JP2006118922A - ホイールアライメント測定装置及び同測定方法 - Google Patents

ホイールアライメント測定装置及び同測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 コストを抑えるとともにメンテナンスが楽に行え、また、装置が大掛かりとならず、測定が簡単に且つ精度良く行えるようにすることにある。
【解決手段】 車輪13の側方に配置され、車輪13の側面に向けて投光部76,77と、この投光部76,77から発したスリット光を反射させるために車輪13の側部に設けた反射板22と、この反射板22で反射した反射光を当てるために投光部76,77に一体的に設けたボード72と、このボード72上に当たった反射光の位置を測定する測定機構と、を備え、この測定された反射光位置の基準位置からのずれ量t,sと、反射板22からボード72までの距離sとに基づいて車輪13のトー角α及びキャンバー角βを求める。
【選択図】 図16

Description

本発明は、ホイールアライメント測定装置及び同測定方法の改良に関するものである。
従来のホイールアライメント測定装置及び同測定方法として、プラットホーム側とアライメント測定対象となる車輪側とにそれぞれレーザプロジェクタ及びレーザ反射板を備え、各レーザプロジェクタから照射されたレーザ光を各レーザ反射板で反射させて、レーザプロジェクタからレーザ反射板までの距離を測定するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−250914号公報
特許文献1を以下に説明する。なお、符号については同公報に記載されているものを使用した。
特許文献1の図1には、プラットホーム側に固定された3つのプラットホーム側レーザプロジェクタ7A,7B,7Cと、被試験車両Vの車輪Wに取付けられ、各プラットホーム側レーザプロジェクタ7A,7B,7Cから照射されたレーザ光を反射するホイール側レーザ反射板2と、このホイール側レーザ反射板2上に配置された3つのホイール側レーザプロジェクタ6A,6B,6Cと、ホイール側レーザ反射板2の上方に配置され、2つのホイール側レーザプロジェクタ6B,6Cから照射されたレーザ光を反射するプラットホーム側上方レーザ反射板4と、ホイール側レーザ反射板2の前方に配置され、ホイール側レーザプロジェクタ6Aから照射されたレーザ光を反射するプラットホーム側前方レーザ反射板3からなるホイールアライメント測定装置が記載されている。
特許文献1のホイールアライメント測定装置では、多数のレーザプロジェクタ6A〜6C,7A〜7C及び多数のレーザ反射板2,3,4とを必要とするため、コストが嵩むとともにそれぞれのメンテナンスが容易ではない。
また、車輪Wの側方上方、側方前方をレーザ反射板3,4を取付けるブラケット8で覆うため、装置が大掛かりとなり、設置や撤去に多くの手間が掛かる。
更に、多くのレーザプロジェクタ6A〜6C,7A〜7Cで測定した距離データに基づいて複雑な計算を行わなければならない。
本発明の目的は、ホイールアライメント測定装置及び同測定方法を改良することで、コストを抑えるとともにメンテナンスが楽に行え、また、装置が大掛かりとならず、測定が簡単に且つ精度良く行えるようにすることにある。
請求項1に係る発明は、車輪のホイールアライメントを測定するために、その測定部を車輪の位置に応じて車両前後方向及び車幅方向に移動可能なホイールアライメント測定装置であって、車輪の側方に配置され、車輪側面に向けてスリットを通過した線状のスリット光を発するスリット光投光部と、このスリット光投光部から発したスリット光を反射させるために車輪の側部に設けた反射板と、この反射板で反射した反射光を当てるためにスリット投光部に一体的に設けたボードと、このボード上に当たった反射光の位置を測定する測定機構と、を備え、この測定された反射光位置の基準位置からのずれ量と、反射板からボードまでの距離とに基づいて車輪のホイールアライメントを求めることを特徴とする。
ホイールアライメント測定装置は、スリット投光部、反射板、ボード、測定部から構成されるため、従来のホイールアライメント測定装置に比べて構造が簡単になり、また、装置が大掛かりとならない。
更に、測定機構によって、ボード上の反射光の位置を測定し、この測定された反射光位置の基準位置からのずれ量と、反射板からボードまでの距離とに基づいて車輪のホイールアライメントを求めるので、測定が簡単に且つ精度良く行える。
請求項2に係る発明は、上記構成において、好ましくは、スリット光投光部に、縦線状に延びるスリット光を照射する縦光投光部を備え、この縦光投光部から反射板にスリット光を照射することで車輪のトー角を測定することを特徴とする。
