JP2011147896A - 高分子材料の熱硬化方法、及び熱硬化装置 - Google Patents

高分子材料の熱硬化方法、及び熱硬化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子材料を熱硬化させるにあたり、界面への熱伝導を促進させることで、高分子材料をワークに確実に固着させる。
【解決手段】ドアパネル10に塗布したシーリング剤Sを熱硬化させる熱硬化方法であって、前記ドアパネル10のうちシーリング剤Sが塗布された塗布位置の側部を、同側部に対応させて配置したシーズヒータ40R、40Lにより加熱させ、前記側部からの熱伝導を利用して前記シーリング剤Sを熱硬化させる。このようにすれば、シーリング剤Sの界面が確実に熱硬化する。そのため、ドアパネル10に対してシーリング剤Sをしっかりと固着させることができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、高分子材料の熱硬化方法、及び熱硬化装置に関する。
従来から、金属製のワークに塗布した高分子材料を熱硬化させることで、ワークの繋ぎ部分(継目)を目止めしたり、ワークを防音コーティングすることが、自動車などの輸送機器において広く行われている。そして現在までのところ、高分子材料を熱硬化させる方式は、熱風の吹き付けが主流であった。しかし、熱風を吹き付ける方式は、エネルギーの利用効率が低くラインニングコストが高い、という問題があり代替案が求められていた。熱風の吹き付けに変わる代替案としては、ヒータ管などの発熱体を使用して、高分子材料をヒータ管の輻射熱、すなわち赤外線により熱硬化させる方式が考えられる。尚、下記特許文献1には、ドアに塗布されるシーリング剤(高分子材料)を赤外線を利用して熱硬化させる点が記載されている。
特開2003−200110号公報
しかしながら、高分子材料は、赤外線に対するエネルギーの吸収がよく、表面は加熱硬化が促進する傾向にある。一方、高分子材料のうち金属製のワークに対する界面には、赤外線が到達しないため、硬化が不十分になる傾向にあり、改善の余地があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、高分子材料を熱硬化させるにあたり、ワークに対する界面への熱伝導を促進させることで、高分子材料をワークに確実に固着させることを目的とする。
本発明は、金属製のワークに塗布した高分子材料を熱硬化させる高分子材料の熱硬化方法であって、前記ワークのうち高分子材料が塗布された塗布位置の側部を、同側部に対応させて配置した発熱線を有する発熱体により加熱させ、前記側部からの熱伝導を利用して前記高分子材料を熱硬化させるところに特徴を有する。尚、ここで言う「塗布位置の側部」とは、ワークのうち高分子材料の塗布位置の近傍箇所(周辺部)を意味する。
このようにすれば、高分子材料の界面(ワークに対する界面)が確実に熱硬化するので、金属製のワークに対して高分子材料をしっかりと固着できる。
この発明の実施態様として、以下の構成とすることが好ましい。
・前記ワークのうち高分子材料が塗布された塗布位置の左右両側部を、2つの発熱体を用いて、同時に加熱するようにする。このようにすれば、高分子材料のうち塗布位置の左右両側とも、ワークとの界面を均等に熱硬化させることが可能となる。
・前記2つの発熱体の間に設置した遮蔽部材により、前記2つの発熱体の熱が前記高分子材料に直接照射されることを防ぐようする。このようにすれば、誤って長時間加熱した場合であっても、高分子材料を焦がしたり、変色させることがない。
・前記発熱体の周囲を金属壁によって取り囲むことにより、前記発熱体の熱が外部に逃げるのを防止する。このようにすれば、熱効率を高くすることが可能となり、界面への熱伝導を促進させることが可能となる。
本発明は、金属製のワークに対して塗布された高分子材料を熱硬化させる熱硬化装置であって、前記ワークに塗布された高分子材料に沿って延びる発熱線を有し、前記ワークのうち前記高分子材料が塗布された塗布位置の左右両側部に対応させて配置される2つの発熱体と、前記2つの発熱体の間に配置され、前記2つの発熱体の熱が前記高分子材料に直接照射されるのを遮蔽する遮蔽板と、前記2つの発熱体の周囲を取り囲む金属壁体と、を備えるところに特徴を有する。このようにすれば、高分子材料の界面を確実に硬化させることが可能となり、金属製のワークに対して、高分子材料をしっかりと固着できる。また、遮蔽板が発熱体の熱を遮蔽するから、誤って長時間加熱した場合であっても、高分子材料の表面を焦がしたり、変色させることがない。
