JP2012071628A - タイヤ温度推定装置 - Google Patents

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Hiroshi Kobayashi
弘 小林
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Abstract

【課題】適正にタイヤの温度を推定することができるタイヤ温度推定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両2の車輪3のタイヤ4のコーナリング特性値に基づいて、タイヤ4の温度を推定すると共に、当該コーナリング特性値が大きいほど前記タイヤ4の温度を低く推定することを特徴とするので、適正にタイヤの温度を推定することができる。例えば、車両2の旋回時にタイヤ4に作用する横力又は操舵反力と、タイヤ4のスリップ角度とに基づいて、コーナリング特性値を算出する。例えば、タイヤ4の温度は、タイヤ4のトレッド内部の温度である。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤ温度推定装置に関する。
従来のタイヤ温度推定装置として、例えば、特許文献1には、タイヤのベルトトレッドゴム配合物の領域に埋設されタイヤトレッド内部の温度を測定するワイヤレス温度測定装置が開示されている。
特開2008−521699号公報
ところで、上述のような特許文献1に記載のワイヤレス温度測定装置は、例えば、タイヤの摩耗や衝撃等によって適正な温度測定が困難になるおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、適正にタイヤの温度を推定することができるタイヤ温度推定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るタイヤ温度推定装置は、車両の車輪のタイヤのコーナリング特性値に基づいて、前記タイヤの温度を推定すると共に、当該コーナリング特性値が大きいほど前記タイヤの温度を低く推定することを特徴とする。
また、上記タイヤ温度推定装置では、前記車両の旋回時に前記タイヤに作用する横力又は操舵反力と、前記タイヤのスリップ角度とに基づいて、前記コーナリング特性値を算出するものとすることができる。
また、上記タイヤ温度推定装置では、前記コーナリング特性値は、前記タイヤのコーナリングパワー又は前記タイヤのセルフアライニングパワーであるものとすることができる。
また、上記タイヤ温度推定装置では、前記タイヤの温度は、前記タイヤのトレッド内部の温度であるものとすることができる。
また、上記タイヤ温度推定装置では、前記車両の挙動を検出する車両挙動検出手段を有し、前記車両挙動検出手段によって検出された前記車両の挙動に基づいて、前記コーナリング特性値を算出するものとすることができる。
本発明に係るタイヤ温度推定装置は、適正にタイヤの温度を推定することができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るタイヤ温度推定装置の概略構成を示す模式図である。 図2は、車両モデルの一例を示す模式図である。 図3は、タイヤ単体温度特性マップの一例を示す線図である。 図4は、温度推定制御の一例を示すフローチャートである。 図5は、実施形態2に係るタイヤ温度推定装置の概略構成を示す模式図である。 図6は、タイヤ単体温度特性マップの一例を示す線図である。 図7は、温度推定制御の一例を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係るタイヤ温度推定装置の概略構成を示す模式図、図2は、車両モデルの一例を示す模式図、図3は、タイヤ単体温度特性マップの一例を示す線図、図4は、温度推定制御の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のタイヤ温度推定装置としてのECU1は、図1に示すように車両2に適用され、車輪3に装着されたタイヤ4の温度を推定するものである。車両2は、車輪3として、左前輪3fl、右前輪3fr、左後輪3rl、右後輪3rrを備えるが、これらを特に分ける必要がない場合には単に車輪3という。車両2は、走行用駆動源(原動機)、例えば、内燃機関や電動機等が発生させる動力が駆動輪である車輪3(例えば、左前輪3fl、右前輪3fr)に作用することで、車輪3の路面との接地面に駆動力[N]が生じ、これにより走行することができる。また、車両2は、運転者が操舵部材としてのステアリングホイール5を回転操作(ステアリング操作)することで操舵輪である車輪3(例えば、左前輪3fl、右前輪3fr)を操舵することができ、これにより、旋回することができる。なお、以下で説明する車両2の前後方向とは、車両2の走行方向に沿った方向であり、車両2の左右方向とは、前後方向及び鉛直方向と直交する車両2の幅方向であり、ヨー方向とは、車両2の鉛直方向に沿った軸である上下軸まわり方向である。
ECU1は、車両2の各部の駆動を制御するものである。ECU1は、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路である。ECU1は、種々の処理を行う処理部11、車両2の各部を制御するコンピュータプログラムなどが格納された記憶部12及び車両2の各部を駆動する不図示の駆動回路、各種センサが接続される入出力部13を含んで構成され、これらが互いに接続され、互いに信号の受け渡しが可能になっている。
