JP2002171009A - 膜の転写方法 - Google Patents

膜の転写方法

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JP2002171009A
JP2002171009A JP2000368701A JP2000368701A JP2002171009A JP 2002171009 A JP2002171009 A JP 2002171009A JP 2000368701 A JP2000368701 A JP 2000368701A JP 2000368701 A JP2000368701 A JP 2000368701A JP 2002171009 A JP2002171009 A JP 2002171009A
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film
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titanate
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JP2000368701A
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English (en)
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Takatsugi Wada
隆亜 和田
Kozo Toyama
綱造 外山
Tomohito Nozu
智史 野津
Takehiko Kawasaki
岳彦 川崎
Tamayoshi Kurashima
玲伊 倉島
Hideaki Nojiri
英章 野尻
Masatake Akaike
正剛 赤池
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温が必要なプロセスでも、直接成膜が困難
な基板上へも膜を転写できるデバイスを実現する。 【解決手段】 第一基板11,12上に形成した被転写膜15
〜17を第二基板18,19上に転写する、膜の転写方法にお
いて、第一基板上に剥離層13及び被転写膜を順次形成す
る第一の工程と、被転写膜と第一基板とは熱膨張係数の
異なる第二基板を被転写膜と接着する第二の工程と、接
着した第一基板と第二基板とを加熱または冷却し剥離層
での剥離を生じさせて、被転写膜を第二基板上に転写す
る第三の工程と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は膜の転写方法に関す
るものであり、特にアクチュエーター、センサー、液滴
噴射装置等のデバイスに用いられる圧電性などの機能性
を有する膜の転写方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、機能性薄膜を使ったデバイス研究
が盛んである。機能性材料を薄膜化しデバイスに応用す
ることによって、優れた機能の実現が期待されている。
【0003】例えば、強誘電体の圧電性、焦電性、分極
反転等の物性を用いた圧電素子やセンサー、不揮発メモ
リー等のデバイス研究が盛んであるが、なかでも圧電素
子を用いてインクを吐出させるインクジェット方式は高
速高密度で高精細高画質の記録が可能で、かつ、カラー
化・コンパクト化にも適しており、プリンターはもとよ
り、複写機、ファクシミリ、電卓等にも適用され、近年
急速な発展を成し遂げた。このような記録技術分野にお
いては将来における更なる高品位・高精細な記録技術へ
の要望が高まってきている。実現の為の一つの方法とし
て圧電性を有する膜を利用した圧電素子があげられ、次
世代高品位・高精細記録技術への応用が期待されてい
る。
【0004】圧電性を有する膜の作製にあたっては様々
な方法が挙げられるが、例えば特開平6-290983号公報な
どにRFスパッタリングを用いた結晶性の向上したPb(Z
rx,Ti1 -x)O3(チタン酸ジルコン酸鉛)膜の成膜方法が
記載されている。また特開平11-220185号公報などにゾ
ルゲル法の前駆体分解温度制御により、(100)面に配向
したチタン酸ジルコン酸鉛を形成する方法が記載されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】機能性薄膜として多く
の酸化物を挙げることができる。特に圧電性を有する膜
は一般に複合酸化物であるため、結晶化には600℃以上
の高い温度が求められる。結晶化するためには、室温か
ら200℃程度での非加熱成膜を行い、成膜後に600℃以上
でアニールする方法や、基板温度を600℃以上に加熱し結
晶化しながら成膜を行う方法がある。しかし結晶化する
ために600℃以上の高温を要するために、圧電性を有す
る膜が形成される基板は高温に耐えうる単結晶基板が用
いられる。単結晶基板には代表的なものとしてMgOやSrT
iO3などが挙げられるが、一般的に非常に高価であり、
一回の成膜ごとに消耗してしまうのはコスト上非常に不
利である。
【0006】また圧電性を有する膜を単結晶基板上に成
膜した場合、他の基板と接着して単結晶基板を熱燐酸等
で溶解して除去することが行われる。このようなプロセ
スは非常に時間を要するため、コストのみならずスルー
