JP2011142738A - 電源制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】Zソースインバータ回路の動作をさらに安定なものとすることである。
【解決手段】電源制御システム10は、蓄電装置12と、インピーダンスネットワーク14と、インピーダンスネットワーク14をZソースネットワークとするインバータ回路16と、制御回路20とを含み、制御回路20は、出力電圧指令値VXrefに応じて、インバータ回路16に対するDSを求めるメインループとして、電圧値減算器44と、PI制御器46と、電流値減算器48と、PI制御器50とを含んで構成される。ここで、電圧値減算器44において、キャパシタ電圧値VCに動作設定パラメータkを乗じて算出される帰還出力電圧値VXが、出力電圧指令値VXrefに対しフィードバックされ、電流値減算器48において、インダクタ電流値ILがインダクタ電流指令値ILrefにフィードバックされる。
【選択図】図10

Description

本発明は、電源制御システムに係り、特に、2つのインダクタと2つのキャパシタとがX形に接続された2ポートネットワークをインピーダンスソースとするインバータ回路、すなわちZソースインバータ回路を含む電源回路の制御を行う電源制御システムに関する。
直流電力を交流電力に変換する回路としてはインバータ回路が知られている。また、潮流電圧をより高い直流電圧に昇圧する回路としては、電圧変換器あるいは昇圧回路と呼ばれるものが知られている。例えば、直流電源であるバッテリを用いて交流回転電機を駆動するには、まずインバータ回路が必要である。その場合に、バッテリ電圧が交流回転電機の作動交流電圧に比較して低すぎる場合には、バッテリ電圧を昇圧する昇圧回路がさらに必要である。このように、交流回転電機を駆動するには、一般的に、バッテリと、昇圧回路と、インバータ回路とを含む電源回路が用いられる。
このように昇圧回路とインバータ回路とを含む電源回路では、昇圧回路のスイッチング制御とインバータ回路のスイッチング制御とを行わなくてはならない。これを1つのスイッチング制御で直流電圧の昇圧も直流交流変換も行えれば便利である。
非特許文献1には、2つのインダクタと2つのキャパシタとがX形に接続された2ポートネットワークをインピーダンスソース、すなわちZソースとして、これをバッテリとインバータ回路の間に配置する構成が述べられている。この文献では、バッテリ側にZソースを介して接続されるインバータ回路、または、インピーダンスネットワークとこれに接続されるインバータ回路を含んで、Zソースインバータ回路と呼んでいる。ここで、インバータ回路は一般的なコンバータ回路でもよく、バッテリは一般的なDCソースでもよく、またバッテリに代えて負荷またはコンバータ回路を接続するものとしてもよいと述べられている。
このZソースインバータ回路のインバータ回路として3相インバータ回路を用い、DCソースにバッテリを用い、3相インバータ回路の各相アームにおいて直列に接続される上側デバイスと下側デバイスとが共にオンとなる貫通ゼロ電位状態の期間をT0とし、スイッチングの一周期をTとすると、貫通ゼロ電位状態のデューティである双方オンデューティ比はDS=(T0/T)と表わされ、バッテリ電圧をV0として、インバータ回路の入力電圧であるDCバスバイアスの電圧値Viは、Vi={1/(1−2DS)}V0となり、V0のB={1/(1−2DS)}倍に昇圧されることが述べられている。また、インバータ回路の出力最大位相電圧は、変調率M=Vac/(Vi/2)を用いて、Vac=M・B・V0/2と表されることも述べられている。
また、非特許文献2には、インダクタが小さい場合にインダクタを流れる電流値ILが一定とならず、リップルが高くなり不連続になりえるとされ、インダクタを流れる電流値ILとインバータ回路に流れる電流値Iiとの関係がIL>(Ii/2)となることが必要であると述べられている。
このように、Zソースインバータ回路は、インバータ回路を構成するデバイスのスイッチングによってバッテリ電圧を昇圧し、交流電圧を出力することができる。特許文献1は、この非特許文献1の基本的内容が開示されている。
また、特許文献2には、このZソース電力変換装置を用いたインバータ装置が述べられ、ここでは、この電力変換装置からの出力電流である負荷電流が小さい場合に、直流電源に対する逆流防止回路を設けると逆流防止回路を介してZソースに流れる電流がゼロとなって、インバータ回路に入力する電圧が減少して動作が不安定になることを指摘している。
なお、本発明に関連する技術として、非特許文献3には、複数状態スイッチングを行うコンバータのためのスイッチングフローグラフを用いた非線形モデリング方法が述べられている。ここで、スイッチングフローグラフ法は、例えば2つのスイッチング状態がるコンバータは、オン回路とオフ回路の2つの線形のサブ回路に時分割し、これに対応するサブフローグラフGONとGOFFとして、全体のフローグラフGがこのGONとGOFFを組み合わせて表されると述べられている。
米国特許7,130,205明細書 特開2008−67502号公報
