JP2009193804A - アクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents

アクチュエータおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アクチュエータの動作精度を高めることを目的とする。
【解決手段】表面に穴16を有する枠体17と、穴16の上方に配置された伝送電極部18と、この伝送電極部18の両端にそれぞれの一端が連結されるとともに、他端を枠体17に支持された駆動部20とを備え、この駆動部20は、下部金属層21と、この下部金属層21上に形成された圧電膜22と、この圧電膜22上に形成された上部金属層と、この上部金属層23上に積層された弾性樹脂層24とを有するものとした。これにより本発明は、伝送電極部18の傾きを抑制するとともにエッチング工程において表層が浸食されても、駆動部20全体の変位量に与える影響を小さくすることができ、結果としてアクチュエータの動作精度を高めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、機械式スイッチなどに用いられるアクチュエータに関するものである。
携帯電話や無線LANなどの無線通信機器では、送信と受信信号の切替えや内蔵アンテナと外部アンテナなどを切替える用途のスイッチが用いられている。このような無線通信機器で用いられるスイッチには、高周波数帯域および広周波数帯域への対応が求められている。
最近では、MEMS(Micro Electoro Mechanical Systems:以下「MEMS」と呼ぶ)を利用して微小構造の機械式スイッチを形成することにより、数GHzの周波数帯域に対応した例が提案されている。
図12に示すように、従来のスイッチは、基板1と、この基板1上の固定部2に両端を支持されたアクチュエータ3とを備えている。そしてこのアクチュエータ3は、中央に配置された伝送電極部4と、この伝送電極部4の両側にそれぞれの一端が連結されるとともに、他端を固定部2に支持された駆動部5とを備え、この駆動部5は、下部金属層6と、この下部金属層6上に形成された圧電膜7と、この圧電膜7上に形成された上部金属層8とを有している。
また伝送電極部4には導電部9が形成され、さらにこの導電部9と対向するように基板1上には伝送線10が形成されている。
このアクチュエータ3は、上部金属層8と下部金属層6間に電圧を印加し、圧電膜7を反らすことで、導電部9と伝送線10の間隔を変化させ、スイッチング動作を行うものである。
なお、基板1として積層基板を用いれば、犠牲層エッチングなどによって、この基板1と駆動部5および伝送電極部4との間に隙間11を形成できる。
この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2006−346830号公報
ここでアクチュエータの簡易な形成方法として、図13に示すように、基板12上に駆動部13および伝送電極部14を形成した後、これらの駆動部13及び伝送電極部14の上方からエッチングガスを導入し、基板12表面に穴15を形成して、駆動部13および伝送電極部14と基板12とを乖離させる方法がある。
しかしこの方法によれば、アクチュエータの動作精度が低下するという課題がある。
その理由は、アクチュエータ作製時に用いられるエッチング液、エッチングガス等の影響により上部金属層8が浸食され、設計値と異なる厚みとなるからである。
この上部金属層8の膜厚変動は、駆動部13の変位特性を変動させ、結果としてアクチュエータの動作精度を低下させるのである。
そこで本発明は、アクチュエータの動作精度を向上させることを目的とする。
そしてこの目的を達成するために本発明は、表面に穴を有する枠体と、この穴の上方に配置された伝送電極部と、この伝送電極部の両側にそれぞれの一端が連結されるとともに、他端を枠体に支持された駆動部とを備え、この駆動部は、下部金属層と、この下部金属層上に形成された圧電膜と、この圧電膜上に形成された上部金属層と、この上部金属層上に積層された弾性樹脂層とを有するものとした。
これにより本発明は、アクチュエータの動作精度を向上させることができる。
その理由は、上部金属層上に、弾性樹脂層を形成したからである。すなわちこの弾性樹脂層は剛性が低いため、その膜厚変動が駆動部の変位量に与える影響はきわめて小さい。したがって、表層を弾性樹脂層とすることによって、エッチング工程において表層が浸食されても、駆動部全体の変位量に与える影響を小さくすることができる。