プット上も非常に不利であり、量産化の大きな障壁にな
る。
【0007】このような問題点を解決するためには、膜
そのものを剥離したり、他の基板に転写する方法が有効
である。薄膜の剥離方法に関しては、特開平6−338496
号公報にスパッタ装置の防着板に付着した膜を加熱後に
急速に冷却する過程において剥離する方法が記載されて
いるが、これは防着板と膜の熱膨張差を利用した防着板
のクリーニングであり、膜を破壊して剥離するため、膜を
取り出してデバイスに応用するのには適さない。さらに
特開平10−125929号公報にデバイスに応用可能な薄膜転
写方法が記載されているが、光照射によるアモルファス
Siのアブレーションを利用したものであり、強力なレー
ザー光の照射が必要な点やアブレーションの制御、膜に
付着したSiの除去等の問題点が考えられる。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためのも
のであって、二つ基板の熱膨張差を利用して、簡便な構
成・手段で膜の転写を実現し、高価な単結晶基板の再利
用を可能にし、直接成膜の不可能な基板上に膜を転写可
能にすることによって、安価で高品位な様々な機能性デ
バイスを実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の構成は以下のようになる。
【0010】すなわち、本発明の第1の膜の転写方法
は、第一基板上に形成した被転写膜を第二基板上に転写
する、膜の転写方法において、前記第一基板上に剥離層
及び被転写膜を順次形成する第一の工程と、前記第一基
板とは熱膨張係数の異なる前記第二基板を前記被転写膜
と接着する第二の工程と、接着した前記第一基板と前記
第二基板とを加熱または冷却し前記剥離層での剥離を生
じさせて、前記被転写膜を前記第二基板上に転写する第
三の工程と、を有することを特徴とする、膜の転写方法
である。
【0011】本発明の第2の膜の転写方法は、上記本発
明の第1の膜の転写方法において、前記剥離層が、曲げ
強度において前記第一基板及び前記被転写膜及び前記第
二基板よりも弱いことを特徴とする、膜の転写方法であ
る。
【0012】本発明の第3の膜の転写方法は、上記本発
明の第1又は第2の膜の転写方法において、前記剥離層
が、チタン酸塩の薄膜層であることを特徴とする、膜の
転写方法である。
【0013】本発明の第4の膜の転写方法は、上記本発
明の第3の膜の転写方法において、前記チタン酸塩の薄
膜層が、TiO2−Al2O3系またはTiO2−MgO系であることを
特徴とする、膜の転写方法である。
【0014】本発明の第5の膜の転写方法は、上記本発
明の第3の膜の転写方法において、前記チタン酸塩の薄
膜層が、Al2TiO5またはMgTi2O5であることを特徴とす
る、膜の転写方法である。
【0015】本発明の第6の膜の転写方法は、上記本発
明の第1〜5のいずれかの膜の転写方法において、前記
剥離層に、前記剥離層の一部が前記第一基板と密着しな
い剥離開始点を設けたことを特徴とする、膜の転写方法
である。
【0016】本発明の第7の膜の転写方法は、上記本発
明の第1〜6のいずれかの膜の転写方法において、前記
第一基板と前記第二基板の室温における熱膨張係数の差
が7×10-6/deg以上あることを特徴とする、膜の転写方
法である。
【0017】本発明の第8の膜の転写方法は、上記本発
明の第1〜7のいずれかの膜の転写方法において、前記
第一基板もしくは前記第二基板に、あらかじめ単層もし
くは複数層の膜または基板が積層された積層基板を用い
ることを特徴とする、膜の転写方法である。
【0018】本発明の第9の膜の転写方法は、上記本発
明の第1〜8のいずれかの膜の転写方法において、前記
第一基板にMgOまたはSrTiO3単結晶基板を用い、前記第
二基板にSi基板を用いることを特徴とする、膜の転写方
法である。
【0019】本発明の第10の膜の転写方法は、上記本
発明の第1〜9のいずれかの膜の転写方法において、前
記被転写膜が圧電性を有する膜を含み、該圧電性を有す
る膜は少なくともPb、Zr、Tiを主成分とすることを特徴
とする、膜の転写方法である。
【0020】本発明の第11の膜の転写方法は、上記本
発明の第1〜10のいずれかの膜の転写方法において、
前記第三の工程で剥離した第一基板を、前記第一の工程
での第一基板として再投入することを特徴とする、膜の
転写方法である。
【0021】(作用)100μm程度以上の十分に厚い基板
同士を接着した場合、二つの基板の熱膨張係数が大きく
異なると、過熱・冷却によって熱膨張係数の小さい基板
が熱膨張係数の大きな基板方向に反り上がろうとするた
め、熱膨張係数の小さな基板が破壊されるという現象が
知られている。酸化物において、平均熱膨張係数が2.0
×10-6/℃以下を低膨張、2.0〜8.0×10-6/℃を中膨
張、8.0×10-6/℃以上を高膨張と定義される(ファイ
ンセラミックハンドブック:朝倉書店発行,浜野健也
(他)著,614ページ)が、高膨張とその熱膨張係数の
半分以下の材料の組み合わせである、大きな熱膨張係数
差の組み合わせのときに、上記の破壊の現象が起きやす
い。
【0022】一方で、TiO2と他の金属酸化物の複合酸化
物であるチタン酸塩という材料は、曲げ強度に弱い材料
が多く、特にTiO2−Al2O3系とTiO2−MgO系のチタン酸塩