Fang Zhen Peng et.al., "Z-source Inverter",IEEE Transactions on Industry Applications, vol. 39, No. 2, March/April 2003, p 504-510 Fang Zhen Peng et.al., "Operation Modes and Characteristics of the Z-source Inverter with Small Inductance",IEEE IAS 2005, p 1253-1260 Yonhong Ma et.al.,"Switching flow-graph nonlinear modeling method for multistate-switching converters", IEEE Transactions on Power Electronics, vol. 12, No. 5, September 1997, P854-861
このように、Zソースインバータ回路の構成を用いることで、インバータ回路を構成するデバイスのスイッチングの制御のみによって直流電圧の昇圧を行い、直流交流変換を行うことができる。ここで、従来技術のZソースインバータ回路の制御の動作パラメータとして、双方オンデューティ比DSと変調率Mの2つが用いられている。この2つの動作パラメータは、相互に独立ではないので、Zソースインバータ回路の設計を複雑にしている。
また、Zソースインバータ回路の制御について、従来技術のほとんどはオープンループ制御について述べられており、動的特性に付いてはあまり考慮が払われていない。しかし、出力電圧に関する伝達関数に正の零点が現れると、例えば、入力条件がステップ状に変化すると、出力電圧が十分に上昇して次の安定状態に移行する前に電圧値が低下する等の不安定状態が生じ得る。また、正の零点による応答の遅れは、インバータ回路の制御を複雑にし、電源回路システムのロバスト性を低下させる。
本発明の目的は、Zソースインバータ回路の動作をさらに安定なものとできる電源制御システムを提供することである。他の目的は、Zソースインバータ回路の動作パラメータを単一のものとできる電源制御システムを提供することである。以下の手段は、これらの目的の少なくとも1つに貢献する。
本発明に係る電源制御システムは、充放電可能な蓄電装置と、蓄電装置の正極側母線と負極側母線の間に配置され、正極側母線に直列配置される第1インダクタと、負極側母線に直列配置される第2インダクタと、第1インダクタの一方端と第2インダクタの他方端との間に配置接続される第1キャパシタと、第1インダクタの他方端と第2インダクタの一方端との間に配置接続される第2キャパシタと、を含むインピーダンスネットワークと、一方側がインピーダンスネットワークに接続され、このインピーダンスネットワークをZソースとして、他方側が負荷装置に接続されるインバータ回路であって、正極側母線と負極側母線との間に直列接続される2つのスイッチング素子を複数組含み、各組の2つのスイッチング素子の接続点がそれぞれ負荷装置に接続され、各組の2つのスイッチング素子が共にオンする期間の双方オンデューティ比DSを制御することで蓄電装置の両端子間電圧を昇圧し、昇圧した直流電力を交流電力に変換して負荷装置に供給できるインバータ回路と、負荷装置へ出力する交流電圧の指令値である出力電圧指令値に基づいてインバータ回路の双方オンデューティ比DSを制御する制御回路と、を備え、制御回路は、第1キャパシタの両端子間電圧または第2キャパシタの両端子間電圧値であるキャパシタ電圧値VCに基づいて算出される帰還出力電圧値VXと、出力電圧指令値VXrefとの差である電圧偏差ΔVを算出する電圧値減算器と、電圧偏差ΔVに基づいて、第1インダクタと第2インダクタに流される電流の指令値であるインダクタ電流指令値ILrefを算出する電流指令値算出手段と、第1インダクタに流れる電流値または第2インダクタに流れるインダクタ電流値であるインダクタ電流値ILと、インダクタ電流指令値ILrefとの差である電流偏差ΔIを算出する電流値減算器と、電流偏差ΔIに基づいてインバータ回路の双方オンデューティ比DSを算出するデューティ算出手段と、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る電源制御システムにおいて、制御回路は、帰還出力電圧値VXとして、キャパシタ電圧値VCに、予め定めた単一の動作設定パラメータkを乗じて算出される値を用いることが好ましい。
また、本発明に係る電源制御システムにおいて、制御回路は、動作設定パラメータkとして、インバータ回路の双方オンデューティ比DSと、インバータ回路の交流出力電圧と蓄電装置の直流端子間電圧とに基づく変調率Mとに基づいて算出される動作設定パラメータkを用いることが好ましい。
上記構成により、電源制御システムは、インピーダンスネットワークをソースとするインバータ回路、すなわちZソースインバータ回路と、負荷装置へ出力する交流電圧の指令値である出力電圧指令値に基づいてZソースインバータ回路の双方オンデューティ比を制御する制御回路とを備える。
そして、制御回路は、キャパシタ電圧値VCに基づいて算出される帰還出力電圧値VXを出力電圧指令値VXrefにフィードバックして、その電圧偏差ΔVを算出する。また、電圧偏差ΔVに基づいてインダクタ電流指令値ILrefを算出し、これにインダクタ電流値ILをフィードバックしてその電流偏差ΔIを算出する。この電流偏差をゼロとするようにインバータ回路の双方オンデューティ比DSが求められる。このように、電圧フィードバックと電流フィードバックを用いてZソースインバータ回路の双方オンデューティ比DSが求められるので、Zソースインバータ回路の動作の安定性が向上する。
また、帰還出力電圧値VXをkVCとして求める。すなわち、従来技術のZソースインバータ回路においては、DSとMの2つのパラメータ設定が必要であったが、ここでは、Zソースインバータ回路の動作パラメータを単一のものとできる。したがって、Zソースインバータ回路の制御を簡明なものとできる。
