JP2011147228A - ポリマーアクチュエータ - Google Patents

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里香 古桑
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Abstract

【課題】 電極表面の凹凸性を極力なくして(例えばタルク処理との比較)、安定した制御を実現することができ、しかも、ポリマーアクチュエータと制振対象物との間の摺動抵抗を小さくすることができ、スムース、かつ信頼性のある応答が期待できるポリマーアクチュエータを提供する。
【解決手段】 本発明は、対向する一方の平面および他方の平面を備える防振性圧電基板と、前記防振性圧電基板の一方の平面および他方の平面の上にそれぞれ形成される電極層と、を有するポリマーアクチュエータであって、前記電極層は、その表面がシリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜を備えてなるように構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリマーアクチュエータに関し、例えば、光学装置や精密測定機器等の振動を低減するために用いられる駆動装置であって、特に、非粘着性の低摺動構造を有するポリマーアクチュエータに関する。
除振台としては、現在リニアモーターを使用した非接触の除振装置等が一般的に良く知られている。しかしながら、リニアモーターを使用した除振台は、大型な装置(数十トンレベル)に対しては好適に使用されその効果も十分に発揮し得るものの、極めて小型な装置に対しては大きすぎて使用できないという不都合がある。
そのため、例えば、シリコーンゴムやアクリル樹脂などのシートの表面および裏面にそれぞれ電極層を設けたポリマーアクチュエータといわれる素子を利用した小型化の除振装置が開発されている(特開2006−234038号公報等)。
このようなポリマーアクチュエータは、同様な小型化の範疇に入る、ショックアブソーバやコイルスプリングやゴム弾性体などの受動的な防振効果を発揮するものとは基本的な作用が異なり、防振すべき振動を積極的ないしは相殺的に抑制する能動型の防振効果を発揮するものとして使用されている。
ポリマーアクチュエータの構造は、例えば、誘電体である低硬度シリコーンゴムなどの両面に柔軟性のある電極を塗布した構造を有している。
使用される電極としては、例えばカーボンブラック、カーボンナノチューブ等の導電性カーボンに、バインダー、オイル、エラストマーなどを混合させて調整したペーストまたは塗料をベースとして形成することができ、バインダーとしてはシリコーンゴム、アクリルゴムなどが好適に用いられている。
そして、誘電体である低硬度シリコーンゴムなどを挟んで形成される電極層間に電圧差を生じさせると、上下の電極に正負の電荷が発生し、その静電引力によって、誘電体(低硬度シリコーンゴム)は圧縮されることにより水平方向に膨張して移動する動作をするとともに、垂直方向には、厚さが減じて厚さ変化を起こす。この一方で、電圧が解除されるとゴムの圧縮が解除されて元の形状に復元する動作をする。
特開2006−234038号公報
ところで、上記のポリマーアクチュエータの上下に配置される電極層の材料として用いられるシリコーンゴム、アクリルゴムなどは粘着性を有する。そのため、ポリマーアクチュエータの電極部分と、この上に載置される除振対象物とが粘着してしまうことがある。
粘着を生じた場合、そのままの状態でポリマーアクチュエータを作動させてもポリマーアクチュエータの水平方向に摺動抵抗がかかるため、スムースな応答が阻害されてしまう。
このため、上記アクチュエータの接触部分について非粘着処理をするために、この部分に業界の常套手段ともいえるタルク等の粉体を塗布することが試みられてきた。しかしながら、タルクを塗布して使用する場合、ある程度厚みをもって塗布しなければならず(数10μmレベル)、この時、タルク塗布の表面がエンボス状(凹凸状あるいは波打ち状態)になり、フラットな状態を維持することができなくなってしまう。このため、アクチュエータ作動時に凹凸状に起因する不安定さが生じ得るという不都合が生じる。特に、求める変位が10μm以下とごくわずかなレベルであることから、タルクによる非粘着処理では安定した制御が困難であるという問題が生じていた。
このような実状のもとに本発明は創案されたものであって、その目的は、電極表面の凹凸性を極力なくして(例えばタルク処理との比較)、安定した制御を実現することができ、しかも、ポリマーアクチュエータと制振対象物との間の摺動抵抗を小さくすることができ、スムース、かつ信頼性のある応答が期待できるポリマーアクチュエータを提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明は、対向する一方の平面および他方の平面を備える防振性圧電基板と、前記防振性圧電基板の一方の平面および他方の平面の上にそれぞれ形成される電極層と、を有するポリマーアクチュエータであって、前記電極層の表面は、シリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜を備えてなるように構成される。
