JP2011141236A - 減衰材の肉厚算出方法及びその装置 - Google Patents

減衰材の肉厚算出方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複合構造体に用いられる減衰材の肉厚を適切に計測し得る減衰材の肉厚算出方法及びその装置を提供する。
【解決手段】金属材1と減衰材2を備える複合構造体3に対して超音波を発信する超音波探触子4a,4bと、超音波探触子4a,4bからの信号を処理する信号演算部7と、信号演算部7からのデータを処理する肉厚算出部8とを備える減衰材の肉厚算出装置であって、
超音波探触子4a,4bは、金属材1からの多重反射が低減する周波数以下で超音波を発振し、
信号演算部7は、減衰材2の肉厚を測定する際に、超音波による反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出し、
肉厚算出部8は、特定周波数成分での信号に基づいて減衰材2の肉厚を算出するように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合構造体に用いられる減衰材の肉厚算出方法及びその装置に関するものである。
一般に、鋼材の肉厚を計測する際には、超音波を発振する探触子と、探触子からのデータを処理する処理装置とを用いており、測定の際には、鋼材等の外面に探触子を配置して数MHzの超音波を発振し、鋼材の底面で反射した底面反射エコーを取得し、種々の解析を行って鋼材の肉厚を測定している(例えば、特許文献1、2参照)。
また特定の機器や装置には、鋼材等の金属材と樹脂等の減衰材とを積層した複合構造体を用いるものがあり、このような機器や装置を使用したり、運転したりする場合には、減衰材に摩耗や焼損を生じ、減衰材の肉厚を適宜測定して減衰材の摩耗等を観察することが求められている。
特開平7−198362号公報 特開2004−163250号公報
しかしながら、金属材と減衰材とを備える複合構造体に対し、数MHzの超音波を発振して減衰材の肉厚を計測する場合には、金属材により反射エコーが多重反射になると共に、低密度の減衰材により超音波が大幅に減衰し、減衰材の反射エコーを適切に取得することができないという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、複合構造体に用いられる減衰材の肉厚を適切に計測し得る減衰材の肉厚算出方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明の減衰材の肉厚算出方法は、金属材と減衰材を備える複合構造体に対して超音波探触子により超音波を発振し、複合構造体からの反射エコーを用いて減衰材の肉厚を測定する減衰材の肉厚算出方法であって、
超音波探触子から発振する超音波の周波数を、金属材からの多重反射が低減する周波数以下にし、
減衰材の肉厚を測定する際には、超音波による反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出し、該特定周波数成分での信号に基づいて減衰材の肉厚を算出するものである。
本発明の減衰材の肉厚算出方法において、減衰材の複数の肉厚と特定周波数成分での信号との相関関係を示す相関データを予め準備し、前記相関データから、特定周波数成分での信号を減衰材の肉厚に換算して減衰材の肉厚を算出することが好ましい。
本発明の減衰材の肉厚算出方法において、時間の経過ごとに減衰材の肉厚を測定して減衰材の減肉を監視することが好ましい。
本発明の減衰材の肉厚算出方法において、超音波探触子から発振する超音波の周波数f(Hz)を
f≦v/8T
v:金属材の材料音速(m/s)
T:金属材の厚さ(m)
の条件にすることが好ましい。
本発明の減衰材の肉厚算出方法において、超音波探触子から発振する超音波の周波数を20kHz以上500kHz以下にすることが好ましい。