そして、ECU1は、車両2の車輪3のタイヤ4のコーナリング特性値に基づいて、タイヤ4の温度を推定することで、適正にタイヤ4の温度を推定している。
ここで、ECU1が推定するタイヤ4の温度は、典型的には、タイヤ4のトレッド内部の温度、例えば、タイヤ4のトレッド表面とベルト層上面との間のトレッドゴム内部の温度である。また、タイヤ4のコーナリング特性値とは、典型的には、車両2の旋回時におけるタイヤ4の特性を表す値であり、例えば、タイヤ4のコーナリングパワー(以下、特に断りの無い限り「CP」と略記する。)又はタイヤ4のセルフアライニングパワー(以下、特に断りの無い限り「SAP」と略記する。)である。
タイヤ4のCPとは、図1に示す単位スリップ角度(横滑り角度)β当たりのコーナリングフォースCFに相当する。スリップ角度βとは、タイヤ4の進行方向とタイヤ中心面とがなす角度である。コーナリングフォースCFとは、車両2のコーナリング(旋回)時にタイヤ4の進行方向に対して直角方向へかかる横力(分力)に相当する。タイヤ4のCPは、典型的には、スリップ角度βを横軸、コーナリングフォースCFを縦軸としたグラフのスリップ角度がゼロ付近の勾配に相当し、操舵角などに応じては変化しない傾向にある。タイヤ4のSAPとは、図1に示す単位スリップ角度β当たりのセルフアライニングトルクSATに相当する。セルフアライニングトルクSATとは、タイヤ4の接地点周り(垂直軸周り)のモーメントであり、ステアリングホイール5を直進位置に戻そうとする操舵反力(復元力)に相当する。タイヤ4は、所定のスリップ角度βを有して転がっている場合、コーナリングフォースCFの着力点がタイヤ4の接地中心点とずれるために、接地中心回りにスリップ角度βを小さくしようとする方向に力(トルク)が働く。この力がセルフアライニングトルクSATに相当する。セルフアライニングトルクSATは、直進安定性やステアリングホイール5の重さに影響を与える。
このタイヤ4のCPやSAP等のコーナリング特性値(タイヤ単体特性)は、温度依存性が高く、すなわち、タイヤ4の温度に依存しており、例えば、使用環境や条件の相違によるタイヤ4の温度の変化に伴って変化する。タイヤ4のCP、SAPは、タイヤ温度が高いほどタイヤ4のトレッドゴムが柔らかくなって変形し易くなることから、後述の図3や図6に例示するように、垂直荷重が同等であれば、当該タイヤ温度が高いほど小さくなり、タイヤ温度が低いほど大きくなる傾向にある。
ECU1は、このタイヤ温度の変化に伴ったタイヤ4のCP、SAPの変化の傾向を用いて、このコーナリング特性値に基づいて、タイヤ4の温度を推定する。さらに言えばECU1は、タイヤ4のCP、SAPの温度変化に対する傾向と、タイヤ4のCP、SAP変化に応じた車両2の実際の挙動との関係を用いて、車両2の旋回時等の車両走行時の車両2の実際の挙動を検知し、検知した車両2の実際の挙動に基づいて、コーナリング特性値を算出し、算出したコーナリング特性値に基づいてタイヤ4の温度を推定する。ここでは、ECU1は、車両2の挙動を検出する車両挙動検出手段としての加速度センサ18、ヨーレートセンサ19、各輪荷重センサ20、車速センサ21、操舵角センサ22等を有し、これら加速度センサ18、ヨーレートセンサ19、各輪荷重センサ20、車速センサ21、操舵角センサ22によって検出された車両の挙動に基づいて、コーナリング特性値を算出し、これに基づいてタイヤ4の温度を推定する。以下の説明では、タイヤ4のコーナリング特性値は、タイヤ4のCPである場合を説明する。
具体的には、ECU1は、処理部11に機能概念的に、挙動検知部14と、モデル演算部15と、特性算出部16と、温度推定部17とが設けられる。
ここで、記憶部12は、タイヤ4の温度の推定に必要な車両諸元、種々の情報、マップ等を予め記憶している。記憶部12は、例えば、車両諸元として、空車時のヨー慣性モーメントIoや車両2のホイールベースL、後述のタイヤ単体温度特性マップ等を予め記憶している。
挙動検知部14は、車両2の旋回時等の車両走行時の車両2の実際の挙動を検知するものである。挙動検知部14は、車両2の実際の挙動を表す種々のパラメータを検知する。ここでは、挙動検知部14は、加速度センサ18、ヨーレートセンサ19、各輪荷重センサ20、車速センサ21、操舵角センサ22等の種々のセンサによる検出結果に基づいて、横加速度a、ヨーレートr、各輪荷重Wfl、Wfr、Wrl、Wrr、車速Vx、Vy、操舵角δ等の車両2の挙動に関するパラメータをΔt(sec)刻みで読み込む。なお、荷重Wflは、左前輪3flの荷重、荷重Wfrは、右前輪3frの荷重、荷重Wrlは、左後輪3rlの荷重、荷重Wrrは、右後輪3rrの荷重である。車速Vxは、車両重心位置での車両進行方向(前後方向、図2のx軸方向)速度、車速Vyは、車両重心位置での車両進行方向に垂直な方向(左右方向、図2のy軸方向)速度である。
モデル演算部15は、記憶部12が記憶している空車時のヨー慣性モーメントIo、ホイールベースL等の車両諸元、挙動検知部14が検知した横加速度a、ヨーレートr、各輪荷重Wfl、Wfr、Wrl、Wrr、車速Vx、Vy、操舵角δ等の車両2の挙動を表す種々のパラメータに基づいて、車両モデル演算を行うものである。ここでは、モデル演算部15は、図2に例示するように、実走行時に左右輪が均等に使われるものと仮定して4輪車の等価的な2輪車モデルを適用する。
モデル演算部15は、図2の車両モデルに基づいて、例えば、下記に示す数式(1)、(2)の関係式から数式(3)、(4)に示す「Yf:前輪側の1輪分横力(コーナリングフォース)」、「Yr:後輪側の1輪分横力(コーナリングフォース)」を算出する。