縦光投光部から発せられた縦線状に延びるスリット光は、車輪に取付けた反射板でトー角の2倍の角度だけ横に振れて反射し、ボードに照射される。
請求項3に係る発明は、上記構成において、好ましくは、スリット光投光部に、横線状に延びるスリット光を照射する横光投光部を備え、この横光投光部から反射板にスリット光を照射することで車輪のキャンバー角を測定することを特徴とする。
横光投光部から発せられた横線状に延びるスリット光は、車輪側に設けられた反射板でキャンバー角の2倍の角度だけ縦に振れて反射し、ボードに照射される。
請求項4に係る発明は、スリットを通過した縦線状のスリット光を発する縦光投光部からスリット光を車輪に向けて車両の車長方向に直交するように照射し、車輪の側部に設けた反射板に入射したスリット光を反射板で反射させてその反射光を縦光投光部側に車長方向に直交するように向けたボードに当て、このボードに映った反射光と縦光投光部との車長方向の距離tと、ボードと反射板におけるスリット光が反射する点との車幅方向の距離sとを測定し、トー角αをα=0.5tan−1(t/s)の式にて算出することを特徴とする。
ボードに映った縦線状の反射光と縦光投光部との距離tと、ボードと反射板におけるスリット光が反射する点との距離sと、を測定すれば、トー角αをα=0.5tan−1(t/s)の式にて容易に算出することができる。
請求項5に係る発明は、スリットを通過した横線状のスリット光を発する横光投光部からスリット光を車輪に向けて水平に照射し、車輪の側部に設けた反射板に入射したスリット光を反射板で反射させてその反射光を横光投光部側に向けて鉛直に立てたボードに当て、このボードに映った反射光と横光投光部との上下方向の距離cと、ボードと反射板におけるスリット光が反射する点との車幅方向の距離sとを測定し、キャンバー角βをβ=0.5tan−1(c/s)の式にて算出することを特徴とする。
ボードに映った横線状の反射光と横光投光部との距離cと、ボードと反射板におけるスリット光が反射する点との距離sと、を測定すれば、キャンバー角βをβ=0.5tan−1(c/s)の式にて容易に算出することができる。
請求項1に係る発明では、ホイールアライメント測定装置は、スリット投光部、反射板、ボード、測定部から構成されるため、従来のホイールアライメント測定装置に比べて構造が簡単になり、コストを抑えることができ、メンテナンスを楽に行うことができる。また、装置が大掛かりとならず、装置の設置や撤去も簡単に行うことができる。
更に、測定機構によって、ボード上の反射光の位置を測定し、この測定された反射光位置の基準位置からのずれ量と、反射板からボードまでの距離とに基づいて車輪のホイールアライメントを求めるので、測定を簡単に且つ精度良く行うことができる。
請求項2に係る発明では、縦光投光部から発せられた縦線状に延びるスリット光は、車輪に設けた反射板でトー角の2倍の角度だけ横に振れて反射し、ボードに照射されので、ボード上に照射されたスリット光の左右の変位と、反射板、ボード間の距離とを測定すれば、トー角を簡単に求めることができる。
請求項3に係る発明では、横光投光部から発せられた横線状に延びるスリット光は、車輪側に設けられた反射板でキャンバー角の2倍の角度だけ縦に振れて反射し、ボードに照射されるので、ボード上に照射されたスリット光の上下の変位と、反射板、ボード間の距離とを測定すれば、キャンバー角を簡単に求めることができる。
請求項4に係る発明では、ボードに映った縦線状の反射光と縦光投光部との距離tと、ボードと反射板におけるスリット光が反射する点との距離sと、を測定することにより、トー角αをα=0.5tan−1(t/s)の式にて容易に算出することができる。
請求項5に係る発明では、ボードに映った横線状の反射光と横光投光部との距離cと、ボードと反射板におけるスリット光が反射する点との距離sと、を測定することにより、キャンバー角βをβ=0.5tan−1(c/s)の式にて容易に算出することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るホイールアライメント測定装置及び測定対象となる車輪を装着した車両の斜視図であり、ホイールアライメント測定装置10は、定盤11に載せた車両12の前輪13,14(手前側の符号13のみ示す。)及び後輪16,17(手前側の符号16のみ示す。)のそれぞれの側方に配置したものであり、ベースプレート18(又はベースプレート19)上に載せた測定部21から光を発し、その光を、前輪13,14、後輪16,17の側部にそれぞれ設けた反射板22で反射させ、その反射光を測定部21に映し、その映った光の位置を測定することで、前輪13,14及び後輪16,17のホイールアライメント、詳しくは、トー角及びキャンバー角を求める。