本発明の減衰材の肉厚算出装置は、金属材と減衰材を備える複合構造体に対して超音波を発信する超音波探触子と、該超音波探触子からの信号を処理する信号演算部と、該信号演算部からのデータを処理する肉厚算出部とを備える減衰材の肉厚算出装置であって、
前記超音波探触子は、金属材からの多重反射が低減する周波数以下で超音波を発振し、
前記信号演算部は、減衰材の肉厚を測定する際に、超音波による反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出し、
前記肉厚算出部は、特定周波数成分での信号に基づいて減衰材の肉厚を算出するように構成されたものである。
本発明の減衰材の肉厚算出装置において、前記肉厚算出部は、減衰材の複数の肉厚と特定周波数成分での信号との相関関係を示す相関データを予め備え、前記相関データから特定周波数成分での信号を減衰材の肉厚に換算して減衰材の肉厚を算出するように構成されることが好ましい。
本発明の減衰材の肉厚算出装置において、前記肉厚算出部は、時間の経過ごとに減衰材の肉厚を測定して減衰材の減肉を監視するように構成されることが好ましい。
本発明の減衰材の肉厚算出装置において、超音波探触子は、発振する超音波の周波数f(Hz)を
f≦v/8T
v:金属材の材料音速(m/s)
T:金属材の厚さ(m)
の条件にすることが好ましい。
本発明の減衰材の肉厚算出装置において、超音波探触子は、発振する超音波の周波数を20kHz以上500kHz以下にすることが好ましい。
本発明の減衰材の肉厚算出方法及びその装置によれば、超音波探触子から発振する超音波の周波数を制御して金属材からの多重反射を低減し、且つ低密度の減衰材よる超音波の減衰を抑制して減衰材の反射エコーを取得し、更に反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出するので、複合構造体に用いられる減衰材の肉厚を適切に計測することができる。また超音波の周波数を、金属材からの多重反射が低減する周波数以下にしたことに伴ってSN比が低下する場合でも、ウェーブレット解析して周波数成分の強い特定周波数成分を抽出し得るので、SN比を向上させて減衰材の肉厚を適切に計測することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の形態例を示すブロック概念図である。 鋼板とゴム板の複合構造体における超音波原信号、ウェーブレット変換結果、特定周波数成分の抽出結果を示すものである。 ゴム材の減衰材の肉厚とピーク時刻との相関関係を示す相関データのグラフである。 減衰材の減肉を監視した場合の実施のデータ出力を示すグラフである。 超音波の周波数の上限値を選定するためのグラフである。 超音波の周波数の上限値を選定するための他のグラフである。 超音波の周波数の下限値を選定するためのグラフである。 超音波の周波数の下限値を選定するための他のグラフである。
以下、本発明の減衰材の肉厚算出方法及びその装置を実施する形態例を図1〜図8を参照して説明する。
実施の形態例の減衰材の肉厚算出方法及びその装置は、金属材1と減衰材2とを積層した複合構造体3に適用するものであり、金属材1は鋼材、アルミ材等の素材で、密度2.0[g/cm]以上22.0[g/cm]以下のもので構成されている。また減衰材2は、ゴム、プラスチック、その他の非金属の素材で、密度が0.1[g/cm]以上3.0[g/cm]以下のもので構成されており、金属材1に比べて低密度で探傷用の超音波の減衰率が高くなっている。
減衰材の肉厚算出装置は、超音波を発振する送信側の超音波探触子4aと、反射エコーを受信する受信側の超音波探触子4bと、送信側の超音波探触子4a及び受信側の超音波探触子4bに接続される超音波送受信器5と、超音波送受信器5に接続される信号採取部6と、信号採取部6に接続されて信号を処理する信号演算部7と、信号演算部7に接続されてデータを処理する肉厚算出部(減肉量算出部)8と、肉厚算出部8に接続されてデータ等の信号を保存する信号保存部9とを備えている。ここで送信側の超音波探触子4aと受信側の超音波探触子4bとは1つの超音波探触子で構成されても良い。また超音波送受信器5は、パルサーレシーバまたはバースト波発生器等で構成されても良い。更に超音波送受信器5、信号採取部6、信号演算部7、肉厚算出部8、信号保存部9は、PC等の処理手段により一体的に構成されても良いし、夫々、別個に構成されても良いし、種々の部分でまとめて構成されても良い。更に減衰材の肉厚算出装置は、各データを表示する表示部を備えても良い。
