JP2011142153A - 薄膜アクチュエータ、及びインクジェットヘッド - Google Patents

薄膜アクチュエータ、及びインクジェットヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】変位量が大きく、且つ信頼性の高い薄膜アクチュエータ、及びインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】基板101と、基板101の上に形成され、両端または周縁が基板101に固定された下電極膜103と、下電極膜103の上に形成され、駆動信号により膜面に沿った方向に伸縮する圧電体膜104と、圧電体膜104の上に形成された上電極膜105と、を有する薄膜アクチュエータ1であって、上電極膜105は、複数の電極膜から構成され、複数の電極膜のうち、圧電体膜104に接する電極膜は、初期応力としての引張応力を有し、圧電体膜104に接する電極膜の上層の電極膜は、引張応力よりも小さい初期応力を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄膜アクチュエータ、及びインクジェットヘッドに関する。
従来、微小変位を発生させる為のマイクロアクチュエータとして、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O;PZT)等の圧電材料からなる圧電体層と、該圧電体層の厚み方向両面にそれぞれ設けられた2つの電極層とで構成されたアクチュエータが知られている。例えば、インクジェット式記録装置のインクジェットヘッドにおいては、圧電体層の周縁を基板に固定したダイヤフラム構造とし、該圧電体層の圧電効果により振動層を厚み方向に変位させて圧力室内のインクを吐出させるアクチュエータとして用いられている。
ところで、近年、電子機器の小型化が進展するに伴って、このようなアクチュエータに対しても小型化が強く要求されるようになってきている。この要求を満足させる為に、従来、圧電体層に用いられていたバルク材を薄膜化し、各層を積層した薄膜アクチュエータの研究開発が盛んになってきている。
しかしながら、薄膜アクチュエータは、各膜の材料、熱膨張係数、膜厚、成膜方法、成膜条件等により、成膜時に内部応力が発生し、非駆動時の初期的な撓み(初期変位)が生じ易い。その結果、駆動時の変位量が抑えられる、あるいは、より大きな駆動電圧が必要になる、といった問題がある。この為、薄膜アクチュエータにおいては、内部応力の発生を抑え、初期変位を抑えることが非常に重要である。
そこで、特許文献1では、圧電体薄膜を形成する工程において、成膜時における圧電体薄膜に圧縮応力を付与することにより、成膜後の冷却時に基板と圧電体薄膜との収縮量の差によって圧電体薄膜に生じる引張応力を緩和する。これにより、初期変位を抑える方法が提案されている。
特開2004−119703号公報
ところで、このような薄膜アクチュエータにおいては、前述のように内部応力の発生を抑えると同時に、各膜間の密着力を高めることも重要である。
圧電体を薄膜化した場合、サイズ効果等によりバルク材とは異なる特性を示すものがあり、圧電体膜と圧電体膜の上に形成される上電極膜との密着力の低下もそのうちの1つである。これは、薄膜化された圧電体とバルク材の圧電体とは、それぞれの結晶性が異なることによるものであると考えられる。この為、薄膜アクチュエータにおいては、内部応力の発生を抑えると同時に、とりわけ上電極膜と圧電体膜との密着力を高め、信頼性を向上させることが重要である。
しかしながら、特許文献1においては、該密着力を高めることに関しては考慮されておらず、密着力の低下により、信頼性の低下を招くといった問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、変位量が大きく、且つ信頼性の高い薄膜アクチュエータ、及びインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1から7の何れか1項に記載の発明によって達成される。
1.基板と、
前記基板の上に形成され、両端または周縁が該基板に固定された下電極膜と、
前記下電極膜の上に形成され、駆動信号により膜面に沿った方向に伸縮する圧電体膜と、
前記圧電体膜の上に形成された上電極膜と、を有する薄膜アクチュエータであって、
前記上電極膜は、複数の電極膜から構成され、
前記複数の電極膜のうち、前記圧電体膜に接する電極膜は、初期応力としての引張応力を有し、前記圧電体膜に接する電極膜の上層の電極膜は、前記引張応力よりも小さい初期応力を有していることを特徴とする薄膜アクチュエータ。
