JP2011136385A - 保持具の保持構造および保持具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
主軸の内側空間には、ボール34を開放位置と締付位置の間を進退させる為のドローバーを備え、主軸の内周面には、開放位置にボールの退避用凹部を、締付位置にボール当付面を設け、 保持具におけるシャンク部の膨出部には係合面を備え、主軸の内周面のボール当付面の形状は、主軸の軸線方向に平行する凹溝でその断面は、ボールが主軸の周方向に移動できない曲面の嵌合溝17であり、
シャンク部の膨出部の係合面の形状は、長い凹溝状の断面で、ボールがプルスタッドの膨出部の周方向に移動できない曲面の噛合溝27に形成してある。
【選択図】 図1
Description
工作機のハウジング1によって回転自在に支えられている主軸5の先部には、保持具20におけるテーパ形状のシャンク部22を着脱自在に装着するための対応テーパ形状にしたテーパ孔7を備えている。2はベアリングを示す。
上記保持具20におけるシャンク部22の後部に対しては、プルスタッド23の前部23aを、主軸5の内部空間6の軸線上の深部に挿入を可能な状態に一体的に固着させてあり、さらにプルスタッド23の後部には膨出部24を備えている。
上記主軸5の内側における内部空間6にあって、ボール34を開放位置14と締付位置15の間を進退させる為に備えさせてあるドローバー31(引具30の1例として示される)の先部側にはボール保持部材32を一体的に備えさせ、ボール保持部材32の先部には夫々ボール収容孔33を形成してそこにはボール34の表面が、主軸5の内周面とプルスタッド23の外周面に向けて夫々露出する状態で納めてある。8はプルスタッド挿入孔、10は引具用孔、11はばね収容孔、37はバネ、39はバネ受部材。
一方、上記主軸5の内周面においては、上記ボール34がボール保持部材32の前進によって開放位置14に位置する状態ではプルスタッド23の深部側に形成した膨出部24の通過を妨げることなく外周方向へ退避できるようにボール34の退避用凹部14を設け、更に、上記ボール34がボール保持部材32の後退によって締付位置15にある状態では、ボール34がプルスタッド23の膨出部における前部側斜面の係合面25の外周に係合して、プルスタッド23の引き込みと共にシャンク部22をも引き込み、主軸側のテーパ孔7の内面に保持具におけるテーパ形状のシャンク部22の外面22aを対応接圧させる状態を維持できるように上記主軸5の内周面にはボール当付面17を設けている。
図5の主体部21の周囲のフランジ部(鍔)21aの外周には、後端に開放する溝(係合溝)28が形成されており、この溝28に主軸5の前端面5aに取り付けられる図示外の駒(駆動片ともいう)を着脱自在に挿入し、両者の廻り止めをしている。
又、図示は省略するが、フランジ部(鍔)21aの前面21bには、周知のように工具を保持する保持部が形成され、工具はその保持部で保持される。
保持具20におけるシャンク部22の後部軸線位置に、膨出部24を備えるプルスタッド23を備え、軸線位置にある膨出部24の係合面の外周に対し、周囲から複数のボールを係合させて引き込む構成であるから、主軸5の内部構造は勿論のこと、保持具20におけるシャンク部22の後部の構成も簡易になる特長があり、その上、シャンク部22の軸線位置を偏在させることなくバランスよく引き込むことができる効果がある。
しかし、主軸5の先部に備えているテーパ孔7に対して保持具20のテーパ形状のシャンク部22を装着した状態でのシャンク部22の回り止めは、上記フランジ部(鍔)21aの外周に備えさせた溝(係合溝)28に対して、主軸5の前端面5aに取り付けられる図示外の駒(駆動片ともいう)を着脱自在に挿入して両者の廻り止めを行っている。従って、両者の係合状態は、着脱操作を容易化するために回動方向に寸法の余裕(遊び)があり、主軸5の回動動作に対して、保持具20の追従動作の精度が劣る問題点があった。
他の目的は、主軸の回動動作に対して、保持具の追従動作が忠実となり、回動精度の高い保持具の保持構造及び保持具を提供しようとするものである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
上記保持具20におけるシャンク部22の後部に対しては、プルスタッド23の先部23aを、主軸5の内部空間6の軸線上の深部に挿入を可能な状態に一体的に固着させてあり、さらにプルスタッド23の後部には膨出部24を備えさせてあり、