本発明によれば、高分子材料のワークに対する界面を確実に熱硬化させることが可能となる。そのため、金属製のワークに対して高分子材料をしっかりと固着できる。
本発明の実施形態1に係るドアパネルの斜視図 ドアパネルの板組みを示す断面図 ドアパネルに対する熱硬化装置の配置を示す図 熱硬化装置の分解斜視図 シーズヒータの正面図 熱硬化装置の正面図 熱硬化装置の側面図(図6をA方向から見た図) 熱硬化装置の下面図 熱硬化装置の待機位置を示す図 熱硬化装置の加熱位置を示す図 シーリング剤界面の加熱原理を説明する図 ドアパネルの温度分布を示す図 実施形態2における熱硬化装置の待機位置を示す図 熱硬化装置の加熱位置を示す図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。
1.全体説明
本実施形態は、金属製のワークWとして自動車用ドアを構成するドアパネル10を例示するものである。ドアパネル10は、金属板製のアウタパネル11上に、金属板製のインナパネル12を重ね合わせた後、図2にて示すように、アウタパネル11の外周部を内側へ折り返してインナパネル12の外周端部を挟み込むことで両パネル11、12を一体化させたものである。
そして、両パネル11、12の継目Cには、図1にて示すようにその全周に沿ってシーリング剤Sが塗布されるようになっている。シーリング剤Sは、例えばポリ塩化ビニルを主成分とした高粘度の高分子材料であり、これをドアパネル10の周囲に配置した30A〜30Fの6つの熱硬化装置を使用して熱硬化させると、ドアパネル10の継目Cが全周に亘ってシールされる構成となっている(図3参照)。
2.熱硬化装置の構造説明
熱硬化装置30A〜30Fは、ドアパネル10に塗布されたシーリング剤Sの加熱作業を各区間ごとに分担して行うものである。各熱硬化装置30A〜30Fは、区間の長さに対応して全長に長短の相違があるものの装置構成は同じである。従って、以下では、熱硬化装置30Aを代表させて構造説明を行う。
熱硬化装置30Aは一対のシーズヒータ40R、40Lと、遮蔽板60と、支持金具80と、下面が開口する金属壁体70と、金属壁体70の外周側をその全長に亘って囲む断熱材90(例えば、無機質ファイバーで補強したセラミック粉末など)とを備えたものである(図4参照)。
一対のシーズヒータ40R、40Lは、図5に示すように、金属パイプ51と、金属パイプ51に対しその軸に沿って配設されたニクロム抵抗線(本発明の「発熱線」の一例)53と、パイプ内に充填された特殊充填材とを主体に構成されるものである。特殊充填材は、電気絶縁性に優れるとともに、熱伝導率の高いものであり、例えば、高純度のマグネシア粉末などを用いることが出来る。
一対のシーズヒータ40R、40Lは、軸端に端子55を引き出しており、両端子55を介してパイプ内のニクロム抵抗線53を通電して、ニクロム抵抗線53及び金属パイプ51を発熱させる構成となっている。尚、金属パイプ51の外周面には、高効率遠赤輻射塗料を表面に塗布するしておくとよい。このようにしておけば、発熱に伴って遠赤外線が放出され、シーリング剤Sを効率よく加熱することが可能となる。
両シーズヒータ40R、40Lは、軸線Lzを平行に揃えつつ左右に並んだ状態で支持金具80に支持されている。尚、両シーズヒータ40R、40Lはいずれも軸線Lzが直線的に延びているが、これは、各熱硬化装置30A〜30Fに割り当てられている区間において、ドアパネル10の継目Cが直線的に延びているからである(図3参照)。
また、シーズヒータ40R、40Lは、外側を金属壁体70により囲まれる構成となっている。金属壁体70は鉄製又はステンレス製の板材よりなるものであり、断面形状が山型をなす上部壁体71と、その左右両側に取りつけられた左右一対の下部壁体75R、75Lとの3部品により構成されている。
上部壁体71は、シーズヒータ40R、40Lの軸線Lzに沿って延びており、全長はシーズヒータ40R、40Lの全長より幾らか長くなっている。上部壁体71の両端部には、支持金具80が取り付けられている。支持金具80は、上部壁体71の天井に軸端を固定しつつ下向きに延びる支持棒81と、支持棒の下端に取り付けられた取付板85とを備えている。
