JP2011145099A - 自動車におけるタイヤの配置方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車の走行安定性を向上させることができるタイヤの配置方法を提供する。
【解決手段】先ず、前輪側のタイヤが未装着の各車輪取付部の姿勢角に基づいて各車輪取付部での車輪横力を算出する前輪側車輪横力算出工程(STEP2)と、前輪側に取り付けられる2つのタイヤの残留コーナリングフォースの合力の目標値を設定するRCF目標値設定工程(STEP3)とを行う。次いで、予め測定された4つのタイヤの残留コーナリングフォースを用い、残留コーナリングフォースの合力がRCF目標値設定工程により設定された目標値に最も近い値となる2つのタイヤを選出して、前輪側の各車輪取付部に配置する前輪側タイヤ配置工程(STEP7)を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、4つのタイヤから自動車車体の各車輪取付部に取り付けるタイヤを選択して配置するタイヤの配置方法に関する。
自動車における走行時の直進性は、その車体の車輪取付部に取り付けられるタイヤに影響される。そして、各車輪取付部に取り付けられるタイヤは、同一種のタイヤであっても構造上避けることができない個体差を有しており、個々のタイヤ毎に車体に取り付けた際の挙動が異なっている。このため、左右の車輪取付部に取り付けられるタイヤのバランスが崩れていると、車体の直進性が阻害され、例えばハンドルから手を離したときに所定の距離を走行する間に、その直進方向の線に対して片側に位置ずれする横流れが生じる。
従来、自動車車体の各車輪取付部にタイヤを取り付けるとき、個々のタイヤが備えている横流れの性質を残留コーナリングフォースに基づいて把握し、左右に取り付けたタイヤ同士の残留コーナリングフォースの合力が小さくなるように配置する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−49113号公報
しかし、自動車における走行時の直進性は、車輪取付部に取り付けられるタイヤの性質だけでなく、車体の設けられている各車輪取付部の製造時の組み付け状態に起因する各車輪取付部の夫々が有している姿勢角(例えば、キャンバー角等)や、路面カント(路上の排水性を得るための路面の傾き)によっても影響される。
このため、左右に取り付けたタイヤ同士の残留コーナリングフォースの合力が小さくなるようにタイヤを配置するだけでは、左右の車輪取付部の姿勢角の違いや路面カントに影響を受けて走行状態を良好に安定させることができない。
上記の点に鑑み、本発明は、自動車の走行安定性を向上させることができるタイヤの配置方法を提供することを目的とする。
本発明は、4つのタイヤから自動車車体の各車輪取付部に取り付けるタイヤを選択して配置するタイヤの配置方法であって、前輪側におけるタイヤが未装着の左右の車輪取付部の姿勢角に基づいて、両車輪取付部における車輪横力を算出する前輪側車輪横力算出工程と、前記前輪側車輪横力算出工程により算出された両車輪横力の合力に基づいて、前輪側に取り付けられる2つのタイヤの残留コーナリングフォース(RCF)の合力の目標値を設定するRCF目標値設定工程と、前記4つのタイヤの夫々について予め測定された正逆の各回転方向における残留コーナリングフォースを用い、前記4つのタイヤのうち何れか2つのタイヤを組み合わせたときの残留コーナリングフォースの合力が前記RCF目標値設定工程により設定された目標値に最も近い値(目標値に等しい値も含む)となる2つのタイヤを選出して、前輪側の各車輪取付部に配置する前輪側タイヤ配置工程とを備えることを特徴とする。
本発明においては、先ず、前記前輪側車輪横力算出工程により、前輪側のタイヤが未装着の各車輪取付部の姿勢角に基づいて車輪横力が算出される。具体的には、姿勢角として例えばキャンバー角を用いる。車輪取付部のキャンバー角は、車輪取付部にタイヤを取り付けたときの鉛直方向の軸線に対するタイヤの傾き角度であるが、このタイヤの傾き角度は車輪取付部の傾き角度を反映したものとなる。車輪取付部のキャンバー角により傾いたタイヤは、タイヤの傾いた方向に横力が発生する。このことから、前輪側の左右の車輪取付部のキャンバー角に基づいて、残留コーナリングフォースが0であるタイヤを両車輪取付部に取り付けた場合を想定した車輪横力を算出することができる。
