましくは60,000以上であり、また、好ましくは400,000以下、より好ましくは350,000以下、さらに好ましくは300,000以下である。質量平均分子量が20,000以上であれば、適度な樹脂凝集力が得られ、フィルムの強伸度が不足したり、脆化したりすることを抑えることができる。一方、質量平均分子量が400,000以下であれば、溶融粘度を下げることができ、製造、生産性向上の観点からは好ましい。質量平均分子量は、一般的にGPC(ゲルパーメイションクロマトグラフ)や粘度法により測定することができる。
(I)層におけるポリ乳酸系樹脂(A)の含有量は、(I)層を構成する樹脂組成物を100質量%としたとき、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85質量%以下である。上記範囲内であれば、耐破断性、透明性および収縮特性等が充分なものが得られるため好ましい。
(II)層におけるポリ乳酸系樹脂(A)の含有量は、(II)層を構成する樹脂組成物を100質量%としたとき、好ましくは85質量%以上90質量%以下である。上記範囲内であれば、耐破断性、透明性および収縮特性等が充分なものが得られるため好ましい。
ポリ乳酸系樹脂(A)の市販品としては、例えば、「Ingeo biopolymer」(NatureWorks LLC社製)、「REVODE」(海正生物材料社製)等が挙げられる。
<ポリオレフィン系樹脂(B)>
次に、(B)成分であるポリオレフィン系樹脂(B)について説明する。
(I)層には、フィルムの耐衝撃性を向上させるために、熱収縮性、フィルムの剛性を損なわない範囲内で、ポリオレフィン系樹脂(B)が使用される。ポリオレフィン系樹脂(B)は、振動周波数10Hzの条件で測定したときの20℃の貯蔵弾性率(E’)が好ましくは100MPa以下、より好ましくは80MPa以下、さらに好ましくは50MPa以下である。また貯蔵弾性率(E’)の下限値としてフィルム全体の腰(常温での剛性)を考慮して、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは1.0MP以上、さらに好ましくは3.0MPa以上である。20℃の貯蔵弾性率(E’)が上記範囲に有するポリオレフィン系樹脂(B)は、ポリオレフィンの結晶化度が低く、密度が小さくなるため、平均屈折率も低くなり、混合するポリ乳酸系樹脂(A)との平均屈折率を近づけることができる。そのため、内部ヘーズを低減することが達成できるため、耐破断性の改良と透明性の維持において、非常に有用である。また貯蔵弾性率(E’)が100MPa以下であれば、耐破断性の改良効果が低下することもなく、大幅な外観不良の発生を抑えることができる。一方、貯蔵弾性率(E’)が0.1MPa以上であれば、フィルム全体の腰が大幅に低下することを抑えることができる。
さらに、ポリオレフィン系樹脂(B)は、振動周波数10Hzで測定したときの70℃の貯蔵弾性率(E’)が好ましくは50MPa以下、より好ましくは30MPa以下、より好ましくは20MPa以下、さらに好ましくは10MPa以下である。一方、貯蔵弾性率(E’)は、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.5MPa以上、さらに好ましくは1.0MPa以上である。本発明の熱収縮性フィルムを蕎麦等容器の結束包装帯として使用する場合、容器へのラベル装着工程として、熱収縮加工工程を要し、また、内容物の劣化、破裂等を防止するため、熱収縮加工は50〜200℃にて行われる。そのため、ポリオレフィン系樹脂(B)の70℃の貯蔵弾性率(E’)が50MPa以下であれば、熱収縮加工温度領域において、フィルムに十分な熱収縮率を発現させることができる。また70℃の貯蔵弾性率(E’)が0.1MPa以上であれば、熱収縮加工工程において、十分なフィルムの強度を維持することができるため、フィルムの破袋やよれ等が生じず被覆対象物への均一な装着を可能にしやすい。
なお、ポリオレフィン系樹脂(B)の貯蔵弾性率(E’)は、20℃および70℃の温度下で、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、チャック間2.5cmの条件の下、−150℃から200℃の範囲で動的粘弾性を測定することにより算出することができる。
ポリオレフィン系樹脂(B)の上記貯蔵弾性率(E’)の大きさは、例えば、後述するように、エチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンとの共重合体を含む場合、該共重合体の含有量を増減することにより調整することができる。例えば、上記貯蔵弾性率(E’)を上げたい場合には、エチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンとの共重合体の含有量を減らす、あるいはα−オレフィンとの共重合体におけるα−オレフィンの共重合比率を減らし、反対に貯蔵弾性率(E’)を下げたい場合には、エチレンと炭素数3以上20以下のα−オレフィンとの共重合体の含有量を増やし、あるいはα−オレフィンとの共重合体におけるα−オレフィンの共重合比率を増やすことによって調整可能である。
ポリオレフィン系樹脂(B)は、特に限定されず、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体などのエチレン系共重合体が挙げられる。本発明においては、熱収縮特性、機械的物性および成形性の観点から、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、重合方法や共重合成分などにより多様な種類が存在するため、その範囲に特に限定されるものではないが、好ましくは、以下のとおりである。
ポリエチレン系樹脂としては、密度が0.92〜0.94g/cmの中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、密度が0.92g/cm未満の低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、および直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が挙げられる。この中でも延伸性、フィルムの耐衝撃性、透明性等の観点からは、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)が好適に用いられる。
上記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)としては、好ましくはエチレンと炭素数3以上20以下、より好ましくは炭素数4以上12以下のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等が例示される。この中でも1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好適に用いられる。また、共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で、または2種以上を組み合わせて用いても構わない。
