JP2011144325A - クリンチエイペックス又はビードエイペックス用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

クリンチエイペックス又はビードエイペックス用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】良好なスコーチタイムを維持しながら、機械的強度及び転がり抵抗特性をバランス良く改善できるクリンチエイペックス又はビードエイペックス用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したクリンチエイペックス及び/又はビードエイペックスを有する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】珪素とアミノ基を有する特定の化合物により変性されたブタジエンゴムを含むゴム成分100質量部に対して、特定のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を1〜5質量部含有するクリンチエイペックス又はビードエイペックス用ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、クリンチエイペックス又はビードエイペックス用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
従来、タイヤのクリンチエイペックスやビードエイペックスを製造するためのゴム組成物は、複素弾性率(E)を増大させて機械的強度(破壊エネルギー)を高めることにより、操縦安定性能を向上させることが重視されている。また、近年、車の低燃費化への要求がますます強くなり、タイヤにおける占有比率の高いトレッドを製造するためのゴム組成物だけでなく、クリンチエイペックスやビードエイペックスを製造するためのゴム組成物に対しても、優れた転がり抵抗特性が要求されている。したがって、機械的強度及び転がり抵抗特性を両立させる方法が望まれている。
機械的強度を高める方法としては、例えば、補強効果が大きいカーボンブラックを多量に使用する方法があるが、この場合、転がり抵抗特性が悪化する傾向があった。また、転がり抵抗特性を改善(転がり抵抗を低減)する方法としては、例えば、カーボンブラックをシリカで置換する方法があるが、この場合、機械的強度が低下する傾向があった。
特許文献1〜3には、変性ブタジエンゴム、変性スチレンブタジエンゴムなどの変性ゴムを用いて転がり抵抗を低減することが提案されている。しかし、これらのゴム組成物では、機械的強度及び転がり抵抗特性をバランス良く改善する点について、未だ改善する余地がある。
特開2001−114939号公報 特開2005−126604号公報 特開2005−325206号公報
本発明は、前記課題を解決し、良好なスコーチタイムを維持しながら、機械的強度及び転がり抵抗特性をバランス良く改善できるクリンチエイペックス又はビードエイペックス用ゴム組成物、及びそれを用いて作製したクリンチエイペックス及び/又はビードエイペックスを有する空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを含むゴム成分100質量部に対して、下記式(2)で示されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を1〜5質量部含有するクリンチエイペックス又はビードエイペックス用ゴム組成物に関する。
Figure 2011144325
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基又は環状エーテル基を表す。nは整数を表す。)
Figure 2011144325
(式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数5〜12のアルキル基を示す。x及びyは、同一若しくは異なって、2〜4の整数を示す。mは0〜10の整数を示す。)
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製したクリンチエイペックス及び/又はビードエイペックスを有する空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、特定化合物により変性されたブタジエンゴムを含むゴム成分に対して、特定のアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を所定量配合したゴム組成物であるので、良好なスコーチタイムを維持しながら、機械的強度及び転がり抵抗特性がバランス良く得られる。従って、該ゴム組成物をクリンチエイペックス及び/又はビードエイペックスに使用することにより、機械的強度及び転がり抵抗特性がバランス良く改善され、かつスコーチが発生しにくい空気入りタイヤを提供できる。
本発明は、上記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴム(以下、「変性BR」ともいう)を含むゴム成分に対して、上記式(2)で示されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を所定量含有するゴム組成物である。これにより、良好なスコーチタイムを維持しながら、機械的強度及び転がり抵抗特性がバランス良く得られる。
上記式(1)で表される化合物において、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基などが挙げられる。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などの炭素数1〜8のアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜4)などが挙げられる。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基などの炭素数5〜8のシクロアルコキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基などの炭素数6〜8のアリールオキシ基など)も含まれる。
上記シリルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族基、芳香族基が置換したシリルオキシ基(トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、ジエチルイソプロピルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基など)などが挙げられる。
上記アセタール基としては、例えば、−C(RR′)−OR″、−O−C(RR′)−OR″で表される基を挙げることができる。前者としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、t−ブトキシメチル基、ネオペンチルオキシメチル基などが挙げられ、後者としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、プロポキシメトキシ基、i−プロポキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、t−ブトキシメトキシ基、n−ペンチルオキシメトキシ基、n−ヘキシルオキシメトキシ基、シクロペンチルオキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基などを挙げることができる。