m・a=2(Yf+Yr) ・・・(1)

I・dr/dt=2(lf・Yf−lr・Yr) ・・・(2)

Yf=(m・a・lf+I・dr/dt)/2L ・・・(3)

Yr=(m・a・lr−I・dr/dt)/2L ・・・(4)

なお、上記数式においては、
「m=W/g」、
「W=Wfl+Wfr+Wrl+Wrr」、
「g:重力加速度」、
「I=Io+k・(W−Wo)」、
「Io:空車時のヨー慣性モーメント」、
「k:空車時荷重変更量によるヨー慣性モーメント係数」、
「Wo:空車時の車両荷重」、
「dr/dt=(rt0+dt−rt0−dt)/2dt:t0時でのt0−Δtとt0+Δtとの間のrの変化勾配」、
「lf=[(Wfl+Wrr)/W]・L」、「lr=L−lf」
である。
また、モデル演算部15は、車体スリップ角度βを下記の数式(5)とし、下記の数式(6)、(7)に示す「βf:前輪スリップ角度」、「βr:後輪スリップ角度」を算出する。

β=atan(Vy/Vx) ・・・(5)

βf=β+lf・r/V−δ ・・・(6)

βr=β−lr・r/V ・・・(7)

なお、上記数式においては、
「V=√(Vx2+Vy2)」
である。
特性算出部16は、タイヤ単体特性を算出するものである。特性算出部16は、車両の旋回時にタイヤ4に作用する横力(コーナリングフォース)と、タイヤ4のスリップ角度とに基づいて、コーナリング特性値を算出する。特性算出部16は、モデル演算部15が算出した「Yf」、「Yr」、「βf」、「βr」に基づいて、例えば、下記の数式(8)、(9)を用いて、コーナリング特性値として「CPf:前輪コーナリングパワー」、「CPr:後輪コーナリングパワー」を算出する。

CPf=−Yf/βf ・・・(8)

CPr=−Yr/βr ・・・(9)
温度推定部17は、車両2の車輪3のタイヤ4のコーナリング特性値に基づいて、タイヤ4の温度を推定する。温度推定部17は、特性算出部16が算出したコーナリング特性値としての「CPf」、「CPr」に基づいて、タイヤ4のトレッド内部の温度を特定する。ここでは、温度推定部17は、まず、特性算出部16が算出した「CPf」、「CPr」に基づいて、例えば、下記の数式(10)、(11)を用いて、「NCPf:前輪正規化コーナリングパワー」、「NCPr:後輪正規化コーナリングパワー」を算出する。これにより、温度推定部17は、例えば、タイヤ4のサイズ、荷重等の影響を排除する。

