JP2011147264A - 分割ステータ及びステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂製インシュレータのコーナ部におけるクラックの発生を抑えること。
【解決手段】分割ステータ2は、分割コア11のティース部11aに樹脂製インシュレータ12を介してエッジワイズコイル13がセットされ、インシュレータ12及びコイル13の周りがモールド樹脂14により覆われる。コイル13には、インシュレータ12のコーナ部近傍におけるモールド樹脂14の収縮を抑えるために、コイル13の線材13aが、ターン毎に離れて巻かれる。コイル13がターン毎に離れて巻かれることで、ターン毎の線材13aの間に隙間15が形成され、その隙間15にモールド樹脂14の一部が充填される。
【選択図】 図6
【解決手段】分割ステータ2は、分割コア11のティース部11aに樹脂製インシュレータ12を介してエッジワイズコイル13がセットされ、インシュレータ12及びコイル13の周りがモールド樹脂14により覆われる。コイル13には、インシュレータ12のコーナ部近傍におけるモールド樹脂14の収縮を抑えるために、コイル13の線材13aが、ターン毎に離れて巻かれる。コイル13がターン毎に離れて巻かれることで、ターン毎の線材13aの間に隙間15が形成され、その隙間15にモールド樹脂14の一部が充填される。
【選択図】 図6
Description
この発明は、複数個組み合わせることにより一つのステータを構成する分割ステータに係り、詳しくは、コイルの周りがモールド樹脂により覆われた分割ステータ及びステータに関する。
従来、この種の技術として、例えば、下記の特許文献1及び2に記載されるステータが知られている。このステータは、複数の分割ステータを円環状に組み合わせることで構成される。分割ステータは、分割コアと、分割コアのティース部等を覆う樹脂からなるインシュレータと、そのインシュレータを介してティース部に組み付けられたコイル(エッジワイズコイル)とを備え、インシュレータ及びコイルの外周がモールド樹脂により覆われる。
上記した分割ステータにつき、熱サイクル(−40℃⇔+160℃)の発生時には、樹脂からなるインシュレータ及びモールド樹脂のそれぞれで大きな収縮、膨張が繰り返される。その結果、図16に示すように、エッジワイズコイル41のコーナ部の内側にてインシュレータ42のコーナ部42aに応力が集中し、その部分にクラックが発生するおそれがあった。このクラックが発生した場合、エッジワイズコイル41と分割コア43との間の絶縁が確保できなくなる。このように応力集中によりクラックが発生するのは、分割コア43、エッジワイズコイル41、インシュレータ42及びモールド樹脂44の間で線膨張係数の違いが大きいからである。特に、エッジワイズコイル41とモールド樹脂44は材料が異なることから、モールド樹脂44を設けた後も、エッジワイズコイル41とモールド樹脂44が固着することなく、両者41,44の間にすべりが発生するおそれがある。
そこで、樹脂からなるインシュレータ及びモールド樹脂の線膨張係数を、金属部材である分割コアやコイルの線膨張係数に近付けることが考えられる。下記の特許文献3には、樹脂部材を、線膨張係数が金属部材の線膨張係数に近い材料により構成することが記載される。この技術を分割ステータに採用することも考えられる。
ところが、特許文献3に記載の技術を分割ステータに採用した場合、熱サイクルの発生時には、やはり、樹脂からなるインシュレータやモールド樹脂に大きな収縮、膨張が繰り返し発生する。このため、コイルのコーナ部内側に応力が集中し、インシュレータのコーナ部にクラックが発生し、コイルと分割コアとの間の絶縁性が低下する懸念があった。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、樹脂からなるインシュレータのコーナ部におけるクラックの発生を抑えることを可能とした分割ステータ及びステータを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、分割コアのティース部に樹脂からなるインシュレータを介してコイルがセットされ、インシュレータ及びコイルの周りがモールド樹脂により覆われた分割ステータであって、コイルに、インシュレータのコーナ部の近傍におけるモールド樹脂の収縮を抑える収縮抑制手段を設けたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、収縮抑制手段により、インシュレータのコーナ部の近傍におけるモールド樹脂の収縮が抑えられ、その部分のモールド樹脂の応力集中が緩和される。