ここで、26,26(手前側の符号26のみ示す。)、27,27(手前側の符号27のみ示す。)は定盤11上の設けた支持板、31,31(手前側の符号31のみ示す。)は前輪13,14を載せるために支持プレート26,26に回転自在に取付けた前輪載置プレート、32,32(手前側の符号32のみ示す。)は後輪16,17を載せる後輪載置プレート、33は定盤11とベースプレート18(又はベースプレート19)とを連結する連結プレート、34は連結プレート33に起立可能に取付けた反射プレート、34Aは反射プレート34の反射面である。
図2は本発明に係るホイールアライメント測定装置と車両を載せる定盤とを示す平面図(図中の矢印(FRONT)は車両前方側を表す。)であり、定盤11の幅(図の上下方向の幅)の中心に中心線36を引いたときに、この中心線36の延びる方向を以下「車長方向(又はX方向)」と呼び、中心線36に直交する方向を以下「車幅方向(又はY方向)」と呼ぶ。
車両は、平面視でその車幅方向の中心線を図中の中心線36に合わせるようにして定盤11上に載せる。
前輪用の支持板26及び前輪載置プレート31は、定盤11に対してY方向に移動可能に取付けたものであり、後輪用の支持板27及び後輪載置プレート32は、定盤11に対してX方向及びY方向に移動可能に取付けたものである。従って、車種によってホイールベース、トレッドが異なっても、常に前輪、後輪をそれぞれ前輪載置プレート31及び後輪載置プレート32に載せることができる。
ベースプレート18,19は、それぞれ測定部21を支持する支持装置37,38を構成する部品であり、測定部21をX方向及びY方向に移動可能に支持する。
図3は本発明に係る測定部及び測定部の支持装置を示す要部平面図であり、支持装置37のベースプレート18にX方向に延ばしたX方向レール41,41及びY方向に延ばしたY方向レール42,42を介してXYテーブル43をX方向及びY方向にスライド自在に取付け、このXYテーブル43に測定部21を6本のボルト44で取付けたことを示す。図2に示した支持装置38のベースプレート19にも上記したベースプレート18と同様に測定部21を取付ける。
図4は図3の4−4線断面図であり、支持装置37は、床面46に複数の脚部材47を介して取付けた一対の下部支持プレート48と、これらの下部支持プレート48にそれぞれ取付けた角フレーム51と、これらの角フレーム51,51に渡したフレーム連結プレート52と、このフレーム連結プレート52の上に取付けた前述のベースプレート18と、XYテーブル43とからなる。
ベースプレート18にはX方向レール41,41を取付け、これらのX方向レール41,41にそれぞれX方向移動部材54をスライド自在に嵌合させ、これらのX方向移動部材54,54にそれぞれレール支持部材55を取付け、これらのレール支持部材55,55に2本のY方向レール42,42(手前側の符号42のみ示す。)をスライド自在に嵌合させ、これらのY方向レール42,42にXYテーブル43を取付ける。
ここで、56は脚部材47に設けたボルト部材、57は下部支持プレート48を挟み込んで固定する固定用ナット、58は下部支持プレート48の高さを調整する調整用ナット、61は測定部21(図3参照)の脚部プレートである。
図5は本発明に係る測定部の正面図であり、測定部21は、脚部71と、この脚部71に取付けたボード72と、このボード72に取付けた投光器73と、ボード72上に映った光の位置を測定するためにボード72の上部に取付けた測定機構74とからなる。
投光器73は、スリットを通過した縦線状のスリット光(以下「縦光」と記す。)を発する縦光投光部76と、スリットを通過した横線状のスリット光(以下「横光」と記す。)を発する横光投光部77とからなる。なお、脚部プレート61は脚部71の下部に備える部材である。
測定機構74は、ボード72の上部に取付けた横レール81と、ボート72上の光の鉛直方向の位置を測定するために横レール81に左右スライド自在に取付けた縦ゲージ82と、ボート72上の光の位置に合わせる十字カーソル83を設けるために縦ゲージ82に上下スライド自在に取付けた指示板84と、ボート72上の光の水平方向の位置を測定するためにボード72の上部に設けた横ゲージ85とからなる。
縦ゲージ82は、物差しとしての縦スケール87と、この縦スケール87に沿わせて配置した縦レール88と、縦スケール87の目盛りを読み取るために縦レール88にスライド自在に取付けるとともに指示板84を支える縦ゲージ読取り部91とからなる。