なお、残留コーナリングフォースは、キャンバー角が0であるとき、セルフアライニングトルクが0となるスリップ角でのタイヤのコーナリングフォースである。なお、セルフアライニングトルクは、転動するタイヤにスリップ角を与えたとき、路面に直交してタイヤの中心を通る軸線回りに発生するモーメントであり、コーナリングフォースは、転動するタイヤの進行方向に直交してタイヤの中心を通る方向に発生する力(即ちスリップ角に対応する横力)である。残留コーナリングフォースは、タイヤの横流れ量に相関している。
次いで、前記RCF目標値設定工程により、前輪側に取り付けられる2つのタイヤの残留コーナリングフォースの合力の目標値が設定される。この目標値は、前記前輪側車輪横力算出工程により算出された両車輪横力の合力に基づく値であり、更に好ましくは、路面カント等の自動車の走行環境の影響による車体の横流れを加味した値とする。即ち、残留コーナリングフォースが0であるタイヤを前輪側の左右の車輪取付部に取り付けた場合を想定したとき、走行状態の車体の挙動は、各車輪取付部の車輪横力の合力の影響と共に路面カントの影響を受ける。従って、前記RCF目標値設定工程においては、各車輪取付部の車輪横力の合力の影響と路面カントの影響とを打ち消すような2つのタイヤの残留コーナリングフォースの合力が目標値として設定される。なお、路面カントが車体に与える影響は、自動車の右側走行地域と左側走行地域とで異なるため、上記目標値は自動車の走行地域に応じて設定される。
続いて、前記前輪側タイヤ配置工程により、4つのタイヤのうち前輪側の左右の車輪取付部に取り付けるべき2つのタイヤを選出し、各車輪取付部に配置する。即ち、4つのタイヤのうち、2つのタイヤを1組として、前輪側の左右の車輪取付部に取り付けた場合の12通りの組み合わせを作り、12組の両タイヤの残留コーナリングフォースの合計値(合力)を求める。
4つのタイヤは、その各々に対して正回転の残留コーナリングフォースと、逆回転の残留コーナリングフォースとが予め測定されている。タイヤは、右側の車輪取付部に取り付けた場合と、左側の車輪取付部に取り付けた場合とで回転方向が逆になる。従って、例えば、タイヤを右側の車輪取付部に取り付けた場合にはそのタイヤが正回転したときの残留コーナリングフォースが用いられ、タイヤを左側の車輪取付部に取り付けた場合にはそのタイヤが逆回転したときの残留コーナリングフォースが用いられる。
次いで、残留コーナリングフォースの合力が前記RCF目標値設定工程により設定された目標値に最も近い値となる1組(2つのタイヤ)を12通りの組み合わせのなかから選出する。そして、選出された2つのタイヤを前輪側の各車輪取付部に配置する。
これにより、車体の前輪側において各車輪取付部の姿勢角の影響や走行環境の影響が最も抑制できるタイヤを前輪側の左右の車輪取付部に取り付けることができ、車体の走行安定性を向上させることができる。
また、本発明では更に、後輪側におけるタイヤが未装着の左右の車輪取付部の姿勢角に基づいて、両車輪取付部における車輪横力を算出する後輪側車輪横力算出工程と、前記前輪側車輪横力算出工程により算出された両車輪横力の合力、前記前輪側タイヤ配置工程により前輪側に配置される2つのタイヤの予め測定されたラテラルフォースデビエーション(LDF)の合力、及び、前記後輪側車輪横力算出工程により算出された両車輪横力の合力に基づいて、後輪側に取り付けられる2つのタイヤのラテラルフォースデビエーションの合力の目標値を設定するLDF目標値設定工程と、前記前輪側タイヤ配置工程により選出されたタイヤを除く2つのタイヤの夫々について予め測定された正逆の各回転方向におけるラテラルフォースデビエーションを用い、この2つのタイヤの回転方向が異なる組み合わせにおけるラテラルフォースデビエーションの合力が、前記LDF目標値設定工程により設定された目標値に最も近い値(目標値に等しい値も含む)となるように2つのタイヤを後輪側の各車輪取付部に配置する後輪側タイヤ配置工程とを備えることを特徴とする。
前記後輪側車輪横力算出工程は、前記前輪側車輪横力算出工程と同様にして行われる。また、前記後輪側車輪横力算出工程は、前記前輪側車輪横力算出工程と同時に行うこともできる。
