JP2011144986A - 貯蔵庫の機械室構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属製の支柱70の正面板71の上端部には掛止溝75が開口されてその下縁から裏側に突片76が突設される。フロントパネル20の左右両端部に設けられた合成樹脂製のコーナ体30における正面板71と対向した面の上端側に、下向きの鈎形をなすフック51が設けられる。フロントパネル20の閉鎖状態では、フック51の垂直部52Bの内側に突片76が略緊密に嵌合して保持される。フック51の水平部52Aの下縁における垂直部52B側の端部には逃がし凹部55が切り欠き形成され、この凹部55の角部55Rが突片76で受けられつつ当該フック51が開放方向に揺動可能となっており、凹部55は、フック51の揺動中に突片76の先端を収めて逃がすことが可能な広さを有する。
【選択図】図11
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、フロントパネルの上端側をがたつきなく装着できるようにしながらも、同フロントパネルの揺動開閉に伴うフックの損傷を防止するところにある。
(1)前記フックの前記凹部の前記角部には丸みが付されている。揺動中心となる凹部の角部に丸みが付けられているから、揺動動作がよりスムーズに行われる。
(2)前記フックが開放方向に所定角度揺動された場合には、前記垂直部の先端が前記支持板の裏面に当接し、その後は前記垂直部の先端が前記支持板の裏面を上方に摺接し、かつ前記凹部の角部が前記突片上を先端側に向けて摺接しさらに同突片の先端から先に飛び出しつつ開放方向に揺動されるようになっており、前記垂直部の先端には丸みが付されている。フックの垂直部の先端が支持板の裏面上をスムーズに摺接でき、ひいてはフロントパネルの揺動動作がよりスムーズに行われる。
フロントパネルを開放する場合に、フックの揺動が規制されるまでの揺動角度を大きく採ることができ、フロントパネルが勢い良く開放されてフックにおける揺動規制部分がこじられて損傷を受けるといった事態が起きるのを回避することが可能となる。
(5)前記揺動角度増加手段が、前記フックの前記垂直部における外側の角部を除去することで構成されている。
本発明の一実施形態を図1ないし図16に基づいて説明する。この実施形態では、2ドアの縦型冷蔵庫を例示している。
図1において、冷蔵庫本体10は前面開口の縦長の断熱箱体で構成され、内部が貯蔵室となっており、その貯蔵室の前面開口は上下2個の出入口に仕切られてそれぞれ揺動開閉式の断熱扉11が装着されているとともに、底面の四隅に配された脚12によって支持されている。
冷蔵庫本体10の上面には機械室15が形成され、同機械室15に設置された冷凍装置が貯蔵室内に装備された冷却器と冷媒配管で接続され、冷凍装置の運転に伴い冷却器で生成された冷気が貯蔵室内に循環供給されることで、貯蔵室内が冷却されるようになっている。
パネル本体21は、機械室15の前面開口部16のほぼ全高に匹敵する縦幅と、同前面開口部16の間口よりも若干狭い横幅とを持った正面板22を有し、この正面板22の上下両縁に、裏側に向けて直角曲げされた上面板23と下面板24とが形成され、上面板23の先端部はさらに下向きに直角曲げされている。また、正面板22の中央高さ部分の所定高さ領域(全高の略1/3の高さ領域)が、裏側に円弧形をなして凹んだ円弧形凹面25とされている。
キャップ部31は、基板32の周縁に周壁を巡らせた縦長の略浅皿状に形成されており、同キャップ部31における前面壁33Fから上面壁33Uと下面壁33Dに亘る内側に、パネル本体21における左右の端縁21Aが嵌められるようになっている。そのため、パネル本体21の形状に倣って、前面壁33Fの上下の隅部には丸みが付されているとともに、同前面壁33Fの中央高さ領域に、裏側に円弧形をなして凹んだ円弧形凹部34Aが形成されている。後面壁33Rについては、後述する。
対向壁38は、前面壁33Fにおける上下の直線部34Bの裏側に3箇所ずつ、同前面壁33Fの円弧形凹部34Aの裏側に1箇所、また、上面壁33Uと下面壁33Dの奥端寄りの位置の裏側に1箇所ずつと、都合9箇所に設けられている。
ここで各対向壁38は、その挟持面40と対向した挟持壁35との間に、パネル本体21の端縁21Aの厚さとほぼ等しい間隔を開けて設けられ、これにより、コーナ体30における挟持壁35と各対向壁38との間には、奥側においてパネル本体21の端縁21Aが緊密に挿入される挿入溝37が形成されている。