指示板84の十字カーソル83は、縦向きの縦カーソル93と、横向きの横カーソル94とからなる。
横ゲージ85は、ボード72の上端に取付けた物差しとしての横スケール96と、この横スケール96の目盛りを読み取るために縦ゲージ82に取付けた横ゲージ読取り部97とからなる。
図6は本発明に係る横ゲージの要部正面図であり、横ゲージ85の横ゲージ読取り部97に、横スケール96の目盛り101を読み取るための読取り窓102を開け、この読取り窓102に透明なレンズ103を嵌め、このレンズ103に、十字カーソル83(図5参照)の縦カーソル93(図5参照)の水平方向の位置に対応する位置を表す三角形状の横位置表示部104を設けたことを示す。即ち、この横位置表示部104の上方の目盛りを読めば、ボード72(図5参照)上に映った縦光の水平方向の位置が分かる。
図7は本発明に係る縦ゲージの要部正面図であり、縦ゲージ82の縦ゲージ読取り部91に、縦スケール87の目盛り106を読み取るための読取り窓107を開け、この読取り窓107に透明なレンズ108を嵌め、このレンズ108に、十字カーソル83(図5参照)の横カーソル94(図5参照)の鉛直方向の位置に対応する位置を表す三角形状の縦位置表示部111を設けたことを示す。即ち、この縦位置表示部111の右方の目盛りを読めば、ボード72(図5参照)上の横光の鉛直方向の位置が分かる。
図8は本発明に係る反射板及びこの反射板を支持する反射板支持部からなる反射板装置を示す断面図であり、反射板支持部115は、車輪(図1で説明した前輪13,14、後輪16,17)を取付けるための複数の車輪取付用ボルト118からホイールナット(不図示)を外した状態で、これらの車輪取付用ボルト118を利用して取付けるものであり、ホイールナットの役目をする複数のナット部121及びこれらのナット部121にそれぞれ一体に設けた六角穴付きボルト部122から構成される複数の締結部材123と、この締結部材123を回転自在に支持する円板124と、この円板124の中央から突出させるとともに球状凹部126aを形成した突出部126と、この突出部126の球状凹部126aに滑り自在に嵌合させた球状部127aを先端に形成した連結部127とからなり、この連結部127の先端に反射板22を取付ける。これらの反射板支持部115及び反射板22は、反射板装置129を構成するものである。
締結部材123は、六角穴付きボルト部122の六角穴122aに六角レンチ(不図示)を挿入してナット部121を回転させるようにした部材である。
突出部126と連結部127は、球面継手を構成する部材であり、円板124側に対して反射板22を任意の角度で傾けることが可能である。なお、131,131は突出部126に対して連結部127を固定するための固定用ボルトである。
反射板22は、連結部127に取付けるための嵌合部133と、この嵌合部133に取付けた円形の板状部134と、光を反射させるために板状部134に設けた凹部134aに設けた反射板本体135とからなる。なお、136は連結部127に嵌合部133を固定するためのおねじ136aを形成するとともに反射板22の向きを変えるときに使用するハンドルである。
図9は本発明に係る反射板装置の正面図であり、反射板装置129の反射板22、詳しくは、円形の板状部134は、鉛直に延ばした2本の線分141,141と、水平に延ばした2本の線分142,142とを前面に設けた部材であり、線分141,141は一つの直線に沿い、線分142,142も一つの直線に沿う。
以上に説明した定盤11、測定部21、支持板26,27、前輪載置プレート31、後輪載置プレート32、連結プレート33、反射プレート34、支持装置37,38、反射板装置129は、ホイールアライメント測定装置10を構成するものであり、上記のうち、反射板装置129の反射板22、測定部21のボード72、投光器73、測定機構74は主構成部を成すものである。
以上に述べたホイールアライメント測定装置10による測定方法を図10〜図17で順に説明する。
図10は本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第1作用図である。
まず、測定部21の前方に配置した反射プレート34を起立させ、この反射プレート34の反射面34Aを測定部21に向ける。このとき、反射面34Aは、車両前後方向、即ち中心線36に直交する方向を向いた状態にある。他の3つの反射プレート34も同様である。また、測定部21のボード72も中心線36に直交する方向に向いた状態にある。
図11(a)〜(c)は本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第2作用図である。