ポリオレフィン系樹脂(B)は、上記ポリエチレン系樹脂成分を70質量%以上含有することが好ましく、より好ましくは75質量%以上含有する。上記含有量が70質量%以上であればフィルム全体の腰を維持することができる。
上記ポリエチレン系樹脂の密度は0.910g/cm以下であることが好ましく、0.905g/cm以下がより好ましく、0.900g/cm以下がさらに好ましい。また、下限は特に限定されないが0.800g/cm以上が好ましく、0.850g/cm以上がより好ましく、0.880g/cm以上がさらに好ましい。密度が0.910g/cm以下であれば、(A)成分との親和性も向上し、さらに延伸性が維持され実用温度域(70℃以上90℃以下程度)の熱収縮率を充分得ることができる点で好ましく、一方、密度が0.800g/cm以上であればフィルム全体の腰(常温での剛性)や耐熱性を著しく低下させないため、実用上好ましい。
上記ポリエチレン系樹脂は、メルトフローレート(MFR:JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.18N)が0.1〜10g/10分のものが好適に用いられる。MFRが0.1g/10分以上であれば、押出加工性を良好に維持でき、一方、MFRが10g/10分以下であればフィルムの厚み斑や力学強度の低下を起こしにくく、好ましい。
前記ポリプロピレン系樹脂としては、ホモプロピレン樹脂のほか、ホモプロピレン樹脂と比較して、柔軟性を有する軟質ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。軟質ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、プロピレン−エチレンゴムなどが挙げられる。これら中でも延伸性、耐破断性の観点から、ランダムポリプロピレン樹脂が特に好適に使用される。
上記ランダムポリプロピレン樹脂において、プロピレンと共重合させるα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数2以上20以下、より好ましくは炭素数4以上12以下のものが挙げられ、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどを例示できる。本発明のフィルムにおいては、延伸性、熱収縮特性、フィルムの耐衝撃性や透明性、剛性等の観点から、α−オレフィンとしてプロピレン単位の含有率が80質量%以上、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上のランダムポリプロピレンが特に好適に用いられる。また、共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で、または2種以上を組み合わせて用いても構わない。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、通常、MFR(JIS K7210、温度:230℃、荷重:21.18N)が、0.5g/10分以上、好ましくは1.0g/10分以上であり、かつ15g/10分以下、好ましくは10g/10分以下であることが望ましい。
上述のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、より具体的には、ポリエチレン系樹脂として商品名「ノバテックLD、LL」、「カーネル」、「タフマーA、P」(以上、日本ポリエチ社製)、「サンテックHD、LD」(旭化成ケミカルズ社製)、「HIZEX」、「ULTZEX」、「EVOLUE」(以上、三井化学社製)、「モアテック」(出光興産社製)、「UBEポリエチレン」、「UMERIT」(以上、宇部興産社製)、「NUCポリエチレン」、「ナックフレックス」(以上、日本ユニカー社製)、「Engage」(ダウケミカル社製)などとして市販されている。これらの樹脂は、各々単独に、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
またポリプロピレン系樹脂として商品名「ノバテックPP」、「WINTEC」、「タフマーXR」(以上、日本ポリプロ社製)、「三井ポリプロ」(三井化学社製)、「住友ノーブレン」、「タフセレン」、「エクセレンEPX」(以上、住友化学社製)、「IDEMITSU PP」、「IDEMITSU TPO」(以上、出光興産社製)、「Adflex」、「Adsyl」(以上、サンアロマー社製)、「VERSIFY」(ダウケミカル社製)、「VISTAMAXX」(エクソンモービル社製)などとして市販されている。これらの樹脂は、各々単独に、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ポリオレフィン系樹脂(B)として、エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体(エチレン系共重合体)も好適に用いることができる。エチレン系共重合体を例示すれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体などが挙げられる。
上記エチレン系共重合体のエチレン含有率は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上であり、かつ好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。エチレン含有率が70質量%以上であれば、フィルム全体の耐破断性と収縮特性を良好に維持できる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の市販品としては、例えば、「エバフレックス」(三井デュポンポリケミカル社製)、「ノバテックEVA」(三菱化学社製)、「エバテート」(住友化学社製)、「ソアブレン」(日本合成化学社製)が挙げられる。また、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)の市販品としては、例えば「エバフレックスEEA」(三井デュポンポリケミカル社製)、エチレン−メチルアクリレート共重合体としては「エルバロイAC」(三井デュポンポリケミカル社製)などがそれぞれ挙げられる。これらの共重合体は、各々単独に、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記エチレン系共重合体のMFRは、特に制限されるものではないが、通常、MFR(JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.18N)で、下限値を考慮して、好ましくは0.5g/10分以上、より好ましくは1.0g/10分以上であり、上限値を考慮して、好ましくは15g/10分以下、より好ましくは10g/10分以下である。
ポリオレフィン系樹脂(B)は、質量平均分子量の下限値が好ましくは50,000、より好ましくは100,000であり、上限値が700,000、より好ましくは600,000、さらに好ましくは500,000である。(C)成分の質量平均分子量が上記範囲内であれば、所望の機械物性や耐熱性等の実用物性を発現でき、また適度な溶融粘度が得られ、良好な成形加工性が得られる。