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、収縮抑制手段は、コイルの線材が、ターン毎に離れて巻かれたことであることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、コイルがターン毎に離れて巻かれることで、ターン毎の線材の間に隙間が形成され、その隙間にモールド樹脂の一部が充填される。従って、隙間に充填されたモールド樹脂の一部が楔として機能してインシュレータのコーナ部の近傍におけるモールド樹脂の収縮が抑えられ、その部分のモールド樹脂の応力集中が緩和される。また、コイルの巻き方を変えるだけの対策で済む。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、収縮抑制手段は、インシュレータのコーナ部の近傍において、コイルの線材の厚み方向に凹むように形成された溝であることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、インシュレータのコーナ部の近傍において、コイルの隣り合う線材の間に溝が配置され、その溝にモールド樹脂の一部が充填される。従って、溝に充填されたモールド樹脂の一部が楔として機能してインシュレータのコーナ部の近傍におけるモールド樹脂の収縮が抑えられ、その部分のモールド樹脂の応力集中が緩和される。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、収縮抑制手段は、コイルがインシュレータから離れた部分であってコイルとインシュレータとの間にモールド樹脂が介在する部分において、コイルの線材の長手方向の中間部が長手方向の両端部よりもインシュレータに近付いて形成されたことであることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、コイルの線材の長手方向の中間部が長手方向の両端部よりもインシュレータに近付いて形成されるので、その線材の中間部とインシュレータとの間よりも、その線材の両端部とインシュレータとの間の方が、すなわちインシュレータのコーナ部の近傍の方が、充填されるモールド樹脂の容積が大きくなる。従って、インシュレータのコーナ部の近傍におけるモールド樹脂の収縮がこの容積の大きい部分により抑えられ、その部分のモールド樹脂の応力集中が緩和される。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、収縮抑制手段は、コイルがインシュレータから離れた部分であってコイルとインシュレータとの間にモールド樹脂が介在する部分において、コイルの線材の幅方向に凹むように形成された溝であることを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、コイルがインシュレータから離れた部分であってコイルとインシュレータとの間にモールド樹脂が介在する部分において、コイルの線材の幅方向に凹むように形成された溝にモールド樹脂の一部が充填される。従って、溝に充填されたモールド樹脂の一部が楔として機能してインシュレータのコーナ部の近傍におけるモールド樹脂の収縮が抑えられ、その部分のモールド樹脂の応力集中が緩和される。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明のステータは、請求項1乃至5の何れか一つに記載の分割コアを複数円環状に組み合わせ、その外側に外筒を焼き嵌めしたことを趣旨とする。
上記発明の構成によれば、円環状をなす一つのステータを構成する複数の分割コアにつき、請求項1乃至5の何れか一つに記載の発明と同じ作用が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、樹脂からなるインシュレータのコーナ部におけるクラックの発生を抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、樹脂のモールド形状の変更を不要とし、モールド金型の形状変更を不要とすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、線材をターン毎に接して巻くことで、コイルとしての占積率を確保することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、線材をターン毎に接して巻くことで、コイルとしての占積率を確保することができる。また、線材の一部を肉薄にしないことで、コイルの局所的な発熱の増大を防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、コイルの発熱をモールド樹脂を介して分割コア側へ効率良く伝えることができ、コイルの熱損失を低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、円環状をなす一つのステータを構成する複数の分割コアにつき、請求項1乃至5の何れか一つに記載の発明と同じ効果が得られる。