前記LDF目標値設定工程においては、後輪側に取り付けられる2つのタイヤのラテラルフォースデビエーションの合力の目標値が設定される。ラテラルフォースデビエーションは、スリップ角とキャンバー角とが共に0であるときに、タイヤの回転軸線方向に発生する力(即ち直進転動時の横力)の変動の平均値である。ラテラルフォースデビエーションには、タイヤの回転方向に関係なく常に一定方向に発生する横力を表すコニシティと、タイヤの回転方向によって発生する方向の変わる横力を表すプライステアとがあるが、その何れを用いてもよい。4つのタイヤは、その各々に対してのラテラルフォースデビエーションが予め測定されていており、右側の車輪取付部に取り付けた場合と、左側の車輪取付部に取り付けた場合とで夫々対応するラテラルフォースデビエーションが用いられる。
前記LDF目標値設定工程において設定される目標値は、車体の前輪側と後輪側との横力の差異に伴って車体重心まわりに発生する旋回モーメントを考慮した値となっている。即ち、前記前輪側車輪横力算出工程により算出された両車輪横力の合力と、前記前輪側タイヤ配置工程により前輪側に配置される2つのタイヤのラテラルフォースデビエーションの合力との作用により車体前輪側に横力が発生しているとき、車体後輪側に発生する横力に応じて車体重心まわりに旋回モーメントが発生する。
そして、前記後輪側車輪横力算出工程により算出された両車輪横力の合力と車体重心まわりに発生する旋回モーメントとの関係から、車体の後輪側の左右の車輪取付部に取り付けられるべき2つのタイヤのラテラルフォースデビエーションの合力を目標値として設定する。
前記後輪側タイヤ配置工程は、前記前輪側タイヤ配置工程の後に行われることにより、既に前側に配置された2つのタイヤを除く残りの2つのタイヤについて行われ、効率的である。該後輪側タイヤ配置工程においては、先ず、2つのタイヤで、後輪側の左右の車輪取付部に取り付けた場合の2通りの組み合わせを作り、夫々の組み合わせによるタイヤのラテラルフォースデビエーションの合計値(合力)を求める。次いで、ラテラルフォースデビエーションの合力が前記LDF目標値設定工程において設定された目標値に最も近い値となる2つのタイヤの組み合わせを選出して後輪側の各車輪取付部に配置する。
上記の旋回モーメントは、ハンドルのスポーク角ずれ(ハンドルを回していないときでも車体が旋回してしまう現象)に影響を与えるものである。そして、本発明においては、目標値とする後輪側の2つのタイヤのラテラルフォースデビエーションの合力が、車体重心まわりに発生する旋回モーメントを考慮したものとされているので、ハンドルのスポーク角ずれを抑制するように2つのタイヤを前輪側の左右の車輪取付部に配置することができ、車体の走行安定性を一層向上させることができる。
本発明の実施形態によるタイヤの配置方法を説明するブロック図。 本実施形態において採用した車体のアライメント測定装置の概略構成を示す説明図。 車輪取付部のキャンバー角の測定を示す説明図。 本実施形態におけるタイヤの配置方法を模式的に示す説明図。 本実施形態において採用したタイヤの測定装置を模式的に示す説明図。 タイヤに作用する各方向の力及びモーメントの説明図。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態におけるタイヤの配置方法は、図1に概略の流れを示すように、車体の車輪取付部に対する測定と、4つのタイヤに対する測定とを行い、その後、各車輪取付部に取り付けるべきタイヤを選出して配置するものである。
図1に示すように、本実施形態においては、先ず、STEP1で車体に設けられている前輪側の左右と後輪側の左右とで4つの車輪取付部について姿勢角の一つであるキャンバー角を測定する。
各車輪取付部のキャンバー角の測定は、各車輪取付部にタイヤが未装着の状態で行われ、例えば、特許第4128920号公報に記載されたキャンバー角を測定する装置を用いることができる。
この装置について簡単に説明する。図2において、1は自動車車体2を支持するハンガであり、図示しない組立ラインに沿って該車体2を搬送する。該ハンガ1による車体2の搬送路の下方には、キャンバー角測定装置3が設けられている。該キャンバー角測定装置3の直上位置に搬送される車体2は、組立ラインにおいて図示しない操舵装置及び懸架装置4が組付けられ、操舵装置のステアリング位置が中立位置に調整されている。また、車体2に懸架装置4を介して設けられた車輪取付部5は、タイヤが未だ取り付けられていず、ハンガ1による車体2の吊り下げ支持によって昇降自在に垂れ下がった状態とされている。