また、本発明のポリマーアクチュエータの好ましい態様として、前記防振性圧電基板において、電極層が形成されていない残余の防振性圧電基板の平面は、前記シリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜が形成されてなるように構成される。
また、本発明のポリマーアクチュエータの好ましい態様として、前記シリコーン系処理溶液が、ポリオルガノシロキサンおよびポリオルガノ水素シロキサンを含む主剤と、エポキシ変性シリコーンおよびシランカップリング剤を含む硬化剤と、スズ系触媒を含む触媒溶液と、希釈溶剤と、を含む溶液であるように構成される。
また、本発明のポリマーアクチュエータの好ましい態様として、前記防振性圧電基板は、シリコーンゴムであり、前記電極層は、導電性のシリコーンゴムであるように構成される。
また、本発明のポリマーアクチュエータの好ましい態様として、前記防振性圧電基板の厚さは、0.1〜0.5mm、前記電極層の厚さは、5〜10μm、前記表面処理膜の厚さは、5〜20μm、であるように構成される。
また、本発明のポリマーアクチュエータは、前記一対の電極層に電圧を印加させることにより、前記一対の電極層にそれぞれ正および負の電荷が発生し、その静電引力によって、前記防振性圧電基板は圧縮されるように作用するように構成される。
本発明は、対向する一方の平面および他方の平面を備える防振性圧電基板と、前記防振性圧電基板の一方の平面および他方の平面の上にそれぞれ形成される電極層と、を有するポリマーアクチュエータであって、前記電極層は、その表面が特定のシリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜を備えてなるように構成されるので、電極表面の凹凸性を極力なくして(例えばタルク処理との比較)、安定した制御を実現することができ、しかも、ポリマーアクチュエータと制振対象物との間の摺動抵抗を小さくすることができ、スムース、かつ信頼性のある応答が可能となる。
図1は、本発明のポリマーアクチュエータ1の一例の断面図(直流電流印加のスイッチSWがオフの状態)を示したものである。 図2は、本発明のポリマーアクチュエータ1の伸張時の断面図(直流電流印加のスイッチSWがオンの状態:電圧印加された状態)を示したものである。 図3は、本発明のポリマーアクチュエータ1の一例の斜視図を概略的示した図面(表面処理膜31,35の記載は省略)である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のポリマーアクチュエータ1の一例の断面図(直流電流印加のスイッチSWがオフの状態)を示したものであり、図2は、本発明のポリマーアクチュエータ1の伸張時の断面図(直流電流印加のスイッチSWがオンの状態:電圧印加された状態)を示したものである。図3は、本発明のポリマーアクチュエータ1の一例の斜視図を概略的示した図面(表面処理膜31,35の記載は省略)である。
これらの図面に示されるように、本発明のポリマーアクチュエータ1は、対向する一方の平面11と他方の平面15を備えるシート状(平板状)の防振性圧電基板10と、この防振性圧電基板10の両側平面、すなわち、一方の平面11および他方の平面15の上に、それぞれ、形成された電極層21,25と、を有して構成される。
さらに、本発明のポリマーアクチュエータ1は、その要部構成として、上記の電極層21,25の表面に、それぞれ、シリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜31,35を備えてなるように構成されている。
また、図1に示されるように、防振性圧電基板10の周縁に電極層21,25が形成されていない箇所が存在する場合には、これらの電極層21,25が形成されていない残余の防振性圧電基板10の一方の平面の上および他方の平面の上にも、シリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜31a,35aを形成しておくことが望ましい。電極層21,25の層厚は極めて薄いために、電極層21,25が形成されていない残余の防振性圧電基板10の部分にも除振対象物が接触する場合も多々あるからである。
以下、本発明のポリマーアクチュエータ1を構成する各構成要件ごとに詳細に説明する。
(防振性圧電基板10)
防振性圧電基板10を構成する材料としては、伸縮性がある電歪ポリマーとして機能するものであれば特に制限はない。具体的には、シリコーンゴム、ポリフッ化ビニリデンを含むエラストマー、アルクリエラストマー、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、二トリルゴム、イソプレンゴム等を例示することができる。
これらの中でも特に、シリコーンゴムが好ましい。
防振性圧電基板10の硬度(デュロA硬度;JIS K6253)は、5〜20、好ましくは5〜10の範囲とすることが望ましい。
