実施の形態1
以下実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は制御システムの概要を示す模式図である。制御システムは、中央装置1、制御装置2、端末装置10及び対象物3等を含む。対象物3は例えば工作機械、サーバコンピュータ、コピー機、パーソナルコンピュータ、電気機器、絵画または宝飾品等、工場、オフィス、施設または店舗等に配置される物である。本実施形態では一例として工場内に移動可能に配置される工作機械を対象物3(以下、工作機械3という)であるものとして説明する。制御装置2は工作機械3に取り付けられており、後述する測位装置(図示せず)を制御し、工作機械3の位置を測位する。測位装置2は測位した位置情報を中央装置1へ送信する。
測位は例えば、GPS(Global Positioning System)衛星を用いた測位システム、または無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)または携帯電話の電波基地局等を用いた測位システムを利用すれば良い。制御装置2は工作機械3に取り付けられる。制御装置2は例えば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistance)またはコンピュータ等を用いればよい。本実施の形態においては工作機械3に制御装置2を取り付ける例を挙げて説明するが、工作機械3内部に予め一体的に組み込む形態であっても良い。なお、測位装置2は工作機械3に一体的に取り付けられているため、工作機械3を適宜制御装置2と読み替えて説明する。位置情報取得対象に対して不都合を与えることなく検出を行うためには、検出機器自身は携帯端末のように小型・軽量であることが求められる。そのため、比較的小型のバッテリー容量しか持つことができないケースが多い。固定設置して利用する機器の場合、固定後の稼働状態では、有線による電源供給が可能であり、高コストなバッテリー等は必要ない。しかし、一般に機材の固定設置場所は屋内であることが多く、GPSまたは公衆無線網の電波受信が屋外に比べて困難である。このため、移動後の設置場所の把握のためには、電源供給の無い移動中の位置検出が重要であり、なるべく小容量のバッテリーで移動の最終段階の位置検出を実施する事が望ましい。
工作機械3を移動する際、まず台車4へ工作機械3を載置する。工作機械3は制御装置2と共に、トラック等の輸送装置5により輸送される。輸送装置5は例えばトラック等の車両、電車、船または飛行機等である。本実施の形態においては輸送装置5をトラック5であるものとして説明する。トラック5に搭載された工作機械3は工場6等の目的地近辺へ到達する。工作機械3は再び台車4へ載置される。台車4により、工場6内へ工作機械3の搬入が行われる。制御装置2は測位装置を用いて測位を行う。トラック5が所定速度を超えた場合、制御装置2は初期状態から第1状態へ移行したと判断する。
制御装置2は第1状態へ移行した場合、測位装置の測位周期を第1周期(例えば30分に1回の周期)とする。制御装置2はトラック5が所定速度以下となったと判断した場合、第2状態と判断する。制御装置2は第2状態へ移行した場合、測位装置の測位周期を第1の周期より短い第2の周期(例えば1分に1回の周期)へ変更する。制御装置2は第2状態において再び、所定速度を超えたと判断した場合、第1状態へ移行する。制御装置2は第1状態へ移行したことから、測位装置の測位周期を第1周期へ変更する。
第2状態において、制御装置2は取得した振動情報が、予め記憶した振動パターンにマッチすると判断した場合、搬入段階である第3状態へ移行する。制御装置2は第3状態では、測位装置2への電力供給を停止、または第1周期以上の周期へ変更する。このようにして測位された各測位装置2の位置情報はインターネット、または携帯電話網等の通信網Nを介して中央装置1へ送信される。中央装置1は例えば、外部に設置されるサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。以下では、中央装置1を外部に設けられたサーバコンピュータ1であるものとして説明する。
端末装置10はサーバコンピュータ1へ通信網Nを介してアクセス可能なパーソナルコンピュータ、携帯電話機またはPDA等である。以下では端末装置10を携帯電話機10であるものとして説明する。工作機械3を管理するユーザは携帯電話機10を用いてサーバコンピュータ1へアクセスし、制御装置2または工作機械3の位置情報を入手する。以下に詳細を説明する。
図2は制御装置2のハードウェア群を示すブロック図である。制御装置2は制御部としてのCPU(Central Processing Unit)21、RAM(Random Access Memory)22、入力部23、表示部24、記憶部25、通信部26、時計部28、インターフェース213、バッテリー290及び電力供給部29等を含む。その他、制御装置2はインターフェース213に接続された振動検出センサ及び測位装置を含む。振動検出センサは例えば、加速度センサ、角速度センサ、またはこれらを組み合わせたセンサを用いればよい。本実施形態においては一例として加速度センサ210及び角速度センサ211を用いる例を挙げて説明する。
測位は例えばGPSを用いた測位、無線LANカード及び複数のアクセスポイントを用いた測位、または、携帯電話機10及び携帯電話基地局を用いた測位を利用すればよい。本実施形態においては測位の一例としてGPSを用いた例を挙げて説明する。以下では測位装置をGPS受信機212であるものとして説明する。インターフェース213は例えばUSB(Universal Serial Bus)ポートであり、加速度センサ210、角速度センサ211及びGPS受信機212が接続されている。CPU21は、バス27及びインターフェース213を介してハードウェア各部と接続されている。CPU21はハードウェア各部を制御すると共に、記憶部25に格納された制御プログラム25Pに従って、種々のソフトウェア機能を実行する。
本実施の形態においては、制御装置2内部に加速度センサ210、角速度センサ211及びGPS受信機212が組み込まれている例を挙げて説明するがこれに限るものではない。制御装置2の筐体(図示せず)から露出するインターフェース213に、外付け機器として加速度センサ210、角速度センサ211またはGPS受信機212を接続しても良いことはもちろんである。
入力部23はスイッチ、タッチパネル、マウスまたは操作ボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報をCPU21へ出力する。表示部24は液晶ディスプレイまたは有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、CPU21の指示に従い各種情報を表示する。なお、表示部24は入力部23上に積層したタッチパネルであっても良い。メモリとしてのRAM22は例えばSRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)、フラッシュメモリ等である。RAM22は、CPU21による各種プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。
通信部26は無線LANカード、携帯電話用通信モジュールまたはBluetooth(登録商標)等であり、通信網Nを介してサーバコンピュータ1または図示しない他のコンピュータとの間で情報の送受信を行う。時計部28は日時をCPU21へ出力する。電力供給部29はバッテリー290からの電力供給を制御する。入力部23に設けられた電源スイッチがオンされた場合、電力供給部29はCPU21、加速度センサ210、角速度センサ211及びGPS受信機212等のハードウェア各部にバッテリー290からの電力を供給する。入力部23に設けられた電源スイッチがオフされた場合、電力供給部29はCPU21、加速度センサ210、角速度センサ211及びGPS受信機212等のハードウェア各部にバッテリー290からの電力の供給を停止する。
加速度センサ210は例えば3軸のピエゾ抵抗式加速度センサまたは静電容量検出式加速度センサ等が用いられる。加速度センサ210は検出した加速度を振動に関する情報としてインターフェース213を介して、CPU21へ出力する。角速度センサ211は例えば光ファイバジャイロまたはジャイロスコープ等が用いられる。角速度センサ211は角速度を振動に関する情報としてインターフェース213を介して、CPU21へ出力する。以下では加速度センサ210から取得される加速度及び角速度センサ211から取得される角速度の情報を振動情報という。
GPS受信機212は、人工衛星(GPS衛星)からの電波を受信し、位置(緯度、経度、及び標高)及び方位を測定する。GPS受信機212は位置及び方位(以下、位置情報という)を、インターフェース213を介してCPU21へ出力する。CPU21は加速度センサ210から出力された加速度を積分することにより、速度を算出する。CPU21は、時計部28から出力される日時に対応付けて、速度、振動情報、及び位置情報を記憶部25の履歴ファイル254に記憶する。なお、本実施の形態においては加速度センサ210から出力される加速度に基づき速度を算出する例を挙げたが、これに限るものではない。例えばGPS受信機212の測位周期及び一周期あたりの移動距離に基づき速度を算出しても良い。その他、Bluetooth(登録商標)等の通信部26または図示しない車載LANポートを介してトラック5の速度検出ECU(Electronic Control Unit)から出力される速度から取得しても良い。このように取得部として機能するCPU21は上述した加速度センサ210、角速度センサ211、GPS受信機212及び速度検出ECU(図示せず)等から速度、振動情報及び位置情報を取得する。
記憶部25は例えばハードディスクまたは大容量メモリであり制御プログラム25P、状態テーブル251、周期テーブル252、パターンファイル253及び履歴ファイル254等を記憶している。なお本実施の形態においては記憶部25内に、制御プログラム25P、状態テーブル251、周期テーブル252、パターンファイル253及び履歴ファイル254を全て記憶しているが、これに限るものではない。例えば、他の記憶部(図示せず)に分離して記憶するほか、インターフェース213を介して接続されるUSB(Universal Serial Bus)メモリ等に一部の情報を記憶しても良い。
CPU21は制御プログラム25Pに従い、以下に述べるソフトウェア処理を実行する。なお、ソフトウェア処理に替えて、LSI(Large-Scale Integration)等のハードウェアにより一部の機能を実現しても良いことはもちろんである。図3は他の形態に係る制御装置2のハードウェア群を示すブロック図である。制御装置2は制御部21、取得部201、第1判断部202、第2判断部203、第3判断部204、第1変更部205、第2変更部206、第1移行部207、第3変更部208、バッテリー290及び停止部209等を含む。インターフェース213には加速度センサ210、角速度センサ211及びGPS受信機212が接続されている。
制御部21は取得部201及び第1判断部202等の各ハードウェアの制御を行う。取得部201はインターフェース213を介して加速度センサ210から出力される加速度に基づき速度を算出する。取得部201はこのようにして取得した速度を制御部21へ出力する。取得部201は加速度センサ210及び角速度センサ211から出力される振動情報、並びに、GPS受信機212から出力される位置情報を取得する。取得部201は取得した振動情報及び位置情報を制御部21へ出力する。第1判断部202は装置が初期状態である時に取得部201が取得した速度が所定速度を超える場合、第1状態へ移行したと判断する。第1判断部202は第1状態と判断した場合、第1状態であることを示す情報を第1変更部205へ出力する。第1変更部205はGPS受信機212に対し、測位周期を第1周期へ変更する命令を出力する。
GPS受信機212はこれを受けて測位周期を第1周期へ変更する。第2判断部203は取得した速度が所定速度以下になった場合、第2状態へ移行したと判断する。第2判断部203は第2状態であることを示す情報を第2変更部206へ出力する。第2変更部206は第2状態へ移行した場合、GPS受信機212に対し、測位周期を第1周期より短い(未満)の第2周期へ変更する命令を出力する。GPS受信機212はこれを受けて測位周期を第2周期へ変更する。第2状態へ移行した情報は第1移行部207及び第3判断部204へも出力される。第1移行部207は第2状態へ移行後、取得した速度が所定速度を超える場合、第2状態から第1状態へ移行する。
第1移行部207は第1状態へ移行した情報を第1変更部205へ出力する。第1変更部205はGPS受信機212に対し、測位周期を第1周期へ変更する命令を出力する。GPS受信機212はこれを受けて測位周期を第1周期へ変更する。一方、第3判断部204は、第2状態移行後に取得した振動情報が内部のメモリに予め記憶した振動パターンにマッチする場合、第3状態と判断する。第3判断部204は第3状態へ移行したことを示す情報を停止部209へ出力する。停止部209はGPS受信機212に対するバッテリー290からの電力供給を制御する。
停止部209は第3状態へ移行したことを示す情報を受け付けた場合、GPS受信機212に対する電力供給を停止する。または、第3変更部208は第3状態へ移行した場合、GPS受信機212に対し、第2状態にある測位周期を第1周期以上へ変更する命令を出力する。GPS受信機212は第1周期への変更命令を受けて、測位周期を第1周期以上へ変更する。
以下では、図2に示した形態によりCPU21がソフトウェア処理を実行する例を挙げて説明する。図4は状態テーブル251のレコードレイアウトを示す説明図である。状態テーブル251には状態及び各状態へ移行するための移行条件が記憶されている。状態テーブル251は移行前状態フィールド、移行後状態フィールド及び移行条件フィールド等を含む。移行前状態フィールドは移行前における制御装置2の状態を記憶している。移行後状態フィールドは移行後における制御装置2の状態を記憶している。移行条件フィールドには、移行前状態及び移行後状態の各組み合わせに対して、移行前状態から移行後状態へ移行するための条件を記憶している。