NCPf=2CPf/(Wfl+Wfr) ・・・(10)

NCPr=2CPr/(Wrl+Wrr) ・・・(11)
そして、温度推定部17は、算出した「NCPf」、「NCPr」に基づいて、タイヤ4の温度を推定する。温度推定部17は、例えば、図3に例示するタイヤ単体温度特性マップm1に基づいて、タイヤ4の温度を算出する。タイヤ単体温度特性マップm1は、横軸がタイヤ4のトレッド(内部)温度、縦軸が正規化コーナリングパワーNCPを示す。このタイヤ単体温度特性マップm1は、トレッド温度と、正規化コーナリングパワーNCPとの関係(ΔT°C刻み)を記述したものである。タイヤ単体温度特性マップm1は、トレッド温度と正規化コーナリングパワーNCPとの関係が、実車評価等を踏まえて予め設定された上で、ECU1の記憶部12に格納されている。このタイヤ単体温度特性マップm1では、正規化コーナリングパワーNCPは、トレッド温度の増加に伴って減少し、言い換えれば、トレッド温度は、正規化コーナリングパワーNCPの増加に伴って減少する。温度推定部17は、タイヤ単体温度特性マップm1に基づいて、「NCPf」、「NCPr」から前輪タイヤトレッド温度Tf、後輪タイヤトレッド温度Trを求める。
これにより、ECU1は、コーナリング特性値としてのCPに基づいて、タイヤ4の温度を推定することができる。この場合、温度推定部17は、タイヤ単体温度特性マップm1に応じて、正規化コーナリングパワーNCPが大きいほどタイヤ4のトレッド温度を低く算出し、正規化コーナリングパワーNCPが小さいほどタイヤ4のトレッド温度を高く推定する。つまり、ECU1は、コーナリング特性値としてのCPが大きいほどタイヤ4の温度を低く推定し、CPが小さいほどタイヤ4の温度を高く推定する。
なお、本実施形態では、ECU1は、図3に例示するタイヤ単体温度特性マップm1を用いてタイヤトレッド温度を求めたが、本実施形態はこれに限定されない。ECU1は、例えば、図3に例示するタイヤ単体温度特性マップm1に相当する数式モデルに基づいてタイヤトレッド温度を求めてもよい。以下で説明する種々のマップについても同様である(以下で説明する実施形態でも同様である。)。
次に、図4のフローチャートを参照してECU1による温度推定制御の一例を説明する。なお、これらの制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される(以下で説明する実施形態でも同様である。)。
まず、ECU1は、挙動検知部14が加速度センサ18、ヨーレートセンサ19、各輪荷重センサ20、車速センサ21、操舵角センサ22等の種々のセンサによる検出結果に基づいて、横加速度a、ヨーレートr、各輪荷重Wfl、Wfr、Wrl、Wrr、車速Vx、Vy、操舵角δ等の車両2の実際の挙動を表す種々のパラメータを検知する(ST1)。
次に、ECU1は、予め記憶部12が記憶している車両諸元、ST1で挙動検知部14が検知した車両2の実際の挙動を表す種々のパラメータに基づいて、モデル演算部15が車両モデル演算を行い、「Yf(横力)」、「Yr(横力)」、「βf(スリップ角度)」、「βr(スリップ角度)」を算出する(ST2)。
次に、ECU1は、特性算出部16がタイヤ単体特性をあらわすコーナリング特性値として、ST2にてモデル演算部15が算出した「Yf」、「Yr」、「βf」、「βr」に基づいて、「CPf」、「CPr」を算出する(ST3)。
次に、ECU1は、ST3にて特性算出部16が算出した「CPf」、「CPr」に基づいて、温度推定部17が「NCPf」、「NCPr」を算出する。そして、ECU1は、特性算出部16が算出した「NCPf」、「NCPr」に基づいて、例えば、図3に例示するタイヤ単体温度特性マップm1から前輪タイヤトレッド温度Tf、後輪タイヤトレッド温度Trを算出し(ST4)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
以上で説明した実施形態に係るECU1によれば、車両2の車輪3のタイヤ4のコーナリング特性値、ここではCPに基づいて、タイヤ4の温度を推定すると共に、このコーナリング特性値であるCPが大きいほどタイヤ4の温度を低く推定する。したがって、ECU1は、適正にタイヤの温度を推定することができる。
ECU1は、例えば、タイヤ4のトレッド内部に温度検出装置を設けてトレッド内部温度を検出、推定するような場合と比較して、実走行中のタイヤ4の摩耗や衝撃等によって温度検出装置が破損してしまうようなことがないので、より適正な温度測定が可能である。また、ECU1は、例えば、比較的に容易に検出しやすいものの外気温等の影響を受け易いタイヤ表面の温度にかかわらず、タイヤ4のトレッド内部温度を推定することができることから、より正確なタイヤ温度を推定することができ、この点でも適正にタイヤの温度を推定することができる。
[実施形態2]
図5は、実施形態2に係るタイヤ温度推定装置の概略構成を示す模式図、図6は、タイヤ単体温度特性マップの一例を示す線図、図7は、温度推定制御の一例を示すフローチャートである。実施形態2に係るタイヤ温度推定装置は、タイヤのコーナリング特性値がタイヤのセルフアライニングパワーである点で実施形態1とは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略する。
図5に示すタイヤ温度推定装置としてのECU201は、タイヤ4のコーナリング特性値としてタイヤ4のSAPに基づいて、タイヤ4の温度を推定する。
この場合、挙動検知部14は、横加速度a、ヨーレートr、各輪荷重Wfl、Wfr、Wrl、Wrr、車速Vx、Vy、操舵角δに加えて、車両挙動検出手段としての操舵トルクセンサ223による検出結果に基づいて、ステアリングホイール5に作用する操舵トルクδTもΔt(sec)刻みで読み込む。
そして、モデル演算部15は、操舵トルクδTを操舵角δとセルフアライニングトルクSATとの関数として表した下記の数式(12)に示す関係式と、挙動検知部14が検知した操舵角δ、操舵トルクδTとに基づいて、「SAT:セルフアライニングトルク」を算出する。ここで、セルフアライニングトルクSATは、上述したように操舵反力(復元力)に相当する。また、モデル演算部15は、上述した数式(6)を用いて「βf:前輪スリップ角度」を算出する。

