JP2011136102A - 放射線撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】陰影除去を精度よく行うことができる放射線撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】散乱X線を吸収する吸収箔の配置方向が検出素子の行方向に対して平行であり、かつX線を吸収箔が吸収することによる吸収箔のフラットパネル型X線検出器(FPD)3への吸収箔の陰影において、互いに隣接する陰影間の間隔が、X線画像を構成する各々の画素の間隔よりも大きくなるようにエアグリッドを構成している。撮像データ取得部51や透過率平滑化部56やグリッドデータ取得部41や陰影なし画素算出部43や影総量算出部44や透過率補正部57やX線画像取得部58などを備えることで、実際の被検体のX線撮像時における陰影のプロファイルである補正された撮像データ(X線の透過率)を使用して、陰影除去を精度よく行うことができる。
【選択図】図5

Description

この発明は、フラットパネル型放射線検出器を使用した放射線撮像装置に係り、特に、散乱放射線を除去する技術に関する。
放射線としてX線を例に採って説明する。多くのX線撮像装置では、X線が撮像対象である被検体を通過するときに発生する散乱X線(以下、「散乱線」と略記する)による画質劣化を防ぐために、散乱線を除去するグリッド(散乱放射線除去手段)が用いられている。一般的なグリッドは、散乱線を吸収する吸収箔とX線を透過させる中間層とを交互に並べて構成されている。しかし、グリッドを使用すると、そのグリッドの構造(吸収箔)が陰影として投影されてしまうので、そのグリッドの陰影を取り除く必要がある。
通常で使用されるグリッドでは、その構造が細かく、グリッドの陰影を、空間周波数処理等により除去する。例えばフーリエ変換によって周波数領域に展開して、特定に現れるグリッド周波数を除去した後に逆フーリエ変換に戻すことで、グリッドの陰影を除去することが可能である(例えば、特許文献1〜3参照)。
通常で使用されるグリッドよりさらにX線の透過率の高いエアグリッドが近年において考案されている。エアグリッドは、上述の中間層が空隙になっているので、中間層がアルミニウムや有機物質などで形成されている場合と比較するとX線が透過しやすい。しかし、このエアグリッドは、通常のグリッドと比較すると、その内部構造が大きいので、上述した空間周波数処理による陰影除去が難しい。
そこで、フーリエ変換などを用いずに、実空間上で陰影を除去する必要がある。実空間上での陰影の除去原理について、図3を参照して説明する。エアグリッド6は、図3に示すように、空隙である中間層6cを挟むように吸収箔6aを並べて構成されている。吸収箔6aは、鉛などで形成された薄い金属箔である。検出素子が行列状(2次元マトリックス状)に構成されたフラットパネル型(2次元)X線検出器(FPD: Flat Panel Detector)の入射面側にエアグリッド6を配設する。また、吸収箔6aの配置方向が検出素子の行方向に対して平行であり、互いに隣接する陰影間の間隔が、X線画像を構成する各々の画素の間隔よりも大きい。
吸収箔6aの幅は、画素に対して十分に小さい。また、この箔に使用される素材は、X線の透過率が極めて低い。したがって、X線の透過率は、陰影がない部分の面積と、陰影のある部分の面積(陰影の面積)とを用いて、下記(1)式の比率で表すことができる。
X線の透過率=(画素の面積−陰影の面積)/画素面積 …(1)
上記(1)式中の右辺の分子部分である(画素の面積−陰影の面積)は、陰影がない部分の面積である。
また、エアグリッド6の陰影(吸収箔6aの陰影)を取り除く方法としては、陰影の部分にも同一画素内にある非陰影部分(陰影がない部分)の明度のX線が入射されて受光されたと仮定すればよい。したがって、下記(2)式のように、撮影時の(陰影部分にある)画素値を当該画素でのX線透過率で除算することにより、陰影除去後の画素値を求めることができる。
陰影除去後の画素値=撮影時の画素値/X線の透過率 …(2)
このように、上記(1)式でX線の透過率を求めた後に、そのX線の透過率を用いるとともに、撮影時の画素値を用いて、上記(2)式から陰影除去後の画素値を求めることで、陰影を取り除くことができる。
実空間上での陰影の除去原理は上記(1)式で示されているもので、陰影の除去処理を行うが、実際にはX線撮像よりも事前にエアグリッドのみを撮像する。すなわち、撮像の対象である被検体がなくエアグリッドのある状態(すなわちエアグリッドのみの状態)でX線撮像を行ってグリッドデータを取得した後に、撮像の対象である被検体およびエアグリッドのある状態での実際のX線撮像を行って撮像データを取得する。
特開2005−052553号公報 特開2001−346795号公報 特開平11−285493号公報
しかしながら、実際のX線撮像よりも事前にグリッドデータを取得し、そのグリッドデータから上記(1)式でX線の透過率を求めて、そのX線の透過率を上記(2)式を用いて実際の撮像データに直接に適応することができない。理由は以下による。
(A)場合によっては、陰影が画素跨りを起こしているときがある。具体的には、図14(a)に示すように、互いに隣接する2つの画素31に陰影32が跨っていて、X線管(の管球)の焦点位置の変動に伴って図14(b)に示すように陰影32も変動したときに、画素31上の陰影32の影の量が変化する。X線管の焦点位置が変動してしまうのは、本来ならばX線管のX線焦点、グリッドおよびFPDの位置関係が一定である筈の条件でも、X線管やFPDなどを一体的に移動させると、その移動によりX線焦点、グリッドおよびFPDの位置関係にズレが生じるからである。
例えば、実際の医用装置、例えば心臓血管の診断に用いられる装置(CVS: cardiovascular systems)に実施する場合には、通常ではC型アームを用いて診断(すなわちX線撮像)を行う。C型アームは文字通りに「C」の字で湾曲して形成されており、C型アームの一端はX線管のような放射線照射手段を支持し、他端はFPDを支持して構成されている。そして、C型アームの湾曲方向に沿ってC型アームを回転させると、その回転に伴ってX線管およびFPDが回転しながら、X線管からX線を照射して、そのX線をFPDが検出することでX線撮像を行う。被検体のX線撮像時に、本来ならばX線管のX線焦点、グリッドおよびFPDの位置関係が一定である筈の条件でも、C型アームの回転などにより、X線焦点、グリッドおよびFPDの位置関係にズレが生じる。特に、FPDやX線管の重量により、X線焦点、グリッドおよびFPDの位置関係にズレが生じやすく、位置関係を固定することはハードウェア的に現実的でない。