また、動作設定パラメータkは、DSとMとに基づいて算出される。つまり、従来の2つのパラメータを1つにまとめた動作設定パラメータkを用いるので、Zソースインバータ回路の制御を簡明なものとできる。
本発明に係る実施の形態の電源制御システムの構成を説明する図である。 Zソースインバータ回路の等価回路を説明する図である。 Zソースインバータ回路において、双方オンの状態の等価回路を説明する図である。 Zソースインバータ回路において、双方オンでない通常の動作状態モードのときの等価回路を説明する図である。 Zソースインバータ回路において、双方オンでない通常の動作状態モードのときの制御信号の様子を説明する図である。 Zソースインバータ回路において、双方オンの動作状態モードのときの制御信号の様子を説明する図である。 Zソースインバータ回路の小信号モデルを説明する図である。 Zソースインバータ回路のDSとMを含む簡易等価回路を説明する図である。 本発明に係る実施の形態の電源制御システムにおけるZソースインバータ回路のフィードバックの制御ブロック図を説明する図である。 本発明に係る実施の形態の電源制御システムの制御ブロック図である。 本発明に係る実施の形態の電源制御システムについてのシミュレーション結果の1つで、VDCがステップ状に変化したときのViの様子を示す図である。 図11と同じVDC変化の条件の下で、Vacの様子を示す図である。 図11と同じVDC変化の条件の下で、Iloadの様子を示す図である。 従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路において、図11と同じVDC変化の条件の下で、Viの様子を示す図である。 従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路において、図11と同じVDC変化の条件の下で、Vacの様子を示す図である。 従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路において、図11と同じVDC変化の条件の下で、Iloadの様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態の電源制御システムについてのシミュレーション結果の1つで、負荷がステップ状に変化したものとしてIloadの変化の様子を示す図である。 図17と同じ負荷変化の条件の下で、Viの様子を示す図である。 図17と同じ負荷変化の条件の下で、Vacの様子を示す図である。 従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路において、図17と同じ負荷変化としてIloadの変化の様子を示す図である。 従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路において、図17と同じ負荷変化の条件の下で、Viの様子を示す図である。 従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路において、図17と同じ負荷変化の条件の下で、Vacの様子を示す図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態に付き詳細に説明する。なお以下では、負荷装置として、車両に搭載される回転電機を説明するが、車両搭載用装置でなくてもよく、また、回転電機でなくてもよい。負荷装置としては、直流電力を昇圧し、交流に変換する必要のある電源回路システムを用いるものであればよい。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、車両搭載用の回転電機8に接続される電源制御システム10の構成を説明する図である。この電源制御システム10は、負荷装置である車両搭載用の回転電機8の動作状態に応じて、直流電力を昇圧し、交流に変換する電源回路を制御するシステムである。
ここで、車両搭載用の回転電機8は、車両に搭載されるモータ・ジェネレータ(MG)であって、電源回路から電力が供給されるときはモータとして機能し、図示されていないエンジンによる駆動時、あるいは車両の制動時には発電機として機能する三相同期型回転電機である。
電源制御システム10は、蓄電装置12と、インピーダンスネットワーク14と、インピーダンスネットワーク14をZソースネットワークとするインバータ回路16と、制御回路20とを含んで構成される。
蓄電装置12は、充放電可能な高電圧用2次電池である。蓄電装置12としては、例えば、約200Vの端子電圧を有するリチウムイオン組電池あるいはニッケル水素組電池、またはキャパシタ等を用いることができる。
インピーダンスネットワーク14は、インピーダンスをZと表すこととしてインバータ回路16に対するZソースネットワークとなるものである。インピーダンスネットワーク14は、蓄電装置の12の正極側母線と負極側母線の間に配置され、正極側母線に直列配置される第1のインダクタ22と、負極側母線に直列配置される第2のインダクタ24と、第1のインダクタ22の一方端と第2のインダクタの24の他方端との間に配置接続される第1のキャパシタ26と、第1のインダクタ22の他方端と第2のインダクタ24の一方端との間に配置接続される第2のキャパシタ28とを含んで構成される。
インバータ回路16は、車両搭載用の回転電機8に接続される回路で、制御回路20の制御の下で作動する複数のスイッチング素子を含んで構成され、交流電力と直流電力との間の電力変換を行う機能を有する。ここでは、三相同期型の回転電機8に対応して、三相インバータ回路である。すなわち、正極側母線と負極側母線との間に、2つのスイッチング素子が直列に接続された各相アームが配置接続され、各スイッチング素子にそれぞれダイオードが逆接続された構成を有する。