上記主軸5の内側における内部空間6にあって、ボール34を開放位置14と締付位置15の間を進退させる為に備えさせてあるドローバー31の先部側にはボール保持部材32を一体的に備えさせ、ボール保持部材32の先部には夫々ボール収容孔33を形成してそこにはボール34の表面が、主軸5の内周面とプルスタッド23の外周面に向けて夫々露出する状態で納めてあり、
一方、上記主軸5の内周面においては、上記ボール34がボール保持部材32の前進によって開放位置14に位置する状態ではプルスタッド23の深部側に形成した膨出部24の通過を妨げることなく外周方向へ退避できるようにボール34の退避用凹部14を設け、更に、上記ボール34がボール保持部材32の後退によって締付位置15にある状態では、ボール34がプルスタッド23の膨出部における前部側斜面の係合面の外周に係合して、プルスタッド23の引き込みと共にシャンク部22をも引き込み、主軸側のテーパ孔7の内面に保持具におけるテーパ形状のシャンク部22の外面22aを対応圧接させる状態を維持できるように上記主軸5の内周面にはボール当付面を設けている保持具の保持構造において、
上記主軸5の内周面に設けるボール当付面の形状は、主軸5の軸線方向に平行する長い凹溝状に形成してあって、凹溝17の断面形状は、上記ボール34が凹溝17の長手方向に沿っての移動は許容するが、上記ボール34が主軸5の周方向に移動することは許容されない曲面の嵌合溝に形成してあり、
上記プルスタッド23の膨出部24における前部側斜面の係合面の形状は、深部側に向けて拡大するような勾配を付した長い凹溝状に形成してあって、その凹溝27の断面形状は、上記ボール34が凹溝27の長手方向に沿っての相対移動は許容するが、上記ボール34がプルスタッド23の膨出部の周方向に移動することは許容されない曲面の噛合溝に形成したものである。
主軸5の内部空間軸線上の深部に挿入を可能な状態に一体的に固着させてあり、
さらにプルスタッド23の後部には膨出部24を備えている保持具であって、
保持具におけるシャンク部22を装着するための工作機の主軸5の構成は、フレームによって回転自在に支えられていて、その主軸5の先部には、保持具におけるテーパ形状のシャンク部22を着脱自在に装着するための対応テーパ形状にしたテーパ孔7を備えており、
上記主軸5の内側における内部空間にあっては、ボール34を開放位置14と締付位置15の間を進退させる為に備えさせてあるドローバー31の先部側にはボール保持部材32を一体的に備えさせ、ボール保持部材32の先部には夫々ボール収容孔33を形成してそこにはボールの表面が、主軸5の内周面とプルスタッド23の外周面に向けて夫々露出する状態で納めてあり、
一方、上記主軸5の内周面6aにおいては、上記ボールがボール保持部材32の前進によって開放位置に至った状態ではプルスタッド23の深部側に形成した膨出部の通過を妨げることなく外周方向へ退避できるようにボールの退避用凹部14を設け、更に、
上記ボールがボール保持部材32の後退によって締付位置にある状態では、ボールがプルスタッド23の膨出部における前部側斜面の係合面の外周に係合して、プルスタッド23の引き込みと共にシャンク部22をも引き込み、主軸側のテーパ孔の内面に保持具におけるテーパ形状のシャンク部22の外面を対応接着させる状態を維持できるように上記主軸5の内周面にボール当付面が設けられており、
その上、上記主軸5の内周面に設けるボール当付面の形状は、主軸5の軸線方向に平行する長い凹溝状に形成してあって、凹溝の断面形状は、上記ボールが凹溝の長手方向に沿っての移動は許容するが、上記ボールが主軸5の周方向に移動することは許容されない曲面の嵌合溝に形成してあって、
上記保持具20におけるプルスタッド23の膨出部における前部側斜面の係合面の形状は、深部側に向けて径が拡大するような勾配を付した長い凹溝状に形成してあって、その凹溝27の断面形状は、上記ボールが凹溝の長手方向に沿っての相対移動は許容するが、上記ボールがプルスタッド23の膨出部の周方向に移動することは許容されない曲面の噛合溝に形成してあるものであればよい。
上記凹溝17の数は、図2(C)からも明らかなように主軸5の内周面の3カ所に等分に備えさせてある。なお、凹溝17の数は、複数、即ち2個所、4個所等2以上を周方向に配置したものであればよい。
16は導入斜面の存在を示す。導入斜面は、退避用凹部14から各嵌合溝としての凹溝17に向かうボール34を夫々各凹溝17に案内するための漏斗状の斜面である。これの存在により、主軸5の内面に対してボール34の位置が回転方向に僅かのずれを生じていても、ボール34を各凹溝17に適正に案内して導入することができる。