(B)被検体などの人体を撮像する場合、被検体からの散乱線の一部がグリッドを通過して、グリッドのみで得られたグリッドデータの影の比率から逆計算することができない。比率計算が行える部分は直接X線(以下、「直接線」と略記する)の部分のみである。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、陰影除去を精度よく行うことができる放射線撮像装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係る放射線撮像装置は、放射線画像を得る放射線撮像装置であって、散乱放射線を除去する散乱放射線除去手段と、放射線を検出する複数の検出素子が行列状に構成された放射線検出手段とを備え、前記散乱放射線を吸収する吸収層の配置方向が前記検出素子の行方向、列方向の少なくとも1つの方向に対して平行であり、かつ放射線を前記吸収層が吸収することによる吸収層の前記放射線検出手段への前記吸収層の陰影において、互いに隣接する陰影間の間隔が、前記放射線画像を構成する各々の画素の間隔よりも大きくなるように前記散乱放射線除去手段を構成し、前記装置は、被検体および前記散乱放射線除去手段のある状態での撮像データを取得する第1撮像データ取得手段と、その第1撮像データ取得手段で取得された撮像データを前記吸収層の延在方向に沿って平滑化する撮像データ平滑化手段と、被検体がなく前記散乱放射線除去手段のある状態でのグリッドデータを取得するグリッドデータ取得手段と、そのグリッドデータ取得手段で取得されたグリッドデータにおける前記陰影に基づいて、陰影がない画素を求める陰影なし画素算出手段と、その陰影なし画素算出手段で求められた陰影がない画素位置に基づいて、1つの前記吸収層当たりの影の総量を求める影総量算出手段と、その影総量算出手段で求められた1つの吸収層当たりの影の総量から、前記撮像データ平滑化手段で平滑化された前記撮像データを前記影の総量に基づいて補正する撮像データ補正手段と、その撮像データ補正手段で補正された撮像データ、および前記第1撮像データ取得手段で取得された前記撮像データに基づいて、陰影除去後のデータを求め、その除去後のデータを最終的な撮像データとして取得する第2撮像データ取得手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]この発明に係る放射線撮像装置によれば、散乱放射線を吸収する吸収層の配置方向が検出素子の行方向、列方向の少なくとも1つの方向に対して平行であり、かつ放射線を吸収層が吸収することによる吸収層の放射線検出手段への吸収層の陰影において、互いに隣接する陰影間の間隔が、放射線画像を構成する各々の画素の間隔よりも大きくなるように散乱放射線検出手段を構成する。このように構成することで、陰影がない画素(陰影なし画素)が、吸収層の配置方向に平行な検出素子の行あるいは列ごとに現れる。したがって、被検体がなく散乱放射線除去手段のある状態でのグリッドデータをグリッドデータ取得手段が取得し、そのグリッドデータ取得手段で取得されたグリッドデータにおける陰影に基づいて、陰影がない画素を陰影なし画素算出手段が求める際に、実際に現れる陰影がない画素と求められる陰影がない画素とがほぼ一致する。上述の陰影なし画素算出手段で求められた陰影がない画素位置に基づいて、1つの吸収層当たりの影の総量を影総量算出手段は求める。つまり、陰影がない画素を含んで囲まれた領域において放射線が遮断された量は、1つの吸収層当たりの影の総量とみなすことができる。
一方、被検体および散乱放射線除去手段のある状態での撮像データを第1撮像データ取得手段が取得し、その第1撮像データ取得手段で取得された撮像データを吸収層の延在方向に沿って撮像データ平滑化手段が平滑化することで、その撮像データ平滑化手段で平滑化された撮像データでは、被検体の影響がキャンセルされて、ほぼ一定値である陰影のプロファイルだけが残る。したがって、撮像データ平滑化手段で平滑化された撮像データでは、被検体のデータを残しつつ、被検体の影響をキャンセルした陰影のプロファイルを含んでいる。
なお、陰影が画素に跨ったり、その陰影位置が画素に対して相対的に移動したとしても、1つの吸収層当たりの影の総量は一定であるみなすことができる。そこで、影総量算出手段で求められた1つの吸収層当たりの影の総量から、撮像データ平滑化手段で平滑化された撮像データを影の総量に基づいて撮像データ補正手段は補正する。このように補正することで、被検体による外乱がキャンセルされて、実際の被検体の放射線撮像時における陰影のプロファイルを求めることができる。したがって、陰影が画素に跨ったり、その陰影位置が画素に対して相対的に移動したとしても、上述の撮像データ補正手段で補正された撮像データ、および上述の第1撮像データ取得手段で取得された撮像データに基づいて、陰影除去後のデータを求め、その除去後のデータを最終的な撮像データとして第2撮像データ取得手段は取得することが可能となる。その結果、実際の被検体の放射線撮像時における陰影のプロファイルである補正された撮像データを使用して、陰影除去を精度よく行うことができる。
上述したこの発明の一例は、第1撮像データ取得手段で取得された撮像データにおける画素のうち、陰影なし画素算出手段で求められたグリッドデータにおける陰影がない画素に対応させた画素と、それ以外の画素とに撮像データで区分する画素区分手段と、その画素区分手段で区分された画素のうち、グリッドデータにおける陰影がない画素に対応させた画素の画素値に基づいて、それ以外の画素の画素値を補間する画素値補間手段と、第1撮像データ取得手段で取得された撮像データにおける画素の画素値、および画素値補間手段で補間された画素値に基づいて、放射線の透過率を仮に求める透過率仮算出手段とを備え、撮像データ平滑化手段は、透過率仮算出手段で仮に求められた撮像データにおける放射線の透過率に対して平滑化し、撮像データ補正手段は、撮像データ平滑化手段で平滑化された撮像データにおける放射線の透過率を影の総量に基づいて補正し、第2撮像データ取得手段は、撮像データ補正手段で補正された撮像データにおける放射線の透過率、および第1撮像データ取得手段で取得された撮像データにおける画素値に基づいて、陰影除去後の画素値を求め、その除去処理後の画素値を並べた放射線画像を最終的な撮像データとして取得することである。
上述の一例では、第1撮像データ取得手段で取得された撮像データにおいて、放射線の透過率に特定して、撮像データ平滑化手段および撮像データ補正手段は放射線の透過率に対してそれぞれ処理を行う。そのためには、放射線の透過率を仮に求める。
先ず、第1撮像データ取得手段で取得された撮像データにおける画素のうち、陰影なし画素算出手段で求められたグリッドデータにおける陰影がない画素に対応させた画素と、それ以外の画素とに撮像データで画素区分手段は区分する。このように区分することで、グリッドデータにおける陰影なし画素(陰影がない画素)を、撮像データでは陰影なし画素に対応させた画素に当てはめることができる。ここで、画素区分手段で区分された画素のうち、グリッドデータにおける陰影がない画素に対応させた画素の画素値に基づいて、それ以外の画素の画素値を画素値補間手段が補間する。すなわち、被検体の放射線の透過率の(吸収層の配置方向に関する)変化が、画素の間隔(画素ピッチ)と比較して細かくないと仮定すると、グリッドデータにおける陰影がない画素に対応させた撮像データでの画素をつなぐように、それ以外の画素の画素値を補間する。
そして、第1撮像データ取得手段で取得された撮像データにおける画素の画素値(撮像で得られた実際の画素値)、および画素値補間手段で補間された画素値に基づいて、透過率仮算出手段は放射線の透過率を仮に求める。すなわち、撮像で得られた実際の画素値と、補間された画素値との差を吸収層による放射線の遮蔽とみなすことで、この部分での放射線の透過率を直接に推定することが可能である。