また、ポリオレフィン系樹脂(B)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。
<コアシェル型ゴム(C)>
本発明における(C)成分のコアシェル型ゴムは、コア層と、コア層を覆う少なくとも1層以上のシェル層とから構成される重合体である。該シェルの層数は特に限定されるものではなく、単層であっても2層以上であっても構わない。
コアシェル型ゴム(C)のコア層としては、耐衝撃性向上のため、ゴム弾性を有するものが好ましく、例えば、アクリル系、シリコーン系、スチレン系、ニトリル系、共役ジエン系、ウレタン系、オレフィン系の各重合体などからなるものが挙げられる。中でも、熱収縮性フィルムの要求特性の一つである透明性の観点から、コア層としては、シリコーンゴム、アクリル系ゴム、シリコーン・アクリル複合ゴムが好ましい。
中でもフィルム外観の観点から、アクリル酸エステルを含む重合体であるのが好ましい。アクリル酸エステルは、アクリル酸成分とアルコール成分から構成されるアクリル酸エステルであればいずれであってもよいが、炭素数1〜15のアルコール成分を有するアクリル酸エステルが好ましい。好ましいアクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等のアクリル酸1級アルキルエステル;アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸トリメチルシリル等を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステル(a)は1種類を用いても又は2種類以上を用いてもよい。
中でも、コア層としては、熱収縮性フィルムの要求特性の一つである耐衝撃性向上のため、ゴム弾性を有するものが好ましい。その具体例としては、アクリル酸エチルやアクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル等を重合させた重合成分、またはこれらの成分の共重合成分等が好ましい。
また、コア層中におけるアクリル酸エステル成分は、耐衝撃性向上のため70%以上であることが好ましい。
コアシェル型ゴム(C)のシェル層、又はシェル層が2層以上である場合はその最外層を形成するシェル層としては、不飽和カルボン酸エステル系単位、グリシジル基含有ビニル系単位、脂肪族ビニル系単位、芳香族ビニル系単位、シアン化ビニル系単位、マレイミド系単位、不飽和ジカルボン酸無水物系単位、またはその他のビニル系単位等を含有する重合体が挙げられる。
中でも、不飽和カルボン酸エステル系が好ましく、より好ましくは、上記コア層で好ましいとしたアクリル酸エステルとは相違する化学構造を有するアクリル酸エステルを含む重合体である。なお、アクリル酸エステル(a)と相違する化学構造を有するアクリル酸エステル(b)を少なくとも含んでいればよく、その重合成分としてアクリル酸エステル(a)を更に含んでいてもよい。
シェル層中におけるアクリル酸エステルの代表例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルへキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸アリールエステル;メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アラルキルエステル;メタクリル酸グリシジル;メタクリル酸アリル;メタクリル酸トリメチルシリル;メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル等を挙げることができる。特には、ポリ乳酸系樹脂(A)との相溶性の観点から、シェル層は(メタ)アクリル酸メチルを含有する重合体で形成することが好ましい。
本発明において、コアシェル型ゴム(C)は、アクリル酸エステルを含む重合体を有するコア層と、該アクリル酸エステルと相違する化学構造を有するアクリル酸エステルを含む重合体を有するコア層を覆う少なくとも1層以上のシェル層とから構成される重合体であるのが特に好ましい。
また、コアシェル型ゴム(C)におけるアクリル酸エステル成分は、耐衝撃性向上のため80%以上であることが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
コアシェル型ゴム(C)の製造方法としては、特に限定されるものでなく、公知の重合方法、例えば、所望の原料モノマーを(特定比率で含む混合物を)懸濁重合、乳化重合等することによって得られる。
コアシェル型ゴム(C)の粒径は、特に限定されるものではないが、平均粒径で0.01μm以上、好ましくは0.02μm以上であり、さらに好ましくは0.05μm以上であり、100μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。平均粒径が0.01μm以上であれば、耐衝撃性効果を発現するのに十分であるため好ましく、また、100μm以下であれば、最表層を形成する層に添加した場合においても、表面荒れ等による外部ヘーズの増加が少なく、本発明のフィルムに印刷を施し、意匠性を高める場合においても、インキ抜けなどが生じにくく、印刷図柄の外観を損ねるなどの欠点もなく好ましい。また、フィルムを折り曲げた際、コアシェル型ゴムにポリ乳酸樹脂の応力が集中するため、ポリ乳酸系樹脂とコアシェル型ゴムの界面にボイドが生成される。この際、コアシェル型ゴムの粒径が小さく程なるほど、コアシェル型ゴムにかかる応力が分散され、ボイドの生成が抑制され白化が抑制できるため、粒径は小さいほど好ましい。なお、コアシェル型ゴム(C)の平均粒径は、一般的に動的光散乱法やレーザー回折法により測定することができる。
コアシェル型ゴム(C)を構成するコア層とシェル層の質量比は、特に限定されるものではないが、コアシェル型ゴム100質量部に対して、コア層が40質量部以上、好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは60質量部以上である。コア層が40質量部以上であれば耐衝撃性効果を保持できるため好ましい。
コアシェル型ゴム(C)の市販品としては、例えば、「カネエース」(カネカ社製)、「メタブレン」(三菱レイヨン社製)、「パラロイド」(ロームアンドハース社製)、「スタフィロイド」(ガンツ化成社製)または「パラフェイス」(クラレ社製)などが商業的に入手されるものとして挙げられる。これらは、単独ないし2種以上を組み合わせて用いることができる。
<相溶化剤(D)>
次に、(D)成分である相溶化剤について説明する。相溶化剤は、前記(A)成分と(B)成分との相溶性を向上させるものであり、これらの樹脂を相溶化させる樹脂を主成分としてなるものである。相溶化剤は、(A)成分と(B)成分とを相溶化させる樹脂であれば特に限定されないが、(A)成分と(B)成分との相溶性および透明性の観点から、幹成分と枝成分からなるグラフト共重合体であることが好ましく、その幹成分、または枝成分が、エチレン単位、αオレフィン単位、および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂セグメントから構成されるグラフト共重合体を用いることがより好ましい。