初期状態は、例えば計測開始時の状態であり、例えば電力供給部29から電力が供給された状態である。ユーザは工作機械3を移動する場合、工作機械3に取り付けられた制御装置2の入力部23から電源をオンとする。CPU21は入力部23からスイッチがオンされ、電力供給部29から電力が供給されたと判断した場合、初期状態にあると判断する。トラック5に工作機械3が積み込まれる。トラック5は移動を開始する。トラック5の移動に伴い、加速度センサ210から出力される加速度に基づき取得した速度がXkmとなった場合、CPU21は状態テーブル251を参照し第1状態と判断する。このXkmは例えば時速60kmとすれば良い。なお、本実施形態で述べる数値はあくまで一例でありこれに限るものではない。
CPU21は第1状態にある状態で、時速Xkm以下の速度を取得した場合、状態テーブル251を参照し、第2状態へ移行する。図4に示すように、第2状態移行後は、第1状態へ移行する場合と、第3状態へ移行する場合との2つが状態テーブル251に用意されている。第2状態にある状態で、再び時速Xkmを超える速度を取得した場合、CPU21は第2状態から第1状態へ移行する。反対に、後述するようにCPU21は取得した振動情報が、パターンファイル253に記憶した振動パターンにマッチする場合、第3状態へ移行する。ユーザは入力部23から、移行条件を適宜変更することができる。CPU21は入力された移行条件を状態テーブル251に記憶する。
図5は周期テーブル252のレコードレイアウトを示す説明図である。周期テーブル252は状態フィールド及び周期フィールド等を含む。状態フィールドには上述した初期状態、第1状態等の各種状態が記憶されている。周期フィールドには、GPS受信機212が測位すべき周期が記憶されている。なお、周期に替えて周波数を記憶しても良い。第2周期は例えば1分であり、GPS受信機212は1分ごとに位置情報をCPU21へ出力する。第1周期は消費電力を低減すべく、第2周期より長い周期としている。第1周期は例えば30分である。初期状態は例えば、第1周期より長い第3周期とすればよい。例えば6時間とすれば良い。第3状態では例えばGPS受信機212による測位を停止するか、または、第3周期とすればよい。本実施形態では停止する例を挙げて説明する。ユーザは入力部23から、周期を適宜変更することができる。CPU21は入力された周期を状態に対応付けて周期テーブル252に記憶する。なお、本実施形態で説明したレコードレイアウトはあくまで一例であり、データ間の関係が維持されていれば、上述した形態に限るものではない。
図6はパターンファイル253のレコードレイアウトを示す説明図である。パターンファイル253は振動情報に基づき如何なる振動であるかを判断するための振動パターンを記憶している。パターンファイル253は分類フィールド、パワースペクトルフィールド及び回数フィールド等を含む。パワースペクトルフィールドには、制御装置2の移動形式に対応するパワースペクトルが記憶されている。移動形式には例えば台車4、クレーン、フォークリフト、エスカレータ、エレベータまたは人間による運搬等による移動が含まれる。
本実施の形態においては一例として台車4により運搬した場合のパワースペクトルが記憶されている。移動形式に応じて周波数特性が相違することから、代表的なパワースペクトルを予め記憶しておけばよい。このパワースペクトルは加速度センサ210から取得した所定時間分(例えば1秒分)の時系列加速度データを、高速フーリエ変換することにより得られる。なお、本実施形態においてはパワースペクトルを用いる例を挙げて説明したが、例えば5秒間等の時系列データをパワースペクトルに替えて用いても良い。その他、フーリエ変換に替えて、ウェーブレット変換を用いても良い。
CPU21は加速度センサ210から取得した加速度を高速フーリエ変換し、パワースペクトルを得る。CPU21は算出したパワースペクトルと、パターンファイル253に記憶したパワースペクトルとのパターンマッチングを行う。CPU21はパワースペクトル間の相関値を算出し、相関値が所定値以下と判断した場合に、一致すると判断する。なお、パターンマッチングは鉛直下向き方向など基準方向を認識したうえで正規化して実施するが、X軸、Y軸及びZ軸の全てについて行うほか、一部の軸、または2つの軸についてのみ行っても良い。また、角速度センサ211から出力される角速度の時間的変化に対するパワースペクトルをも併せて利用しても良い。この場合、加速度センサ210及び角速度センサ211の双方のパワースペクトルとのパターンマッチングが行われる。以降では説明を容易にするために、加速度センサ210のみを用いた例を説明する。回数フィールドには、単位時間当たりのパワースペクトルが一致する回数を記憶している。図6の例では例えば180回と記憶されている。上述の例では1秒毎のパワースペクトルとのパターンマッチングを行うことから、180回では3分となる。分類フィールドには、パワースペクトル及び回数に対応付けて、移動形式の分類が記憶されている。本実施形態においては台車4による搬送を示す「台車」が記憶されている。
その他、ユーザは入力部23からパワースペクトル、回数及び分類を適宜変更することができる。CPU21は入力されたパワースペクトル、回数及び分類をパターンファイル253に記憶する。なお、回数に代えて、回数と等価な時間(例えば3分)を記憶しておいても良い。また、誤差も発生することから、回数(180)に所定係数(例えば1.2)を乗じてサンプリング数(216)を算出しておく。CPU21はサンプリング数の範囲内に記憶した回数以上パターンマッチングに成功した場合に、振動パターンにマッチすると判断する。
以上のハードウェアにおいてソフトウェア処理を、フローチャートを用いて説明する。図7乃至図10は移行処理の手順を示すフローチャートである。ユーザによる入力部23からの指示または設定により、制御装置2の電源がオンとなる。電力供給部29はバッテリー290からの電力を供給する(ステップS71)。CPU21は電力供給に伴い、初期状態へ移行し、また状態テーブル251から初期状態の移行条件を読み出す(ステップS72)。CPU21は初期状態に対応する第3周期を周期テーブル252から読み出す。CPU21は、GPS受信機212の周期を第3周期に設定する(ステップS73)。以後、GPS受信機212は第3周期にて測位を行う。CPU21はインターフェース213を介して位置情報の取得を指示し、時計部28から出力される日時に対応付けて取得した位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS75)。
CPU21は加速度センサ210から加速度を取得し、加速度の積分値により速度をも取得する(ステップS76)。CPU21は、取得した速度が、移行条件である時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS77)。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS77でNO)、ステップS76へ移行し、以上の処理を繰り返す。
CPU21は時速Xkmを超えたと判断した場合(ステップS77でYES)、初期状態から第1状態へ移行し、状態テーブル251から第1状態の移行条件を読み出す(ステップS78)。第1状態における移行条件は時速Xkm以下である。CPU21は周期テーブル252から第1状態に対応する第1周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第1周期へ変更する(ステップS79)。GPS受信機212は第1周期にて測位を行う。CPU21は第1周期にて位置情報取得を指示し、時計部28から出力される日時に対応付けて取得した位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS82)。上述の例では工作機械3はトラック5にて輸送中であり、周期は30分の省電力モードに移行する。CPU21は加速度センサ210から加速度を取得し、また加速度に基づき速度を取得する(ステップS83)。
CPU21は移行条件である時速Xkm以下であるか否かを判断する(ステップS84)。CPU21は時速Xkm以下でないと判断した場合(ステップS84でNO)、ステップS83へ移行する。一方、CPU21は時速Xkm以下であると判断した場合(ステップS84でYES)、目的地に近づいた可能性があると判断しステップS85へ移行する。CPU21は第2状態へ移行し、状態テーブル251から第2状態の移行条件を読み出す(ステップS85)。第2状態の移行条件は「時速Xkmを超える」または「振動パターンマッチ」のいずれかである。
CPU21は周期テーブル252から第2状態に対応する第2周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第2周期へ変更する(ステップS86)。これによりGPS受信機212の周期は短い1分間隔となり、目的地近辺の緯度及び経度が集中的に収集される。CPU21はパターンファイル253からテンプレートとなるパワースペクトル及び回数を読み出す(ステップS87)。CPU21は回数に記憶部25に記憶した係数を乗じて許容回数を算出する(ステップS88)。
CPU21は整数の変数値である計数値及び補助計数値に初期値0を代入する(ステップS89)。CPU21は加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS91)。CPU21はGPS受信機212の周期が短くなったことから、速度の取得先を加速度センサ210からGPS受信機212へ切り替える。CPU21はインターフェース213を介して出力される周期間で得られる位置情報から単位時間当たりの距離を算出し、速度を算出する。このようにしてCPU21はGPS受信機212から速度を取得する(ステップS92)。なお、ステップS92ではGPS受信機212から速度を取得する例を挙げたがこれに限るものではない。例えば、ステップS76と同じく、加速度センサ210から速度を取得しても良い。また初期状態及び第1状態において、GPS受信機212から速度を取得しても良い。
CPU21は第2周期にて位置情報をGPS受信機212から取得する(ステップS93)。CPU21は履歴ファイル254に時計部28から出力される日時及び位置情報を記憶する(ステップS94)。CPU21は時速がXkmを超えるか否かを判断する(ステップS95)。CPU21は時速がXkmを超えると判断した場合(ステップS95でYES)、一時的な減速であり目的地近辺でないと判断し、処理をステップS78へ戻す。これにより第1周期での測位が再度行われる。
CPU21は時速がXkmを超えると判断しない場合(ステップS95でNO)、ステップS91で取得した振動情報がステップS87で読み出したパワースペクトルとのパターンマッチングに成功したか否かを判断する(ステップS96)。CPU21はパターンマッチングに成功したと判断した場合(ステップS96でYES)、計数値をインクリメントする(ステップS97)。CPU21はパターンマッチングに成功しなかった場合(ステップS96でNO)、ステップS97の処理をスキップする。CPU21は補助計数値をインクリメントする(ステップS98)。
CPU21は、補助計数値は、ステップS88で算出した許容回数以下であるか否かを判断する(ステップS99)。CPU21は、補助計数値は許容回数以下であると判断した場合(ステップS99でYES)、計数値がステップS87で読み出した回数に達したか否かを判断する(ステップS911)。CPU21は回数に達していないと判断した場合(ステップS911でNO)、ステップS91へ移行し、以上述べたパターンマッチング処理を繰り返し実行する。一方、ステップS99においてCPU21は補助計数値が許容回数以下でないと判断した場合(ステップS99でNO)、ノイズであると判断し(ステップS910)、処理をS89へ移行させる。これにより、再度計数値及び補助計数値に初期値0を代入し、以上述べた処理を繰り返し行う。
CPU21は計数値が回数に達したと判断した場合(ステップS911でYES)、振動情報が振動パターンにマッチすると判断する(ステップS912)。CPU21は状態テーブル251を参照し、第3状態へ移行する(ステップS913)。CPU21は周期テーブル252から第3状態に対応する「停止」を読み出す。CPU21はGPS受信機212を停止する(ステップS914)。例えばCPU21は電力供給部29を制御し、GPS受信機212への電力供給を停止する。CPU21は履歴ファイル254から日時及び位置情報を読み出す(ステップS915)。CPU21はパターンファイル253から分類(本例では台車4)、記憶部25から制御装置ID、及び、サーバコンピュータ1の送信宛先(IP(Internet Protocol)アドレスまたはURL(Uniform Resource Locator)等で表現したアドレス)を読み出す(ステップS916)。なお制御装置IDは複数存在する制御装置2を特定するための固有の識別情報である。
CPU21は、送信宛先を参照し、通信部26、工場6内に設けられた無線LANアクセスポイント及び通信網Nを介して、分類、制御装置ID、日時及び位置情報をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS917)。なお、位置情報は時系列で最後の情報のみを送信しても良い。
図11はサーバコンピュータ1のハードウェア群を示すブロック図である。サーバコンピュータ1は制御部としてのCPU11、RAM12、入力部13、表示部14、通信部16及び記憶部15等を含む。CPU11は、バス17を介してサーバコンピュータ1のハードウェア各部と接続されている。CPU11はハードウェア各部を制御すると共に、記憶部15に格納された制御プログラム15Pに従って、種々のソフトウェア機能を実行する。
通信部16はファイアウォールとしての機能を果たすゲートウェイ等であり、携帯電話機10及び制御装置2等との間でHTTP(HyperText Transfer Protocol)等により情報を送受信する。記憶部15は例えばハードディスクまたは大容量メモリ等で構成され、内部には上述した制御プログラム15Pの他、データファイル151及びHTML(HyperText Markup Language)ファイル152が記憶されている。なお、データファイル151及びHTMLファイル152は外部の図示しないデータベースサーバに記憶しておき、必要に応じて情報の読み出し、または、書き込みを行えばよい。