ドローバー31の後部には周知のようにドローバー進退機構(図示省略)が連結してあり、ドローバー31の先部側には、ドローバー31の1部を構成する(ドローバー31と一体材でもよい)連結部材31aを介在してボール保持部材32を一体的に備えさせてある。ボール保持部材32は多くの場合カップ状に形成してあるが、ドローバー31の先部側から、ボールの数に対応する複数本のアームを突出させるタイプのものもある。そしてボール保持部材32の先部には、複数(図2では合計3個)のボール収容孔33を形成して、そこには夫々図面から理解できるように、ボール34の表面が、主軸5の内周面17と、プルスタッド23の外周面27に夫々対接可能に露出する状態で納めてある。
その凹溝27の断面形状は、上記ボール34が凹溝27の長手方向に沿っての相対移動は許容するが、上記ボール34がプルスタッド23の膨出部の周方向に移動することは許容されない曲面に形成し、噛合状態を構成する曲面にしてある。
曲面としては、噛合溝27としての役割を果たすため、例えば、ボール34の曲面に対応する曲面、乃至は、ボール34の外周の曲面よりも僅かに小さい曲面のU字(V字)状に形成しておけばよい。
26は導入溝の存在を示す。導入溝26は、ボール34が退避用凹部14の位置から噛合溝としての凹溝27に向かうボール34のプルスタッド側の面を夫々各噛合溝27に案内するための漏斗状の斜面である。これが存在する場合には、プルスタッド23の周面に対してボール34の位置が回転方向に僅かのずれを生じていても、ボール34を各噛合溝27に適正に案内して導入することができる。
ボール当付面である噛合溝27の数は、嵌合溝17に対応させるものであり、図2(C)からも明らかなように膨出部24の周囲3カ所に等分に備えさせてある。なお、噛合溝27の数は、複数、即ち2個所、4個所等2以上を周方向に等分に配置したものであればよい。
なお、ばね収容孔11の内の37は、図1(B)のようにボール34を引き込み、嵌合溝17と噛合溝27とをボール34を介して回転方向にロックする状態を維持させるために矢印44方向に付勢する為のバネを示し、一般には図示のような皿ばね又は巻ばねなどが用いられる。38はドローバー31の側に備えさせた段部(バネ受)、39は主軸5の側に備えさせたバネ受部材。上記のバネ37は、図1(A)のアンクランプ状態では、周知のようにドローバー31によって押し縮められ、クランプ状態ではドローバー31は周知のように図示外の機構により後退している。43は前進方向(アンクランプ方向)の矢印、44は後退(引込)・(クランプ)方向の矢印を示す。
主軸5及び引具30は図1(A)の状態にある。これに対して「ATC」を用いて図示のように保持具20を装着する。なお装着手段は任意であるが、周知のように「ATC」を用いるとよい。
次にドローバー31を緩め、ばね37の付勢力によりボール34を図1(B)の位置に引込む。その引込過程においてボール34の一面は嵌合溝17に導入され、他面は噛合溝27の斜面(図4(A)の30度位の斜面)に導入され、膨出部24を矢印44方向に伴って移動させながら、ボール34は深部に向い、図1(B)・図3の状態になる。
従って、上記ボール34がボール保持部材32の後退によって図1(B)の締付位置15にある状態では、ボール34がプルスタッド23の膨出部24における前部側斜面25の1部を構成する後部が拡径する傾斜状態の噛合溝27の内周面である係合面27に図4(A)のように係合し、
一方、ボール34の他面は深い嵌合溝17の途中に図1(B)のように留まって嵌合し、三者は回動方向に一体化する。
2・・・ベアリング、
5・・・主軸、
6・・・内部空間(中空部)、
7・・・テーパ孔、
8・・・プルスタッド挿入孔、
10・・・引具用孔、
11・・・ばね収容孔、
14・・・ボール開放位置(径大部)、
15・・・ボール締付位置(径小部)、
16・・・導入斜面、
17・・・凹溝(嵌合溝)、
20・・・保持具、
21・・・主体部、
21a・・・鍔、
21b・・・工具保持部、
22・・・シャンク部、
22a ・・・テーパ部、
23・・・プルスタッド、
24・・・膨出部、
25・・・係合用の前部側斜面、
26・・・導入溝、
27・・・凹溝(噛合溝)、
30・・・引具、
31・・・ドローバー、
32・・・ボール保持部材、
33・・・ボール収容孔、
34・・・ボール、
37・・・バネ、
38・・・段部(バネ受)、
39・・・バネ受部材、
θ1・・・噛合斜面27の角度、
43・・・前進方向(アンクランプ)矢印、