そしてその結果、アクチュエータの動作精度を向上させることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施の形態におけるアクチュエータについて説明する。
はじめにこのアクチュエータの構造を説明する。
図1に示すように、本実施の形態におけるアクチュエータは、表面に穴16を有する枠体17と、穴16の上方に配置された伝送電極部18と、この伝送電極部18の両端にそれぞれ連結された伸縮可能な梁19と、これらの梁19とそれぞれの一端を連結されるとともに、他端を枠体17に支持された駆動部20とを備えている。
すなわち本発明は、伝送電極部18を両側の駆動部20で穴16の周縁部に懸架した両持ち構造である。
なお本実施の形態では、駆動部20を穴16の周縁部から、それぞれ左右二本ずつ略平行となるように配置している。このように二本の駆動部20を、それぞれ梁19を介して伝送電極部18の4つの角部と連結することにより、伝送電極部18を水平により安定して上下動させることができる。
また駆動部20、梁19、伝送電極部18はいずれも、図2に示すように共通の下部金属層21と、この下部金属層21上に形成された圧電膜22とを備えている。
そして駆動部20はさらにこの圧電膜22上に形成された上部金属層23と、この上部金属層23上に積層された弾性樹脂層24とを有している。
なお本実施の形態のように梁19、伝送電極部18はいずれも共通の下部金属層21および圧電膜22により形成すれば、一体成形が可能であるが、この構成に制限されるものではない。
一方梁19には上部金属層23が形成されておらず、最表面は圧電膜22であり、伝送電極部18は圧電膜22上に機械式スイッチの短絡片となる導電部25を備えている。
また本実施の形態では、下部金属層21の端部を露出させた第一の取出し電極26と、上部金属層23に接続された第二の取出し電極27を設けている。これら第一の取出し電極26、第二の取出し電極27を通じて、下部金属層21と上部金属層23に一定の電圧を印加すれば、圧電膜22を反らせることができ、懸架されている伝送電極部18を上下動させることができる。
なお、梁19を介さず、伝送電極部18と駆動部20とを直接連結してもよいが、本実施の形態のように、伸縮可能な梁19を介して連結することによって、駆動部20の変位量を大きくすることができる。その理由は、梁19の伸縮によって左右の駆動部20が互いに拘束しあうのを抑制できるからである。
また梁19の形状は、梁19の長さが伸縮可能であればよく、本実施の形態ではミアンダ形状とした。梁19をミアンダ形状とし、長軸方向と短軸方向に対してそれぞれ対称に四箇所設けることにより、伝送電極部18をより水平に上下動させることができる。
また梁19はバネとして作用するため、駆動部20を反らせたときに生じる伝送電極部18への応力を、伸縮により緩和することができる。したがって、伝送電極部18への応力負荷を抑えながら、繰り返し上下動させることができる。
また本実施の形態では、上部金属層23の剛性は下部金属層21の剛性よりも大きくしている。剛性は材料のヤング率や膜厚に関係するため、特に本実施の形態では上部金属層23の膜厚を大きくし、下部金属層21よりも剛性を大きくした。これは、上部金属層23を圧電膜22の拘束体として機能させるためである。すなわち上部金属層23の剛性を大きくして圧電膜22の上面付近の伸縮を拘束しながら下面側を伸縮させれば、駆動部20全体は上下方向に大きく変位させることができる。
なお本実施の形態では、枠体17の厚みは400μm〜600μm、穴16の深さは20〜100μm、下部金属層21は100nm〜500nm、圧電膜22は1μm〜5μm、上部金属層23は1μm〜5μm、弾性樹脂層24は1μm〜10μm程度とした。
また図2に示すように、本実施の形態のアクチュエータは、高周波対応の機械式スイッチとして用いることができる。
本実施の形態では、アクチュエータの上方にセラミックなどからなる封止板28を実装し、封止している。封止板28にはアクチュエータとの対向面に凹部29が形成されており、この凹部29によるスペースがアクチュエータの駆動空間となる。