グラフト共重合体の幹成分、および/または、枝成分となる熱可塑性樹脂セグメントに使用する熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリαオレフィン、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、αオレフィン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−αオレフィン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体からなる群から選ばれる。これらは単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記αオレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセンなどが挙げられる。これらのαオレフィンは単独もしくは2種以上組み合わせて用いられる。
ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸n−ブチル、ポリアクリル酸イソブチル、ポリアクリル酸2−エチルヘキシル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸n−ブチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
エチレン−αオレフィン共重合体の具体例としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体等が挙げられる。
エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体の具体例としては、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸n−ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸2−エチルヘキシル共重合体等が挙げられる。
相溶化剤(D)における幹成分と枝成分の組み合わせとしては、幹成分または枝成分のいずれか一方がポリ乳酸系樹脂との相溶性が大きい成分から構成されることが好ましく、かつ、他方の枝成分または幹成分はポリオレフィン系樹脂との相溶性が大きい成分から構成されることがさらに好ましい。
具体的に例示するならば、例えば、幹成分としてポリエチレン、枝成分としてポリメタクリル酸メチルからなるグラフト共重合体や、幹成分としてエチレン−アクリル酸エチル共重合体、枝成分としてポリメタクリル酸メチルからなるグラフト共重合体等、あるいはその組み合わせからなるグラフト共重合体が好ましく用いられる例として挙げられる。
また、前記グラフト共重合体のメルトフローレート(MFR)又はメルトインデクス(MI)は、好ましくは0.01g/10分以上、より好ましくは0.1g/10分以上、さらに好ましくは1.0g/10分以上であり、また、好ましくは500g/10分以下、より好ましくは300g/10分以下、さらに好ましくは200g/10分以下である。このMFRはJIS K7210に規定された方法に準拠して、樹脂温度230℃、測定荷重21.18Nの条件で測定したものである。MFRが0.01g/10分以上500g/10分以下の範囲にあれば、グラフト共重合体とポリ乳酸系樹脂との良好な親和性が得られる。
また、前記グラフト共重合体の枝成分の好ましい含有量は、グラフト共重合体を構成する幹成分と枝成分の合計を100質量%として、これに対し、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。上記好ましい範囲内においては、前記グラフト共重合体が、(A)成分と(B)成分とを相溶させる効果を発現しやすく、分散性が低下することもなく、良好な外観を有する成形体が得られる。また、幹成分と枝成分の割合を調整することにより、グラフト共重合体の極性を変更し、(A)成分と(B)成分との相互作用を調整することも可能である。
上記のグラフト共重合体の市販品としては、例えば商品名「モディパー」(日本油脂社製)、「レゼダ」(東亜合成社製)などが挙げられる。
相溶化剤(D)として2種以上の樹脂を使用する場合、(A)成分と(C)成分との相溶性、混合樹脂の透明性、粘弾性値等を考慮して配合比を調整することができる。例えば、上記のグラフト共重合体と変性スチレン−芳香族系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体、芳香族ビニル系炭化水素と共役ジエン系炭化水素との共重合体の水素添加物、又はこれらに極性基を導入した共重合体などを混合樹脂として用いることができる。2種以上の相溶化剤を使用した場合、(A)成分と(C)成分との相溶効果をさらに促進させ、フィルムの透明性を向上させるため好ましい。
<(A)〜(D)各成分の含有量>
(I)層に含まれる各成分の含有量は、(I)層を構成する樹脂組成物全体を100質量%として、ポリ乳酸系樹脂(A)が70〜95質量%であり、ポリオレフィン系樹脂(B)が1〜10質量%であり、コアシェル型ゴム(C)が3〜15質量%であり、相溶化剤(D)が1〜5質量%であることが好ましい。
(I)層を構成する樹脂組成物におけるポリオレフィン系樹脂(B)の含有量が10質量%以下であれば、フィルムの耐衝撃性が顕著に低下せず、低温での延伸性および収縮特性を維持することができ、実用温度域(70〜90℃程度)の熱収縮率を充分に得られることができるため好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂(B)の含有量が3質量%以上であれば、フィルムの耐破断性が著しく低減することがない。また、コアシェル型ゴム(C)の含有量が15質量%以下であれば、(I)層に隣接する(II)層との層間剥離強度を所定の範囲に維持することができ、また外観不良が生じない。さらに、相溶化剤(D)の含有量が1質量%以上であれば、相溶効果が発揮され、外観不良などが発生し難くなり、また、相溶化剤(D)の含有量が5質量%以下であれば、フィルムの剛性を阻害することもなく好ましい。
(II)層におけるコアシェル型ゴム(C)の含有量は、(II)層を構成する樹脂組成物全体を100質量%として、好ましくは5質量%以上、20質量%以下である。コアシェル型ゴム(C)の含有量が5質量%以上であれば、(II)層の耐破断性を向上し、積層構造を有する本発明のフィルムにおいても、(II)層の耐破断性の向上により積層フィルム全体への破断の伝播を抑制することができ、熱収縮性フィルムとしての要求品質に十分な引張破断伸度を得ることができる。また、コアシェル型ゴム(C)の含有量が20質量%以下であれば、(II))層と前記(I)層との層間における剥離が生じることがないため、印刷工程、製袋工程でのハンドリングが良好となる。
<その他の添加物>