入力部13はキーボード及びマウス等の入力デバイスである。入力部13から入力された操作情報はCPU11へ出力される。表示部14は液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等である。表示部14にはCPU11の指示に従い所定の情報が表示される。図12はデータファイル151のレコードレイアウトを示す説明図である。データファイル151は複数の制御装置2、2、2・・・の情報を記憶するファイルである。データファイル151は制御装置IDフィールド、工作機械IDフィールド、日時フィールド、位置情報フィールド、分類フィールド、及び住所フィールド等を含む。
制御装置IDフィールドには、ステップS917で制御装置2から送信された制御装置IDが記憶される。工作機械IDは制御装置2が取り付けられる工作機械3を特定するための固有のIDである。この工作機械IDは予め記憶部15に制御装置IDに対応付けられて記憶されている。CPU11は制御装置IDを受信した場合、対応する工作機械IDを工作機械IDフィールドに記憶する。図12の例では制御装置ID「001」に対応する工作機械ID「101」が記憶されている。なお、制御装置2の記憶部25に予め、工作機械ID及び制御装置IDを対応付けて記憶しておいても良い。この場合、制御装置2のCPU21は制御装置IDの送信に併せて工作機械IDをサーバコンピュータ1へ送信する。
日時フィールドにはステップS917で送信された測位時の日時のデータが時系列で記憶されている。位置情報フィールドにはステップS917で送信された日時に対応する位置情報が記憶されている。ここで、位置情報は、緯度・経度・海抜高度と測定誤差見込み情報で表現される。例えば、緯度,経度, 海抜高度はそれぞれN35.58238, E139.64244, 0mである。また、測定誤差見込み情報は、長軸長さ・短軸長さ・高度誤差・長軸傾きなどで表現され、例えば119m, 70m, 0m, 145°である。分類フィールドにもステップS917で送信された分類(本例では台車4)が記憶されている。CPU11は図示しない住所DBを参照し、時系列で最後の日時に対応する位置情報に対応する住所を検索する。図12の例では、2009年12月15日12時5分15秒における位置情報に対応する住所が検索される。CPU11は検索語の住所を制御装置IDに対応付けて記憶する。サーバコンピュータ1のCPU11は各制御装置2、2、2・・から情報が送信される度に、データファイル151の内容を更新する。
図13は携帯電話機10のハードウェア群を示すブロック図である。携帯電話機10は、制御部としてのCPU101、RAM102、入力部103、表示部104、通信部106、マイク108、スピーカ109、及び記憶部105等を含む。CPU101は、バス107を介して携帯電話機10のハードウェア各部と接続されている。CPU101はハードウェア各部を制御すると共に、記憶部105に格納された制御プログラム105Pに従って、種々のソフトウェア機能を実行する。
表示部104は例えば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等であり、入力部103はプッシュボタン等である。なお、タッチパネルのように表示部104と入力部103とを一体としても良い。スピーカ109は音声データ、通話データ、またはマイク108から入力された音声に係る音声信号を増幅して出力する。マイク108は外部から入力された音声信号を電気信号へ変換する。変換後の電気信号は図示しないA/D変換器によりデジタルデータへ変換されてCPU101へ出力される。通信部106は高周波送受信部及びアンテナ等を備え、音声データ、文字データ等を含む各種データの送受信を行う。
記憶部105には制御プログラム105P及びブラウザ105Bが記憶されている。ブラウザ105BはHTTPにより通信部106を介して送受信されるHTMLファイルを解析して表示部104に表示する。ユーザは携帯電話機10の入力部103からブラウザ105Bを起動し、サーバコンピュータ1へアクセスする。また入力部103から制御装置IDまたは工作機械IDを入力する。以下では制御装置IDを用いる例を挙げて説明する。CPU101は入力された制御装置IDをサーバコンピュータ1へ送信する。
サーバコンピュータ1のCPU11は制御装置IDを受信した場合、対応する制御装置2の位置情報を携帯電話機10へ送信する。図14は携帯電話機10の表示部104の表示イメージを示す説明図である。サーバコンピュータ1はHTMLファイル152から基本となるHTML文書を読み出す。CPU11は制御装置IDに対応する住所を読み出す。CPU11は図示しない地図データベースサーバから、住所に対応する地図データを受信する。CPU11はHTML文書に地図データ、工作機械ID、制御装置ID、搬入日時、分類及び位置情報を記述する。CPU11はこのようにして生成されたHTML文書を携帯電話機10へ送信する。
図14に示す如く、HTML文書には、住所ボックス132、制御装置IDボックス133、工作機械IDボックス134、搬入日時ボックス135、及び分類ボックス136等が表示される。CPU11は住所ボックス132に、データファイル151に記憶された住所を記述する。CPU11は、制御装置IDボックス133に、検索対象の制御装置IDを記述する。CPU11は工作機械IDボックス134に制御装置IDに対応する工作機械IDをデータファイル151から読み出して記述する。
CPU11は搬入日時ボックス135に、制御装置IDに対応する日時の内、時系列で最も遅い日時を記述する。CPU11は分類ボックス136に制御装置IDに対応する分類を、搬送形態を示す情報としてデータファイル151から読み出して記述する。携帯電話機10のCPU101は送信されたHTML文書を解析し、住所ボックス132、制御装置IDボックス133、工作機械IDボックス134、搬入日時ボックス135、及び分類ボックス136にそれぞれ対応する情報を表示する。
サーバコンピュータ1のCPU11は図14に記載の如く搬入マップ131を記述しても良い。CPU11は取得した日時に対応する位置情報を読み出す。なお、読み出す数は時系列で最後から10個程度とすれば良い。CPU11は時系列で最後の位置情報(緯度及び経度)を参照し、地図データ上にXで示す最終搬入地61を記述する。CPU11は最後の位置情報以外の読み出した複数の位置情報を参照し、地図データ上に点線で示す移動軌跡62を記述する。CPU11は地図データ上に最終搬入地61及び移動軌跡62が記述された搬入マップ131を携帯電話機10へ送信する。携帯電話機10の表示部104には搬入マップ131が表示される。なお、本実施形態においては移動軌跡62を表示する例を挙げたが、最終搬入地61のみを記述しても良い。
図15及び図16は測位結果の収集及び表示処理の手順を示すフローチャートである。サーバコンピュータ1のCPU11は制御装置2から送信された制御装置ID、日時、位置情報及び分類を受信する(ステップS141)。CPU11は受信した制御装置ID、日時、位置情報及び分類をデータファイル151に記憶する(ステップS142)。CPU11は制御装置IDに対応する工作機械IDを記憶部15から読み出す(ステップS143)。CPU11は受信した位置情報を参照し、住所を検索する(ステップS144)。CPU11は読み出した工作機械ID及び検索した住所を、制御装置IDに対応付けてデータファイル151に記憶する(ステップS145)。
携帯電話機10のCPU101はブラウザ105Bを起動する(ステップS146)。携帯電話機10はサーバコンピュータ1との接続を確立後、閲覧を希望する制御装置IDをサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS147)。サーバコンピュータ1のCPU11は送信された制御装置IDを受信する(ステップS148)。CPU11は制御装置IDに対応する工作機械ID、日時、位置情報、分類及び住所を、データファイル151から読み出す(ステップS149)。CPU11は基本となるHTML文書を読み出す(ステップS151)。
CPU11は読み出した住所に対応する地図データを図示しないサーバコンピュータから取得する(ステップS152)。CPU11は制御装置IDボックス133に制御装置ID、工作機械IDボックス134に工作機械ID、搬入日時ボックスに時系列で最後の日時、分類ボックス136に分類、住所ボックス132に住所をそれぞれ記述する(ステップS153)。CPU11は時系列で最後から所定数までの位置情報を読み出す(ステップS154)。CPU11は時系列で最後の位置情報に対応する地図データ上に、最終搬入地61を記述する(ステップS155)。なお、本実施の形態においてはX印で示したが、最終搬入地と文字で記載するほか、何らかの形態で視認できるよう表示すればよい。
CPU11は最後の位置情報以外に読み出した位置情報に対応する移動軌跡62を、地図データ上に記述する(ステップS156)。CPU11は以上の処理により生成が完了したHTML文書を携帯電話機10へ送信する(ステップS157)。携帯電話機10のCPU101はHTML文書を受信する(ステップS158)。CPU101はブラウザ105BによりHTML文書を解析する。CPU101は表示部104に搬入マップ131を含むHTML文書を図14の如く表示する(ステップS159)。
その他、CPU21は最終搬入地61及び移動軌跡62を表示する形態を周期に応じて変化させても良い。例えば移動軌跡62の一部が第1周期である場合、青色で表示する。また移動軌跡62の一部が第2周期である場合、異なる赤色で表示する。CPU21は異なる形態とするために異なる色を用いるほか、異なる線(実線、点線、波線)、異なる音、異なるマーク(四角印、丸印、数字等)を表示しても良い。これにより、最終目的地が分からない場合でも、周期を長くして省電力を図りつつ、目的地と推定される近辺でGPS受信機212の周期を短くして、目的地を高精度で推定する。さらに工作機械3が電波を受信できない可能性のある工場6内へ搬入された場合でもおよその位置を携帯電話機10等の端末により追跡することが可能となる。
実施の形態2
実施の形態2は第4状態へ移行する形態に関する。図17は実施の形態2に係る状態テーブル251のレコードレイアウトを示す説明図である。第2状態移行後の記憶内容が実施の形態1とは相違する。移行前状態が第2状態の場合、これに対応付けて第1状態または第3状態が記憶されている。第1状態へ移行するための条件として、時速Xkmを超えるが記憶されている。一方、第3状態へ移行するための条件として、フォークリフトによる振動パターンとのマッチが記憶されている。
第3状態へ移行した場合、移行後の状態として第1状態と第4状態とが記憶されている。第3状態から第1状態への移行条件として、時速Xkmを超えるが記憶されている。一方、第4状態へ移行するための条件として、実施の形態1で述べた台車による振動パターンとのマッチが記憶されている。なお、状態テーブル251の第2状態から第3状態への移行条件と、第3状態から第4状態への移行条件とは、搬送方式が相違するものであれば、図17に示す例に限るものではない。例えば、逆に、第2状態から第3状態への移行条件を台車4による振動パターンとのマッチとし、第3状態から第4状態への移行条件をフォークリフトによる振動パターンとのマッチとしても良い。その他、フォークリフトによる振動パターンとのマッチに替えて、人間の搬送パターンとのマッチを記憶しても良い。また実施形態で述べる状態遷移は一例であり、さらに第5状態以降をも設定しても良い。
図18は実施の形態2に係る周期テーブル252のレコードレイアウトを示す説明図である。第3状態に対応付けて第4周期が記憶されている。第4周期は例えば第2周期と同一または第2周期よりもさらに短い周期としても良い。また第4状態に対応付けて第3周期が記憶されている。第3周期は第1周期と同一または第1周期よりも長い周期としても良い。また実施の形態1と同じく、最終の第4状態に対応付けて、GPS受信機212を停止させても良い。本実施形態においては周期が短い順に、第4周期、第2周期、第1周期、第3周期であるものとして説明する。
図19は実施の形態2に係るパターンファイル253のレコードレイアウトを示す説明図である。さらに分類フィールドにはフォークリフトが記憶されている。フォークリフトの動作に対応するパワースペクトルが振動パターンフィールドに、分類に対応付けて記憶されている。さらに分類に対応付けて回数が120回と記憶されている。
図20乃至図26は制御手順を示すフローチャートである。ユーザによる入力部23からの指示または設定により、制御装置2の電源がオンとなる。電力供給部29はバッテリー290からの電力を供給する(ステップS191)。CPU21は電力供給に伴い、初期状態へ移行し、また状態テーブル251から初期状態の移行条件を読み出す(ステップS192)。CPU21は初期状態に対応する第3周期を周期テーブル252から読み出す。CPU21は、GPS受信機212の周期を第3周期に設定する(ステップS193)。以後、GPS受信機212は第3周期にて測位を行う。CPU21はインターフェース213を介して位置情報の取得を指示し、時計部28から出力される日時に対応付けて取得した位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS195)。
CPU21は加速度センサ210から加速度を取得し、加速度の積分値により速度をも取得する(ステップS196)。CPU21は、取得した速度が、移行条件である時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS197)。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS197でNO)、ステップS196へ移行し、以上の処理を繰り返す。
CPU21は時速Xkmを超えたと判断した場合(ステップS197でYES)、初期状態から第1状態へ移行し、状態テーブル251から第1状態の移行条件を読み出す(ステップS198)。第1状態における移行条件は時速Xkm以下である。CPU21は周期テーブル252から第1状態に対応する第1周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第1周期へ変更する(ステップS199)。以後、GPS受信機212は第1周期にて測位を行う。CPU21は第1周期にて位置情報の取得を指示し、時計部28から出力される日時に対応付けて取得した位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS202)。CPU21は加速度センサ210から加速度を取得し、また加速度に基づき速度を取得する(ステップS203)。