またこの凹部29の内壁(アクチュエータとの対向面)にある伝送線30は、アクチュエータの導電部25と向い合うように形成されている。また封止板28には、アクチュエータの上部金属層23、下部金属層21とそれぞれスペーサ32を介して電気的に接続され、これらに電圧を印加するための駆動用電極31を設けている。
そしてこの封止板28の伝送線30とアクチュエータの伝送電極部18(導電部25)は、一定の間隔で対向し、この間隔は凹部29の深さで維持している。なお、封止板28とアクチュエータとを固定する時は不活性ガスやドライエアで置換、または真空状態で封止する。
また凹部29の内壁に設けた伝送線30および駆動用電極31は、ビア33や内部配線などを通じて、封止板28の外表面の外部電極34に接続する。これにより、この機械式スイッチを回路基板上に実装した後、封止板28外表面の外部電極34を介して内部のアクチュエータを駆動させ、所望のタイミングで伝送線路を切り替えることができる。
尚、上述した実施の形態では、枠体17の穴16は貫通していないため、アクチュエータの下面には封止部材が要らないが、穴16が貫通している場合は別途封止部材を設け、アクチュエータと固定すればよい。
以下本実施の形態における部材の材料について説明する。
本実施の形態では、犠牲層エッチングによらず、枠体17に穴16を形成できるため、枠体17として積層基板ではなく単層基板を用いた。この単層基板としては、シリコン、MgO、SiO2などからなる基板が挙げられる。このような単層基板は、SOI基板などの積層基板と比較して安価であり、デバイスのコスト削減に寄与する。
また圧電膜22は圧電特性に優れたチタン酸ジルコン酸鉛(以降「PZT」と記す)を用い、このPZTの結晶性を高めるため、下部金属層21としては、白金を用いた。
また上部金属層23としては、タングステン、クロムなどが好ましい。特にタングステンは、剛性が高く、薄層であっても圧電膜22の伸縮を拘束するため、反り量が大きくなり、駆動部20の変位量を大きくすることができる。またクロムも比較的剛性が高く、駆動部20の変位量を大きくすることができるとともに、プロセス上成膜が容易であり、生産性に優れる。その他の材料としては、モリブデン、タンタル、チタン、クロム、ニッケル等も挙げられる。
さらに本実施の形態では、弾性樹脂層24としてエポキシ樹脂やポリイミド樹脂を用いた。これらの樹脂は酸やアルカリに強く、アクチュエータの製造工程において剥離しにくく、半永久的に積層させた状態を保持することができる。

以下、本実施の形態におけるアクチュエータの製造方法について説明する。
始めに図3に示すように枠体(図2の17)となるシリコン基板35上の一面に白金からなる下部金属層21と、PZTからなる圧電膜22をスパッタ等により順に積層する。
次に圧電膜22上を感光性のレジスト等で覆ってパターニングし、図4に示すごとく、CF4やArガスによるICPドライエッチングで下部金属層21と圧電膜22の一部を除去し、伝送電極部18や梁19、駆動部20などを形成する。
次に図5に示すごとく、フッ酸や硝酸などを用いて、上層の圧電膜22をウエットエッチングし、駆動部20の外側における下部金属層21を露出させる。この露出した下部金属層21は、第一の取出し電極26となる。
次に図6に示すごとく、このパターニングした表面全面に、クロムからなる上部金属層23を、蒸着などを用いて形成する。
次に図7に示すごとく、このクロムからなる上部金属層23上であって、駆動部20の上方に位置する領域を、感光性樹脂からなる弾性樹脂層24で覆い、パターニングする。このパターニングは、スピンコート、あるいは印刷などによって行うことができる。この時、本実施の形態では、駆動部20は梁19と比較して簡易な形状のため、容易にパターニングすることができる。
その後この弾性樹脂層24をエッチングマスクとして用い、ICPドライエッチングによって図8に示すように上部金属層23の一部を除去する。すなわち、梁19と伝送電極部18の上面は上部金属層23を取り除き、圧電膜22を露出させる。また弾性樹脂層24の外端部分を除去し、露出した上部金属層23を第二の取出し電極27として用いる。
また、同図8に示すごとく、伝送電極部18の一部に金およびTa25を順次積層し、短絡片となる導電部25を形成する。導電部25は、表面全体に製膜した後、感光性のレジストでパターニングし、その後ICPドライエッチングを用いて形成することができる。
