JP2011143517A - 超音波加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工工具をホーン先端に取り付けて片支持した超音波加工装置において、超音波振動子の縦振動と加工工具の半径方向の伸び振動とをきれいな共振状態とすることが可能な超音波加工装置の提供。
【解決手段】中空の本体スリーブ2aを有し、軸線C周りに回転駆動されるスピンドル2と、本体スリーブ2a内の軸線C上に配置される超音波振動子3と、本体スリーブ2aに固定され、超音波振動子3と同軸上に連接される支持ホーン4と、この支持ホーン4との間に軸線C周りに回転させる加工工具5を挟持する固定ホーン6とを有し、支持ホーン4の超音波振動子3が連接される端面4fから固定ホーン6の先端面6cまでの長さが、超音波振動子3により励起される超音波振動の波長λであり、加工工具5の中心が固定ホーン6の先端面6cから超音波振動子3側に1/4・λの位置であることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】中空の本体スリーブ2aを有し、軸線C周りに回転駆動されるスピンドル2と、本体スリーブ2a内の軸線C上に配置される超音波振動子3と、本体スリーブ2aに固定され、超音波振動子3と同軸上に連接される支持ホーン4と、この支持ホーン4との間に軸線C周りに回転させる加工工具5を挟持する固定ホーン6とを有し、支持ホーン4の超音波振動子3が連接される端面4fから固定ホーン6の先端面6cまでの長さが、超音波振動子3により励起される超音波振動の波長λであり、加工工具5の中心が固定ホーン6の先端面6cから超音波振動子3側に1/4・λの位置であることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種研削工具などの加工工具に超音波振動を印加しながら被加工物に高効率な研削加工、切削加工や塑性加工などの加工を施すことのできる超音波加工装置に関する。
精密加工あるいは超精密加工の分野においては、被加工物の表面研磨や孔開け加工手段として超音波加工装置が使用されている。超音波加工装置は、一般に、モータによって回転駆動されるスピンドルと、スピンドルと同軸配置された超音波ヘッドと、超音波ヘッドに一体的に連結されたホーンと、ホーン先端に取り付けられた研削工具などを備えている。
例えば、特許文献1には、軸線周りに回転駆動されるスピンドルと、スピンドルに形成された中空の本体スリーブの中に配置する超音波振動子と、超音波振動子に同軸上に連接され、かつ本体スリーブの内周壁に拘束固定され、超音波振動子により励起された超音波振動を加工工具へ伝播する支持ホーンとを備えた超音波加工装置が開示されている。
また、特許文献2には、スピンドルの先端部に、略リング形状を有する極薄の切削砥石切削ブレードがフランジおよびナットによって装着された切削ユニットが開示されている。なお、スピンドルの大部分は、スピンドルハウジングに覆われているが、先端部は、スピンドルハウジングから露出しており、かかる先端部に切削ブレードが装着されている。また、スピンドルハウジングは、内部に設けられたエアベアリングによってスピンドルを高速回転可能に支持している。
また、特許文献3には、超音波ホーンとブースタ(支持ホーン)と振動子とが無頭ねじで同軸な一列状に結合され、ブースタの支持部が図外の超音波振動切断装置のホルダに回転可能に両支持された超音波加工用共振器が開示されている。また、この特許文献3には、第1、第2実施形態では共振器(共振体)を支持部で両支持する形態であるが、共振器からブースタを取り外して支持部でホルダに片支持する形態も可能であることが記載されている。
ところで、上記特許文献1〜3に記載の超音波加工装置は、いずれも支持ホーンの端面に取り付けられた超音波振動子の駆動力を加工工具の半径方向の対称伸び振動に伝えるL−R変換体を構成しており、超音波振動子のスピンドル軸方向の縦振動と加工工具の半径方向の伸び振動とが一体となって共振するようになっている。
このとき、特許文献3に記載のように共振体を支持部で両支持した場合には、超音波振動子の縦振動と加工工具の半径方向の伸び振動とをきれいな共振状態とすることが容易であるが、この特許文献3に記載のように共振体から一方のブースタを取り外して支持部でホルダに片支持した場合、すなわち、特許文献2に記載のように加工工具を片支持した場合には、超音波振動子の縦振動と加工工具の半径方向の伸び振動との共振が、きれいな共振状態とはなりにくい。