(a)において、縦光投光部76から縦光を反射プレート34(図10参照)に照射し、反射面34A(図10参照)で反射してボード72に映った縦光151に十字カーソル83の縦カーソル93を合わせる。そして、横ゲージ85の横ゲージ読取り部97で目盛りを読取る。読み取った値をトー角用基準値とする。
(b)において、横光投光部77から横光を反射プレート34(図10参照)に照射し、反射面34A(図10参照)で反射してボード72に映った横光152に十字カーソル83の横カーソル94を合わせる。そして、縦ゲージ82の縦ゲージ読取り部91で目盛りを読取る。読み取った値をキャンバー角用基準値とする。
(c)において、ボード72上に、原点が横スケール96(図11(a)参照)の0(ゼロ)及び縦スケール87(図11(b)参照)の0(ゼロ)となるXZ座標をとると、上記のトー角用基準値=X1、キャンバー角用基準値=Z1を座標(X1,Z1)で表すことができる。
以上の(a),(b)において、ボード72と反射プレート34とは平行であるため、縦光投光部76から照射した縦光は反射プレート34で反射してボード72上の縦光投光部76に当たるはずであるが、(a)の場合のように、縦光投光部76のボード72への取付精度によって縦光投光部76からずれることがある。この場合に、そのずれ量が許容範囲を外れたときには、縦光投光部76の縦光の照射方向を調整して許容範囲内となるようにする。
望ましくは、反射縦光投光部76から照射した縦光が反射プレート34で反射してボード72上の縦光投光部76に当たるように初めから縦光投光部76の縦光の照射方向を調整するのがよい。横光投光部77についても同様である。このとき、縦光151(X=X1)は縦光投光部76に一致し、横光152(Z=Z1)は横光投光部77に一致する。
図12は本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第3作用図であり、車両12を定盤11上に移動させ、前輪13,14を前輪載置プレート31,31上に載せ、後輪16,17を後輪載置プレート32,32上に載せる。なお、定盤11に対する前輪載置プレート31,31、後輪載置プレート32,32の位置調整を予め行っておく。
図13は本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第4作用図である。
反射板支持装置115の各締結部材123に設けた六角穴122aに六角レンチ155を嵌め、矢印の向きに回して車輪取付用ボルト118にねじ込み、車輪側に反射板装置129を取付ける。
そして、反射板本体135の反射面135Aが車輪の回転軸と直交するように調整する。詳しくは、車両をジャッキアップし、車輪を定盤から浮かせた状態で、縦光投光部から縦光を反射面135Aに照射し、この反射光をボードに当てる。
そして、車輪を回転させて、ボードに当てた縦光の変位状態を観察する。縦光が変位する場合は、車輪の回転を止めて固定用ボルト131,131を弛め、反射板22が首振り可能な状態としてハンドル136で反射面135Aの向きを調整し、固定用ボルト131,131を締め付けて反射板22を固定する。
次に、再び車輪を回転させ、縦光が変位するかを確認し、まだ変位があるときは、固定用ボルト131,131を弛めて反射面135Aの向きを調整し、調整後は固定用ボルト131,131を締め付ける。以上を縦光の変位が無くなるまで繰り返す。
このとき、板状部134の前面に描いた線分141,141(図9参照)が上下に位置するように、即ち、反射板22に当てた縦光に線分141,141が合うように反射板22を回転させる作業も同時に実施する。
図14は本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第5作用図である。
縦光投光部から縦光を板状部134に照射し、板状部134の前面に描いた縦の線分141,141に縦光が当たるように、図12において、矢印Aで示すように、各測定部21をX方向に移動させる。次に、各車輪13,14,16,17に設けた反射面135A(図13参照)と各測定部21、詳しくは、ボード72(図5参照)との車幅方向の距離が同じになるように、各測定部21を矢印Bで示すようにY方向へ移動させる。
図15(a)〜(c)は本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第6作用図である。
(a)において、縦光を反射板本体の反射面135A(図14参照)に照射し、反射面135Aで反射してボード72に映った縦光151に十字カーソル83の縦カーソル93を合わせる。そして、横ゲージ85の横ゲージ読取り部97で目盛りを読取る。読み取った値をトー角用測定値とする。