送信側の超音波探触子4a及び受信側の超音波探触子4bは、所定の間隔を配して鋼材等の金属材1の表面に配置されるようになっている。ここで送信側の超音波探触子4aは、発振する超音波の周波数f(Hz)を
f≦(v/8T)
v:金属材の材料音速(m/s)
T:金属材の厚さ(m)
の条件にしており、更に具体的には、発振する超音波の周波数を20kHz以上500kHz以下、好ましくは40kHz以上200kHz以下にしている。また金属材1の材料音速や厚さは上式に従うならば特に制限されるものではないが、金属材1の材料音速は 3000m/sから8000m/sの範囲、厚さは2mmから10mmの範囲が好ましい。また減衰材2の材料音速は1000m/sから3000m/sの範囲、厚さは5mmから100mmの範囲が好ましい。
超音波送受信器5は、受信側の超音波探触子4bにより反射エコーを波形として受信するように構成されており、また信号採取部6は、超音波送受信器5からの波形をデジタル信号に変換するようになっている。
信号演算部7は、時間周波数解析部と特定周波数抽出部を備え、信号採取部6からの信号に対して信号の抽出、ウェーブレット解析をして特定周波数成分を取得するようになっている。
肉厚算出部8は、内部に、減衰材2の複数の肉厚と特定周波数成分での信号との相関関係を示す相関データを予め備え、相関データから特定周波数成分での信号を減衰材2の肉厚に換算するようになっている。また複合構造体3の減衰材2の減肉を観測する場合には、時間の経過ごとに減衰材2の肉厚を測定するようになっている。
信号保存部9は、肉厚算出部8で用いたデータを全て保管するようになっている。ここで保管するデータは、減衰材2の肉厚、減衰材2の減肉等の所望のデータのみを保管するようにしても良いし、夫々の処理のデータ値を保管するようにしても良い。
以下、本発明の減衰材の肉厚算出方法及びその装置を実施する形態例の作用を説明する。
複合構造体3の減衰材2の肉厚を測定する際には、金属材1の表面に送信側の超音波探触子4a及び受信側の超音波探触子4bを配し、送信側の超音波探触子4aから超音波を発振し、受信側の超音波探触子4bにより反射エコーを受信する。
次に受信側の超音波探触子4bからの反射エコーを超音波送受信器5により波形として受信し、信号採取部6を介してデジタル信号に変換して信号演算部7に送信する。
続いて信号演算部7では、信号採取部6からの信号に対して信号の抽出、ウェーブレット解析をして特定周波数成分を取得する。ここでウェーブレット解析は、ウェーブレット関数により、広い周波数領域において時間領域の情報を失うことなく、特定周波数成分を求めるものである。
そして肉厚算出部8では、内部に、予め備えられた相関データから特定周波数成分での信号を減衰材2の肉厚に換算して減衰材2の肉厚を算出する。また複合構造体3の減衰材2の減肉を観察する場合には、時間の経過ごとに減衰材2の肉厚を測定して減衰材2の減肉データを観察する。
[試験1]
以下、減衰材の肉厚や減肉を測定する具体的な一例を示す。一例では、鋼板とゴム板とからなる複合構造体を用いており、複合構造体は、鋼板の厚さを4mmにすると共にゴム板の厚さを50mm、30mm、15mmの3種類にして複数のものを準備した。また送信側の超音波探触子4aと受信側の超音波探触子4bとにおける励起を周波数110KHz、80V、1サイクルの矩形波とした。
