JP2011136961A - 含ヘテロ芳香族化合物、光学材料および光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】屈折率の分散特性(アッペ数(νd))が高く、かつ2次分散特性(θg,F)が高い(異常分散特性)、色収差補正機能の高い特性を有する含ヘテロ芳香族化合物および光学材料を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示される含ヘテロ芳香族化合物。前記含ヘテロ芳香族化合物を含有する光学材料。
Figure 2011136961

式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Arは置換基を有してもよいアリール基である。Aは芳香族炭化水素基である。前記R、Rは水素原子であり、Arはフェニル基であるのが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、含ヘテロ芳香族化合物、光学材料および光学素子に関し、特に屈折率の分散特性(アッペ数(νd))が低く、かつ2次分散特性(θg,F)が高い(高θg,F)特性を有する含ヘテロ芳香族化合物、光学材料および光学素子に関する。
一般に、硝材や有機樹脂等の光学材料の屈折率は、短波長側になるにつれ徐々に屈折率が高くなる。この屈折率の波長分散性を表す指標として、アッベ数(νd)や2次分散特性(θg,F)等が挙げられる。このアッペ数やθg,F値は、それぞれの光学材料特有の値であるが、多くの場合、ある一定の範囲内に収まっている。従来の光学材料(硝材&有機樹脂)の屈折率とアッベ数を図1に示す。
なお、アッベ数(νd)、2次分散特性(θg,F)は以下の式で表される。
アッベ数[νd]=(nd−1)/(nF−nC)
2次分散特性[θg,F]=(ng−nF)/(nF−nC)
(ndは波長587.6nmでの屈折率、nFは波長486.1nmでの屈折率、nCは波長656.3nmでの屈折率、ngは波長435.8nmでの屈折率)
しかし、光学材料(硝材、有機樹脂等)の構成(材料種や分子構造)を詳細に設計することにより、前記一定の範囲内から外れた高θg,F特性を有する光学材料も合成されている。例えば、有機樹脂であるポリビニルカルバゾール(図1中のA)は、汎用有機樹脂材料よりも高θg,F特性を有している。
一般に、屈折光学系は、分散特性の異なる硝材を組み合わせることによって色収差を減らしている。例えば、望遠鏡等の対物レンズでは分散の小さい硝材を正レンズ、分散の大きい硝材を負レンズとし、これらを組み合わせて用いることで軸上に現れる色収差を補正している。この為、レンズの構成、枚数が制限される場合や使用される硝材が限られている場合などでは、色収差を十分に補正することが非常に困難となる場合がある。このような課題を解決する方法の一つとして、異常分散特性を有するガラス材料を活用した光学素子類の設計が行われている。
また、色収差補正機能に優れる非球面形状等を有する光学素子を製造する場合、硝材を材料として用いるより、球面ガラス等の上に有機樹脂を成形する等の方が量産性や成形性、形状の自由度、軽量性に優れるという利点がある。しかし、従来有機樹脂の光学特性は、図1に示すように限られた一定の範囲内に収まっており、特異な分散特性を示す有機樹脂類は非常に少ない。
以上のような背景の中、特許文献1では、N−アクリロイルカルバゾール及び多官能ポリエステルアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、重合開始剤を所定の比率で混合した光学用樹脂組成物が、加工が容易で、硬化物において十分な異常分散性と耐久性を有する材料になることを報告している。
一方、本発明者は、従来よりも高い色収差補正機能を光学素子に付与するためには、光学素子の材料特性としてθg,Fで表される2次分散特性が汎用の材料から外れて、より大きい特性(高θg,F特性)であることが光学設計上、極めて有効であることに着目した。具体的には、図1中、νd、θg,Fの関係が硝材若しくは有機樹脂の汎用材料のプロットからずれている範囲B(νd<25、θg,F>0.73)の特性である。
特開2008−158361号公報
しかしながら、図1中の範囲B内の特性(高θg、F)を有する材料で実用性(低着色、安定)のあるものが現在存在しない。また、近年特許文献1により提供された材料はθg,F値が全て0.70以下である。
本発明は、この様な背景技術に鑑みて、屈折率の分散特性(アッペ数(νd))が高く、かつ2次分散特性(θg,F)が高い(高θg,F特性)、色収差補正機能の高い特性を有する含ヘテロ芳香族化合物、それを用いた光学材料および光学素子を提供するものである。
上記の課題を解決する含ヘテロ芳香族化合物は、下記一般式(1)で示される化合物からなることを特徴とする。
Figure 2011136961
(式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Arは置換基を有してもよいアリール基である。Aは芳香族炭化水素基である。)
上記の課題を解決する光学材料は、上記の含ヘテロ芳香族化合物を含有することを特徴とする光学材料である。
上記の課題を解決する光学素子は、上記の光学材料を成形してなることを特徴とする光学素子である。
本発明によれば、屈折率の分散特性(アッペ数(νd))が高く、かつ2次分散特性(θg,F)が高い(高θg,F特性)、色収差補正機能の高い特性を有する含ヘテロ芳香族化合物、それを用いた光学材料および光学素子を提供することができる。
また、本発明によれば、図1中の範囲B内の特性を有する光学材料を提供することができる。該光学材料により成形した光学素子を用いることで、効率良く色収差を取り除くことができる。そのため、光学系をより軽量短小化することができる。なお、以下で高θg,F特性とは図1中の範囲B内のことを示す。
市販されている光学材料の屈折率とアッベ数の関係を示したグラフである。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明に係る含ヘテロ芳香族化合物は、下記一般式(1)で示される化合物からなることを特徴とする。
Figure 2011136961
(式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Arは置換基を有してもよいアリール基である。Aは芳香族炭化水素基である。)
本発明者等は、図1中の範囲B内の特性を満たす材料について鋭意検討を重ねた結果、π電子を多く含有し適度に長い共役構造を有する化合物が特性(高θg、F)と実用性を兼ね備えた材料になることを見出した。すなわち、芳香族化合物にπ電子を有するヘテロ環化合物がsp2炭素原子を介して少なくとも1つ以上結合している含ヘテロ芳香族化合物である。
なお、本発明において、π電子とは、π結合を形成している電子を意味する。また、sp2炭素原子とは、平面構造で2つの単結合と1つの二重結合を有する炭素を意味する。