は曲げ強度が弱い材料である。
【0023】測定方法によって曲げ強度の値は多少ばら
つくが、室温近辺でおおよそTiO2−Al2O3系で150〜200k
g/cm2、TiO2−MgO系で100〜150kg/cm2である。酸化物材
料としては弱い部類に入るMgOの曲げ強度が1000kg/cm2
以上であることを考えると、これらのチタン酸塩は曲げ
強度に非常に弱く脆い材料であることがわかる。
【0024】本発明者は、これらの現象を組み合わせ、
より好ましくはさらに剥離開始点を設けるという構造上
の工夫を加えることにより、熱膨張の差を利用して、曲
げ強度の弱いチタン酸塩の薄膜層を剥離層として膜を転
写する方法を新たに見出した。
【0025】剥離層の曲げ強度は、第一基板及び被転写
膜及び第二基板よりも相対的に弱ければよく、上記チタ
ン酸塩に限定されるものではない。
【0026】転写の際、チタン酸塩の薄膜層は単結晶基
板側にも残るが、あらかじめ単結晶基板に酸に溶けにく
い貴金属等を成膜しておくことにより、酸による後洗浄
によって高価な単結晶基板を再利用することが可能であ
る。すなわち高価な単結晶基板上に酸に溶けにくく原子
の拡散を防止する貴金属等のバッファ層を成膜し、その
上に剥離開始点を設けたチタン酸塩の薄膜層、その上に
原子の拡散防止と電極用に貴金属等の電極層、更にその
上に転写用の膜を成膜し、その上に電極を介して十分に
厚い単結晶基板と熱膨張係数の大きく異なる十分に厚い
基板を接着し、過熱または冷却による熱膨張差を利用す
ることによって曲げ強度に弱く破損しやすいチタン酸塩
の薄膜層から単結晶基板を剥離し、通常使い捨てになる
高価な単結晶基板を酸で洗浄し、何度も再利用すること
によって、コストを大きく下げることができる。また非
常に時間のかかる単結晶基板の溶解工程を省くことによ
って、スループットを大きく向上させることが可能とな
る。また非常に簡便な方法で、成膜が難しいあるいは不
可能な基板上へ様々な膜を転写することが可能になり、
転写した膜を利用した様々なデバイスを実現することが
可能になる。
【0027】被転写膜としては、圧電材料以外にもメモ
リー等に用いられる強誘電材料、記録ヘッドや記録テー
プに用いられる強磁性材料、その他機能性の酸化物材料
の膜を用いることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては様々な機能性を有する膜を転写でき、
様々な機能を持ったデバイスを作製することができる
が、本実施例、比較例においては機能性を有する膜とし
て圧電性を有する膜の転写を行い、ユニモルフ型のアク
チュエーター及びこれを用いたインクジェットヘッドの
作製を行った例を示す。
【0029】本発明における剥離層及び機能性を有する
膜が形成される基板は、高熱膨張係数を有する様々な基
板を用いることができるが、特に熱膨張係数が大きく、
高温プロセスに耐久性があるMgO基板やSrTiO3基板が好
ましい。
【0030】本発明におけるチタン酸塩等の剥離層とな
る薄膜層及び圧電特性を有する膜の作成方法にはあらゆ
る成膜方法を用いることが可能であり、例えばRFスパッ
タリング、イオンビームスパッタ、イオンプレーティン
グ、EB蒸着、プラズマCVD、MO−CVD、レーザーアブレー
ションなどが挙げられる。いずれの成膜方法も酸化物の
薄膜を作成することが可能であるが、チタン酸塩や圧電
性を有する膜の作製においては、組成がその特性に大き
く寄与するため、基板温度可変でかつガス圧により組成
制御の容易なRFスパッタリングが好ましい。
【0031】本発明における剥離層となるチタン酸塩の
薄膜層には様々な材料を挙げることができるが、特に曲
げ応力が200kg/cm2以下のTiO2−Al2O3系、TiO2−MgO系
が好ましい。チタン酸塩の薄膜層は、弾性変形可能な最
大の膜厚で塑性変形の発生する最小の膜厚である臨界膜
厚以上であることが求められ、ヤング率によって精密な
膜厚は異なるが、0.1μm以上が望ましい。またチタン酸
塩が形成される基板に対して熱膨張差による応力を発生
させないように、チタン酸塩が形成される基板の1/10
以下の膜厚であることが望ましい。
【0032】剥離層に設けられる剥離開始点は、様々な
製法で作製することができるが、代表的な製法としてリ
フトオフや熱膨張差や構造変化を利用するものが挙げら
れる。リフトオフを利用するものとしては、例えば剥離
層の成膜後に剥離層の端部にかかるような任意の一部分
にZnOを成膜し、その後圧電性を有する膜を形成した後
に弱酸である酢酸溶液でZnOを溶解することにより、剥
離層が隣接する層と密着していない剥離開始点を設ける
ことができる。熱膨張差を利用するものとしては、例え
ば剥離層の成膜後に剥離層の任意の一部分に熱膨張係数
の非常に小さなSiO2を成膜し、その後圧電性を有する膜
を形成した後に熱処理を行うことによって熱膨張差によ
ってSiO2が剥離し、剥離層が隣接する層と密着していな
い剥離開始点を設けることができる。構造変化を利用す
るものとしては、例えば剥離層の成膜後に剥離層の端部
にかかるような任意の一部分にTiNを成膜し、その後圧
電性を有する膜を形成した後に熱処理を行うことによっ
てTiNの表面が酸化されて構造変化を起こすため剥離
し、剥離層が隣接する層と密着していない剥離開始点を