2.前記圧電体膜に接する電極膜の上層の電極膜は、初期応力としての圧縮応力を有していることを特徴とする前記1に記載の薄膜アクチュエータ。
3.前記複数の電極膜の初期応力は、前記圧電体膜から遠ざかるにつれて、次第に小さくなっていることを特徴とする前記1または2に記載の薄膜アクチュエータ。
4.前記上電極膜を構成する前記複数の電極膜は、スパッタ法を用いて形成され、
前記複数の電極膜の前記初期応力は、スパッタ時のガス圧力、バイアス電圧、前記電極膜の材料であるターゲットと被成膜層との距離、のうち少なくとも1つにより、それぞれの前記電極膜に対応して付与されていることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の薄膜アクチュエータ。
5.前記基板の材料は、シリコンであることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の薄膜アクチュエータ。
6.前記圧電体膜の材料は、チタン酸ジルコン酸鉛を含むことを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の薄膜アクチュエータ。
7.前記1から6の何れか1項に記載の薄膜アクチュエータを備えたインクジェットヘッドであって、
前記基板は、開口が形成され、
前記基板の裏面に接合され、前記開口に連通しインクを吐出するノズル孔が形成されたノズル基板と、を有し、
前記開口の内部は、前記インクを収容し、前記圧電体膜の変位により圧力を発生する圧力室であることを特徴とするインクジェットヘッド。
本発明によれば、上電極膜を構成する複数の電極膜のうち、圧電体膜に接する電極膜は、初期応力としての引張応力を有する構成とした。これにより、上電極膜と圧電体膜との密着力を高めることができる。
一方、圧電体膜に接する電極膜の上層の電極膜は、圧電体膜に接する電極膜が有する引張応力よりも小さい初期応力を有する構成とした。これにより、上電極膜全体としての初期応力が抑えられ、初期変位を抑えることができる。
これらの結果、変位量が大きく、且つ信頼性の高い薄膜アクチュエータを得ることができる。
本発明の実施形態に係る薄膜アクチュエータの製造工程、及び薄膜アクチュエータの概略構成を示す断面模式図である。 薄膜アクチュエータの駆動変形の態様を示す断面模式図である。 上電極膜の内部応力と上電極膜と圧電体膜との密着力の関係を示す模式図である。 スパッタ法によるガス圧力と薄膜に発生する内部応力の関係を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成を示す断面模式図である。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態に係る薄膜アクチュエータ、及びインクジェットヘッドを説明する。尚、本発明は該実施の形態に限られない。
最初に、本発明の実施形態に係る薄膜アクチュエータの構成、及びその製造方法を図1を用いて説明する。図1(a)〜図1(h)は、薄膜アクチュエータ1の製造工程、及び薄膜アクチュエータ1の概略構成を示す断面模式図である。
最初に、基板101を準備する(図1(a))。基板101の材料としては、シリコンやガラス、セラミックス等を用いることができるがMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等に広く用いられている結晶シリコン(Si)が好適であり、本実施形態においては結晶シリコンを用いた例を説明する。
次に、基板101を加熱炉に入れ、1500℃程度に所定時間保持して加熱し、基板101の表面に振動板102となる熱酸化膜(石英:SiO)を形成する(図1(b))。
次に、振動板102が形成された基板101を常温まで冷却した後。振動板102の表面に、図示しない密着層、電極膜をこの順に成膜した下電極膜103を形成する(図1(c))。密着層の材料としては、例えばチタンを用いることができる。電極膜の材料としては、例えば白金を用いることができる。密着層、電極膜の形成方法としては、例えばスパッタ法を用いることができる。
次に、下電極膜103が形成された基板101を再度加熱炉に入れ、600℃程度に所定時間保持して加熱し、下電極膜103の表面に、圧電体膜104を形成する(図1(d))。形成された圧電体膜104は、圧電特性が得られるペロブスカイト層の<111>に配向している。圧電体膜104の材料としては、例えば圧電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いることができる。圧電体膜104の形成方法としては、例えばスパッタ法を用いることができる。