一般に、芳香族化合物に代表されるπ電子を多く含有し長い共役構造を有する化合物は、汎用材料よりもバンドギャップが小さいため、紫外領域の吸収端が可視光領域側にシフトしている。その影響により、前記π電子を多く含有し長い共役構造を有する化合物は、高屈折率特性を有するようになる。この高屈折率特性は、短波長側により影響を与えるため、必然的に高θg、F化が進行し化合物の特性は図1中の該範囲B内に収まるようになる。しかし、単純にπ電子を多く含有し、長い共役構造を有するだけでは実用性のある材料は得られない。例えば、大きな芳香族化合物(π電子を多く含有)やポリアセチレン、ポリチオフェン等は、合成性や他の化合物との相溶性、着色の点において課題が残る。また、π電子を多く含有し長い共役構造を有する非芳香族化合物(ポリエン等)は、電子環状反応やDiels−Alder反応等が室温で進行しやすくなり、保存安定性が非常に低下するため実用性はない。すなわち、前記π電子を多く含有し適度に長い共役構造を有する化合物が望ましい。
前記π電子を多く含有し適度に長い共役構造を実現する手段としては、sp2炭素を介して芳香族化合物と、π電子を有するヘテロ環化合物を結合させることが好適である。その理由は、前記芳香族化合物中の置換基と前記sp2炭素原子上の置換基の立体反発で、必然的に芳香族化合物の平面とsp2炭素原子の平面が同一平面上からねじれ、共役構造が芳香族化合物側とsp2炭素原子を含む前記π電子を有するヘテロ環化合物側それぞれで適度な長さになり、実用性のある高θg,F特性材料になるからである。適度な長さの共役構造になることで、電子環状反応やDiels−Alder反応等に対する保存安定性や相溶性、着色等の改善も可能となる。また、前記π電子を有するヘテロ環化合物中のヘテロ原子は、前記含ヘテロ芳香族化合物の特性向上にも寄与している。すなわち、へテロ原子上の非共有電子対が適度な長さを有する共役構造の適度な伸長に良い影響を与えているからである。
またヘテロ原子の導入により、前記含ヘテロ芳香族化合物の保存安定性が改善される場合もある。例えば、π電子を有する5員環化合物のシクロペンタジエン(ヘテロ原子非含有)は、反応性が非常に高く、常温では常に2量体としてしか存在しない。一方、同様の骨格でヘテロ原子が導入された5員環化合物のチオフェン、フラン、ピロール等は、ヘテロ原子の非共有電子対による芳香族化で2量体ではなく単量体として安定に存在する。
以上の理由により、芳香族化合物に、π電子を有するヘテロ環化合物が、sp2炭素を介して結合している含ヘテロ芳香族化合物が前記課題を解決する手段として好適である。このことは、離散フーリエ変換によるシミュレーション結果からも支持されている。
一般式(1)で示される含ヘテロ芳香族化合物は、芳香族炭化水素基Aと、へテロ環化合物からなるへテロ複素環基が、酸素原子と2重結合している炭素原子を介して結合している含ヘテロ芳香族化合物であることを特徴とする。
一般式(1)におけるへテロ環化合物からなるへテロ複素環は、下記一般式(5)で表される。
Figure 2011136961
また、R、Rは、前期含ヘテロ芳香族化合物の特性を落とさないものであれば特に制限は無く、それぞれ独立に炭素数1から4のアルキル基、置換基を有しても良いアリール基、ハロゲン原子、水素原子等である。好ましくは、特性の低下や合成の容易性等を考慮するとそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である。より好ましくは、水素原子である。炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、プロペニル基、アリル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基である。また置換基を有しても良いアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ジメチルアミノフェニル基、4−ニトロフェニル基等であり、これらに限定されない。またハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
Arは置換基を有してもよいアリール基である。アリール基があることで、チオフェン環のみよりも適度に長い共役構造となり前記含ヘテロ芳香族化合物の特性が向上する。置換基を有しても良いアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、4−ビニルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ジメチルアミノフェニル基、4−ニトロフェニル基、2−ビニルフェニル基、2−アリルフェニル基等であり、これらに限定されない。好ましくは、合成の容易性や特性を考慮するとフェニル基である。
一般式(1)における酸素原子と2重結合している炭素原子は、下記一般式(6)で表される。
Figure 2011136961
一般式(1)における芳香族炭化水素基は、芳香族化合物であれば特に制限は無く、主骨格とするものとして、例えばベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ビフェニル、ジアリールエーテル、ジアリールスルフィド、ビナフタレン、ピリジン、カルバゾール、チアントレン、ジベンゾジオキサン、ベンゾフラン、アセナフチレン、アクリジン、ベンゾチアゾール、キノリン、イソキノリン、ピレン、インダゾール、インドール、インダン、インデン、ベンゾキノリン、ベンゾオキサゾール、ビキノリン、フェナントレン、フェナントロリン、ビフルオレニリデン、フェロセン、フェノキサチイン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン等を主骨格とするもの等である。好ましくは、合成の容易性や特性、着色等を考慮するとベンゼン、ナフタレンを主骨格とするものが好ましい。
芳香族炭化水素基が、ナフタレンを主骨格とするものとしては、下記一般式(2)で示される構造からなることが望ましい。
Figure 2011136961
芳香族炭化水素基が、ベンゼンを主骨格とするものとしては、下記一般式(3)で示される構造からなることが望ましい。
Figure 2011136961
(式中、RからRはそれぞれ独立にX、Y、水素原子、炭素数1から4のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基である。Xは前記一般式(1)が同一分子内に2つ以上存在する場合の2つ目の結合位置であり、Yは下記一般式(4)で示される構造からなる基または水酸基である。
Figure 2011136961
は、水素原子またはメチル基であり、nは0または1である。)
炭素数1から4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基である。
また、置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、2−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、2−ジメチルアミノフェニル基、4−ニトロフェニル基等であり、これらに限定されない。