、R及びRとしては、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。これにより、機械的強度及び転がり抵抗特性を好適に両立できる。
上記式(1)で表される化合物において、R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基又は環状エーテル基を表す。
及びRのアルキル基としては、例えば、上記アルキル基と同様の基を挙げることができる。
及びRの環状エーテル基としては、例えば、オキシラン基、オキセタン基、オキソラン基、オキサン基、オキセパン基、オキソカン基、オキソナン基、オキセカン基、オキセト基、オキソール基などのエーテル結合を1つ有する環状エーテル基、ジオキソラン基、ジオキサン基、ジオキセパン基、ジオキセカン基などのエーテル結合を2つ有する環状エーテル基、トリオキサン基などのエーテル結合を3つ有する環状エーテル基などが挙げられる。なかでも、エーテル結合を1つ有する炭素数2〜7の環状エーテル基が好ましく、エーテル結合を1つ有する炭素数3〜5の環状エーテル基がより好ましい。また、環状エーテル基は環骨格内に不飽和結合を有していないことが好ましい。
及びRとしては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜3、より好ましくは炭素数1〜2)が好ましく、エチル基がより好ましい。これにより、機械的強度及び転がり抵抗特性を好適に両立できる。
n(整数)としては、2〜5が好ましい。これにより、機械的強度及び転がり抵抗特性を好適に両立できる。更には、nは2〜4がより好ましく、3が最も好ましい。nが1以下であると変性反応が阻害される場合があり、nが6以上であると変性剤としての効果が薄れる。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルエチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルブトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジブトキシシラン、ジメチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジメチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジメチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジメチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジメチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジメチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジメチルアミノブチルジエトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリメトキシシラン、ジエチルアミノメチルジメトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジメトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジメトキシメチルシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、4−ジエチルアミノブチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルジエトキシメチルシラン、2−ジエチルアミノエチルジエトキシメチルシラン、3−ジエチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、4−ジエチルアミノブチルジエトキシメチルシラン、下記式(3)〜(10)で表される化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、機械的強度及び転がり抵抗特性の改善効果が高いという点から、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011144325
上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるブタジエンゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報、特表2003−514078号公報などに記載されている方法など、従来公知の手法を用いることができる。例えば、ブタジエンゴムと変性剤とを接触させればよく、ブタジエンゴムを重合し、該重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加する方法、ブタジエンゴム溶液中に変性剤を添加して反応させる方法などが挙げられる。
変性されるブタジエンゴム(BR)としては特に限定されず、高シス含有量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBRなどを使用できる。また、特表2003−514078号公報などに記載されているランタン系列希土類含有化合物を含む触媒を用いて重合して得られたBRも使用できる。
変性BRのビニル含量は、好ましくは35質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。ビニル含量が35質量%を超えると、転がり抵抗特性が悪化する傾向がある。ビニル含量の下限は特に限定されない。
なお、本発明において、ビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
本発明のゴム組成物をクリンチエイペックスに使用する場合、ゴム成分100質量%中の変性BRの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。30質量%未満であると、転がり抵抗特性を充分に改善できない傾向がある。該変性BRの含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。90質量%を超えると、機械的強度が不充分となる傾向がある。
本発明のゴム組成物をビードエイペックスに使用する場合、ゴム成分100質量%中の変性BRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、転がり抵抗特性を充分に改善できない傾向がある。該変性BRの含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、機械的強度が不充分となる傾向がある。
ゴム組成物に使用される変性BR以外のゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、非変性BR、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルニトリル(NBR)、イソモノオレフィンとパラアルキルスチレンとの共重合体のハロゲン化物などを使用できる。なかでも、機械的強度をより改善できるという点から、変性BRとともに、NRを使用することが好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20など、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