44・・・後退(引込)(クランプ)方向矢印。
Claims (2)
- 工作機のハウジングによって回転自在に支えられている主軸の先部には、保持具におけるテーパ形状のシャンク部を着脱自在に装着するための対応テーパ形状にしたテーパ孔を備えており、
上記保持具におけるシャンク部の後部に対しては、プルスタッドの先部を、主軸の内部空間の軸線上の深部に挿入を可能な状態に一体的に固着させてあり、さらにプルスタッドの後部には膨出部を備えさせてあり、
上記主軸の内側における内部空間にあって、ボールを開放位置と締付位置の間を進退させる為に備えさせてあるドローバーの先部側にはボール保持部材を一体的に備えさせ、ボール保持部材の先部には夫々ボール収容孔を形成してそこにはボールの表面が、主軸の内周面とプルスタッドの外周面に向けて夫々露出する状態で納めてあり、
一方、上記主軸の内周面においては、上記ボールがボール保持部材の前進によって開放位置に位置する状態ではプルスタッドの深部側に形成した膨出部の通過を妨げることなく外周方向へ退避できるようにボールの退避用凹部を設け、更に、
上記ボールがボール保持部材の後退によって締付位置にある状態では、ボールがプルスタッドの膨出部における前部側斜面の係合面の外周に係合して、プルスタッドの引き込みと共にシャンク部をも引き込み、主軸側のテーパ孔の内面に保持具におけるテーパ形状のシャンク部の外面を対応圧接させる状態を維持できるように上記主軸の内周面にはボール当付面を設けている保持具の保持構造において、
上記主軸の内周面に設けるボール当付面の形状は、主軸の軸線方向に平行する長い凹溝状に形成してあって、凹溝の断面形状は、上記ボールが凹溝の長手方向に沿っての移動は許容するが、上記ボールが主軸の周方向に移動することは許容されない曲面の嵌合溝に形成してあり、
上記プルスタッドの膨出部における前部側斜面の係合面の形状は、深部側に向けて拡大するような勾配を付した長い凹溝状に形成してあって、その凹溝の断面形状は、上記ボールが凹溝の長手方向に沿っての相対移動は許容するが、上記ボールがプルスタッドの膨出部の周方向に移動することは許容されない曲面の噛合溝に形成してあることを特徴とする保持具の保持構造。 - 保持具における本体の後部にはテーパ形状のシャンク部を備え、そのシャンク部の後部に対しては、プルスタッドの前部を、
主軸5の内部空間軸線上の深部に挿入を可能な状態に一体的に固着させてあり、
さらにプルスタッドの後部には膨出部を備えている保持具であって、
保持具におけるシャンク部を装着するための工作機の主軸の構成は、フレームによって回転自在に支えられていて、その主軸の先部には、保持具におけるテーパ形状のシャンク部を着脱自在に装着するための対応テーパ形状にしたテーパ孔を備えており、
上記主軸の内側における内部空間にあっては、ボールを開放位置と締付位置の間を進退させる為に備えさせてあるドローバーの先部側にはボール保持部材を一体的に備えさせ、ボール保持部材の先部には夫々ボール収容孔を形成してそこにはボールの表面が、主軸の内周面とプルスタッドの外周面に向けて夫々露出する状態で納めてあり、
一方、上記主軸の内周面においては、上記ボールがボール保持部材の前進によって開放位置に至った状態ではプルスタッドの深部側に形成した膨出部の通過を妨げることなく外周方向へ退避できるようにボールの退避用凹部を設け、更に、
上記ボールがボール保持部材の後退によって締付位置にある状態では、ボールがプルスタッドの膨出部における前部側斜面の係合面の外周に係合して、プルスタッドの引き込みと共にシャンク部をも引き込み、主軸側のテーパ孔の内面に保持具におけるテーパ形状のシャンク部の外面を対応接着させる状態を維持できるように上記主軸の内周面にボール当付面が設けられており、
その上、上記主軸の内周面に設けるボール当付面の形状は、主軸の軸線方向に平行する長い凹溝状に形成してあって、凹溝の断面形状は、上記ボールが凹溝の長手方向に沿っての移動は許容するが、上記ボールが主軸の周方向に移動することは許容されない曲面の嵌合溝に形成してあって、
上記保持具におけるプルスタッドの膨出部における前部側斜面の係合面の形状は、深部側に向けて径が拡大するような勾配を付した長い凹溝状に形成してあって、その凹溝の断面形状は、上記ボールが凹溝の長手方向に沿っての相対移動は許容するが、上記ボールがプルスタッドの膨出部の周方向に移動することは許容されない曲面の噛合溝に形成してあることを特徴とする保持具。
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