一方、パネル本体21における正面板22から上下面板24に亘る左右の端縁21Aには、図3に示すように、上記した各係止突部45と対応してそれらが緊密に嵌合する角孔からなる係止孔27が、6個ずつ形成されている。
支柱70は、図7に示すように金属製のアングル材を立てたような形状であって、幅狭の正面板71の一側縁から幅広の側面板72が直角曲げされた形状であり、左右対称となっている。正面板71から側面板72に亘る上下両縁には、それぞれ上面板73Aと下面板73Bとが内側に直角曲げされて形成されており、各支柱70は冷蔵庫本体10の上面における手前側の左右の隅部に立てられて、下面板73Bをねじ止めすることで固定されている。
両支柱70の側面板72は、サイドパネルの前端側を固定することに適用され、また上面板73Aは、天面パネルを張る場合等に適用される。
支柱70側における揺動支持部分の構造としては、正面板71の上端部から上面板73Aに亘る角の部分で、かつ幅方向の中央部から少し開放縁側に寄った位置において、所定幅で側面L形をなすように切り欠かれた掛止溝75(本発明の掛止開口に相当)が形成されている。掛止溝75の下縁には第1突片76が内側に向けて直角に切り起こし形成されている。
また、開放姿勢に保持するための構造としては、上記した掛止溝75の上面の奥縁部分が保持板79となっている。
キャップ部31の後面壁33Rにおける上記した低位部49を除いた領域の上縁には、そのほぼ全高に亘り、裏側に向けて直角曲げされた形態で取付板50が形成されている。この取付板50は、後面壁33Rのほぼ2倍の厚さを持ち、かつキャップ部31の奥行のほぼ半分の突出幅を有している。また、同取付板50は、支柱70の正面板71の高さに匹敵する高さ寸法となっている(図10参照)。
フック51の垂直部52Bの裏側、詳細には、同垂直部52Bの内面と、取付板50の突出端縁との間には、上記した掛止溝75の下縁に形成された第1突片76が略緊密に嵌合されるようになっている。
垂直部52Bは、上記した逃がし凹部55の奥縁(上縁)から先端までの長さLが、同垂直部52Bが第1突片76から外れない範囲で極力短くなるように設定されている。また、垂直部52Bの下端部の外面側が斜め除去されて、先細りとなったテーパ面54が形成されている。この意義については後述する。垂直部52Bの先端56にも丸みが付けられている。
例えば、フロントパネル20が勢い良く開放操作され、図12に示す状態からさらに開放方向に大きな揺動力が作用すると、図16に示すように、垂直部52Bの先端56が正面板71の裏面上を上昇しつつ同垂直部52Bの先端56を中心として揺動し、フロントパネル20が水平姿勢を超える程度のタイミングで嵌入溝53に保持板79が進入しつつ、さらに先上がりの斜め姿勢(100〜110°程度)を採るまで開放可能となっている。
また、同図の鎖線3Bに示すように、垂直部3の長さが長いままでも、垂直部3の先端側の外面にテーパ面が削成されると、垂直部3の外側の先端側が後方に逃がされることとなって、フック2すなわちフロントパネル1がさらに開放方向に揺動することが可能となる。
本実施形態では両構造が採用されていることで、揺動角度を稼ぐに当たってより実効があると言える。
弾性係止片58は、取付板50の端縁から内部の奥縁寄りの位置に向けて2本のスリット59が互いに平行な水平姿勢をなして入れられることによって、同2本のスリット59の間に腕部60が形成され、この腕部60の先端側は取付板50の端縁から若干突出するように延出形成され、腕部60の延出端の上面に、略半円形をなす係止頭部61が形成された形状である。ここで図4に示すように、取付板50の端縁から係止頭部61の頂上61Aに至る水平方向の寸法xが、図5に示すように、支柱70の正面板71の裏面から、係止開口77の上縁に裏向きに突出形成された第2突片78の突出端までの寸法Xよりも少し大きく形成されている。
両スリット59の奥端の外側には、スリット59の幅よりも大きい直径の円形孔62が連設されており、これにより腕部60の根元の両側面に丸みが付けられた形態となっている。
このようにホルダ57を構成する弾性係止片58の係止頭部61と規制部64とが、支柱70の正面板71の係止開口77に併せて嵌合可能となっており、係止頭部61の頂上61Aと規制部64の下面の根元位置との間の高さ方向の寸法が、第2突片78の下面と係止開口77の下縁との間の高さ方向の寸法よりも少し大きくなるように設定されている。
また、一部既述したように、取付板50は、キャップ部31の背の高い後面壁33Rの突出端から裏側に向けて直角曲げされて形成され、言い換えると、図6に示すように、取付板50は、キャップ部31の基板32の外面から寸法yだけ内方に引っ込んで形成されている。これにより、コーナ体30の裏側には、取付板50の全高の外側に位置して、操作者の手の指を挿入可能とした操作用凹部68が形成されている。