(b)において、横光を反射板本体の反射面135Aに照射し、反射面135Aで反射してボード72に映った横光152に十字カーソル83の横カーソル94を合わせる。そして、縦ゲージ82の縦ゲージ読取り部91で目盛りを読取る。読み取った値をキャンバー角用測定値とする。
(c)において、ボード72上のXZ座標において、トー角用測定値=X2、キャンバー角用測定値=Z2を座標(X2,Z2)で表すことができる。
以上より、トー角用測定値X2とトー角用基準値X1との差(X2−X1)=t、キャンバー角用測定値Z2とキャンバー角用基準値Z1との差(Z2−Z1)=cが得られる。
図16(a),(b)は本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第7作用図であり、トー角及びキャンバー角を算出する方法を説明する。
(a)は車輪(前輪13)及び測定部21の平面図であり、前輪13の前部が前輪13の後部より車両内方(図中の矢印(IN)は車両内方を示す。以下同じ。)を向いたトーインの状態を示す。
測定部21の縦光投光部76から車長方向に直交するように照射された縦光は、反射面135Aで反射し、ボード72に映る。縦光投光部76の縦光を発する位置を点D(この点Dはボード72と同一の平面上にあるとする。)、縦光が反射面135Aで反射する位置を点E、ボード72に映った縦光の位置を点Fとすると、三角形DEFは直角三角形であり、点Dと点Fとの車長方向の距離は、図15(c)よりtであるから、点Dと点Eとの車幅方向の距離をsとすると、前輪13のトー角αは、α=0.5tan−1(t/s)の式で算出することができる。また、他の前輪14、後輪16,17(図12参照)のトー角αも同様に算出することができる。
(b)は車輪(前輪13)及び測定部21の正面図であり、例えば、前輪13の上部が前輪13の下部よりも車両外方を向いたボジティブキャンバーの状態を示す。
測定部21の横光投光部77から水平に照射された横光は、反射面135Aで反射し、鉛直に立てたボード72に映る。横縦光投光部77の横光を発する位置を点J(この点Jはボード72と同一の平面上にあるとする。)、横光が反射面135Aで反射する位置を点K、ボード72に映った横光の位置を点Lとすると、三角形JKLは直角三角形であり、点Jと点Lとの上下方向の距離は、図15(c)よりcであるから、点Jと点Kとの車幅方向の距離をsとすると、前輪13のキャンバー角βは、β=0.5tan−1(c/s)で求めることができる。また、他の前輪14、後輪16,17(図12参照)のキャンバー角βも同様に算出することができる。
図17は本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第8作用図であり、以上に述べたホイールアライメント測定方法のフローチャートを示す。図中のSTXXはステップ番号を示す。
ST01…縦光及び横光を反射プレートに当て、反射してボード上に映った縦光及び横光の基準位置を測定する。
ST02…車両を定盤上に載せる。
ST03…反射板を反射板支持部を介して車輪側、詳しくは、車輪取付用ボルトに取付ける。
ST04…反射板の反射面を車輪の回転軸と直交するように調整する。
ST05…測定部のX方向及びY方向の位置決めを行う。
ST06…縦光及び横光を反射板に当て、縦光及び横光の位置を測定する。
ST07…トー角及びキャンバー角を算出する。
本発明のホイールアライメント測定装置及び同測定方法は、自動車用車輪のホイールアライメント測定に好適である。
本発明に係るホイールアライメント測定装置及び測定対象となる車輪を装着した車両の斜視図である。 本発明に係るホイールアライメント測定装置と車両を載せる定盤とを示す平面図である。 本発明に係る測定部及び測定部の支持装置を示す要部平面図である。 図3の4−4線断面図である。 本発明に係る測定部の正面図である。 本発明に係る横ゲージの要部正面図である。 本発明に係る縦ゲージの要部正面図である。 本発明に係る反射板及びこの反射板を支持する反射板支持部からなる反射板装置を示す断面図である。 本発明に係る反射板装置の正面図である。 本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第1作用図である。 本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第2作用図である。 本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第3作用図である。 