本発明では、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂(汎用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体(SEPS)、スチレン−カルボン酸共重合体等)、ポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂などの熱可塑性樹脂を少なくとも1種を、(I)層あるいは(II)層を構成する樹脂組成物に添加することができる。
本発明において、フィルムの滑り性付与やブロッキング防止のため、本発明の効果を阻害しない範囲で、(II)層に非相溶性の樹脂をブレンドする手法や、アンチブロッキング剤をさらに添加してもよい。
前記アンチブロッキング剤を例示すると、シリカ、タルク、炭酸カルシウムなどの無機粒子、無機酸化物、炭酸塩や、架橋アクリル系、架橋ポリエステル系、架橋ポリスチレン系、シリコーン系等の各有機粒子などが挙げられる。また、多段階で重合せしめた多層構造を形成した有機粒子も用いることができる。中でも、シリカや有機粒子が好ましく用いられる。
前記アンチブロッキング剤はフィルム表面を荒らすことにより、滑り性や耐ブロッキング性を発現させ、かつ、透明性や、フィルムの光沢を阻害しないよう、適切な添加量、および種類を選択する必要がある。上記アンチブロッキング剤の添加量は、(II)層を構成する樹脂組成物全体を100質量%として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.015質量%以上、さらに好ましくは0.02質量%以上であり、かつ、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下とする。前記アンチブロッキング剤の添加量が少なすぎる(0.01質量%未満)と、フィルム表面へのアンチブロッキング剤の析出が十分でなく、フィルム表面に凹凸を形成しにくいため、十分な滑り性や耐ブロッキング性を発現できないことがある。また、逆にアンチブロッキング剤が多すぎる(2質量%超)と、フィルム表面の過剰な凹凸が生じやすく、表面荒れによる透明性の阻害や、過剰な滑り性の付与によるフィルムロールの巻きづれなどが生じやすい。
前記アンチブロッキング剤の形状は、特に限定されるものではないが、(II)層内での凝集抑制、均一分散の観点、透過する光の乱反射抑制、およびフィルム表面に形成される凹凸の観点から球状のものが好ましく用いられる。前記アンチブロッキング剤の平均粒径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上であり、かつ、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、さらに好ましくは6μm以下である。前記アンチブロッキング剤の平均粒径が小さすぎる(0.5μm未満)と、アンチブロッキング剤がフィルム表面へ析出しづらく、また、表面に析出したアンチブロッキング剤においても、滑り性や耐ブロッキング性を発現するに十分な凹凸を付与しづらい。一方、前記アンチブロッキング剤の平均粒径が大きすぎる(10μm超)と、本発明のフィルムに印刷を施し、意匠性を高める場合において、インキ抜けなどが生じやすく、印刷図柄の外観を損ねることがある。前記アンチブロッキング剤の粒径の分布は、特に制限されるものではないが、前記粒径の大小による弊害の関係より、粒径分布が狭いものが好ましい。粒径分布が広くなりすぎると、前述した好ましい粒径の範囲を逸脱するものが含まれる可能性がある。
<本発明のフィルムの積層構造>
本発明のフィルムの構成は、前述したとおり、(I)層を少なくとも1層有すればよく、好ましくは、(I)層の両側に(II)層を有することができる。(I)層と(II)層を積層することにより、熱収縮性フィルムの特性、特に収縮特性の調整を容易に行うことができる。
なお、「(I)層の両側に(II)層を有する」とは、(I)層に隣接して(II)層が片面又は両面に積層されている態様のみならず、(I)層と(II)層との間に接着性の改良やバリア性、隠蔽性、断熱性等を付与する目的のため、第3の層を有する場合も含まれる。好ましくは中間層として(I)層、表面層として(II)層を有する2種3層の層構成((II)層/(I)層/(II)層)、又は中間層と表面層との間に接着層を有する3種5層の層構成((II)層/接着層/(I)層/接着層/(II)層)などの層構成が挙げられる。
本発明のフィルムにおいて、最も好適な積層構成は「(II)層/(I)層/(II)層」の2種3層構成である。ポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とする(II)層を表面層とすることによって、表面調整がよりしやすくなるからである。
本発明のフィルムにおいて、各層の積層比は特に制限されないが、本発明のフィルム全体の厚みに対して(I)層の厚さの割合が50%以上、好ましくは60%以上であり、95%以下、好ましくは90%以下である。(I)層が前記範囲内であれば、耐破断性、収縮仕上り性が良好となるからである。また、(II)層の厚さの割合は、剛性および透明性の観点から5%以上、好ましくは10%以上であり、50%以下、好ましくは40%以下である。
本発明のフィルムの総厚みは特に限定されるものではないが、透明性、収縮加工性、原料コスト等の観点からは薄い方が好ましい。具体的には延伸後のフィルムの総厚みが好ましくは80μm以下であり、より好ましくは70μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下である。また、フィルムの総厚みの下限は特に限定されないが、フィルムのハンドリング性を考慮すると、20μm以上であることが好ましい。
本発明のフィルムを構成する各層には、上述した成分のほか、本発明の効果を阻害しない範囲内で、成形加工性、生産性および熱収縮性フィルムの諸物性を改良・調整する目的で、フィルムの耳などのトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂やシリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、老化防止剤などの添加剤を適宜添加できる。
<本発明のフィルムの製造方法>
本発明のフィルムは、公知の方法によって製造することができる。フィルムの形態としては平面状、チューブ状の何れであってもよいが、生産性(原反フィルムの幅方向に製品として数丁取りが可能)や内面に印刷が可能という点から平面状が好ましい。平面状のフィルムの製造方法としては、例えば、複数の押出機を用いて樹脂を溶融し、Tダイから共押出し、チルドロールで冷却固化し、縦方向にロール延伸をし、横方向にテンター延伸をし、アニールし、冷却し、(印刷が施される場合にはその面にコロナ放電処理をして、)巻取機にて巻き取ることによりフィルムを得る方法が例示できる。また、チューブラー法により製造したフィルムを切り開いて平面状とする方法も適用できる。