各相アームを構成する2つのスイッチング素子は、例えば、正極側母線の側に接続されるp型IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と負極側母線の側に接続されるn型IGBTとを用いることができる。そして、各相アームにおけるp型IGBTとn型IGBTの接続点から各相配線が引き出され、回転電機8の各相巻線に接続される。
インバータ回路16は、回転電機8が発電機として機能するときは、回転電機8からの交流三相回生電力を直流電力に変換し、蓄電装置12の側に充電電流として供給する交直変換機能を有する。また、回転電機8がモータとして機能するときは、蓄電装置12の側からの直流電力を交流三相駆動電力に変換し、回転電機8に交流駆動電力として供給する直交変換機能を有する。
ここで、インバータ回路16は、負荷装置である回転電機8と反対側の直流電力源側としては、通常の電圧変換器のような電圧源ではなく、インピーダンスネットワーク14に接続される。直流電圧源側が通常の電圧変換器である従来技術では、電圧変換の程度を変更するには、電圧変換器を構成するスイッチング素子のスイッチングタイミングを制御して行われる。これに対し、インピーダンスネットワーク14はスイッチング素子を含まない。
インピーダンスネットワーク14とインバータ回路16とを組み合わせたZソースインバータ回路では、蓄電装置12の直流電圧を昇圧するのに、インバータ回路16のスイッチング素子のスイッチングタイミングを制御する。具体的には、インバータ回路16において、正極側母線と負極側母線との間に直列に接続される2つのスイッチング素子がともにオンする期間に対応する双方オンデューティ比DSを制御して、蓄電装置12の直流電圧を昇圧する。その詳細については後述する。
制御回路20は、これらの要素を全体として制御する機能を有するが、ここでは特に、Zソースインバータ回路の動作の安定性を向上させる制御を行う機能を有する。具体的には、Zソースインバータ回路の動作パラメータを簡明にした上で、は電圧フィードバックと電流フィードバックを行い、負荷装置である回転電機8へ出力する交流電圧の指令値である出力電圧指令値に基づいてインバータ回路16の双方オンデューティ比DSを制御する機能を有する。
制御回路20には、後述するように、Zソースインバータ回路の動作を一層安定化するために、電流クローズドループと電圧クローズドループ等を設けるものである。その内容を述べる前に、非特許文献1,2等で示されているZソースインバータ回路を含む電源回路の内容について、図2から図7を用いて説明する。
図2から図4は、Zソースインバータ回路の動作を説明するための図である。図2は、インバータ回路16を入力電圧値Vi、入力電流値Iiを有するモデルとしたZソースインバータ回路の等価回路である。ここでは、蓄電装置12がVDCとして示され、第1のインダクタ22がL1、第2のインダクタ24がL2、第1のキャパシタ26がC1、第2のキャパシタ28がC2として示されている。そして、インバータ回路16の入力側が、等価的に電圧値Vi、電流値Iiとしてモデル化されている。
このように、Zソースインバータ回路のインピーダンスネットワーク14は、正極側母線に第1のインダクタ22が配置接続され、負極側母線に第2のインダクタ24が配置接続され、この第1のインダクタ22と第2のインダクタ24の配置関係に対し、あたかも、たすき掛けする態様で、第1のキャパシタ26と第2のキャパシタ28が正極側母線と負極側母線との間に配置接続されて構成される。
ここで、インピーダンスネットワーク14を対称形で構成すると、L1=L2=L,C1=C2=Cなる。そして、2つのインダクタ22,24を流れる電流は等しくなり、また2つのキャパシタ26,28の端子間電圧も等しくなる。
図3は、インバータ回路16を構成する各相アームのうち少なくとも1つが双方オンの状態のときの等価回路で、ここでは、インバータ回路16が短絡状態として示されている。図4は、インバータ回路16を構成する各相アームのいずれもが双方オンとなっていない状態、すなわち一般的な動作状態のときの等価回路で、ここではインバータ回路16が電流源として示されている。
Zソースインバータ回路においては、各相アームを構成する直列接続の2つのスイッチング素子が共にオンする双方オン状態を積極的に利用するところに特徴があるので、ここで、インバータ回路16の双方オン状態等について説明する。
図5は、双方オン状態を用いない一般的なインバータ回路の動作の様子を説明する図、図6は、双方オン状態を用いるときのインバータ回路の動作の様子を説明する図である。これらの図においては、横軸は時間で、縦軸方向に各信号の振幅またはオン・オフ状態が示されている。
縦軸方向に並べられている各信号は、紙面上で上側から下側に向かって、PWM(Pulse Wide Modulation)制御に用いられる三角波信号、インバータ回路16の各相アームのp型IGBTのオン・オフ信号、n型IGBTのオン・オフ信号である。