ところが、放射線の透過率が、撮像で得られた実際の画素値と、補間された画素値とに基づいて得られたものであるので、このように求められた放射線の透過率で、元の撮影データの画素値を除算すると、補間された画素値と同じものになることは明らかである。したがって、求められた放射線の透過率を仮の透過率として、撮像データ平滑化手段は、透過率仮算出手段で仮に求められた撮像データにおける放射線の透過率に対して平滑化し、撮像データ補正手段は、撮像データ平滑化手段で平滑化された撮像データにおける放射線の透過率を影の総量に基づいて補正する。第2撮像データ取得手段は、撮像データ補正手段で補正された撮像データにおける放射線の透過率、および第1撮像データ取得手段で取得された撮像データにおける画素値に基づいて、陰影除去後の画素値を求め、その除去処理後の画素値を並べた放射線画像を最終的な撮像データとして取得することが可能となる。その結果、実際の被検体の放射線撮像時における陰影のプロファイルである補正された放射線の透過率を使用して、陰影除去を精度よく行うことができる。
被検体からの散乱放射線の一部が散乱放射線除去手段を通過して、散乱放射線除去手段で除去しきれなかった散乱放射線成分が存在している場合には、上述した発明において、以下のような散乱成分除去処理手段を備えるのが好ましい。
すなわち、第1撮像データ取得手段で取得された撮像データのうち散乱放射線除去手段で除去しきれなかった散乱放射線成分を演算により除去処理する散乱成分除去処理手段を備え、第2撮像データ取得手段は、散乱成分除去処理手段で散乱放射線成分が除去された撮像データに基づいて、最終的な撮像データとして取得する。
このように散乱放射線成分を演算により除去処理して、第1撮像データ取得手段で取得された撮像データを、散乱成分除去処理手段で散乱放射線成分が除去された撮像データとして置き換えることで、散乱放射線成分を除去しつつ、陰影除去を精度よく行うことができる。
この発明に係る放射線撮像装置によれば、散乱放射線を吸収する吸収層の配置方向が検出素子の行方向、列方向の少なくとも1つの方向に対して平行であり、かつ放射線を吸収層が吸収することによる吸収層の放射線検出手段への吸収層の陰影において、互いに隣接する陰影間の間隔が、放射線画像を構成する各々の画素の間隔よりも大きくなるように散乱放射線検出手段を構成し、第1撮像データ取得手段と撮像データ平滑化手段とグリッドデータ取得手段と陰影なし画素算出手段と影総量算出手段と撮像データ補正手段と第2撮像データ取得手段とを備えることで、実際の被検体の放射線撮像時における陰影のプロファイルである補正された撮像データを使用して、陰影除去を精度よく行うことができる。
実施例に係るX線撮像装置のブロック図である。 フラットパネル型X線検出器(FPD)の検出面の模式図である。 実施例に係るエアグリッドの概略図である。 (a)はX線管を併記したエアグリッドおよびFPDの全体概略を示す斜視図、(b)は、エアグリッドの周辺の拡大図、(c)は(b)のAからの矢視断面図である。 実施例に係る具体的な画像処理部の構成およびデータの流れを示したブロック図である。 実施例に係る一連のX線撮像の流れを示すフローチャートである。 陰影とX線量との関係を模式的に示した図である。 グリッドデータでのピーク位置および陰影なし画素と、それらに対応した撮像データでの各画素との関係を模式的に示した図である。 散乱成分が重畳したときのX線量を模式的に示した図である。 X線の透過率の平滑化の説明に供する図である。 影の総量をグリッドデータおよび撮像データの各画素に模式的に併記した図である。 (a)、(b)は、互いに隣接する2つの画素に陰影が跨って移動したときのX線量および影の総量を模式的に示した図である。 変形例に係るクロスグリッドの概略図である。 互いに隣接する2つの画素に陰影が跨って移動したときを模式的に示した図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るX線撮像装置のブロック図であり、図2は、フラットパネル型X線検出器(FPD)の検出面の模式図であり、図3は、実施例に係るエアグリッドの概略図であり、図4(a)は、X線管を併記したエアグリッドおよびFPDの全体概略を示す斜視図であり、図4(b)は、エアグリッドの周辺の拡大図であり、図4(c)は、図4(b)のAからの矢視断面図である。また、本実施例では、放射線としてX線を例に採って説明する。
本実施例に係るX線撮像装置は、図1に示すように、被検体Mを載置した天板1と、被検体Mに向けてX線を照射するX線管2と、X線管2から照射されて被検体Mを透過したX線を検出するフラットパネル型X線検出器(以下、「FPD」と略記する)3と、FPD3によって検出されたX線に基づいて画像処理を行う画像処理部4と、画像処理部4によって各種の画像処理されたX線画像を表示する表示部5とを備えている。表示部5はモニタやテレビジョンなどの表示手段で構成されている。また、FPD3の検出面側にはグリッド6を配設している。フラットパネル型X線検出器(FPD)3は、この発明における放射線検出手段に相当し、グリッド6は、この発明における散乱放射線除去手段に相当する。
画像処理部4は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。なお、各種の画像処理を行うためのプログラム等をROM(Read-only Memory)などに代表される記憶媒体に書き込んで記憶し、その記憶媒体からプログラム等を読み出して画像処理部4のCPUが実行することでそのプログラムに応じた画像処理を行う。特に、画像処理部4の後述するグリッドデータ取得部41やピーク位置算出部42や陰影なし画素算出部43や影総量算出部44や撮像データ取得部51や散乱成分除去処理部52や画素区分部53や画素値補間部54や透過率仮算出部55や透過率平滑化部56や透過率補正部57やX線画像取得部58は、グリッドデータの取得やピーク位置の算出や陰影なし画素(陰影がない画素)の算出や影の総量の算出や撮像データの取得や散乱成分(散乱X線成分)の除去処理や画素の区分や画素値の補間やX線の透過率の仮算出や透過率の平滑化やX線の透過率の補正や最終的なX線画像の取得に関するプログラムを実行することで、そのプログラムに応じたグリッドデータの取得やピーク位置の算出や陰影なし画素の算出や影の総量の算出や撮像データの取得や散乱成分の除去処理や画素の区分や画素値の補間や透過率の仮算出や透過率の平滑化や透過率の補正やX線画像の取得をそれぞれ行う。
画像処理部4は、グリッドデータを取得するグリッドデータ取得部41と、陰影によるピーク位置を求めるピーク位置算出部42と、陰影がない画素(陰影なし画素)を求める陰影なし画素算出部43と、1つの吸収箔6a(図2を参照)当たりの影の総量を求める影総量算出部44と、撮像データを取得する撮像データ取得部51と、散乱成分(散乱X線成分)を演算により除去処理する散乱成分除去処理部52と、画素を撮像データで区分する画素区分部53と、画素値を補間する画素値補間部54と、X線の透過率を仮に求める透過率仮算出部55と、X線の透過率を吸収箔6a(図2を参照)の延在方向に沿って平滑化する透過率平滑化部56と、X線の透過率を補正する透過率補正部57と、X線画像を最終的な撮像データとして求めるX線画像取得部58とを備えている。グリッドデータ取得部41は、この発明におけるグリッドデータ取得手段に相当し、陰影なし画素算出部43は、この発明における陰影なし画素算出手段に相当し、影総量算出部44は、この発明における影総量算出手段に相当し、撮像データ取得部51は、この発明における第1撮像データ取得手段に相当し、散乱成分除去処理部52は、この発明における散乱成分除去処理手段に相当し、画素区分部53は、この発明における画素区分手段に相当し、画素値補間部54は、この発明における画素値補間手段に相当し、透過率仮算出部55は、この発明における透過率仮算出手段に相当し、透過率平滑化部56は、この発明における撮像データ平滑化手段に相当し、透過率補正部57は、この発明における撮像データ補正手段に相当し、X線画像取得部58は、この発明における第2撮像データ取得手段に相当する。