そこで、本発明では、加工工具をホーン先端に取り付けて片支持した超音波加工装置において、超音波振動子の縦振動と加工工具の半径方向の伸び振動とをきれいな共振状態とすることが可能な超音波加工装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波加工装置は、中空の本体スリーブを有し、軸線周りに回転駆動されるスピンドルと、本体スリーブ内の軸線上に配置される超音波振動子と、本体スリーブに固定され、超音波振動子と同軸上に連接される支持ホーンと、この支持ホーンとの間に軸線周りに回転させる加工工具を挟持する固定ホーンとを有し、支持ホーンと固定ホーンとにより加工工具を挟持した状態で、支持ホーンの超音波振動子が連接される面から固定ホーンの先端面までの長さが、超音波振動子により励起される超音波振動の波長であり、加工工具の中心が固定ホーンの先端面から超音波振動子側に超音波振動子により励起される超音波振動の1/4波長の位置であることを特徴とするものである。
本発明の超音波加工装置は、支持ホーンと固定ホーンとの間に挟持される加工工具は、支持ホーンが本体スリーブに固定されることによって片支持されており、超音波振動子により励起された超音波の縦振動は、支持ホーンの超音波振動子が連接される面から固定ホーンの先端面までの長さ、すなわち支持ホーン、加工工具および固定ホーンにより構成される総延長がその波長である共振体により共振し、加工工具の半径方向の伸び縮み振動へと変換される。
このとき、超音波振動は、固定ホーン先端面までの長さが1波長であることによって、固定ホーンの先端面まで伝わり、きれいに反射して戻ってくるので、支持ホーンと加工工具と固定ホーンとの波長が整って、きれいな共振状態となり、加工工具の半径方向の伸び縮みの振動へと変換される。また、この超音波振動は加工工具の半径方向の伸び縮み振動へと変換されるが、支持ホーンおよび固定ホーンと加工工具との連接位置が半径方向振幅のノード位置からずれており、加工工具の中心が固定ホーンの先端面から超音波振動子側に超音波振動子により励起される超音波振動の1/4波長の位置にあるため、加工工具の半径方向振幅が小さくなる。
ここで、支持ホーンは、超音波振動子が連接される本体部と、加工工具を貫通して固定ホーンと固定される支持部とが一体化されたものであることが望ましい。これにより、スピンドルの本体スリーブに固定された支持ホーンの支持部に対して加工工具を嵌め込み、支持部に固定ホーンを固定することで、加工工具を容易に取り付けることができる。
また、支持ホーンは、本体部の超音波振動子が連接される面から支持部の先端面までの長さが超音波振動子により励起される超音波振動の波長であり、支持部の固定ホーンと固定される部分が雄ねじであり、固定ホーンは、支持部の雄ねじに締結される雌ねじを有するものであることが望ましい。これにより、支持ホーンに加工工具を嵌め込み、さらに固定ホーンの雌ねじを支持ホーンの雄ねじに締結することで、加工工具を容易に取り付けることができ、また取り外しも容易となる。
あるいは、支持部の先端部は雄ねじであり、この雄ねじに締結される雌ねじによって支持ホーンと固定ホーンとが固定されるものであることが望ましい。これにより、加工工具を嵌め込んだ支持ホーンまたは固定ホーンの一方の支持部の先端部の雄ねじに、他方の固定ホーンまたは支持ホーンの雌ねじを締結することで、加工工具を容易に取り付けることができ、また取り外しも容易となる。
支持ホーンは、超音波振動子が連接される本体部と、この本体部の外周面の超音波振動子が連接される面から1/4波長の位置に鍔状に形成された基部と、この基部の外周を軸線方向に延設して形成された弾性を有する円筒状の緩衝スリーブと、緩衝スリーブを本体スリーブに固定するためのフランジとを有するものであることが望ましい。
これにより、フランジにより支持ホーンはスピンドルの本体スリーブに固定されるが、円筒状の緩衝スリーブが形成される基部が、支持ホーンの軸線方向の位置が変化しないノード位置にあるうえ、緩衝スリーブが弾性変形するため、本体部に印加された超音波振動の本体スリーブへの漏洩が防止される。