<第1実施形態>
以下、本発明の分割ステータ及びステータを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
以下、本発明の分割ステータ及びステータを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1に、この実施形態のステータ1を斜視図により示す。図2に、このステータ1を構成する一つの分割ステータ2を断面図により示す。このステータ1は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車に使用されるモータの一構成要素であって、複数(この場合「18個」)の分割ステータ2を円環状に組み合わせ、その外側に外筒3を焼き嵌めすることにより製造される。
このステータ1を製造するには、先ず、予め製造された複数の分割ステータ2を円環状に組み合わせる。次に、それら分割ステータ2の外周に外筒3を焼き嵌めする。すなわち、複数の分割ステータ2の外側に、加熱され、膨張して内径が大きくなった外筒3を嵌め込む。その後、外筒3が常温に冷却されることで、外筒3の内径が縮小して複数の分割ステータ2が外筒3により締まり嵌めされる。このようにして複数の分割ステータ3が一体化して一つのステータ1の基本構成が得られる。その後、円環状のステータ1において、図2に示すように、分割ステータ2を構成する分割コア11の外寄り上面にバスバーホルダ4(4A,4B,4C)を取り付ける。次いで、各分割ステータ2の一対の端末5A,5Bを、バスバーホルダ4(4A〜4C)に設けられたバスバー6A,6B,6Cに接続する。これにより一つのステータ1が完成する。
次に、分割ステータ2について説明する。図3に、一つの分割ステータ2を斜視図により示す。図2及び図3に示すように、分割ステータ2は、分割コア11のティース部11aに樹脂からなるインシュレータ12を介してエッジワイズコイル13がセットされ、そのコイル13の周りがモールド樹脂14により覆われて構成される。分割ステータ2のモールド樹脂14の上部からは、一対の端末5A,5Bが突出する。
この分割ステータ2の製造手順について説明する。図4(a)〜(d)に、分割ステータ2の製造手順を斜視図により示す。分割ステータ2を製造するには、先ず、図4(a)に示すように、分割コア11を用意する。この分割コア11は、略円弧状をなすヨーク部11bと、そのヨーク部11bから突出するティース部11aとを含む。分割コア11は、プレス打ち抜きされた鋼板を複数積層することにより形成される。
次に、図4(b)に示すように、分割コア11のティース部11aに、樹脂からなるインシュレータ12を装着する。このインシュレータ12は、ティース部11aの外周を覆う角筒部12aと、ティース部11aの根元にてヨーク部11bを覆うフランジ部12bと、角筒部12aの上下に突き出した突起部12cとを含む。この実施形態で、インシュレータ12の厚みは「0.2〜0.3 mm」となっている。
次に、図4(c)に示すように、予め巻かれたエッジワイズコイル13をインシュレータ12の角筒部12aの外周に装着する。すなわち、インシュレータ12の角筒部12aを介して分割コア11のティース部11aにエッジワイズコイル13を装着する。エッジワイズコイル13は、断面が平角(矩形状)の線材をティース部11aの外周形状に合わせて巻き回して成形したものである。図4(c)において、エッジワイズコイル13の軸方向後端は、インシュレータ12のフランジ部12bに接して位置決めされる。エッジワイズコイル13の幅方向内側は、インシュレータ12の角筒部12aに接して位置決めされる。エッジワイズコイル13の上下方向内側は、インシュレータ12の突起部12cに接して位置決めされる。エッジワイズコイル13の両端部は、上方へ突出することで上記した端末5A,5Bとなっている。
その後、図4(d)に示すように、インシュレータ12及びエッジワイズコイル13の周りをモールド樹脂14により覆う。この工程は、エッジワイズコイル13を装着した分割コア11を金型に入れて樹脂をモールドすることにより行う。図4(d)において、分割コア11のティース部11a及びインシュレータ12の先端は、モールド樹脂14から前方へ露出する。また、エッジワイズコイル13の端末5A,5Bは、モールド樹脂14から上方へ突き出る。このようにして図3に示す分割ステータ2が完成する。