さらに、好ましくは、合成の容易性や特性、着色等を考慮すると、前記一般式(3)におけるRからRは、R、Rがメチル基、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、R、Rがメチル基、R、Rが水素原子、もしくは、Rがメチル基、R、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、R、Rがメチル基、R、Rが水素原子、もしくは、R、Rがメチル基、R、R、Rが水素原子、もしくは、Rがイソプロピル基、R、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、RがY、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、RはY、R、R、Rは水素原子、もしくは、RがY、R、R、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、R、R、Rが水素原子、Rがメチル基、もしくは、R、Rがメチル基、R、Rが水素原子、RがY、もしくは、RがY、R、Rがtert−ブチル基、R、Rが水素原子、もしくは、R、R、RがY、R、Rが水素原子、もしくは、R、R、RがY、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、Rがメチル基、R、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、RがX、R、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、RがX、R、Rが水素原子、Rがメチル基、より選ばれる一つであるのが望ましい。Xは前記炭素原子と結合する部位であり、該Yは一般式(4)で示される構造と結合する部位または水酸基である。
より好ましくは、合成の容易性や特性、着色等を考慮すると、一般式(3)中Xは前記sp2炭素原子と結合する部位であり、かつR、Rがメチル基、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、R、Rがメチル基、R、Rが水素原子、もしくは、Rがメチル基、R、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、RがY、R、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、R、R、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、R、R、Rが水素原子、Rがメチル基、もしくは、R、Rがメチル基、R、Rが水素原子、RがY、もしくは、RがY、RがX、R、Rが水素原子、Rがメチル基、より選ばれる一つであるのが好ましい。
次に、本発明に係る含ヘテロ芳香族化合物の製造方法について一例を挙げて説明する。
前記含ヘテロ芳香族化合物は、特にその製造ルートに限定されず、どの様な製造方法でも採用することが可能である。例えば、原料として前記一般式(1)中の芳香族炭化水素基Aのアルデヒド体および前記一般式(1)中のへテロ環化合物からなるへテロ複素環基の水素化体を用いる方法は、特殊な反応を利用しないので望ましい。この場合、前記一般式(1)中のへテロ環化合物からなるへテロ複素環基の水素化体あるいは有機金属種に変換可能な置換基体から有機金属種を調製した後、前記芳香族化合物のアルデヒド体と反応させてアルコールを得、引き続き酸化することで前記含ヘテロ芳香族化合物を製造できる。このとき、上記反応条件下において不安定な置換基を有する原料を用いる場合は、置換基を保護して反応を行うことが望ましい。また、水酸基を有する原料を用いた場合は、水酸基を保護基で保護した後に同様の反応を行い、脱保護した後、必要な数だけ(メタ)アクリレート化することで製造できる。
有機金属種は、アルデヒドへの求核反応が可能なものであれば特に制限は無く、リチウム種、マグネシウム種等である。へテロ環化合物で示されたチオフェンは、ブチルリチウムやt−ブチルリチウム等を作用させるとリチウム種を調製できる。また、2−ブロモチオフェン類等にマグネシウムやイソプロピルマグネシウムブロミド等を作用させてマグネシウム種を調製しても良い。有機金属種の調製条件は、既知のものであれば特に制限は無く、脱水したテトラヒドロピランやジエチルエーテル等のエーテル系溶媒を用いて行うのが望ましい。このとき、リチウム種の調製は低温下で行うことが望ましい。
酸化は、既知の方法であれば特に制限無く利用できる。酸化剤としては、オゾン、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、塩素酸カリウム、ニクロム酸カリウム、臭素酸ナトリウム、ハロゲン、四酸化オスミウム、二酸化マンガン、DMSO、デス・マーチン試薬、過酢酸、mCPBA、クロム酸、酸化鉛、TPAP等であるがこれらに限定されない。但し、過酸化物類を利用する場合、ヘテロ原子の酸化に注意する必要がある。
水酸基の保護基としては、反応条件にあったものであれば特に制限は無く、メトキシメチル基やテトラヒドロピラニル基、トリメルシリル基等のシリル系保護基である。また、保護や脱保護条件も既知の方法であれば何でも良い。
(メタ)アクリレート化の反応は、任意に選択する事が可能である。代表的な方法としては、(メタ)アクリル酸ハライドや(メタ)アクリル酸無水物を使用して水酸基をエステル化する方法、(メタ)アクリル酸の低級アルコールのエステルを使用するエステル交換反応、N,N‘−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどの脱水縮合剤を使用して(メタ)アクリル酸と該ジオールとを脱水縮合させる直接エステル化反応、などが好適に用いられる。
また、本発明の含ヘテロ芳香族化合物において、(メタ)アクリレート基を有するものは、反応時や保存時に重合が進行しないように重合禁止剤を必要に応じて使用しても良い。重合禁止剤の例としては、p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジフェニルパラベンゾキノンなどのヒドロキノン類、テトラメチルピペリジニル−N−オキシラジカル(TEMPO)などのN−オキシラジカル類、t−ブチルカテコールなどの置換カテコール類、フェノチアジン、ジフェニルアミン、フェニル−β−ナフチルアミンなどのアミン類、ニトロソベンゼン、ピクリン酸、分子状酸素、硫黄、塩化銅(II)などを挙げることができる。この中でもヒドロキノン類、フェノチアジンおよびN−オキシラジカル類が汎用性かつ重合抑制の点で好ましく、特にヒドロキノン類が好ましい。
重合禁止剤の使用量は、前記含ヘテロ芳香族化合物に対して、下限が、通常10ppm以上、好ましくは50ppm以上であり、上限が、通常10000ppm以下、好ましくは1000ppm以下である。少なすぎる場合は、重合禁止剤としての効果が発現しないか効果が小さく、反応時や後処理工程での濃縮時に重合が進行する危険性があり、多すぎる場合には、例えば、後述する光学材料を製造する際の不純物となり、また、重合反応性を阻害する等の悪影響を及ぼす危険性があり好ましくない。
次に、本発明に係る光学材料について説明する。
本発明の光学材料は、上記の含ヘテロ芳香族化合物と重合開始剤、さらに必要に応じて光増感剤や樹脂を含有する組成物からなる。
本発明の光学材料に含有される含ヘテロ芳香族化合物の含有量は、1.0重量%以上99重量%以下、好ましくは10重量%以上80重量%以下が望ましい。前記含ヘテロ芳香族化合物の含有量が少な過ぎると所望のθg,F特性が得られず、また前記含ヘテロ芳香族化合物の含有量が多過ぎると成形体の架橋化が進まず脆い成形体となる。