取付板85は左右方向に水平に延びており、左右両部にはシーズヒータ40R、40Lの端部を固定するためのブラケット87R、87Lがそれぞれ固定されている。以上のことから、前後の取付板85に設けられた各ブラケット87R、87Lに、前端と後端をそれぞれ固定することで、シーズヒータ40R、40Lは、上部壁体71の下方にて水平な姿勢を保って支えられる構成となっている。
下部壁体75R、75Lは、図7にて示すように、上部壁体71の下部から、中心線Lcに向かって斜め内向きに延びている。この下部壁体75R、75Lは、シーズヒータ40R、40Lの全長に亘って延びており、また、壁の下端77は、シーズヒータ40R、40Lの下端の位置に等しくなっている。下部壁体75R、75Lは、シーズヒータ40R、40Lの左右両側にあって、シーズヒータ40R、40Lの左右両側方を囲む構成となっている。
遮蔽板60は、鉄製又はステンレス製の板材よりなるものであり、断面形状が上に凸をもつ三角形状をしている。遮蔽板60は、シーズヒータ40R、40Lの全長に亘って延びている。係る遮蔽板60は、装置の中心線Lc上であって、シーズヒータ40R、40Lのやや下側の位置に取り付けられている(図7参照)。具体的に説明すると、遮蔽板60の両端には平らな座面部65が形成してある。そして、座面部65には軸孔65Aが形成してあり、遮蔽板60は、座面部65の軸孔65Aを支持棒81の下端に通して螺子止めすることで、支持金具80に対してその両端を固定させている(図4参照)。
上記のように構成された熱硬化装置30Aは不図示の移動ロボットにより、図9に示す待機位置と、図10に示す加熱位置との間にて移動操作される構成となっている。
図9に示す待機位置では、熱硬化装置30Aは、ドアパネル10の上方にあって、ドアパネル10から離れた位置関係になる。また、図10に示す加熱位置では、熱硬化装置30Aは、ドアパネル10の高さ(具体的には、ドアパネル10までの距離が数ミリとなる高さ)に下降して、ドアパネル10の内面に装置下部のヒーズヒータ40R、40Lが接近した状態となる。そして、この加熱位置において、熱硬化装置30Aは装置の中心線Lcをシーリング剤Sの中心(継目C)に一致させた状態となり、シーリング剤Sの正面に遮蔽板60が位置する位置関係となる。
また、各シーズヒータ40R、40Lは、ドアパネル10の継目Cに塗布されたシーリング剤Sの左右両側に位置して、各ドアパネル10の継目側部に向かい合った位置関係となる。図11を参照して具体的に説明すれば、シーズヒータ40Lは、シーリング剤Sの塗布位置から図中左側に位置がずれており、アウタパネル11の継目側部11aに向かい合った位置関係となる。また、シーズヒータ40Rは、シーリング剤Sの塗布位置から図中右側に位置がずれており、インナパネル12の継目側部12aに向かい合った位置関係となる。尚、上記により、本発明の「同側部(この例では、継目側部)に対応させて発熱線(この例では、シーズヒータ)を配置」が具現化されている。
3.熱硬化方法の説明
次に、シーリング剤Sを熱硬化させる方法について説明を行う。尚、ここでは、ドアパネル10に対するシーリング剤Sの塗布作業は既に完了しており、ドアパネル10は、図3にて示すように、シーリング剤Sを塗布した内面を上に向けた状態で、所定の治具上にセットされているものとする。
さて、ドアパネル10に塗布したシーリング剤Sを熱硬化させるには、まず、移動ロボットを一斉操作して、各熱硬化装置30A〜30Fを待機位置から加熱位置に移動させてやる。これにより、熱硬化装置30A〜30Fは、ドアパネル10の高さに下降して、ドアパネル10の内面に接近した状態となる。
あとは、各熱硬化装置30A〜30Fのシーズヒータ40R、40Lを通電してやればよく、これにより、各熱硬化装置30A〜30Fの各シーズヒータ40R、40Lが一斉に発熱して、ドアパネル10の継目一帯を両シーズヒータ40R、40Lが同時に加熱する。すると、継目Cに塗布されたシーリング剤Sが熱硬化して、両パネル11、12の継目Cが全周に亘ってシールされる。