本発明のゴム組成物をクリンチエイペックスに使用する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは35質量%以上である。25質量%未満であると、機械的強度を充分に改善できない傾向がある。該NRの含有量は、好ましくは55質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。55質量%を超えると、変性BRの含有量が少なくなり、転がり抵抗特性の改善効果が小さくなる傾向がある。
本発明のゴム組成物をビードエイペックスに使用する場合、ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは55質量%以上、より好ましくは65質量%以上である。55質量%未満であると、機械的強度を充分に改善できない傾向がある。該NRの含有量は、好ましくは85質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。85質量%を超えると、変性BRの含有量が少なくなり、転がり抵抗特性の改善効果が小さくなる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、シリカを含有することが好ましい。これにより、補強性が得られ、機械的強度が改善されるとともに、良好な転がり抵抗特性を得ることができる。シリカとしては、湿式法シリカ(含水シリカ)、乾式法シリカ(無水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは120m/g以上、より好ましくは140m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。120m/g未満であると、充分な補強性が得られない傾向がある。また、シリカのNSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。250m/gを超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは12質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは18質量部以上である。12質量部未満であると、シリカを配合した効果が充分に得られない傾向がある。該シリカの含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。40質量部を超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。
上記ゴム組成物は、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドなどのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、スルフィド系が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは6質量部以上である。3質量部未満では、機械的強度が低下する傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは12質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。12質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックの配合により、補強性が付与され、機械的強度をより改善することができる。カーボンブラックとしては特に限定されず、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなどが挙げられる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは60m/g以上、更に好ましくは70m/g以上である。50m/g未満であると、充分な補強性が得られない傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは、120m/g以下が好ましく、90m/g以下がより好ましい。120m/gを超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217のA法によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、上記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは38質量部以上、より好ましくは45質量部以上、更に好ましくは48質量部以上である。38質量部未満であると、カーボンブラックを配合した効果が充分に得られない傾向がある。該カーボンブラックの含有量は、好ましくは90質量部以下、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。90質量部を超えると、未加硫ゴム組成物の粘度が高くなり、加工性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、上記式(2)で表されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を含有する。これにより、通常の硫黄架橋に比べて熱的に安定な架橋構造を形成することができ、良好な転がり抵抗特性及び機械的強度が得られる。
mは、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物のゴム成分中への分散性が良い点から、0〜10の整数であり、1〜9の整数が好ましい。x及びyは、高硬度が効率良く発現できる(リバージョン抑制)点から、2〜4の整数であり、ともに2が好ましい。R〜Rは、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物のゴム成分中への分散性が良い点から、炭素数5〜12のアルキル基であり、炭素数6〜9のアルキル基が好ましい。
上記アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物は、公知の方法で調製することができ、特に制限されないが、例えば、アルキルフェノールと塩化硫黄とを、モル比1:0.9〜1.25などで反応させる方法などが挙げられる。
アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の具体例として、田岡化学工業(株)製のタッキロールV200(下記式(11))などが挙げられる。
Figure 2011144325
(式中、mは0〜10の整数を表す。)
なお、上記アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の硫黄含有率は、燃焼炉で800〜1000℃に加熱し、SOガス又はSOガスに変換後、ガス発生量から光学的に定量し、求めた割合をいう。
上記アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは1.5質量部以上、より好ましくは1.8質量部以上である。1質量部未満であると、転がり抵抗特性を充分に改善できない傾向がある。該含有量は、5質量部以下、好ましくは4.5質量部以下、より好ましくは4.2質量部以下である。5質量部を超えると、ゴム焼け(スコーチ)が発生しやすくなる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、硫黄、ステアリン酸、酸化防止剤、老化防止剤、加硫促進剤、ワックス、軟化剤、粘着付与剤などを必要に応じて配合してもよい。
