JP2011144812A - 自動二輪車の内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスの集中とともに低重心化を図ることができる自動二輪車の内燃機関を提供する。
【解決手段】変速機(M)をクランク軸(20)の後方に備えシリンダ(12)を斜め上方であって後方に傾いた後傾姿勢で起立させた自動二輪車の内燃機関(E)において、内燃機関(E)はクランク軸(20)を車幅方向に指向させて自動二輪車に搭載され、内燃機関(E)の後方に設けられる変速機(M)は変速クラッチ(50)を備えるメイン軸(21)とカウンタ軸(22)が前記クランク軸(20)と平行に配設され、クランク軸(20)とメイン軸(21)が略同じ高さに配置され、クランク軸(20)とメイン軸(21)を含む平面がカウンタ軸(22)よりも下方に配置される自動二輪車の内燃機関。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動二輪車に搭載される内燃機関に関する。
内燃機関から起立したシリンダの一側面に排気管を取り付け、所定の長さを確保した後に消音器に連結する構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特公平2−26045号公報
同特許文献1に開示された自動二輪車は、前傾シリンダと後傾シリンダが前後方向にV字状に配列したV型内燃機関を搭載しており、V型のシリンダの共通のクランクケースの後方に変速機が位置しているものと推察される(同特許文献1の図面第1図参照)。
よって、V型内燃機関と変速機が占める前後幅は大きくマスの集中は難しい。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、マスの集中とともに低重心化を図ることができる自動二輪車の内燃機関を提供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
変速機(M)をクランク軸(20)の後方に備えシリンダ(12)を斜め上方であって後方に傾いた後傾姿勢で起立させた自動二輪車の内燃機関(E)において、
前記内燃機関(E)は前記クランク軸(20)を車幅方向に指向させて自動二輪車に搭載され、
前記内燃機関(E)の後方に設けられる前記変速機(M)は変速クラッチ(50)を備えるメイン軸(21)とカウンタ軸(22)が前記クランク軸(20)と平行に配設され、
前記クランク軸(20)と前記メイン軸(21)が略同じ高さに配置され、
前記クランク軸(20)と前記メイン軸(21)を含む平面が前記カウンタ軸(22)よりも下方に配置されることを特徴とする自動二輪車の内燃機関である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動二輪車の内燃機関において、
後輪を支持するリヤフォーク(6)が変速機(M)の後方で車幅方向に指向したピボット軸(5)を介して車体フレーム(1)に揺動自在に軸支され、
前記ピボット軸(5)が前記カウンタ軸(22)と略同じ高さに配置されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の自動二輪車の内燃機関において、
前記シリンダ(12)のシリンダ軸線は、前記クランク軸(20)の軸中心より前方にオフセットしていることを特徴とする
請求項1記載の自動二輪車の内燃機関によれば、シリンダ(12)が斜め上方であって後方に傾いた後傾姿勢で起立しているので、シリンダ(12)およびシリンダ(12)より上方のシリンダヘッド(13)、シリンダヘッドカバー(14)が変速機(M)に近づき、マスの集中が図れるとともに、重量物であるクランクウエブおよび変速クラッチ(50)をそれぞれ備えるクランク軸(20)とメイン軸(21)がカウンタ軸(22)よりも下方の内燃機関(E)の低い位置に配置されて低重心化を図ることができる。
請求項2記載の自動二輪車の内燃機関によれば、後輪を支持するリヤフォーク(6)を車体フレーム(1)に揺動自在に軸支するピボット軸(5)が、カウンタ軸(22)と略同じ高さに配置されるので、クランク軸(20)とメイン軸(21)はピボット軸(5)よりも低い位置に配置されることになりさらに低重心化を図ることができる。
請求項3記載の自動二輪車の内燃機関によれば、シリンダ(12)のシリンダ軸線を、クランク軸(20)の軸中心より前方にオフセットする。