FPD3は、図2に示すように、その検出面にはX線に有感な複数の検出素子dを2次元マトリックス状に配列して構成されている。検出素子dは、被検体Mを透過したX線を電気信号に変換して一旦蓄積して、その蓄積された電気信号を読み出すことで、X線を検出する。各々の検出素子dでそれぞれ検出された電気信号を、電気信号に応じた画素値に変換して、検出素子dの位置にそれぞれ対応した画素にその画素値を割り当てることでX線画像を出力して、画像処理部4のグリッドデータ取得部41や撮像データ取得部51(図1、図5を参照)にX線画像を送り込む。このように、FPD3は、X線を検出する複数の検出素子dが行列状(2次元マトリックス状)に構成されている。検出素子dは、この発明における検出素子に相当する。
エアグリッド6は、図3に示すように、散乱線(散乱X線)を吸収する吸収箔6aを備え、X線を透過させる空隙からなる中間層6cを挟むように吸収箔6aを並べて構成されている。吸収箔6a、中間層6cを覆うグリッドカバー6dは、X線の入射面および逆側の面から吸収箔6a、中間層6cを挟み込む。吸収箔6aの図示を明確にするために、グリッドカバー6dについては二点鎖線で図示し、その他のグリッド6の構成(吸収箔6aを支持する機構等)については図示を省略する。吸収箔6aは、この発明における吸収層に相当する。
また、図3中のX方向に沿った吸収箔6aと中間層6cとを図3中のY方向に順に交互に並べる。ここで、図3中のX方向は、FPD3の検出素子d(図2を参照)の列方向に平行であり、図3中のY方向は、FPD3の検出素子d(図2を参照)の行方向に平行である。したがって、吸収箔6aの配置方向が検出素子dの行方向に対して平行である。このように、吸収箔6aの配置方向はY方向となり、吸収箔6aの長手方向(すなわち延在方向)はX方向となる。以上をまとめると、吸収箔6aの配置方向(Y方向)が検出素子dの行方向、列方向のうち行方向に対して平行である。
X線を吸収箔6aが吸収することにより吸収箔6aのFPD3に陰影32(図4を参照)が生じる。複数画素(本実施例では4つの画素)毎に陰影32が周期的に投影されるように吸収箔6a間の間隔を調整する。画素の間隔(画素ピッチ)をWdとすると、エアグリッド6は、互いに隣接する陰影32間の間隔が画素の間隔Wdよりも大きくなるように構成されている。
本実施例では散乱放射線除去手段としてエアグリッド6を採用しており、中間層6cは空隙になっているが、吸収箔6aの配置方向が検出素子dの行方向、列方向の少なくとも1つの方向に対して平行であり、かつX線を吸収箔6aが吸収することによる吸収箔6aのFPD3への吸収箔6aの陰影32において、互いに隣接する陰影32間の間隔が、X線画像を構成する各々の画素の間隔よりも大きくなるようにFPD3を構成するのであれば、散乱放射線除去手段の構造については特に限定されない。例えば、吸収箔6aについては、鉛などのようにX線に代表される放射線を吸収する物質であれば、特に限定されない。中間層6cについては、上述した空隙の他に、アルミニウムや有機物質などのようにX線に代表される放射線を透過させる中間物質であれば、特に限定されない。
図4では、エアグリッド6と陰影32との関係を模式的に示している。図4(a)に示すように、X線管2の焦点FからFPD3へ下ろした垂線をPLとし、その垂線PL方向のX線管2のFPD3に対する距離(SID: Source Image Distance)をLとし、有効視野領域に符号3Aを付する。また、図4(b)、図4(c)に示すように、X線画像を構成する各々の画素に符号31を付して、吸収箔6aによる陰影に符号32を付する。
本実施例に係る実際のX線撮像およびデータの流れについて、図5〜図12を参照して説明する。図5は、具体的な画像処理部の構成およびデータの流れを示したブロック図であり、図6は、一連のX線撮像の流れを示すフローチャートであり、図7は、陰影とX線量との関係を模式的に示した図であり、図8は、グリッドデータでのピーク位置および陰影なし画素と、それらに対応した撮像データでの各画素との関係を模式的に示した図であり、図9は、散乱成分が重畳したときのX線量を模式的に示した図であり、図10は、X線の透過率の平滑化の説明に供する図であり、図11は、影の総量をグリッドデータおよび撮像データの各画素に模式的に併記した図であり、図12は、互いに隣接する2つの画素に陰影が跨って移動したときのX線量および影の総量を模式的に示した図である。
(ステップS1)グリッドデータの取得
被検体がなくエアグリッド6(図1、図3および図4を参照)のある状態でX線撮像を行う。具体的には、被検体がなくエアグリッド6のある状態でX線管2(図1を参照)からX線をグリッド6およびFPD3(図1〜図4を参照)に向けて照射して、エアグリッド6を透過したX線をFPD3の検出素子d(図2を参照)は電気信号に変換して読み出して、電気信号に応じた画素値に変換する。そして、検出素子dの位置にそれぞれ対応した画素に割り当てられた各画素値を並べたX線画像を出力して、図5に示すように、グリッドデータ取得部41に送り込む。グリッドデータ取得部41は、被検体がなくエアグリッド6のある状態で出力されたX線画像をグリッドデータとして取得する。なお、SIDが可変の場合には、所定間隔(例えば20mm)ごとにX線管2またはFPD3を移動させることで各々のSIDごとのグリッドデータを取得する。グリッドデータ取得部41で取得されたグリッドデータをピーク位置算出部42に送り込む。
なお、図6中のステップS1〜S3と、図6中のステップT1〜T2とを、並列に行っているが、ステップS1〜S3と、ステップT1〜T2とを行う順番については特に限定されない。ステップS1〜S3を先に行った後にステップT1〜T2を行ってもよいし、逆にステップT1〜T2を先に行った後にステップS1〜S3を行ってもよい。後述するステップS4と、ステップT4〜T7についても、図6に示すように並列に行ってもよいし、ステップS4を先に行った後にステップT4〜T7を行ってもよいし、ステップT4〜T7を先に行った後にステップS4を行ってもよい。
グリッドデータのみならず、被検体M(図1を参照)およびエアグリッド6のある状態で取得された撮像データにおいても、X線をエアグリッド6の吸収箔6a(図3を参照)が吸収することにより、図4および図7に示すように陰影32が生じる。グリッドデータでは、画素値と対応関係にあるFPD3への入射直前のX線量については、吸収箔6aを通過しなかった画素31では、グリッド透過前と変わらないが、陰影32が投影された画素31では、吸収箔6aで妨げられた影の量だけX線量が少なくなる。また、図7に示すように、陰影32の面積が大きければ大きいほど、X線量は少なくなって画素値も小さくなり、逆に陰影32の面積が小さければ小さいほど、X線量はグリッド透過前の線量に近づく。図7では、右側にある陰影32の面積が大きく、左側にある陰影32の面積が小さく図示している。このことから、図7では、右側にある大きい面積の陰影32ではX線量は少なく、左側にある小さい面積の陰影32ではX線量はグリッド透過前の線量に近い。したがって、陰影32が投影されていない画素31のX線量(図7中のsALLを参照)は画素面積に比例し、吸収箔6aで妨げられた影の量(図7中のsSHADOWを参照)は陰影32の面積に比例する。このことから、グリッド透過前のX線量とグリッド透過後のX線量との比率で表されるX線の透過率は、上述したように画素面積と陰影32がない部分の面積(すなわち画素面積から陰影32の面積を減算した面積)との比率で表され、上記(1)式の比率で表すことができる。