δT=δT(δ、SAT) ・・・(12)
そして、特性算出部16は、車両2の旋回時にタイヤ4に作用する操舵反力(セルフアライニングトルク)と、タイヤ4のスリップ角度とに基づいて、コーナリング特性値を算出する。特性算出部16は、モデル演算部15が算出した「SAT」、「βf」に基づいて、例えば、下記の数式(13)を用いて、コーナリング特性値として「SAP:セルフアライニングパワー」を算出する。

SAP=SAT/βf ・・・(13)
温度推定部17は、特性算出部16が算出したコーナリング特性値としての「SAP」に基づいて、タイヤ4のトレッド内部の温度を特定する。ここでは、温度推定部17は、まず、特性算出部16が算出した「SAP」に基づいて、例えば、下記の数式(14)を用いて、「NSAP:正規化セルフアライニングパワー」を算出する。これにより、温度推定部17は、例えば、タイヤ4のサイズ、荷重等の影響を排除する。

NSAP=2SAP/(Wfl+Wfr) ・・・(14)
そして、温度推定部17は、算出した「NSAP」に基づいて、タイヤ4の温度を推定する。温度推定部17は、例えば、図6に例示するタイヤ単体温度特性マップm2に基づいて、タイヤ4の温度を算出する。タイヤ単体温度特性マップm2は、横軸がタイヤ4のトレッド(内部)温度、縦軸が正規化セルフアライニングパワーNSAPを示す。このタイヤ単体温度特性マップm2は、トレッド温度と、正規化セルフアライニングパワーNSAPとの関係(ΔT°C刻み)を記述したものである。タイヤ単体温度特性マップm2は、トレッド温度と正規化セルフアライニングパワーNSAPとの関係が、実車評価等を踏まえて予め設定された上で、ECU1の記憶部12に格納されている。このタイヤ単体温度特性マップm2では、正規化セルフアライニングパワーNSAPは、トレッド温度の増加に伴って減少し、言い換えれば、トレッド温度は、正規化セルフアライニングパワーNSAPの増加に伴って減少する。温度推定部17は、タイヤ単体温度特性マップm2に基づいて、「NSAP」から全体のトレッド温度Tを求める。
これにより、ECU201は、コーナリング特性値としてのSAPに基づいて、タイヤ4の温度を推定することができる。この場合、温度推定部17は、タイヤ単体温度特性マップm2に応じて、正規化セルフアライニングパワーNSAPが大きいほどタイヤ4のトレッド温度を低く算出し、正規化セルフアライニングパワーNSAPが小さいほどタイヤ4のトレッド温度を高く推定する。つまり、ECU201は、コーナリング特性値としてのSAPが大きいほどタイヤ4の温度を低く推定し、SAPが小さいほどタイヤ4の温度を高く推定する。
次に、図7のフローチャートを参照してECU201による温度推定制御の一例を説明する。以下の説明でも、図4で説明したフローチャートとの相違点を中心に説明する。
まず、ECU201は、挙動検知部14が横加速度a、ヨーレートr、各輪荷重Wfl、Wfr、Wrl、Wrr、車速Vx、Vy、操舵角δに加えてさらに操舵トルクδTも検知する(ST201)。次に、ECU201は、モデル演算部15が車両モデル演算を行い、「SAT(操舵反力)」、「βf(スリップ角度)」を算出する(ST202)。次に、ECU201は、特性算出部16がタイヤ単体特性をあらわすコーナリング特性値として、「SAT」、「βf」に基づいて、「SAP」を算出する(ST203)。次に、ECU201は、温度推定部17が「SAP」に基づいて「NSAP」を算出し、算出した「NSAP」に基づいて、例えば、図6に例示するタイヤ単体温度特性マップm2からトレッド温度Tを算出し(ST204)、現在の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