本発明の一実施の形態に係る内燃機関を搭載した自動二輪車の一部省略した部分側面図である。 同平面図である。 本内燃機関の側断面図である。 図3におけるIV−IV線断面図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図4に基づいて説明する。
本実施の形態に係る内燃機関Eは、内燃機関Eの後方に変速機Mを一体に備えて自動二輪車に搭載される。
なお、本実施の形態において、前後左右は、車両を基準としたときの前後左右に一致するものとする。
自動二輪車の一部省略した部分側面図である図1および同平面図である図2を参照して、車体フレーム1のヘッドパイプ2から2股に分かれて後方へ斜め下向きに延出したメインフレーム3が後部を下向きに屈曲させてピボットプレート3pを形成しており、同左右一対のメインフレーム3の中央よりヘッドパイプ2寄り位置から垂設されたブラケット3bの下端の支軸4aとピボットプレート3pの上下部位の支軸4b,4cの3支軸4a,4b,4cで内燃機関Eは、クランクケース11のマウントブラケット11a,11b,11cを支持されてメインフレーム3に懸架される。
左右一対のピボットプレート3p,3pの中央高さ位置に架設されたピボット軸5に、図示しない後輪を支持するリヤフォーク6が揺動自在に前端を軸支されている。
内燃機関Eは、水冷式の単気筒4ストローク内燃機関であり、図3を参照して、車両の車幅方向でもある左右方向に指向してクランク軸20を軸支するクランクケース11は、クランク軸20が配置されるクランク室Ccを形成するとともに、クランク室Ccの後方には垂直な仕切壁11mで仕切られて変速機Mを収容するミッション室Cmが形成され、クランク室Ccの下方には略水平な仕切壁11oで仕切られてオイルを貯留するオイルパン室Coが一体に形成される構造をしている。
単気筒4ストローク内燃機関Eは、上記クランクケース11のクランク室Ccの上に、1本のシリンダ12aを有するシリンダブロック12と、シリンダブロック12の上部にガスケットを介してヘッドボルトにより結合されるシリンダヘッド13と、シリンダヘッド13の上部に結合されるシリンダヘッドカバー14とから構成される機関本体を備える。
クランクケース11の上に重ねられるシリンダブロック12,シリンダヘッド13,シリンダヘッドカバー14は、クランクケース11から若干後傾した姿勢で上方に延出している(図1のクランク軸を通る垂直線Vおよび水平線Hを参照)。
シリンダ12aのシリンダ軸線Lcは、クランク軸20の軸中心より前方に若干オフセットしている。
このようにシリンダが後傾姿勢にある内燃機関Eのクランクケース11の前半上部がクランク室Ccであり、後半部がミッション室Cmとなっている。
なお、クランク室Ccの下方のオイルパン室Coは、クランクケース11の下方に延出して一体に形成されたオイルパン15の内側の室である。
メインフレーム3に支持された内燃機関Eは、メインフレーム3より下方で、ブラケット3bとピボットプレート3pとの間に懸架され、下方のクランクケース11から後傾して上方に延出したシリンダブロック12,シリンダヘッド13,シリンダヘッドカバー14のうちシリンダヘッド13とシリンダヘッドカバー14が、左右一対のメインフレーム3,3間に位置している。
クランクケース11のミッション室Cmには、変速機Mのメイン軸21とカウンタ軸22とがクランク軸20と平行に左右水平方向に指向して配設されており、カウンタ軸22はクランクケース11を左方に貫通して外部に突出して出力軸となっており、突出した左端に駆動チェーンスプロケット23が嵌着されている。
カウンタ軸22はリヤフォーク6を軸支するピボット軸5の前方近くで略同じ高さ位置にあり、カウンタ軸22に嵌着された駆動チェーンスプロケット23に巻き掛けられる駆動チェーン24が、リヤフォーク6の後端に設けられる図示されない被動チェーンスプロケットに架渡されてチェーン伝達機構が構成され後輪側に動力が伝達される。
シリンダヘッド13は、前面から斜め上方に吸気ポート13iの延長である吸気通路16iが延出し、同吸気通路16iにスロットルボディ17が左右一対のメインフレーム3,3間で連結されており、スロットルボディ17の吸気通路上流側は開放されている。
また、若干後傾したシリンダヘッド13の後面からは、排気ポート13eの延長である排気通路16eが後方に略水平に延出しており、同排気通路16eに排気管18が左右一対のメインフレーム3,3間で連結されている。
排気通路17の連結出口は車体の右寄りに位置して、図2に示すように排気管18の上流連結端18aは、車体の左右方向中心軸Lbに対して右寄りの位置(内燃機関Eのシリンダ軸線Lcの存在する左右方向位置)で排気通路16eに連結されている。