(1)中空の本体スリーブを有し、軸線周りに回転駆動されるスピンドルと、本体スリーブ内の軸線上に配置される超音波振動子と、本体スリーブに固定され、超音波振動子と同軸上に連接される支持ホーンと、この支持ホーンとの間に軸線周りに回転させる加工工具を挟持する固定ホーンとを有し、支持ホーンと固定ホーンとにより加工工具を挟持した状態で、支持ホーンの超音波振動子が連接される面から固定ホーンの先端面までの長さが、超音波振動子により励起される超音波振動の波長であり、加工工具の中心が固定ホーンの先端面から超音波振動子側に超音波振動子により励起される超音波振動の1/4波長の位置であることによって、加工工具を支持ホーン先端に取り付けて片支持した超音波加工装置において、超音波振動子の縦振動と加工工具の半径方向の伸び縮み振動とをきれいな共振状態とし、高効率な超音波加工を行うことが可能となる。特に、この超音波加工装置では加工工具の半径方向振幅が小さくなるため、厳しい加工精度が求められる被加工物の加工に好適である。
(2)支持ホーンが、超音波振動子が連接される本体部と、加工工具を貫通して固定ホーンと固定される支持部とが一体化されたものであることにより、スピンドルの本体スリーブに固定された支持ホーンの支持部に対して加工工具を嵌め込み、支持部に固定ホーンを固定することで、加工工具を容易に取り付けることが可能な超音波加工装置が得られる。
(3)支持ホーンが、本体部の超音波振動子が連接される面から支持部の先端面までの長さが超音波振動子により励起される超音波振動の波長であり、支持部の固定ホーンと固定される部分が雄ねじであり、固定ホーンが、支持部の雄ねじに締結される雌ねじを有するものであることにより、支持ホーンに加工工具を嵌め込み、さらに固定ホーンの雌ねじを支持ホーンの雄ねじに締結することで、加工工具を容易に取り付けることができ、また取り外しも容易な超音波加工装置が得られる。また、この超音波加工装置では、ねじの有効径を大きく取ることができるので、ねじの締め付け力を十分に確保することができ、加工工具をしっかりと固定することができる。
(4)支持部の先端部が雄ねじであり、この雄ねじに締結される雌ねじによって支持ホーンと固定ホーンとが固定されるものであることにより、加工工具を嵌め込んだ支持ホーンまたは固定ホーンの一方の支持部の先端部の雄ねじに、他方の固定ホーンまたは支持ホーンの雌ねじを締結することで、加工工具を容易に取り付けることができ、また取り外しも容易な超音波加工装置が得られる。
(5)支持ホーンが、超音波振動子が連接される本体部と、この本体部の外周面の超音波振動子が連接される面から1/4波長の位置に鍔状に形成された基部と、この基部の外周を軸線方向に延設して形成された弾性を有する円筒状の緩衝スリーブと、緩衝スリーブを本体スリーブに固定するためのフランジとを有するものであることにより、本体部に印加された超音波振動の本体スリーブへの漏洩が防止され、さらに高効率な超音波加工が可能な超音波加工装置が得られる。
図1は本発明の実施の形態における超音波加工装置の主要部の断面図、図2は図1の支持ホーン、加工工具および固定ホーンを分解した状態を示す断面図である。
図1において、本発明の実施の形態における超音波加工装置1は、中空の本体スリーブ2aを有し、軸線C周りに回転駆動されるスピンドル2と、本体スリーブ2a内の軸線C上に配置される超音波振動子3と、本体スリーブ2aに固定される支持ホーン4と、スピンドル2とともに軸線C周りに回転することによって被加工物を研削加工する加工工具5と、支持ホーン4との間に加工工具5を挟持する固定ホーン6とを有する。
超音波振動子3は、例えばセラミックス製の圧電素子3aを正負の電極プレート3b,3cの間に挟持し、その先端部分を、超音波振動を増幅させる質点として機能させる出力部3dとしたものである。この超音波振動子3は、電極プレート3b,3cに給電ユニット(図示せず。)から通電がなされることにより、圧電素子3aが作動して、出力部3dにその軸線C方向を振動方向(振動主軸)とする15kHz〜60kHzの超音波振動を励起する。なお、超音波の周波数の下限の定義は一般的に統一されていないが、本発明においては15kHz以上の周波数を超音波とする。
図2に示すように、支持ホーン4は、例えばステンレス鋼などの工具鋼を素材とする一体成形品であり、超音波振動子3と同軸(軸線C)上に連接される本体部4aと、加工工具5を貫通して固定ホーン6と固定される支持部4bと、本体部4aの外周面に鍔状に形成された基部4cと、この基部4cの外周を軸線方向に延設して形成された弾性を有する円筒状の緩衝スリーブ4dと、緩衝スリーブ4dをスピンドル2の本体スリーブ2aに固定するためのフランジ4eとを有する。