また、防振性圧電基板10の厚さは、0.1〜0.5mm程度とされる。
防振性圧電基板10の平面の大きさは、例えば、(80〜100)mm×(80〜100)mm程度とされる。
(電極層21,25)
電極として機能する導電性を有し、かつ、防振性圧電基板10の伸縮に追従できる柔軟性を備えるゴム、エラストマー材料を主原料として構成されることが好ましい。
特に、導電性を有するシリコーンゴムが好ましく、シリコーンゴム組成物の塗料を作製し、防振性圧電基板10の上に塗布して形成させることが好ましい。
電極層21,25の厚さは、5〜10μm程度とされる。
(シリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜31,35)
本発明において表面処理膜31,35を形成するために使用される特定のシリコーン系処理溶液は、ポリオルガノシロキサンおよびポリオルガノ水素シロキサンを含む主剤と、エポキシ変性シリコーンおよびシランカップリング剤を含む硬化剤と、スズ系触媒を含む触媒溶液と、希釈溶剤と、を混合してなる二液硬化型の樹脂組成物である。
主剤に含有されて特定のシリコーン系処理溶液を構成するポリオルガノシロキサンとしては、直鎖状のポリアルキルシロキサンを挙げることができる。
直鎖状のポリアルキルシロキサンとしては、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどが好適例として挙げられる。
また、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状ポリアルキルシロキサンを使用することもできる。
さらに、ポリオルガノシロキサンとして、シラノール基により両末端が封鎖されているポリオルガノシロキサン、ケイ素原子に結合しているアルケニル基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサンなど、ヒドロシリル基(≡Si−H)との反応性のある基を有するものを挙げることができる。
ケイ素原子に結合しているアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブチニル基、へキセニル基などを例示することができる。
主剤に含有されるポリオルガノ水素シロキサンとしては、ヒドロシリル基(≡Si−H)を1分子中に2個以上有するポリアルキル水素シロキサンを例示することができる。
さらに、主剤の中には、シリコーン微粒子を含有させてもよい。シリコーン微粒子としては、例えば、ポリメチルシルセスキオキサンからなる微粒子を例示することができる。
なお、上述したポリオルガノシロキサンおよびポリオルガノ水素シロキサンは、通常、有機溶剤に溶解された状態で主剤中に含有される。
主剤を構成する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン等を例示することができる。これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。これらの中で、特に好ましいのは、キシレンおよびエチルベンゼンである。
このような特定のシリコーン系処理溶液を得るために使用する主剤の市販品としては、例えば、シリコーン溶液「HS−3」、「HS−4」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)などが存在する。
硬化剤として含有されるエポキシ変性シリコーンとしては、エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、エポキシ変性ジエチルポリシロキサン、エポキシ変性ジフェニルポリシロキサン、エポキシ変性メチルフェニルポリシロキサン等を例示することができる。
硬化剤として含有されるシランカップリング剤としては、加水分解性基と、有機官能基とを分子中に有する公知の化合物を挙げることができる。
加水分解性基としては、アルコキシシリル基、アルコキシアルコキシシリル基等を例示することができる。有機官能基としては、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ビニル基等を例示することができる。
上記の硬化剤として含有されるエポキシ変性シリコーンおよびシランカップリング剤は、通常、有機溶剤に溶解された状態で硬化剤中に含有される。
硬化剤を構成する有機溶剤は、上述の主剤を構成するものとして例示したものの中から選定して使用すればよい。これらの中では、特に、イソプロピルアルコールが好適に使用される。
このような特定のシリコーン系処理溶液を得るために使用する硬化剤の市販品としては、例えば、シリコーン溶液「XC9603」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)などが存在する。