三角波信号と交差して示されているVa *,Vb *,Vc *は、PWM制御の各相出力信号に相当するもので、この交差タイミングで各相アームのp型IGBT、n型IGBTのオン・オフが決められる。例えば、三相のそれぞれをa相、b相、c相として、Va *と三角波信号との交差によって、a相アームのp型IGBT、n型IGBTのオン・オフが決められる。図5の例では、Va *が三角波信号を超える時間帯において、a相アームのp型IGBTのオン・オフ信号Sapがオフとなり、n型IGBTのオン・オフ信号Sanがオンとなる。同様に、Vb *と三角波信号との大小関係で、b相アームのp型IGBT、n型IGBTのオン・オフが決められ、Vc *と三角波信号との大小関係で、c相アームのp型IGBT、n型IGBTのオン・オフが決められる。
このように、図5の場合は、インバータ回路16の各相アームを構成するp型IGBTとn型IGBTとは、いずれか一方がオンのときは他方がオフとなり、双方オン状態がない。これによって、各相アームにおいて貫通電流が流れることがない。一般的なインバータ回路の動作状態はこのような動作モードで用いられる。これに対し、図6に示される動作モードは、インバータ回路16の各相アームを構成するp型IGBTとn型IGBTとにおいて、双方がオンとなる双方オン状態が設けられる。
例えば、a相アームのp型IGBTのオン・オフ信号Sapがオンとなる期間は、n型IGBTのオン・オフ信号Sanがオンとなる期間と重複する部分がある。図6では、その重複する様子を最下段において斜線で示し、上記のa相アームについての部分を塗りつぶしで示してある。このように、各相アームのオン・オフ信号の一周期をTとすると、その一周期の間に、双方オンとなる期間T0と、双方オンとならない期間T1とがあることになる。ここでT=T0+T1で、双方オンデューティ比DSは、DS=T0/Tで表すことができる。
Zソースインバータ回路は、双方オン状態を積極的に利用するので、図3と図4の状態があることになる。このように複数状態スイッチングを行うコンバータのためのスイッチングフローグラフを用いた非線形モデリング方法としては、非特許文献3の方法が知られている。この非特許文献3の方法を用いて、Zソースインバータ回路の小信号モデルを示したのが図7である。
ここで、VCは、第1のキャパシタ26の両端子間電圧または第2のキャパシタ28の両端子間電圧値であるキャパシタ電圧値である。VDCは、蓄電装置12の両端子間電圧である。ILは、第1のインダクタに流れる電流値または第2のインダクタに流れるインダクタ電流値であるインダクタ電流値である。Iiは、インピーダンスネットワーク14とインバータ回路16との間に流れる直流電流で、蓄電装置12側から見るとインバータ回路16への入力電流に相当する。DSは、上記の双方オンデューティ比であり、DNは、双方オンでない期間に対応するデューティ比で、DN=1−DSである。
この図7の小信号モデルを用いて、Zソースインバータ回路を含む電源回路におけるDSに関する各種伝達関数を求めると、式(1)から(3)となる。式(1)は、Vi/DSについての伝達関数、式(2)はVC/DSについての伝達関数、式(3)は、IL/DSについての伝達関数である。
Figure 2011142738
Figure 2011142738
Figure 2011142738
式(1)から、Vi/DSについての伝達関数に、分子がゼロになる零点があり、その零点が正となりえることが分かる。したがって、ある条件の下では、Zソースインバータ回路を含む電源回路のシステムが不安定となり、制御が困難となることが分かる。
式(2)からは、VC/DSについての伝達関数に、正となる零点が現れることはなく、したがって、その意味での動作不安定が生じないことが分かる。しかし、非特許文献2に示されるように、L1,L2が小さくすると、Ii>2ILのときに、正の零点が現れる可能性があり、その場合には、ある動作モードでは伝達関数が不安定となり、動作不安定となる。
インピーダンスネットワーク14の出力電圧に関する伝達関数に正の零点が現れると、その動的特性が低下し、オーバシュートあるいはアンダーシュートが顕著となる。これによって、インバータ回路16への入力電圧にステップ状の過渡特性が現れる。この影響はインバータ回路16の交流の出力電圧にも反映し、負荷装置である回転電機8への出力電圧にオーバシュートあるいはアンダーシュートが現れることになる。
このように、双方オンデューティ比DSについての伝達関数から見ると、Zソースインバータ回路を含む電源回路は、条件によっては動作が不安定になることが生じ得る。図1の電源制御システム10は、制御回路20に、内側の電流クローズドループと外側の電圧クローズドループを設け、比例積分制御(PI制御)または比例微分積分制御(PID制御)を用いて、Zソースインバータ回路を含む電源回路の動作をさらに安定化する構成となっている。以下にその内容を説明する。
制御回路20を設計する目的は、目標の出力に関連する平衡状態の位置を限定することにある。Zソースインバータ回路を含む電源回路の目標の出力は、インピーダンスネットワーク14におけるキャパシタ電圧値VCと、インバータ回路16が出力する交流の出力電圧値VXである。従来技術で述べられているZソースインバータ回路における2つのパラメータのうち、双方オンデューティ比DSは、キャパシタ電圧値VCを主に制御し、変調率Mは出力電圧値VXを主に制御する。
ここで、上記のように、双方オンデューティ比DSは、各相アームのスイッチング一周期をTとし、その一周期において双方オンとなる期間をT0として、DS=T0/Tで示される。また、インバータ回路16における入力電圧をViとし、出力交流電圧の振幅をVacとすると、変調率Mは、M=Vac/(Vi/2)で示される。
双方オンデューティ比DSと変調率Mとを盛り込んだ等価回路を図8に示す。ここでは、スイッチS1のオン・オフデューティが双方オンデューティ比DSを示し、スイッチS2のオン・オフデューティが変調率Mを示す。ここで、式(4)を条件とすることができる。