一方、上端側では、図11にも示すように、掛止溝75の下縁の第1突片76が、フック51の垂直部52Bの裏側にほぼ緊密に嵌り、上端側もがたつくことなく、フロントパネル20が閉鎖位置に保持された状態となる。
また、フック51が開放方向に所定角度揺動された場合には、垂直部52Bの先端56が支柱70の正面板71の裏面に当接し、その後は垂直部52Bの先端56が正面板71の裏面を上方に摺接し揺動するが、同垂直部52Bの先端56には丸みが付けられているから、垂直部52Bの先端56が正面板71の裏面上をスムーズに摺接でき、ひいてはフロントパネル20の揺動動作がよりスムーズに行われる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)フックの逃がし凹部の角部と、垂直部の先端とには敢えて丸みを付けなくてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)上記実施形態では、フロントパネルの開放方向への揺動が規制されるまでの揺動角度を大きく採る手段として、フックの垂直部の長さを短く制限することと、垂直部の先端側の外面にテーパ面が削成することとの両構造が採用された場合を例示したが、いずれ一方の構造を採用するだけであってもよい。
(4)上記実施形態では、機械室が貯蔵庫本体の上面に設けられている場合を例示したが、貯蔵庫本体の下部等、他の箇所に設けられたものにも同様に適用することが可能である。
(5)本発明は、上記実施形態に例示した冷蔵庫に限らず、冷凍冷蔵庫、恒温高湿庫等の他の形式の冷却貯蔵庫等、要は、貯蔵庫本体に前面に開口した機械室が設けられて、同機械室の前面開口にフロントパネルが開閉可能に装着された構造の貯蔵庫全般に広く適用することができる。
Claims (6)
- 貯蔵庫本体には前面に開口した機械室が設けられ、この機械室の前面開口にフロントパネルが開閉可能に装着されたものであって、
前記機械室の前面開口の左右両側縁には金属製の支持板が立てられ、各支持板の上端部には掛止開口が形成されて同掛止開口の下縁には裏側に突出した突片が設けられる一方、
前記フロントパネルの左右両端部には合成樹脂製のコーナ体が設けられ、各コーナ体における前記支持板と対向した面の上端側には、前記支持板側に向けて突出した水平部の先端に下向きに屈曲された垂直部を設けた鈎形をなして前記突片に掛止されるフックが設けられており、
前記突片は、前記フックにおける前記垂直部の内側に略緊密に嵌合可能であるとともに、
前記フックの前記水平部の下縁における前記垂直部側の端部には凹部が切り欠き形成され、この凹部の角部が前記突片で受けられつつ当該フックが開放方向に揺動可能となっており、かつ前記凹部は、前記フックの揺動中に前記突片の先端を収めて逃がすことが可能な広さを有していることを特徴とする貯蔵庫の機械室構造。 - 前記フックの前記凹部の前記角部には丸みが付されていることを特徴とする請求項1記載の貯蔵庫の機械室構造。
- 前記フックが開放方向に所定角度揺動された場合には、前記垂直部の先端が前記支持板の裏面に当接し、その後は前記垂直部の先端が前記支持板の裏面を上方に摺接し、かつ前記凹部の角部が前記突片上を先端側に向けて摺接しさらに同突片の先端から先に飛び出しつつ開放方向に揺動されるようになっており、前記垂直部の先端には丸みが付されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の貯蔵庫の機械室構造。
- 前記フックが開放方向に所定角度揺動されたところで前記垂直部の先端が前記支持板の裏面に当接し、その後は前記垂直部の先端を中心として揺動され、前記フックの上面に設けられた嵌入溝が前記支持板の表面に突設された規制板に嵌ることで揺動が規制されるようになっているものにおいて、前記フックの揺動が規制されるまでの揺動角度を増加させるべく揺動角度増加手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の貯蔵庫の機械室構造。
- 前記揺動角度増加手段が、前記フックの前記垂直部の長さを短くすることで構成されていることを特徴とする請求項4記載の貯蔵庫の機械室構造。
- 前記揺動角度増加手段が、前記フックの前記垂直部における外側の角部を除去することで構成されていることを特徴とする請求項4記載の貯蔵庫の機械室構造。
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