このように後傾したシリンダヘッド13の後面の排気通路17に連結されて略水平に後方へ延出した排気管18は、クランクケース11の後半部の変速機Mが収納されるミッション室Cmの上方空間を左方向に湾曲しながら徐々に下降し前方に向きを変えて、左側のメインフレーム3の下を通り、内燃機関Eのシリンダブロック12の左側面に沿って前方斜め下向きに延び、クランクケース11の前面に回り込んだ後に急角度に下方に延びてクランクケース11の下端(オイルパン15の下端)に至ると、車体の左右方向略中央でオイルパン15の下端を後方に回り込んでマフラー(消音器)19に連結されている(図1,図2参照)。
クランクケース11の下面は、オイルパン15の前部が下方に突出して最低位置にあり、後方に行くに従い上昇する傾斜面をなし、後部のミッション室11の下方では概ね水平となっており、排気管18に連結されたマフラー19はこのクランクケース11の下面に沿って後方に延びている。
変速機Mの上方空間を有効に利用して排気管18を湾曲させることで、排気効率を高く維持するに必要な排気管長を容易に確保することができる。
このように、排気管18は、シリンダヘッドから後方に延出した後に変速機Mの上方で湾曲して排気管長をかせいでいるので、その後クランクケース11の下面(オイルパン15の下面)に廻り込んで後方に延びてマフラー19に連結する構成で、マフラー19を前方に移動して内燃機関Eと前後方向位置が重なる内燃機関Eの下面に沿うように配置しても必要な排気管長が確保され、よって同時にマスの集中を図ることができる。
また、シリンダヘッド13および変速機Mにより排気管18の流速の速い上流部を囲ったため、排気管18の保護を良好にすることができる。
なお、シリンダが斜め上方であって後方に傾いた後傾姿勢で起立しているので、シリンダ12aおよびシリンダヘッド13、シリンダヘッドカバー14が変速機Mに近づき、より一層マスの集中が図られている。
そして、後傾したシリンダヘッド13より排気管18が後方に水平に近い姿勢で延出するので、また排気管18の上流連結端18aは、車体の左右方向中心軸Lbに対して右寄りの位置で排気通路16eに連結されるので、その後左側に湾曲しながら下降する際の屈曲量を少なく(大曲り)して排気の流れを円滑にすることができる。
車体フレーム1は、各部に分割された合成樹脂製のカバー部材を連結した車体カバーにより全体が覆われており、特に内燃機関Eの左右側方はボディカバー7で覆われている。
ボディカバー7は内燃機関Eの下方もマフラー19の下面に沿うようにして覆う。
図4を参照して、シリンダブロック12の下部に結合されるクランクケース11は、シリンダ軸線Lcを含むと共にクランク軸20と直交する平面で左右に2分割された1対のケースである左クランクケース11Lと右クランクケース11Rとが、互いの合せ面が合わせられた状態で、ボルトにより結合されて構成される。
左右クランクケース11L,11Rが合わされて形成されるクランク室Ccに左右方向に指向して回転自在に軸支されるクランク軸20は、クランクピン20pで連結された左右クランクウエブ20w,20wから左右に軸体20L,20Rが同軸に延びた形状の一体に成型されたものである。
かかるクランク軸20における左右軸体20L,20Rのクランクウエブ20w,20wと隣接する部分が軸受されるジャーナル部20Lj,20Rjである。
左右クランクケース11L,11Rの主軸受部11Lb,11Rbに挟まれた空間がクランク室Ccで、左右クランクウエブ20w,20wが収容され、その左右のジャーナル部20Lj,20Rjがそれぞれメタル軸受25,25を介して主軸受部11Lb,11Rbに軸支される。
左右クランクケース11L,11Rの合体でクランク室Ccの上方に形成された円開口に、シリンダブロック12のシリンダ12aの下部が嵌入され、シリンダ12aのシリンダボア12b内にピストン30が往復摺動自在に嵌合される。
ピストン30のピストン頂部31の裏面に突出された一対のピンボス34,34間にピストンピン38が架設され、同ピストンピン38に小端部が軸支されクランク軸20のクランクピン20pに大端部が大端メタル39aを介して軸支されたコンロッド39によりピストン30とクランク軸20が連接されてクランク機構が構成されている。
左クランクケース11Lは左側主軸受部11Lbより左側にチェーン室Cccが形成され、クランク軸20の左側主軸受部11Lbより左方に突出した左軸体20Lは、チェーン室Cccを貫通し、さらに左クランクケース11Lの左側壁の開口を貫通しており、チェーン室Cccに相当する部分にはオイルポンプ駆動スプロケット20osと駆動カムチェーンスプロケット20csが形成され、左端にはACジェネレータ26のアウタロータ26rが嵌着されている。