(ステップS2)ピーク位置の算出
グリッドデータ取得部41で取得されたグリッドデータにおける陰影32に基づいて、陰影32によるピーク位置をピーク位置算出部42は求める。具体的には、図4および図7でも述べたように、図8に示すように、陰影32が現れる画素31ではX線量が少なくなる。その少なくなるピーク位置を見つける。図8中ではピーク位置に三角形を付記する。ピーク位置算出部42で求められたピーク位置を陰影なし画素算出部43や影総量算出部44に送り込む。
(ステップS3)陰影なし画素の算出
ピーク位置算出部42で求められたピーク位置において、互いに隣接する2つのピーク位置間の中間に位置する画素31を、陰影32がない画素(陰影なし画素)として陰影なし画素算出部43は求める。具体的には、図8に示すように、2つのピーク位置から最も離れた箇所(画素)では、陰影32が全くない画素31とみなすことができる。したがって、本実施例のように4つの画素毎に陰影32が周期的に投影される場合には、中央の画素31が、中間に位置する陰影なし画素となる。なお、奇数個画素31毎に陰影32が周期的に投影される場合には、中央に位置する箇所は2つの画素31間になるので、2つの画素31のうちいずれか1つを選択することで、その選択された画素31が、中間に位置する陰影なし画素となる。図8中では陰影なし画素を黒丸で図示する。陰影なし画素算出部43で求められた陰影なし画素を影総量算出部44や画素区分部53に送り込む。
(ステップT1)撮像データの取得
一方、被検体Mおよびエアグリッド6のある状態でX線撮像を行う。具体的には、被検体Mおよびエアグリッド6のある状態でX線管2からX線をグリッド6およびFPD3に向けて照射して、被検体Mおよびエアグリッド6を透過したX線をFPD3の検出素子dは電気信号に変換して読み出して、電気信号に応じた画素値に変換する。そして、検出素子dの位置にそれぞれ対応した画素31に割り当てられた各画素値を並べたX線画像を出力して、撮像データ取得部51に送り込む。撮像データ取得部51は、被検体Mおよびエアグリッド6のある状態で出力されたX線画像を撮像データとして取得する。SIDが可変の場合には、ステップS1でのグリッドデータの取得のときと同様に、各々のSIDごとの撮像データを取得する。撮像データ取得部51で取得された撮像データを散乱成分除去処理部52に送り込む。
(ステップT2)散乱成分除去処理
被検体Mからの散乱線の一部はエアグリッド6を通過して、エアグリッド6で除去しきれなかった散乱成分(散乱X線成分)がFPD3にまで入射される可能性がある。そこで、撮影データ取得部51で取得された撮像データのうち散乱成分を演算により散乱成分除去処理部52は除去処理する。具体的には、図9に示すように、X線量は、散乱線以外の最終的に求めるべき直接線(直接X線)の成分(直接成分)に、散乱成分が重畳している。この散乱成分を演算により除去するには、散乱成分あるいは直接成分のいずれかを求めればよい。図9中では散乱成分を右上斜線のハッチングで図示する。
例えば、隣接する3つの画素31での画素値(X線量)をFPD3でそれぞれ検出して、FPD3で検出されることで既知となった画素値を、未知である散乱成分と同じく未知である直接成分との和で表して、画素値を散乱成分と直接成分との和で表した3つの画素31ごとの連立方程式を解くことで、未知である散乱成分あるいは未知である直接成分を求めればよい。なお、そのときには、陰影32が投影された画素nを含むようにして、その画素nに隣接する2つの陰影なし画素(n−1),(n+1)を選択するのが好ましい。陰影なし画素(n−1),(n+1)の画素値をそれぞれGn−1,Gn+1とするとともに、陰影32が投影された画素nの画素値をGとし、各画素(n−1),n,(n+1)の散乱成分をScn−1〜Scn+1とし、各画素(n−1),n,(n+1)の直接成分をPn−1〜Pn+1とすると、連立方程式は下記(3)式で表される。
n−1=Pn−1+Scn−1
=P+Sc
n+1=Pn+1+Scn+1 …(3)
なお、被検体Mがアクリル平板などのように直接線の透過厚さが一定となっている場合には、各画素(n−1),n,(n+1)の直接成分Pn−1〜Pn+1は互いに等しいとして、Pn−1=P=Pn+1とし、各画素(n−1),n,(n+1)の散乱成分Scn−1〜Scn+1の変化は直線近似できるものとして、Sc=(Scn+1+Scn−1)/2とする条件を設定する。この条件を加えて、上記(3)式で連立方程式を解けば、未知である各成分を求めることができる。
このようにして、上記(3)式で散乱成分を求めた後に、散乱成分を除去する。あるいは上記(3)式で直接成分を求めて、その直接成分を、散乱成分が除去された撮影データとする。全画素の画素値を上記(3)式の連立方程式で必ずしも解く必要はない。例えば、所定の間隔ごとに画素群(隣接する3つの画素)を選択して、連立方程式を解くことで当該画素群の各成分を求めて、散乱成分が除去された画素群の画素値を求める。そして、選択されなかった残りの画素の画素値については、連立方程式を解くことで既に求められた画素群の画素値を用いて補間処理を行うことで、求めればよい。補間処理としては、平均値やラグランジェ補間などを用いればよい。
また、このステップT2の段階で、ステップS1でのグリッドデータが既に取得されているのであれば、グリッドデータをも用いて、除去処理を行えばよい。例えば、X線の透過率を、上記(1)式から求める、あるいはグリッドデータにおけるグリッド透過前のX線量とグリッド透過後のX線量との比率から求める。そして、FPD3で検出されることで既知となった画素値を、未知である散乱成分と同じく未知である直接成分に透過率を乗じたものとの和で表して、画素値を散乱成分と直接成分・透過率との和で表した3つの画素ごとの連立方程式を解くことで、未知である散乱成分あるいは未知である直接成分を求めればよい。各画素(n−1),n,(n+1)の透過率をCpn−1〜Cpn+1とすると、連立方程式は下記(3)´式で表される。
n+1=Pn+1・Cpn+1+Scn+1
=P・Cp+Sc
n−1=Pn−1・Cpn−1+Scn−1 …(3)´
上記(3)式と同様に、上記(3)´式からも除去処理を行うことができる。上記(3)´式の場合には、透過率も考慮して散乱成分を除去しているので、上記(3)式よりも、散乱成分をより一層正確に除去することができる。散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去された撮像データを画素区分部53や透過率仮算出部55やX線画像取得部58に送り込む。
(ステップT4)画素の区分
散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去処理された撮像データにおける画素31のうち、陰影なし画素算出部43で求められたグリッドデータにおける陰影なし画素に対応させた画素31と、それ以外の画素31とに撮像データで画素区分部53は区分する。具体的には、図8に示すように、グリッドデータにおける陰影なし画素に対応させて、撮像データにおいても陰影32が全くない画素31を求める。撮像データにおけるその画素31を、グリッドデータにおける陰影なし画素と同様に図8中では黒丸で図示し、撮像データにおけるそれ以外の画素31を図8中では点描で図示する。また、グリッドデータにおいても、陰影なし画素以外の画素31については、ピーク位置での画素31も含めて図8中では点描で図示する。画素区分部53で区分された各画素31を画素値補間部54に送り込む。