本発明のゴム組成物は、クリンチエイペックス又はビードエイペックスに使用される。クリンチエイペックスとは、サイドウォールの内方端に配置される部位であり、具体的には、特開2008−75066号公報の図1等に示される部材である。また、ビードエイペックスとは、カーカスの折り返しの間に配置され、タイヤのサイドウォール方向に向かって延びる部位であり、具体的には、特開2009−001681号公報の図1等に示される部材である。
本発明のゴム組成物を用い、通常の方法で空気入りタイヤを製造することができる。すなわち、前記ゴム組成物を用いてクリンチエイペックス及び/又はビードエイペックスを作製し、他の部材とともに貼り合わせ、タイヤ成型機上にて加熱加圧することにより製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車、トラック、バスなどに使用でき、なかでも、乗用車に好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
NR:RSS#3
非変性BR:宇部興産(株)製のBR150B
変性BR:住友化学(株)製の変性ブタジエンゴム(ビニル含量:15質量%、R、R及びR=OCH、R及びR=−CHCH、n=3)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックH(N330、NSA:79m/g)
シリカ:デグッサ社製のULTRASIL VN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi75(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスNC300S
ワックス:日本精蝋(株)製のOZOACE−0355
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
粘着レジン:(株)日本触媒製のSP1068
熱硬化性レジン:住友ベークライト(株)製のスミライトレジンPR12686(フェノール系硬化レジン)
ステアリン酸:日油(株)製の桐
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤H:大内新興化学工業(株)製のノクセラーH(へキサメチレンテトラミン)
V200:田岡化学工業(株)製のタッキロールV200(式(11)で表されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、m:0〜10、x及びy:2、R〜R:C17(オクチル基)、硫黄含有率:24質量%)
実施例1〜4及び比較例1〜6
表1及び2に示す配合処方に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄、加硫促進剤及びV200以外の薬品を約150℃で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤及びV200を添加し、2軸オープンロールを用いて、約80℃で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物を150℃で35分間プレス加硫し、加硫ゴムシートを得た。
得られた未加硫ゴム組成物及び加硫ゴムシートを使用し、以下の評価を行った。結果を表1及び2に示す。なお、以下の評価において、基準配合は、表1では比較例1、表2では比較例4とした。
(低発熱性)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で上記加硫ゴムシートの損失正接tanδを測定し、基準配合のtanδを100として、下記計算式により、各配合のtanδを指数表示した。指数が大きいほど、発熱しにくく、転がり抵抗特性に優れることを示す。
(低発熱性指数)=(基準配合のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(破壊エネルギー)
JIS K6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、上記加硫ゴムシートからなる3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施し、破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定し、破壊エネルギー(TB×EB/2)を算出した。そして、基準配合の破壊エネルギーを100とし、下記計算式により、各配合の破壊エネルギーを指数表示した。指数が大きいほど、機械的強度に優れることを示す。
(破壊エネルギー指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(基準配合の破壊エネルギー)×100
(T10)
キュラストメーターを用いて、160℃において、上記未加硫ゴム組成物からなる試験片を振動を加えながら加硫することで、トルクが10%上昇する時間T10(分)を測定した。そして、基準配合のT10を100とし、以下の計算式により各配合のT10を指数表示した。指数が大きいほど、スコーチタイムが長いことを示す。
(T10指数)=(各配合のT10)/(基準配合のT10)×100
Figure 2011144325
Figure 2011144325
表1及び2より、変性BR及びV200を含有する実施例は、良好なスコーチタイムを維持しながら、機械的強度及び転がり抵抗特性がバランス良く改善された。一方、変性BR及びV200を含有しない比較例や、変性BR及びV200を含有しているが、V200の含有量が多い比較例は、各性能のバランスが悪かった。

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表される化合物により変性されたブタジエンゴムを含むゴム成分100質量部に対して、下記式(2)で示されるアルキルフェノール・塩化硫黄縮合物を1〜5質量部含有するクリンチエイペックス又はビードエイペックス用ゴム組成物。
    Figure 2011144325
    (式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基又は環状エーテル基を表す。nは整数を表す。)
    Figure 2011144325
    (式中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、炭素数5〜12のアルキル基を示す。x及びyは、同一若しくは異なって、2〜4の整数を示す。mは0〜10の整数を示す。)
  2. 請求項1記載のゴム組成物を用いて作製したクリンチエイペックス及び/又はビードエイペックスを有する空気入りタイヤ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015137311A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2018024743A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

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