本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第4作用図である。 本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第5作用図である。 本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第6作用図である。 本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第7作用図である。 本発明に係るホイールアライメント測定方法を示す第8作用図である。
符号の説明
10…ホイールアライメント測定装置、12…車両、13,14…車輪(前輪)、16,17…車輪(後輪)、21…測定部、22…反射板、72…ボード、73…スリット光投光部(投光器)、74…測定機構、76…縦光投光部、77…横光投光部、151…縦線状のスリット光(縦光)、152…横線状のスリット光(横光)、c,t…ずれ量(差)、s…距離、α…トー角、β…キャンバー角。

Claims (5)

  1. 車輪のホイールアライメントを測定するために、その測定部を前記車輪の位置に応じて車両前後方向及び車幅方向に移動可能なホイールアライメント測定装置であって、
    前記車輪の側方に配置され、車輪側面に向けてスリットを通過した線状のスリット光を発するスリット光投光部と、
    このスリット光投光部から発した前記スリット光を反射させるために前記車輪の側部に設けた反射板と、
    この反射板で反射した反射光を当てるために前記スリット投光部に一体的に設けたボードと、
    このボード上に当たった前記反射光の位置を測定する測定機構と、を備え、
    この測定された反射光位置の基準位置からのずれ量と、前記スリット光投光部から前記反射板までの距離とに基づいて前記車輪のホイールアライメントを求めることを特徴とするホイールアライメント測定装置。
  2. 前記スリット光投光部は、縦線状に延びる前記スリット光を照射する縦光投光部を備え、この縦光投光部から前記反射板にスリット光を照射することで前記車輪のトー角を測定することを特徴とする請求項1記載のホイールアライメント測定装置。
  3. 前記スリット光投光部は、横線状に延びる前記スリット光を照射する横光投光部を備え、この横光投光部から前記反射板にスリット光を照射することで前記車輪のキャンバー角を測定することを特徴とする請求項1記載のホイールアライメント測定装置。
  4. スリットを通過した縦線状のスリット光を発する縦光投光部から前記スリット光を車輪に向けて車両の車長方向に直交するように照射し、
    前記車輪の側部に設けた反射板に入射した前記スリット光を前記反射板で反射させてその反射光を前記縦光投光部側に車長方向に直交するように向けたボードに当て、
    このボードに映った前記反射光と縦光投光部との車長方向の距離tと、前記ボードと前記反射板における前記スリット光が反射する点との車幅方向の距離sとを測定し、
    トー角αをα=0.5tan−1(t/s)の式にて算出することを特徴とするホイールアライメント測定方法。
  5. スリットを通過した横線状のスリット光を発する横光投光部から前記スリット光を車輪に向けて水平に照射し、
    前記車輪の側部に設けた反射板に入射した前記スリット光を前記反射板で反射させてその反射光を前記横光投光部側に向けて鉛直に立てたボードに当て、
    このボードに映った前記反射光と横光投光部との上下方向の距離cと、前記ボードと前記反射板における前記スリット光が反射する点との車幅方向の距離sとを測定し、
    キャンバー角βをβ=0.5tan−1(c/s)の式にて算出することを特徴とするホイールアライメント測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008102063A (ja) * 2006-10-20 2008-05-01 Meidensha Corp 画像処理による車両のホイル中心位置計測装置
JP2010014663A (ja) * 2008-07-07 2010-01-21 Bridgestone Corp タイヤ姿勢角計測方法、及びタイヤ姿勢角計測用冶具
JP2011145099A (ja) * 2010-01-12 2011-07-28 Honda Motor Co Ltd 自動車におけるタイヤの配置方法

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