Figure 2011142738
キャパシタ電圧値VCは、上記のようにスイッチング一周期Tを双方オン期間T0とそれ以外の期間T1とに区別して、VC={T1/(T1−T0)}で与えられる。これをDS=T0/Tを用いて変形して式(5)を得る。
Figure 2011142738
ここで、インバータ回路16の入力電圧値Viは、インピーダンスネットワーク14の構成対称性から、キャパシタ電圧値VCとインダクタ電圧値VLの差電圧となる。すなわち、Vi=VC−VLで示される。また、VLは、蓄電装置12の端子間電圧VDCとキャパシタ電圧値VCの差電圧であるので、VL=VDC−VCである。したがって、Vi=VC−VL=2VC−VDCとなる。これにVC={T1/(T1−T0)}を適用すると、Vi={T/(T1−T0)}VDCとなる。
すなわち、インピーダンスネットワーク14の蓄電装置12側の端子間電圧VDCは、インバータ回路16の双方オン状態を利用することで、インバータ回路16側の電圧値Viに昇圧される。その昇圧比であるブースト比Bは、B={T/(T1−T0)}となる。
インバータ回路16の交流の出力電圧値VXは、変調率Mとブースト比Bを用いて、VX=M・B(VDC/2)で与えられるので、これを変形して式(6)となる。
Figure 2011142738
式(4),(5),(6)から、式(7)が導かれる。
Figure 2011142738
この式(7)から、式(8)が定義できる。
Figure 2011142738
この式(8)から、Zソースインバータ回路の特性を、キャパシタ電圧値VCと交流の出力電圧値VXとの関係で示すことにすれば、動作設定パラメータを単一のkに集約できることが分かる。すなわち、VX=kVCとするときに、kは予め定めた単一の動作設定パラメータであり、この動作設定パラメータkは、式(5),(6),(8)に基いて、インバータ回路16の双方オンデューティ比DSと、インバータ回路16の変調率Mとに基づいて算出することができる。
ここで、式(3)に戻ると、IL/DSについての伝達関数は、正の零点が現れない。そこで、線形のPI制御またはPID制御を行うことで、電源制御システム10を安定に動作させることが期待できる。しかし、上記のように、式(2)から、VC/DSについての伝達関数は、Ii>2ILのときに、正の零点が現れる可能性があることが指摘されている。これらのことから、制御回路20としては、制御のメインループにおいて、その内側に電流のクローズドループを用いるPI制御またはPID制御を行い、外側に電圧のクローズドループを設けることがよい、と考えられる。
ここで、内側の電流クローズドループは、高速応答を可能として、電流の擾乱に対し出力を安定化する効果が期待できる。また、外側の電圧クローズドループは、低速の変動を安定化し、指令値に対する追従性を向上させることが期待できる。
図9は、上記考えに基いて、出力電圧指令値VXrefを与えて出力電圧値VXを出力する電源回路において、内側の電流クローズドループと外側の電圧クローズドループを用いて、その動作を安定化させる制御のブロック図を示すものである。
図8において、四角枠で囲んだ部分が、内側の電流クローズドループに関するブロック図である。図8に示されるように、実測されたキャパシタ電圧値VCがフィードバック信号として用いられ、インダクタ電流値ILが擾乱信号として用いられる。このブロック図におけるVi/DSに関する伝達関数は、式(9)のように求められる。
Figure 2011142738
この新しい式は、電流クローズドループを設けないときの式(1)と異なり、零点による不安定性が除去されている。しかし、Ii>2ILのときに動作が不安定となる可能性がある。ところで、この内側の電流ループについてのオープンループのIL/DSに関するオープンループの伝達関数は、式(10)で与えられる。
Figure 2011142738
式(10)は、零点による不安定性を有していないので、これを安定化することは余り困難ではない。図9に示されるように、内側の電流ループは、ゲインGiによって示されるPI制御あるいはPID制御を用いてクローズドループとされる。
図9において、出力電圧値VXを安定化するには、入力電圧に対し、指令電流値を変更する必要がある。これを達成する最も単純な方法は、外側の電圧ループを設けることである。電圧ループによって帰還された出力電圧値VXと出力電圧指令値VXrefとの間で生じる電圧偏差ΔVは、上記の内側の電流ループにおけるインダクタ電流指令値ILrefとして用いられる。
ここで、帰還される出力電圧値VXは、式(8)に述べたように、単一の動作設定パラメータkを用いて、キャパシタ電圧値VCから計算できる。そして、このように計算された出力電圧値VXが図9に示されるように、外側の電圧ループをクローズドループとするために用いられる。
図9のブロック図から、Vi/ILに関する伝達関数を求めると式(11)となる。
Figure 2011142738
この新しい伝達関数においては、正となる零点を有していないので、安定に動作することが分かる。
このように、制御回路20としては、図9のブロック図に示されるように、内側の電流クローズドループとPI制御またはPID制御を設け、また、外側の電圧クローズドループを設けることが好ましい。
図10は、内側の電流クローズドループと外側の電圧クローズドループとを備える電源制御システム10の具体的なブロック図を示す図である。ここでは、インピーダンスネットワーク14に、キャパシタ電圧値VCを検出する電圧検出器30と、インダクタ電流値ILを検出する電流検出器32が設けられる。