(ステップT5)画素値の補間
画素区分部53で区分された画素31のうち、グリッドデータにおける陰影なし画素に対応させた画素31の画素値に基づいて、それ以外の画素31の画素値を画素値補間部54は補間する。具体的には、被検体Mが人体の場合、人体におけるX線の透過率の吸収箔6aの配置方向に関する変化が、画素31の間隔(画素ピッチ)に比較して細かくないと仮定すると、グリッドデータにおける陰影なし画素に対応させた撮像データでの画素31をつなぐように、図8のラインaに示すように、それ以外の画素31の画素値を補間する。図8中では画素値が補間された画素31を白丸で図示する。画素値補間部54で補間された画素値を透過率仮算出部55に送り込む。
(ステップT6)透過率の仮算出
散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去処理された撮像データにおける画素31の画素値、すなわち撮像で得られた実際の画素値、および画素値補間部54で補間された画素値に基づいて、透過率仮算出部55はX線の透過率を仮に求める。撮像で得られた実際の画素値と、補間された画素値との差を吸収箔6aによるX線の遮蔽(すなわち影の量)とみなすことで、この部分でのX線の透過率を直接に推定することが可能である。
ところが、X線の透過率が、撮像で得られた実際の画素値と、補間された画素値とに基づいて得られたものであるので、このように求められたX線の透過率で、元の撮影データ(本実施例では散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去処理された元の撮像データ)の画素値を除算すると、補間された画素値(図8のラインa)と同じものになることは明らかである。図8のラインaは、補間されたデータを意味するのであって、最終的に求めたいデータではない。したがって、求められたX線の透過率をこのステップT6では仮の透過率とする。透過率仮算出部55で仮に求められた撮像データにおけるX線の透過率を透過率平滑化部56に送り込む。
(ステップT7)透過率の平滑化
透過率仮算出部55で仮に求められた撮像データにおけるX線の透過率に対して透過率平滑化部56は平滑化する。具体的には、図10に示すように、X線の透過率を吸収箔6aの延在方向に沿って平滑化する。例えば、図10(a)に示すように吸収箔6aの延在方向に沿った所定の領域Rにおいて、その領域Rに所属する複数の透過率(図10(b)を参照)を、吸収箔6aの延在方向に沿って加算して平均をとることで、図10(c)に示すように透過率を平滑化する。なお、平滑化は、加算して平均をとる加算平均(「相加平均」とも呼ぶ)のみならず、単なる加算でもよいし、通常において用いられる平滑化であれば特に限定されない。
エアグリッド6の陰影32は、吸収箔6aの延在方向についてはほとんど変化がない。それに対して、人体のように被検体Mなどの模様は、吸収箔6aの延在方向について一定ではない。そのため、吸収箔6aの延在方向に沿って透過率の加算平均を行うと、人体の影響がキャンセルされて、ほぼ一定値である陰影32のプロファイルだけが残る。このプロファイルを「仮陰影プロファイル」とする。仮陰影プロファイルでの吸収箔6aによって遮蔽されたX線の量(影の量)を、図11に示すように各画素(n−1),n,(n+1)ごとにbn−1,b,bn+1とする。仮陰影プロファイルで得られた影の総量はbn−1+b+bn+1となる。透過率平滑化部56で平滑化された撮像データにおけるX線の透過率(仮陰影プロファイル)を透過率補正部57に送り込む。
(ステップS4)影の総量の算出
一方、陰影なし画素算出部43で求められた陰影なし画素、およびピーク位置算出部42で求められたピーク位置に基づいて、1つの吸収箔6a当たりの影の総量を影総量算出部44は求める。具体的には、図11に示すように、陰影なし画素およびピーク位置を含んで囲まれた領域においてX線が遮断された量は、1つの吸収箔6a当たりの影の総量とみなすことができる。陰影なし画素およびピーク位置を含んで囲まれた領域(すなわち1つの吸収箔6a当たりの影の総量)を図11中では右上斜線のハッチングで図示する。また、吸収箔6aによって遮蔽されたX線の量(影の量)を、各画素(n−1),n,(n+1)ごとにan−1,a,an+1とする。したがって、1つの吸収箔6a当たりの影の総量はan−1+a+an+1となる。影総量算出部44で求められた1つの吸収箔6a当たりの影の総量を透過率補正部57に送り込む。
(ステップS8)透過率の補正
図14でも述べたが、図12(a)に示すように、互いに隣接する2つの画素31に陰影32が跨って、図12(b)に示すように陰影32が変動すると、画素31上の陰影32の影の量は変化する。ただし、個々の影の量(すなわち画素31毎の影の量)は変化するが、1つの吸収箔6a当たりの影の総量でみれば、一定となるはずである。そこで、影総量算出部44で求められた1つの吸収箔6a当たりの影の総量は一定であるとの条件で、透過率平滑化部56で平滑化された撮像データにおけるX線の透過率(仮陰影プロファイル)を影の総量に基づいて透過率補正部57は補正する。具体的には、仮陰影プロファイルで得られた影の総量bn−1+b+bn+1と、1つの吸収箔6a当たりの影の総量an−1+a+an+1が同じになるように仮陰影プロファイルを補正する。
この補正は、仮に求められたX線の透過率は、人体などの撮像対象による外乱が入っているので、より正確な陰影32の量(影の量)に補正することを目的としている。具体的には、図11に示すように、an−1+a+an+1=k・(bn−1+b+bn+1)となるように定数項であるkを求め、k・bn−1,k・b,k・bn+1を各画素(n−1),n,(n+1)ごとの新たなる影の量とする。このような補正を行うことで、仮陰影プロファイルから、より正確な陰影プロファイルを得ることができる。取得された陰影プロファイルから、上記(1)式に代入してX線の透過率を求めることで、X線の透過率を補正する。透過率補正部57で補正されたX線の透過率をX線画像取得部58に送り込む。
(ステップS9)X線画像の取得
透過率補正部57で補正されたX線の透過率、および散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去処理された撮像データにおける画素値(撮像で得られた実際の画素値)に基づいて、陰影除去後の画素値を求め、その除去処理後の画素値を並べたX線画像を最終的な撮像データとしてX線画像取得部58は取得する。具体的には、撮像で得られた実際の画素値と、ステップS8で補正されたX線の透過率を、上記(2)式に代入して陰影除去後の画素値を求める。X線画像取得部58で取得された最終的な撮像データであるX線画像を表示部5や記憶媒体や印刷手段などに出力すればよい。