延伸倍率はオーバーラップ用等、二方向に収縮させる用途では、好ましくは、縦方向が2倍〜10倍、横方向が2〜10倍、より好ましくは縦方向が3〜6倍、横方向が3〜6倍程度である。一方、熱収縮性ラベル用等、主として一方向に収縮させる用途では、主収縮方向に相当する方向が、好ましくは2〜10倍、より好ましくは4〜8倍、それと直交する方向が、好ましくは1〜2倍、より好ましくは1.01〜1.5倍の、実質的には一軸延伸の範疇にある倍率比を選定することが望ましい。なお、1倍とは、延伸していな場合を指す。
前記範囲内の延伸倍率で延伸した二軸延伸フィルムは、主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が大きくなりすぎることはなく、例えば、収縮ラベルとして用いる場合、容器に装着するとき容器の高さ方向にもフィルムが熱収縮する、いわゆる縦引け現象を抑えることができるため好ましい。
延伸温度は、用いる樹脂のガラス転移温度や熱収縮性フィルムに要求される特性によって適宜選択できるが、概ね60℃以上、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上であり、上限値を考慮して、100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲で制御される。次いで、延伸したフィルムは、必要に応じて、自然収縮率の低減や熱収縮特性の改良等を目的として、50〜120℃程度、好ましくは80℃以上、さらに好ましくは90℃以上、好ましくは110℃以下、さらに好ましくは100℃以下の温度で熱処理を行うことができる。さらに必要に応じて弛緩処理を行った後、分子配向が緩和しない時間内に速やかに冷却され、熱収縮性フィルムとなる。
また本発明のフィルムは、必要に応じてコロナ処理、印刷、コーティング、蒸着等の表面処理や表面加工、さらには、各種溶剤やヒートシールによる製袋加工やミシン目加工などを施すことができる。
<熱収縮性フィルムの物理的・機械的特性>
(熱収縮率、収縮仕上り性)
本発明のフィルムは、80℃温水中に10秒間浸漬した際の主収縮方向の収縮率が10%以上30%以下であることが重要であり、好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上である。
ここで、「熱収縮率」とは、後述するように、縦方向あるいは横方向について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表したものである。これは、うどんや蕎麦等の調理済みの内容物が入れられた容器用の結束帯ラベル等が、比較的短時間(数秒〜十数秒程度)で収縮加工が可能となるか判断する指標となる。なお、「主収縮方向」とは、縦方向と横方向のうち延伸方向の大きい方を意味し、例えば、容器に装着する場合にはその外周方向に相当する方向である。
現在、うどんや蕎麦等の結束ラベル装着用途に工業的に最も多く用いられている収縮加工機としては、収縮加工を行う加熱媒体として熱風を用いる熱風シュリンカーと一般に呼ばれているものである。さらに熱収縮性フィルムは被覆対象物への熱の影響などの点からできるだけ低い温度で十分熱収縮することが必要である。一方、うどんや蕎麦等の結束ラベル用途においては、内容物を含む容器自体の強度が低いため、収縮率が高すぎると結束ラベルの収縮によって容器が変形してしまい、内容物が外部に漏れる恐れがある。また、温度依存性が高く、温度によって極端に収縮率が異なるフィルムの場合、熱風シュリンカー内の温度斑に対して収縮挙動の異なる部位が発生し易いため、収縮斑、皺、アバタなどが発生し収縮仕上がり外観が悪くなる傾向にある。これら工業生産性も含めた観点から、80℃の温水中に10秒間浸漬させたときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上であれば、収縮加工時間内に十分に被覆対象物に密着でき、かつ斑、皺、アバタが発生せず良好な収縮仕上がり外観を得ることができるため好ましい。また、80℃の温水中に10秒間浸漬させたときの主収縮方向の熱収縮率が30%以下であれば、結束ラベルの収縮による容器変形を抑えられることができ、内容物が外部に漏れる恐れが少ないため好ましい。
本発明において、熱収縮性フィルムの主収縮方向の熱収縮率を80℃の温水中に10秒間浸漬した場合に10%以上30%以下とするためには、延伸温度および延伸倍率により適宜調製することができる。
なお、主収縮方向と直交する方向の収縮率を低く抑えることによって、より優れた収縮仕上がり性を得ることができる。本発明のフィルムが熱収縮性ラベルとして用いられる場合、主収縮方向と直交する方向の熱収縮率は、80℃の温水中で10秒間浸漬したときは5%以下であることが好ましい。
主収縮方向と直交する方向の熱収縮率が5%以下のフィルムであれば、収縮後の主収縮方向と直交する方向の寸法自体が短くなったり、収縮後の印刷柄や文字の歪み等が生じやすかったり、角型容器の場合においては縦ひけ等のトラブルが発生し難く、好ましい。なお、この場合の熱収縮率の下限は0%である。上記熱収縮率の値もまた、前記主収縮方向の熱収縮率と同様に調整しうる。
(透明性)
本発明のフィルムの透明性は、例えば、厚さ30μmのフィルムをJIS K7105にて測定した場合ヘーズ値は3.0%未満であり、ヘーズ値は3.0%未満であればフィルムの透明性が優れたものであり、優れたディスプレー効果を奏することができる。
本発明のフィルムにおいて、熱収縮性フィルムのヘーズ値を3.0%未満とするには、本発明に規定される組成を有するフィルムとすることが必要であるが、さらに、この値は(I)層のポリ乳酸系樹脂(A)成分とポリオレフィン系樹脂(C)の相溶性を向上させる、また、ポリ乳酸系樹脂(A)成分とポリオレフィン系樹脂(C)の屈折率差を小さくすることより調製することができる。
また、本発明のフィルムは、トリミングロス等により生じる再生原料を(I)層へ添加した場合においても、ヘーズ値を3.0%未満に保持することができる。
(引張破断伸度)
フィルムの主収縮方向と直交する方向、特に飲料用のラベル用途ではフィルムの引き取り方向(MD)の引張破断伸度が0℃環境下の引張試験において、製膜直後並びに30℃環境下で30日間経過した後も200%以上、好ましくは220%以上、さらに好ましくは250%以上を有することである。製膜直後での0℃環境下での引張破断伸度が200%以上あれば印刷・製袋などの工程時にフィルムが破断するなどの不具合を生じにくく好ましいのは勿論だが、実際の商品の流通過程においては倉庫内で一時滞留することも十分想定される。そのような過程を経た後に印刷・製袋を行ってもフィルムの破断などの不具合を起こさない為に、30℃環境下で30日間経過させた後でも0℃環境下での引張破断伸度が200%以上を有することが好ましい。
上限については特に限定されないが、過剰に引張破断伸度を付与してもかえってフィルムの剛性を損なう可能性が有るため、500%程度が妥当である。
本発明において、製膜後に30℃の環境下で30日間経過後の引張破断伸度は、例えば、層の材料配合の調整と併せて、製膜工程での押出条件の調整ならびに延伸条件の調整、熱収縮率の調整、積層フィルム構成の場合は積層比をも適宜行うことなどによって、上記値に調整することができる。