なお、図10では、電圧検出器30は第1のキャパシタ26の両端子間電圧を検出するものとしているが、勿論、第2のキャパシタ28の両端子間電圧値を検出するものとしてもよい。また、電流検出器32は、第2のインダクタ24に流れるインダクタ電流値を検出するものとしているが、勿論、第1のインダクタ22に流れるインダクタ電流値を検出するものとしてもよい。
図10において、制御回路20は、出力電圧指令値VXrefに応じて、インバータ回路16に対するDSを求めるメインループとして、電圧値減算器44と、PI制御器46と、電流値減算器48と、PI制御器50とを含んで構成される。
なお、インピーダンスネットワーク14において電圧検出器30によって検出されたキャパシタ電圧値VCを出力電圧値VXに変換するためのパラメータk設定器42が設けられる。パラメータk設定器42の内容は、上記のように、負荷装置である回転電機8の動作状態に応じたDSとMから式(5),(6),(8)に基いてkを算出する演算器である。
電圧値減算器44は、電圧検出器30によって取得されたキャパシタ電圧値VCに動作設定パラメータkを乗じて算出される帰還出力電圧値VXと、出力電圧指令値VXrefとの差である電圧偏差ΔVを算出する機能を有する演算器である。ここで、電圧偏差ΔVは、ΔV=VXref−Vxである。つまり、キャパシタ電圧値VCに動作設定パラメータkを乗じて算出される帰還出力電圧値VXが、出力電圧指令値VXrefに対しフィードバックされる。
PI制御器46は、PI制御によって、電圧偏差ΔVをゼロとするためのインダクタ電流指令値ILrefを算出する機能を有する演算処理器である。ここでは、PI制御機能としているが、勿論PID制御機能とすることもできる。
電流値減算器48は、電流検出器32によって取得されたインダクタ電流値ILと、PI制御器46によって出力されるインダクタ電流指令値ILrefとの差である電流偏差ΔIを算出する機能を有する演算器である。ここで、電流偏差ΔIは、ΔI=ILref−ILである。つまり、インダクタ電流値ILがインダクタ電流指令値ILrefにフィードバックされる。
PI制御器50は、PI制御によって、電流偏差ΔIをゼロとするための双方オンデューティ比DSを算出する機能を有する演算処理器である。ここでは、PI制御機能としているが、勿論PID制御機能とすることもできる。
算出されたDSは、PWM制御回路52に入力される。PWM制御回路52では、図6で説明したように三角波信号が用いられ、DSに対応するVa *等のPWM各相出力信号が出力される。出力されたPWM各相出力信号は、駆動回路54を介してインバータ回路16に供給される。インバータ回路16からは、負荷装置である回転電機8に対し、交流の出力電圧VXが実際に供給されることになる。
上記構成の作用をシミュレーションによって計算した結果を、従来技術と比較しながら、図11から図22を用いて説明する。ここで、図11から図16は、VDCがステップ状に変化したときのシミュレーション結果を示し、図17から図22は、負荷がステップ状に変化したときのシミュレーション結果を示すものである。なお、図11から図16において、図11から図13が図1,10の構成によるもので、図14から図16は従来技術の構成によるものである。同様に、図17から図22において、図17から図19が図1,10の構成によるもので、図20から図22は従来技術の構成によるものである。
図11は、図1,10の構成において、VDCがステップ状に変化したときのViの様子を示す図である。VDCのステップ状変化としては、時間0.12sのときに、100Vから60Vに急変したものとした。このようなVDCのステップ状の急変に対し、インピーダンスネットワーク14の出力電圧であるViにおいて、オーバシュート、アンダーシュートが抑制されていることが図11から分かる。
図12は、図11と同じVDC変化の条件の下で、Vacの様子を示す図である。Vacは、インバータ回路16の各相の交流出力電圧であり、図12には、三相の各相についての出力電圧波形の様子が示されている。図12に示されるように、時間0.12sにおいて、ステップ状のVDCの変化の影響がVacにおいてよく抑制されていることが分かる。
図13は、図11と同じVDC変化の条件の下で、Iloadの様子を示す図である。Iloadは、図12の各相電圧に対応する各相電流である。図13に示されるように、時間0.12sにおいて、ステップ状のVDCの変化の影響がIloadにおいてよく抑制されていることが分かる。
図14から図16は、従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路、すなわち、オープンループ制御を用いて内側の電流クローズドループも外側の電圧クローズドループも設けない場合において、図11から図13にそれぞれ対応する図である。
図14は、従来技術において、図11で説明したのと同じVDC変化の条件の下で、Viの様子を示す図で、図11に対応するものである。図14に示されるように、従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路においては、時間0.12sのときに、Viのオーバシュート等が生じ、VDCのステップ状変化の影響が顕著に現れていることが分かる。
図15は、従来技術において、図11と同じVDC変化の条件の下で、Vacの様子を示す図で、図12に対応するものである。図15に示されるように、従来技術においては、時間0.12sのときに、各相出力電圧値Vacの変動が生じており、VDCのステップ状変化の影響が顕著に現れていることが分かる。