その結果として、図2の上段には、ゴム厚50mm、ゴム厚30mm、ゴム厚15mmの夫々の超音波原信号を示す。ここで超音波原信号では、矢印に示す信号が、鋼板を介したゴム板裏面からの反射信号であり、当該反射信号(エコー信号)は、他の部位の信号に比べて波の幅が広く周波数が低いことが明らかである。次に連続ウェーブレット変換(CWT)を行う際には、Gauss関数の4階微分した信号をマザーウェーブレットとして処理し、図2の中段には、横軸に時間、縦軸に周波数、周波数成分の強度を明度(色)で示すウェーブレット変換結果を示す。ここでウェーブレット変換結果では、ゴム板裏面からの反射信号に対応して所定の範囲で強い周波数の成分を持っていることが明らかである。続いてウェーブレット変換結果から特定周波数成分を抽出する際には、強い周波数成分を有する所定の範囲の中から所望の周波数(図2では50kHz)を抽出し、図2の下段には、抽出した特定周波数成分の結果を示す。この結果から超音波原信号と特定周波数成分の矢印部分同士を比較すると、ウェーブレット変換処理をしたものは、超音波原信号に比べてSN比が向上していることが明らかである。
次に図2の特定周波数成分から得られたゴム板の厚さと、ピーク時刻とをプロットすると、図3に示す如くゴム板(減衰材)の複数の肉厚と特定周波数成分での信号との相関関係が直線上に位置する相関データを得ることができる。ここで相関データは、減衰材の厚さとピーク時刻とをプロットするものでなく、減衰材の厚さとピークの立ち上がり時刻とをプロットして作成しても良いし、初期の反射エコーと時間経過後のエコーとの相互相関を演算して時間差を求め、減衰材の厚さと時間差とをプロットして作成しても良い。また図1の肉厚算出部(減肉量算出部)8では、減衰材の肉厚や減肉を測定する前に、減衰材の種々の相関データが予め入力されており、減衰材の変更等に応じて相関データを変更しても良い。
続いてゴム板等の減衰材の肉厚を計測する際には、超音波原信号をウェーブレット変換して特定周波数成分でのピーク時刻等の信号を取得し、相関データから、特定周波数成分でのピーク時刻等の信号を減衰材の肉厚に換算して減衰材の肉厚を算出する。一方、複合構造体の減衰材に摩耗や焼損等を生じて減衰材の減肉を計測する際には、同様に処理して時間の経過ごとに減衰材の肉厚を測定し、図4に示す如く減衰材の減肉量を監視することが可能となる。
[選定例1]
以下、超音波探触子から発振する周波数を特定し得るように周波数の選定の第一例を示す。超音波信号のサンプリングの周波数をFs(Hz)としたときの信号採取ピッチΔt(s)は
Δt=1/Fs
であり、このときの減肉計測の分解能Δd(m)は、材料音速をv(m/s)として、
Δd=vΔt/2=v/(2Fs)
Fs=v/(2Δd)
となる。信号処理を行う場合のサンプリング周波数は一般に解析したい周波数の10倍以上が望ましいため、
f<v/(20Δdr)
の周波数で計測する必要がある。(Δdr:要求分解能(m))
よって一例としては、f<v/(20Δdr)を基準にサンプリングの周波数を選定することができる。
[選定例2]
以下、超音波探触子から発振する周波数の上限値を特定し得るように周波数の選定の第二例を示す。第二例では、鋼板とゴム板とからなる複合構造体を用いており、複合構造体は、鋼板の厚さを4mmにしたものを用いた。また鋼板とゴム板の境界面の音圧反射率を0.87として周波数を変えて計測した。なお本選択例や実施の形態例では、金属材と減衰材の音響インピーダンスのみを考慮しており、減衰材の厚さに依存していない。
その結果、図5に示す如く周波数500kHz以上では、鋼板での多重反射が観測され、減衰材の肉厚計測、減肉の監視に適用することが困難となった。一方、周波数200kHz以下では、鋼板内の超音波の波長を29.6mm以上、波長(λ)/金属材の厚さ(T)を7.4以上にした条件下で、鋼板での多重反射が低減された。このことから周波数の上限値を200kHzにした場合に減衰材の肉厚計測、減肉の監視に適用できることが明らかである。
[選定例3]