次に、圧電体膜104が形成された基板101を常温まで冷却した後、圧電体膜104の表面に、第1電極膜111、第2電極膜112、第3電極膜113をこの順に成膜した上電極膜105を形成する(図1(e))。第1電極膜111の材料としては、例えばクロムを用いることができる。第2電極膜112、第3電極膜113の材料としては、例えば金を用いることができる。第1電極膜111、第2電極膜112、第3電極膜113の形成方法としては、例えばスパッタ法を用いることができる。尚、第1電極膜111は、密着層として機能するものである。
第1電極膜111、第2電極膜112、第3電極膜113をスパッタ法を用いて成膜する際には、スパッタガス(アルゴン等の希ガス)の圧力、バイアス電圧、ターゲットと被成膜対象の距離等の成膜条件を調整することで、第1電極膜111、第2電極膜112、第3電極膜113に、初期応力として、それぞれ引張応力、引張応力、圧縮応力を発生させる。尚、第1電極膜111、第2電極膜112、第3電極膜113に、それぞれ発生させる初期応力の詳細は後述する。
次に、基板101の裏面に感光性樹脂をスピンコート法を用いて塗布し、レジスト膜80を成膜する(図1(f))。続いて、フォトマスクを介して露光しレジスト膜80をパターン化する(図1(g))。
次に、反応性イオンエッチング法を用いて基板101をエッチングし、開口101aを形成し(図1(h))、薄膜アクチュエータ1を完成させる。この時、振動板102の周縁が基板101に固定された状態となり、振動板102、下電極膜103、圧電体膜104、上電極膜105等から構成される薄膜層10がダイヤフラム構造となる。
次に、薄膜アクチュエータ1の駆動時の変形について、図2を用いて説明する。図2(a)は、薄膜アクチュエータ1の非駆動時の態様を示す断面模式図、図2(b)は、薄膜アクチュエータ1の駆動時の態様を示す断面模式図である。
PZTからなる圧電体膜104は、膜面に垂直な方向に誘電分極している(図2(a);矢印P)。上電極膜105と下電極膜103の間にAC電圧を印加すると(図2(b);矢印E)、圧電体膜104は、膜面に垂直な方向に伸縮するとともに、膜面に沿った方向に反対の位相で伸縮する(図2(b);矢印X)。圧電体膜104が膜面に沿った方向に伸縮することは、内部応力が増減することに等しく、圧電体膜104は、膜面に垂直な方向に変位する(図2(b);矢印Y)。
ここで、上電極膜105に付与する内部応力について説明する。本願発明者は、上電極膜105と圧電体膜104との密着力について鋭意検討した結果、図3に示すように、上電極膜105の引張応力が大きいほど密着力が高まることを見出した。尚、図3は、上電極膜105の内部応力と上電極膜105と圧電体膜104との密着力の関係を示す模式図である。しかしながら、上電極膜105が内部応力を有すると、圧電体膜104の駆動時の変位を妨げる為、上電極膜105があまり大きな引張応力を有することは好ましくない。
そこで、本発明に係る実施形態においては、上電極膜105を複数の電極膜(第1電極膜111、第2電極膜112、第3電極膜113)から構成する。そして、圧電体膜104に接する下層の電極膜に、内部応力としての引張応力を付与することで密着力を高める。一方、圧電体膜104に接する電極膜の上層の電極膜には、圧電体膜104に接する電極膜が有する引張応力よりも小さい内部応力を付与することで上電極膜105全体としての内部応力を抑えるようにした。
ここで、内部応力の制御について説明する。スパッタ法を用いて薄膜を成膜する際には、成膜条件を制御することによって内部応力を制御することができる。スパッタ法での成膜において、内部応力が変化する要因としては、結晶粒子の成長とターゲット粒子のピーニング効果や結晶成長等が挙げられる。ターゲット粒子が被成膜対象に到達した際のエネルギーが大きいほど、ピーニング効果による圧縮応力が優勢に、エネルギーが小さいと結晶成長によって起こる引張応力が優勢となる。このことから、ターゲット粒子が被成膜対象に到達する時のターゲット粒子のエネルギーを大きくすれば圧縮応力に、小さくすれば引張応力とすることができる。
ターゲット粒子のエネルギーを制御する成膜条件としては。成膜時のスパッタガス(例えば、アルゴン等の希ガス)の圧力、バイアス電圧、ターゲットと被成膜対象との距離等が挙げられる。例えば、スパッタガス圧力の場合、ターゲット粒子は被成膜対象に到達するまでにスパッタガスに衝突することでエネルギーを失っていく。スパッタガスの圧力が大きくなると装置内のスパッタガス分子が増加する為、ターゲット粒子は被成膜対象に到達するまでにスパッタガス分子に衝突する回数も増え、被成膜対象に到達時のエネルギーはより小さくなる。