重合開始剤には、光照射によりラジカル種を発生するものやカチオン種を発生するもの、熱によりラジカル種を発生するもの等が挙げられるがこれらに限定されない。
光照射によりラジカル種を発生する重合開始剤としては、2―ベンジル―2―ジメチルアミノ―1―(4―モルフォリノフェニル)―1―ブタノン、1―ヒドロキシ―シクロヘキシル―フェニルケトン、2―ヒドロキシ―2―メチル―1―フェニル―プロパン―1―オン、ビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)―フェニルフォスフィンオキサイド、4―フェニルベンゾフェノン、4―フェノキシベンゾフェノン、4,4’―ジフェニルベンゾフェノン、4,4’―ジフェノキシベンゾフェノン等であるがこれらに限定されない。
また、光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤としては、ヨードニウム(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェートが好適な重合開始剤として挙げられるがこれに限定されない。
さらに、熱によりラジカル種を発生する重合開始剤としては、アゾビソイソブチルニトリル(AIBN)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、t―ブチルパーオキシピバレート、t―ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t―ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、t―ブチルパーオキシネオデカノエート、t―ヘキシルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオデカノエート等の過酸化物が挙げられるがこれらに限定されない。
光として紫外線等を照射して重合を開始させる場合には、公知の増感剤等を使用することもできる。増感剤の代表的なものとしては、ベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、アシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
なお、重合可能な樹脂成分に対する光重合開始剤の添加比率は、光照射量、更には、付加的な加熱温度に応じて適宜選択することができる。また、得られる重合体の目標とする平均分子量に応じて、調整することもできる。
本発明の光学材料の硬化・成形に用いる光重合開始剤の添加量は、重合可能な成分に対して0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。光重合開始剤は樹脂の反応性、光照射の波長によって1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。
利用できる樹脂としては、特に制限は無く、例えば、1,3−アダマンタンジオールジメタクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシ)フェニル]フルオレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ブチキシエチルアクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、1,1−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、メチルチオアクリレート、メチルチオメタクリレート、フェニルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレンジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル化合物、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、3,9−ジビニルスピロビ(m−ジオキサン)等のビニル化合物、ジイソプロペニルベンゼン等であるがこれらに限定されない。
また、前記樹脂は熱可塑性樹脂でもよく、例えば、エチレン単独重合体、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の1種又は2種以上のα−オレフィンとのランダム又はブロック共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとの1種又は2種以上のランダム又はブロック共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外の1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の1種又は2種以上のα−オレフィンとのランダム又はブロック共重合体、1−ブテン単独重合体、アイオノマー樹脂、さらにこれら重合体の混合物などのポリオレフィン系樹脂;石油樹脂、テルペン樹脂などの炭化水素原子系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロンMXDなどポリアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリルなどのスチレン,アクリロニトリル系樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリケトン樹脂;ポリメチレンオキシド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の光学材料に含有される樹脂の含有量は、1.0重量%以上99重量%以下、好ましくは得られる光学材料のθg,F特性や成形体の脆性を考慮すると20重量%以上90重量%以下が望ましい。
本発明の光学材料の成形体を形成する方法は、例えば、光透過性材料からなる基板上に膜厚の薄い層構造を形成するには、ガラス基板に、金属材料からなる型を設け、両者の間に流動性の光学材料又は光学用樹脂組成物を流し込み、軽く抑えることで、型成形を行う。その状態に保ったまま該光学材料又は該光学用樹脂組成物の重合を行う。かかる重合反応に供する光照射は、光重合開始剤を用いたラジカル生成に起因する機構に対応して、好適な波長の光、通常、紫外光もしくは可視光を用いて行う。例えば、前記基板に利用する光透過性材料、具体的にはガラス基板を介して、成形されている光学材料調製用のモノマー等の原料に対して、均一に光照射を実施する。照射される光量は、光重合開始剤を利用したラジカル生成に起因する機構に応じて、また、含有される光重合開始剤の含有比率に応じて、適宜選択される。
一方、かかる光重合反応による光学材料の成形体の作製においては、照射される光が型成形されているモノマー等の原料の全体に均一に照射されることがより好ましい。従って、利用される光照射は、基板に利用する光透過性材料、例えばガラス基板を介して、均一に行うことが可能な波長の光を選択することが一層好ましい。その際、光透過性材料の基板上に形成する光学材料の成形体の総厚を薄くすることは、本発明にはより好適である。