以上で説明した実施形態に係るECU201によれば、車両2の車輪3のタイヤ4のコーナリング特性値、ここではSAPに基づいて、タイヤ4の温度を推定すると共に、このコーナリング特性値であるSAPが大きいほどタイヤ4の温度を低く推定する。したがって、ECU201は、適正にタイヤの温度を推定することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係るタイヤ温度推定装置は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。本実施形態に係るタイヤ温度推定装置は、以上で説明した実施形態を複数組み合わせることで構成してもよい。
以上の説明では、タイヤ温度推定装置は、車両の各部を制御するECUであるものとして説明したが、これに限らず、例えば、ECUとは別個に構成され、有線、無線をとわず、このECUを介して相互に検出信号や駆動信号、制御指令等の情報の授受を行う構成であってもよい。
以上の説明では、タイヤ温度推定装置は、車両の旋回時にタイヤに作用する横力又は操舵反力と、タイヤのスリップ角度とに基づいて、コーナリング特性値を算出するものとして説明したが、車両の走行中に種々の手法でコーナリング特性値を算出すればよい。
以上のように本発明に係るタイヤ温度推定装置は、種々の車両に搭載されるタイヤ温度推定装置に適用して好適である。
1、201 ECU(タイヤ温度推定装置)
2 車両
3 車輪
4 タイヤ
5 ステアリングホイール
14 挙動検知部
15 モデル演算部
16 特性算出部
17 温度推定部
18 加速度センサ(車両挙動検出手段)
19 ヨーレートセンサ(車両挙動検出手段)
20 輪荷重センサ(車両挙動検出手段)
21 車速センサ(車両挙動検出手段)
22 操舵角センサ(車両挙動検出手段)
223 操舵トルクセンサ(車両挙動検出手段)

Claims (5)

  1. 車両の車輪のタイヤのコーナリング特性値に基づいて、前記タイヤの温度を推定すると共に、当該コーナリング特性値が大きいほど前記タイヤの温度を低く推定することを特徴とする、
    タイヤ温度推定装置。
  2. 前記車両の旋回時に前記タイヤに作用する横力又は操舵反力と、前記タイヤのスリップ角度とに基づいて、前記コーナリング特性値を算出する、
    請求項1に記載のタイヤ温度推定装置。
  3. 前記コーナリング特性値は、前記タイヤのコーナリングパワー又は前記タイヤのセルフアライニングパワーである、
    請求項1又は請求項2に記載のタイヤ温度推定装置。
  4. 前記タイヤの温度は、前記タイヤのトレッド内部の温度である、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のタイヤ温度推定装置。
  5. 前記車両の挙動を検出する車両挙動検出手段を有し、
    前記車両挙動検出手段によって検出された前記車両の挙動に基づいて、前記コーナリング特性値を算出する、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ温度推定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107399209A (zh) * 2017-07-29 2017-11-28 千寻位置网络有限公司 汽车胎压的监测方法及系统、汽车终端、存储器
JP2021135640A (ja) * 2020-02-26 2021-09-13 三菱重工機械システム株式会社 車軸数検出装置、料金収受システム、車軸数検出方法、及びプログラム

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