設けることができる。この他にも、イオンビームを集光
させたFIBやレーザーによるアブレーションなど様々な
方法によって剥離開始点を設けることができる。本発明
においては、剥離開始点作製において、剥離層が隣接す
る層と密着していない部分を形成可能なあらゆる方法を
用いることが可能である。
【0033】剥離開始点には様々な形状、面積、設置位
置が考えられるが、平面状の周縁部に設けるのが一番好
ましい。しかし、本発明においては上記には限らず、あ
らゆる形状、面積、設置位置の剥離開始点が有効であ
り、用いることができる。
【0034】圧電特性を有する膜には、圧電性を有する
様々な膜を用いることができるが、特にPb、Zr、Tiを含
む物が望ましい。例えばPb(Zr,Ti)O3、(Pb,La)(Zr,Ti)O
3などがその代表例としてあげられる。特にPb(Zr,Ti)O3
は圧電特性に優れ、材料として好ましい。
【0035】図1、図2に沿って本発明における圧電性
を有する膜の転写方法に用いられる、圧電素子の構造に
ついて簡単に説明する。図1は本発明を最も良く表わす
一形態を示す断面図である。図1に示されるように、十
分に厚い基板11上に酸に溶けにくく原子の拡散を防止す
る貴金属膜12が形成され、さらに第一層としてチタン酸
塩の薄膜層13が形成され、その上に原子の拡散防止と電
極をかねた貴金属の第一電極層15が形成され、その上に
第二層として圧電性を有する膜16が形成される。チタン
酸塩の薄膜層の周辺部14は単結晶基板と反対側に隣接す
る第一電極層15と密着しておらず、剥離開始点として機
能する。その上に第二電極層17が形成され、第二電極層
17上に基板11の厚さの1/10以下の薄い振動板18が貼り
合わされた、基板11と熱膨張係数の大きく異なる十分に
厚い基板19を貼り付ける。
【0036】その後、加熱又は冷却により基板11と基板
19との熱膨張係数の違いにより薄膜層13が破壊され、貴
金属膜12が形成された基板11を剥離する。こうして、第
一電極層15、圧電性を有する膜16、第二電極層17からな
る被転写膜は、振動板18が貼り合わされた基板19に転写
される。剥離された、貴金属膜12が形成された基板11
は、貴金属膜12上に薄膜層13が残っている場合には薄膜
層13を酸による洗浄で除去し、貴金属膜12上に再度、薄
膜層13、第一電極層15、圧電性を有する膜16、第二電極
層17を形成することで再利用(再投入)することができ
る。このように、貴金属膜12が形成された基板11を繰り
返し再投入することで基板11のコストはより低減され
る。
【0037】図2は比較例に用いられる圧電性を有する
膜の一般的な構造である。図2に示されるように、基板
11上に第一電極層14が形成され、その上に圧電性を有す
る膜16が形成されるが、チタン酸塩の薄膜層は設けられ
ていない。その上に第二電極層17が形成され、第二電極
層17上に基板11の厚さの1/10以下の薄い振動板18が貼
り合わされた、十分に厚い基板19を貼り付ける。比較例
においては、基板11を除去する工程が必要となり、また
基板11を再利用(再投入)することができない。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。 (実施例1)本実施例では、成膜方法としてRFスパッタ
リングを用いて、曲げ応力の弱いTiO2−MgO系のチタン
酸塩の薄膜および圧電性を有するPb(Zrx,Ti1-x)O3(チ
タン酸ジルコン酸鉛)膜を成膜した例を挙げる。
【0039】図5〜図10は本実施例の膜の転写方法の
各工程を示す断面図である。
【0040】図5に示すように、MgO単結晶基板11上に
密着層としてTiを厚さ20nm、および再利用時の洗浄にお
ける耐腐食と原子の拡散防止をかねたバッファ層12とし
てPtを厚さ150nm、RFスパッタにて形成しPt(111)/Ti/Mg
O基板とした。次に図6に示すように、MgTi2O5をRFスパ
ッタを用いて基板加熱せずにArガスのみで、厚さ500nm
で形成し薄膜層13とした。
【0041】さらに図7に示すように、薄膜層13の上に
第一電極15となるPtをRFスパッタにて成膜した。その上
に基板ヒーターOFF、表示Arガス圧3.0Paで、アモルファ
スのチタン酸ジルコン酸鉛層16を3μm表面に形成した。
このアモルファスのチタン酸ジルコン酸鉛層16は後熱処
理により図4のように無配向のチタン酸ジルコン酸鉛
(Pb(Zrx,Ti1-x)O3 )層となる。
【0042】形成した膜を酸素雰囲気中で昇降温1℃/mi
n、700℃で5hrアニールし、結晶化を行った。このPb(Zr
x,Ti1-x)O3/Pt/MgTi2O5/Pt/Ti/MgO基板のチタン酸ジル
コン酸鉛表面に第二電極17となるPtをRFスパッタにより
形成しPt/ Pb(Zrx,Ti1-x)O3/Pt/ MgTi2O5 /Pt/Ti/MgOと
した。この後、評価用のアクチュエーターを作製するた
めに、振動板18として30μm厚のパイレックス(登録商
標)ガラスを後述の溝が形成されたSi基板19上に陽極接
合を用いて貼り付け、パイレックスガラスを研磨にて5
μmまで薄片化した。その後、図8に示すように、パイ
レックスガラスの振動板18が貼り付けられたSi基板19上
にエポキシ系接着剤を用いて、MgO基板の第二電極17側
で接着を行った。