同様に、熱重合法により成形体の作製を行うこともできる。この場合、全体の温度をより均一とすることが望ましく、光透過性材料の基板上に形成する重合性組成物の成形体の総厚を薄くすることは、本発明にはより好適なものとなる。また形成する光学材料の成形体の総厚を厚くする場合には、より膜厚、樹脂成分の吸収、微粒子成分の吸収を考慮した照射量、照射強度、光源等の選択が必要である。
一方、前記熱可塑性樹脂との混合組成物の成形体を形成する過程としては、特に限定されるものはないが、低複屈折性、機械強度及び寸法精度等の特性に優れた成形物を得るためには、溶融成形が特に好ましい。溶融成形法としては、プレス成形、押し出し成形、射出成形等が挙げられるが、成形性及び生産性の観点から射出成形が好ましい。また、成形工程における成形条件は、使用目的又は成形方法により適宜選択されるが、射出成形における樹脂組成物の温度は、150℃から400℃の範囲であることが好ましく、200℃から350℃の範囲であることがより好ましく、200℃から330℃の範囲であることが特に好ましい。前記温度範囲で成形することにより、成形時に適度な流動性を樹脂に付与して成形品のヒケやひずみの発生とともに、樹脂の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止し、さらには、成形物の黄変を効果的に防止することができる。
本発明の光学材料を上記の成形方法で成形された成形物は光学素子として用いることができる。光学素子としては、例えばカメラレンズ等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、合成した生成物の分析は、日本電子製JNM−ECA400 NMRを用いて行った。
(合成例1)
2−(4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノキシ)テトラヒドロピランの合成法
4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノールを50gと3,4−ジヒドロ−2H−ピランを35gのクロロホルム溶液にピリジニウムパラトルエンスルホナート0.01gを添加して撹拌する。反応進行度合をTLCで確認後、反応をトリエチルアミンで停止して有機相を水、飽和食塩水の順で洗浄する。得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、有機相を濃縮しカラムクロマトグラフィーで精製することで2−(4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノキシ)テトラヒドロピランが無色液体として70g(収率98%)得られる。
(合成例2)
2−メトキシメトキシベンズアルデヒドの合成法
水素化ナトリウム(55%)1.2gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液(50ml)にサリチルアルデヒド3gを0℃でゆっくりと添加し、同温で1時間撹拌する。次に、クロロメチルメチルエーテル2.9gを添加して反応進行度合をTLCで確認した後、塩化アンモニウム水溶液で反応を停止した。有機相を酢酸エチルで抽出後、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。有機相を濃縮して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することで2−メトキシメトキシベンズアルデヒド3.9g(収率96%)が得られた。
(合成例3)
2−メトキシメトキシ−5−メチルベンズアルデヒドの合成法
合成例2に記載の方法で、サリチルアルデヒド3gを5−メチルサリチルアルデヒド2.8gに変更した以外は同様にすることで2−メトキシメトキシ−5−メチルベンズアルデヒド3.3g(収率90%)が得られた。
(合成例4)
2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒドの合成法
合成例2に記載の方法で、水素化ナトリウム(55%)1.2gを水素化ナトリウム(55%)3gに、サリチルアルデヒド3gを2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド4gに、クロロメチルメチルエーテル2.9gをクロロメチルメチルエーテル6.5gに変更した以外は同様にすることで2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド5.9g(90%)が得られた。
[実施例1]
2−(4−ブロモ−3,5−ジメチルフェノキシ)テトラヒドロピラン16.7gのテトラヒドロフラン溶液150mlを−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(2.6M)23mlをゆっくり滴下した。同温度で2時間撹拌後、5−フェニルチオフェン−2−カルボアルデヒド10gを添加し、室温まで昇温しながら12時間撹拌した。反応進行度合をTLC(薄相クロマトグラフィー)で確認後、塩化アンモニウム水溶液で反応を停止して有機相を酢酸エチルで抽出する。
得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、有機相を濃縮してカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。次に、得られた生成物のクロロホルム溶液に二酸化マンガン15gを添加して室温で24時間拡販した。反応進行度合をTLCで確認後、二酸化マンガンをろ過した後に溶剤を濃縮して濃縮物を得た。
さらに、この濃縮物のテトラヒドロフラン溶液50mlに6N塩酸1mlを添加して室温で12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、再結晶を行うことで下記生成物1が白色結晶として13.1g(収率84%)得られた。生成物1は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物1の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.19(s、6H)、5.41(s、1H)、6.55(s、2H)、7.26−7.44(m、5H)、7.67(d、2H)
実施例1で合成した化合物(生成物1)13gのクロロホルム溶液150mlを0℃まで冷却し、メタクリル酸クロリド6.5gとトリエチルアミン12gを順に滴下した後、25℃まで昇温しながら2時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出後、得られた有機相を0.5N水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。
得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製を行い、下記生成物2が白色結晶として11g(収率69%)得られた。生成物2は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物2の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.07(s、3H)、2.25(s、6H)、5.78(s、1H)、6.36(s、1H)、6.88(s、2H)、7.26−7.45(m、5H)、7.67(d、2H)