次に図9に示すように駆動部20、梁19、伝送電極部18の上方からこれらの直下のシリコン基板35を除去してこれら伝送電極部18、梁19部、駆動部20の下方に相当するシリコン基板35表面に穴16を形成する。この時、エッチング時間や条件によっては、シリコン基板35を貫通させることもできる。
これにより、伝送電極部18は、梁19、駆動部20を介して穴16の周縁部に支持されるとともに、この穴16上に懸架されるものである。
なお、穴16を形成する工程で重要なのが、一つはドライエッチングに用いるガスの選択である。
すなわちこの工程では、伝送電極部18や梁19、駆動部20などの側面から下面へえぐるように回り込ませて、下部金属層21の直下のシリコン基板35をエッチングで除去する必要があるため、シリコンに対して等方性エッチングが可能なXeF2をエッチング用のガスとして用いた。
またもう一つ重要な点は、駆動部20、梁19、伝送電極部18のそれぞれとシリコン基板35とを乖離させる順序である。
すなわち仮に先に駆動部20とシリコン基板35とを乖離させ、その後梁19と伝送電極部18とシリコン基板35とを乖離させた場合、駆動部20は圧電膜22形成による残留応力で反り、梁19に応力が集中し、梁19が損傷することがある。したがって本実施の形態では、始めに伝送電極部18および梁19部をシリコン基板35から乖離させ、その後駆動部20を乖離させる。これにより梁19への応力負荷を低減し、梁19の損傷を抑制することができる。
また乖離の順番を制御するため、図1に示すように、伝送電極部18は、導電部25の周囲に貫通孔36を設けて桟のような形状とし、さらに、この桟および梁19の幅を駆動部20の幅より充分に狭くした。これにより伝送電極部18と梁19から順にシリコン基板35からエッチングで乖離させることができる。
このように、それぞれの幅の制御のみで、ドライエッチングの条件などを変更することなく、損傷を与えることなく確実に伝送電極部18と梁19とをシリコン基板35の表面から乖離させ、懸架させることができる。
本実施の形態における効果を以下に説明する。
本実施の形態では、アクチュエータの動作精度を向上させることができる。
その理由は、図2に示すように、上部金属層23上に弾性樹脂層24を積層しているため、ドライエッチングにより枠体17の穴16を形成する工程において、上部金属層23が浸食されるのを抑制できるからである。
すなわち本実施の形態では、駆動部20とシリコン基板(図3の35)とは乖離しているため、シリコン基板35ではなく上部金属層23が圧電膜22の拘束体となる。ここで上部金属層23が浸食され、膜厚が変動すると、圧電膜22の変位量も大きく影響を受ける。
ここで図10に示すように、クロムやタングステンなどの高剛性金属は、上述したように薄層であっても圧電膜22の伸縮を十分に拘束し、変位を大きく出来るが、逆にその膜厚変動が変位量に大きく影響を及ぼすといった課題を有する。これに対し本実施の形態では、金属よりも剛性の低い弾性樹脂層24が表層に配置されている。このように剛性の低い弾性樹脂層24は、図10に示すように膜厚が変動しても変位量に与える影響は非常に僅かである。
特に、弾性樹脂層24のヤング率は、上部金属層23を形成する材料のヤング率の1/50以下であることが好ましい。これにより本実施の形態において、例えば上部金属層23としてクロム、弾性樹脂層24としてエポキシ樹脂を用いた場合に、最適膜厚付近での膜厚変動に起因する変位量の減少を5%以下にまで低減可能となった(図10参照)。
したがって本実施の形態では、枠体17の穴16を形成する工程において、上部金属層23が浸食されるのを抑制することができ、結果としてアクチュエータのスイッチング動作精度を向上させることが出来る。
また本実施の形態では、弾性樹脂層24は上部金属層をドライエッチングする際のエッチングマスクとして機能させることも可能であり、このときには簡便な製造工程とすることができる。このとき、弾性樹脂層24は上部金属層23をパターニングした後、除去する必要がないため、レジストの剥離液等で上部金属層23が浸食され、あるいは組成変形を起こすのを回避することができ、膜厚変動による変位量への影響を抑えることができる。
また、上記工程に限らず洗浄工程、貼り合わせ工程、使用環境等で発生する上部金属層23の浸食や腐食を抑制することができ、アクチュエータ作製時のスイッチング動作精度を長期間に渡って維持できる。