CPU21は移行条件である時速Xkm以下であるか否かを判断する(ステップS204)。CPU21は時速Xkm以下でないと判断した場合(ステップS204でNO)、ステップS203へ移行する。一方、CPU21は時速Xkm以下であると判断した場合(ステップS204でYES)、目的地に近づいた可能性があると判断しステップS205へ移行する。CPU21は第2状態へ移行し、状態テーブル251から第2状態の移行条件を読み出す(ステップS205)。第2状態の移行条件は「時速Xkmを超える」または「フォークリフト振動パターンマッチ」のいずれかである。
CPU21は周期テーブル252から第2状態に対応する第2周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第2周期へ変更する(ステップS206)。CPU21はパターンファイル253からテンプレートとなるパワースペクトル及び回数を読み出す(ステップS207)。この場合、CPU21は、第2状態の移行条件である「フォークリフト振動パターンマッチ」に対応する分類「フォークリフト」に対応するパワースペクトル及び回数を読み出す。CPU21は回数に記憶部25に記憶した係数を乗じて許容回数を算出する(ステップS208)。
CPU21は整数の変数値である計数値及び補助計数値に初期値0を代入する(ステップS209)。CPU21は加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS211)。CPU21はGPS受信機212の周期が短くなったことから、速度の取得先を加速度センサ210からGPS受信機212へ切り替える。CPU21はインターフェース213を介して出力される周期間で得られる位置情報から単位時間当たりの距離を算出し、速度を算出する。このようにしてCPU21はGPS受信機212から速度を取得する(ステップS212)。
CPU21は第2周期にて位置情報をGPS受信機212から取得する(ステップS213)。CPU21は履歴ファイル254に時計部28から出力される日時及び位置情報を記憶する(ステップS214)。CPU21は時速がXkmを超えるか否かを判断する(ステップS215)。CPU21は時速がXkmを超えると判断した場合(ステップS215でYES)、一時的な減速であり目的地近辺でないと判断し、処理をステップS198へ戻す。これにより第1周期での測位が再度行われる。
CPU21は時速がXkmを超えると判断しない場合(ステップS215でNO)、ステップS211で取得した振動情報がステップS207で読み出したフォークリフトパワースペクトルとのパターンマッチングに成功したか否かを判断する(ステップS216)。CPU21はパターンマッチングに成功したと判断した場合(ステップS216でYES)、計数値をインクリメントする(ステップS217)。CPU21はパターンマッチングに成功しなかった場合(ステップS216でNO)、ステップS217の処理をスキップする。CPU21は補助計数値をインクリメントする(ステップS218)。
CPU21は、補助計数値は、ステップS208で算出した許容回数以下であるか否かを判断する(ステップS219)。CPU21は、補助計数値は許容回数以下であると判断した場合(ステップS219でYES)、計数値がステップS207で読み出した回数に達したか否かを判断する(ステップS222)。CPU21は回数に達していないと判断した場合(ステップS222でNO)、ステップS211へ移行し、以上述べたパターンマッチング処理を繰り返し実行する。一方、ステップS219においてCPU21は補助計数値が許容回数以下でないと判断した場合(ステップS219でNO)、ノイズであると判断し(ステップS221)、処理をS209へ移行させる。これにより、再度計数値及び補助計数値に初期値0を代入し、以上述べた処理を繰り返し行う。
CPU21は計数値が回数に達したと判断した場合(ステップS222でYES)、振動情報がフォークリフト振動パターンにマッチすると判断する(ステップS223)。CPU21は状態テーブル251を参照し、第3状態へ移行する(ステップS224)。CPU21は状態テーブル251から第3状態の移行条件を読み出す(ステップS225)。第3状態の移行条件は「時速Xkmを超える」または「台車振動パターンマッチ」のいずれかである。
CPU21は周期テーブル252から第3状態に対応する第4周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第4周期へ変更する(ステップS226)。CPU21はパターンファイル253からテンプレートとなるパワースペクトル及び回数を読み出す(ステップS227)。ここで、CPU21は、分類「フォークリフト」とは異なる「台車」に対応するパワースペクトル及び回数を読み出す。CPU21は回数に記憶部25に記憶した係数を乗じて許容回数を算出する(ステップS228)。なおステップS228における係数はステップS208における係数と異なる値であっても良い。
CPU21は整数の変数値である計数値及び補助計数値に初期値0を代入する(ステップS229)。CPU21は加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS231)。CPU21はGPS受信機212から速度を取得する(ステップS232)。
CPU21は第4周期にて位置情報をGPS受信機212から取得する(ステップS233)。CPU21は履歴ファイル254に時計部28から出力される日時及び位置情報を記憶する(ステップS234)。CPU21は時速がXkmを超えるか否かを判断する(ステップS235)。CPU21は時速がXkmを超えると判断した場合(ステップS235でYES)、一時的な減速であり目的地近辺でないと判断し、処理をステップS198へ戻す。これにより第1周期での測位が再度行われる。
CPU21は時速がXkmを超えると判断しない場合(ステップS235でNO)、ステップS231で取得した振動情報がステップS227で読み出した台車4に係るパワースペクトルとのパターンマッチングに成功したか否かを判断する(ステップS236)。CPU21はパターンマッチングに成功したと判断した場合(ステップS236でYES)、計数値をインクリメントする(ステップS237)。CPU21はパターンマッチングに成功しなかった場合(ステップS236でNO)、ステップS237の処理をスキップする。CPU21は補助計数値をインクリメントする(ステップS238)。
CPU21は、補助計数値は、ステップS228で算出した許容回数以下であるか否かを判断する(ステップS239)。CPU21は、補助計数値は許容回数以下であると判断した場合(ステップS239でYES)、計数値がステップS227で読み出した回数に達したか否かを判断する(ステップS2311)。CPU21は回数に達していないと判断した場合(ステップS2311でNO)、ステップS231へ移行し、以上述べたパターンマッチング処理を繰り返し実行する。一方、ステップS239においてCPU21は補助計数値が許容回数以下でないと判断した場合(ステップS239でNO)、ノイズであると判断し(ステップS2310)、処理をS229へ移行させる。これにより、再度計数値及び補助計数値に初期値0を代入し、以上述べた処理を繰り返し行う。
CPU21は計数値が回数に達したと判断した場合(ステップS2311でYES)、振動情報が台車4に係る振動パターンにマッチすると判断する(ステップS2312)。CPU21は状態テーブル251を参照し、第4状態へ移行する(ステップS2313)。CPU21は周期テーブル252から第4状態に対応する第3周期を読み出す(ステップS2314)。CPU21は、GPS受信機212に対し、第3周期で測位すべき旨の命令を出力する。CPU21は日時に対応付けて第3周期で取得される位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS2315)。
CPU21は第4状態へ移行後、一定時間を経過したか否かを判断する(ステップS2316)。CPU21は一定時間を経過していないと判断した場合(ステップS2316でNO)、処理をステップS2315へ戻し、引き続き測位を行う。一方CPU21は一定時間を経過したと判断した場合(ステップS2316でYES)、履歴ファイル254から電力供給時から記憶した日時及び位置情報を読み出す(ステップS2317)。CPU21はパターンファイル253から複数の分類(本例ではフォークリフト及び台車4)、記憶部25から制御装置ID、及び、サーバコンピュータ1の送信宛先を読み出す(ステップS2318)。
CPU21は、送信宛先を参照し、通信部26、工場6内に設けられた無線LANアクセスポイント及び通信網Nを介して、複数の分類、制御装置ID、日時及び位置情報をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS2319)。なお、位置情報は時系列で最後の情報のみ、または、最後の時間から所定時間(例えば10分)までの日時及び位置情報を送信しても良い。これにより、目的地近辺と推定される位置でのより高精度での位置情報の取得が可能となる。
本実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態3
実施の形態3は初期状態の振動パターンを利用する形態に関する。実施の形態3は工作機械3の積み込み時と、積み降ろし時との搬送形態とが同一である可能性が高いことを移行条件として利用する。図27は履歴ファイル254のレコードレイアウトを示す説明図である。CPU21は測位した位置情報、日時、状態及び振動パターン等の履歴を履歴ファイル254に記憶する。履歴ファイル254は状態フィールド、日時フィールド、位置情報フィールド及び振動パターンフィールド等を含む。位置情報フィールドには、GPS受信機212から上述した周期で測位された位置情報が時系列で記憶されている。日時フィールドには位置情報に対応付けて日時が記憶されている。状態フィールドには測位時における状態が記憶される。振動パターンフィールドには測位時における振動パターン(分類)が記憶されている。
CPU21はGPS受信機212から取得した位置情報、時計部28から出力される日時を履歴ファイル254に記憶する。CPU21は加速度センサ210から取得した振動情報にマッチした振動パターンを記憶する。CPU21は、移行条件を満たした場合の状態を記憶する。例えば、搬送開始直後の2009年12月15日11時0分の位置情報と共に、初期状態及び振動パターン「フォークリフト」が記憶されている。また配送終了時の2009年12月15日11時26分には位置情報と共に、第3状態及び振動パターン「台車」が記憶されている。
図28はパターンファイル253のレコードレイアウトを示す説明図である。パターンファイル253には予め複数の分類に対する振動パターンが記憶されている。分類フィールドには搬送の分類が複数種類記憶されている。本実施形態では4つの分類(台車、フォークリフト、クレーン、及び人間搬送)が記憶されている。なお、本実施形態における例は一例であり、分類数は4に限るものではない。振動パターンフィールドには、パワースペクトル及び回数が対応付けて記憶されている。例えば分類「フォークリフト」には、所定時間内(例えば1秒間)のパワースペクトルのデータと、当該パワースペクトルとのパターンマッチングに成功した回数が記憶されている。なお、パワースペクトルに替えて加速度の時間的変化を用いても良い。
図29は実施の形態3に係る状態テーブル251のレコードレイアウトを示す説明図である。第1状態への移行までは実施の形態1と同様であるので説明は省略する。第1状態から第2状態への移行条件は「時速Xkm以下、かつ、初期状態の振動パターンに一致」と記憶されている。CPU21は取得した速度が時速Xkm以下となった場合であり、かつ取得した振動情報の振動パターンが、初期状態における分類と一致した場合に、第2状態へ移行する。例えば、図27に示すように初期状態の振動パターンがフォークリフトであり、かつ、第1状態における振動パターンもフォークリフトであると判断した場合、第2状態へ移行する。すなわち、パターンファイル253にて複数の振動パターンが記憶されているところ、初期状態の振動パターンに一致した場合に第2状態へ移行する。第2状態へ移行した場合、第2周期へ移行する。なお、本実施の形態においては、一例として実施の形態1で述べた図5の周期テーブル252を利用する。
第2状態へ移行した場合、第1状態へ移行するための移行条件として「時速Xkmを超える」が記憶されている。CPU21が誤って第2状態へ移行した場合でも、第1状態へ復帰する。第2状態へ移行した場合、第3状態へ移行するための移行条件として「いずれかの振動パターンにマッチ」が記憶されている。積み卸し時の最初の搬送方式は、積み込み時の搬送方式と同じ可能性が高いが、その後の搬送方式は各種の方式が採用される可能性があることから、パターンファイル253に記憶した振動パターンの内、いずれかにマッチした場合に、第3状態へ移行させることとしたものである。
図30乃至図33は移行処理の手順を示すフローチャートである。電力供給部29は制御装置2へ電力を供給する(ステップS271)。CPU21は初期状態へ移行し、初期状態の移行条件を読み出す(ステップS272)。CPU21は加速度センサ210から振動情報を取得し、記憶部25に記憶する(ステップS273)。CPU21は上述した実施の形態で述べた手順により、パターンファイル253に記憶した複数の振動パターンの中から、ステップS273で記憶した振動情報にマッチする振動パターンを抽出する(ステップS274)。これにより、積み込み時である初期状態の振動パターンが決定される。なお、振動パターンのマッチ処理については上述の実施の形態で詳述したとおりであるので詳細な説明は省略する。
CPU21は履歴ファイル254に初期状態、時計部28から出力される日時、及び抽出した振動パターンを記憶する(ステップS275)。CPU21は周期テーブル252を参照し初期状態に対応する第3周期を読み出す。CPU21はGPS受信機212の周期を第3周期に設定する(ステップS276)。以後、CPU21は第3周期にて位置情報の取得指示を行い、日時に対応付けて位置情報を履歴ファイル254に逐次記憶していく(ステップS278)。
CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS279)。CPU21は取得した速度が時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS281)。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS281でNO)、ステップS279へ移行し、位置情報の取得を繰り返し実行する。CPU21は時速Xkmを超えると判断した場合(ステップS281でYES)、第1状態へ移行し、第1状態の移行条件を読み出す(ステップS282)。本実施の形態においては図29に示す如く、「時速Xkm以下」かつ「初期状態の振動パターンに合致」である。
CPU21は周期テーブル252を参照し第1状態に対応する第1周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第1周期に変更する(ステップS283)。CPU21は第1周期にて位置情報を取得する(ステップS284)。CPU21は日時及び位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS285)。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS286)。CPU21は時速Xkm以下であるか否かを判断する(ステップS287)。
CPU21は時速Xkm以下でないと判断した場合(ステップS287でNO)、処理をステップS284へ戻す。一方、CPU21は時速Xkm以下であると判断した場合(ステップS287でYES)、加速度センサ210から振動情報を取得し、記憶部25に記憶する(ステップS291)。
CPU21は取得した振動情報と、パターンファイル253に記憶した振動パターンとを比較し、マッチする振動パターンを抽出する(ステップS292)。CPU21はステップS292で抽出した振動パターンと、ステップS275で履歴ファイル254に記憶した初期状態の振動パターンとが一致するか否かを判断する(ステップS293)。CPU21は一致すると判断した場合(ステップS293でYES)、積み卸し作業が開始したと判断し、ステップS294へ移行する。CPU21は第2状態へ移行し、第2状態の移行条件を読み出す(ステップS294)。CPU21は第2周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第2周期へ変更する(ステップS295)。
CPU21はステップS293において、一致しないと判断した場合(ステップS293でNO)、または、ステップS292でパターンファイル253に対応する振動パターンを抽出できなかった場合、ステップS284へ処理を戻す。これにより、第1状態における測位が繰り返し行われる。S295の処理後、CPU21は第2周期にて位置情報を取得する(ステップS296)。CPU21は日時及び位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS297)。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS298)。
CPU21は取得した速度が時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS299)。CPU21は時速Xkmを超えると判断した場合(ステップS299でYES)、ステップS282へ処理を戻す。この場合、再び第1状態へ移行する。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS299でNO)、加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS2910)。CPU21は取得した振動情報が、パターンファイル253に記憶されたいずれかの振動パターンの一つとマッチするか否かを判断する(ステップS2911)。
CPU21は一致しないと判断した場合(ステップS2911でNO)、処理をステップS296へ戻す。この場合、第2周期での測位が繰り返し行われる。CPU21は一致すると判断した場合(ステップS2911でYES)、第3状態へ移行する(ステップS2912)。CPU21は第3状態における周期を周期テーブル252から読み出す。本実施形態においては周期テーブル252に「停止」と記憶されている。CPU21はGPS受信機212を停止する(ステップS2913)。
CPU21は履歴ファイル254または記憶部25から時系列で最後から所定時間内の分類(振動パターン、本例ではフォークリフト)、日時及び位置情報を読み出す(ステップS2914)。CPU21は記憶部25から制御装置ID、及び、サーバコンピュータ1の送信宛先を読み出す(ステップS2915)。CPU21は、送信宛先を参照し、通信網Nを介して、分類、制御装置ID、日時及び位置情報をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS2916)。このように、積み込み時と積み卸し時との振動パターンが共通する可能性が高いことを利用することで、精度良く状態判定を行うことが可能となる。
本実施の形態3は以上の如きであり、その他は実施の形態1及び2と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態4
実施の形態4は積み込み状態における複数の振動パターンを利用する形態に関する。図34は実施の形態4に係る状態遷移を示す説明図である。初期状態では複数の搬送方式により工作機械3を運搬する場合がある。図34の例では、人間による搬送、台車4による搬送及びフォークリフトによる搬送を経てトラック5に積載される。CPU21は加速度センサ210から出力される振動情報により人間搬送、台車及びフォークリフトの振動パターンを抽出する。トラック5の走行により初期状態から第1状態へ移行する。CPU21は初期状態における振動パターンを時系列順に分類する。
本例では人間搬送、台車及びフォークリフトの順となる。第1状態において、CPU21は、振動情報にマッチする振動パターンを抽出する。CPU21は、移動速度が時速Xkm以下であり、かつ初期状態の時系列で最後の振動パターンと、第1状態における振動パターンとが一致する場合、第2状態へ移行する。本例では時系列で最後のフォークリフトを検出した場合、第2状態へ移行する。一方、CPU21は、振動情報が、第1状態において初期状態の他の振動パターン(人間搬送及び台車)にマッチしたとしても、第2状態へ移行しない。一方、第2状態においては、初期状態で記憶した人間搬送、台車またはフォークリフトのいずれかの振動パターンに一致した場合に第3状態へ移行する。なお、振動情報が、パターンファイル253に記憶されている他の振動パターン(例えばクレーン)にマッチした場合でも、初期状態の振動パターンに一致しないことから、第3状態へは移行しない。
図35は状態テーブル251のレコードレイアウトを示す説明図である。第1状態から第2状態へ移行するための移行条件として、「時速Xkm以下、かつ、初期状態の時系列最後の振動パターンに一致」が記憶されている。また第2状態から第3状態へ移行するための移行条件として「初期状態のいずれかの振動パターンに一致」が記憶されている。その他は実施の形態3と同様であるので詳細な説明は省略する。
図36乃至図40は移行処理の手順を示すフローチャートである。上述した実施形態においては電力供給をトリガに初期状態へ移行する形態を示したが、これに限るものではない。例えば、制御装置2が一定値以上の衝撃を検知した場合に、初期状態へ移行しても良い。CPU21は記憶部25から衝撃検知の閾値を読み出す。閾値は所定の加速度、または、所定のパワースペクトル値として記憶しておけばよい。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度を取得する。CPU21は取得した加速度及び閾値に基づき、一定以上の振動を検出したか否かを判断する(ステップS321)。
CPU21は一定以上の振動を検出していない場合(ステップS321でNO)、ステップS321の処理を繰り返す。CPU21は一定以上の振動を検出したと判断した場合(ステップS321でYES)、初期状態へ移行し、状態テーブル251から初期状態の移行条件を読み出す(ステップS322)。CPU21は周期テーブル252を参照し初期状態に対応する第3周期を読み出す。CPU21はGPS受信機212の周期を第3周期に設定する(ステップS323)。CPU21は加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS324)。CPU21は振動情報を、時計部28から出力される日時と共に記憶部25に記憶する(ステップS325)。以後、CPU21は第3周期にて位置情報の取得指示を行い、日時に対応付けて位置情報を履歴ファイル254に逐次記憶していく(ステップS327)。
CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS328)。CPU21は取得した速度が時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS329)。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS329でNO)、ステップS324へ移行し、以上の処理を繰り返し実行する。CPU21は時速Xkmを超えると判断した場合(ステップS329でYES)、第1状態へ移行し、第1状態の移行条件を読み出す(ステップS331)。
CPU21はステップS324で記憶した初期状態における振動情報を読み出す(ステップS332)。CPU21は振動情報及びパターンファイル253の振動パターンに基づき、振動情報にマッチする複数の振動パターンを抽出する(ステップS333)。CPU21は振動情報に併せて記憶されていた日時を参照し、抽出した複数の振動パターンを時系列順に分類(ソート)する(ステップS334)。CPU21は記憶部25に時系列順に振動パターンを記憶する(ステップS335)。なお、ステップS332乃至S335の処理は、ステップS329より前に行っても良い。
CPU21は周期テーブル252を参照し第1状態に対応する第1周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第1周期に変更する(ステップS336)。以後、CPU21は第1周期にて位置情報の取得を指示し、日時及び位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS338)。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS339)。CPU21は時速Xkm以下であるか否かを判断する(ステップS341)。
CPU21は時速Xkm以下でないと判断した場合(ステップS341でNO)、ステップS339へ移行し処理を繰り返す。
CPU21は、時速Xkm以下であると判断した(ステップS341でYES)、加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS344)。CPU21は取得した振動情報と、パターンファイル253に記憶した振動パターンとを比較し、マッチする振動パターンを抽出する(ステップS345)。CPU21は記憶部25に記憶した時系列で最後の振動パターンを読み出す(ステップS346)。CPU21は、読み出した最後の振動パターンと、ステップS345で抽出した振動パターンとが一致するか否かを判断する(ステップS347)。CPU21は一致すると判断した場合(ステップS347でYES)、積み込み完了時と同じ搬送方式の積み卸し作業が開始したと判断し、ステップS348へ移行する。CPU21は第2状態へ移行し、第2状態の移行条件を読み出す(ステップS348)。CPU21は第2周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第2周期へ変更する(ステップS349)。
CPU21はステップS347において、一致しないと判断した場合(ステップS347でNO)、または、ステップS345でパターンファイル253に対応する振動パターンを抽出できなかった場合、ステップS339へ処理を戻す。ステップS349の処理後、CPU21は第2周期にて位置情報の取得を指示し、日時及び位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS352)。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS353)。
CPU21は取得した速度が時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS354)。CPU21は時速Xkmを超えると判断した場合(ステップS354でYES)、ステップS331へ処理を戻す。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS354でNO)、加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS355)。CPU21は取得した振動情報に基づき、パターンファイル253に記憶された振動パターンの一つを抽出する(ステップS356)。
CPU21は記憶部25に記憶した初期状態における振動パターンを読み出す。CPU21は、読み出した初期状態の振動パターンと、ステップS356で抽出した振動パターンとが一致するか否かを判断する(ステップS357)。CPU21は一致しないと判断した場合(ステップS357でNO)、または、ステップS356において、振動情報にマッチする振動パターンが存在しない場合、処理をステップS352へ戻す。この場合、第2周期での測位が繰り返し行われる。CPU21は一致すると判断した場合(ステップS357でYES)、第3状態へ移行する(ステップS358)。CPU21は第3状態における周期を周期テーブル252から読み出す。本実施形態においては周期テーブル252に「停止」と記憶されている。CPU21はGPS受信機212を停止する(ステップS359)。