【0043】これらの基板を150℃にて加熱し、エポキ
シ樹脂を完全に硬化した後、室温に放置して急速に冷却
したところ、MgO(熱膨張係数=13.8×10-6/℃)とSi
(熱膨張係数=2.0×10-6/℃)の熱膨張係数が大きく
異なるため、図9に示すように、Si基板19がMgO基板11
側に引っ張られて大きく反りあがり、曲げ応力が100〜1
50kg/cm2と非常に弱いMgTi2O5部分(薄膜層13)が破壊
を起こして、図10に示すように剥離によって膜(第一
電極15 、チタン酸ジルコン酸鉛層16、第二電極17から
なる膜)が転写された。
【0044】なお、曲げ応力の弱いチタン酸塩の薄膜層
はAl2TiO5でも可能である。Al2TiO5の曲げ応力は150〜2
00kg/cm2であり、MgTi2O5と同様曲げ応力に対して非常
に弱く、曲げ応力による破壊・剥離が発生する。またAl
2TiO5薄膜もMgTi2O5薄膜と同様にRFスパッタで成膜可能
である。
【0045】また成膜が行われる単結晶基板はSrTiO3
も可能である。SrTiO3の熱膨張係数は9.4×10-6/℃で
あり、やはりSi基板とは7×10-6/℃以上値が異なり、M
gOと同様加熱・冷却による熱膨張差で曲げ応力が発生
し、MgTi2O5部分からの破壊による剥離が発生する。
【0046】また本実施例では圧電性を有する膜の上下
に電極を設けた圧電素子の片方の面に、振動版が貼り付
けられたユニモルフ型のアクチュエーターが形成されて
いる。あらかじめSi基板上に様々な加工を施すことによ
り、ユニモルフ型のアクチュエーターを用いた様々なデ
バイスが作製可能である。本実施例においてはSi基板に
溝を形成することにより、ユニモルフ型のアクチュエー
ターを利用したインクジェットヘッドを形成している。
【0047】剥離されたチタン酸ジルコン酸鉛上の第一
電極15のPtをSi上の溝に合わせてドライエッチングにて
パターニングを行った。さらにPtのパターンにそってウ
ェットエッチングによりチタン酸ジルコン酸鉛をエッチ
ングした。このようにして作製したユニモルフ型アクチ
ュエーター部分の断面図を図11に示す。作製したユニ
モルフ型アクチュエーターを図12のような矩形波を印
加してレーザードップラー変位計による測定を行った
所、ユニモルフ型アクチュエーターとして十分な変位を
確認できた。
【0048】また剥離されたPt/Ti/MgO基板上にはMgTi2
O5層が付着しているが、周辺をレジストで保護し、フッ
酸もしくはフッ硝酸で洗浄することによりMgTi2O5層は
完全に除去され、Pt/Ti/MgO基板を何度も再利用するこ
とが可能になり、コスト上非常に有利になった。
【0049】またこの様に作製したインク吐出用のイン
クジェットヘッドを用いて吐出確認を行った。前述の溝
が形成されたSi基板は、Si(100)基板上に異方性エッチ
ング技術を用いてインク流路となる溝を形成することに
よって作製した。図13はノズル方向から見た完成形の
インクジェットヘッド断面図であるが、溝20は三角柱の
形状をしている。図14にインクジェットヘッドの上視
図を示す。インク供給室貫通孔21、インク供給室22、連
絡ノズル23、圧力室及びその上のユニモルフ型圧電素子
24、吐出ノズル25が形成されており、インク供給室22の
一部は貫通している。このインクジェットヘッドにIPA
を充填して図12のような駆動波形によって駆動したと
ころ、液滴26の吐出を確認することが出来た。
【0050】(実施例2)剥離開始点を設けること以外
は、実施例1と同様にアクチュエーターを用いたインク
ジェットヘッド作製を行った。図5〜図10を用いて本
実施例の膜の転写方法の各工程を説明する。実施例1と
全く同様に、図5、図6に示すように、MgO基板上にRF
スパッタにて成膜を行い、MgTi2O5/Pt(111)/Ti/MgO基板
とした。薄膜層13となるMgTi2O5の面内にマスクをかぶ
せ、図3のように面内を除いた周辺部14に酢酸に可溶で
あるZnOをRFスパッタを用いて厚さ100nm形成した。さら
に図7に示すように、その上に第一電極15となるPtをRF
スパッタにて成膜した。その上に基板ヒーターOFF、表
示Arガス圧3.0Paで、アモルファスのチタン酸ジルコン
酸鉛層16を3μm表面に形成した。このアモルファスの
チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zrx,Ti1-x)O3)層16は後熱
処理により図4のように無配向のチタン酸ジルコン酸鉛
層となる。
【0051】形成した膜を酸素雰囲気中で昇降温1℃/mi
n、700℃で5hrアニールし、結晶化を行った。このPb(Zr
x,Ti1-x)O3 /Pt/ZnO(周辺部のみ)/MgTi2O5/Pt/Ti/MgO
基板のチタン酸ジルコン酸鉛表面に第二電極17となるPt
をRFスパッタにより形成しPt/ Pb(Zrx,Ti1-x)O3 /Pt/Zn
O(周辺部のみ)/ MgTi2O5 /Pt/Ti/MgOとした。このPt/
Pb(Zrx,Ti1-x)O3 /Pt/ZnO(周辺部のみ)/ MgTi2O5 /P
t/Ti/MgOを酢酸溶液に浸漬することにより、ZnOのみが
酢酸溶液に溶けやすいため溶解除去され、Pt/ Pb(Zrx,T
i1-x)O3 /Pt/ MgTi2O5/Pt/Ti/MgOとなり、MgTi2O5の周