左クランクケース11Lの左側壁におけるクランク室Ccおよびオイルパン15の側方の開口を塞ぐ左サイドカバー40に、ACジェネレータ26のコイルが巻回されるインナステータ26sが固定されて、その周囲に磁石を保持したアウタロータ26rが回転するACジェネレータ26が構成される。
左サイドカバー40は椀状をして、その底面中央から突出した円筒部41がクランク軸20の左端部に被せられて、同円筒部41にボルト26bによりインナステータ26sの固定子鉄心が固着される。
他方、クランク軸20における右クランクケース11Rの右側主軸受部11Rbより右方に突出した右軸体20Rには、主軸受部11Rb寄りからバランサ駆動ギヤ27aと主駆動ギヤ28aが嵌合されてワッシャ29wを介してフランジボルト29により固着されている(図4参照)。
バランサ駆動ギヤ27aは、前方のバランサ軸55(図3参照)の右軸端部に設けられるバランサ被動ギヤ(図示せず)に噛合し、クランク軸20と等速で逆方向に回転駆動され、ピストン30の往復運動により発生する1次振動を低減する。
クランク室Ccの後方のミッション室Cmに配設される変速機Mは、メインギヤ群21gおよびカウンタギヤ群22gがそれぞれ設けられた前記メイン軸21およびカウンタ軸22と、変速操作機構により操作されるシフトドラム53およびシフトフォーク54a,54b,54cを有する変速切換え機構52とを備える(図3参照)。
メイン軸21は、クランク軸20と略同じ上下位置にあって、左右クランクケース11L,11Rに軸受21b,21bを介して回転可能に軸支され、右側軸受21bより右方に突出した部分に多板摩擦式の変速クラッチ50が配置され、同変速クラッチ50に設けられる主被動ギヤ28bが前記主駆動ギヤ28aと噛合して1次減速機構が構成されている。
変速クラッチ50は、多数のクラッチ板50pを備え、クラッチ操作機構により操作されて変速機Mへのクランク軸20の動力の伝達および遮断を行う。
カウンタ軸22は、メイン軸21の後方の斜め上方に位置して、左右クランクケース11L,11Rに軸受22b,22bを介して回転可能に軸支され、左側軸受22bより外部に突出した左端に前記チェーン駆動スプロケット23が嵌着される。
したがって、内燃機関Eの動力は、クランク軸20から、1次減速機構28a,28bおよびクラッチ45を介して変速機Mに伝達され、変速機Mのメインギヤ群21gとカウンタギヤ群22gとの噛合において変速された出力が、カウンタ軸22からチェーン伝達機構を介して図示されないチェーン被動スプロケットに伝達され、さらに2次減速機構(図示されず)を介して後輪に伝達される。
右クランクケース11Rの右側面には、オイルパン15を除くクランク室Ccと変速室Cmの側方に右サイドカバー45が被せられる。
右サイドカバー45は、前記変速クラッチ50の周囲を覆い開口する円筒部45a、クランク軸20の軸方向箇所に円開口45bが形成されるとともに、円開口45bの上方に水ポンプ56のポンプボディ45cが形成されており、円筒部45aの開口にはクラッチカバー46が被せられ、円開口45bには蓋部材47が嵌合され、水ポンプボディ45cには水ポンプカバー48が被せられる。
内燃機関Eは、DOHC型の動弁機構を備え、図3および図4を参照して、シリンダヘッド13には、シリンダ12aに対応して、シリンダ軸線方向でピストン30に対向して燃焼室60が構成され、該燃焼室60に前記吸気ポート13iが前半部左右に1対開口し、前記排気ポート13eが後半部左右に1対開口しており、燃焼室60の天井壁中央には点火栓61が先端を燃焼室60に臨ませて取り付けられる。
シリンダヘッド3に一体に嵌着された弁ガイド64i,64eにそれぞれ摺動可能に支持される吸気弁62および排気弁63は、内燃機関Eに備えられる動弁装置65により駆動されて、吸気ポート13iの吸気開口および排気ポート27の排気開口をクランク軸20の回転に同期して開閉する。
動弁装置65は、シリンダヘッド13とシリンダヘッドカバー14により形成される動弁室14v内に設けられ、左右1対の吸気弁62の上を左右方向に指向して配設された吸気カム軸66と左右1対の排気弁63の上を左右方向に指向して配設された排気カム軸67が、シリンダヘッド13とカムホルダ68i,68eに挟まれるようにして回転自在に軸支されている。