該キャンバー角測定装置3は、図1に示すように、車輪取付部5を上昇させる車輪取付部上昇手段6と、車輪取付部5の高さ位置を測定する第1測定手段7と、該車輪取付部5のキャンバー角を測定する第2測定手段8とを備えている。
前記車輪取付部上昇手段6は、車体2の各車輪取付部5に対応して4箇所に設けられ(図2においては前輪側のみを示し、後輪側を図示省略している)、車輪取付部5にその下方から当接する当接部材9と、該当接部材9を一体に支持する昇降自在の昇降板10と、該昇降板10を介して当接部材9に当接された車輪取付部5を上昇させる第1シリンダ11とを備えている。また、第1シリンダ11が設けられている第1テーブル12は、垂直に立設された支柱13に備える案内レール14に沿って昇降自在に設けられている。該第1テーブル12の下方位置には案内レール14に沿って昇降自在の第2テーブル15が設けられ、該第2テーブル15には第1テーブル12を昇降させる第2シリンダ16が設けられている。更に、該第2テーブル15は、前記支柱13の下部のブラケット17に設けられた第3シリンダ18により昇降される。
また、第2テーブル15には棒状に形成された車体姿勢検出手段19が立設されている。該車体姿勢検出手段19はその先端に、第2テーブル15の上昇により車体2底部の懸架装置4基端部に当接されたことを検知するセンサ20を備えている。そして、該センサ20によって車体2底部の懸架装置4基端部への当接が検知されたとき、第3シリンダ18の作動が停止され第2テーブル15の位置を保持する。車体姿勢検出手段19は車体2の各車輪取付部5に対応する4箇所に設けられており、センサ20の検知によって第2テーブル15による上昇が停止されたとき、左右一対ずつの車体姿勢検出手段19の位置の差(具体的には、例えば、第3シリンダ18の伸長寸法の差等)からハンガ1上での車体の車幅方向の傾きを検出する。
前記第1測定手段7は、前記第1テーブル12に設けられたレーザセンサであり、昇降板10の上昇距離を計測することによって車輪取付部5の軸心位置を測定する。また、前記第2測定手段8は、図3に示すように、3つのレーザセンサ(第1センサ21、第2センサ22、第3センサ23)によって構成され、第1テーブル12と共に前記第1シリンダ11により昇降される。第1センサ21、第2センサ22、及び第3センサ23は、車輪取付部5の3つの点e,f,gに夫々対峙している。そして、第1センサ21は車輪取付部5のe点までの距離E、第2センサ22は車輪取付部5のf点までの距離F、第3センサ23は車輪取付部5のg点までの距離Gを夫々計測する。第1センサ15、第2センサ16及び第3センサ17とによって計測される距離の違いからe点とf点乃至g点間の中心点との垂直方向の変位を測定し、この変位からキャンバー角を検出する。
そして、車輪取付部上昇手段6によって車輪取付部5を上昇させつつ、第1測定手段7による車輪取付部5の位置測定と、前記第2測定手段8によるキャンバー角の測定とを行い、その後、図示しないコンピュータ等の演算手段により、前記車体姿勢検出手段19によって測定された車体の車幅方向の傾きに基づいてキャンバー角が修正され、完成車状態の車輪取付部5の位置に対応するキャンバー角が算出される。
次いで、図1及び図4(a)に示すように、STEP2で車体の前輪側の車輪横力を前記演算手段により算出する(前輪側車輪横力算出工程)。車体の前輪側の車輪横力は、前輪側の左右の車輪取付部5のキャンバー角に基づいて算出することができる。即ち、車輪取付部5に残留コーナリングフォース(以下RCFと記す)が0のタイヤを取り付けた場合を想定すると、タイヤは、車輪取付部5のキャンバー角により傾斜姿勢となれた方向に横力が生じる。このことから、前輪側の左右の車輪取付部5のキャンバー角に伴う夫々の横力が車輪横力として算出される。
続いて、STEP3で、前輪側に取り付けられるべき2つのタイヤのRCFの合力の目標値(以下RCF目標値という)を設定する(RCF目標値設定工程)。RCF目標値は、前輪側の左右の車輪横力の合力と路面カント等の影響による車体の挙動(横力)とに基づいて前記演算手段により算出される。従って、RCF目標値は、前輪側の左右の車輪取付部5による車輪横力の合力の影響と、路面カントの影響とを打ち消すのに最も有効となる2つのタイヤのRCFの合力となる。
一方、STEP4では、4つのタイヤについての空気圧測定を行い、次いで、STEP5で各タイヤ毎に正転と逆転との両方についてのRCF及びラテラルフォースデビエーション(以下LFDと記す)の測定を行う。