支持ホーン4は、超音波振動子3により励起される超音波振動の波長(以下、「λ」とする。)の軸線C方向の長さ(以下、特に明示しない限り、「長さ」は軸線C方向の長さをいう。)を有する。本体部4aは、超音波振動子3の出力部3dに連接される端面4fから加工工具5の端面5aまでの中実円柱状部分である。本体部4aの長さは、加工工具5の中心が固定ホーン6の先端面6cから超音波振動子3側に1/4・λの位置に配置されるように設定されている。
なお、本実施形態においては、加工工具5の長さが1/4・λ、固定ホーン6の長さが1/8・λである。加工工具5の中心は、軸線C方向の加工工具5の中央である。また、支持ホーン4の先端面4jと固定ホーン6の先端面6cとは一致しており、本体部4aの長さは1/2・λに固定ホーン6の長さ1/8・λを加えた長さ5/8・λと一致している。また、支持部4bは、加工工具5の長さ1/4・λに固定ホーン6の長さ1/8・λを加えた長さ3/8・λを有する。この支持部4bは加工工具5を貫通して突出し、その先端部には固定ホーン6と締結するための雄ねじ4gが形成されている。
基部4cは、本体部4aの超音波振動子3が連接される面から1/4・λの位置に形成されている。この基部4cの形成位置は、軸線C方向の位置が変化しないノード位置である。フランジ4eは、軸線C方向と交差する面を本体スリーブ2aの先端部に接触させて固定する軸接フランジである。このフランジ4eには、本体スリーブ2aの先端部に等間隔(45°間隔)に8個形成されたねじ穴2bに対応する位置に、それぞれ貫通孔4iが形成されている。支持ホーン4は、この貫通孔4iを通じてねじ7が本体スリーブ2aのねじ穴2bに締結されることにより、軸線C方向に拘束された状態で本体スリーブ2aの先端に固定される。
固定ホーン6は、例えばステンレス鋼などの工具鋼を素材とする一体成形品である。固定ホーン6の中心には、支持ホーン4の雄ねじ4gと締結するための雌ねじ6aが形成されている。この固定ホーン6の雌ねじ6aを支持ホーン4の雄ねじ4gと締結すると、支持ホーン4の端面4hと加工工具5の端面5aとが密着し、加工工具5の端面5bと固定ホーン6の端面6bとが密着して、加工工具5および固定ホーン6が支持ホーン4に固定される。
加工工具5は、支持ホーン4の支持部4bが差し込まれる差込孔5cが形成された胴部5dと、この胴部5dに連続して形成された鍔部5eと、円板状の回転砥石部5fとから構成される回転砥石である。前述の端面5a,5bは胴部5dの軸線C方向の両端面である。なお、加工工具5はスピンドル2の回転により被加工物に研削加工などの加工を施すものであれば良い。
上記構成の超音波加工装置1では、支持ホーン4と固定ホーン6との間に挟持される加工工具5は、支持ホーン4がスピンドル2の本体スリーブ2aに固定されることによって片支持されている。そして、この支持ホーン4と固定ホーン6とにより加工工具5を挟持した状態で、超音波加工装置1は、支持ホーン4の超音波振動子3が連接される端面4fから固定ホーン6の先端面6cまでの長さが、超音波振動子3により励起される超音波振動の波長λとなっている。また、加工工具5の中心は、固定ホーン6の先端面6cから超音波振動子3側に1/4・λの位置となっている。
この超音波加工装置1では、超音波振動子3により励起された超音波の縦振動は、支持ホーン4の超音波振動子3が連接される端面4fから固定ホーン6の先端面6cまでの長さ、すなわち支持ホーン4、加工工具5および固定ホーン6により構成される総延長がその波長λである共振体により共振し、加工工具5の半径方向の伸び縮み振動へと変換される。
このとき、超音波振動は、固定ホーン6の先端面6cまでの長さが1波長λであることによって、固定ホーン6の先端面6cまで伝わり、きれいに反射して戻ってくるので、支持ホーン4と加工工具5と固定ホーン6との波長が整って、きれいな共振状態となり、加工工具5の半径方向の伸び縮み振動へと変換される。
また、この超音波振動は加工工具5の半径方向の伸び縮み振動へと変換されるが、支持ホーン4および固定ホーン6と加工工具5との連接位置が半径方向振幅のノード位置からずれており、加工工具5の中心が固定ホーン6の先端面6cから超音波振動子3側に1/4・λの位置にあるため、加工工具5の半径方向振幅が小さくなる。
図1の右は、超音波振動子3、支持ホーン4、加工工具5および固定ホーン6の半径方向および軸方向の振動振幅を示している。図1の右に示すように、加工工具5の半径方向振幅は、ノード位置から立ち上がらずに支持ホーン4および固定ホーン6の立ち上がり途中位置から立ち上がるため、振幅が小さくなる。したがって、本実施形態における超音波加工装置1では、厳しい加工精度が求められる被加工物の加工に好適である。