また本実施の形態では、後の工程における上部金属層23の膜厚変動を抑制することができるため、上部金属層23の材料選択の自由度を高めることができる。これにより圧電膜22の変位量を大きくすることができ、アクチュエータを小型化しても高精度に動作させることができる。
なお本実施の形態では、枠体17の上面からドライエッチングして穴16を形成したが、これにより枠体17の厚みが大きい場合であっても容易に駆動部20、梁19、伝送電極部18とシリコン基板35(枠体17)とを乖離することができる。ここで枠体17の厚みは素子の強度を保つ為、大きくする必要がある場合が多く、この場合は枠体17をエッチングで下面から貫通させることはプロセス上困難であるから、本実施の形態のように上面からエッチングすることは有用である。
また本実施の形態では、穴16は有底であるため、アクチュエータの下面を別途封止しなくてもよく、パッケージングの工程を省略することができ、生産効率が向上する。
さらに本実施の形態では、上部金属層23を形成した後に穴16を形成することによって、穴16内部に上部金属層23となる金属が積層するのを回避することができる。
また本実施の形態では、梁19には上部金属層23を形成しなくてもよいため、この梁19の形状が複雑であっても、この梁19上には弾性樹脂層24を形成する必要がなく、製造方法が簡易となる。
さらに本実施の形態では、上部金属層23の膜厚を下部金属層21よりも大きくしているため、上部金属層23を拘束体として用いることができる。ここで駆動部20の変位量は上部金属層23の組成と膜厚に依存する。したがって、上部金属層23の組成によって膜厚を制御すれば、容易に駆動部20の変位量を制御することができ、設計の自由度が高まる。
また本実施の形態では、伝送電極部18を両持ち構造としているため、伝送電極部18を水平に上下動させることができる。したがって、アクチュエータのスイッチング動作を高精度に行うことが出来る。
また梁19を伸縮可能な形状としているため、伝送電極部18を両持ち構造とした場合であっても、梁19と駆動部20とが同幅で連結されている場合と比較して伝送電極部18の動きの自由度が高まり、水平に上下動させることができる。また梁19が駆動部20からの応力を緩衝し、応力負荷を低減することができ、繰り返し上下動させることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態と実施の形態1との違いは、図11に示すように上部金属層23と弾性樹脂層24との間に拘束層37が積層されている点である。すなわち本実施の形態では、上部金属層23と拘束層37とが圧電膜22の変形を拘束し、駆動部20を大きく反らすものである。この拘束層37としては、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化ジルコニウム等の剛性の高い物質が好ましい。
この拘束層37の形成方法としては、例えばCVD法などが挙げられる。
本実施の形態では、上部金属層23を形成後、駆動部20の上面にSiO2膜を積層し、その後このSiO2膜上であって駆動部20上方に相当する領域に弾性樹脂層24を積層する。そしてその後、弾性樹脂層24をエッチングマスクとして用い、SiO2膜および上部金属層23をドライエッチングによって取り除くものである。
ここでSiO2膜の成膜スピードは、クロムなどの金属の成膜スピードと比較して非常に大きいため、上部金属層23の膜厚を大きくするよりも速くアクチュエータを形成することができ、生産効率が高まる。
またこのSiO2も剛性が比較的高いため、その膜厚変動は変位量に影響を与える。したがって、拘束層37上に弾性樹脂層24を形成しておくことによって、例えば枠体17の穴16を形成するエッチング工程において拘束層37の膜厚変動を抑制することができ、結果としてアクチュエータの動作精度を向上させることが出来る。
本実施の形態におけるアクチュエータは、変位量が大きく、さらに高精度な動作を行うため、数Vの低電圧であっても、確実に動作する、したがって例えば所望の応答速度で伝送線路を切り替えることのできる機械式スイッチに応用が可能である。