各タイヤのRCF及びLFDの測定は、例えば、図5に示す装置を用いて行われる。この装置は、図5に示すように、平板状の可動テーブル26と、タイヤWを回転自在に支持するタイヤ支持軸25と、タイヤ支持軸25を介してタイヤWを昇降させる昇降フレーム26と、昇降フレーム26を介してタイヤWを移動させる移動フレーム27とを備えている。
可動テーブル26は、複数のレール28に摺動自在に支持されており、図示しないモータ等の適宜の駆動手段によりレール28に沿って水平方向に移動される。
タイヤ支持軸25は、6分力センサ29を備えて昇降フレーム26に設けられている。
昇降フレーム26は、図示しないモータ等の適宜の駆動手段により昇降され、下降状態においては、タイヤ支持軸25に支持されたタイヤWに所定の荷重を付与してタイヤWを可動テーブル26の上面に圧接する。
移動フレーム27は、可動テーブル26の移動方向に直交して水平に延びるレール30に摺動自在に支持され、図示しないモータ等の適宜の駆動手段によりレール30に沿って移動される。そして、6分力センサ29から出力される検出データに基づいて、前記演算手段が所望の測定値を算出するようになっている。
6分力センサ29は、図6に示すように、タイヤWに作用する3軸方向の3つの力(Fx,Fy,Fz)と、各軸回りの3つのモーメント(Mx,My,Mz)の6分力を検出データとして出力するセンサであり、周知のものが使用される。
そして、図5に示すように、測定対象となるタイヤWをタイヤ支持軸25に取り付け、タイヤWを可動テーブル26上に所定の荷重(通常は車体重量と同等の荷重とされる)で圧接し、この状態で移動フレーム27をレール30に沿って所定の速度で移動させる。
これにより、可動テーブル26上をタイヤWが転動し、この間に6分力センサ29による測定を行う。
即ち、移動フレーム27を移動させ、タイヤWが転動している間に、タイヤWの転動方向に直交する方向に可動テーブル26を移動させる。これにより、タイヤWにスリップ角を付与したのと同様の状態として、路面に直交してタイヤWの中心を通る鉛直方向の軸線回りに発生するモーメントMz(図6参照)をセルフアライニングトルクとして測定すると共に、タイヤWの進行方向に直交する方向に発生する力Fyをコーナリングフォースとして測定する。その後、前記演算手段により、セルフアライニングトルクMzが0のときのコーナリングフォースFy(図6参照)をRCFとして算出する。なお、このとき、移動フレーム27を往復移動させることにより、タイヤWが正転時のRCFと、タイヤWが逆転時のRCFとが得られる。
また、移動フレーム27を移動させ、タイヤWのスリップ角が0のときの回転軸線方向に発生する力Fy(直進転動時の横力)の変動の平均値をLFDとして測定する。このとき、移動フレーム27を往復移動させることにより、タイヤWが正転時のLFDと、タイヤWが逆転時のLFDとが得られる。
なお、タイヤWのRCF及びLFDの測定については、上述の装置以外の装置を用いてもよい。また、タイヤWのRCFの値及びLFDの値が予め判明している場合(例えば、タイヤの製造時に正確なRCF及びLFDが既に測定されている場合等)には、そのRCFの値及びLFDの値を用いることができるので、STEP5におけるRCF及びLFDを測定する工程を省略してもよい。
次いで、図1に示すように、STEP6で4つのタイヤのうち、2つのタイヤを1組として、前輪側の左右の車輪取付部5に取り付けた場合の12通りの組み合わせを作り、前記演算手段により12組のタイヤ毎にRCFの合計値(合力)を算出する。
そして、図1及び図4(b)に示すように、STEP7で、12通りのタイヤの組み合わせのなかから、RCFの合計値がSTEP3により設定したRCF目標値に最も近い値となる1組(2つのタイヤ)を選出する。これにより、前輪側の左右の車輪取付部5に配置するタイヤが決定される(前輪側タイヤ配置工程)。
更に、図1に示すように、STEP8で車体の後輪側の車輪横力を前記演算手段により算出する(後輪側車輪横力算出工程)。車体の後輪側の車輪横力も、前述した前輪側の車輪横力と同様にして、後輪側の左右の車輪取付部のキャンバー角に基づいて算出される。