実施例2に記載の方法で、メタクリル酸クロリド6.5gをアクリル酸クロリド6.0gに変更した以外は同様にすることで生成物3が10g(収率66%)得られた。生成物3は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物3の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.07(s、3H)、2.25(s、6H)、5.78(d、1H)、6.36(d、1H)、6.40(dd、1H)、6.88(s、2H)、7.26−7.45(m、5H)、7.67(d、2H)
水素化ナトリウム(55%)0.03gのN,N−ジメチルホルムアミド溶液10mlに実施例1で合成した化合物(生成物1)を0℃で0.2g添加して同温度で1時間撹拌した。そこに、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピランを0.14g添加して、25℃まで昇温しながら12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、反応を塩化アンモニウム水溶液で停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。得られた有機相を濃縮した後、テトラヒドロフラン溶液(10ml)とし、6N塩酸水溶液0.5mlを添加して25℃で12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、反応を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。得られた有機相を濃縮してカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、中間化合物を得た。
次に、実施例2に記載の方法で、実施例1で合成した化合物(生成物1)13gを該中間化合物0.32gに、メタクリル酸クロリド6.5gをメタクリル酸クロリド0.14gにトリエチルアミン12gをトリエチルアミン0.18gに変更した以外は同様にすることで生成物4が0.21g(収率71%)得られた。生成物4は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物4の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.21(s、6H)、3.81−3.92(m、2H)、4.12−4.20(m、2H)5.64(d、1H)、6.12(d、1H)、6.83(s、2H)、7.26−7.45(m、5H)、7.66(d、2H)
水素化ナトリウム(55%)0.03gのテトラヒドロフラン溶液10mlに実施例1で合成した化合物(生成物1)を0℃で0.2g添加して同温度で1時間撹拌した。そこに、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピランを0.14g添加して、25℃まで昇温しながら12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、反応を塩化アンモニウム水溶液で停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。得られた有機相を濃縮した後、テトラヒドロフラン溶液(10ml)とし、6N塩酸水溶液0.5mlを添加して25℃で12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、反応を炭酸水素ナトリウム水溶液で停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。得られた有機相を濃縮してカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、中間化合物を得た。
次に、実施例2に記載の方法で、実施例1で合成した化合物(生成物1)13gを該中間化合物0.32gに、メタクリル酸クロリド6.5gをメタクリル酸クロリド0.14gにトリエチルアミン12gをトリエチルアミン0.18gに変更した以外は同様にすることで生成物5が0.15g(収率65%)得られた。生成物5は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物5の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.20(s、6H)、3.80−3.90(m、2H)、4.10−4.18(m、2H)5.78(d、1H)、6.36(d、1H)、6.40(dd、1H)、6.78(s、2H)、7.26−7.45(m、5H)、7.67(d、2H)
フェニルチオフェン1.0gのテトラヒドロフラン溶液25mlを−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(2.6M)2.6mlをゆっくり滴下して同温度で2時間撹拌した。その後、2,6−ジメチルベンズアルデヒド0.65gを添加して25℃までゆっくり昇温しながら12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。
得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、カラムクロマトグラフィーによる精製を行った。得られた中間化合物のクロロホルム溶液30mlに二酸化マンガン5gを添加して25℃で12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、二酸化マンガンをろ過して、再結晶を行うことで下記生成物6が白色結晶として0.57g(収率40%)得られた。生成物6は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物6の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.24(s、6H)、7.08(d、2H)、7.22−7.29(m、3H)、7.37−7.42(m、3H)、7.66(d、2H)
実施例6に記載の方法で、2,6−ジメチルベンズアルデヒド0.65gをオルトトルアルデヒド0.72gに変更した以外は同様にすることで、生成物7が白色結晶として0.69g(収率41%)得られた。生成物7は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物7の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.41(s、3H)、7.25−7.47(m、9H)、7.66−7.68(m、2H)
実施例6に記載の方法で、2,6−ジメチルベンズアルデヒド0.65gを2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド0.78gに変更した以外は同様にすることで、生成物8が白色結晶として0.71g(収率43%)得られた。生成物8は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物8の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.24(s、6H)、2.31(s、3H)、7.08(d、2H)、7.22−7.29(m、3H)、7.37−7.42(m、3H)、7.66(d、2H)