触媒溶液に含有されて特定のシリコーン系処理溶液を構成するスズ系触媒としては、ジメチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクタノエート、ジブチルスズジラウレート等のジアルキルスズジカルボキシレート類;ジブチルスズジブトキシド、ジオクチルスズジブトキシなどのジアルキルスズジアルコキシド類;ジブチルスズジ(チオブトキシド)等のジアルキルスズジチオアルコキシド類;ジ(2−エチルヘキシル)スズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ビス(ブトキシジブチルスズ)オキサイド等のジアルキルスズ酸化物類;ジブチルスズスルフィド等のジアルキルスズ硫化物類;に代表されるジアルキルスズ化合物を例示することができる。
触媒溶液を構成する有機溶剤は、上述の主剤を構成するものとして例示したものの中から選定して使用すればよい。これらの中では、特に、トルエンが好適に使用される。
このような特定のシリコーン系処理溶液を得るために使用する触媒溶液の市販品としては、例えば、「YC6831」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)などが存在する。
特定のシリコーン系処理溶液を構成する希釈溶剤は、上述の主剤を構成するものとして例示したものの中から選定して使用すればよい。これらの中では、特に、トルエンおよびメチルエチルケトンが好適に使用される。
このような特定のシリコーン系処理溶液には、本願発明の効果が損なわれない範囲において、上述してきた成分以外の各種の成分を添加することができる。このような添加成分としては、例えば、ジアルコキシシラン、トリアルコシキシラン、テトラアルコキシシランなどの多官能性のアルコキシシラン化合物を挙げることができる。
このようなシリコーン系処理溶液は、スプレー法、浸漬法、刷毛やローラ等の塗布手段を用いて、電極層等の上に塗設される。なお、塗布後には塗膜から溶剤を除去するために乾燥処理を行なうことが望ましい。
このようなシリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜31,35の塗膜厚さは、5〜20μm程度とされる。
(ポリマーアクチュエータの作用の説明)
誘電体である低硬度シリコーンゴムなどを挟んで形成される電極層間に電圧差が生じると、上下の電極層に正負の電荷が発生し、その静電引力によって、誘電体(低硬度シリコーンゴム)は圧縮されることにより水平方向に膨張、厚さ方向に圧縮する動作をする(図2参照)。この一方で、電圧が解除されるとゴムの圧縮が解除されて元の形状に復元する動作をする(図1参照)。
以下、具体的実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例)
〔ポリマーアクチュエータの作製〕
(1)防振性圧電基板10の作製
原料ポリマーのシリコーンゴム(「DY32-1005U」(東レ・ダウコーニング(株)製))100重量部と、架橋剤(「RC-4(50P)」(東レ・ダウコーニング(株)製))0.6重量部と架橋剤(「MR-53」(東レ・ダウコーニング(株)製))1.4重量部をオープンロールにて混練し、ゴムコンパウンドを得た。
得られたゴムコンパウンドを金型に充填し、170℃で約10分間プレス架橋することにより、シリコーンゴムシートを得た。得られたシリコーンゴムシートの膜厚は0.5mmであり、硬度は5度(デュロA硬度;JIS K6253)であった。
(2)電極層21,25を形成するための塗料の作製
母材となる導電性シリコーンゴム(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製「XE23-A2637」)100重量部に、架橋剤(「TC-8」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製))2.5重量部をオープンロールにて混練し、ゴムコンパウンドを得た。
得られたゴムコンパウンド1gを、ヘキサン20mlに溶解させて電極層21,25を形成するための塗料を調製した。
(3)表面処理膜31,35を形成するためのシリコーン系処理溶液の調製
シリコーン溶液「HS−3」3.00g(ポリアルキルシロキサンおよびポリアルキル水素シロキサンの両者の含有量:0.36g)と、シリコーン溶液「XC9603」1.50g(エポキシ変性シリコーンおよびシランカップリング剤の両者の含有量:0.45g)と、触媒溶液「YC6831」0.30g(ジアルキルスズ化合物の含有量:0.11g)とを、トルエン3.0gに添加し、この系を室温下に1時間攪拌することにより、本発明の表面処理膜31,35を形成するためのシリコーン系処理溶液を製造した。
(4)ポリマーアクチュエータの作製
上記(1)の要領で得られた防振性圧電基板10(シリコーンゴムシート)の両面に、上記(2)の要領で得られた電極層21,25を形成するための塗料を塗布し、さらに乾燥させることにより5μmmの厚さの電極層21,25を得た。
これにより電極層と防振性圧電基板とからなる積層体(ポリマーアクチュエータの基礎部分)を得た。さらにこの積層体からなるアクチュエータの両面(両側の電極表面にそれぞれ)に、上記(3)の要領で得られたシリコーン系処理溶液(表面処理剤)をスプレー塗布し、乾燥させて本発明の実施例サンプルを作製した。シリコーン系処理溶液のスプレー塗布による表面処理膜の厚さは、約5μmであった。