以下、超音波探触子から発振する周波数の上限値を特定し得るように周波数の選定の第三例を示す。第三例では、鋼板とゴム板とからなる複合構造体を用いており、複合構造体は、鋼板の厚さを3.7mmにしたものを用いた。また鋼板とゴム板の境界面の音圧反射率を0.87として周波数を変えて計測した。なお同様に本選択例では、金属材と減衰材の音響インピーダンスのみを考慮しており、減衰材の厚さに依存していない。
その結果、図6に示す如く周波数500kHz以上では、第二例と同様に鋼板での多重反射が観測され、減衰材の肉厚計測、減肉の監視に適用することが困難となった。一方、周波数200kHz以下では、鋼板内の超音波の波長を29.6mm以上、波長(λ)/金属材の厚さ(T)を8以上にした条件下で、鋼板での多重反射が低減された。このことから周波数の上限値を200kHzにした場合に減衰材の肉厚計測、減肉の監視に適用できることが明らかである。
また200kHzではλ/Tが8となることからλ/Tが8以上となる周波数を選定する必要がある。
λ/T≧8
ここでλは金属材料中での超音波の波長(=音速(v(m/s))/周波数(f(Hz)))、Tは金属材料の厚さ(m)である。
すなわち、
v/(fT)≧8
f≦v/(8T)
の周波数で計測することが好ましい。
[選定例4]
以下、発振する周波数の下限値を特定し得るように周波数の選定の第四例を示す。第四例では、周波数200kHzと40kHzにおいて、互いに55μs離れたエコー(材料の音速1800m/sとして約50mmの標準値に相当する)のたたみ込み処理(convolution)を計算する。その結果、周波数200kHzの場合、周波数40kHzの場合には、いずれもピークは55μsの位置に存在する。そして周波数200kHzの場合には、誤差をピークの99%の高さ範囲とすると図7に示す如く±0.1μsの幅となり、0.2%の誤差となる。また周波数40kHzの場合には、誤差をピークの99%の高さ範囲とすると、同様に図8に示す如く±0.5μsの幅となり、0.9%の誤差となる。このことから誤差を2%に抑えるためには、20kHz以上の周波数成分を解析する必要があることが好ましい。
このように、実施の形態例の減衰材の肉厚算出方法及びその装置によれば、送信側の超音波探触子4aから発振する超音波の周波数を制御して金属材1からの多重反射を低減し、且つ低密度の減衰材2よる超音波の減衰を抑制して減衰材2の反射エコーを取得し、更に反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出するので、複合構造体3に用いられる減衰材2の肉厚を適切に計測することができる。
また超音波の周波数を、金属材1からの多重反射が低減する周波数以下にしたことに伴ってSN比が低下する場合でも、ウェーブレット解析して周波数成分の強い特定周波数成分を抽出し得るので、SN比を向上させて減衰材2の肉厚を一層適切に計測することができる。
実施の形態例の減衰材の肉厚算出方法及びその装置において、減衰材2の複数の肉厚と特定周波数成分での信号との相関関係を示す相関データを予め準備し、相関データから、特定周波数成分での信号を減衰材2の肉厚に換算して減衰材2の肉厚を算出するので、特定周波数成の信号から減衰材2の肉厚を好適に計測することができる。
実施の形態例の減衰材の肉厚算出方法及びその装置において、時間の経過ごとに減衰材2の肉厚を測定して減衰材2の減肉を監視するので、減衰材2が摩耗や焼損により減肉する場合には、減衰材2の肉厚のみならず、減衰材2の減肉を適切に監視することができる。また減衰材に固体燃料を用いた場合には、固定燃料の消費を連続的に監視することができる。
実施の形態例の減衰材の肉厚算出方法及びその装置において、送信側の超音波探触子4aから発振する超音波の周波数f(Hz)を
f≦v/8T
v:金属材の材料音速(m/s)
T:金属材の厚さ(m)
の条件にすると、金属材1での重複反射を抑制して減衰材2の反射エコーを適切に取得するので、減衰材2の肉厚を好適に計測することができる。