吸気カム軸66のカムロブ66cが弁ばね62sにより上方に付勢された吸気弁62の上端に被せられたバルブリフタ62lの上面に接し、吸気カム軸66と一体のカムロブ66cの回転により吸気弁62が所要のタイミングで開閉駆動し、同様に排気カム軸67のカムロブ67cが弁ばね63sにより上方に付勢された排気弁63の上端に被せられたバルブリフタ63lの上面に接し、排気カム軸67と一体のカムロブ67cの回転により排気弁63が所要のタイミングで開閉駆動する。
吸気カム軸66と排気カム軸67は、それぞれの左軸端部に被動カムチェーンスプロケット66s,67sが嵌着されて、この2つの被動カムチェーンスプロケット66s,67sと前記クランク軸20の左軸体20Lに形成された駆動カムチェーンスプロケット20csとの間にカムチェーン69が架渡され(図6参照)、クランク軸20の回転動力がカムチェーン69を介して吸気カム軸66と排気カム軸67の回転に伝達され、クランク軸20に同期して吸気カム軸66と排気カム軸67が回転して吸気弁62と排気弁63が開閉駆動する。
このような内燃機関Eのクランク軸20を軸支するクランクケース11の右側主軸受部11Rbと左側主軸受部11Lbには、それぞれにピストンジェット油路J1,J2が形成されて、各ピストンジェット油路J1,J2の下流端に設けられたジェットノズルN1,N2により、シリンダボア12b内に向けて斜め上方にオイルが噴射され(図3,図4参照)、シリンダボア12b内を往復摺動するピストン30の裏面に斜めに当てピストン30を裏面から冷却することができる。
以上のような内燃機関Eにおいて、図1を参照して、変速機Mのカウンタ軸22と略同じ高さにあるピボット軸5とを含む略水平面である平面Sを想定すると、この平面Sより下方にクランク軸20とメイン軸21が配置される。
したがって、重量物であるクランクウエブ11wおよび変速クラッチ50をそれぞれ備えるクランク軸20とメイン軸21が内燃機関Eの低い位置に配置されて低重心化を図ることができる。
大径の変速クラッチ50が低い位置にあって変速機Mの上方に突出しないように配置されて変速機M上方空間を広く確保して排気管18等のレイアウトの自由度を大きくすることができる。
また、排気管18が配管される内燃機関Eの左側とは反対側の右側に、変速クラッチ50が配置されるので、内燃機関Eの左右の重量バランスを良好にすることができる。
E…内燃機関、M…変速機、
11…クランクケース、11w…クランクウエイト、Cc…クランク室、Cm…ミッション室、Co…オイルパン室、11L…左クランクケース、11R…右クランクケース、11Lb,11Rb…主軸受部、12…シリンダブロック、12a…シリンダ、13…シリンダヘッド、14…シリンダヘッドカバー、15…オイルパン、16e…排気通路、18…排気管、19…マフラー、20…クランク軸、20p…クランクピン、20Lj,20Rj…ジャーナル部、21…メイン軸、22…カウンタ軸、
30…ピストン、38…ピストンピン、39…コンロッド、50…変速クラッチ、65…動弁装置。

Claims (3)

  1. 変速機(M)をクランク軸(20)の後方に備えシリンダ(12)を斜め上方であって後方に傾いた後傾姿勢で起立させた自動二輪車の内燃機関(E)において、
    前記内燃機関(E)は前記クランク軸(20)を車幅方向に指向させて自動二輪車に搭載され、
    前記内燃機関(E)の後方に設けられる前記変速機(M)は変速クラッチ(50)を備えるメイン軸(21)とカウンタ軸(22)が前記クランク軸(20)と平行に配設され、
    前記クランク軸(20)と前記メイン軸(21)が略同じ高さに配置され、
    前記クランク軸(20)と前記メイン軸(21)を含む平面が前記カウンタ軸(22)よりも下方に配置されることを特徴とする自動二輪車の内燃機関。
  2. 後輪を支持するリヤフォーク(6)が変速機(M)の後方で車幅方向に指向したピボット軸(5)を介して車体フレーム(1)に揺動自在に軸支され、
    前記ピボット軸(5)が前記カウンタ軸(22)と略同じ高さに配置されることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車の内燃機関。
  3. 前記シリンダ(12)のシリンダ軸線は、前記クランク軸(20)の軸中心より前方にオフセットしていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の自動二輪車の内燃機関
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