辺部とPt(Pb(Zrx,Ti1-x)O3 側)が密着していない構造と
なる。この後、評価用のアクチュエーターを作製するた
めに、振動板18として30μm厚のパイレックスガラスを
後述の溝が形成されたSi基板19上に陽極接合を用いて貼
り付け、パイレックスガラスを研磨にて5μmまで薄片化
した。その後、図8に示すように、パイレックスガラス
の振動板18が貼り付けられたSi基板19上にエポキシ系接
着剤を用いて、MgO基板の第二電極17側で接着を行っ
た。
【0052】これらの基板を150℃にて加熱し、エポキ
シ樹脂を完全に硬化した後、室温に放置して急速に冷却
したところ、MgO(熱膨張係数=13.8×10-6/℃)とSi
(熱膨張係数=2.0×10-6/℃)の熱膨張係数が大きく
異なるため、図9に示すように、Si基板がMgO基板側に
引っ張られて大きく反りあがり、曲げ応力が100〜150kg
/cm2と非常に弱いMgTi2O5部分が密着していない周辺部
分を剥離開始点として内部にかけて破壊を起こして、図
10に示すように剥離によって膜(第一電極15、チタン
酸ジルコン酸鉛層16、第二電極17)が転写された。な
お、実施例1と同様に、曲げ応力の弱いチタン酸塩の薄
膜層はAl2TiO5でも可能であり、また成膜が行われる単
結晶基板はSrTiO3でも可能である。
【0053】この際、密着していない部分が1辺だけの
場合も一辺を剥離開始点として曲げ応力の弱い層の破壊
が起こるが、4辺すべてが密着していない方がより効果
的である。また密着していない部分がMgO基板側でも同
様に曲げ応力による破壊・剥離が発生するが、この場合
は曲げ応力に弱いMgTi2O5薄膜層がチタン酸ジルコン酸
鉛側にほとんど残ってしまうため、密着していない部分
はチタン酸ジルコン酸鉛側の方が望ましい。
【0054】剥離開始点の作製には上記以外にも様々な
方法がある。例えば、熱膨張係差を利用した方法が挙げ
られる。MgTi2O5の成膜後に面内にマスクをかぶせ、図
3のように面内を除いた周辺部14にSiO2をRFスパッタを
用いて形成を行えば、SiO2は熱膨張係数が0.5×10-6
℃と非常に小さいため、アニールによって、単結晶基板
との熱膨張差でSiO2は隣接するチタン酸塩層から完全に
剥離し、Pb(Zrx,Ti1-x)O3 /Pt/SiO2(周辺部のみで非密
着)/ MgTi2O5 /Pt/Ti/MgO基板のような剥離開始点を設
けた構造を作製できる。また、構造変化を用いた方法も
挙げられる。MgTi2O5の成膜後に面内にマスクをかぶ
せ、図3のように面内を除いた周辺部にTiNをRFスパッ
タを用いて形成を行えば、TiNは熱処理によって表面酸
化を起こしやすく、表面のTiO2への構造変化によってス
トレスで接触する部分から簡単に剥離しやすいため、ア
ニールによって、TiNの表面は酸化され、隣接するチタ
ン酸塩層から完全に剥離し、Pb(Zrx,Ti1-x)O3 /Pt/TiN
(周辺部のみで非密着)/ MgTi2O5 /Pt/Ti/MgO基板のよ
うな剥離開始点を設けた構造を作製できる。
【0055】(比較例1)単結晶基板に熱酸化膜を設け
たSi基板であるSiO2/Si基板を用い、それ以外は、実施
例1と同様にアクチュエーターを用いたインクジェット
ヘッド作製を行った。SiO2/Si基板上に、実施例1と同
様にRFスパッタにて成膜を行い、MgTi2O5/Pt(111)/Ti/S
iO2/Si基板とした。次にMgOTi2O5の面内にマスクをかぶ
せ、図3のように面内を除いた周辺部にZnOをRFスパッ
タを用いて厚さ100nm形成した。さらにその上に第一電
極となるPtをRFスパッタにて成膜した。
【0056】形成した膜を酸素雰囲気中で昇降温1℃/mi
n、700℃で5hrアニールし、結晶化を行った。次に酢酸
溶液中で浸漬処理を行いZnOを完全に溶解し、Pb(Zrx,Ti
1-x)O3 /Pt/ MgTi2O5(周辺部のみチタン酸ジルコン酸
鉛側と非密着)/Pt/Ti/SiO2/Si基板となる。このチタン
酸ジルコン酸鉛表面に第二電極となるPtをRFスパッタに
より形成しPt/ Pb(Zrx,Ti1-x)O3 /Pt/ MgTi2O5(周辺部
のみチタン酸ジルコン酸鉛側で非密着)/Pt/Ti/SiO2/Si
とした。
【0057】この後、評価用のアクチュエーターを作製
するために、実施例1と同様に、振動板として研磨によ
って5μm厚に薄片化されたパイレックスガラスが陽極接
合によって接合された、実施例1と同様に溝が形成され
たSi基板上に、エポキシ系接着剤を用いてSiO2/Si基板
の第二電極側で接着を行った。これらの基板を加熱して
エポキシ樹脂を完全に硬化した後、室温に放置して急速
に冷却した場合、上下の十分に厚い基板が全く同じ熱膨
張率のため、何度に加熱しても冷却後に剥離は起こらな
かった。
【0058】(比較例2)曲げ応力に弱いチタン酸塩の
薄膜層を設けない以外は、実施例1と同様にアクチュエ
ーターを用いたインクジェットヘッド作製を行った。Mg
O基板上に、実施例1同様にRFスパッタにて成膜を行
い、Pt(111)/Ti/MgO基板とした。チタン酸塩の薄膜層は
設けずにチタン酸ジルコン酸鉛を厚さ3μm成膜してPb(Z
rx,Ti1-x)O3/Pt/Ti/MgO基板とした。
【0059】形成した膜を酸素雰囲気中で昇降温1℃/mi