実施例6に記載の方法で、2,6−ジメチルベンズアルデヒド0.65gを2−メチル−1−ナフチルアルデヒド0.82gに変更した以外は同様にすることで、生成物9が白色結晶として0.75g(収率52%)得られた。生成物9は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物9の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.27(s、3H)、7.15−7.29(m、5H)、7.31−7.41(m、4H)7.51−7.60(m、4H)
実施例6に記載の方法で、2,6−ジメチルベンズアルデヒド0.65gを2−メトキシメトキシベンズアルデヒド1.2gに変更した以外は同様にして得られた中間化合物のテトラヒドロフラン溶液(30ml)に6N塩酸を1ml添加し、25℃で12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。
得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、再結晶を行うことで下記生成物10が白色結晶として1.4g(収率84%)得られた。生成物10は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物10の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 6.97(d、1H)、7.08(d、1H)、7.38−7.54(m、5H)、7.69−7.74(m、3H)、7.99(d、1H)、11.60(s、1H)
実施例2に記載の方法で、実施例1で合成した化合物(生成物1)13gを実施例10で合成した化合物(生成物10)2.0gに、メタクリル酸クロリド6.5gをメタクリル酸クロリド0.9gに、トリエチルアミンgをトリエチルアミン1.5gに、クロロホルム溶液150mlをクロロホルム溶液20mlに変更した以外は同様にすることで生成物11が2.5g(収率96%)得られた。生成物11は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物11の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 1.83(s、3H)、5.41(s、1H)、6.12(s、1H)7.03−7.19(m、6H)、7.28−7.31(m、2H)、7.44−7.48(m、3H)
実施例6に記載の方法で、2,6−ジメチルベンズアルデヒド0.65gを2−メトキシメトキシ−5−メチルベンズアルデヒド1.3gに変更した以外は同様にして得られた中間化合物のテトラヒドロフラン溶液(30ml)に6N塩酸を1ml添加し、25℃で12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、再結晶を行うことで下記生成物12が白色結晶として1.5g(収率84%)得られた。生成物12は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物12の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.41(s、3H)、7.17(d、1H)、7.25−7.45(m、7H)、7.66(d、2H)、11.58(s、1H)
実施例2に記載の方法で、実施例1で合成した化合物(生成物1)13gを実施例12で合成した化合物(生成物12)1.0gに、メタクリル酸クロリド6.5gをメタクリル酸クロリド0.5gに、トリエチルアミン12gをトリエチルアミン0.7gに、クロロホルム溶液150mlをクロロホルム溶液20mlに変更した以外は同様にすることで生成物13が1.0g(収率77%)得られた。生成物13は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物13の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 1.90(s、3H)、2.41(s、3H)、5.60(s、1H)、6.14(s、1H)、7.17(d、1H)、7.25−7.45(m,7H)、7.66(d、2H)
実施例6に記載の方法で、2,6−ジメチルベンズアルデヒド0.65gを2,4−ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド1.7gに変更した以外は同様にして得られた中間化合物のテトラヒドロフラン溶液(30ml)に6N塩酸を1ml添加し、25℃で12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、炭酸水素ナトリウム水溶液で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、再結晶を行うことで下記生成物14が白色結晶として1.6g(収率87%)得られた。生成物14は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物14の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 5.35(s、1H)、7.18(d、2H)、7.26−7.49(m、5H)、7.65−7.68(m、3H)、11.58(s、1H)
実施例2に記載の方法で、実施例1で合成した化合物(生成物1)13gを実施例14で合成した化合物(生成物14)1.0gに、メタクリル酸クロリド6.5gをメタクリル酸クロリド0.85gに、トリエチルアミン12gをトリエチルアミン1.4gに、クロロホルム溶液150mlをクロロホルム溶液20mlに変更した以外は同様にすることで生成物15が1.3g(収率85%)得られた。生成物15は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物15の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 1.91(s、3H)、2.07(s、3H)、5.64(s、1H)、5.81(s、1H)、6.17(s、1H)、6.38(s、1H)、7.18(d、2H)、7.26−7.49(m,5H)、7.65−7.68(m,3H)
フェニルチオフェン3.0gのテトラヒドロフラン溶液40mlを−78℃に冷却し、n−ブチルリチウム(2.6M)8.6mlをゆっくり滴下して同温度で2時間撹拌した。その後、2−ヒドロキシ−5−メチルイソフタルアルデヒド0.85gを添加して25℃までゆっくり昇温しながら12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。
得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、カラムクロマトグラフィーによる精製を行った。得られた中間化合物のクロロホルム溶液30mlに二酸化マンガン10gを添加して25℃で12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、二酸化マンガンをろ過して、再結晶を行うことで下記生成物16が白色結晶として1.1g(収率44%)得られた。生成物16は1HNMRによりその構造を確認した。また、生成物6の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.41(s,3H)、7.37−7.46(m,8H)、7.66−7.74(m,8H)、11.78(s、1H)