そして、特に、本実施形態では、図11に示すように、加熱位置において、シーズヒータ40Lは、シーリング剤Sの塗布位置から図中左側に位置がずれており、アウタパネル11の継目側部11aに向かい合った位置関係となる。また、シーズヒータ40Rは、シーリング剤Sの塗布位置から図中右側に位置がずれており、インナパネル12の継目側部12aに向かい合った位置関係となる。
そのため、シーズヒータ40Lの発熱に伴いアウタパネル11の継目側部11aが重点的に加熱され、また、シーズヒータ40Rの発熱に伴いインナパネル12の継目側部12aが重点的に加熱される。そして、加熱された継目側部11a、12aからの熱伝導によりシーリング剤Sに熱が回る。具体的に説明すると、アウタパネル11の継目側部11aからの熱伝導によりアウタパネル側の界面S1に熱が回り、また、インナパネル12の継目側部12aからの熱伝導により、インナパネル側の界面S2に熱が回る。
以上のことから、シーリング剤Sのうちドアパネル10に対する界面(通常は熱が回り難い箇所)S1、S2をしっかり加熱出来る。そのため、両界面S1、S2を確実に熱硬化させることが可能となり、ドアパネル10の継目Cに対してシーリング剤Sをしっかりと固着できる。尚、参考までに記載しておくと、シーズヒータ40R、40Lの加熱時間は、約30秒〜50秒程度であり、そのとき、ヒータ温度は約520度〜580度程度になる。また、ドアパネル10の目標温度は、約150度である。
また、加熱位置において、シーリング剤Sの正面には、遮蔽板60が位置している。そのため、2つのシーズヒータ40R、40Lの熱は、この遮蔽板60により遮られ、シーリング剤Sに対して直接照射されることがない。そのため、図12のグラフ(実線)で示すように、シーリング剤Sの塗布範囲に対応する領域Eでは、エネルギー量(熱エネルギー量)が、周辺領域Dのエネルギー量の約10%程度になる。このようにすれば、誤って長時間加熱した場合であっても、シーリング剤Sを焦がしたり、表面を変色させることがない。
尚、図12のグラフ(一点鎖線)は、遮蔽板60を設置していない場合を示しており、この場合、領域Eのエネルギー量は周辺領域Dのエネルギー量の約50%程度になる。
そして、シーズヒータ40R、40Lによる加熱処理が完了したら、再度、移動ロボットを一斉操作し、今度は、各熱硬化装置30A〜30Fを加熱位置から待機位置に戻してやる。これにより、各熱硬化装置30A〜30Fがドアパネル10から離間するので、加熱処理を終えたドアパネル10を次の工程に搬送できる状態になる。
4.効果説明
以上説明したように、本熱硬化方法では、両パネル11、12からの熱伝導を利用してシーリング剤Sの界面(ドアパネル10に対する界面)S1、S2を加熱している。そのため、界面S1、S2に熱を確実に伝えることが出来、シーリング剤Sの界面S1、Sをしっかり熱硬化させられる。以上のことから、ドアパネル10の継目Cに対してシーリング剤Sをしっかりと固着させることができる。
また、本熱硬化方法では、2本のシーズヒータ40R、40Lを用いて、アウタ、インナの両パネル11、12を同時に加熱している。このようにすれば、シーリング剤Sのうちアウタパネル11側の界面S1、インナパネル12側の界面S2の双方の界面S1、S2に熱が均等に回る。したがって、シーリング剤Sをアウタパネル11、インナパネル12の双方のパネルに対してしっかりと固着させることができる。
また、本実施形態では、シーズヒータ40R、40Lの周囲を金属壁体70によって取り囲んでおり、金属壁体70及びその外周に被覆された断熱材90が簡易的な炉体を構成する。そのため、シーズヒータ40R、40Lの放つ熱が外部に逃げ難い。このようにすれば、熱効率を高くすることが可能となり、シールリング剤Sの界面S1、S2に対する熱伝導を一層促進させることが可能となる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図13ないし図14によって説明する。実施形態1では、中心線Lcを真下に向けながら熱硬化装置30A〜30Fをドアパネル10に接近させてゆき、ドアパネル10の継目一帯を加熱する例を説明した(図9、図10参照)。
実施形態2では、中心線Lcを斜めに向けながら熱硬化装置30A〜30Fをドアパネル10に接近させるようにしている。そして、図14にて示すように、加熱位置では、シーズヒータ40Lをアウタパネル11のエッジ11bの左脇に向かい合わせるように配置させる共に、シーズヒータ40Rをインナパネル12の継目側部12aの真上に配置させている。そして、図14の配置のもと、ドアパネル10の継目一帯を加熱するようにしている。