n、700℃で5hrアニールを行った。このチタン酸ジルコ
ン酸鉛表面に第二電極となるPtをRFスパッタにより形成
しPt/ Pb(Zrx,Ti1-x)O3 /Pt /Ti/MgOとした。
【0060】この後、評価用のアクチュエーターを作製
するために、実施例1と同様に、振動板として研磨によ
って5μm厚に薄片化されたパイレックスガラスが陽極接
合によって接合された、実施例1と同様に溝が形成され
たSi基板上に、エポキシ系接着剤を用いてMgO基板の第
二電極側で接着を行った。これらの基板を150℃にて加
熱し、エポキシ樹脂を完全に硬化した後、室温に放置し
て急速に冷却したところ、MgOとSiの熱膨張係数が大き
く異なるため、Si基板が大きく収縮するMgO基板側に大
きく反りあがり、Si基板の背面側に亀裂が入りついには
割れてしまった。そのため評価用のアクチュエーターを
作製することができなかった。
【0061】またエポキシ樹脂を完全に硬化した後、徐
々に冷却を行えばSi基板の破壊は起こらないが、MgO基
板を熱燐酸中で完全に溶解する必要があった。そこでMg
O基板以外をレジストで保護し、熱燐酸でMgO基板の溶解
を行ったが、300μm厚の基板を溶解するのに2時間以上
の時間を要し、量産のスループットとしては容認できな
いレベルであった。さらにMgO基板は非常に高価であ
り、アクチュエーター作製のたびに溶解することはコス
ト上問題があった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
機能性膜を作成する際に、高価な単結晶基板上に酸に溶
けにくく原子の拡散を防ぐ貴金属等のバッファ層を成膜
し、その上に第一層として(好適には剥離開始点を設け
た)チタン酸塩等の薄膜層、更にその上に原子の拡散を
防ぎ電極として用いる貴金属等の電極層、その上に第二
層として機能性を有する膜を成膜し、そして好適には、
チタン酸塩等の薄膜層の少なくとも一辺が隣接するどち
らかの膜と密着していない剥離開始点を持った構造に
し、その上に十分に厚い単結晶基板と熱膨張係数の異な
る十分に厚い基板を接着し、過熱・冷却による熱膨張差
を利用することによって曲げ応力の弱いチタン酸塩等の
薄膜層を(好適には隣接する層と密着していない剥離開
始点から)応力で破壊し、単結晶基板を剥離して膜を転
写することが可能になる。
【0063】またこの転写方法によって、通常使い捨て
になる高価な単結晶基板を酸で洗浄してチタン酸塩層を
除去し、何度も再利用することが可能になり、単結晶上
に成膜する機能性薄膜を利用した様々なデバイス、例え
ば圧電性を有する膜を用いた圧電素子やアクチュエータ
ーあるいはインクジェットヘッド等を量産する際に、コ
ストを大きく下げることができる。
【0064】また単結晶基板を時間をかけて溶解する工
程が省かれるため、スループットの向上が期待できる。
さらに、非常に簡易な方法で膜を成膜が困難あるいはで
きない基板上に転写することが可能になるため、これま
で困難であった様々なデバイスへの応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の説明に適用される、チタン酸
塩の薄膜層が形成された場合の圧電性を有する膜の断面
図である。
【図2】本発明の比較例の説明に適用される、チタン酸
塩の薄膜が形成されていない場合の圧電性を有する膜の
断面図である。
【図3】本発明の実施例の説明に適用される、チタン酸
塩の薄膜層が隣接する層と密着していない部分を示す上
視図である。
【図4】本発明の実施例及び比較例における、チタン酸
ジルコン酸鉛膜のX線回折パターンである。
【図5】本実施例の膜の転写方法の各工程を示す断面図
である。
【図6】本実施例の膜の転写方法の各工程を示す断面図
である。
【図7】本実施例の膜の転写方法の各工程を示す断面図
である。
【図8】本実施例の膜の転写方法の各工程を示す断面図
である。
【図9】本実施例の膜の転写方法の各工程を示す断面図
である。
【図10】本実施例の膜の転写方法の各工程を示す断面
図である。
【図11】本発明の実施例における、評価用に作製した
ユニモルフ型アクチュエーターの断面図である。
【図12】本発明の実施例における、圧電素子の評価に
用いた駆動波形である。
【図13】本発明の実施例の説明における、圧電性を有
する膜を用いたユニモルフ型圧電素子を応用したインク
ジェットヘッドの断面図である。
【図14】本発明の実施例の説明における、圧電性を有
する膜を用いたユニモルフ型圧電素子を応用したインク
ジェットヘッドの上視図である。
【符号の説明】
11 膜を形成する単結晶基板 12 原子の拡散防止及び単結晶基板保護のためのバッフ
ァ層 13 チタン酸塩の薄膜層 14 チタン酸塩が隣接する層とその周辺部で密着してい