なお、加工工具5の半径方向振幅は、加工工具5の軸線C方向の長さを変更することで任意に設定することが可能である。この場合も、前述と同様に、加工工具5の中心が固定ホーン6の先端面6cから超音波振動子3側に1/4・λの位置に配置されるように、支持ホーン4の本体部4aおよび支持部4b、ならびに固定ホーン6の長さを設定すれば良い。
また、本実施形態における超音波加工装置1では、フランジ4eにより支持ホーン4がスピンドル2の本体スリーブ2aに固定され、このフランジ4eが接続された円筒状の緩衝スリーブ4dが形成されている基部4cが、支持ホーン4の軸線C方向の位置が変化しないノード位置にあるうえ、緩衝スリーブ4dが弾性変形するため、本体部4aに印加された超音波振動の本体スリーブ2aへの漏洩が防止されており、さらに高効率である。
また、本実施形態における支持ホーン4は、超音波振動子3が連接される本体部4aと、加工工具5を貫通して固定ホーン6と固定される支持部4bとが一体化されたものであるため、スピンドル2の本体スリーブ2aに固定された支持ホーン4の支持部4bに対して加工工具5を嵌め込み、支持部4bに固定ホーン6を固定することで、加工工具5を容易に取り付けることが可能である。
また、この超音波加工装置1では、加工工具5を嵌め込んだ支持ホーン4の支持部4bの先端部の雄ねじ4gに、固定ホーン6の雌ねじ6aを締結することで、加工工具5を容易に取り付けることが可能である。また、加工工具5を取り外す際には逆の手順により容易に行うことが可能である。
なお、図1および図2に示した超音波加工装置1は、支持ホーン4側に支持部4bを備えた構成であるが、逆の構成とすることも可能である。図3は本発明の超音波加工装置の別の実施の形態を示す主要部の断面図である。
図3に示す超音波加工装置10は、超音波振動子3が接続される支持ホーン11側ではなく、固定ホーン12側に本体部12aと一体化された支持部12bを備えた構成である。支持ホーン11(本体部11a)の長さは、前述と同様、加工工具5の中心が固定ホーン12の先端面から超音波振動子3側に1/4・λの位置に配置されるように設定されている。固定ホーン12の本体部12aの長さは、1/8・λである。支持部12bの先端部には、支持ホーン11と締結するための雄ねじ12cが形成されている。
一方、支持ホーン11には、支持部が形成されておらず、前述の本体部4aと同じ長さ5/8・λの本体部11aが形成されている。この支持ホーン11の本体部11aには、固定ホーン12の支持部12bの雄ねじ12cが締結される雌ねじ11bが形成されている。支持ホーン11の他の構成については、図1および図2の例と同様である。
このような構成においても、前述と同様、超音波振動子3により励起された超音波の縦振動は、支持ホーン11、加工工具5および固定ホーン12により構成される総延長がその波長λである共振体により共振し、加工工具5の半径方向の伸び縮み振動へと変換される。また、支持ホーン11および固定ホーン12と加工工具5との連接位置が半径方向振幅のノード位置からずれており、加工工具5の中心が固定ホーン12の先端面から超音波振動子3側に1/4・λの位置にあるため、加工工具5の半径方向振幅が小さくなる。
また、図4はさらに別の実施の形態を示している。図4に示す超音波加工装置20は、超音波振動子3が接続される支持ホーン21および固定ホーン22の両方に、それぞれ本体部21a,22aと一体化された支持部21b,22bを備えた構成である。前述と同様、支持ホーン21の本体部21aの長さは、加工工具5の中心が固定ホーン22の先端面から超音波振動子3側に1/4・λの位置に配置されるように設定されている。固定ホーン22の本体部22aの長さは、1/8・λである。
そして、支持ホーン21の支持部21bの先端部には、固定ホーン22と締結するための雌ねじ21cが形成されている。一方、固定ホーン22の支持部22bの先端部には、支持ホーン21の雌ねじ21cに締結される雄ねじ22cが形成されている。支持ホーン21の他の構成については、図1および図2の例と同様である。
このような構成においても、前述と同様、超音波振動子3により励起された超音波の縦振動は、支持ホーン21、加工工具5および固定ホーン22により構成される総延長がその波長λである共振体により共振し、加工工具5の半径方向の伸び縮み振動へと変換される。また、支持ホーン21および固定ホーン22と加工工具5との連接位置が半径方向振幅のノード位置からずれており、加工工具5の中心が固定ホーン22の先端面から超音波振動子3側に1/4・λの位置にあるため、加工工具5の半径方向振幅が小さくなる。