CPU21は記憶部25または履歴ファイル254から時系列で最後から所定時間内の分類、日時及び位置情報を読み出す(ステップS3510)。CPU21は記憶部25から制御装置ID、及び、サーバコンピュータ1の送信宛先を読み出す(ステップS3511)。CPU21は、送信宛先を参照し、通信網Nを介して、分類、制御装置ID、日時及び位置情報をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS3512)。このように、積み込み時最後と積み卸し時最初との振動パターンが共通する可能性が高いことを利用することで、精度良く状態判定を行うことが可能となる。また、第2状態から第3状態への移行条件に、積み込み時の振動パターンのいずれかを利用することで、より精度良く状態判定を行うことが可能となる。
本実施の形態4は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至3と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態5
実施の形態5は第1状態への移行条件が異なる形態に関する。上述の実施形態においては初期状態から第1状態への移行条件、第1状態から第2状態への移行条件、または、第2状態から第1状態への移行条件に、取得した速度を用いたが、速度を用いない移行条件を設定しても良い。以下では、取得した速度を補足的に用いる例を挙げて説明する。
図41は状態テーブル251のレコードレイアウトを示す説明図である。初期状態から第1状態への移行条件として「所定時間経過」または「時速Xkmを超える」が記憶されている。初期状態から第1状態への移行条件としては以下が例として挙げられる。CPU21は入力部23から搬送開始を示す操作情報を受け付けてから所定時間経過後、または、電力供給部29による電力供給後の所定時間経過後に第1状態とする。その他、CPU21は、加速度センサ210または角速度センサ211から所定値以上の加速度または角速度を検出してからの所定時間経過後に、第1状態としても良い。この所定時間は例えば、30分等であり、ユーザは入力部23から適宜の値を入力することができる。CPU21は入力された時間を記憶部25に記憶する。
さらに、CPU21は加速度センサ210または角速度センサ211から出力される振動情報とパターンファイル253とに基づき、台車4またはフォークリフト等の振動パターンを検出した後の所定時間経過後に第1状態と判断しても良い。また、CPU21は、通信部26が利用する無線LANアクセスポイントに対するアクセスができない場合、または異なる無線LANアクセスポイントとの通信を開始した場合に、初期状態から第1状態へと移行させても良い。CPU21は、通信部26が利用する携帯電話基地局が他の携帯電話基地局に変更した場合も、初期状態から第1状態へと移行させても良い。
またCPU21はGPS受信機212から出力される位置情報を初期位置として記憶部25に記憶する。CPU21は位置情報が変動した場合、記憶した初期位置の位置情報と、新たに得られる位置情報とに基づき距離を算出する。CPU21は、算出した移動距離が所定距離以上(例えば5km以上)の場合、初期状態から第1状態へと移行したと判断する。初期状態から第1状態への移行条件は様々存在し、以上述べた一つ、または、複数を組み合わせてアンド条件またはオア条件を設定しても良い。例えばCPU21は加速度センサ210から所定値上の加速度を取得してから20分が経過し、かつ、加速度センサ210から所定値以上の加速度を取得した際に通信部26が利用していた無線LANアクセスポイントが利用できなくなった場合に移行させても良い。なお、本実施形態では説明を容易にするために、電力供給後の所定時間経過後に第1状態へ移行したと判断する例を挙げて説明する。
第1状態から第2状態への移行条件は、「時速Xkm以下、かつ、初期状態の振動パターンに一致」と記憶されている。本実施形態では初期状態の搬送形態が「フォークリフト」である例を挙げて説明する。第2状態から第3状態への移行条件は「パターンファイル253内のいずれかの振動パターンにマッチ」と記憶されている。第2状態へ移行後に取得した振動情報に基づくが、パターンファイル253に記憶された複数の振動パターンの内いずれか一つにマッチした場合に第3状態へ移行する。
図42乃至図46は移行処理の手順を示すフローチャートである。電力供給部29により、制御装置2に対し電力が供給される(ステップS371)。CPU21は時計部28による計時を開始する。CPU21は初期状態へ移行し、状態テーブル251から初期状態の移行条件を読み出す(ステップS372)。CPU21は周期テーブル252を参照し初期状態に対応する第3周期を読み出す。CPU21はGPS受信機212の周期を第3周期に設定する(ステップS373)。CPU21は第3周期にて位置情報の取得を指示し、日時に対応付けて位置情報を履歴ファイル254に逐次記憶していく(ステップS374)。CPU21は加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS375)。CPU21は振動情報を、時計部28から出力される日時と共に記憶部25に記憶する(ステップS376)。
CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS378)。CPU21はステップS371における電力供給後所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS379)。CPU21は所定時間を経過していないと判断した場合(ステップS379でNO)、取得した速度が時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS381)。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS381でNO)、ステップS378へ移行し、以上の処理を繰り返し実行する。CPU21は時速Xkmを超えると判断した場合(ステップS381でYES)、または、ステップS379で所定時間を経過したと判断した場合(ステップS379でYES)、第1状態へ移行し、第1状態の移行条件を読み出す(ステップS382)。
CPU21はステップS374で記憶した初期状態における振動情報を読み出す(ステップS383)。CPU21は振動情報及びパターンファイル253の振動パターンに基づき、振動情報にマッチする振動パターンを抽出する(ステップS384)。CPU21は記憶部25に抽出した振動パターンを記憶する(ステップS385)。
CPU21は周期テーブル252を参照し第1状態に対応する第1周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第1周期に変更する(ステップS386)。CPU21は第1周期にて位置情報の取得を指示し、日時及び位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS388)。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS389)。CPU21は時速Xkm以下であるか否かを判断する(ステップS391)。
CPU21は時速Xkm以下であると判断した場合(ステップS391でYES)、加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS394)。ステップS391において時速Xkm以下でないと判断した場合(ステップS391でNO)は、ステップS389へ処理を戻す。
CPU21はステップS394で取得した振動情報と、パターンファイル253に記憶した振動パターンとを比較し、マッチする振動パターンが抽出できたか否かを判断する(ステップS395)。CPU21は抽出できないと判断した場合(ステップS395でNO)、ステップS389へ移行する。CPU21は振動パターンを抽出できた場合(ステップS395でYES)、ステップS395で記憶した初期状態の振動パターンを読み出す(ステップS396)。CPU21は初期状態の振動パターンと、抽出した振動パターンとが一致するか否かを判断する(ステップS397)。
CPU21は一致すると判断した場合(ステップS397でYES)、積み込み完了時と同じ搬送方式の積み卸し作業が開始したと判断し、ステップS398へ移行する。CPU21は第2状態へ移行し、第2状態の移行条件を読み出す(ステップS398)。CPU21は第2周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第2周期へ変更する(ステップS399)。
CPU21はステップS397において、一致しないと判断した場合(ステップS397でNO)、ステップS389へ処理を戻す。ステップS399の処理後、CPU21は第2周期にて位置情報の取得を指示し、日時及び位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS402)。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS403)。
CPU21は取得した速度が時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS404)。CPU21は時速Xkmを超えると判断した場合(ステップS404でYES)、ステップS382へ処理を戻す。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS404でNO)、加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS405)。CPU21は取得した振動情報が、パターンファイル253に記憶されたいずれか一つの振動パターンにマッチするか否かを判断する(ステップS406)。
CPU21はマッチしない場合(ステップS406でNO)、処理をS403へ戻す。CPU21はマッチすると判断した場合(ステップS406でYES)、第3状態へ移行する(ステップS407)。CPU21は第3状態における周期を周期テーブル252から読み出す。本実施形態においては周期テーブル252に「停止」と記憶されている。CPU21はGPS受信機212を停止する(ステップS408)。なお、CPU21は第1周期以上の第3周期へ変更しても良い。
CPU21は記憶部25または履歴ファイル254から初期状態における分類(振動パターン)、日時及び位置情報を読み出す(ステップS409)。CPU21は記憶部25から制御装置ID、及び、サーバコンピュータ1の送信宛先を読み出す(ステップS4010)。CPU21は、送信宛先を参照し、通信網Nを介して、分類、制御装置ID、日時及び位置情報をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS4011)。なお、上述したとおり、速度に関する処理(例えば、S381、S391、S404)は必ずしも実行する必要はない。以上のとおり、積み込み時と積み卸し時における搬送形態の共通性を利用することで、精度良く状態を判断することが可能となる。
本実施の形態5は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至4と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態6
実施の形態6は初期状態から第1状態への移行条件が異なる形態に関する。図47は実施の形態6に係る状態テーブル251のレコードレイアウトを示す説明図である。初期状態から第1状態への移行条件として「所定距離移動」が記憶されている。CPU21は初期状態から第1状態への3つの移行条件の内いずれか一つ、または、全ての条件を満たした場合に、第1状態へ移行する。本実施形態ではいずれか一つの条件を満たした場合に、初期状態から第1状態へ移行する例を説明する。また第1状態から第2状態への移行条件の一つとして「時速Xkm以下、かつ、初期状態の時系列最後の振動パターンと一致」が記憶されている。その他、第2状態から第3状態への移行条件として「初期状態のいずれかの振動パターンに一致」が記憶されている。
図48乃至図53は移行処理の手順を示すフローチャートである。CPU21は記憶部25から衝撃検知の閾値を読み出す。CPU21は加速度センサ210または角速度センサ211から出力される加速度または角速度を取得する。CPU21は取得した加速度または角速度と、閾値と、に基づき、一定以上の振動を検出したか否かを判断する(ステップS421)。
CPU21は一定以上の振動を検出していない場合(ステップS421でNO)、ステップS421の処理を繰り返す。CPU21は一定以上の振動を検出したと判断した場合(ステップS421でYES)、初期状態へ移行し、状態テーブル251から初期状態の移行条件を読み出す(ステップS422)。CPU21は時計部28による計時を開始する。CPU21は周期テーブル252を参照し初期状態に対応する第3周期を読み出す。CPU21はGPS受信機212の周期を第3周期に設定する(ステップS423)。CPU21は第3周期にて位置情報取得を指示し、GPS受信機212から出力される位置情報を、初期位置情報として記憶部25に記憶する(ステップS424)。以後、CPU21は加速度センサによる振動情報取得とは異なる周期で、日時に対応付けて位置情報を履歴ファイル254に逐次記憶していく。CPU21は加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS425)。CPU21は振動情報を、時計部28から出力される日時と共に記憶部25に記憶する(ステップS426)。
CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS429)。CPU21はステップS421における振動検出後所定時間を経過したか否かを判断する(ステップS431)。CPU21は所定時間を経過していないと判断した場合(ステップS431でNO)、取得した速度が時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS432)。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS432でNO)、ステップS433へ移行する。CPU21はGPS受信機212から第3周期毎に取得して記録した位置情報の最新の値を参照し、現在位置とする。CPU21はステップS424で記憶した初期位置と、現在位置との間の距離を算出する(ステップS433)。CPU21は閾値となる所定距離を記憶部25から読み出す。