図4に、スパッタ法によるガス圧力と薄膜に発生する内部応力の関係を模式的に示す。図4に示すように、スパッタガスの圧力を大きくすると引張応力が大きくなり、スパッタガスの圧力を小さくすると引張応力が小さくなり、さらに小さくすると圧縮応力へと変化する。
以上のように、上電極膜105をスパッタ法を用いて成膜する際に、成膜条件を制御することで、圧電体膜104との密着性を高めながら、圧電体膜104の駆動時の変位を妨げないように内部応力を制御することができる。
このように、本発明の実施形態に係る薄膜アクチュエータ1においては、上電極膜105を構成する複数の電極膜(第1電極膜111、第2電極膜112、第3電極膜113)のうち、圧電体膜104に接する電極膜(密着層して機能する第1電極膜111を含む第2電極膜112)は、初期応力としての引張応力を有する構成とした。これにより、上電極膜105と圧電体膜104との密着力を高めることができる。
一方、圧電体膜104に接する電極膜の上層の電極膜(第3電極膜113)は、圧電体膜104に接する電極膜が有する引張応力よりも小さい初期応力(この場合、圧縮応力)を有する構成とした。これにより、上電極膜104全体としての初期応力が抑えられ、初期変位を抑えることができる。
これらの結果、変位量が大きく、且つ信頼性の高い薄膜アクチュエータを得ることができる。
次に、本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの構成を図5を用いて説明する。図5は、インクジェットヘッド1Aの概略構成を示す断面模式図である。
インクジェットヘッド1Aは、図5に示すように、ノズル基板2、中間ガラス基板3、及びボディ基板(基板)101、振動板102、共通電極膜(下電極膜)103、圧電体膜104、駆動電極膜(上電極膜)105等を有する前述の薄膜アクチュエータ1等から構成される。
ノズル基板2には、インクを吐出する複数の2段構成のノズル孔2aが形成されている。ノズル基板2の材料としては、シリコン、ガラス、セラミックス材料等を用いることができるがシリコンが好適である。
ノズル基板2の上面側には、ノズル基板2のノズル孔2aに対応した位置に孔3aが形成された中間ガラス基板3が接合されている。中間ガラス基板20の材料としては、硼珪酸ガラス等を用いることができる。
中間ガラス基板3の上面側には、薄膜アクチュエータ1のボディ基板101が接合されている。ボディ基板101の内側には、中間ガラス基板3を介してノズル基板2を接合することにより構成される圧力室(開口)101aや図示しないインク供給路等が形成されている。圧力室101aは、複数のノズル孔2aに対応してそれぞれ形成されインクを収容する。
尚、ノズル基板2と中間ガラス基板3及びボディ基板101の接合には、例えば、特開2008−940号公報に開示されている陽極接合技術等を用いることができる。
駆動電極膜105と共通電極膜103の間に、外部の図示しない駆動回路から駆動信号が印加されると、圧電体膜104は振動し、この振動がボディ基板101に形成されインクを収容する圧力室101aの圧力を変化させ、ノズル基板2に形成されたノズル孔2aからインク滴を吐出させる。
インクジェットヘッド1Aの駆動素子として、前述の変位量が大きく信頼性の高い薄膜アクチュエータ1を用いることにより、インク液滴を効率よく安定して吐出することができる。
前述の図1に示した製造工程に沿って、薄膜アクチュエータ1を製造した。製造した薄膜アクチュエータ1を構成する各部材の材料、膜厚、成膜条件、及び初期応力等を下記表1に示す。尚、表1中、初期応力の+符号は引張応力、−符号は圧縮応力を示す。
Figure 2011142153
表1に示すように、上電極膜105の第1電極膜111、第2電極膜112を成膜する際には、ガス圧力を1.5Paとすることで、何れも+1500MPaの引張応力を、また、第3電極膜112を成膜する際には、ガス圧力を0.6Paとすることで、−500MPaの圧縮応力を発生させた。すなわち、上電極膜105と圧電体膜104との密着力を高める為に第1電極膜111、第2電極膜112には、+1500MPaの引張応力を付与した。
一方、上電極膜105全体としての応力は、凡そ(各膜の応力×膜厚)/(上電極膜105全体の膜厚)で求められることから、その応力は、(0.01×(+1500)+0.02×(+1500)+0.06×(−500))/(0.01+0.02+0.06)=+167MPaの引張応力なる。