ない部分 15 第一電極 16 圧電性を有する膜 17 第二電極 18 振動版 19 インクジェット用の溝の形成されたSi基板 20 Si基板上に形成されたインクジェット用の溝 21 インク供給室貫通孔 22 インク供給室 23 連絡ノズル 24 圧力室及びその上のユニモルフ型圧電素子 25 吐出ノズル 26 吐出された液滴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野津 智史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 川崎 岳彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 倉島 玲伊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野尻 英章 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 赤池 正剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一基板上に形成した被転写膜を第二基
    板上に転写する、膜の転写方法において、 前記第一基板上に剥離層及び被転写膜を順次形成する第
    一の工程と、前記第一基板とは熱膨張係数の異なる前記
    第二基板を前記被転写膜と接着する第二の工程と、接着
    した前記第一基板と前記第二基板とを加熱または冷却し
    前記剥離層での剥離を生じさせて、前記被転写膜を前記
    第二基板上に転写する第三の工程と、を有することを特
    徴とする、膜の転写方法。
  2. 【請求項2】 前記剥離層が、曲げ強度において前記第
    一基板及び前記被転写膜及び前記第二基板よりも弱いこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の膜の転写方法。
  3. 【請求項3】 前記剥離層が、チタン酸塩の薄膜層であ
    ることを特徴とする、請求項1または2に記載の膜の転
    写方法。
  4. 【請求項4】 前記チタン酸塩の薄膜層が、TiO2−Al2O
    3系またはTiO2−MgO系であることを特徴とする、請求項
    3に記載の膜の転写方法。
  5. 【請求項5】 前記チタン酸塩の薄膜層が、Al2TiO5
    たはMgTi2O5であることを特徴とする、請求項3に記載
    の膜の転写方法。
  6. 【請求項6】 前記剥離層に、前記剥離層の一部が前記
    第一基板と密着しない剥離開始点を設けたことを特徴と
    する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の膜の転写方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第一基板と前記第二基板の室温にお
    ける熱膨張係数の差が7×10-6/deg以上あることを特徴
    とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の膜の転写
    方法。
  8. 【請求項8】 前記第一基板もしくは前記第二基板に、
    あらかじめ単層もしくは複数層の膜または基板が積層さ
    れた積層基板を用いることを特徴とする、請求項1〜7
    のいずれか1項に記載の膜の転写方法。
  9. 【請求項9】 前記第一基板にMgOまたはSrTiO3単結晶
    基板を用い、前記第二基板にSi基板を用いることを特徴
    とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の膜の転写
    方法。
  10. 【請求項10】 前記被転写膜が圧電性を有する膜を含
    み、該圧電性を有する膜は少なくともPb、Zr、Tiを主成
    分とすることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1
    項に記載の膜の転写方法。
  11. 【請求項11】 前記第三の工程で剥離した第一基板
    を、前記第一の工程での第一基板として再投入すること
    を特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の
    膜の転写方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007123353A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Ngk Insulators Ltd 圧電/電歪膜及びその製造方法
JP2011035246A (ja) * 2009-08-04 2011-02-17 Stanley Electric Co Ltd 誘電体薄膜デバイスの製造方法
JP2012182331A (ja) * 2011-03-01 2012-09-20 Taiyo Yuden Co Ltd 薄膜素子の転写方法及び回路基板
JP2021049768A (ja) * 2019-09-20 2021-04-01 テグ キョンブク インスティトゥート オブ サイエンス アンド テクノロジー 電子装置の製造方法

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US11367647B2 (en) 2019-09-20 2022-06-21 Daegu Gyeongbuk Institute Of Science And Technology Method of manufacturing electronic device

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