本発明の実施の形態1におけるアクチュエータの斜視図 本発明の実施の形態1におけるアクチュエータを用いたスイッチの断面図(図1のAA断面) 同アクチュエータの製造工程を説明する断面図 同アクチュエータの製造工程を説明する断面図 同アクチュエータの製造工程を説明する断面図 同アクチュエータの製造工程を説明する断面図 同アクチュエータの製造工程を説明する断面図 同アクチュエータの製造工程を説明する断面図 同アクチュエータの製造工程を説明する断面図 各組成の駆動部における膜厚と変位量の関係を示す図 本発明の実施の形態2におけるアクチュエータの断面図 従来のアクチュエータの断面図 従来のアクチュエータを改良したアクチュエータの断面図
符号の説明
16 穴
17 枠体
18 伝送電極部
19 梁
20 駆動部
21 下部金属層
22 圧電膜
23 上部金属層
24 弾性樹脂層
25 導電部
26 第一の取出し電極
27 第二の取出し電極
28 封止板
29 凹部
30 伝送線
31 駆動用電極
32 スペーサ
33 ビア
34 外部電極
35 シリコン基板
36 貫通孔
37 拘束層

Claims (14)

  1. 表面に穴を有する枠体と、
    前記穴の上方に配置された伝送電極部と、
    この伝送電極部の両側にそれぞれの一端が連結されるとともに、他端を前記枠体に支持された駆動部とを備え、
    この駆動部は、
    下部金属層と、
    この下部金属層上に形成された圧電膜と、
    この圧電膜上に形成された上部金属層と、
    この上部金属層上に積層された弾性樹脂層とを有するアクチュエータ。
  2. 前記弾性樹脂層は、前記上部金属層を形成する材料よりヤング率の低い材料で構成されている請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記弾性樹脂層を構成する材料のヤング率は、前記上部金属層を形成する材料のヤング率の1/50以下である請求項1に記載のアクチュエータ。
  4. 前記駆動部は、伸縮可能な梁を介して前記伝送電極部と連結されている請求項1に記載のアクチュエータ。
  5. 前記駆動部は、ミアンダ形状の梁を介して前記伝送電極部と連結されている請求項1に記載のアクチュエータ。
  6. 前記駆動部は、伸縮可能な梁を介して前記伝送電極部と連結されているとともに、
    前記梁の表層は前記圧電膜とした請求項1に記載のアクチュエータ。
  7. 前記枠体は、
    単層基板からなる請求項1に記載のアクチュエータ。
  8. 前記上部金属層の剛性は、
    前記下部金属層の剛性よりも大きい請求項1に記載のアクチュエータ。
  9. 前記上部金属層は、
    タングステンまたはクロムからなる請求項1に記載のアクチュエータ。
  10. 前記弾性樹脂層は、
    エポキシ樹脂またはポリイミド樹脂からなる請求項1に記載のアクチュエータ。
  11. 前記上部金属層と前記弾性樹脂層との間には、拘束層が積層されている請求項1に記載のアクチュエータ。
  12. 前記拘束層は、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコンまたは酸化ジルコニウムからなる請求項11に記載のアクチュエータ。
  13. 基板上に下部金属層、圧電膜を順に積層し、
    次にこれらの下部金属層と圧電膜とをパターニングして、駆動部および伝送電極部を形成し、
    その後前記圧電膜上に上部金属層を積層し、
    次にこの上部金属層上であって、前記駆動部の上方に弾性樹脂層を形成し、
    その後この弾性樹脂層が形成された領域を残して前記上部金属層を除去し、
    次に前記伝送電極部、駆動部の上方からエッチングガスを導入し、この伝送電極部、駆動部の下方に相当する基板表面に穴を形成するアクチュエータの製造方法。
  14. 基板上に下部金属層、圧電膜を順に積層し、
    次にこれらの下部金属層と圧電膜とをパターニングして、駆動部、梁部、および伝送電極部を形成し、
    その後前記圧電膜上に上部金属層を積層し、
    次にこの上部金属層上であって、前記駆動部の上方に弾性樹脂層を形成し、
    その後この弾性樹脂層が形成された領域を残して前記上部金属層を除去し、
    次に前記伝送電極部、梁部、駆動部の上方からエッチングガスを導入し、この伝送電極部、梁部、駆動部の下方に相当する基板表面に穴を形成するアクチュエータの製造方法。
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