すなわち、上電極膜105全体としての応力を、上電極膜105と圧電体膜104との密着力を高める為に第1電極膜111、第2電極膜112に付与した引張応力(+1500MPa)よりも小さい引張応力(+167MPa)とすることができ、初期変位を抑えることができた。
これらにより、大きな変位量を安定して得られることが確認できた。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は前述の実施の形態に限定して解釈されるべきでなく、適宜変更、改良が可能であることは勿論である。
例えば、前述の実施形態においては、振動板102としてSiO膜を用いたが、Siを窒化したSiN膜や他の金属膜、絶縁膜等を用いてもよい。また、圧電体膜104としてPZTを用いたが、チタン酸バリウム等の圧電膜を用いてもよい。
また、上電極膜105は、それぞれ初期応力を有する3層構成としたが、4層以上、あるいはスパッタ時のアルゴンガスの圧力を連続的に制御して、初期応力が連続的に変化している上電極膜であってもよい。
また、上電極膜105を構成する各電極膜への所定の初期応力の付与方法として、スパッタ時のガス圧力により制御する方法を用いたが、これに限定されることなく、ターゲット粒子が被成膜対象に到達する時のターゲット粒子のエネルギーを制御できればよいので、バイアス電圧、ターゲットと被成膜対象間の距離等の成膜条件等によって制御してもよい。
また、前述の実施形態においては、薄膜層10はダイヤフラム構造としたが、薄膜層10の両端を固定した両もち梁構造であってもよい。この場合もダイヤフラム構造の場合と同様の効果を得ることができる。
1A インクジェットヘッド
1 薄膜アクチュエータ
10 薄膜層
101 基板(ボディ基板)
101a 開口(圧力室)
102 振動板
103 下電極膜(共通電極膜)
104 圧電体膜
105 上電極膜(駆動電極膜)
111 第1電極膜
112 第2電極膜
113 第3電極膜
2 ノズル基板
2a ノズル孔
3 中間ガラス基板
3a 孔

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板の上に形成され、両端または周縁が該基板に固定された下電極膜と、
    前記下電極膜の上に形成され、駆動信号により膜面に沿った方向に伸縮する圧電体膜と、
    前記圧電体膜の上に形成された上電極膜と、を有する薄膜アクチュエータであって、
    前記上電極膜は、複数の電極膜から構成され、
    前記複数の電極膜のうち、前記圧電体膜に接する電極膜は、初期応力としての引張応力を有し、前記圧電体膜に接する電極膜の上層の電極膜は、前記引張応力よりも小さい初期応力を有していることを特徴とする薄膜アクチュエータ。
  2. 前記圧電体膜に接する電極膜の上層の電極膜は、初期応力としての圧縮応力を有していることを特徴とする請求項1に記載の薄膜アクチュエータ。
  3. 前記複数の電極膜の初期応力は、前記圧電体膜から遠ざかるにつれて、次第に小さくなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜アクチュエータ。
  4. 前記上電極膜を構成する前記複数の電極膜は、スパッタ法を用いて形成され、
    前記複数の電極膜の前記初期応力は、スパッタ時のガス圧力、バイアス電圧、前記電極膜の材料であるターゲットと被成膜層との距離、のうち少なくとも1つにより、それぞれの前記電極膜に対応して付与されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の薄膜アクチュエータ。
  5. 前記基板の材料は、シリコンであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の薄膜アクチュエータ。
  6. 前記圧電体膜の材料は、チタン酸ジルコン酸鉛を含むことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の薄膜アクチュエータ。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の薄膜アクチュエータを備えたインクジェットヘッドであって、
    前記基板は、開口が形成され、
    前記基板の裏面に接合され、前記開口に連通しインクを吐出するノズル孔が形成されたノズル基板と、を有し、
    前記開口の内部は、前記インクを収容し、前記圧電体膜の変位により圧力を発生する圧力室であることを特徴とするインクジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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