[比較例1]
実施例6に記載の方法で、フェニルチオフェン1.0gを2−ブロモチオフェン1.0gに変更した以外は同様にすることで下記比較物1が0.94g(収率90%)得られた。比較物1は1HNMRによりその構造を確認した。また、比較物1の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.20(s,6H)、7.06−7.10(m、3H)、7.21−7.26(m、1H)、7.33(d、1H)、7.73(d,1H)
[比較例2]
実施例6に記載の方法で、フェニルチオフェン1.0gをベンゾチオフェン0.8gに変更した以外は同様にすることで下記比較物2が0.85g(収率66%)得られた。比較物2は1HNMRによりその構造を確認した。また、比較物2の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.23(s,6H)、7.11(d、2H)、7.28(t、1H)、7.39(t、1H)、7.46−7.52(m,2H)、7.79(d,1H)、7.90(d、1H)
[比較例3]
マグネシウム0.25gのテトラヒドロフラン溶液1.2mlを0℃に冷却し、2−ブロモインデン1.0gのテトラヒドロフラン溶液5.0mlをゆっくり滴下した。滴下後、同温度で1時間撹拌し、2,6−ジメチルベンズアルデヒド0.57gを添加し、25℃まで昇温しながら12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。
得られた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し、カラムクロマトグラフィーによる精製を行った。得られた中間化合物のクロロホルム溶液30mlに二酸化マンガン5gを添加して25℃で12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認後、二酸化マンガンをろ過して、再結晶を行うことで下記比較物3が0.42g(収率40%)得られた。比較物3は1HNMRによりその構造を確認した。また、比較物3の光学特性や実用性は表1に示す。
Figure 2011136961
H−NMR(CDCl3;TMS):δ 2.21(s,6H)、3.85(s、2H)、7.07(d、2H)、7.20−7.26(m、2H)、7.33−7.41(m、2H)、7.47(d,1H)、7.58(d,1H)
(評価)
屈折率はアッベ屈折計(カルニュー光学工業)を用いて測定した。
透過率は光路長50μmの膜を成形し、日立ハイテクノロジー社製分光光度計U−4000(製品名)で測定した。透過率は波長430nmでの透過率を示す。
安定性は、大気中25℃で2週間保管した際に変質がないものを○、変質したものを×とした。但し、重合性置換基を有するものは、少量(1000ppm以下)の重合禁止剤を含有させた状態で判定している。
光学特性が図1中のB範囲内かつ430nmでの透過率が90%以上のものを総合評価○とし、それ以外を総合評価×とした。
Figure 2011136961
本発明の含ヘテロ芳香族化合物および光学材料は、屈折率の分散特性(アッペ数(νd))が高く、かつ2次分散特性(θg,F)が高い(異常分散特性)、色収差補正機能の高い特性を有するので、カメラレンズ等の複数枚のレンズを有する装置に利用することができる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で示されることを特徴とする含ヘテロ芳香族化合物。
    Figure 2011136961
    (式中、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基であり、Arは置換基を有してもよいアリール基である。Aは芳香族炭化水素基である。)
  2. 前記R、Rは水素原子であり、Arはフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載の含ヘテロ芳香族化合物。
  3. 前記芳香族炭化水素基が、下記一般式(2)で示される構造からなることを特徴とする請求項1または2に記載の含ヘテロ芳香族化合物。
    Figure 2011136961
  4. 前記芳香族炭化水素基が、下記一般式(3)で示される構造からなることを特徴とする請求項1または2に記載の含ヘテロ芳香族化合物。
    Figure 2011136961
    (式中、RからRはそれぞれ独立にX、Y、水素原子、炭素数1から4のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基である。Xは前記一般式(1)が同一分子内に2つ以上存在する場合の2つ目の結合位置であり、Yは下記一般式(4)で示される構造からなる基または水酸基である。
    Figure 2011136961
    は、水素原子またはメチル基であり、nは0または1である。)
  5. 前記一般式(3)におけるRからRは、R、Rがメチル基、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、R、Rがメチル基、R、Rが水素原子、もしくは、Rがメチル基、R、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、R、Rがメチル基、R、Rが水素原子、もしくは、R、Rがメチル基、R、R、Rが水素原子、もしくは、Rがイソプロピル基、R、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、RがY、R、R、Rが水素原子、もしくは、R、RはY、R、R、Rは水素原子、もしくは、RがY、R、R、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、R、R、Rが水素原子、Rがメチル基、もしくは、R、Rがメチル基、R、Rが水素原子、RがY、もしくは、RがY、R、Rがtert−ブチル基、R、Rが水素原子、もしくは、R、R、RがY、R、Rが水素原子、もしくは、R、R、RがY、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、Rがメチル基、R、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、RがX、R、R、Rが水素原子、もしくは、RがY、RがX、R、Rが水素原子、Rがメチル基、より選ばれる一つであることを特徴とする請求項4に記載の含ヘテロ芳香族化合物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の含ヘテロ芳香族化合物を含有することを特徴とする光学材料。
  7. 請求項6に記載の光学材料を成形してなることを特徴とする光学素子。
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