実施の形態例の減衰材2の肉厚算出方法及びその装置において、受信側の超音波探触子4aから発振する超音波の周波数を20kHz以上500kHz以下にすると、金属材1での重複反射を抑制して減衰材2の反射エコーを適切に取得するので、減衰材2の肉厚を好適に計測することができる。また受信側の超音波探触子4aから発振する超音波の周波数を40kHz以上200kHz以下にすると、減衰材2の反射エコーを一層適切に取得するので、減衰材2の肉厚を極めて好適に計測することができる
なお、本発明の減衰材の肉厚算出方法及びその装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 金属材
2 減衰材
3 複合構造体
4a 超音波探触子
4b 超音波探触子
7 信号演算部
8 肉厚算出部(減肉量算出部)

Claims (10)

  1. 金属材と減衰材を備える複合構造体に対して超音波探触子により超音波を発振し、複合構造体からの反射エコーを用いて減衰材の肉厚を測定する減衰材の肉厚算出方法であって、
    超音波探触子から発振する超音波の周波数を、金属材からの多重反射が低減する周波数以下にし、
    減衰材の肉厚を測定する際には、超音波による反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出し、該特定周波数成分での信号に基づいて減衰材の肉厚を算出することを特徴とする減衰材の肉厚算出方法。
  2. 減衰材の複数の肉厚と特定周波数成分での信号との相関関係を示す相関データを予め準備し、前記相関データから、特定周波数成分での信号を減衰材の肉厚に換算して減衰材の肉厚を算出することを特徴とする請求項1に記載の減衰材の肉厚算出方法。
  3. 時間の経過ごとに減衰材の肉厚を測定して減衰材の減肉を監視することを特徴とする請求項1又は2に記載の減衰材の肉厚算出方法。
  4. 超音波探触子から発振する超音波の周波数f(Hz)を
    f≦v/8T
    v:金属材の材料音速(m/s)
    T:金属材の厚さ(m)
    の条件にすることを特徴とする請求項1に記載の減衰材の肉厚算出方法。
  5. 超音波探触子から発振する超音波の周波数を20kHz以上500kHz以下にすることを特徴とする請求項1に記載の減衰材の肉厚算出方法。
  6. 金属材と減衰材を備える複合構造体に対して超音波を発信する超音波探触子と、該超音波探触子からの信号を処理する信号演算部と、該信号演算部からのデータを処理する肉厚算出部とを備える減衰材の肉厚算出装置であって、
    前記超音波探触子は、金属材からの多重反射が低減する周波数以下で超音波を発振し、
    前記信号演算部は、減衰材の肉厚を測定する際に、超音波による反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出し、
    前記肉厚算出部は、特定周波数成分での信号に基づいて減衰材の肉厚を算出するように構成されたことを特徴とする減衰材の肉厚算出装置。
  7. 前記肉厚算出部は、減衰材の複数の肉厚と特定周波数成分での信号との相関関係を示す相関データを予め備え、前記相関データから特定周波数成分での信号を減衰材の肉厚に換算して減衰材の肉厚を算出するように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の減衰材の肉厚算出装置。
  8. 前記肉厚算出部は、時間の経過ごとに減衰材の肉厚を測定して減衰材の減肉を監視するように構成されたことを特徴とする請求項6又は7に記載の減衰材の肉厚算出装置。
  9. 前記超音波探触子は、発振する超音波の周波数f(Hz)を
    f≦v/8T
    v:金属材の材料音速(m/s)
    T:金属材の厚さ(m)
    の条件にしたことを特徴とする請求項6に記載の減衰材の肉厚算出装置。
  10. 前記超音波探触子は、発振する超音波の周波数を20kHz以上500kHz以下にしたことを特徴とする請求項6に記載の減衰材の肉厚算出装置。
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