本実施例に係るX線撮像装置によれば、散乱X線(散乱線)を吸収する吸収箔6aの配置方向が検出素子dの行方向、列方向の少なくとも1つの方向(図3では行方向)に対して平行であり、かつX線を吸収箔6aが吸収することによる吸収箔6aのフラットパネル型X線検出器(FPD)3への吸収箔6aの陰影32において、互いに隣接する陰影32間の間隔が、X線画像を構成する各々の画素31の間隔よりも大きくなるようにエアグリッド6を構成する。このように構成することで、陰影32がない画素31(陰影なし画素)が、吸収箔6aの配置方向に平行な検出素子dの行あるいは列(図3では列)ごとに現れる。したがって、被検体がなくエアグリッド6のある状態でのグリッドデータをグリッドデータ取得部41が取得し、そのグリッドデータ取得部41で取得されたグリッドデータにおける陰影32に基づいて陰影32によるピーク位置をピーク位置算出部42が求め、そのピーク位置算出部42で求められたピーク位置において、互いに隣接する2つのピーク位置間の中間に位置する画素31を、陰影32がない画素31(陰影なし画素)として陰影なし画素算出部43が求める際に、実際に現れる陰影32がない画素31と求められる陰影32がない画素31とがほぼ一致する。上述の陰影なし画素算出部43で求められた陰影32がない画素31、および上述のピーク位置算出部42で求められたピーク位置に基づいて、1つの吸収箔6a当たりの影の総量を影総量算出部44は求める。つまり、陰影32がない画素31およびピーク位置を含んで囲まれた領域においてX線が遮断された量は、1つの吸収箔6a当たりの影の総量とみなすことができる。
一方、被検体Mおよびエアグリッド6のある状態での撮像データを撮像データ取得部51が取得し、その撮像データ取得部51で取得された撮像データ(本実施例では散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去処理された撮像データ)を吸収箔6aの延在方向に沿って透過率平滑化部56が平滑化することで、その透過率平滑化部56で平滑化された撮像データでは、被検体Mの影響がキャンセルされて、ほぼ一定値である陰影32のプロファイルだけが残る。したがって、透過率平滑化部56で平滑化された撮像データでは、被検体Mのデータを残しつつ、被検体Mの影響をキャンセルした陰影32のプロファイルを含んでいる。
なお、陰影32が画素31に跨ったり、その陰影位置が画素31に対して相対的に移動したとしても、1つの吸収箔6a当たりの影の総量は一定であるみなすことができる。そこで、影総量算出部44で求められた1つの吸収箔6a当たりの影の総量は一定であるとの条件で、透過率平滑化部56で平滑化された撮像データを影の総量に基づいて透過率補正部57は補正する。このように補正することで、被検体Mによる外乱がキャンセルされて、実際の被検体MのX線撮像時における陰影32のプロファイルを求めることができる。したがって、陰影32が画素31に跨ったり、その陰影位置が画素31に対して相対的に移動したとしても、上述の透過率補正部57で補正された撮像データ、および上述の撮像データ取得部51で取得された撮像データ(本実施例では散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去処理された撮像データ)に基づいて、陰影除去後のデータを求め、その除去後のデータを最終的な撮像データとしてX線画像取得部58は取得することが可能となる。その結果、実際の被検体MのX線撮像時における陰影32のプロファイルである補正された撮像データを使用して、陰影除去を精度よく行うことができる。
本実施例では、撮像データ取得部51で取得された撮像データにおいて、X線の透過率に特定している。そして、透過率平滑化部56および透過率補正部57はX線の透過率に対してそれぞれ処理を行う。そのためには、X線の透過率を仮に求める。
先ず、撮像データ取得部51で取得された撮像データ(本実施例では散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去処理された撮像データ)における画素31のうち、陰影なし画素算出部43で求められたグリッドデータにおける陰影32がない画素31(陰影なし画素)に対応させた画素31と、それ以外の画素31とに撮像データで画素区分部53は区分する。このように区分することで、グリッドデータにおける陰影なし画素を、撮像データでは陰影なし画素に対応させた画素31に当てはめることができる。ここで、画素区分部53で区分された画素31のうち、グリッドデータにおける陰影なし画素に対応させた画素31の画素値に基づいて、それ以外の画素31の画素値を画素値補間部54が補間する。すなわち、被検体MのX線の透過率の(吸収箔6aの配置方向に関する)変化が、画素31の間隔(画素ピッチ)と比較して細かくないと仮定すると、グリッドデータにおける陰影なし画素に対応させた撮像データでの画素31をつなぐように、それ以外の画素31の画素値を補間する。
そして、撮像データ取得部51で取得された撮像データ(本実施例では散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去処理された撮像データ)、および画素値補間部54で補間された画素値に基づいて、透過率仮算出部55はX線の透過率を仮に求める。すなわち、撮像で得られた実際の画素値と、補間された画素値との差を吸収箔6aによるX線の遮蔽とみなすことで、この部分でのX線の透過率を直接に推定することが可能である。
ところが、上述したように、X線の透過率が、撮像で得られた実際の画素値と、補間された画素値とに基づいて得られたものであるので、このように求められたX線の透過率で、元の撮影データの画素値を除算すると、補間された画素値と同じものになることは明らかである。したがって、求められたX線の透過率を仮の透過率として、透過率平滑化部56は、透過率仮算出部55で仮に求められた撮像データにおけるX線の透過率に対して平滑化し、透過率補正部57は、透過率平滑化部56で平滑化された撮像データにおけるX線の透過率を影の総量に基づいて補正する。X線画像取得部58は、透過率補正部57で補正された撮像データにおけるX線の透過率、および撮像データ取得部51で取得された撮像データ(本実施例では散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去処理された撮像データ)における画素値に基づいて、陰影除去後の画素値を求め、その除去処理後の画素値を並べたX線画像を最終的な撮像データとして取得することが可能となる。その結果、実際の被検体MのX線撮像時における陰影32のプロファイルである補正されたX線の透過率を使用して、陰影除去を精度よく行うことができる。
本実施例では、被検体Mから散乱X線(散乱線)の一部がエアグリッド6を通過して、エアグリッド6で除去しきれなかった散乱線が存在している場合には、好ましくは、散乱成分除去処理部52を備えている。
すなわち、撮像データ取得部51で取得された撮像データのうちエアグリッド6で除去しきれなかった散乱線成分(散乱成分)を演算により除去処理する散乱成分除去処理部52を備え、X線画像取得部58は、散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去された撮像データに基づいて、最終的な撮像データとして取得している。
このように散乱成分を演算により除去処理して、撮像データ取得部51で取得された撮像データを、散乱成分除去処理部52で散乱成分が除去された撮像データとして置き換えることで、散乱成分を除去しつつ、陰影除去を精度よく行うことができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、放射線としてX線を例に採って説明したが、X線以外の放射線(例えばγ線など)に適用してもよい。