次に、モールド樹脂14及びエッジワイズコイル13等の結合構造について以下に説明する。図5〜図7に、図3の分割ステータ2の右下コーナ部(実線と2点鎖線で示すブロック形状部分)21を異なる平面Px,Py,Pzで切断して断面図により示す。図5に、図3の右下コーナ部21を平面Pzで切断して断面図により示す。図6に、図3の右下コーナ部21を平面Pyで切断して断面図により示す。図7に、図3の右下コーナ部21を平面Pxで切断して断面図により示す。
この実施形態では、図5に鎖線円で囲むインシュレータ12のコーナ部22に、熱サイクルによりクラックが発生することを防止するために、以下のように構成される。図5に示すように、分割ステータ2は、分割コア11のティース部11aに樹脂からなるインシュレータ12を介してエッジワイズコイル13がセットされ、インシュレータ12及びエッジワイズコイル13の周りがモールド樹脂14により覆われる。ここで、エッジワイズコイル13には、インシュレータ12のコーナ部22の近傍におけるモールド樹脂14の収縮を抑える収縮抑制手段として、図6,7に示すように、エッジワイズコイル13の線材13aが、ターン毎に離れて巻かれている。
以上説明したこの実施形態の分割ステータ2によれば、エッジワイズコイル13がターン毎に離れて巻かれることで、図6,7に示すように、ターン毎の線材13aの間に隙間15が形成され、その隙間15にモールド樹脂14の一部が充填される。従って、隙間15に充填されたモールド樹脂14の一部が楔として機能してインシュレータ12のコーナ部22の近傍におけるモールド樹脂14の収縮が抑えられ、その部分のモールド樹脂14の応力集中が緩和される。このため、インシュレータ12のコーナ部22における応力集中を緩和することができ、そのコーナ部22におけるクラックの発生を抑えることができる。この結果、エッジワイズコイル13と分割コア11との間の絶縁性の低下を防止することができる。
図8に、簡易解析による応力低減効果をグラフにより示す。このグラフは、インシュレータ12のコーナ部22における応力値分布を、従来例に係る曲線(太線)と比較して示す。このグラフは、第1実施形態の曲線(実線)をはじめ、後述する第2〜第4の実施形態に係る曲線を示す。このグラフにおいて、横軸は「コーナ位置」を示し、縦軸は最大主応力を示す。「コーナ位置」は、インシュレータ12のコーナ部22上における原点P0からの距離(図6に示す原点P0から矢印方向へ進んだ距離を意味する。)により示される。このグラフから明らかなように、第1実施形態では、従来例に比べ、コーナ位置のほぼ全範囲において最大主応力が小さくなり、応力低減効果があることが分かる。
この実施形態では、エッジワイズコイル13の巻き方を変えるだけで、インシュレータ12のクラック対策を済ませることができる。このため、樹脂のモールド形状の変更を不要とし、モールド金型の形状変更を不要にできる。また、クラック対策に伴い、分割コア11に、例えばコーナ部を湾曲させるような追加の加工が不要となり、モールド樹脂14の材料変更が不要となる。また、モールド樹脂14の流路面積の減少がなく、そのコーナ部における応力低減を図ることができ、樹脂の流動性に有利となる。このため、クラック対策に関する開発リードタイムを短縮させることができ、開発コストを削減することができる。
この実施形態では、円環状をなす一つのステータ1を構成する複数の分割コア2につき、上記のような作用効果が得られることから、ステータ1としての耐久性と信頼性を向上させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の分割ステータ及びステータを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
次に、本発明の分割ステータ及びステータを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明において、第1実施形態と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に説明する。
この実施形態では、モールド樹脂14の収縮を抑える収縮抑制手段の構成の点で、第1実施形態と異なる。図9に、エッジワイズコイル13の線材13aの一部を正面図により示す。図10に、エッジワイズコイル13の一部を側面図により示す。図11〜図13は、図3に示す分割ステータ2の右下コーナ部21を異なる平面Px,Py,Pzで切断した断面図により示す。図11は、図5に準ずる断面図である。図12は、図6に準ずる断面図である。図13は、図7に準ずる断面図である。