続いて、STEP9では、後輪側に取り付けられるべき2つのタイヤWのLDFの合力の目標値(以下LDF目標値という)を設定する(LDF目標値設定工程)。LDF目標値は、車体重心まわりに発生する旋回モーメントを加味して求められたものである。即ち、図4(c)に示すように、前輪側の車輪取付部5にタイヤを取り付けると、前輪側の車輪取付部5のキャンバー角に伴う車輪横力と、前輪側の車輪取付部5に取り付けたタイヤのLDFとの影響により車体の前輪側に横力(前側車体横力)が発生する。このとき、同様にして、後輪側の車輪取付部にタイヤを取り付けると、後輪側の車輪取付部のキャンバー角に伴う車輪横力と、後輪側の車輪取付部に取り付けたタイヤのLDFとの影響により車体の後輪側に横力(後側車体横力)が発生する。そして、前側車体横力と後側車体横力とを求めることで、車体重心まわりに発生する旋回モーメントの大きさが算出される。そして、前記前輪側タイヤ配置工程によって前輪側に配置するタイヤが既に選定されており、後輪側の車輪取付部のキャンバー角に伴う車輪横力が算出されていることから、後輪側の車輪取付部に取り付けるべきタイヤのLDFによって、後側車体横力を操作することが可能となる。従って、LDF目標値は、車体重心まわりの旋回モーメントを所望の大きさとするのに必要となる2つのタイヤのLDFの合力となる。
また、図1に示すように、STEP10においては、STEP7を経て残り2つとなったタイヤにより、左右異なる配置により2通りの組み合わせを作り、前記演算手段により2通りの組み合わせタイヤ毎にLFDの合計値(合力)を算出する。
そして、STEP11では、2通りのタイヤの組み合わせのなかから、LFDの合力がSTEP9により設定されたLDF目標値に最も近い値となる1つの組み合わせを選出する。これにより、後輪側の左右の車輪取付部における2つのタイヤの配置が決定される(後輪側タイヤ配置工程)。
以上のように、前輪側へのタイヤの選択の後に後輪側のタイヤを選択するので、4つのタイヤの各車輪取付部への配置を極めて効率良く行うことができる。しかも、4つのタイヤの各車輪取付部への配置は、車体の前輪側の車輪横力、走行環境(路面カント)、車体の後輪側の車輪横力、車体重心まわりの旋回モーメント、各タイヤのRCF及びLDFの影響を全て考慮したものであるため、車体の走行安定性を確実に向上させることができる。
2…自動車車体、5…車輪取付部、W…タイヤ。

Claims (2)

  1. 4つのタイヤから自動車車体の各車輪取付部に取り付けるタイヤを選択して配置するタイヤの配置方法であって、
    前輪側におけるタイヤが未装着の左右の車輪取付部の姿勢角に基づいて、両車輪取付部における車輪横力を算出する前輪側車輪横力算出工程と、
    前記前輪側車輪横力算出工程により算出された両車輪横力の合力に基づいて、前輪側に取り付けられる2つのタイヤの残留コーナリングフォースの合力の目標値を設定するRCF目標値設定工程と、
    前記4つのタイヤの夫々について予め測定された正逆の各回転方向における残留コーナリングフォースを用い、前記4つのタイヤのうち何れか2つのタイヤを組み合わせたときの残留コーナリングフォースの合力が前記RCF目標値設定工程により設定された目標値に最も近い値となる2つのタイヤを選出して、前輪側の各車輪取付部に配置する前輪側タイヤ配置工程とを備えることを特徴とする自動車におけるタイヤの配置方法。
  2. 後輪側におけるタイヤが未装着の左右の車輪取付部の姿勢角に基づいて、両車輪取付部における車輪横力を算出する後輪側車輪横力算出工程と、
    前記前輪側車輪横力算出工程により算出された両車輪横力の合力、前記前輪側タイヤ配置工程により前輪側に配置される2つのタイヤの予め測定されたラテラルフォースデビエーションの合力、及び、前記後輪側車輪横力算出工程により算出された両車輪横力の合力に基づいて、後輪側に取り付けられる2つのタイヤのラテラルフォースデビエーションの合力の目標値を設定するLDF目標値設定工程と、
    前記前輪側タイヤ配置工程により選出されたタイヤを除く2つのタイヤの夫々について予め測定された正逆の各回転方向におけるラテラルフォースデビエーションを用い、この2つのタイヤの回転方向が異なる組み合わせにおけるラテラルフォースデビエーションの合力が、前記LDF目標値設定工程により設定された目標値に最も近い値となるように2つのタイヤを後輪側の各車輪取付部に配置する後輪側タイヤ配置工程とを備えることを特徴とする請求項1記載の自動車におけるタイヤの配置方法。
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