(2)上述した実施例では、放射線撮像装置は、医用等に用いられる、図1に示すような天板1に被検体を載置して撮影を行う構造であったが、これに限定されない。例えば、工業用等に用いられる非破壊検査装置のように被検体(この場合には検査の対象物が被検体)をベルト上に運搬させて撮影を行う構造であってもよいし、医用等に用いられるX線CT装置などのような構造であってもよい。
(3)上述した実施例では、グリッドに代表される散乱放射線除去手段として、エアグリッドを採用したが、これに限定されない。空隙の他に、アルミニウムや有機物質などのようにX線に代表される放射線を透過させる中間物質で構成されたグリッドでもよい。また、図13に示すように、クロスグリッドでもよい。具体的には、図3中のX方向に沿った吸収箔6aと中間層6cとを図3中のY方向に順に交互に並べるとともに、図3中のY方向に沿った吸収箔6bと中間層6cとを図3中のX方向に順に交互に並べることで、吸収箔6aと吸収箔6bとを互いにクロスさせる。ここで、図3中のX方向は、FPD3の検出素子d(図2を参照)の行方向に平行であり、図3中のY方向は、FPD3の検出素子d(図2を参照)の列方向に平行である。したがって、吸収箔6a,6bの配置方向が検出素子dの行方向および列方向の両方向に対して平行である。
(4)上述した実施例では、散乱放射線除去手段(実施例ではエアグリッド6)は、4つの画素31毎に陰影32が周期的に投影される構造であったが、陰影32が周期的に投影される構造であれば、例えば2つの画素31毎に陰影32が周期的に投影される構造、3つの画素31毎に陰影32が周期的に投影される構造など特に限定されない。
(5)上述した実施例では、散乱放射線除去手段(実施例ではエアグリッド6)で除去しきれなかった散乱放射線(実施例では散乱X線)が存在している場合には、散乱放射線成分を演算により除去処理する散乱成分除去処理手段(実施例では散乱成分除去処理部52)を備えたが、散乱放射線が無視できる程度、あるいは散乱放射線を考慮する必要がない場合には、必ずしも散乱成分除去処理手段(散乱成分除去処理部52)を備える必要はない。散乱成分除去処理手段(散乱成分除去処理部52)を備えない場合には、第1撮像データ取得手段(実施例では撮像データ取得部51)で取得された撮像データを直接的に用いて画素区分手段(実施例では画素区分部53)や透過率仮算出手段(実施例では透過率仮算出部55)や撮像データ平滑化手段(実施例では透過率平滑化部56)や第2撮像データ取得手段(実施例ではX線画像取得部58)などの処理を行えばよい。
(6)上述した実施例では、第1撮像データ取得手段(実施例では撮像データ取得部51)で取得された撮像データにおいて、放射線の透過率に特定して、撮像データ平滑化手段(実施例では透過率平滑化部56)および撮像データ補正手段(実施例では透過率補正部57)は放射線の透過率に対してそれぞれ処理を行ったが、撮像データの一例は実施例のような透過率に限定されない。例えば直接成分の画素値に対して上述の手段での処理を行ってもよいし、散乱成分に対して上述の手段での処理を行ってもよい。
3 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
31 … 画素
32 … 陰影
41 … グリッドデータ取得部
43 … 陰影なし画素算出部
44 … 影総量算出部
51 … 撮像データ取得部
52 … 散乱成分除去処理部
53 … 画素区分部
54 … 画素値補間部
55 … 透過率仮算出部
56 … 透過率平滑化部
57 … 透過率補正部
58 … X線画像取得部
6 … グリッド
6a … 吸収箔
d … 検出素子
M … 被検体

Claims (3)

  1. 放射線画像を得る放射線撮像装置であって、
    散乱放射線を除去する散乱放射線除去手段と、
    放射線を検出する複数の検出素子が行列状に構成された放射線検出手段と
    を備え、
    前記散乱放射線を吸収する吸収層の配置方向が前記検出素子の行方向、列方向の少なくとも1つの方向に対して平行であり、かつ放射線を前記吸収層が吸収することによる吸収層の前記放射線検出手段への前記吸収層の陰影において、互いに隣接する陰影間の間隔が、前記放射線画像を構成する各々の画素の間隔よりも大きくなるように前記散乱放射線除去手段を構成し、
    前記装置は、
    被検体および前記散乱放射線除去手段のある状態での撮像データを取得する第1撮像データ取得手段と、
    その第1撮像データ取得手段で取得された撮像データを前記吸収層の延在方向に沿って平滑化する撮像データ平滑化手段と、
    被検体がなく前記散乱放射線除去手段のある状態でのグリッドデータを取得するグリッドデータ取得手段と、
    そのグリッドデータ取得手段で取得されたグリッドデータにおける前記陰影に基づいて、陰影がない画素を求める陰影なし画素算出手段と、
    その陰影なし画素算出手段で求められた陰影がない画素位置に基づいて、1つの前記吸収層当たりの影の総量を求める影総量算出手段と、
    その影総量算出手段で求められた1つの吸収層当たりの影の総量から、前記撮像データ平滑化手段で平滑化された前記撮像データを前記影の総量に基づいて補正する撮像データ補正手段と、
    その撮像データ補正手段で補正された撮像データ、および前記第1撮像データ取得手段で取得された前記撮像データに基づいて、陰影除去後のデータを求め、その除去後のデータを最終的な撮像データとして取得する第2撮像データ取得手段とを備えることを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮像装置において、
    前記第1撮像データ取得手段で取得された前記撮像データにおける画素のうち、前記陰影なし画素算出手段で求められた前記グリッドデータにおける前記陰影がない画素に対応させた画素と、それ以外の画素とに前記撮像データで区分する画素区分手段と、
    その画素区分手段で区分された画素のうち、前記グリッドデータにおける前記陰影がない画素に対応させた画素の画素値に基づいて、それ以外の画素の画素値を補間する画素値補間手段と、
    前記第1撮像データ取得手段で取得された前記撮像データにおける画素の画素値、および前記画素値補間手段で補間された画素値に基づいて、放射線の透過率を仮に求める透過率仮算出手段とを備え、
    前記撮像データ平滑化手段は、前記透過率仮算出手段で仮に求められた前記撮像データにおける放射線の透過率に対して前記平滑化し、
    前記撮像データ補正手段は、前記撮像データ平滑化手段で平滑化された前記撮像データにおける放射線の透過率を前記影の総量に基づいて補正し、
    前記第2撮像データ取得手段は、前記撮像データ補正手段で補正された前記撮像データにおける放射線の透過率、および前記第1撮像データ取得手段で取得された前記撮像データにおける画素値に基づいて、陰影除去後の画素値を求め、その除去処理後の画素値を並べた放射線画像を最終的な撮像データとして取得することを特徴とする放射線撮像装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放射線撮像装置において、
    前記第1撮像データ取得手段で取得された前記撮像データのうち前記散乱放射線除去手段で除去しきれなかった散乱放射線成分を演算により除去処理する散乱成分除去処理手段を備え、
    前記第2撮像データ取得手段は、前記散乱成分除去処理手段で前記散乱放射線成分が除去された前記撮像データに基づいて、前記最終的な撮像データとして取得することを特徴とする放射線撮像装置。
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