(収縮応力)
本発明のフィルムは、80℃のシリコンバス中において1分間浸漬した際の主収縮方向の収縮応力が2.0MPa未満であることが重要であり、好ましくは1.8MPa以下である。80℃のシリコンバス中において1分間浸漬した際の主収縮方向の収縮応力が2.0MPa未満であれば、うどんや蕎麦用の結束ラベルとして容器を包装するための一次的な加熱処理を施す際や、電子レンジによる二次的な加熱処理を施す際において、フィルムが収縮する際に発生する応力が低いため、容器の潰れを抑制することができる。
<本発明の成形品、本発明の熱収縮性ラベルおよび本発明の容器>
本発明は、前記熱収縮性フィルムを基材として用いた成形品(本発明の成形品)に関し、また本発明は、前記熱収縮性フィルムを基材として用いた熱収縮性ラベル(本発明のラベル)に関し、さらに本発明は、前記成形品を用いた、又は前記熱収縮性ラベルを装着した容器(本発明の容器)に関する。
本発明のフィルムは、被包装物によってフラット状から円筒状等に加工し包装に供される。ペットボトル等の円筒状の容器で印刷を要する場合、まずロールに巻き取られた広幅のフラットフィルムの一面に必要な画像を印刷し、そしてこれを必要な幅にカットしつつ印刷面が内側になるように折り畳んでセンターシールして円筒状とすれば良い。この場合、シール部の形状はいわゆる封筒貼りとなる。
前記のセンターシール方法としては、有機溶剤による接着方法、ヒートシールによる方法、接着剤による方法、インパルスシーラーによる方法が考えられる。この中でも、生産性、見栄えの観点から有機溶剤による接着方法が好適に使用される。
本発明のフィルムは、フィルムの熱収縮特性、収縮仕上がり性、透明性等に優れているため、その用途が特に制限されるものではないが、必要に応じて印刷層、蒸着層その他機能層を形成することにより、うどんや蕎麦用の容器、トレー、弁当箱、総菜容器、ボトル(ブローボトル)、乳製品容器等の様々な成形品の基材として用いることができる。そして、得られる成形品は、容器等として使用できる。
本発明のフィルムは、熱膨張率や吸水性等が本発明の熱収縮性フィルムとは極めて異なる材質、例えば金属、磁器、ガラス、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる少なくとも1種を構成素材として用いた包装体(容器)の熱収縮性ラベル素材として好適に利用できる。
プラスチック包装体を構成する材質としては、前記の樹脂の他、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、(メタ)アクリル酸−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等を挙げることができる。これらのプラスチック包装体は2種以上の樹脂類の混合物でも、積層体であってもよい。
以下に本発明について実施例を用いて説明する。
なお、実施例に示す測定値および評価は次のように行った。実施例では、積層フィルムの引き取り(流れ)方向を「縦」方向(又は、MD)、その直角方向を「横」方向(又は、TD)と記載する。
<測定方法>
(1)収縮率
フィルムを測定方向に200mm、これに対する垂直方向に10mmの大きさに切り取りサンプルを作成し、80℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、収縮量を測定した。熱収縮率はTD方向について、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。
(2)ヘーズ値
得られたフィルムの透明性を評価するため、JIS K7105にて全ヘーズ値を測定した。
○:全ヘーズ値が3%未満の場合
△:全ヘーズ値が3%以上、6%以下の場合
×:全ヘーズ値が6%を超える場合
(3)引張破断伸度
得られた熱収縮性フィルムを、30℃環境下で30日保管後、主収縮方向と直交する方向(縦方向、MD)に120mm、主収縮方向に15mmの大きさに切り出し、JIS K7127に準拠し、引張速度100mm/minで、雰囲気温度0℃におけるフィルムの主収縮方向と直交する方向(縦方向、MD)での引張破断伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定し、下記基準に従い評価した。
○:引張破断伸度が200%以上である場合
×:引張破断伸度が200%未満である場合
(4)収縮応力
フィルムをTD方向に幅10mm、長さ70mmに切り出し、50mmにてチャックロードセルにタルミが無い様に固定した。その後、80±0.5℃のシリコンバスに試料片を浸漬し、1分後の応力を測定した。収縮応力は下記式に当てはめて計算した。
収縮応力(MPa)=ロードセルにかかる応力(N)/試料片の断面積(mm2)
(5)収縮仕上り性(一次加熱処理)
縦17.9cm、横17.9cm、深さ6.5cmのPS製の弁当箱に揚げ蕎麦545gを詰め、幅8.5cmで折り径(二枚に折り畳んだ際の長さ)23.9cmの各フィルムからなる結束帯を弁当箱の中央に被せ、容器をベルト式二葉化成製熱風シュリンカー(形式フロンティアV型FT−2000)へ容器のサイドに熱風が当たるように流した。熱風温度180℃,時間5秒で通過させて、弁当箱の蓋が開かずにタイトに結束されているか否かの具合を比較した。
○:弁当箱の蓋が開かずにタイトに結束されている。
×:弁当箱の蓋は若干空き、収縮不足である。
(6)容器潰れ(二次加熱処理)
縦17.9cm、横17.9cm、深さ6.5cmのPS製の弁当箱に揚げ蕎麦545gを詰め、幅8.5cmで折り径(二枚に折り畳んだ際の長さ)23.9cmの各フィルムからなる結束帯を弁当箱の中央に被せ、容器をベルト式二葉化成製熱風シュリンカー(形式フロンティアV型FT−2000)へ容器のサイドに熱風が当たるように流した。熱風温度180℃,時間5秒で通過させて結束帯を収縮させた。その後、1440Wの電子レンジにて1分53秒間加熱を行い、容器の潰れ具合を比較した。
○:弁当箱のつぶれが発生しなかった。
×:弁当箱のつぶれが発生した。
各実施例、比較例で使用した原材料は、下記の通りである。
<ポリ乳酸系樹脂(A)>
・Nature WorksLLC社製、商品名:Ingeo biopolymer4060D、D体/L体量=12/88、「PLA(A1)」と略する。
・Nature WorksLLC社製、商品名:Ingeo biopolymer4043D、D体/L体量=4.25/95.75、「PLA(A2)」と略する。
<ポリオレフィン系樹脂(B)>
・ダウケミカル社製、商品名:バーシファイDE2400.05、ポリプロピレン−エチレンランダム共重合体[ポリプロピレン/エチレン=88/12、10Hz貯蔵弾性率:64MPa(20℃)、12MPa(70℃)]、「PO(C1)」と略する。
・ダウケミカル社製、商品名:バーシファイDE2400.01、ポリプロピレン−エチレンランダム共重合体[ポリプロピレン/エチレン=85/15、10Hz貯蔵弾性率:10MPa(20℃)、3MPa(70℃)]、「PO(C2)」と略する。
<コアシェル型ゴム(C)>