このようにドアパネル10に対して、中心線Lcを斜めに向けながら熱硬化装置30A〜30Fを接近させるようにしてやれば、継目Cからエッジ11bまでの距離Gが短い場合であっても、ドアパネル10にシーズヒータ40R、40Lを接近させることが可能となる。そのため、シーズヒータ40R、40Lによって、ドアパネル10の継目一帯(言い換えれば、塗布位置の側部)を加熱できるから、その熱伝導を利用して、継目Cに塗布されたシーリング剤Sを確実に熱硬化させられる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1、2では、いずれも金属製のワークの一例としてドアパネル10を例示し、その継目Cに塗布したシーリング剤Sを熱硬化させる例を挙げた。本発明は、例示したシーリング剤Sを熱硬化させる使用用途以外にも、例えば、金属製の車体に塗布した防音コーティング剤を熱硬化させる使用用途、又はホイルハウスに塗布したアンダーコート剤を熱硬化させる使用用途など、種々の用途に対して適用することが可能である。
(2)上記実施形態1、2では、ドアパネル10に対するシーリング剤Sの塗布軌道がほぼ直線であることに対応して、シーズヒータ40R、40Lをストレート形状(軸線Lzが直線的に延びている形状)とした。シーズヒータ40R、40Lの形状は、熱硬化させる対象物に沿って延びていればよく、例えば、シーリング剤Sの塗布軌道が曲がっていれば、それに沿うように軸線Lzを曲げた形状にすることが好ましい。
(3)上記実施形態1、2では、シーリング剤Sを熱硬化させる発熱体の一例に、ヒーズヒータ40R、40Lを例示したが、発熱体はシーズヒータ40R、40Lに限定されるものではなく、例えば、ニクロム抵抗線単体にて、代用することが可能である。
10…ドアパネル(本発明の「ワーク」の一例)
11…アウタパネル
11a…継目側部(本発明の「塗布位置の側部」に相当)
11b…エッジ(本発明の「塗布位置の側部」に相当)
12…インナパネル
12a…継目側部(本発明の「塗布位置の側部」に相当)
30A〜30F…熱硬化装置
40R、40L…シーズヒータ(本発明の「発熱体」の一例)
51…金属パイプ
53…ニクロム抵抗線(本発明の「発熱線」の一例)
60…遮蔽板
70…金属壁体
80…支持金具
90…断熱材
S…シーリング剤(本発明の「高分子材料」の一例)

Claims (5)

  1. 金属製のワークに塗布した高分子材料を熱硬化させる高分子材料の熱硬化方法であって、
    前記ワークのうち高分子材料が塗布された塗布位置の側部を、同側部に対応させて配置した発熱線を有する発熱体により加熱させ、前記側部からの熱伝導を利用して前記高分子材料を熱硬化させることを特徴とする高分子材料の熱硬化方法。
  2. 前記ワークのうち高分子材料が塗布された塗布位置の左右両側部を、2つの発熱体を用いて、同時に加熱するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の高分子材料の熱硬化方法。
  3. 前記2つの発熱体の間に設置した遮蔽部材により、前記2つの発熱体の熱が前記高分子材料に直接照射されることを防ぐようにしたことを特徴とする請求項2に記載の高分子材料の熱硬化方法。
  4. 前記発熱体の周囲を金属壁によって取り囲むことにより、前記発熱体の熱が外部に逃げるのを防止するようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の高分子材料の熱硬化方法。
  5. 金属製のワークに対して塗布された高分子材料を熱硬化させる熱硬化装置であって、
    前記ワークに塗布された高分子材料に沿って延びる発熱線を有し、前記ワークのうち前記高分子材料が塗布された塗布位置の左右両側部に対応させて配置される2つの発熱体と、
    前記2つの発熱体の間に配置され、前記2つの発熱体の熱が前記高分子材料に直接照射されるのを遮蔽する遮蔽板と、
    前記2つの発熱体の周囲を取り囲む金属壁体と、を備えることを特徴とする熱硬化装置。
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