(比較例)
上記実施例において、シリコーン系処理溶液(表面処理剤)による処理を行なわなかった。すなわち、電極層の上に表面処理膜を形成しなかった。それ以外は、上記実施例の場合と同様な要領で、比較例サンプルのポリマーアクチュエータを作製した
上記の本発明の実施例サンプルと、比較例サンプルについて、下記の要領で、摺動試験を行った。
〔摺動試験〕
上記で作製したポリマーアクチュエータ(実施例、比較例)について、100×100mmのサイズのものをそれぞれ準備し、これらの準備された各ポリマーアクチュエータサンプルを、ステンレス鋼(SUS)からなる載置台の上に載置した(載置床と電極層が直接あるいは表面処理膜を介して接触する状態を確保)。しかる後、各サンプルを表1(実施例)および表2(比較例)に示す電圧を一定の周波数で印加した。そして、その時のポリマーアクチュエータ端部から50mm位置の駆動距離(変位量)を、レーザー変位計(オムロン製「3Z4M−J12」)を用いて測定した。
結果を下記表1および表2に示す。
Figure 2011147228
Figure 2011147228
この結果、実施例のポリマーアクチュエータでは比較例のアクチュエータよりも有意に変位量が大きくなったことが確認された。比較例サンプルの変位量が小さいのは、載置台の表面と電極層との接触面で粘着をおこし、ポリマーアクチュエータの水平方向に摺動抵抗がかかっているためであると考察することができる。
また、上記本発明の実施例サンプルでは、防振性圧電基板、電極層、および表面処理膜は、いずれもシリコーンゴム系の同一系材料から構成されているので、各層間の密着性は極めて強固であり、極めて耐久性に優れるものであった。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
すなわち、本発明は、対向する一方の平面および他方の平面を備える防振性圧電基板と、前記防振性圧電基板の一方の平面および他方の平面の上にそれぞれ形成される電極層と、を有するポリマーアクチュエータであって、前記電極層の表面がシリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜を備えてなるように構成されているので、電極表面の凹凸性を極力なくして(例えばタルク処理との比較)、安定した制御を実現することができ、しかも、ポリマーアクチュエータと制振対象物との間の摺動抵抗を小さくすることができ、スムース、かつ信頼性のある応答が実現可能となる。
本発明の産業上の利用可能性として、本発明は、特に、光学装置や精密測定機器等の振動を低減するために用いられる駆動装置産業一般に利用することができる。
1…ポリマーアクチュエータ
10…防振性圧電基板
11…一方の平面
15…他方の平面
21,25…電極層
31,35…表面処理膜

Claims (6)

  1. 対向する一方の平面および他方の平面を備える防振性圧電基板と、
    前記防振性圧電基板の一方の平面および他方の平面の上にそれぞれ形成される電極層と、を有するポリマーアクチュエータであって、
    前記電極層の表面は、シリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜を備えてなることを特徴とするポリマーアクチュエータ。
  2. 前記防振性圧電基板において、電極層が形成されていない残余の防振性圧電基板の平面は、前記シリコーン系処理溶液により処理された表面処理膜が形成されてなる請求項1に記載のポリマーアクチュエータ。
  3. 前記シリコーン系処理溶液が、ポリオルガノシロキサンおよびポリオルガノ水素シロキサンを含む主剤と、
    エポキシ変性シリコーンおよびシランカップリング剤を含む硬化剤と、スズ系触媒を含む触媒溶液と、
    希釈溶剤と、
    を含む溶液である請求項1または請求項2に記載のポリマーアクチュエータ。
  4. 前記防振性圧電基板は、シリコーンゴムであり、
    前記電極層は、導電性のシリコーンゴムである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のポリマーアクチュエータ。
  5. 前記防振性圧電基板の厚さは、0.1〜0.5mm、
    前記電極層の厚さは、5〜10μm、
    前記表面処理膜の厚さは、5〜20μm、
    である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のポリマーアクチュエータ。
  6. 前記一対の電極層に電圧を印加させることにより、前記一対の電極層にそれぞれ正および負の電荷が発生し、その静電引力によって、前記防振性圧電基板は圧縮されるように作用する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のポリマーアクチュエータ。
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