・カネカ社製、商品名:カネエースFM−40、コア層:アクリル酸ブチル、シェル層: メタクリル酸メチル、屈折率1.44、「コアシェル型ゴム(C1)」と略する。
<相溶化剤(D)>
・日油社製、商品名:モディパーA5200[(エチレン−アクリル酸エチル)−メタクリル酸メチルグラフト共重合体(=70/30)、10Hz貯蔵弾性率:85MPa(20℃)、14MPa(70℃)]、「相溶化剤(D1)」と略する。
<実施例1〜2、比較例1〜5>
2種3層の積層フィルムを製造するために、各原材料をそれぞれ表1に示す配合にて混合した後、2台の2軸押出機および2種3層マルチマニホールド口金により、(II)層/(I)層/(II)層の積層共押出が可能な設備において、各押出機設定温度200〜220℃で溶融混合後、各層の厚み比が、(II)層/(I)層/(II)層=1/6/1となるよう共押出し、60℃のキャストロールで引き取り、冷却固化させて未延伸積層シートを得た。次いで、このシートをフィルムテンターを用いて延伸し、厚さ30μmの熱収縮性フィルムを得た。これについて評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005433804
実施例1〜2で得られた本発明のフィルムは、熱収縮率が十分に有り、収縮仕上がり性に優れ、かつ、収縮包装時や電子レンジでの加熱処理時において、容器潰れを抑制することができた。また、透明性が極めて優れ、耐破断性が十分に有り、熱収縮性フィルムとしての要求品質を満たす良好な値を示した。これに対して、比較例1〜5で得られたフィルムにおいては、収縮仕上がり、容器潰れ、透明性、および耐破断性の全てを満たすものではなかった。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う熱収縮性フィルム、該フィルムを用いた成形品および熱収縮性ラベル、並びに、該成形品およびラベルを装着してなる容器もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の熱収縮性フィルムは、収縮包装、収縮結束包装や収縮ラベル等の用途に好適に用いることができる。特に、最近の軽量化・薄肉化された容器に適用しても容器潰れを起こさない収縮特性を備え、一次的加熱処理及び二次的加熱処理を施す際において破袋が無く、機械的特性および透明性にも優れた包装体を得ることができ、工程を増やさず包装体を作製することができるため、例えば、冷麺などの調理済み食品用容器や、温麺などの電子レンジで加熱して内容物を温め食される調理済み食品用容器などの結束帯として有用である。

Claims (12)

  1. ポリ乳酸系樹脂(A)70〜95質量%と、ポリオレフィン系樹脂(B)1〜10質量%と、コアシェル型ゴム(C)3〜15質量%と、前記ポリ乳酸系樹脂(A)と前記ポリオレフィン系樹脂(B)との相溶性を向上させる相溶化剤(D)1〜5質量%とを含む樹脂組成物からなる層((I)層)を少なくとも1層有する熱収縮フィルムであって、
    熱収縮性フィルム全体の厚みに対する前記(I)層の厚さの割合が50%以上であり、
    延伸温度60℃以上90℃以下にて少なくとも一方向に延伸されてなるとともに、延伸後、90℃以上120℃以下で熱処理されてなり、
    かつ80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上30%以下であり、80℃のシリコンオイル中における1分後の収縮応力が2MPa未満であり、ヘーズが3.0%未満であり、主収縮方向と直交する方向における30℃環境下で30日経過後の引張破断伸度が200%以上であることを特徴とする熱収縮性フィルム。
  2. 前記(I)層に含有される相溶化剤(D)が、幹成分と枝成分からなるグラフト共重合体であり、前記グラフト共重合体の幹成分または枝成分が、エチレン単位、αオレフィン単位、および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位からなる群から選ばれる熱可塑性樹脂セグメントから構成されるグラフト共重合体である、請求項に記載の熱収縮性フィルム。
  3. 前記(I)層の両側にポリ乳酸系樹脂(A)を主成分とし、コアシェル型ゴム(C)を含む樹脂組成物からなる(II)層を有する請求項1または2に記載の熱収縮性フィルム。
  4. 記コアシェル型ゴム(C)のシェル層が(メタ)アクリル酸エステルからなり、コア層がシリコーンゴムまたはアクリル系ゴムからなるコアシェル型ゴムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  5. 前記(II)層に含有されるコアシェル型ゴム(C)の含有量が、(II)層を構成する樹脂組成物を100質量%とした場合、5〜20質量%である、請求項に記載の熱収縮性フィルム。
  6. 前記ポリオレフィン系樹脂(B)の振動周波数10Hzの条件で測定したときの20℃の貯蔵弾性率(E’)が100MPa以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  7. 前記延伸温度が80℃以上90℃以下であり、前記熱処理の温度が90℃以上100℃以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  8. 調理済み食品入り容器の結束帯として用いられる、請求項1〜7のいずれかに記載の熱収縮性フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを基材として有する成形品。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱収縮性フィルムを基材として有する熱収縮性ラベル。
  11. 請求項9に記載の成形品を用いた、又は請求項10に記載の熱収縮性ラベルを装着した容器。
  12. ポリ乳酸系樹脂(A)70〜95質量%と、ポリオレフィン系樹脂(B)1〜10質量%と、コアシェル型ゴム(C)3〜15質量%と、前記ポリ乳酸系樹脂(A)と前記ポリオレフィン系樹脂(B)との相溶性を向上させる相溶化剤(D)1〜5質量%とを含む樹脂組成物からなる層((I)層)を少なくとも1層有し、
    80℃の温水中に10秒間浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が10%以上30%以下であり、80℃のシリコンオイル中における1分後の収縮応力が2MPa未満であり、ヘーズが3.0%未満であり、主収縮方向と直交する方向における30℃環境下で30日経過後の引張破断伸度が200%以上である、熱収縮フィルムの製造方法であって、
    熱収縮性フィルム全体の厚みに対する前記(I)層の厚さの割合が50%以上となるように、前記樹脂組成物を押出成形する工程と、
    押出成形して得られるフィルムを延伸温度60℃以上90℃以下にて少なくとも一方向に延伸する工程と、
    前記少なくとも一方向に延伸する工程の後で、90℃以上120℃以下で熱処理する工程と、
    を備える、熱収縮性フィルムの製造方法。
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