なお、図示しないが、支持ホーン21の雌ねじ21cと固定ホーン22の雄ねじ22cとを逆の構成とすることも可能である。また、図4の例では、支持ホーン21と固定ホーン22のそれぞれの支持部21b,22bを同じ長さとしているが、それぞれの長さは0〜加工工具5の幅、あるいはそれ以上まで任意に変更可能である。
本発明の超音波加工装置は、各種研削工具などの加工工具に超音波振動を印加しながら被加工物に高効率な研削加工、切削加工や塑性加工などの加工を施すための装置として有用である。
1,10,20 超音波加工装置
2 スピンドル
2a 本体スリーブ
3 超音波振動子
3a 圧電素子
3b,3c 電極プレート
3d 出力部
4,11,21 支持ホーン
4a,11a,12a,21a,22a 本体部
4b,12b,21b,22b 支持部
4c 基部
4d 緩衝スリーブ
4e フランジ
4g,12c,22c 雄ねじ
5 加工工具
6,12,22 固定ホーン
6a,11b,21c 雌ねじ
2 スピンドル
2a 本体スリーブ
3 超音波振動子
3a 圧電素子
3b,3c 電極プレート
3d 出力部
4,11,21 支持ホーン
4a,11a,12a,21a,22a 本体部
4b,12b,21b,22b 支持部
4c 基部
4d 緩衝スリーブ
4e フランジ
4g,12c,22c 雄ねじ
5 加工工具
6,12,22 固定ホーン
6a,11b,21c 雌ねじ
Claims (5)
- 中空の本体スリーブを有し、軸線周りに回転駆動されるスピンドルと、
前記本体スリーブ内の前記軸線上に配置される超音波振動子と、
前記本体スリーブに固定され、前記超音波振動子と同軸上に連接される支持ホーンと、
この支持ホーンとの間に前記軸線周りに回転させる加工工具を挟持する固定ホーンとを有し、
前記支持ホーンと固定ホーンとにより前記加工工具を挟持した状態で、前記支持ホーンの前記超音波振動子が連接される面から前記固定ホーンの先端面までの長さが、前記超音波振動子により励起される超音波振動の波長であり、
前記加工工具の中心が前記固定ホーンの先端面から前記超音波振動子側に前記超音波振動子により励起される超音波振動の1/4波長の位置である
ことを特徴とする超音波加工装置。 - 前記支持ホーンは、前記超音波振動子が連接される本体部と、前記加工工具を貫通して前記固定ホーンと固定される支持部とが一体化されたものである請求項1記載の超音波加工装置。
- 前記支持ホーンは、前記本体部の前記超音波振動子が連接される面から前記支持部の先端面までの長さが前記超音波振動子により励起される超音波振動の波長であり、前記支持部の固定ホーンと固定される部分が雄ねじであり、
前記固定ホーンは、前記支持部の雄ねじに締結される雌ねじを有するものである
請求項1または2に記載の超音波加工装置。 - 前記支持ホーンの支持部の先端部が雄ねじであり、前記支持ホーンと前記固定ホーンとは前記雄ねじに締結される雌ねじによって固定されるものである請求項1または2に記載の超音波加工装置。
- 前記支持ホーンは、前記超音波振動子が連接される本体部と、この本体部の外周面の前記超音波振動子が連接される面から1/4波長の位置に鍔状に形成された基部と、この基部の外周を軸線方向に延設して形成された弾性を有する円筒状の緩衝スリーブと、前記緩衝スリーブを前記本体スリーブに固定するためのフランジとを有するものである
請求項1または2に記載の超音波加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010007237A JP2011143517A (ja) | 2010-01-15 | 2010-01-15 | 超音波加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|---|
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2010
- 2010-01-15 JP JP2010007237A patent/JP2011143517A/ja active Pending
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