CPU21は算出した距離が所定距離以上か否かを判断する(ステップS434)。CPU21は所定距離以上であると判断した場合(ステップS434でYES)、第1状態へ移行し、第1状態の移行条件を読み出す(ステップS435)。またCPU21は所定時間を経過したと判断した場合(ステップS431でYES)、または、時速Xkmを超えると判断した場合も(ステップS432でYES)、ステップS435へ移行する。CPU21は所定距離以上でないと判断した場合(ステップS434でNO)、処理をステップS425へ戻す。所定距離はユーザや製造者が入力部23などから入力でき、例えば100mである。
CPU21はステップS424で記憶した初期状態における振動情報を読み出す(ステップS436)。CPU21は振動情報及びパターンファイル253の振動パターンに基づき、振動情報にマッチする複数の振動パターンを抽出する(ステップS437)。なお、ここで一つの振動パターンだけを抽出した場合、ステップS385へ移行する。CPU21は振動情報に併せて記憶されていた日時を参照し、抽出した複数の振動パターンを時系列順に分類(ソート)する(ステップS438)。CPU21は記憶部25に時系列順に振動パターンを記憶する(ステップS439)。なお、ステップS436乃至S439の処理はステップS431の前に行っても良い。
CPU21は周期テーブル252を参照し第1状態に対応する第1周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第1周期に変更する(ステップS441)。CPU21は第1周期にて位置情報取得を指示し、日時及び位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS443)。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS444)。CPU21は時速Xkm以下であるか否かを判断する(ステップS445)。
CPU21は時速Xkm以下であると判断した場合(ステップS445でYES)、加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS448)。ステップS445において時速Xkm以下でないと判断した場合(ステップS445でNO)、ステップS444へ処理を戻す。
CPU21は取得した振動情報と、パターンファイル253に記憶した振動パターンとを比較し、マッチする振動パターンが存在するか否かを判断する(ステップS449)。CPU21は存在しないと判断した場合(ステップS449でNO)、処理をステップS444に戻す。CPU21は振動パターンが存在すると判断した場合(ステップS449でYES)、ステップS439で記憶した振動パターンの内、時系列で最後の振動パターンを読み出す(ステップS451)。CPU21は、読み出した最後の振動パターンと、ステップS449でマッチした振動パターンとが一致するか否かを判断する(ステップS452)。CPU21は一致すると判断した場合(ステップS452でYES)、積み込み完了時と同じ搬送方式の積み卸し作業が開始したと判断し、ステップS453へ移行する。CPU21は第2状態へ移行し、第2状態の移行条件を読み出す(ステップS453)。CPU21は第2周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第2周期へ変更する(ステップS454)。
CPU21はステップS452において、一致しないと判断した場合(ステップS452でNO)、ステップS444へ処理を戻す。ステップS454処理後、CPU21は第2周期にて位置情報取得を指示し、日時及び位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS456)。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS457)。
CPU21は取得した速度が時速Xkmを超えるか否かを判断する(ステップS458)。CPU21は時速Xkmを超えると判断した場合(ステップS458でYES)、ステップS435へ処理を戻す。CPU21は時速Xkmを超えないと判断した場合(ステップS458でNO)、加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS459)。CPU21は取得した振動情報と、パターンファイル253に記憶した振動パターンとを比較し、マッチする振動パターンが存在するか否かを判断する(ステップS4510)。
CPU21はマッチする振動パターンが存在しないと判断した場合(ステップS4510でNO)、処理をステップS457へ戻す。CPU21はマッチする振動パターンが存在すると判断した場合(ステップS4510でYES)、ステップS4511へ移行する。CPU21は記憶部25に記憶した初期状態における複数の振動パターンを読み出す。CPU21は、読み出した初期状態の複数の振動パターンと、ステップS4510でマッチした振動パターンとが一致するか否かを判断する(ステップS4511)。CPU21は一致しないと判断した場合(ステップS4511でNO)、処理をステップS457へ戻す。CPU21は一致すると判断した場合(ステップS4511でYES)、第3状態へ移行する(ステップS4512)。CPU21は第3状態における周期を周期テーブル252から読み出す。本実施形態においては周期テーブル252に「停止」と記憶されている。CPU21はGPS受信機212を停止する(ステップS4513)。
CPU21は記憶部25または履歴ファイル254から時系列で最後から所定時間内の分類、日時及び位置情報を読み出す(ステップS4514)。CPU21は記憶部25から制御装置ID、及び、サーバコンピュータ1の送信宛先を読み出す(ステップS4515)。CPU21は、送信宛先を参照し、通信網Nを介して、分類、制御装置ID、日時及び位置情報をサーバコンピュータ1へ送信する(ステップS4516)。初期状態から第1状態へ移行条件を複数設けることにより適切な状態遷移が可能となる。
本実施の形態6は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至5と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態7
実施の形態7は、時系列で最後に分類された振動パターンと異なる振動パターンでも一定条件下で第1状態から第2状態へ移行する形態に関する。図54は実施の形態7に係る状態テーブル251のレコードレイアウトを示す説明図である。第1状態から第2状態への移行条件として、さらに、「時速Xkm以下、かつ、初期状態の時系列最後の振動パターン以外の振動パターンに所定回数一致」が記憶されている。積み込み時と積み卸し時において搬送形態が異なる可能性もあることから、時速Xkm以下において所定回数振動パターンに一致することを条件に第1状態から第2状態への移行させることとしたものである。なお各実施形態で述べた状態テーブル251はあくまで一例でありこれに限るものではない。例えば、第1状態から第2状態への移行条件として「時速Xkm以下、または、初期状態の時系列最後の振動パターン以外の振動パターンに所定回数一致」としても良い。
条件となる所定回数は例えば3回である。ユーザや製造者は入力部23などから適宜の値を入力することができる。なお、回数を入力する代わりに、時間を入力しても良い。例えば、クレーンの振動パターンの認識に1回あたり20秒(例えば1秒間のパワースペクトル20回)必要とする場合、3回に対応する60秒を入力する。CPU21は時間を回数に変換する式を予め記憶しておき、時間が入力された場合、回数へ変換する。第2状態から第3状態への移行条件はパターンファイル253に記憶された「いずれかの振動パターンにマッチ」が記憶されている。CPU21は第2状態において取得した振動情報が、パターンファイル253に記憶されていずれかの振動パターンにマッチした場合に、第3状態へ移行させる。
図55乃至図57は移行処理の手順を示すフローチャートである。ステップS421からステップS435までの処理は実施の形態6と同様であるので詳細な説明は省略する。第1状態へ移行後の処理を詳述する。CPU21は第1状態へ移行し、状態テーブル251から第1状態から第2状態への移行条件を読み出す(ステップS471)。CPU21は整数の変数である回数nに初期値0を代入する(ステップS472)。CPU21はステップS424で記憶した初期状態における振動情報を読み出す(ステップS473)。CPU21は振動情報及びパターンファイル253の振動パターンに基づき、振動情報にマッチする複数の振動パターンを抽出する(ステップS474)。なお、ここで一つの振動パターンだけを抽出した場合、ステップS385へ移行する。CPU21は振動情報に併せて記憶されていた日時を参照し、抽出した複数の振動パターンを時系列順に分類(ソート)する(ステップS475)。CPU21は記憶部25に時系列順に振動パターンを記憶する(ステップS476)。なお、ステップS473乃至S476の処理はステップS471における第1状態への移行前に随時行っても良い。
CPU21は周期テーブル252を参照し第1状態に対応する第1周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第1周期に変更する(ステップS477)。CPU21は第1周期にて位置情報の取得を指示し、日時及び位置情報を履歴ファイル254に記憶する(ステップS479)。CPU21は加速度センサ210から出力される加速度に基づく速度を取得する(ステップS481)。CPU21は時速Xkm以下であるか否かを判断する(ステップS482)。
CPU21は時速Xkm以下であると判断した場合(ステップS482でYES)、加速度センサ210から振動情報を取得する(ステップS485)。ステップS482において時速Xkm以下でないと判断した場合(ステップS482でNO)、ステップS481へ処理を戻す。
CPU21は取得した振動情報と、パターンファイル253に記憶した振動パターンとを比較し、マッチする振動パターンが存在するか否かを判断する(ステップS486)。CPU21は存在しないと判断した場合(ステップS486でNO)、処理をステップS481に戻す。CPU21は振動パターンが存在すると判断した場合(ステップS486でYES)、ステップS476で記憶した振動パターンの内、時系列で最後の振動パターンを読み出す(ステップS487)。CPU21は、読み出した最後の振動パターンと、ステップS486でマッチした振動パターンとが一致するか否かを判断する(ステップS488)。CPU21は一致すると判断した場合(ステップS488でYES)、最終積み込み時と同じ搬送方式の積み卸し作業が開始したと判断し、ステップS489へ移行する。CPU21は第2状態へ移行し、第2状態の移行条件を読み出す(ステップS489)。CPU21は第2周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第2周期へ変更する(ステップS491)。
CPU21はステップS488において最後の振動パターンと一致しないと判断した場合(ステップS488でNO)、ステップS492へ移行する。CPU21はステップS476で記憶した複数の振動パターンの内、最後の振動パターン以外の初期状態の振動パターンを読み出す(ステップS492)。CPU21は読み出した振動パターンと、ステップS486でマッチした振動パターンとが、一致するか否かを判断する(ステップS493)。CPU21は一致しないと判断した場合(ステップS493でNO)、ステップS481へ移行し、以上の処理を繰り返す。
CPU21は一致すると判断した場合(ステップS493でYES)、回数nをインクリメントする(ステップS494)。CPU21は記憶部25に予め記憶した閾値である所定回数を読み出す(ステップS495)。CPU21は、回数nが所定回数を超えるか否かを判断する(ステップS496)。CPU21は所定回数を超えないと判断した場合(ステップS496でNO)、処理をステップS481へ戻し、以上の処理を繰り返す。これにより、回数nの数が増加する。例えば人間搬送、クレーン、台車4の順で積載されたところ、第1状態においてクレーンの振動パターンを検出する。このクレーンの検出回数が所定回数を超えた場合、第2状態へ移行する。
CPU21は回数nが所定回数を超えたと判断した場合(ステップS496でYES)、ステップS497へ移行する。CPU21は第2状態へ移行し、第2状態の移行条件を読み出す(ステップS497)。CPU21は第2周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第2周期へ変更する(ステップS498)。CPU21はS491またはS498の処理後、CPU21は第2周期にて位置情報を取得する。以降の処理はステップS456以降と同様であるので詳細な説明を省略する。以上のとおり、最後の振動パターンと異なる振動パターンの場合、所定回数のパターンマッチングを条件に第2状態へ移行させるようにしたので、誤差を低減できる。また様々な搬送形態に対応することが可能となる。
本実施の形態7は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至6と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態8
実施の形態8は初期状態における搬送形態順序に応じて回数を変動させる形態に関する。人間搬送、クレーン、台車4の順序で積み込まれた場合、積み卸し時は台車4、クレーン、人間搬送の如く逆の順序となる可能性が高い。このことから、第1状態においては、最後から2番目であるクレーンについては、実施の形態7における回数を2とし、最後から3番目である人間搬送については、回数を3と変動させる。すなわち初期状態にて認識した振動パターンの順序とは逆に、条件となる回数を増加させる。図58は実施の形態8に係る制御装置2のハードウェア群を示すブロック図である。記憶部25には変動回数ファイル255が記憶されている。