この実施形態で、収縮抑制手段は、インシュレータ12のコーナ部22の近傍において、図9,10に示すように、エッジワイズコイル13の線材13aの厚み方向に凹むように形成された溝16である。すなわち、エッジワイズコイル13のコーナ部(図9に鎖線円で囲んで示す部分)23の近傍において、線材13aの厚み方向の両面には、線材13aの厚み方向に凹むように溝16がそれぞれ形成される。この溝16は、線材13aを塑性変形させたり、機械加工したりすることで行う。図10に示すように、各溝16は、隣り合う線材13aの間で互いに整合する位置に設けられることから、隣り合う線材13aが接することで隣り合う2つの溝16によって孔17が形成される。
この実施形態の構成によれば、図11〜図13に示すように、インシュレータ12のコーナ部22の近傍において、エッジワイズコイル13の隣り合う線材13aの間に配置された溝16及び孔17に、モールド樹脂14の一部が充填される。従って、それら溝16及び孔17に充填されたモールド樹脂14の一部が楔として機能してインシュレータ12のコーナ部22の近傍におけるモールド樹脂14の収縮が抑えられ、その部分のモールド樹脂14の応力集中が緩和される。このため、インシュレータ12のコーナ部22における応力集中を緩和することができ、そのコーナ部22におけるクラックの発生を抑えることができる。この結果、エッジワイズコイル13と分割コア11との間の絶縁性の低下を防止することができる。
図8のグラフから明らかなように、第2実施形態では、従来例に比べ、コーナ位置のほぼ全範囲において最大主応力が小さくなり、応力低減効果があることが分かる。
この実施形態では、第1実施形態とは異なり、エッジワイズコイル13の線材13aを、ターン毎に接して巻くようにしていることから、エッジワイズコイル13として占積率を確保することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の分割ステータ及びステータを具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
次に、本発明の分割ステータ及びステータを具体化した第3実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、モールド樹脂14の収縮を抑える収縮抑制手段の構成の点で、前記各実施形態と異なる。図14に、分割ステータ2の一部を、図5に準ずる断面図により示す。この実施形態では、収縮抑制手段として、図14に示すように、エッジワイズコイル13がインシュレータ12から離れた部分であってエッジワイズコイル13とインシュレータ12との間にモールド樹脂14が介在する部分において、エッジワイズコイル13の線材13aの長手方向の中間部(図14に一方の鎖線円で示す部分)24が長手方向の両端部(図14に他方の鎖線円で示す部分)25よりもインシュレータ12に近付いて形成される。すなわち、図14に示すように、エッジワイズコイル13の下側一辺において、線材13aが長手方向に波形に曲げられており、その線材13aの長手方向の中間部24が長手方向の両端部25よりもインシュレータ12に近付いている。
この実施形態の構成によれば、エッジワイズコイル13の線材13aの長手方向の中間部24が長手方向の両端部25よりもインシュレータ12に近付いて形成されるので、その線材13aの中間部24とインシュレータ12との間よりも、線材13aの両端部25とインシュレータ12との間の方が、充填されるモールド樹脂14の容積が大きくなる。従って、そのモールド樹脂14の容積の大きい部分により、インシュレータ12のコーナ部22の近傍におけるモールド樹脂14の収縮が抑えられ、その部分のモールド樹脂14の応力集中が緩和される。このため、インシュレータ12のコーナ部22における応力集中を緩和することができ、そのコーナ部22におけるクラックの発生を抑えることができる。この効果は、特に、フィラー等を配合した異方性を示す樹脂を使用した場合に大きい。この結果、エッジワイズコイル13と分割コア11との間の絶縁性の低下を防止することができる。
図8のグラフから明らかなように、第3実施形態では、従来例に比べ、コーナ位置の全範囲において最大主応力が小さくなり、応力低減効果があることが分かる。
この実施形態では、第1実施形態とは異なり、エッジワイズコイル13の線材13aを、ターン毎に接して巻くようにしているので、エッジワイズコイル13として占積率を確保することができる。また、この実施形態では、第2実施形態とは異なり、エッジワイズコイル13の線材13aの一部を肉薄にしないので、同コイル13の局所的な発熱の増大を防止できる。
<第4実施形態>
次に、本発明の分割ステータ及びステータを具体化した第4実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
次に、本発明の分割ステータ及びステータを具体化した第4実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