図16は、従来技術において、図11と同じVDC変化の条件の下で、Iloadの様子を示す図で、図13に対応するものである。図16に示されるように、従来技術においては、時間0.12sのときに、各相のIloadに変動が生じており、VDCのステップ状変化の影響が顕著に現れていることが分かる。
図17は、図1,10の構成において、負荷状態のステップ状の変化に対応するものとして、Iloadが、40Aから120Aにステップ状に変化した様子を示す図である。
図18は、図17と同じ負荷変化の条件の下で、Viの様子を示す図である。図19に示されるように、時間0.12sにおいて、Viは僅かに変動していることが分かる。また、図19は、図17と同じ負荷変化の条件の下で、Vacの様子を示す図である。図20に示されるように、時間0.12sにおいて、Vacは僅かに変動していることが分かる。このように、負荷状態がステップ状に変化しても、図1,10の構成においては、Vi,Vacの変動がよくよく制されていることが分かる。
図20から図22は、従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路、すなわち、オープンループ制御を用いて内側の電流クローズドループも外側の電圧クローズドループも設けない場合において、図17から図19にそれぞれ対応する図である。
図20は、図17に対応する図で、従来技術の構成において、負荷状態のステップ状の変化に対応するものとして、Iloadが、40Aから120Aにステップ状に変化した様子を示す図である。
図21は、従来技術において、図17と同じ負荷変化の条件の下で、Viの様子を示す図である。図21に示されるように、時間0.12sのときに、Viのアンダーシュートが生じ、ステップ状の負荷状態の変化の影響が顕著に現れていることが分かる。また、図22は、従来技術において、図17と同じ負荷変化の条件の下で、Vacの様子を示す図である。図22に示されるように、時間0.12sのときに、Vacが大きく変動し、ステップ状の負荷状態の変化の影響が顕著に現れていることが分かる。
このように、図1,10で説明した電源制御システム10の構成を用いることで、従来技術のZソースインバータ回路を含む電源制御回路に比べ、安定した制御動作を行うことができる。
本発明に係る電源制御システムは、Zソースインバータ回路を含む電源回路の制御に利用できる。
8 回転電機、10 電源制御システム、12 蓄電装置、14 インピーダンスネットワーク、16 インバータ回路、20 制御回路、22,24 インダクタ、26,28 キャパシタ、30 電圧検出器、32 電流検出器、42 k設定器、44 電圧値減算器、46,50 PI制御器、48 電流値減算器、52 PWM制御回路、54 駆動回路。

Claims (3)

  1. 充放電可能な蓄電装置と、
    蓄電装置の正極側母線と負極側母線の間に配置され、正極側母線に直列配置される第1インダクタと、負極側母線に直列配置される第2インダクタと、第1インダクタの一方端と第2インダクタの他方端との間に配置接続される第1キャパシタと、第1インダクタの他方端と第2インダクタの一方端との間に配置接続される第2キャパシタと、を含むインピーダンスネットワークと、
    一方側がインピーダンスネットワークに接続され、このインピーダンスネットワークをZソースとして、他方側が負荷装置に接続されるインバータ回路であって、正極側母線と負極側母線との間に直列接続される2つのスイッチング素子を複数組含み、各組の2つのスイッチング素子の接続点がそれぞれ負荷装置に接続され、各組の2つのスイッチング素子が共にオンする期間の双方オンデューティ比DSを制御することで蓄電装置の両端子間電圧を昇圧し、昇圧した直流電力を交流電力に変換して負荷装置に供給できるインバータ回路と、
    負荷装置へ出力する交流電圧の指令値である出力電圧指令値に基づいてインバータ回路の双方オンデューティ比DSを制御する制御回路と、
    を備え、
    制御回路は、
    第1キャパシタの両端子間電圧または第2キャパシタの両端子間電圧値であるキャパシタ電圧値VCに基づいて算出される帰還出力電圧値VXと、出力電圧指令値VXrefとの差である電圧偏差ΔVを算出する電圧値減算器と、
    電圧偏差ΔVに基づいて、第1インダクタと第2インダクタに流される電流の指令値であるインダクタ電流指令値ILrefを算出する電流指令値算出手段と、
    第1インダクタに流れる電流値または第2インダクタに流れるインダクタ電流値であるインダクタ電流値ILと、インダクタ電流指令値ILrefとの差である電流偏差ΔIを算出する電流値減算器と、
    電流偏差ΔIに基づいてインバータ回路の双方オンデューティ比DSを算出するデューティ算出手段と、
    を含むことを特徴とする電源制御システム。
  2. 請求項1に記載の電源制御システムにおいて、
    制御回路は、
    帰還出力電圧値VXとして、キャパシタ電圧値VCに、予め定めた単一の動作設定パラメータkを乗じて算出される値を用いることを特徴とする電源制御システム。
  3. 請求項2に記載の電源制御システムにおいて、
    制御回路は、
    動作設定パラメータkとして、インバータ回路の双方オンデューティ比DSと、インバータ回路の交流出力電圧と蓄電装置の直流端子間電圧とに基づく変調率Mとに基づいて算出される動作設定パラメータkを用いることを特徴とする電源制御システム。
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