図59は変動回数ファイル255のレコードレイアウトを示す説明図である。変動回数ファイル255は振動パターンフィールド及び変動回数フィールド等を含む。振動パターンフィールドには、初期状態においてマッチした振動パターンの順序に関する情報が記憶されている。例えば、時系列で最後から2番目、最後から3番目等の情報が記憶されている。変動回数フィールドには、順序に関する情報に対応付けて変動回数が記憶されている。例えば、「最後から2番目」に対応付けて変動回数が「2回」と記憶されており、「最後から3番目」に対応付けて変動回数が「3回」と記憶されている。
このように、時系列で最後からの順序が増加するにつれて変動回数が増加する変動回数が記憶される。ユーザは入力部23から変動回数として適宜の回数を入力することができる。CPU21は順序に対応付けていずれか一つの回数が入力された場合、時系列で後の方が、変動回数が少なくなるよう変動回数を設定し、変動回数ファイル255内に記憶する。例えば、最後から3番目に対し5回と入力された場合、最後から2番目には2回、最後から4番目には7回等と設定すればよい。なお、回数に替えて時間を入力しても良い。CPU21は時系列で最後から特定の順序に対する回数が入力部23から入力された場合、他の順序に係る回数を算出(設定)しても良い。例えばCPU21は時系列で後に向かうにつれて増加する値を、入力された回数に対し加算する。またはCPU21は時系列で後に向かうにつれて増加する係数を、入力された回数に対し乗算する。さらに、CPU21は時系列で先に向かうにつれて増加する値を、入力された回数から減算する。またはCPU21は時系列で先に向かうにつれて減少する係数を、入力された回数に対し乗算する。
図60及び図61は移行処理の手順を示すフローチャートである。CPU21は入力部23から最後からの順序に応じた変動回数を受け付ける。CPU21は最後からの順序に応じた変動回数を変動回数ファイル255に設定(記憶)する(ステップS521)。ステップS488でNO以降、以下の処理を実行する。CPU21はステップS476で記憶した複数の振動パターンの内、最後の振動パターン以外の初期状態の振動パターンを複数読み出す(ステップS522)。CPU21は読み出した振動パターンと、ステップS486でマッチした振動パターンとが、一致するか否かを判断する(ステップS523)。CPU21は一致しないと判断した場合(ステップS523でNO)、ステップS478へ移行し、以上の処理を繰り返す。
CPU21は一致すると判断した場合(ステップS523でYES)、一致した初期状態の振動パターンに対応付けて回数nをインクリメントする(ステップS524)。これにより、例えば、初期状態の最後の振動パターン以外のクレーンが2回、人間搬送が3回等、逐次回数nが増加していく。CPU21はステップS523で一致した初期状態の振動パターンの最後からの順序を読み出す(ステップS525)。なお、CPU21はステップS476で記憶部25に時系列順に記憶した振動パターンを参照して順序を読み出す。CPU21は変動回数ファイル255を参照し、読み出した最後からの順序に対応する変動回数を読み出す(ステップS526)。例えば最後から3番目の場合、変動回数3が読み出される。
CPU21は、ステップS524でインクリメントした振動パターンに係る回数nが、当該振動パターンに対応する変動回数を超えるか否かを判断する(ステップS527)。CPU21は変動回数を超えないと判断した場合(ステップS527でNO)、処理をステップS477へ戻し、以上の処理を繰り返す。
CPU21は回数nが変動回数を超えたと判断した場合(ステップS527でYES)、ステップS528へ移行する。上述の例では、人間搬送の振動パターンが3回を超えた場合、または、クレーンの振動パターンが2回を超えた場合に、第1状態から第2状態へ移行する。CPU21は第2状態へ移行し、第2状態の移行条件を読み出す(ステップS528)。CPU21は第2周期を読み出し、GPS受信機212の周期を第2周期へ変更する(ステップS529)。以降はステップS499の処理と同様であるので詳細な説明は省略する。このように、積み込み順序に応じて変動する回数を設定することで、より可能性の高い振動パターンを検出した場合に、第2状態へ移行することが可能となる。
本実施の形態8は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至7と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
実施の形態9
図62は実施の形態9に係る制御装置2のハードウェア群を示すブロック図である。実施の形態1乃至8に係る制御装置2を動作させるためのプログラムは、本実施の形態9のように、読み取り部(図示せず)にUSBメモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体1Aを読み取らせて記憶部15に記憶しても良い。また、当該プログラムは、インターネット等の通信網Nを介して接続される他のサーバコンピュータ(図示せず)からダウンロードすることも可能である。以下に、その内容を説明する。
図62に示す制御装置2は、上述した各種ソフトウェア処理を実行するプログラムを、可搬型記録媒体1Aによりまたは通信網Nを介して他のサーバコンピュータ(図示せず)からダウンロードする。当該プログラムは、制御プログラム25Pとしてインストールされ、RAM12にロードして実行される。これにより、上述した制御装置2として機能する。
本実施の形態9は以上の如きであり、その他は実施の形態1乃至8と同様であるので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
以上の実施の形態1乃至9を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
測位装置を制御する制御装置において、
速度及び振動情報を取得する取得部と、
該取得部により取得した速度が所定速度を超える場合に、第1状態と判断する第1判断部と、
第1状態へ移行した場合に、前記測位装置の測位周期を第1周期へ変更する第1変更部と、
前記取得部により取得した速度が前記所定速度以下の場合に、第2状態と判断する第2判断部と、
第2状態へ移行した場合に、前記測位装置の測位周期を第1周期より短い第2周期へ変更する第2変更部と、
前記第2状態へ移行した後、前記取得部により取得した速度が前記所定速度を超える場合、第1状態へ移行する第1移行部と、
前記第2状態へ移行した後、前記取得部により取得した振動情報が予め記憶した振動パターンにマッチした場合、第3状態と判断する第3判断部と
を備える制御装置。
(付記2)
第3状態へ移行した場合に、前記測位装置への電源供給を停止する停止部
を備える付記1に記載の制御装置。
(付記3)
第3状態へ移行した場合に、測位周期を第1周期以上の第3周期へ変更する第3変更部
を備える付記1に記載の制御装置。
(付記4)
前記第3状態へ移行した後、前記取得部により取得した速度が前記所定速度を超える場合、第1状態へ移行する第2移行部
を備える付記1に記載の制御装置。
(付記5)
前記第3状態へ移行した後、前記取得部により取得した振動情報が前記振動パターンとは異なる振動パターンにマッチした場合に、第4状態と判断する第4判断部
を備える付記1または4に記載の制御装置。
(付記6)
第4状態へ移行した場合に、前記測位装置への電源供給を停止する停止部
を備える付記5に記載の制御装置。
(付記7)
第4状態へ移行した場合に、測位周期を第1周期以上の第3周期へ変更する第3変更部
を備える付記5に記載の制御装置。
(付記8)
前記取得部は、
前記第1状態へ移行した場合、加速度センサから速度を取得し、
前記第2状態へ移行した場合、前記測位装置から速度を取得する
付記1乃至7のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記9)
前記取得部から取得した振動情報を記憶する記憶処理部と、
第1状態と判断する前に記憶した振動情報に基づき、複数の振動パターンから前記振動情報にマッチする振動パターンを抽出する抽出部と、
第1状態にて、前記抽出部により抽出した振動パターンと、予め記憶した複数の振動パターンから前記取得部により取得した振動情報にマッチする振動パターンと、が一致する場合に、第2状態と判断する第5判断部と
を備える付記1乃至8のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記10)
前記抽出部は、
第1状態と判断する前に記憶した振動情報に基づき、複数の振動パターンから前記振動情報にマッチする複数の振動パターンを抽出し、
前記第2状態にて、前記抽出部により抽出した複数の振動パターンのいずれかと、予め記憶した複数の振動パターンから前記取得部により取得した振動情報にマッチする振動パターンと、が一致する場合に、第3状態と判断する第6判断部と
を備える付記9に記載の制御装置。
(付記11)
前記抽出部は、
第1状態と判断する前に記憶した振動情報に基づき、複数の振動パターンから前記振動情報にマッチする複数の振動パターンを抽出し、
抽出した複数の振動パターンを時系列順に分類する分類部を備え、
前記第2判断部は、
第1状態にて、前記分類部により時系列で最後に分類した振動パターンと、予め記憶した複数の振動パターンから前記取得部により取得した振動情報にマッチする振動パターンと、が一致する場合に、第2状態と判断する
付記9に記載の制御装置。
(付記12)
測位装置を制御する制御装置において、
振動情報を取得する取得部と、
該取得部から取得した振動情報を記憶する記憶処理部と、
予め記憶した条件を満たした場合に、第1状態と判断する第1判断部と、
第1状態と判断する前に記憶した振動情報に基づき、複数の振動パターンから振動情報にマッチする振動パターンを抽出する抽出部と、
第1状態へ移行した場合に、前記測位装置の測位周期を第1周期へ変更する第1変更部と、
第1状態にて、前記抽出部により抽出した振動パターンと、予め記憶した複数の振動パターンから前記取得部により取得した振動情報にマッチする振動パターンと、が一致する場合に、第2状態と判断する第2判断部と、
第2状態へ移行した場合に、前記測位装置の測位周期を第1周期より短い第2周期へ変更する第2変更部と
を備える制御装置。
(付記13)
前記第1判断部は、
外部から取得した速度が所定速度以上、または、所定時間経過後に、第1状態と判断する
付記12に記載の制御装置。
(付記14)
前記抽出部は、
第1状態と判断する前に記憶した振動情報に基づき、複数の振動パターンから前記振動情報にマッチする複数の振動パターンを抽出し、
前記第2状態にて、前記抽出部により抽出した複数の振動パターンのいずれかと、予め記憶した複数の振動パターンから前記取得部により取得した振動情報にマッチする振動パターンと、が一致する場合に、第3状態と判断する第3判断部と
を備える付記12または13に記載の制御装置。
(付記15)
第3状態へ移行した場合に、前記測位装置への電源供給を停止する停止部
を備える付記14に記載の制御装置。
(付記16)
第3状態へ移行した場合に、測位周期を第1周期以上の第3周期へ変更する第3変更部
を備える付記14に記載の制御装置。
(付記17)
前記抽出部は、
第1状態と判断する前に記憶した振動情報に基づき、複数の振動パターンから前記振動情報にマッチする複数の振動パターンを抽出し、
抽出した複数の振動パターンを時系列順に分類する分類部を備え、
前記第2判断部は、
第1状態にて、前記分類部により時系列で最後に分類した振動パターンと、予め記憶した複数の振動パターンから前記取得部により取得した振動情報にマッチする振動パターンと、が一致する場合に、第2状態と判断する
付記12乃至16のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記18)
前記第2判断部により、一致しないと判断した場合に、時系列で最後に分類された振動パターン以外の振動パターンと、予め記憶した複数の振動パターンから前記取得部により取得した振動情報にマッチする振動パターンと、が一致するか否かを判断する一致判定部と、
該一致判定部により一致すると判断する回数が所定回数を超えた場合に、第2状態と判断する第7判断部と
を備える付記17に記載の制御装置。
(付記19)
前記第2判断部により、一致しないと判断した場合に、時系列で最後に分類された振動パターン以外の振動パターンと、予め記憶した複数の振動パターンから前記取得部により取得した振動情報にマッチする振動パターンと、が一致するか否かを判断する一致判定部と、
該一致判定部により一致すると判断した振動パターンの時系列順位に応じて変動する変動回数を設定する設定部と、
該一致判定部により一致すると判断する回数が前記設定部により設定した変動回数を超えた場合に、第2状態と判断する第7判断部と
を備える付記17に記載の制御装置。
(付記20)
測位装置を制御するコンピュータに用いられるプログラムおいて、
コンピュータを、
速度及び振動情報を取得する取得部により取得した速度が所定速度を超える場合に、第1状態と判断する第1判断部と、
第1状態へ移行した場合に、前記測位装置の測位周期を第1周期へ変更する第1変更部と、
前記取得部により取得した速度が前記所定速度以下の場合に、第2状態と判断する第2判断部と、
第2状態へ移行した場合に、前記測位装置の測位周期を第1周期より短い第2周期へ変更する第2変更部と、
前記第2状態へ移行した後、前記取得部により取得した速度が前記所定速度を超える場合、第1状態へ移行する第1移行部と、
前記第2状態へ移行した後、前記取得部により取得した振動情報が予め記憶した振動パターンにマッチした場合、第3状態と判断する第3判断部と
して機能させるプログラム。
(付記21)
制御部を有するコンピュータにより測位装置を制御する制御方法おいて、
速度及び振動情報を取得する取得部により取得した速度が所定速度を超える場合に、前記制御部が第1状態と判断し、
第1状態へ移行した場合に、前記制御部が、前記測位装置の測位周期を第1周期へ変更し、
前記取得部により取得した速度が前記所定速度以下の場合に、前記制御部が、第2状態と判断し、
第2状態へ移行した場合に、前記制御部が、前記測位装置の測位周期を第1周期より短い第2周期へ変更し、
前記第2状態へ移行した後、前記制御部が、前記取得部により取得した速度が前記所定速度を超える場合、第1状態へ移行し、
前記第2状態へ移行した後、前記制御部が、前記取得部により取得した振動情報が予め記憶した振動パターンにマッチした場合、第3状態と判断する
制御方法。