この実施形態では、モールド樹脂14の収縮を抑える収縮抑制手段の構成の点で、前記各実施形態と異なる。図15に、分割ステータ2の一部を、図5に準ずる断面図により示す。この実施形態では、収縮抑制手段として、図15に示すように、エッジワイズコイル13がインシュレータ12から離れた部分であってそのコイル13とインシュレータ12との間にモールド樹脂14が介在する部分において、エッジワイズコイル13の線材13aの幅方向に凹むように形成された複数の溝18が設けられる。すなわち、図15に示すように、エッジワイズコイル13の下側一辺において、線材13aが幅方向に凹む複数の溝18が形成される。
この実施形態の構成によれば、エッジワイズコイル13がインシュレータ12から離れた部分であって同コイル13とインシュレータ12との間にモールド樹脂14が介在する部分において、エッジワイズコイル13の線材13aの幅方向に凹む複数の溝18が配置され、それら溝18にモールド樹脂14の一部が充填される。従って、各溝18に充填されたモールド樹脂14の一部が楔として機能してインシュレータ12のコーナ部22の近傍におけるモールド樹脂14の収縮が抑えられ、その部分のモールド樹脂14の応力集中が緩和される。このため、インシュレータ12のコーナ部22における応力集中を緩和することができ、そのコーナ部22におけるクラックの発生を抑えることができる。この結果、エッジワイズコイル13と分割コア11との間の絶縁性低下を防止することができる。
図8のグラフから明らかなように、第4実施形態では、従来例に比べ、コーナ位置のほぼ全範囲において最大主応力が小さくなり、応力低減効果があることが分かる。
この実施形態では、線材13aに設けた複数の溝18によりエッジワイズコイル13とモールド樹脂14との間の熱伝達面積が増えるので、エッジワイズコイル13の発熱をモールド樹脂14を介して分割コア11の側へ効率良く伝えることができる。これにより、エッジワイズコイル13の熱損失を低減することができる。
なお、この発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して実施することもできる。
例えば、前記各実施形態では、コイルとしてエッジワイズコイル13を使用したが、それ以外のコイル、例えば、丸線を巻き回したコイルであってもよい。
また、前記各実施形態では、それぞれクラック対策として分割ステータ2に対して一つの収縮抑制手段を設けたが、各実施形態で説明した収縮抑制手段を複数組み合わせることもできる。
この発明は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車に使用されるモータに利用可能である。
1 ステータ
2 分割ステータ
3 外筒
11 分割コア
12 インシュレータ
13 エッジワイズコイル
13a 線材
14 モールド樹脂
16 溝
18 溝
22 コーナ部
24 中間部
25 端部
2 分割ステータ
3 外筒
11 分割コア
12 インシュレータ
13 エッジワイズコイル
13a 線材
14 モールド樹脂
16 溝
18 溝
22 コーナ部
24 中間部
25 端部
Claims (6)
- 分割コアのティース部に樹脂からなるインシュレータを介してコイルがセットされ、前記インシュレータ及び前記コイルの周りがモールド樹脂により覆われた分割ステータであって、
前記コイルに、前記インシュレータのコーナ部の近傍における前記モールド樹脂の収縮を抑える収縮抑制手段を設けたことを特徴とする分割ステータ。 - 前記収縮抑制手段は、前記コイルの線材が、ターン毎に離れて巻かれたことである請求項1に記載の分割ステータ。
- 前記収縮抑制手段は、前記インシュレータのコーナ部の近傍において、前記コイルの線材の厚み方向に凹むように形成された溝である請求項1に記載の分割ステータ。
- 前記収縮抑制手段は、前記コイルが前記インシュレータから離れた部分であって前記コイルと前記インシュレータとの間に前記モールド樹脂が介在する部分において、前記コイルの線材の長手方向の中間部が前記長手方向の両端部よりも前記インシュレータに近付いて形成されたことである請求項1に記載の分割ステータ。
- 前記収縮抑制手段は、前記コイルが前記インシュレータから離れた部分であって前記コイルと前記インシュレータとの間に前記モールド樹脂が介在する部分において、前記コイルの線材の幅方向に凹むように形成された溝である請求項1に記載の分割ステータ。
- 請求項1乃至5の何れか一つに記載の分割コアを複数円環状に組み合わせ、その外側に外筒を焼き嵌めしたことを特徴とするステータ。
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